1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 19:49:07.91 ID:AJSre9j/0
ハルヒ「……は?」
キョン「……いや、なんでもないんだ」
キョン「なんてことを聞いてんだ俺は。すまん、忘れてくれ」
ハルヒ「……え、えぇ」
みくる「あのぉ〜、涼宮さん」
ハルヒ「ひっ!? あっ、みくるちゃん? な、なに?」
みくる「いえ、お茶を……どうぞ」
ハルヒ「あ、あぁ……お茶ね」
長門「……」
古泉「どういうおつもりで?」コソコソ
キョン「知らん。どうかしてた。すまん」
古泉「なぜ謝るのです?」
キョン「なぜって……古泉、アルバイトはいいのか?」
古泉「いえ、何も異常はありませんが」
キョン「なんだって?」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 20:00:49.45 ID:AJSre9j/0
キョン「あんなことをあいつに聞いたのにか?」
古泉「随分抽象的ですね」
キョン「何度も言わせるな。俺はついさきほどの言動について激しく後悔しているところなんだ」
古泉「なぜですか?」
キョン「何故、だと?」
古泉「はい」
キョン「突然俺のようなやつに好きなタイプなぞと聞かれてみろ。俺なら耐えられそうもない」
古泉「……そうでしょうか」
キョン「そうなんだよ。容姿の整ったお前には分からんかもしれんがな。
凡人にも凡人なりの苦労があるもんだ」
古泉「僕には涼宮さんは悪い気を起こしているようには見えませんでしたけどね。実際に閉鎖空間も発生していませんし」
キョン「そこなんだよ。なあ古泉。なぜハルヒは閉鎖空間を発生させない?」
古泉「答えは簡単ですよ。繰り返すようですが、あなたの質問に対して悪い気を起こしていないからです」
キョン「何故悪い気を起こさんのだ、と聞いているんだが」
古泉「さあ、僕は涼宮さんではないのでわかりかねますね。本人に聞いてみてはどうです?」
キョン「断る。常識的に考えて、そんなことできる訳がないだろう」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 20:11:44.01 ID:AJSre9j/0
古泉「では、試してみてはどうでしょう?」
キョン「試す?」
古泉「ええ。先程と同じ質問をもう一度してみるのです。今度は誤魔化さずに、答えを聞くまでしっかりとね」
キョン「馬鹿野郎。それこそどうなるか分からんぞ」
古泉「心配ご無用。この件に関しては僕が全責任を負いますから」
キョン「そこまでする必要がどこにある」
古泉「賭け、みたいなものですかね。僕には閉鎖空間が発生するとは思えないので」
キョン「どうかしてる」
古泉「少なくとも、質問を繰り返すことで涼宮さんは悪い気がするのか、それともしないのかがハッキリするでしょう?」
キョン「……」
古泉「いい機会です。涼宮さんからリードを奪えるキッカケとなるかもしれませんよ」
キョン「……どうなっても知らんぞ」
古泉「ええ、お任せください」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 20:34:29.42 ID:AJSre9j/0
キョン「あー……ハルヒ」
ハルヒ「……なによ」
キョン「その、何度も悪いんだが、お前はどんな男が好きなんだ?」
ハルヒ「は、はぁ!?」
キョン「あ、いやっ! 違う、違うんだ!少し直接的過ぎただけなんだ!」
みくる「ひ、ひぇえ〜」
ハルヒ「何よあんたさっきから……忘れて欲しいんじゃなかったの?」
キョン「そうなんだが……。お前は以前、恋愛は精神病の一種だと言っていたな?」
ハルヒ「ええ、そうよ?」
キョン「そんなことを考えるお前に、もし好きなタイプだなんだというやつがいたら、どんなやつなのかと少し気になってな……」
ハルヒ「何よそれ、好奇心?」
キョン「近いかもしれん。俺にとってお前は不思議そのものだからな。
案外、そこを掘り下げることでなにか見つかるんじゃないかと思ったんだが」
ハルヒ「……」
キョン(くっ……やはり無理があったか……)
ハルヒ「へぇー……確かに、盲点だったわね」
キョン「なっ、んだと……あ、いや、そうだろう?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 20:50:17.97 ID:AJSre9j/0
ハルヒ「言われてみれば、あたしがいつも探すのはあたしの周りにある不思議ばっかりね。
あたし自身が不思議という視点は、斬新で興味をそそられるわ。それに、願ってもないことだし。
……うん。これを機会に、あたし自身を見直してみるのもいいかもしれないわね。何よキョン、たまにはいいこと言うじゃない。
退屈な時間が一瞬にして吹き飛んだわ!!!」
キョン「それは良かった。が、一言余計だ」
ハルヒ「で、なんだっけ? あたしの好きなタイプ?」
キョン「ああ、そのなんだ。お前は一体どんなやつがタイプなんだ?」
ハルヒ「うーん、唐突にそう聞かれても返答に困るわね。みくるちゃんはどんな男がいいの?」
みくる「わ、私ですかぁ!? え、わた、私はぁ〜……そのぉ」
みくる「や、優しい人がいいです……」
ハルヒ「へぇー、なんだかありきたりね」
みくる「すみません……」
ハルヒ「有希は?」
長門「特定のタイプは存在しない」
ハルヒ「ま、有希ならそうよね……うーん」
キョン「なんか思ったより盛り上がっちまったぞ、おいどうする」コソコソ
古泉「素晴らしいと思いますよ。話題の尽きないSOS団ですが、こういったことに関しては過去に掘り下げられたことが無かったのが不思議なくらいです。
それになにより、個人的に興味がありますしね」ニコッ
キョン「お前……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 21:01:16.01 ID:AJSre9j/0
キョン(古泉の野郎、随分俺の背中を押すと思ったが、自分も聞きたかっただと……)
キョン(そんなことのために閉鎖空間発生の危険を肩に背負いやがったのかこいつ)
古泉「ふふっ……」
ハルヒ「あたしのタイプねぇ……」
古泉「随分悩まれているようですね。どうでしょう、ここで一つ提案があるのですが」
ハルヒ「ん? なにかしら?」
古泉「恐らく涼宮さんは具体的なイメージが浮かばれていないでしょうから、身近にいる具体的な人物で考えていけば良いかと」
ハルヒ「具体的な人物、か……」
キョン「何やら嫌な予感がするんだが」
古泉「どうです? 一先ず、僕と彼では、どちらが涼宮さん好みの男性でしょう?」
キョン「こ、この野郎ッ……! それが狙いか古泉! お前、最初から俺に恥をかかせるために……!」
古泉「まあまあ、落ち着いてください」
ハルヒ「キョ、キョンと古泉くん、どっちがタイプかですって?」
古泉「ええ、あくまでも『人物像』ですから」ニコッ
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 21:40:08.40 ID:AJSre9j/0
ハルヒ「って、言えるわけないでしょうが」
古泉「おや、それは申し訳ありません」
ハルヒ「キョンのことはどうだっていいけど、古泉くんに失礼じゃない」
みくる「そ、それって遠回しにキョンくんを選ぶってことなんじゃ……」
ハルヒ「バッ!? み、みくるちゃん!!違うわよ!! キョンなんかと比べられる古泉くんが可哀想ってこと!!」
みくる「ご、ごめんなさい!私てっきり……」
ハルヒ「とにかく違うから!! ったくもう!!」
古泉「僕のことは気にしないでください」
キョン「結局古泉の勝ちか。というか随分な言われようだな。俺がお前に何をしたってんだ。恨みがあるなら聞かない。聞きたくもない」
ハルヒ「うっさいわね!!」
キョン「やれやれ……」
長門「……」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 21:57:09.04 ID:AJSre9j/0
キョン「……結局、どんなやつがタイプなのか聞けてないんだが」
ハルヒ「しょうがないでしょ。わからないんだから。大体、あたしは精神病になんかかかる気は毛頭ないのよ!」
キョン「分からんぞ。病気なんていくら予防していても罹る時は罹るものだからな」
ハルヒ「平気よ。あり得ないわ」
キョン「なぜ言い切れる?」
ハルヒ「あたしがあり得ないと思っているから?」
キョン「なんだそれは」
ハルヒ「知らないわよ。とにかくそうなの!」
キョン「やれやれ……。精神病も精神病で、悪くはないんだがな」
ハルヒ「……なによそれ、どういう意味?」
キョン「……しまった。失言だ、忘れてくれ」
古泉「これはこれは……」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 22:02:54.23 ID:AJSre9j/0
ハルヒ「な、なによあんた……もしかして」
キョン「だから失言だと言っているだろう。忘れろ。ほら、今すぐにだ」
ハルヒ「……誰か、好きな人でもいるわけ?」
キョン「……」
ハルヒ「なに黙ってんのよ。沈黙は肯定とみなすわよ」
キョン「悪いがこの件に関しては黙秘権を行使させてもらう。イエスかノーかで聞かれると、どちらでもない、だ」
ハルヒ「そんなのあたしが許すわけないでしょ、このバカキョン」
キョン「……」
ハルヒ「こんのっ……!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 22:13:30.75 ID:AJSre9j/0
キョン「長門、何を読んでるんだ?」
長門「……」スッ
ハルヒ「さらっと話変えてんじゃないわよ」
キョン「朝比奈さん、今日もお茶を淹れて下さりありがとうございます。とても美味しかったですよ」
みくる「そ、そんなっ! こちらこそありがとうござ」
ハルヒ「みくるちゃーん?」
みくる「ひっ!!」
ハルヒ「こら! キョン!無視してんじゃないわよ!!」
キョン「古泉、何か手はないか?早急に頼む」
古泉「申し訳ありませんが僕には何も」
キョン「ハルヒ、すまん用事を思い出した」
ハルヒ「待ちなさい!! 今帰ったら死刑じゃすまさないわよ!!」
キョン「勘弁してくれ……」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 22:43:13.16 ID:AJSre9j/0
ハルヒ「白状しなさい!!」
キョン「待て、俺はこれから何を言わされるんだ?」
ハルヒ「そんなの決まってるじゃない。あんたの精神病の原因は誰なのかってことよ」
キョン「冗談はよしてくれ。なぜ俺がそこまで言わにゃならんのだ」
ハルヒ「そこまで、ってことは、そういう存在がいるってことは認めるのね」
キョン「ぐっ……ああ、クソッ。分かった、分かったよ。降参だ。ったく、なんだってこんな仕打ちを受けてるんだ俺は」
ハルヒ「ふーん……気になるわね。誰なのよ、その子」
キョン「ええい、だから言わんと言っているだろう。というか勘違いして欲しく無いんだが、あくまで気になっているやつだからな。
どっぷり精神病に罹っているわけではない」
キョン「風邪で例えるならば喉の調子が少しおかしいってとこだ。だが俺はマスクをつける気は毛頭ない。これでいいか?」
ハルヒ「ふーん……ま、今回は特別に許してあげるわ。時間も遅いしね。ってことで、今日のところは解散!!」
キョン「はぁ……」
古泉「お疲れ様です」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/11(火) 22:49:18.01 ID:AJSre9j/0
眠いから終わるわ
ゴメス