涼宮ハルヒの執事


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1 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:04:17.45 ID:m/6oZuk90

*オリキャラ視点

*原作設定を改編

2 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:05:18.82 ID:m/6oZuk90

「お嬢様、お嬢様」

「ん…」

シングルの真っ白なベッドで姿勢よく眠っていた彼女を、私は軽くゆすった。

窓の外は春の訪れを感じさせるようなぽかぽかとしており、ベッド全体にもほどよい光が差し込んでいる。

それに包まれながらの目覚めはかなり気持ちがいいはずだ。少し彼女が羨ましい。


3 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:06:24.38 ID:m/6oZuk90

「ふあ」

ゆっくりと体を起こし気の抜けた声を出した。寝相が良かったためか髪はあまり乱れていない。

「涎、垂れてます」

私はもっていたハンカチでぬぐう。

「ん…ありがと」

その後およそ数分間、私と彼女はおたがいを見つめあっていた。

4 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:07:30.00 ID:m/6oZuk90

目は半開き、口はへの字になっていても彼女はわりあい美しい。

やはり美人は何をしても絵になるな。

「なに?」

ようやく頭が回り始めたようだ

「あ、すいません。お嬢様の目が覚めるのを待っていただけです」

「ふ〜ん、っていうかお嬢様はやめてって何度もいってるでしょ」

「すいません。ハルヒさん」

「そうよ。それでいいのよ」

腕を組みながら言った。


5 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:08:15.35 ID:m/6oZuk90

「それでハルヒさん」

なに?」

「もう8時ですが大丈夫でしょうか?」

そういった瞬間、彼女の表情は青ざめ

「うそ!もう遅刻じゃない!どうしてくれんのよ」

部屋中に彼女の怒声が響き渡り、私は必死に言い訳の言葉を探す。

実は私もついさっき起きたなんていえるわけがない。

「一度の遅刻くらい大丈夫ではないでしょうか」

口下手な私にはこれが精一杯である。


6 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:08:52.41 ID:m/6oZuk90

「バカ!今日は高校の入学式よ。入学早々遅刻だなんて恥さらしじゃない」

「そんなことは…」

「もう!着替えるから出て」

怒声を背に受けながら、私はスパイのように素早く部屋の外へ出た。

式は8時45分からだし、派手な外見を好まない彼女なら間に合うだろう。


7 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:09:34.44 ID:m/6oZuk90

私はドア横の壁にもたれながら彼女を待つ。

そういえば涼宮家の執事になって今日で一年だ。

私が来た当初よりずいぶんと彼女も変わった気がする。

いつも不機嫌そうな表情を浮かべ、話しかけても上の空だった中学時代も、日を追うごとに変わっていった。

8 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:10:21.99 ID:m/6oZuk90

今みたいな威勢の良さは過去の彼女からは考えられない。

最も宇宙人や未来人を探すという突飛な思惑は変わっていないようだ。

でも今の彼女なら本当に見つけそうで少し怖い気もする。

そこまで考えた時、扉がゆっくりとひらき、彼女が出てきた


9 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:11:18.52 ID:m/6oZuk90

「おまたせー」

さっきのようなヒステリーはどこへいったのかと思うほど柔和な表情をし、

今日から通う北高の制服に身をつつんでいる。どうやら北高はセーラー服らしい。

中学はブレザーだったため新鮮さを感じる。

あとで写真でも撮らせてもらおう。ちなみにトレードマークである黄色いカチューシャ―も忘れていない。


10 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:12:09.09 ID:m/6oZuk90

「さあ急ぎましょうか」

食卓へつくと、彼女はかなりのスピードで食べ物を口に入れた。ご両親はすでに出勤したらしい。

今日は、寝坊してしまったことをこってりと絞られることを覚悟しておこう。

「相変わらず、よく食べますね」

彼女はすでに二枚トーストを平らげ、三枚目に突入していた。

彼女の食いっぷりをみていると、私も食欲がわいてくる。


11 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:12:49.46 ID:m/6oZuk90

「ごちそうさま」

彼女はそう言うと、手元のティッシュで口周りを拭いていた。

食べる時とは対照的にゆっくりと優しい手つきで。

「ハルヒさん」

「なによ?」

「高校へ行っても不思議探しは続けるのですか?」

「あったりまえじゃない」


12 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:13:35.70 ID:m/6oZuk90

腕を組み誇らしげな顔で私をみながら言った。目は輝いており、なにか大発見をしたような少女のようだった。

「まず、クラブ見学ね。いろんな部活やってみれば不思議もみつかるはずよ。」

「なるほど」

彼女の話は止まらず


13 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:14:07.06 ID:m/6oZuk90

「あと、私が宇宙人や未来人、超能力者を探してるってアピールしなきゃね」

「それはどんなふうにするんですか?」

「もう考えてあるわ。自己紹介でガツンといってやるのよ。みてなさい」

いえ私は見れませんが。でもどうなるか見てみたい気もする。学校に忍び込んでみるのもおもしろいかもしれない。


14 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:15:05.26 ID:m/6oZuk90

「ってもう時間やばいじゃない!あんたが話しかけるからよ」

「すいません。つい」

彼女の話を聞くのは楽しいからつい時間を忘れてしまうのだ。


彼女は鞄を掴むと、玄関へ猛スピードで走りだした。私も後を追う

玄関を出て石段を降りると私の方へ振り返った。

「じゃあね。いってくる」


15 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:15:46.55 ID:m/6oZuk90

満面の笑顔で言った。私が、いってらっしゃいと返す暇もなく

すぐに踵を返し、学校へ向かって走り出す。私は直立不動で彼女の背中が小さくなるまで見つめていた。


16 名前: ◆TB9RsXr5N2[] 投稿日:2012/01/04(水) 11:17:32.59 ID:m/6oZuk90

おわり。こんなに短くなるとは思いませんでした。すいません。



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