長門有希の本心


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3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:18:58.92 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」ペラ

長門「…………」ペラ

長門「…………いい」ペラ

長門「…………されてみたい」

長門「……今日は遅い……」

ガチャ

長門「……!」
  (来た?!)

ハルヒ「やっほーっ! てあら? 今日はまだ有希だけ?」

長門「……(コクリ」
   (なんだ……涼宮さんか)

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:21:09.71 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「ふーん、そう。全く、団長より後から来ようだなんて、団員としてなってないわね!」

長門「……(ビクッ」
  (やだ……涼宮さんちょっと怒ってる?)

ハルヒ「キョンなんか掃除当番でもないのに……。一体どこで油売ってんのかしらね」

長門「…………」
  (キョン君何してるんだろ? ……早く来てくれないかな)

ハルヒ「こんなんだからあいつはいつまでたっても平なのよ! 有希もそう思うでしょ?!」

長門「…………」
  (え〜、そんな同意を求められても……。キョン君いっつも頑張ってるのに……)

ハルヒ「そうだ! 遅刻の罰にキョンには何か罰ゲームをやらせましょ! みくるちゃんと古泉くんは普段頑張ってるから特別に免除してあげる    わ」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:22:53.90 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」
  (どうしてキョン君だけ?。いつも涼宮さんにいじめられて可哀想なキョン君……)

ハルヒ「何か面白い事させられないかしらね? 有希はなにかさせたいことある?」

長門「……別に」
  (な、私はキョン君をいじめたくなんてありません! そうやって涼宮さんが変な事考えるから、いつも私たちが大変な目に……)
  (キョン君なんか普通の人なのにな。はぁ、報われないなぁ)

ハルヒ「そう? まあ有希はそういうのに興味なさそうだもんね」

長門「…………」
  (興味とかじゃなくて……。そうされるキョン君の気持ち、考えてないのかなぁ?)

ガチャ

古泉「やあどうも。今日はお二人とも早いですね」

みくる「こんにちわ〜。あれ? 涼宮さんもう来てたんですか?」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:25:07.18 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「おっそいわよ二人とも! あと一分遅かったら罰ゲームとして体育館で踊ってもらうところだったわ!」

みくる「ええ〜、でもでも、さっきHRが終わったばっかりだったんですよ〜」

ハルヒ「そんなのお腹が痛いとでも言ってさっさと抜け出してきなさい! 団活に勝るものはないんだから!」

みくる「ふぇえ〜、そんなの無理ですぅ〜」

古泉「んっふ、そうですね。もう少し早くHRが終われるように、先生にお願いでもしてみましょうか」

ハルヒ「そうしなさい。さすがは古泉君、わかってるじゃないの」

古泉「お褒めにあずかり恐縮です」

長門「…………」
  (相変わらずみくるちゃんの反応は可愛いなぁ。それに古泉君もあんなに簡単に涼宮さんを納得させるなんて凄い……)

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:27:10.42 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「これでビリはキョンってわけね。やっぱり罰ゲームだわ」

長門「…………」
  (まだHRが終わって5分くらいなんだから……。許してあげればいいのに)

古泉「罰ゲームですか。あいかわらず不憫な方ですね、彼は」

みくる「ええ〜、可哀想ですよ、涼宮さん……」

長門「…………」
  (そうですよ! もっと言ってあげてください二人とも!)

ハルヒ「いいのよ! これくらいしないと、キョンはいつまでたってもだらだらするに決まってるんだから!!」

古泉「そうですか、まあ、団長の思うとおりにどうぞ」

みくる「うぅ、キョン君頑張って……」

長門「…………」
  (ええ〜、もうフォローしてあげないんですか?! 私が言えたことじゃないけど……)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:29:08.48 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「そうと決まれば何がいいかしらね……」

コンコン ガチャ

キョン「おう、全員揃っているのか」

ハルヒ「あんたが最後よキョン! こんなに遅くまで何してたのよ! 団員としてなってないわ!」

キョン「そう言われてもな、むしろいつもより早いくらいだと思うんだが?」

ハルヒ「団長より後にくるっていうのが駄目なのよ! 反省しなさい反省!」

キョン「終礼の鐘と同時にダッシュで教室を出ていったお前より、どうやって早く来いというんだ!」

ハルヒ「気合でよ!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:31:21.67 ID:wv6S3Epv0

キョン「気合だけでお前に勝てれば苦労はせん。だいたいHRさぼっただろお前は!」

ハルヒ「あんたもサボればよかったじゃない。あんなの授業でもなんでもないんだから、聞いてやる義理はないわ」

キョン「岡部が聞いたら涙で教卓を濡らすだろうな」

みくる「だめですよぉ涼宮さん。HRだって大事なんですから……」

ハルヒ「あなたは黙ってなさいみくるちゃん。有希なんていっつも私より早く来てるじゃない。あんたも見習いなさい、キョン」

長門「…………」ペラ
  (な、なんで私にふるんですか! ああ、キョン君が見てる、こっち見てる!)

キョン「はぁ。まあ、な……」

長門「…………」ペラ
  (うぅ、誤魔化してくれた……。ごめんなさいキョン君……)


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:34:04.53 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「罰ゲームよキョン」

キョン「何故そうなる」

ハルヒ「団の規律を乱したあんたを鍛えなおすためよ! 今考えるからおとなしくそこで待ってなさい!」

キョン「お前最初からそのつもりだったんじゃないだろうな……」

古泉「おやおや、これはおとなしく罰ゲームを受けるしかないようですよ?」

ハルヒ「人聞きの悪いこと言わないで頂戴。古泉君の言う通り、おとなしく罰を受けなさい」

キョン「お前は人事だと思ってこの野郎……」

古泉「んっふ、副団長としては、団長の意思を尊重しなくては」

ハルヒ「いい心がけよ古泉君。そうね、あんたへの罰は……」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:37:26.22 ID:wv6S3Epv0

みくる「はわわ……」

ハルヒ「……(チラ」

長門「…………」
  (ああ、どうしようどうしよう! い、今絶対コスプレ衣装を見たよ涼宮さん!)

キョン「……言っておくがコスプレだけは断固断るからな」

ハルヒ「まだなにも言ってないでしょ! 大体あんたに拒否権なんてあると思ってるの?」

キョン「鬼の目にも涙という諺を知っているかハルヒ」

ハルヒ「今関係ないじゃない。それともなに? あんた私が鬼だとでも言いたいわけ」

古泉「おやおや、火に油ですか」

みくる「す、涼宮さん落ち着いてください〜。あ、わ、私今お茶入れますね!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:41:13.92 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」ドキドキ
  (ああ、どうしよう涼宮さん怒ってる! 怖いよぉ、でもでもキョン君を助けないと! ああ、どうしようどうしよう!?)

ハルヒ「そうね、あんたへの罰ゲームは……!」

長門「…………」グッ
  (もうどうにでもなっちゃえ! 考えてる場合じゃないんだもん!)

キョン「罰ゲームは?」

ハルヒ「これよ! コす……」

長門「……喉が渇いた」
  (言っちゃったー! し、しかもなんで喉が渇いたってなにそれ! うぇぇ! どうしよう!)

ハルヒ「え? 有希?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:44:05.86 ID:wv6S3Epv0

長門「……喉が渇いた。何か飲み物を」
  (いいやもう! このまま、このままごり押ししちゃうんだから!)

ハルヒ「もしかして罰ゲームのこと? それをさせたいの?」

長門「……(コクリ」
  (べ、別にさせたくないけど、でも……。キョン君に酷いことさせられないし……)

ハルヒ「……ん〜。まあ、先に部室に来てたのは有希だしね……。どうしてもっていうなら……」

長門「……できれば炭酸」
  (!? やった! な、なんとかひどい罰ゲームは避けられたかも!)

ハルヒ「ま、いいわ。キョン、優しい有希に感謝なさい。たまにはみくるちゃんのお茶以外でもいいかもね」

古泉「では僕はミルクティーをホットでお願いします」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:47:14.51 ID:wv6S3Epv0

みくる「い、いいんですかキョン君?」

キョン「かまいませんよ朝比奈さん。コスプレにくらべればこれくらいは」

みくる「じゃ、じゃあ〜。私はイチゴミルクで……」

ハルヒ「いいのよみくるちゃん! ジュースの十本や二十本どうってことないわ! キョン、私はキンキンに冷えたパインサイダーよ!」

キョン「へいへい。長門、お前はコーラでいいか?」

長門「……構わない」
  (適当にいったからなんでもいいんだけど……。わざわざ聞いてくれるなんてキョン君は優しいなあ)

キョン「じゃあ買ってくるぜ」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:50:19.46 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「ダッシュよキョン! 一分以内に買ってこなきゃ許さないわよ!」

キョン「無茶を言うな無茶を。自販機まで走っても片道一分はかかるんだぞ」

ハルヒ「気合が足りないのよ! いいからさっさと行きなさい!」

キョン「へいへい。やれやれ、まさか学校でもおごる破目になるとはな」

みくる「いってらっしゃいキョン君。きをつけてくださいね〜?」

キョン「ご心配なく朝比奈さん。あなたのためにおいしいイチゴミルクを買ってきますよ」

ガチャ パタン

古泉「さて、何分くらいで戻って来ますかね」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:52:18.17 ID:wv6S3Epv0

ハルヒ「キョンのことだもの。だらだらと5分はかけるに決まってるわ!」

古泉「んっふ。彼のことをよくわかっているようで。流石は団長」

ハルヒ「団長なら当然よ! それにしても珍しいわね有希。あんたがこんなことさせるなんて」

長門「……たまたま」ペラ
  (ひぇぇ、や、やっぱり不自然だったかな? でもでも、涼宮さんがキョン君に酷いことさせようとするから……)

ハルヒ「そうなの? まあそんな時もあるわよね」

長門「……ある」ペラ
  (ふ、深く追求されなくてよかったですぅ……)

ハルヒ「ところで今日は何を読んでるの?」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:55:32.76 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」ドキッ
  (ええ!? なんで、なんで今それを聞くんですか? なんで今日に限って!?)

ハルヒ「最初から熱心に読んでたみたいだし。なんてタイトルなの?」ひょいっ

長門「…………!」
  (ああ! だ、だめ、読んじゃ駄目ですぅ! 見ないでええええ!!)

ハルヒ「タイトルは……ふぅん、宇宙への夢 軌道エレベーター建設への道、か」

長門「…………」ダラダラ
  (そそそそれはカモフラージュでブックカバーを換えただけです! 中身は全くの別物……!)

ハルヒ「ちょっと面白そうじゃない。どんな内容なのかしら」

長門「…………!!」ダラダラダラダラ
  (な、中見ちゃらめえええぇぇぇぇぇぇ!!)


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:59:10.83 ID:wv6S3Epv0

ガチャ

キョン「買ってきたぞ! ハァハァ」

ハルヒ「あら、早かったじゃない? キョンにしては。返すわ有希、はい」パタン

長門「……(コクリ」
  (たたたたた助かったです! キョン君ありがとうございますぅ!)

キョン「また遅いだの何だの言われて罰を追加されちゃたまらんからな。大急ぎで買ってきてやったさ」

ハルヒ「ふん、まあ一分なんてとっくに過ぎてるけどね」

古泉「まあまあ涼宮さん。さっそく頂きましょうか」

みくる「あ、そ、そうですね! ありがとうございますキョン君!」

キョン「いえいえ。イチゴミルクです、どうぞ朝比奈さん。おらよ古泉」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:03:33.56 ID:wv6S3Epv0

みくる「うふふ、おいしそうですね」

古泉「これはどうも」

キョン「ほら、お前のパインサイダーだ。ありがたく受け取れ」

ハルヒ「ありがたがる理由がないわ。あんたこそこの程度で済んだことを感謝なさい!」バッ

キョン「へいへい。ったく……」

ハルヒ「ゴクゴクプハー) やっぱりこれよね! たまんないわ!」

キョン「ほらよ長門」コツン

長門「…………!?」
  (つめたっ! え? キョン君? おでこ冷たい……)

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:06:48.84 ID:wv6S3Epv0

キョン「お前のおかげで助かった」

長門「……別にいい」
  (え? 助かった? 私、私キョン君の役に立てたの? 余計なことじゃなかった?)

キョン「お前には特別に二本だ。……ありがとうな」 ぎゅう〜

長門「…………」
  (ほ、ほっぺた両方から冷たいよぅ! でも、感謝されちゃった……。キョン君に感謝されちゃった! 嬉しいよぅ! ふぇぇぇぇ!////)

ハルヒ「ちょっとキョン! 有希で遊んでいいのは私だけよ! だいたいなんで有希だけ二本なのよ!」

キョン「ちょっとぐらいいいだろうが……。それに長門が一番に部室に来てたんだろう? なら一等賞で二本でもかまわんだろ」

ハルヒ「……なるほど。一理あるわね。キョンのくせにやるじゃないの」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:09:33.79 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」
  (涼宮さんにいじられるのは怖いけど、キョン君にされると嬉しいな……。えへへ、特別、かぁ)

キョン「くせには余計だ」

ハルヒ「私の言葉に余計なものなんてないわ! ありがたく一言一句余さず拝聴しなさい!」

キョン「あーわかったわかった」

ハルヒ「何よその返事は! だいたいキョン、あんたはねえ…………」

古泉「おやおや」

みくる「うふふ」

長門「…………」
  (ふふっ、楽しいなぁ。……あ、本はしまっておこっと)イソイソ

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:12:53.83 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」チラッ
  (あ、もう時間だ。私が動かないとみんな帰らないもんね。いつのまにか時計の役割になっちゃったな)

長門「…………」パッタン
  (あ、音大きかったかな? わざとらしかったかも……)

キョン「お、もうそんな時間か」

ハルヒ「そうね。じゃあ今日は解散しましょ。それじゃお先」

古泉「お疲れ様でした」

みくる「また明日ですね。さようならぁ〜」

長門「…………」テクテク
  (早く帰って本の続き読もうっと)

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:16:36.01 ID:wv6S3Epv0

キョン「くぁ……。ああ、今日も疲れたな。じゃあな長門」

長門「……(コクリ」
  (うわあ! キョ、キョン君が挨拶してくれた! えっへへ、今日は色々といい一日になっちゃった!////)


長門「…………」テクテクトッポ
  (ふんふ〜ん♪ あ、焼き芋屋さんだ! そういえばちょっとお腹すいちゃったし、買っていこうかな)

長門「…………」
  (一本500円かぁ。ちょっと量多いかも)

おっさん「へいらっしゃい! 嬢ちゃん買うのかい? 可愛らしいからいっちばんうまいとこサービスしようか!」

長門「……一本」
  (お、おじさんそんな大きい声で叫ばないで……。恥ずかしいし、少し怖いですよぉ……)


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:21:41.96 ID:wv6S3Epv0

30分くらい間があいたらサルくらってるということで


おっさん「いやあ、嬉しいねえ! 嬢ちゃんみたいな可愛い子に食ってもらえるなら、焼き芋屋冥利に尽きるってもんよ!」

長門「…………早く」
  (もう! やめてください! 今通りすがったおばさんが笑ってたじゃないですか! んもう、やっぱりやめればよかった……)

おっさん「お、こりゃ失礼! そうだよな、寒いから早く帰りたいもんな! おうちでゆっくり食ってくれよ! はいよ!」

長門「…………お金」ひょい
  (やっと帰れる……。ここで買うのは気をつけようっと……)

長門「…………」ホクホク
  (あったか〜い。……おいしそうだなぁ。あったかいできたてで食べちゃいたいなぁ。一口だけここで……えいっ)

おっさん「…………」ニコニコ

長門「…………(パク」ホッコリ
  (!! お、おいしい! すんごく甘くて、ほこほこして……。こんなにあったまる焼き芋、初めてかも!)


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:25:41.26 ID:wv6S3Epv0

長門「…………」チラリ
  (このおじさん……すごい)

おっさん「……どうだい嬢ちゃん? 気に入ってくれたかい?」

長門「……(コクリ」
  (み、見られてた……)

おっさん「そうかそうか! いやね、結構自信作なんだぜ! 石もわざわざ自分で川行って一から選んでよ! 焼き方にもこだわってな!」

長門「…………」
  (へぇ〜、プロってすごいんだなぁ……。それともこのおじさんが特別すごいとか?)

おっさん「おっと、嬢ちゃんにはつまらない話だったな! 気に入ったならまた買いにきてくんな! 待ってるからよ!」

長門「……必ず」
  (こんなにおいしいなら、毎日でも! あ、でも、太っちゃうかも……。でもその時は身体を再構成して……)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:29:17.73 ID:wv6S3Epv0

4円感謝

キョン「お? 長門じゃないか。なにしてるんだ」

長門「…………奇遇」
  (え……? キョ、キョン君?! ど、どうしてこんなところに!)

キョン「俺も丁度そこの本屋に用があってな。なんだ、これなら一緒に帰りゃよかったか」

長門「……それもありかもしれない」
  (ええ?! い、一緒ってそんな! ううううれしいけどけど!)

おっさん「お、なんだい? 嬢ちゃんの彼氏かい? 若いってなぁいいねえ!」

キョン「ははっ、違いますよ。俺とこいつはそんなんじゃないです。それに俺なんかが彼氏じゃ長門が可哀想だ」

長門「…………恋人ではない」ドキドキ
  (お、おじさんなんてこと言うんですか! 私とキョン君がそんな……//// そ、それにキョン君まで! 可哀想だなんて……)
  (むしろ望むところっていうかなんていうか……。ああでも、すぐ否定されちゃったのは悲しいな……)


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:32:21.99 ID:wv6S3Epv0

おっさん「そうなのかい? いやあ、随分お似合いの二人に見えたもんでてっきりな! 兄ちゃんも一本どうだ!」

キョン「そうですね。じゃあ一本もらうとしますよ」

おっさん「あいよ! 毎度あり!」

長門「…………」
  (おに、おに、お似合い……! おじさん! 私毎日ここでおいも買っちゃいますから!!)

キョン「どうも」モグリコ

キョン「……へえ、こりゃうまい。今でで一番かもしれんぞ、なあ長門」

長門「……同意する」
  (キョ、キョン君もそう思ったんだ! えへへ、同じ感想で嬉しいな……)

おっさん「そうかい?! いやあ嬉しいねえ! ぜひまた来てくんな!」

キョン「そうさせてもらいますよ。じゃあな長門、また明日」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:35:51.28 ID:wv6S3Epv0

長門「…………!」
  (え、キョン君行っちゃうの? せっかく会ったのにもう? ああ、えっとえっと)

長門「…………」グイ

キョン「ん? どうした長門。まだ何か用があるのか?」

長門「…………」
  (……ひゃあああああああああああ!! 私ってばなんでキョン君の裾を掴んだの!? どうしよどうしよ! 何か言わなきゃ!)

キョン「長門……?」

長門「……うちに来て」
  (よりにもよって何でそんなこと言っちゃったのぉぉぉぉぉ! はわわぁ! もう、もう! はうぅ! はうううう!!)

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:39:04.18 ID:wv6S3Epv0

キョン「何かあったのか? まさかまたハルヒが!?」

長門「……ちがう」
  (ほらほらキョン君勘違いしちゃった! 慣れないことするから! 私のバカァ……!)

キョン「なら何事だ? 九曜がなんか仕掛けてきたとかか?」

長門「……芋。うちで食べて」
 (九曜さんとかなんでもないです! ていうかあの人に関わるの怖いからもうやだし……。そう、お芋です、お芋!)

キョン「芋か? だが……」

長門「……冷めたらおいしくない。うちはすぐそこ。寄っていけばいい」
  (ああ、我ながらなんて理由……。そう、そうですよ。冷めたらおいしくないから、善意です! お気遣いです! た、他意はないです!)

キョン「いいのか? もうすぐ飯時だが」

長門「……あなたが嫌じゃないなら」
  (あ……今の言い方ずるいかも……。キョン君優しいからきっと……)

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:43:15.32 ID:wv6S3Epv0

キョン「嫌なわけないだろう? よし、じゃあお邪魔させてもらうか。久しぶりにお前の茶も飲みたいしな」

長門「…………(コクリ」
  (やっぱり……ずるくってごめんね、キョン君。おいしいお茶入れるから許して……グスン)

長門「……あがって」
  (久しぶりにキョン君がうちに来てくれた……。部屋はいつも綺麗にしてるから平気だけど、やっぱり緊張するなぁ)

キョン「ああ、邪魔するぞ。なんか久しぶりだな」

長門「……座って。今、お茶の準備をする」
  (キョン君と二人きり……。もしかしてもしかして……きゃー! そんなことあるわけないじゃない! 落ち着くのよ有希!)

キョン「ああ、そうさせてもらうか。よっこらせ」

長門「…………」
  (ふふっ、おいしいお茶入れて、キョン君をびっくりさせるんだ! みくるちゃんよりは上手じゃないけど……)


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:46:48.12 ID:wv6S3Epv0

ピ〜 ヒョロロロロロ

長門「…………」
  (あ、お湯沸いた。よいしょっと)

カチャカチャ トポポポポポ

長門「……飲んで」ススッ

キョン「ん、サンキュ(ズズー ゴク」

長門「…………」ジー
  (どうかなどうかな……ドキドキ)

キョン「……ズズズ」

長門「…………」ジィー
  (…………。なんで何も言ってくれないのかな……。もしかして薄かった? あ、渋すぎた?!)

キョン「……ふむ」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:49:39.99 ID:wv6S3Epv0

長門「…………!」ドキッ
  (え? ふむって? ふむって何? キョキョキョ、キョン君ってどんなお茶が好みなんだっけ! ああ、し、失敗しちゃった!?)

キョン「うまいな。丁度いい味で俺の好みだ」

長門「……そう(ズズズ」
  (やったーーーー!! 大成功だったよ! キョン君の好みだって! あとで分量メモしとこうっと! あとあと、日記にも書かなきゃ!)
  (えっへへ〜、今日はほんといい日だよぉ! 誘ってよかったぁ)

キョン「長門、芋も食おうぜ。熱いうちにくわないともったいないからな」

長門「…………(コクリ」
  (あ、忘れてた。気が利かないなぁ私ってば……。浮かれすぎてたよ……)

キョン「しっかしこの芋はほんとうまいな。明日も買いにくるか……」

長門「…………(ズズズ」ピクッ
  (あ、明日も……? これって、チャンスなんじゃ……)

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:50:53.25 ID:wv6S3Epv0

ID:TUOtvPUQO  あんたいい人だよぉ
でもそろそろだいじょぶだ。ありがとうね

114 名前: ◆e1uSVm8EAw [] 投稿日:2010/03/05(金) 23:53:39.32 ID:wv6S3Epv0

>>113 おk

キョン「長門はいつもこの芋を買ってるのか? 俺はあそこにこんなうまい焼き芋屋があるなんて知らなかったぞ」

長門「……私も初めて(ズズズ」
  (今日あそこにいてくれてありがとうおじさん!)

キョン「明日もいてくれりゃいいが」

長門「……明日もここで食べればいい(ズズ」
  (だ、大胆! 今日の私はとても大胆! どどど、どうしちゃったの!? ていうか流石にキョン君も変に思うんじゃ……)

キョン「そうか? ならそうさせてもらうか。お言葉に甘えるぜ」

長門「…………(ズズズ〜」
  (わーー! や、やったぁ! あし、明日もキョン君と……。おじさん、絶対居てくださいね! 居なかったら存在消しますからね!)

長門「…………」モジモジ
  (う……。緊張でお茶、飲みすぎたかも……。おトイレ行きたい……でも……あぁぁ……)

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:58:04.10 ID:wv6S3Epv0

キョン「すまん長門、お茶をもう一杯頼む。芋は喉に詰まるんだよな」

長門「…………」トポポポポポ
  (うう、どうしよう。意識したら凄く行きたくなってきちゃった……)

キョン「さんきゅ(ずずず) うむ、やっぱり美味いな。……ちょっとトイレ借りるな」

長門「……構わない」
  (えぇぇぇぇ! キョン君が先に? ていうか私も我慢が……。男の人ってあんなに簡単にトイレに行くって言えるものなの?)

長門「…………」モジモジ
  (うあぁ。どうしよう、もうほんとに我慢できない! キョ、キョン君が出たらすぐ入れるように扉の前で待ってる!)

パタパタ ゴスッ ドサッ

長門「…………ッ!」
  (……いった〜〜〜い! か、鞄に小指ぶつけたぁ! うぅ、ジンジンするよぅ……)

ちょっとトイレ

127 名前: ◆e1uSVm8EAw [] 投稿日:2010/03/06(土) 00:02:08.56 ID:CzSoJKj80

長門「…………」足踏みトントントントン
  (はぅぅ、お願いキョン君早く出てぇ。もう、もう限界なんですよぉ……!)

カチャカチャ ジャバー ガチャ

キョン「ふう、すっき……っておう。長門……、びっくりしただろうが。なんだそんなとこに突っ立って」

長門「……早く」
  (ごめんなさいキョン君! そこを早くどいてぇ!)

グイグイ

キョン「え、お、長門? ちょっとまておい……」

ガチャン

キョン「……そんなにトイレに行きたかったってのか」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:05:10.54 ID:CzSoJKj80

長門「…………」チョロロロロロロ ジョボボボボボボ
  (……はふう、間に合いましたぁ。…………あれ? よく考えたら、今の私の行動って……)

キョン「俺が出てくるのを扉の前で待ってるとは、よほど我慢してたのか長門よ」

長門「…………しまった」
  (よく考えたら、普通誰かが入った後って暫くは待つものですよね……。すぐ入ったら前の人の匂いとか体温とか……)

長門「…………////」ブンブンブンブン
  (わー! わーっ! 無し! 今の無しです! キョ、キョン君の匂いとか……うきゃぁぁぁぁぁ!!)

キョン「ん? 長門の鞄が倒れて……。おいおい、中身がばらまかれてるじゃないか」

キョン「……ほう? 軌道エレベーターね……。そういや、以前長門に借りた本もなんだかんだで面白かったしな」

キョン「こいつもなかなか面白そうなタイトルじゃないか? どれ……」パラパラ……

キョン「……なんだっていうんだこいつは」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:09:22.27 ID:CzSoJKj80

長門「…………」フキフキ
  (あぁ〜大失敗だよぉ……。いくら限界だったとはいえ、もうちょっと考えて行動すればよかった……)

長門「…………」ハキハキ
  (キョン君絶対変に思ったよね……。ん、つめたっ! やだ、最悪……ちょっと漏れてましたぁ……)

キョン「……ゴクリ」パラ……パラ……

長門「…………」アセアセ
  (そ、そうだ、ティッシュをあてて……ごわごわして気持ち悪いぃ。でも濡れたままなんてもっと気持ち悪いし……)

キョン「長門のやつ……こんなもんを読んでたっていうのか……」

長門「…………」アセアセアセ
  (ああ、でも悩んでたら長いトイレって思われちゃうし、長いトイレっていったら……。うにゃぁぁぁぁ!! それは絶対駄目!)
  (もう、もうこうなったらこれしかない! お願い、ばれないで下さい!)

キョン「……おお、なんというか、すごいもんだなこれは」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:13:55.86 ID:CzSoJKj80

長門「…………」テクテク
  (大丈夫だよね? ちょっと長い程度のおしっこってくらいの時間だよね? あっちに思われてないよね?)

長門「…………」
  (ほっ、キョン君いつも通りみた……い? あれは!? あの、あのブックカバーは……ウソォ!!)

カタン

キョン「ビクゥ!)え、あ、おう! 長門!」

長門「…………それは」
  (なんでなんで、どうしてキョン君がその本を……!? あ、さっき鞄にぶつかった時……ひゃあああああ!!)

キョン「いや、すまんな勝手に読んで! たまたまそこに転がってたもんでつい手にとっちまった!」

長門「…………そう」プルプル
  (みら、みら、見られた……。よりにもよってキョン君に……。誰にも知られてなかったのにそれをキョン君に……)


139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:18:20.16 ID:CzSoJKj80

キョン「あ、あのな長門……」

ツルッ ガターン!

キョン「おうわ! ……いっつつ。……!?」

長門「…………」ボーゼン
  (見られた見られた……うふふふふ……。終わった……何もかも終わっちゃいました……)

キョン「なが、あのな、長門……?」

長門「…………見た?」
  (もう……もういいです……。いいですよ……。どうせ私はこんな子です……。軽蔑しましたか、キョン君?)

キョン「……いや、何も見てはいないぞ」

長門「…………見た?」
  (いいんですよキョン君、気を使ってくれなくても……。正直に言ってください……)
  (私はそんな本を読んでハァハァしちゃってる変態ヒューマノイドインターフェイスですよ……)

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:21:27.81 ID:CzSoJKj80

キョン「……すまん。見る気はなかったんだが……。不可抗力だったんだ……」

長門「…………いい」
  (えへへ、ほらね? やっぱり見てた……。キョン君優しいから、絶対見てないって言うと思ってました)

キョン「……今日は、帰らせてもらう」

長門「……待って。これを」
  (ですよね。こんな子と一緒の部屋になんかいたくないですよね……。でも、それなら……)

キョン「これを……? 俺に読めというのか」

長門「……そう」
  (だったら、取り返しがつかないなら……。完全に幻滅してください。私がこんな子だって知って、それから呆れてください……)
  (そのほうが、私も諦められますから……)

キョン「……なら、借りていくさ。……邪魔したな、長門」

ガチャ バタン カッカッカッカッ……

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:25:12.45 ID:CzSoJKj80

長門「…………」
  (あの本の中を見られたなら、もう誤魔化せませんよね……。えへへ、あ〜あ。……終わっちゃった)
  (お風呂、入らなきゃ……クスン)



キョン「長門……穿いて無かったな……。そりゃ、いくらあいつでも怒るか……くそっ、何をしとるんだ俺は!」



長門「…………」  ゴロゴロ
  (明日、どんな顔して会えばいいのかな……。ううん、どうにもできないよね……。もう、いつも通りになんてならないんだもん……)


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:27:43.69 ID:CzSoJKj80

キョン「しかしなんだって長門はこの本を俺に渡したんだ?」

キョン「……あいつの股間をみたのは確かに俺が悪い。あのまま殴られるなりなんなりされても文句を言うつもりは無かったんだが……」

キョン「いや、宇宙的な力で何かされるっていうのは流石に勘弁だがな」

キョン「何かされるかわりにこんな本をよこしたあいつの意図がわからん」

キョン「宇宙の話を読む宇宙人なんてなんの冗談だとは思ったが、まさかこういう中身だとはな」

キョン「こいつは一体なんてタイトルなんだ? カバー偽装までするとは」

ハガシハガシ

キョン「……『少女調教』だと」


151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:31:29.86 ID:CzSoJKj80

キョン「……(結局全部読んじまった。わからん、何故長門はあんな……)」テクテク

国木田「おはよう、キョン。相変わらず朝は眠そうだね」

キョン「よう国木田……。ちょっとある本を読んで集中しすぎちまってな」

国木田「へえ、文学に目覚めたの? キョンのイメージじゃないね」

キョン「言われんでも自覚しとる。ちょっと気になる相手から借りた本なもんでな」

国木田「へえ? 詳しく聞きたいなあ。あ、谷口じゃないか」

キョン「ん? よう、谷口」

谷口「WA〜。WAWA、WA?」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:34:09.99 ID:CzSoJKj80

キョン「今はお前のあほ面にかまってやるほど心の余裕がない。国木田に相手をしてもらえ」

谷口「WAWAWA! WAWAWA〜WA、WAWA!」

国木田「ええ? 僕もあんまり……」

キョン「俺は先に教室に行く。国木田、また後でな」

国木田「うん。その本の話も聞いてみたいしね」

谷口「WAWA! ……WAWAWAWA?」

国木田「さあ? 谷口には分からない話だよ」

谷口「WA? WAWAっWAWA」

国木田「もういいでしょ。…………死ねってば」テテテテテ



谷口「……………………またかよ」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:43:32.39 ID:CzSoJKj80

国木田「で、その気になる相手からの本って何?」

キョン「ああ、その前にな。あまり人前で話せる内容じゃない」

国木田「そうなの? じゃあ人目のないところに行こうか」

キョン「ああ。谷口の馬鹿に話に混ざられてもなんだしな」


国木田「ここならいいよね」

キョン「おう。でだ、その相手のことは伏せるが、本の内容がな……」

―――
――


164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:47:27.65 ID:CzSoJKj80

国木田「……へえ。なんていうか、刺激の強い内容だね」

キョン「そういいながら平然としてる様に見えるが」

国木田「そう? でもさ、僕のことは置いておくとして。キョンはどう思ってるの?」

キョン「あ? どうって何がだ」

国木田「だからさ、気になる相手にそれを渡されて、それを読んで、どういう風に感じたの?」

キョン「それは……正直わからん」

国木田「わからないって?」

キョン「ああ、全くわからん。そもそも、そういう物を読む奴だとは思ってなかったしな」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:51:44.49 ID:CzSoJKj80

国木田「じゃあどういう人だと思ってたのさ?」

キョン「それは……。どんな時でも動じないで、頼りになる……」

国木田「それだけ?」

キョン「それだけとはどういう意味だ」

国木田「正直、僕は恋愛には疎い方だけど……。キョンはその子に好意を抱いてた?」

キョン「……好意は、まああったな。それが恋愛感情といわれるとちと違う気もするが」

国木田「それって涼宮さん?」

キョン「んなわけないだろうが! それこそおぞましくてこの本の持ち主に即相談だ!」

国木田「だよね。話からして違う気はしてたけど」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:57:18.33 ID:CzSoJKj80

キョン「そう思ってたんなら気色悪いことを言わんでくれ」

国木田「あはは、ごめんごめん」

キョン「全く……。で、どう思う?」

国木田「ん、そうだね。キョンはその人がノーパンだった状態を見ちゃったんだよね?」

キョン「……そうだ。決して誰にも言うなよ。特にあいつには」

国木田「そこは信用してよ。キョンがこうして相談してくれたんだ、信頼は裏切らないよ」

キョン「そうか(ホッ」

国木田「で、ノーパン状態を見られた後に、気まずくて帰ろうとしたキョンにこれを渡した……」

キョン「読めと言われたからな」

国木田「これを渡した時、その子はどういう感じだったの?」


171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:02:35.64 ID:CzSoJKj80

キョン「怒っていたか、それか戸惑っていたように思えるな」

国木田「何も言われなかった?」

キョン「そもそも無口な奴だからな。感情も表に出さんし、悲鳴も上げなかった」

国木田「無口だけど、そういう風には感じたんだ。感情を出さない人なのに、よくそんなことがわかったね?」

キョン「まあ、長い付き合いだし、知り合った時よりは多少な……」

国木田「へえ、その人のこと、いつも見てたんだ」

キョン「……ッ! そういうわけじゃあない」

国木田「いいよ、誤魔化さなくても。大体だれかわかったしね」

キョン「……誰かは言わんでいいからな」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:08:13.73 ID:CzSoJKj80

国木田「そうだね。まあでも、それなら本人に直接確かめるのが一番かもよ?」

キョン「? なんでそんな傷をえぐるような真似を……」

国木田「だってそうじゃない? ノーパンを見られて、でもそこで罵るわけでもなくそんな内容の本を渡してきたんだ」

国木田「怒っていたんじゃなく戸惑っていたんだと思うよ。キョンにどういう態度で接すればいいのかわからなくて」

キョン「すまん、意味がわからん」

国木田「だから、見て欲しかったんじゃないかな?」

キョン「何……?」

国木田「最初から、キョンにパンツを穿いていないってことを見て欲しかったんじゃないかな」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:12:21.99 ID:CzSoJKj80

キョン「あいつが、自分から見せてこようとしてたと……?」

国木田「僕はそう思うよ。でも見せようとしたらキョンが転んで、見せる前に見られちゃった」

国木田「でも、キョンは見てない振りをして、まあ見たって認めたけど。でも何をするでもなく帰ろうとした」

キョン「気まずかったからだ」

国木田「それが悪かったんじゃない? 彼女は期待してたかもしれないのに」

キョン「期待だと? 何をだ」

国木田「キョンが襲ってくるのをさ」

キョン「襲うって……そんなもん犯罪だろうが」

国木田「彼女が求めてたら犯罪じゃなくて同意になるんじゃないかなぁ」

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:17:19.46 ID:CzSoJKj80

キョン「あいつがそれを求めていたとは思えん」

国木田「そこでその本だよ」

キョン「何?」

国木田「帰ろうとしたキョンにそんな内容の本を渡す理由、考えてみた?」

キョン「いや……俺も混乱していたからな。そこまでは考えとらん。……それに読むのに夢中だった」

国木田「読書嫌いだったキョンが夢中になるほどの内容だったんだね」

キョン「本の内容はもういいだろ。続きを頼む」

国木田「うん、だからさ、そういうことをして欲しいって意思表示だと僕は考えてるんだ」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:19:13.80 ID:CzSoJKj80

風呂いってきま
今日は土曜か……

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:00:09.54 ID:CzSoJKj80

キョン「意思表示?」

国木田「うん。無口な彼女のことだし、自分からそういうことをして欲しいなんて言えないし、言わないと思う」

キョン「誰かを断定している口調が気に入らんがそこはあえて流してやる」

国木田「ありがと。でね、だから直接行動に移したんじゃないかな。キョンが自分に欲情してくれることを望んで」

国木田「でもキョンは何もなかった振りをして帰ろうとした。だから彼女は焦ってその本を渡した。こういう風にしてくれって」

国木田「キョンにそれを読ませて、自分はこうされることを望んでるって教えようとした」

キョン「だが、だが普段のあいつからはそんな素振りは一切……」

国木田「タガが外れるなんて些細なきっかけで十分なんじゃないの? 昨日はどこか変じゃなかった?」

キョン「そういえば、思い当たるな」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:06:19.16 ID:CzSoJKj80

国木田「例えば?」

キョン「普段なら無い、どうでもいい理由で俺を部屋に呼んだし……」

国木田「ふうん? どこで?」

キョン「……帰りにたまたま会ってな。焼き芋を一緒に買ったんだ。で、その後芋をうちで食ってけって言われてだな」

キョン「帰るまでに芋が冷めるし、なが……そいつの家はすぐ近かったし」

国木田「誘う口実としては十分な感じだね」

キョン「ぬぅ……」

国木田「それで家に招き入れちゃって、二人きりって状態に興奮しちゃったんじゃない?」

キョン「あいつがか」

国木田「誰だって突発的にそうなるものだよ。そしてキョンは彼女に望まれたんだ」

キョン「俺はそんなことを望んでは……」

国木田「キョンが望むか望まないかなんてどうでもいいんだよ」

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:10:08.30 ID:CzSoJKj80

国木田「ねえキョン、僕もずっと待ってたんだ……」

キョン「そうみたいだな。お前のここも随分待ちわびてたみたいだ」

国木田「言わないでよ、恥ずかしいな……」

キョン「ちゃんといい子で待ってたか?」

国木田「うん、キョンに言われた通りに……。ちゃんと中も綺麗にしたんだ」

キョン「よしよし、従順な国木田は本当に可愛いな」

国木田「ねぇキョン……?」

キョン「わかってるさ、欲しいんだろう?」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:12:47.81 ID:CzSoJKj80

国木田「……うん。僕、待ちきれないよ……」

キョン「だがまだだ」

国木田「そんな!? どうして? 僕はちゃんと言われたとおりに……」

キョン「まずはじっくり慣らしてからだ、これでな……」

国木田「そ、それ……」

キョン「蜂蜜だ。お前の体中に、穴の中に、こいつを塗りたくってやるぜ……」

国木田「ああ、キョン、たまらないよ……。早く、早くそれを僕の身体にぶちまけて!!」

キョン「ふふん、それでこそ俺の国木田だ。待ってろ」

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:16:38.68 ID:CzSoJKj80

キョン「わかるか? お前の体中に蜂蜜が染み込んでいく……」

国木田「ああ……ぬるぬるして……甘い香りで……」

キョン「お前の香りと混ざって、極上のブランデーに勝るとも劣らない香りを生み出してるぞ……」

国木田「キョン、僕の香り嗅いで……肺一杯に吸い込んでぇ……」

キョン「お前の香りに酔ってきたぞ、国木田」

国木田「もう、もうだめ……指じゃ。指じゃ我慢できないよキョン!!」

キョン「俺もだ……もう、もう入れるぞ国木田! ああ、ああああ! お前の中で蜂蜜が絡んで! 絡みついて!!!」

国木田「キョン! キョン!! キョンンンンンンンン!!!!」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:19:29.07 ID:CzSoJKj80

国木田「という妄想を僕も常々してるくらいだし」

キョン「なん……だと?」

国木田「だからさ、キョンが望まなくても、僕はこういうことを妄想するし、望んでる」

キョン「おまえそういう趣味だったのか」

国木田「その気になれば無理矢理そういう展開にしたりね」

キョン「俺はお前との友情を間違えたのか?」

国木田「やだなキョン、セックスフレンドって言葉があるじゃないか」

キョン「そんなフレンドにお前となれと?」

国木田「キョンがいいなら」

キョン「お断りだ」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:25:22.53 ID:CzSoJKj80

国木田「そ、残念だな。でもね、そういうことじゃないかな」

キョン「どういうことかさっぱりだ、俺にはな!」

国木田「もう、鈍いなあキョンは。だからさ、きっかけだったんだよ」

キョン「はぁ?」

国木田「彼女の家にキョンが来て、彼女はきっかけを得たんだ」

国木田「僕みたいに、今まで妄想ですませてたことが、現実にできるきっかけを」

国木田「でも、せっかく勇気を出して行動に移したのに、キョンは逃げ帰っちゃったわけさ」

キョン「逃げたわけじゃ……!」

国木田「じゃあなんなのさ? 彼女の股を見て、後ろめたくてさっさと家を後にしたくせに」

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:30:56.35 ID:CzSoJKj80

キョン「それは……」

国木田「そのくせ、渡された本をしっかり読んで、寝不足だって?」

国木田「望んでないだって? キョン、自分に嘘をついちゃ駄目だよ」

キョン「嘘なんて俺は……」

国木田「だったらなんで僕に相談したの? ずるいよ」

キョン「なん……」

国木田「いつもみたいにSOS団の人に相談すればよかったじゃないか」

キョン「!?」

国木田「……無意識に僕に相談したんだ? じゃあやっぱり望んでるんじゃないか、キョン」

国木田「彼女に、そういうことをしたいって」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:37:02.07 ID:CzSoJKj80

国木田「そういう感情をもった自分が後ろめたくって、SOS団じゃなく僕に相談したんだよ」

国木田「君は卑怯だ、キョン。彼女にそういう気持ちを抱いたじぶんを団の人に知られたくないからって、僕を利用して」

キョン「そんなつもりじゃ……」

国木田「じゃあどういうつもりだったの? わかってる筈さ、キョン。ただ後押しが欲しかったんでしょ?」

キョン「後押しだと……?」

国木田「そうさ。団の人なら絶対にやめろって言うだろうけど、僕なら言わないって思ったんだよね?」

キョン「…………」

国木田「やっちゃえばいいじゃないかキョン。本の通りのことを彼女に」

国木田「彼女は、君にそうされることを望んでいるんだから」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:41:49.46 ID:CzSoJKj80

キョン「俺は……そうなのか? 無意識にそう望んでたっていうのか、国木田」

国木田「自分の心に正直になればわかるんじゃない?」

キョン「正直に……」

国木田「だから彼女に聞いてみなよ」

キョン「だが……だがそれは……」

国木田「聞くのが嫌なら、会って彼女を目の前にするだけでもいいと思うよ」

国木田「彼女を目の前にした時の感情の起こりが、キョンが望むことだよ」

キョン「…………」

国木田「ね? そうしなよ。そうしなきゃ駄目だよ、キョンは」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:47:27.06 ID:CzSoJKj80

美琴の可愛さでキュンキュン


キョン「……あいつに会ってみる」

国木田「うん」

キョン「会って、あいつを前にして確かめてみるさ、お前の言う通りにな」

国木田「役に立てたかな?」

キョン「まあな。……妄想の件はいただけんが」

国木田「やだなあ、あれくらいはちっぽけな願望じゃないか。見逃してよ」

キョン「とりあえずお前と二人きりになる状況は避けるべきだとわかった」

国木田「心外だね。キョンが嫌がるならしないよ。」

キョン「それなら妄想もできればしないで欲しいもんだ。とりあえず助かった。じゃあ教室でな」

国木田「うん、わかった。妄想はやめるよ。教室でね、キョン」

国木田「……キョン国はやめるよ。次からは国キョンで……」

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:54:09.11 ID:CzSoJKj80

長門「…………」
  (はぁ……。今日は学校に来たくなかったなぁ……。でも来ないと涼宮さんがまた心配するだろうし)

長門「…………」
  (で、心配してお見舞いにくるとか言い出して、そうするとキョン君も来て……)

教師「長門有希、前に出てこい。この問題ならどうかな?」

長門「…………」カタン テクテク
  (やっぱりキョン君に本を渡したのは失敗……尚早だったのかなぁ)

長門「…………」カリカリ カッカッ コトン
  (見られたことを誤魔化したほうがよかったのかも……。でもキョン君見たって言ってたし……)

テクテク カタン

教師「……これも解くというのか」

級友「……あれ大学院クラスの数学問題らしいぜ」

級友「マジか……おい、先生が肩を落としてる。今回も負けたな」

長門「…………」
  (なら、もう全部さらけだして知ってもらったほうがいいって思ったんだもん……)

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:00:57.37 ID:CzSoJKj80

級友女子「長門さん、どうしてあんなの解けるの……?」

長門「……公式を覚えただけ」
  (普通の女の子ならこういう時どうしてたんだろう……。みくるちゃんなら……)

長門「…………」
  (でも私女の子の身体だけど、人間じゃないしなあ……。しかも3歳児)

長門「……(ボソッ)ペド」
  (そうだよね、かっこよくて頼りになって優しいけど、キョン君普通の人だもん。私に手をだしたら性犯罪者……)

長門「……駄目」
  (キョン君を犯罪者にするわけにはいかないよね……。って何最初からキョン君が私に手を出す前提で考えてるんだろ!)
  (そ、そんなのありえないよ! それにもうとっくに幻滅してるもん! ……うぅ、自分で考えて落ち込んで来ちゃった)

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:12:48.78 ID:CzSoJKj80

長門「……諦める」
  (はぁ、情報統合思念体はなんでこんな風に私を創ったんだろ。こんな事考えちゃう私に……)

長門「…………」
  (いっそのこと、ほんとにロボットみたいにしてくれてたらよかったのに。そしたら、ああいう本に興味を持つことだってなかった)
  (ああいう本を読んでドキドキ興奮しちゃったりしなかったのに)

長門「……でも」
  (そしたらキョン君に近づくと胸が高鳴るとか、みんなといて楽しく感じるとか、そういうのもなかったんだよね……)
  (……こんがらがってきちゃった。結局、何が一番よかったのかな? どういうのが一番いい方法なのかな)

長門「……情報不足」
  (でも、その方法がわかっても、もうどうにもならないよね。キョン君にあの本を渡しちゃったんだから)
  (私はこういう本を読んで楽しんでる、変な宇宙人ですよーって、知られちゃったから)

長門「…………」
  (人間でもないのにあんなの。私なら絶対近寄りたくない。近寄らせたくないもん。キョン君だってきっと)
  (キョン君じゃなくたってそうだよね……)

長門「……お昼」
  (……部室いこ。教室は騒がしくて嫌い。本に囲まれてればいいです。もうそれだけでいいんです……)

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:26:59.68 ID:CzSoJKj80

キョン「国木田は、長門が俺を望んでいると言った。だからノーパンを俺に見せて、あの本も渡したと」

キョン「本の通りのことを俺にして欲しい長門がいると」

キョン「しかし……俺は本当に本の通りのことを長門にしたいと望んでいるってのか?」

キョン「昨日はあまりに予想外過ぎて、居た堪れなくてろくに会話もせんで部屋を飛び出しちまったが……」

キョン「あの本は正直興奮した。それは偽れん事実だ」

キョン「ならあとは……。長門に会って、俺の気持ちを確かめる!」

キョン「昼休みなら必ず部室に……」

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:36:57.09 ID:CzSoJKj80

長門「…………」ポカポカ
  (やっぱりここはいいなぁ……。とっても落ち着く……)

長門「…………」チラ
  (キョン君、やっぱり今日もここに来るよね? 来ないと涼宮さん怒りますもんね。)

長門「……鬱」
  (これから毎日、キョン君にどう見られるかが気になって怖いよ……。自業自得だけど、やっぱり怖い……)
  (もしかしたら皆にも私が読んでた本のこと言ってるかもしれない。それも仕方ないけど、皆に蔑みの目で見られるのは耐えられない)

長門「…………」
  (いっそのこと、消してください。私の存在を削除して、無かったことにしてください! そんなの無理……)
  (ですよね。私、もうSOS団から離れられないんですもんね。このままここにいなきゃいけない。それが私の存在意義)

ガチャ

キョン「……いたか、長門」

長門「……!?」
  (え……? キョン……君? なんでここに居るの……? なんで今、私の前に現れたの……?)

キョン「お前に会って、確かめたいことがあってな」

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:45:21.53 ID:CzSoJKj80

長門「……何を」
  (確かめたいことって……やっぱり、あれかな? 他に無いですよね……)

キョン「お前はその……ああいうのが……」

長門「……そう」
  (えへへ、やっぱり……。キョン君悩んだ顔してる……。きっと、一杯困らせちゃったんだ。私のことで一杯悩んでくれたんですね)
  (なら、私全部正直に答えますね……)

キョン「……そうか。だから、俺に見せたのか?」

長門「……(コクリ」
  (っそうですよ! キョン君に、どうせ見られたならどんなものか全部知ってもらおうと思って……。だから本を渡したんです)
  (変に慰められて距離を置かれるより、全部知ってもらって嫌われるほうが心が痛まないから!!)

キョン「お前が、ああいうことをするとは正直思ってなかった」

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:50:58.11 ID:CzSoJKj80

長門「……何故?」
  (だって、そうしたほうがいいって思ったんだもん! あの時は他にいい方法なんて思い浮かばなかったんだもん!)

キョン「確かに俺も不注意だった。いきなりあんなものを見せられて動揺しちまってな……」

長門「……いい」
  (そう、もういいんです。慰めてくれるんですか、キョン君? でもその優しさは……残酷です)
  (そんな辛そうな顔、見せないで下さい……)

キョン「だから、お前の顔を見ていられなくて、逃げるように帰っちまった」

長門「……そう」
  (幻滅……しちゃったんですね)

キョン「……俺も見るのは初めてで、動揺したんだ、すまん」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:00:57.18 ID:CzSoJKj80

長門「……仕方ない」
  (そうですよね。あんなことがなければ、キョン君がああいう本を読むなんてことは多分なかったですから)

キョン「だから、お前が何をしてほしがっていたかなんてさっぱりわからなかったんだ」

長門「…………」
  (えへへ、あの場で拒否反応を示してくれれば、楽になれてたかもです……)

キョン「だがな、長門」

長門「……何?」
  (そんな目で……そんなに真剣な目でまっすぐ見ないでください! 汚れてる私には眩しくて直視できないですから!)

キョン「今、お前に会ってわかった。俺が望むことは、お前の望みと同じだ」

長門「……やはり」
  (ありがとうございますキョン君。私をきっぱり否定してくれるんですね……)
  (それなら、キョン君への気持ちも諦めがつきます……)

キョン「団活が終わったら、また話そうな……。ちゃんと出てくるんだぞ」

長門「……わかった」
  (それが、最後なんですね……)

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:06:23.77 ID:CzSoJKj80

支援あざっす
話の食い違いの説明っていらんよね?


ハルヒ「……だからそういうことよ!!」

古泉「んっふ、そうですね」

みくる「お茶のおかわりです〜」

キョン「……そうだな」

長門「……」
  (これが終わったら、キョン君から最後の言葉を告げられるんだ。皆には黙っててくれたんですね……)
  (最後の優しさ? でも……ありがとう、キョン君) パタン

ハルヒ「じゃあ、今日はここまでにしましょ。解散!」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:17:28.78 ID:CzSoJKj80

キョン「あいつらは行ったし、じゃあ俺たちも行くか、長門」

長門「……(コクリ」
  (どこで言われるのかな……。やっぱり、部室じゃ言いづらいよね。大事な場所だもん……)

キョン「とりあえず、焼き芋屋まで歩くぞ」

長門「……わかった」
  (そっか、あそこのおじさんにはまた来るってキョン君言ってた。……こんな時まで律儀なんだね。そこが、よかったんだけど)

キョン「……」テクテク

長門「……」トボトボ

おっさん「よ、お二人さん! 今日は仲良く一緒に来てくれたんだな!」

キョン「約束しましたからね。一本お願いしますよ」

おっさん「はい毎度!」

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:25:17.16 ID:CzSoJKj80

キョン「行くか、長門」テクテク

長門「……?」
  (え? キョン君行くってどこに……? あ、ちょっと待ってください!)タタタタタ

キョン「……寒いしな。ほら、半分こだ」ホックリ

長門「…………」スッ
  (あったかい……な。これって、最後の餞別なのかな? だよね、キョン君がおごってくれたし)
  (お礼、言いそびれちゃった……)

キョン「やっぱここのはうまいな。ぜひまた買いたいもんだ」

長門「……買えばいい」
  (でも、もう来ないんですよね? 私の家に近づくのも、今日が最後)

キョン「もうすぐ着くな」

長門「…………すぐそこ」
  (そう、もう終わりが近いですね。きっと、私のマンションの前で。ここまで来たらわかります)
  (そこなら、私もすぐ部屋に入れるから。悲しい顔で帰り道を歩かなくてすむから。やっぱり、優しいですキョン君)

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:33:25.02 ID:CzSoJKj80

長門「……到着した」
  (もう、心の準備はできました。……キョン君が、ゆっくりここまで来てくれたから。最後まで優しくしてくれたから)
  (言ってください。私を否定してください。それできっと、私は救われますから……)

キョン「……長門? なんでそんなとこで立ち止まってるんだ? 早く部屋に入ろうぜ」

長門「……?」
  (え? なんで私の部屋に? ……もしかして、昨日の約束? 今日も一緒にお芋を食べようって言ったから?)

キョン「ほら、そんなとこに突っ立ってたら寒いだろうが。エレベーター来たぞ」

長門「……わかった」
  (どうして……なんでそこまで約束を守ろうとしてくれるんですか! そんなことしたって、キョン君にいいことなんてないのに!)
  (私だって、そこまで優しくされたくないのに! そんな風にされたら諦められなくなっちゃいますよ!)
  (否定されて、拒絶されて、それでも、傍にいたくなっちゃうじゃないですか!)

キョン「……ほら、行くぞ」グイッ

長門「……!?」
  (手……繋いでくれて……!!)

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:38:21.51 ID:CzSoJKj80

ウィーン

長門「…………」
  (わかんない……。もうわかんないです……。どうしてキョン君はこんなこと……)

キョン「……なあ長門」

長門「……何」
  (なんですか……)

キョン「あったかいぞ、お前の手」

長門「……………………そう」
  (そんなの……そんなの! 私だってあったかいです……! キョン君の手、すごくあったかいですよぉ……!!)

チン♪

キョン「……部屋、入れてくれ」

長門「……わかった」
  (もう、キョン君の思う通りにしてください。……私は、何も抵抗しないから。言いたいこと、言ってください……)

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:46:02.61 ID:CzSoJKj80

キョン「……お茶、もらえるか」

長門「……まってて」
  (最後だもん……。だから、とびきりのおいしいお茶。後悔しないように、最高においしいお茶を入れる……)

シュンシュンシュン

キョン「…………」

長門「…………」
  (静かな、空気。キョン君、何考えてるのかな。やっぱり……やっぱり……)

ピィ〜〜〜

長門「…………」スック
  (やっぱり、最後の言葉を、だよね……。グスン……)

トポポポポポ ポチョン……

長門「……飲んで」
  (これが、キョン君に入れてあげられる最後のお茶だから……)

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:55:41.91 ID:CzSoJKj80

キョン「ズズズ……」

長門「…………」
  (どう……かな)

キョン「やっぱり、お前の入れてくれたお茶はうまいな」

長門「……ありがとう」
  (……ッ! 駄目、泣いちゃだめ! ここで泣いたら……全部、無駄になっちゃうから!!)

キョン「俺もな、覚悟というか……正直になることに決めたんだ、長門。お前に対してな」

長門「……(コクリ」
  (ああ、来ちゃった。この時が、とうとう来ちゃったんだ……)

キョン「これを言うのに決心がつくまで、随分と悩んだんだが……」

長門「……言って」
  (いいよ、キョン君。キョン君が言ってくれる言葉なら、私全部受け入れるから)

キョン「……立ってくれ、長門」

長門「…………」
  (そうだよね、しっかり向かいあって、キョン君をまっすぐ見上げなきゃ……! じゃないとこんなに真剣なキョン君に失礼になっちゃう!)

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 05:01:35.12 ID:CzSoJKj80

いかん、眠気がマックス。目がショボってキマシタワー

キョン「俺もな、国木田に言われてやっとわかったんだ」

長門「…………」
  (国木田……君? あ、キョン君と仲のいい……)

キョン「ハルヒ達にはとても相談できることじゃなかったんでな。あいつに話をした」

長門「……そう」
  (やっぱり、気を使って団の皆には黙っててくれたんだ。でも、そうしたらキョン君だって皆に秘密を抱えちゃうのに)

キョン「もちろんお前の名前は出してないぞ? だが、アドバイスをもらってな。その通りにして自分の気持ちがわかった」

長門「…………」
  (だから、お昼休みに部室に……)

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 05:07:18.21 ID:CzSoJKj80

キョン「それで、今日はお前の気持ちに応えようと勇んできたわけだが……」

長門「…………」
  (はい……キョン君)

キョン「部室では言いづらくてな。だからここまで引っ張っちまった」

長門「…………」
  (わかってます。あそこは……あそこは私のせいで汚しちゃいけない場所ですもんね……)

キョン「だが、ここで言わないわけにはいかん。だから言うぞ長門」

ぎゅっ……

長門「……何を」
  (何、え? これ……え? ええ? なんでキョン君私を抱きしめて……ええぇ? えええええええ?!)

キョン「お前に望まれているように、俺もお前を、調教したい」

長門「……なんのこと」
  (何のことおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!)

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 05:17:13.50 ID:CzSoJKj80

キョン「お前のあそこを見たとき、頭が真っ白になっちまっていた」

長門「…………」
  (ちょう、ちょうきょ……えぇ?! あそこって、あそこってなんですかキョン君?!)

キョン「家に帰ってからも、長門のあれが頭から離れなかった」

長門「……あれ」
  (あれって? あれってなんです? 本? でも本が頭から? 読んだから? 内容が?)

キョン「そのあとお前に渡された本を読んで……内容を、お前に重ねたんだ」

長門「……重ねた?」
  (ふぇ? 本を読んで重ねた? じゃああれって? 芋? まさか! じゃあなんですか私のあれって?)
  ( キョン君何を言ってるんですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?)

266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 05:23:36.94 ID:CzSoJKj80

キョン「未知の感覚……初めての興奮だった」

キョン「まさか自分があんな風になるとは思わなかった。……恥ずかしいが、三回もしちまった」

長門「……何の回数」
  (三回ってなんですぅ? ていうか、興奮って、キョン君が? あの本を読んで?!)

キョン「それでも、治まらなかった。だが、なんとか理性を働かせて今日を乗り切った……。辛かったぜ」

長門「…………」
  (それって……。え? でもじゃあ、私を見て辛そうな表情をしてたのは……?)

キョン「だがもう限界だ、長門。お前を目の前にして、こんなに近くにいるお前を前にして、我慢できるほど俺は紳士じゃあない」

長門「…………あなたは……」
  (じゃあ、私を見て興奮して、色々我慢してた……ってことですか?)

キョン「昨日見せてくれたお前のま○こ……綺麗だったぞ」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 05:30:01.68 ID:CzSoJKj80

長門「……記憶に……」
  (わた、私の!? 私のおおお?! ていうか見せた覚えなんて! そもそも見せるだなんて行為を私は……あ)
  (まさか、あれ……。あの時のですか? そうなんですか?!)

長門「……見たの」
  (確かにちょっとお漏らししちゃって、仕方なくパンツを穿かないでこっそり部屋に戻りましたけど……あの時)
  (キョン君がなんか痛いみたいなこと言って音がしてたけど、あの時見て、見られてたんですか私の!?)

キョン「ああ、お前が見せようとしてくれる前に見て悪かった。反省してる」

キョン「その後いきなり帰ったのもすまないと思っている。長門は、準備してくれてたのにな」

長門「……別に」
  (別になんの準備もしてないですよおおおお!? 見せようとも思ってませんでしたよおおおおお!?)
  (あの時は本を見られたと思って……呆然としちゃって……キョン君も見たって言ったし……)

長門「…………まさか」
  (勘違い……?)

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 05:38:51.84 ID:CzSoJKj80

キョン「許してくれるのか長門……。ありがとうよ」

長門「……い……」
  (いいいいやあああああ!! 私ってば! 私ってばなんて壮大な勘違いをおおぉぉぉぉおお!! ええ、じゃあじゃあそれじゃあ!)
  (望むとか言ってとか……肯定と否定が私とキョン君とで食い違ってたわけですよねぇ!? それってつまり……)

キョン「お前の望むことをする、そう決めたんだ。お前もそうして欲しいていったしな」

長門「…………」
  (ですよねえええええ?! そうきますよねえええええええ?! ふぇぇぇぇぇぇ! どどどどうしよう! どうしたら!!)
  (ほほ、本体さん! 本体さん!? こんな時はどうしたら……ってなんで今この宙域にいないんですかあああ!!)


274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 06:02:57.59 ID:CzSoJKj80

キョン「明日は休みだ。明後日もな。だから長門……」

長門「……だから?」
  (キョキョ、キョン君目が据わってますよぉ……? ゴクリ……)

キョン「お前が満足するまで、俺が満足するまで、お前を調教し尽してやるさ」

長門「…………ッ!」
  (ん……んん! キョ、キョン君そんな……いきなりキス……はげしッ……!)

キョン「ん……チュブ……チュ……」

キョン「……長門、口を開けろ」

長門「…………クッ……」
  (いや、駄目待って、キョン君落ち着い……ふぁぁ! なんで、抵抗……できな……)

キョン「そうだ……舌を突き出せ。口の外にだ」

長門「……ん」
  (だ……え……こんなの……すず……みやさんに……でも、きもち……いい……よぉ)
  (キョン君に……キス……さえてぅぅ。舌、なめられ……て……))

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 06:08:30.02 ID:CzSoJKj80

キョン「ん……お前は望んでたんだもんな……ずっと」

キョン「気づかなくて悪かった……。だがもう、わかってるからな……」

長門「……ち……が」
  (ち、ちがいますぅキョン君! それは……勘違い……ですぅ……!! ひっ……!?)

キョン「長門ぉ!」 ゴロンヌ

長門「……ッ!」
  (い……た……。なんで床に……きゃあ!? そ、そんな、や、こんな格好!!)

キョン「さあ、見せてくれ。また、おまえのここをな。今度はちゃんと……」

長門「…………や」
  (駄目……そこは……キョン君お願いですぅ! 足、足持ち上げないで……開いていかないで……)

277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 06:16:54.51 ID:CzSoJKj80

キョン「長門……脱がすからな……?」

長門「……う」
  (やあぁ……絶対……見られるの……やだぁ……! そこ、それ脱がさないで、キョン君……)

キョン「見えてきたぞ長門……お前が躾けられることを望んだ、ここが……」

長門「…………ちがう」
  (望んでない……望んでないです……違うんですキョン君……! お願い、いつものキョン君に……)

キョン「ちがう……? ああ、そうか。本のことか? 最初は嫌がる設定だったか。そそるぜ、長門……」

長門「…………駄目」
  (もう、何を言っても……。そうだ、バックアップ……救難信号を出せば……喜緑さんに……!)

キョン「……ああ、やっぱり綺麗だな、長門。毛も無くて、光ってるみたいだ……」

長門「……な」
  (ええ? 来れないってなんで? は? ファミレスでバイト? ちょ、そんなぁ! え? バックアップのバックアップ?)
  (そんなの知らない……もう来てるんですか? あ、喜緑さん? 切らないで喜緑さんってばぁ!)

ピンポーン

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 06:21:37.49 ID:CzSoJKj80

長門「……待って」
  (き、来た! すんごく早い! でも助かりましたぁ!! こ、これでなんとか……)

キョン「待たん」

長門「……何故」
  (ええ? いやそこは躊躇してくださいキョン君! ていうか出させてください! 私、そんなまだ心の準備も……)
  (いえそうじゃなくて! むしろ結ばれるのは嬉しいですけどこんなんじゃなくてぇ!)

キョン「無視だ長門。今は俺に集中しろ」

長門「…………あ」
  (キュン♪ ……て駄目! キュン駄目絶対! そんないい目線で言われても負けませんから!)

長門「……う……く」
  (今はとにかく、あのドアを……!)

キョン「長門! 俺に集中しろと……!!」

279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 06:26:41.69 ID:CzSoJKj80

長門「……出なくてはいけない」
  (絶対に、出ます! ここは引けません!)

キョン「……どうしてだ! お前の望みは……!」

長門「……出なくては、危険」
  (主に私の貞操が!)

キョン「危険? 何が……まさかハルヒか?! くそっ、あいつはどこまで……」

長門「…………!」
  (拘束が緩んだ! 今なら……!! えいっ!!)

キョン「うおっ?! あ、おい長門!」

テテテテテテテ  ガチャッ!

長門「……あなたは」

キョン「……なんで、お前が」

朝倉「あれ? お楽しみを邪魔したかな? お久しぶりねキョン君。それに……長門さん?」

317 名前: ◆e1uSVm8EAw [] 投稿日:2010/03/06(土) 14:02:45.24 ID:etzE9Y+j0

朝倉「どうしたの? 鳩が豆顔よ?」

長門「……なぜあなたがここにいる」
  (助かったのはいいけど……ほぇ? 朝倉さんは私が泣く泣く消しちゃったはず……? なんでぇ?)

キョン「どうもこうも……お前は消えた筈じゃなかったのか、朝倉」

長門「……私がそうした」
  (やっぱりキョン君も覚えてるなら、世界改変とかじゃ……ないですね)

朝倉「私がここにいるのがそんなに不思議? ……ふ〜ん」ニヨニヨ

キョン「……なんだその笑みは。また俺を殺してハルヒをどうこうしようってのか!」

朝倉「や〜ね、そうじゃないわよ。ただ、ね。なんかお楽しみだったみたいだし? それ隠したら? キョン君」

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:09:36.88 ID:etzE9Y+j0

キョン「それ……。あ」

朝倉「おちんち〜ん」

長門「……(チラ」
  (おち……? ひょっ! でででででててててって!!?? あばばばばっば! キョン君の! 金剛様が!?)

キョン「ちょっとまてお前こっちを見るな! 見るんじゃない!」

朝倉「はいはい。さっさとしまってくれる? ドア開けてるし、誰かが通りかからないとも限らないしね」

キョン「閉めんか!」

長門「……(ゴクリ」
  (見ちゃった見ちゃったキョン君のあれあれ……。おおお、おっきかった……。え? あれって……え? 私で?)

朝倉「……えい(ペチャクチャペチャラチャラ」

プチ

キョン「ふぅっ!? ファス、ファスナーに挟んだぁ!!」

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:19:51.75 ID:etzE9Y+j0

キョン「おうっふ! こ、これは……膨張してただけにいてえ……」orz

朝倉「あれ? どうしたのキョン君? も〜、かわいくおしり突き出しちゃって。誘ってる?」

長門「……何をしたの」
  (今、情報操作……しました? でもなんでいきなりそんなこと……。キョン君すごく辛そうですけど、そんなに痛かったんですか?)

朝倉「何って……救難信号出したでしょ? 長門さん。助けてあげたの」

長門「……なぜあなたが」
  (……喜緑さんはバックアップのバックアップて。それが朝倉さん? どういうことですかぁ、喜緑さん!)

朝倉「その様子だと知らされてなかったんだ。喜緑も意地悪ね〜」

長門「……やはり彼女が」
  (どうしておしえてくれなかったんですか喜緑さん!? なんで涼子ちゃんがいるって!)

キョン「……おふぅ」ピクンピクン

朝倉「ま、つもる話もあるし。とりあえずこれ持ってきたから一緒に食べましょ、おでん」

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:26:00.92 ID:etzE9Y+j0

朝倉「ちょっとキョン君、いつまで転がってるの? そこどいて」ゲシッ

キョン「ぐお! あ、朝倉お前、さっき何かしただろう! それとケツを蹴るな! 俺に触るな!」

朝倉「何も? それに蹴らなきゃいつまでたってもそこで悶えてるでしょ?」

キョン「嘘をつくな嘘を……ん、なんだ? 痛みが消えてる」

朝倉「ほら、キョン君もさっさと座って。まずはおでんでも食べながら話しましょ」

長門「……今は彼女の言う通りにして」
  (なんだかわからないけど……もしキョン君に何かしようとしたら、許さないですよ涼子ちゃん!)

キョン「だが長門……」

長門「……いいから」

323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:32:32.22 ID:etzE9Y+j0

朝倉「はい、じゃあいただきま〜す。二人とも食べて食べて。あ、長門さんそのちくわ食べごろよ?」

長門「…………」

キョン「…………」

朝倉「も〜二人とも! 毒なんか入ってないから、ね? お鍋でもつつきながら昔話に花を咲かせましょ」

キョン「一生つぼみのままでいてくれないか」

長門「……大丈夫。毒物は検出されていない」
  (何企んでるのかな、涼子ちゃん……。久しぶりに会えたのは嬉しいけど、涼子ちゃんを消した身としては複雑……)

キョン「しかしだな、長門……」

朝倉「男らしくないわね。びびってないで食べればいいでしょ」

キョン「……! 誰がびびっとるか。食えばいいんだろうが」ガツガツ

朝倉「ふふ、そうそう。私も食べよっと。ん、我ながらいいでき♪」

326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:40:19.80 ID:etzE9Y+j0

長門「……もう一度聞く。なぜあなたが?」ハフハフ
  (あ、大根味が染みてていい感じ。やっぱり涼子ちゃん上手だなぁ)

朝倉「それはどっちの意味? ここにいること? 消えたはずが存在してること?」

長門「……あなたがここに居る理由は既に聞いた。何故また存在している」
  (卵もぷるぷる。あ、キョン君ッたら、お汁こぼしてますよ、子供みたい。うふふっ)

朝倉「ここに来たのは喜緑に派遣されたから。復活させてくれたのも喜緑よ」

キョン「喜緑さんが? なんであの人がお前を復活させた」

朝倉「あ、でも前みたいな力はないわよ? キョン君を殺さないようにプロテクトをかけられてるし、そのつもりももう無いけど」

キョン「……そりゃ助かるな」

長門「……さっきの力は」
  (え〜? 喜緑さんいつのまにそんなこと……。一言くらい言ってくれても。……涼子ちゃんが消えて、結構寂しかったんだから)

328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:48:16.30 ID:etzE9Y+j0

キョン「……おいどういうことだ」

朝倉「長門さんの意地悪。あれは最低限の力よ。身を守るにも必要でしょ?」

キョン「最低限? お前にはそれくらいの力でも危なすぎるだろ」

朝倉「え〜、でも私に力がなかったら、あっという間に男の子に手篭めにされちゃうじゃない。……キョン君とかに」

キョン「ブホッ!! す、誰がするかお前なんぞを!」

朝倉「ちょっとそれ失礼ね。長門さんみたいな幼児体型よりよっぽど女らしいと思うけど。ほらこの胸とか」タユンタユン

キョン「じ、自分で胸を掴むんじゃない! そして揺らすなあほう!」

長門「……朝倉涼子。いい加減にして」
  (ひ、ひどいですよ涼子ちゃん! 確かに私は子供っぽく作られてますけど、一応気にしてるのに!!)

朝倉「あ、ごめんなさい。そうね、本題に入りましょうか」

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 14:55:40.56 ID:etzE9Y+j0

長門「……そうして」
  (もう、一回消されても相変わらずですね! でもそっか。涼子ちゃんはもうキョン君に危害を加えるつもりはないんだ)
  (なら、痛い思いをしなくていーんですね! あ、でもあの時は痛かったけどキョン君に抱っこしてもらえたっけ……えへぇ)

朝倉「えっとね、キョン君」

キョン「なんだ」

朝倉「さっきみたいに強引なのはいけないわよ」

キョン「……なんのことだ」

朝倉「だから、長門さんをさっきみたいに無理矢理犯す、みたいな真似」

キョン「はい待った! いつだ! どこからだ! お前はどうしてそれを知っとるんだ!」

朝倉「見てたからに決まってるじゃない? ……望まれて、望んで、かぁ〜」

キョン「!? ……ぐおおおおおおお!!!」

長門「……全く感知できなかった。どうやって」
  (はぁい〜? 見て、見てたんですか? 見られてたんですか? い、いったいどうやって!? ていうかちょっとそんなひょえええ!!)

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:08:20.04 ID:etzE9Y+j0

朝倉「長門さんがわからなくてもしかたないわよ。喜緑はやり手だし」

長門「……喜緑江美里が?」
  (え? それって喜緑さんが私の部屋を監視してたってことですよね? なんで、どうして?)

朝倉「えっと、この部屋だと10箇所ね、監視媒体があるのは。あとはトイレとかお風呂とか。この部屋全体で200個くらいかな」

長門「……あなたは場所がわかるの?」
  (200個って……。ていうかそれって監視カメラじゃないですか喜緑さん! しかもお風呂とかなんのためです!?)

朝倉「まあ、今はあの子に存在を依存してるから、ある程度は」

長門「……いつから」
  (そう、そうです。いつからかが問題です。昨日だけならまだしも、もしもっと前からだったら……)

朝倉「長門さんがキョン君と出会ってからだから……三年前?」

長門「……そんなに前から……」
  (終わったぁぁぁぁ! 私終わりました! 無駄とわかっててもやってた豊胸体操とかサザエさんとじゃんけんとかポンキッキ体操とか、全部見られてましたぁぁぁぁぁぁぁ!!)

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:13:25.45 ID:etzE9Y+j0

朝倉「いろいろ可愛かったわね、長門さん?」ニヤニヤ

長門「…………不覚」
  (追求してやる……絶対追及して記録を抹消抹消抹消……喜緑さん覚悟)

朝倉「あ、喜緑にこのこと突っ込んじゃ駄目よ?」

長門「……何故」
  (駄目? そういうわけにはいかないんですぅ! これには、これには私という個体の存在意義が……)

朝倉「ねえ、私たちのここでの資金ってどこから出てると思う?」

長門「……聞いたことがない」
  (え……。そういえば、いつも振り込みされてるけど、あの大金って誰が? 他の個体が構成したお金じゃ……?)

338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:20:38.28 ID:etzE9Y+j0

朝倉「これね、最上級の秘匿情報だったんだけどね。言ってもいいって言われたから教えてあげる」

朝倉「あれ、全部喜緑が稼いでるのよ」

長門「……どうやって? 構成すれば……」
  (ファミレスの……? え、でもそんなの微々たるもの……。非効率だし……。どうやって?)

朝倉「私たちインターフェイスの素人盗撮動画風DVDで生み出してるのよあのお金」

長門「……どういうこと」
  (どういうことなの……)

朝倉「あ、勿論モザイクはかけてるわよ? ちなみに長門さんは売り上げ第4位かな」

朝倉「一位は私なの。やっぱりエロ要素がある方が売り上げに貢献できるのよね」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:30:29.50 ID:etzE9Y+j0

朝倉「でもエロ入れるのも一苦労なのよね。毎回同じシチュで一人Hじゃマンネリ化しちゃうしさ」

朝倉「シャワーでとか、ウォシュレットでとか。最近は他人を部屋に連れてきて人間バイブにしたり……」

長門「……何故そこまで」
  (ひと、り……H……。他人……そんな……やだ、やらし……やらしすぎてもう……)

朝倉「本番はさせないのがルールなんだけどね。私も嫌なんだけど、喜緑に依存してる身としてはね……」

朝倉「他の子も彼女のバックアップだから、逆らえないし。因みに喜緑は会長とできてるけど」

長門「…………私の動画は」
  (会長ってあの眼鏡の怖い人……。や、今はそれより、それも凄い事実だけど、私の動画もってことは……)

朝倉「長門さんのはほんとに普通よね。お風呂とか普段の子供っぽい行動とか」

朝倉「唯一エロいのはそうね。パイパンがトイレで糞尿を出すシーンくらいかな」

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:38:37.94 ID:etzE9Y+j0

長門「……何を言っているの」
  (すいません今糞尿って言いましたか? 言いましたよねそうですねそれわたしのおしっことかうんちのことおことととと)

朝倉「まあ情報統合思念体の総意で、この国の経済状況を混乱させるわけにはいかないっていうのがあるから」

朝倉「だからお金を構成するわけにはいかなくて、仕方なく動画をね。最近はそっちが本職の子も出てきたけど」

長門「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

朝倉「だから喜緑を止めても無……駄……あれ? 長門さん? なんか情報操作の気配が……」

長門「…………」ヌゴゴゴゴゴゴゴ
  (ふへ、ふへへ、駄目です。許しません。見せません。壊します、そんな監視媒体。全部ぶっ壊しますから!!)

朝倉「ちょっと長門さん部屋が歪んでるいたっ! 媒体の破片が飛んできて……いたっ! 痛い!! 」

長門「……ペチャクチャペチャクチャクッチャラハピハピ」
  (消えちゃえ! 消えて! 消えなさい!! にゃあああああああああああ!!)

ドオドドドドオオ!! ボムフ!! ボボンヌ!

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:46:20.01 ID:etzE9Y+j0

朝倉「ひぇぇ!? ちょっとちょっと長門さん! 黙ってたのは悪かったけどでも待って!」

長門「……うるさい」
  (黙っててください涼子ちゃん……じゃないとあなたでも消しちゃいますから……)

朝倉「待ってってば! ほら、ここにはキョン君もいるし! ね? あぁ! おでんがこぼれて……」

バシャッ

キョン「あついっ?! おおおお! あ、熱いぞ! 何事だあああああ!!」

朝倉「あなたいつまで恥ずかしさで悶えてたの?! ちょっと長門さん止めて! 早く!」

キョン「お前があんなことを言うから……! っておい、長門! なんだこれは……部屋が歪んでるぞ!」

朝倉「だから早く長門さんを止めてってば! ああ、空間に断裂が出てきてるじゃない! 私じゃどうしようもないわよこんなの!!」

長門「……許さない許さない許さない」
  (全部全部全部消す消す消す消す消す)

350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:52:45.31 ID:etzE9Y+j0

キョン「止めろと言われてもどうしろと……?!」

朝倉「知らないわよ! 自分で考えてよそれくらい!」

キョン「おまえ長門に何をしたんだ!」

朝倉「何もするわけないでしょ! ていうかできないし! 事実を教えたら勝手にこうなったのよ!」

キョン「事実とはなんだ! やっぱりお前のせいだろうが!」

朝倉「今はそんなことどうだっていいでしょ?! それよりさっさとしないと部屋ごと私達まで……」

キョン「後で責任とれよ朝倉ぁ! くそお! どうやって止めろと……長門! やめるんだ長門!!」

352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 15:58:55.12 ID:etzE9Y+j0

長門「……消去プログラム構築、1〜365までの手順を開始」
  (…………)

朝倉「ほら始まった! 最終手順始まっちゃった! 早く早く!!」

キョン「……! ええい、どうなっても知らんぞ! 長門、ストップだ!」

ぎゅぅ!!

長門「…………!!」
  (これは……何? あったかくて、力強い……)

朝倉「……な、長門……さん?」

キョン「長門……?」

長門「…………あ」
  (キョン……君? 顔、近い……え……また、抱きしめられてる……?)

朝倉「止まった……?」

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:04:02.63 ID:etzE9Y+j0

長門「……私は、何を」
  (なんだか、とんでもないことをしようとした記憶が……)

キョン「落ち着いてくれたか、長門(ほっ」

長門「……なぜ、私は抱かれているの」
  (えっと、なんでしょうかこの状況は……凄く心配そうな顔のキョン君と、安心した表情の涼子ちゃん……?)

朝倉「……全く。長門さん!」

長門「……何」
  (え? なんですか朝倉さん……すっごく怒ってる……?)

朝倉「あなた一体どういうつもり?! 部屋ごと私達を消去しようとするなんて!」

長門「……消去?」
  (なんの話ですか……? あれ? ええ? な、なんですかこの惨状は?! お、お部屋が滅茶苦茶ですぅ!)

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:12:48.77 ID:etzE9Y+j0

朝倉「かくかくしかじかふじつのおみせへってわけよ」

長門「……面目ない」
  (うゆぅ、てんぱってたっていっても、まさか私がキョン君ごと……)

朝倉「確かに私も悪かったわ。まさか長門さんがそこまで耐性がなかったなんて思わなかったもの」

キョン「全面的にお前が悪いと思うわけだが」

朝倉「だから謝ってるじゃない!」

長門「……面目ない」
  (うう、かばってくれるキョン君……。消そうとした私を……)

朝倉「でもキョン君には感謝してるわよ。あなたのお陰で命拾いしたし。流石に2回も消されたくないし」

キョン「俺の命もかかってたからな」

長門「……重ね重ね申し訳ない」
  (本当にそうですね……。私二人とも……。ふうぅ、ありがとうございますキョンくぅん……)

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:19:05.97 ID:etzE9Y+j0

朝倉「とにかく、この件は喜緑に報告しておくわね」

キョン「諸悪の根源だよな」

朝倉「仕方ないでしょう? こっちにも事情があったわけだし。でもそうね」

朝倉「長門さんのところの監視媒体は全部消えちゃったし、今後の設置も見合わせるべきよね」

長門「……そうしてもらえれば助かる」
  (私のあんなところやこんなところが衆目に晒されていたなんて……消えたい)

朝倉「落ち込まないで長門さん。流通したDVDは全部回収しておくから、ね?」

キョン「当然だ。さっさとやれ」

朝倉「キョン君だって見たいくせに。まあいいわ。至急手を打つから」

朝倉「これで解決でしょ? じゃあはい、キョン君」

キョン「なにがじゃあなんだ? まだ何か……」

朝倉「ほら、おっぱい」ぬぎぬぎっ

キョン「ブフォっ!」

364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:34:58.33 ID:etzE9Y+j0

朝倉「なんでお茶をふくのよ!」

キョン「お前がいきなりそんなもん出すからだ!」

朝倉「そん……そんなもんって何よ!」

キョン「そんなもんはそんなもんだ!」

長門「……おっきい」
  (わ〜涼子ちゃんやっぱり大きいなぁ……じゃなくて! なんで急に胸を出したんですか! じゃあおっぱいってわけわからないですよ?!)

朝倉「まだブラ着けてるじゃない! これだけでそんなもんなんて言わせないわ。全部見て触ってから感想言いなさいよ」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:39:21.70 ID:etzE9Y+j0

キョン「見る気も無いし触る気もさらさらないわ! しまえ馬鹿野郎!」

朝倉「な……ひどい! キョン君が見せろって言ったのに!」

長門「……なんと」
  (え……キョン君、私が意識を喪失している間に涼子ちゃんと何が……?)

キョン「俺がいつそんなことを言ったというんだ!」

朝倉「責任取れって言ったのに」

キョン「それは長門を混乱させたことを反省しろという意味だ。誰が胸を見せろと言った」

朝倉「普通に考えたらそうじゃないの」

368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:45:25.50 ID:etzE9Y+j0

キョン「はぁ?」

長門「……責任とはそう意味だったとは」
  (知らなかった……。責任っておっぱいを見せることなんだ、普通。私ずっと、男の人がけ、結婚をすることをいうんだと……思ってた)
  (結婚……責任をとったキョン君が私と……にゅううううううううう!!)

朝倉「そうでしょ。力もほとんど無い私は普通の女の子みたいなもんよ? そんな普通の子の普通の責任の取り方なんて……」

朝倉「おっぱいを見せて触らせて、その他もろもろのサービスくらいしか思い浮かばないし」

キョン「どういう思考回路をもつとそういう結論になるのか教えてくれ。それともなにか。お前ら宇宙人はそれがデフォの普通か」

朝倉「いたって平凡な地球人的思考の結果だけど」

キョン「俺は普通の地球人で日本人だと自分を定義してたが間違いだったんですかね」

370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:51:39.70 ID:etzE9Y+j0

朝倉「あら、キョン君自分が普通だと思ってたの?」

キョン「どういう意味だ」

朝倉「涼宮さんが望んだあなたが、普通なわけないじゃない。忘れた?」

キョン「……それは関係ないと以前も……」

朝倉「私が殺そうとした理由もそれだったじゃない。まあ過去の話ね」

長門「……失念していた」
  (そうだ、キョン君は涼宮さんが……。あはは、馬鹿だな私。ずっと優しくされてて舞い上がって、すっかり、忘れてた)

キョン「俺は、望まれたからSOS団にいるわけじゃあない」

朝倉「そうね。キョン君が言うならそうなんでしょうね」

朝倉「じゃあね、普通のキョン君」

キョン「なんだ」

朝倉「あなたが普通なら、普通に目の前にある私のおっぱいを、普通にいじっちゃうのが、普通の男子じゃないかな?」

キョン「言葉遊びは卑怯だな」

372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:55:47.55 ID:etzE9Y+j0

朝倉「別に遊んでないわよ〜。あ、そっか! キョン君そうなんだ〜」

キョン「なんだ。なにを一人で納得しとるんだお前は」

朝倉「キョン君怖いんでしょ〜? おっぱい触ったこと無いんだもんね?」

キョン「……! なんでそう言いきる」

長門「…………」
  (なんで涼子ちゃん、そんなこと知ってるの? あれ? キョン君も言葉に詰まってるし……)

朝倉「だって、女の子の大事なとこ、初めて見たんでしょ? ならそうかなって」


375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:01:10.32 ID:etzE9Y+j0

朝倉「私さっきまで見てたって言ったじゃない。音声だって筒抜けだったんだから」

長門「……あの時の、台詞を」
  (そういえば言ってた……。キョン君初めて見たって。だから戸惑っちゃって……)

キョン「相変わらず最悪だぜ、おまえは」

朝倉「ふ〜ん、別に最悪でもいいわよ。意気地のない租チンよりマシ」

キョン「何を……」

朝倉「え? だってキョン君租チンなんでしょ? だから私みたいなナイスバデーの女には恥ずかしくて手を出せないんでしょ?」

376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:06:57.97 ID:etzE9Y+j0

朝倉「変だと思ったのよね。なんで長門さんみたいな幼児体型に手を出そうとしたのか」

朝倉「でもそっか、それなら納得だもん」

キョン「何がだ……」

長門「……幼児……体型」ペタペタ
  (ひ、ひどい涼子ちゃん! また言った! また幼児体型って言った!!)

朝倉「キョン君の租チンでも、幼児な長門さんにはぴったりのサイズだもんね! 私を満足させられなくても、長門さんにならジャストフィット、みたいな?」

キョン「てめえ……」

朝倉「ま、私も? 入ってるか入ってないかわからないものなんて? そんなちんちんにもその持ち主にも同情の笑みしか浮かべられないわ〜」

長門「……?」
  (租チンってなに?)

380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:13:35.30 ID:etzE9Y+j0

朝倉「そんなもんで調教? ふふっ、へそで昆布茶が沸くわね。それで本気で長門さんを調教できるとでも思ってたの?」

朝倉「無理無理、む〜り〜。最初はよくても、結局最後は長門さんだって呆れるわ、この租チンってね」

キョン「そんなことは……」

朝倉「無いって? 初めてで上手に調教ができると?」

キョン「長門はそれを……」

朝倉「望んでも、その望みが絶たれちゃうわね。かわいそうな長門さん。私を満足させられないような人が、長門さんを満足させられるとでも?」

朝倉「彼女は私の上位個体。しかもロリよ? 普通より結構上の私をあしらえないようなキョン君に何ができるの?」

長門「……あなたたちの会話の意味がわからない」
  (あの、そもそも私調教とか望んでないんですけど……)

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:14:47.74 ID:etzE9Y+j0

ちょっとチャーハン食ってくる


384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:22:32.76 ID:etzE9Y+j0

朝倉「そもそも女性がおっぱいをさわっていいって言ってるのに、躊躇するようなヘタレじゃね〜ぇ?」

キョン「……上等だ、朝倉」

朝倉「あら? 何が上等なのかしら? あなたの租チンが? 上等な租チンなんて矛盾もいいところね」

キョン「租チンじゃねえ! 俺は決して租チンではないぞ長門!」

長門「……そうなの?」
  (だから租チンってなんですか? あとなんで私に言いましたか?)

朝倉「租チンじゃなければなんなのよ」

キョン「それはお前の身体で身を以って知れ! 勝負してやるよ、朝倉あああ!!」

朝倉「ふん、やってみなさいよ! かかってきなさいキョン君!!」

キョン「待ってろよ長門! こいつを倒して、満足させて! お前の望む調教が俺にできるってことを証明してやる!」

長門「…………そう。頑張って」
  (えっと。つまり涼子ちゃんと勝負して勝ったら、私が望むキョン君の証明? あの、今のままで十分ですよ……?)
  (ていうか調教はやですぅ……)

388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:30:17.55 ID:etzE9Y+j0

キョン「見やがれ朝倉!!」バッ

朝倉「キョン君こそ!!」脱ぎッ

長門「……ちょ」
  (はあああああ!? な、なんで二人とも脱いでるんですか? キョン君おち、おち……! 涼子ちゃんはおっぱい……!!)

キョン「なかなか、綺麗じゃねか……」

朝倉「キョン君こそ……大きいじゃない」

キョン「だが!」

朝倉「勝負は!」

キョン・朝倉「触るまでわからない!!」

長門「……何をいっているの」
  (触っちゃだめですってばああああああああ!!)

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:35:13.74 ID:etzE9Y+j0

キョン「ガシッ」う、これは……!?」

朝倉「グワシッ)や……これって……!?」

キョン「しっとりと湿っているのに、それでいて滑らかな肌触り……」

朝倉「どくどくと力強く脈打って、高く屹立して……熱い……」

キョン・朝倉「そしてなにより……」

キョン「思考をとろけさせる柔らかさ……」

朝倉「私を虜にしそうな固さ……」

キョン「一回戦は……」

朝倉「引き分け、ね……」

長門「…………勝負の基準が」
  (わかりません……)

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:40:57.17 ID:etzE9Y+j0

キョン「だが本番はこれからだ! 先手もらったあ!」

チュブゥ

朝倉「ふ……ひゃあん! やだ、この舌使い……只者じゃないわ! 感じちゃうぅ!」

キョン「当たり前だ! 毎日妹と一緒にアイスの蓋を舐めることで会得した俺の技……耐えられるかな!?」

朝倉「きゃうっ! ……くっ、わざと本丸を責めないで周囲からじわじわと……。キョンく……んんあああ!!」

キョン「俺は『漫画・大阪城』を愛読していたんでな!」

朝倉「外堀を埋めるうまさはそこから来ているのね!? あああああああああああああ!! 乳首! 乳首きちゃうううう!!」

キョン「本丸から白旗があがりそうだぜええええ!!」

長門「……人に歴史、あり」
  (アイスの蓋は私も舐めますよ。キョン君!!)

395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:47:45.10 ID:etzE9Y+j0

朝倉「うくぅ! だ、駄目、このままじゃあ……ていや!」

ゴロン

キョン「うっ!? マ、マウントを、しかも逆マウントをとられただと!」

朝倉「ふふふ、私の番よ! 裏で鍛えた私の手さばき、とくと味わいなさい!」

キョン「ぐああ! こ、これは……俺は何を、何をされているんだ! 朝倉の背中でマイサンの状態がみえん!!」

朝倉「……ふふ、何をしてると思う? 想像して御覧なさい!」

キョン「これは……そうなのか? そうなのか朝倉ぁぁぁ!」

朝倉「私の唾液と愛液の混合剤。それであなたを包んでいるのよキョン君! あとは指先一つで科学反応よ!」

キョン「なんとおおおおおおおお!!」

長門「……人体の科学」
  (保険の授業は恥ずかしかったなあ……。おちんちんの図とか……////)

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:53:43.37 ID:etzE9Y+j0

キョン「い、いかん! このままでは逆に満足させられてしまう! 持てよ、俺の腹筋! &マイサン!」

ぐいいいいいいん

キョン「はぁっ! 召し取ったり!」

朝倉「やっ……! う、後ろから鷲掴みなんて! ああ、でもその荒々しさがさっきの優しさとは逆に新鮮!!」

キョン「それだけじゃないぜ! (ペロンチョ」

朝倉「はぁん!? だ、だめ、肩甲骨と背骨、舌でなぞっちゃだめえええええええ!!」

キョン「果てちまいな、朝倉! ははっ!!」

長門「……組体操?」
  (二人とも身体が柔らかいなぁ……。新体操ってやってみようかな?)

398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 17:59:50.34 ID:etzE9Y+j0

朝倉「ま、負けないんだからぁ!」

キョン「……!? うぶ、あふぁくら……」

朝倉「私の赤貝で窒息すればいいわ! 発射と同時にね!」

パックンチョ

キョン「!! ふぉ、ふぉれふぁ!?」

朝倉「ん……ん! チュボ……んは……れろぉ……」

キョン「(く、咥えやがったか! ならば俺も!!)」

朝倉「……んん!? ふぁ……舐め……られて……うぅ……!」

キョン「ん……ピチョ……ちゅぷ……じゅるじゅる……」

長門「……数字?」
  (なんだか、6と9がくっついてるみたい……人文字ってこういうのかな?)

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:05:17.29 ID:etzE9Y+j0

キョン「ペロ……ちゅ(駄目だ……朝倉の口……良すぎて)」

朝倉「はふぅ……んちゅぅ(や、あの舌使いでいじられちゃったら……)」

キョン・朝倉「(もう……もう……)」

キョン・朝倉「うあああああああああああ!!」

プシュッ ジョロロロロロロ
ドビュゥ ビュッ ピュッ

キョン「はぁ……はぁ……」

朝倉「ん……ふ……はぅ……」

長門「…………相打ち?」
  (二人ともぐったりしちゃった……。どっちが勝ったのかにゃ)

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:09:24.31 ID:etzE9Y+j0

朝倉「……や、やるじゃないキョン君」

キョン「お前もな、朝倉……」

朝倉「ヘタレは取り消すわ……。上手な舌使いね」

キョン「俺もそんなもんって発言は取り消すぜ……。いい胸じゃないか」

キョン・朝倉「二回戦も引き分け……」

キョン「ならば最後は」

朝倉「やはり本番」

キョン「いざ」

朝倉「尋常に」

キョン・朝倉「勝負!!」

長門「……長い」
  (あ、今日はコマンドーの日だっけ)

405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:17:05.63 ID:etzE9Y+j0

長門「……ちょっと待って。聞きたいことがある」

キョン・朝倉「何だ!」「何!」

長門「……最後の本番とは何。今ままでの行為についても聞きたい」
  (勢いに呑まれて傍観してましたけど、そもそもよく考えたらなんでお二人は私の前で裸?)
  (しかもその状態でその……おち、んちん舐めたり……女の子なとこ、舐めたり……)

朝倉「何って……ああ、そっか。長門さんじゃそうよね」

キョン「ん? 何がだ」

朝倉「全く。ああいう本を読んでるくせに純朴よねぇ」

長門「……何故本のことを……あ。喜緑江美里」
  (本の中身まで監視……)

朝倉「どうせ、本の中の甘い台詞とかにばっかり目がいってたんでしょうね」

406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:23:08.38 ID:etzE9Y+j0

朝倉「セックスって知ってるわよね」

長門「……それくらいは」
  (愛し合う二人が、最後に迎える行為ですよね……。いつかキョン君と、なんて妄想してたけど……)

朝倉「本番ってセックスの隠語よ」

長門「……初耳」
  (そんなの本に書いて……え。じゃじゃじゃあ! 二人は今から……。え、ちょ、駄目ですよそんなの!)

朝倉「セックス前にすることは前戯よね。勝負とはいってたけど、今の中身はそれよ」

朝倉「……あなた達は、愛し合っているの?」
  (そんな……だって。じゃあ……キョン君と涼子ちゃんは……想い合ってたんですか? )
  (私が気づかなかっただけで、そうだっていうんですか?!)

407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:29:01.23 ID:etzE9Y+j0

キョン「おいおい冗談はよせ、長門。どうして俺を殺そうとしたこいつを好きにならなきゃならん」

朝倉「そうよ長門さん。そりゃ結構かっこいいけど、私の好みじゃないわよ」

長門「……ならどうして」
  (愛し合っていないのにどうしてそんな……? 調教だって、愛し合ってる二人がお互い望んでしてる内容だったのに……!)

朝倉「愛がなくてもやるじゃない。ウブな長門さんかわいい〜」

キョン「まあやるよな。俺はしたくないが、長門の為ならやってやるさ」

長門「……私の、ため?」
  (私のためになんで涼子ちゃんとセックスを……? 私を調教するため……ですか? 勘違いしたまま涼子ちゃんと……?)

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:36:54.95 ID:etzE9Y+j0

キョン「さあ朝倉、決着をつけよう」

朝倉「……そうね。私の準備はできてるわよ」

キョン「かかってこいよ」

朝倉「あなたから来なさいよ」

キョン「……俺で感じるのが怖いか?」

朝倉「キョン君こそ、私の中が怖いんでしょう……?」

長門「…………」テクテク カチャ

キョン・朝倉「…………なら」

キョン「同時に!」

朝倉「行くわよ!」

キョン・朝倉「はあああああああ!!」

長門「…………てい」 ぽいっ

朝倉「あついっ!?」

409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:43:24.58 ID:etzE9Y+j0

朝倉「あ、あつっ! 背中、あっつい! 何、これはんぺん?! 何するのよ長門さん!」

キョン「長門、邪魔をするな! これは俺と朝倉の勝負……」

長門「……しなくていい」

キョン・朝倉「え?」

長門「……勝負をしなくてもいい」

キョン「だがな、長門。これはお前のためにだな……」

長門「……それは違う」

キョン「違う? 何がだ? 何が違うんだ長門」

朝倉「…………」

長門「……あなたは、勘違いをしている」

410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:48:52.28 ID:etzE9Y+j0

キョン「勘違い……だと?」

長門「……そう。そもそも私は調教されることなど望んではいない」

キョン「何……?」

長門「……あなたの望みと私の望み、その間で齟齬が発生している」

朝倉「長門さん? あなた何を言って……」

長門「……黙って、朝倉涼子」

朝倉「……はい」

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 18:54:18.91 ID:etzE9Y+j0

長門「……発端は、私があなたにあの本を読まれて動揺したことだと思われる」

長門「……それで私はあなたに軽蔑されたと思った。それが私という個体にはとても辛いことだった」

長門「……あなたが慌てて私から目を逸らしたから、それは確定したことだと考えた」

キョン「待て長門。よくわからんのだが……」

長門「……わからなくてもいい。うまく言語化できないから、情報に齟齬が発生するかもしれない。でも聞いて」

長門「……でも、あなたが目を逸らした理由は本ではなかった。私の恥部を見たせいだった」

長門「……先程も言ったが、私は動揺してそのことに気づけなかった。それが大元の原因」

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:02:25.88 ID:etzE9Y+j0

長門「……どうせ軽蔑されるなら、あなたに全て知ってもらうべきだと思った」

長門「……だから、あの本を渡した」

キョン「待て長門。ならなんであの時パンツを穿いていなかった」

長門「……不覚にも少し漏らした。新しいのを穿こうと思ったら、あなたが本をよんでいるのを発見した」

朝倉「(お漏らしした長門さんかわいい……。あとで映像チェックしなきゃ)」

長門「……穿いていないことをあなたには知られたくなかった。けどあなたは見てしまった。それは不可抗力」

長門「……でも、そこから私達の致命的なすれ違いがはじまった」

421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:10:48.96 ID:etzE9Y+j0

長門「……私が見たと聞いたのは本の中身。あなたが見たと答えたのは私の恥部のこと」

キョン「あの本を渡したのは……」

長門「……私がこういう本を読んで楽しんでいる変な個体だということを理解してもらうため」

キョン「ああいうのを望んでいたわけじゃないのか……?」

長門「……望んでいない。純粋に只の趣味。私に……そのような性癖はない」

キョン「だが、じゃあお前が望んでるのかと聞いたときに、肯定したのは?」

長門「……あなたに拒絶の言葉をむけられること」

キョン「なんで俺が拒絶を」

長門「……あの本を読まれて、あなたに嫌悪感を抱かれたと考えた」

長門「……だから、下手に優しくされながら中途半端に距離感でいられるより、きっぱりと私との距離を断ってもらいたかった」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:15:30.14 ID:etzE9Y+j0

長門「……それが、私があなたに望んだこと」

長門「……あなたに調教されることを望んで、あの本を渡したわけではない」

長門「……だから、あなたと朝倉涼子が私の為に性行為をする理由にはならない」

長門「……これが、今回の事の顛末」

キョン「……ははっ」

長門「……何故わらうの?」

キョン「何故っておまえ……。これが笑わずにはいられるか? なあ朝倉」

朝倉「そうね……。キョン君、最高にかっこ悪いし、最悪な立場よね」

キョン「言い返す言葉も無いな」

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:22:20.99 ID:etzE9Y+j0

昨日もカレー食ってた人居たような……?


長門「……あなたは悪くない。悪いのは全て、自分で思い込んでしまった私」

キョン「思い込みが悪いってんなら、俺だって悪いさ」

朝倉「まあ、最悪の思い込みだもんね。こんな事実を突きつけられたら生きていくのも辛いわよ」

キョン「恨むぜ国木田……いや、違うか。これは責任の押し付けだな」

キョン「あいつのいうことなんか真に受けずに、もっと自分で考えるべきだったんだ」

キョン「お前のことをいつも通りに見れなくなって、ろくに話もせんで突っ走っちまった……」

朝倉「……はぁ、馬鹿馬鹿しくなってきちゃった。私帰るわね、長門さん」

長門「……朝倉涼子」

朝倉「わかってるわよ。こんなのあまりにもあほくさくて、報告もできないもの」

427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:26:07.72 ID:etzE9Y+j0

キョン「朝倉、お前にも悪いことをしたな……」

朝倉「いいわよ別に。お互い様でしょ? ……今日のことは早く忘れちゃいましょう」

キョン「ああ、そうだな。すまん……」

朝倉「……久しぶりに会えてよかったわ、キョン君。いつかまた会いましょ」

パタン

キョン「…………」

長門「…………」

キョン「俺も、帰るよ。改めて謝りに来る。迷惑かけたな」

長門「……待って。……帰らないで欲しい」

430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:31:45.44 ID:etzE9Y+j0

キョン「長門? しかしだな……。今は、お前の前に居ることが、正直……辛い」

長門「……話は、終わっていない」

キョン「まだ、何かあるのか?」

長門「……一番大事なことを、話していない」

キョン「大事な、こと?」

長門「……あなたは、今、辛いと言った」

キョン「ああ、自分の馬鹿さ加減に呆れちまってな。お前に会わせる顔もない」

長門「……でも、私も辛かった」

432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:38:55.87 ID:etzE9Y+j0

キョン「お前が、辛かった? ああ、そうか、そうだよな……。土下座でもなんでもする」

長門「……どうして」

キョン「そうだろう? 無理矢理キスをしてお前の気持ちを踏みにじって、挙句犯そうとまでして……」

キョン「そりゃ、お前が傷つくのも当たり前だ。辛くなって当然だ。……すまん長門、この通りだ」

長門「…………」

キョン「……お前の気のすむようにしてくれていい。何をされても文句は言えん。俺はそれだけのことをしたんだ」

長門「……違う」

キョン「違わない! いいんだ、慰めてくれなくていい! 優しくされたら、惨めすぎて泣けてきちまう……」

長門「……あなたは、あなたはまた勘違いをしている」

433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:44:03.93 ID:etzE9Y+j0

キョン「また? 俺はまた馬鹿なことをやってるのか? また独りよがりでお前を……? つくづく俺は……」

長門「……あなたのせいではない。私が、この気持ちをうまく言語化できないせい」

長門「……この胸の内にあるものを、正確にあなたに伝える術を持たないせい」

キョン「なんだ長門? 何を言いたいんだ?」

長門「……伝えたい。聞いて欲しい、全てを、あなたに」

キョン「……ああ、聞くぞ。長門が言おうとしていること、伝えようとしていることを」

キョン「今度は間違えないように、最後まで聞いてやる……」

長門「……ありがとう」

437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:49:20.60 ID:etzE9Y+j0

長門「……辛かったのは、あなたに嫌われたと思ったから」

長門「……あなたに、軽蔑されたと考えるのが怖かったから」

長門「……あなたに拒絶されるのが、存在を消去されるより恐ろしかったから」

長門「……あなたが、朝倉涼子と性行為をしようとしたのが悲しかったから」

長門「……あなたが朝倉涼子と愛し合っていると思ったから」

長門「……あなたを、朝倉涼子に取られたと思ったから」

長門「……私ではなく、朝倉涼子と結ばれるのかと、考えてしまったから」

465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:57:03.03 ID:etzE9Y+j0

キョン「…………」

長門「……涼宮ハルヒのこともそう」

長門「……彼女があなたを望むなら、それでいいと思っていた」

長門「……それこそが、情報統合思念体の利益に叶う事だと、そのために私は創られたのだと」

長門「……最初はそれが行動理念だった」

長門「……いつしかその理念は曖昧になり、次第に理念の対象が変わってきていた」

長門「……それが、あなただった」

長門「……あなたのためになることが、私という個体の行動理念になっていた」

469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:03:53.88 ID:etzE9Y+j0

長門「……だから、だから私は」

長門「……私という個体は……」

キョン「もういい長門」

長門「……よくない。私はまだ正確にあなたに伝えていない。伝えられていないはず」

キョン「……全部伝わってるぞ」

長門「……そんなはずは無い。私は感情を上手く表に出せない。だから正確に、この言葉を伝える必要がある」

キョン「お前の感情はわかる。いつもはただ、不器用なだけだ。今のお前の感情は、痛いほどわかる」

長門「……それは嘘。私は、通常と変わらない自分の状態を把握している」

キョン「なら、なんでそんなに泣きそうなんだ」

474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:10:14.50 ID:etzE9Y+j0

キョン「なんで涙を浮かべて俺を見上げてる? それはお前の感情だろ?」

長門「……涙。涙とは人間が悲しいときや感動したときに流すもの」

長門「……私にとっては、眼球の保護液にすぎない。……私はそんなもの流さない」

キョン「お前も人間だ、長門」

長門「……違う、私は……」

キョン「俺にとっちゃあ、人間の、一人の女の子なんだよ長門」

長門「……あなたにとっては?」

キョン「そうだ長門。思念体とか、インターフェイスとかは関係ない。今のお前は、俺の前に立っているのは」

長門「……私は」

キョン「……俺にとってはたった一人の、か弱い、傷つきやすい心を持った、ただの人間の女の子だ」

476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:14:30.74 ID:etzE9Y+j0

長門「……よく意味を把握できない。私という個体にエラーが発生した可能性がある」

キョン「そりゃエラーじゃないぞ。……多分、人間にとっては当たり前の感情なんだ」

長門「……人間には当たり前の?」

キョン「そうだ。……俺は本当に最低だな」

長門「……何故。あなたは何も悪くない」

キョン「悪いさ。お前にそこまで言わせちまったんだ、極悪だ」

長門「……私の言葉のせいで気分を害したなら……」

キョン「きっかけだ、長門。そう、国木田もこの一点だけは正しかったってわけだ」

長門「……きっかけ?」

479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:18:54.02 ID:etzE9Y+j0

キョン「今回の俺達のすれ違いは、気持ちを確かめあうきっかけだったんだ」

長門「……お互いの気持ちを」

キョン「そうだ。お前が俺に言ってくれた言葉は、全部俺の中にきちんと伝わった」

キョン「今度は間違いなく、俺はお前の気持ちや考えを理解できた」

長門「……あれで、あなたに伝わったと?」

キョン「ああ。……なあ長門」

長門「……何」

キョン「今なら、お前が望む、望んでくれてることがわかるぞ」

長門「……私の、望み」

480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:24:44.66 ID:etzE9Y+j0

長門「……私が、あなたに望むことは、それは」

キョン「ああ、だが朝倉にも言われたが俺はヘタレでな。お前がきちんと言ってくれなきゃ踏ん切りがつかん」

長門「……私が、正確に伝えなくてはならない……?」

キョン「ははっ、違うぞ長門。正確じゃなくてもいい。ただ、想いのたけを、心に浮かんだ声を言ってみろ」

長門「……私は、私は」

ぎゅう……

キョン「長門……頑張れ」

長門「……わたし、は、あなたに、あな、たに……して、ほしいと……望んでいる」

キョン「わかった……」

キョン「」
長門 「」

―――
――


484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:30:01.45 ID:etzE9Y+j0

長門「……あたたかい」
  (キョン君と触れ合ってる部分、凄くあたたかいです……)

長門「……私の、感情」
  (なんだか、あんなに悩んだのが嘘みたいに、心が穏やかです……)

長門「……あんなにも」
  (昨夜は自分でも信じられないくらい、多幸感に包まれてて……)

長門「……あなたの体温を感じていた」
  (実際は、キョン君の身体につつまれていて……うきゃあああ!!)

長門「……心臓の鼓動」
  (とくんとくん……くっつけた肌から響いてきます)

キョン「ん……」

488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:34:05.05 ID:etzE9Y+j0

長門「……起きた?」
  (えへへ、キョン君の寝顔も、寝起きの顔も可愛いですぅ……うう、写真とればよかったぁ)

キョン「……おはよう、長門」クシャ

長門「……あ」
  (撫でられるの、気持ちいい……かも)

長門「……まだ、あなたに伝えていないことがある」
  (キョン君に、伝えなきゃいけないことがあります……)

キョン「ん? なんだ長門」

長門「……本当は、もっと早くに伝えるべきだった」
  (もっとはやく、伝えておけばよかったです……)

キョン「……ん。聞くぞ」

490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:40:26.17 ID:etzE9Y+j0

長門「……昨夜のうちに言えればよかった」
  (ゆうべ、言えばよかったけど、混乱しちゃって……)

長門「……今なら、昨夜よりもはっきりと伝えられる」
  (今なら、きっとはっきりキョン君に伝えることができます……)

長門「……聞いて。」
  (聞いてください……」

長門「……私という個体は」
  (私は、長門有希は)

長門「……あなたに対して」
  (キョン君のことが……)

長門「……愛という感情を抱いている」
  (好き、なんです……)

長門「……それが今の私の覆しようのない」
  (偽りの無い真実の……)

長門「……本心」
  (本心、です)

                                                 Fin

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:40:35.61 ID:CzSoJKj80

>>159
ハルヒ(ちょっとこれ……いいじゃないの)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267579398/

496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:45:20.25 ID:etzE9Y+j0

お疲れさまでした
過去作>>162

あと 黒子「これはまさか……男性器ですの……?」
ていうのも書いてるのでよかったら
妹系でロリコン安価SSもあったけど、タイトル忘れました



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