レナ【あと少し、ほんのわずかな距離なのに】


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:キョン「お前は中学の時の……」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:10:50.24 ID:Qq0qz+HJ0

考えたって悩んだって結局答えなんてとっくに出ている。
それでも飛び越えられない境界線。
踏み出せないあと一歩のこの距離は、とても近くてとても遠い

そしてまた、堂々巡りのこの関係。
「おっはよー!圭一くん!」
いつもの待ち合わせ場所で向こうからやってくる彼の姿を捉えて、大きく手を振る。
いつものように、いつものレナで。うまくできているかな?
「おー、おはよう。相変わらずはえーなぁ」
本当は毎朝すごくドキドキしているんだよ。
きっとあなたは知らないんだろうね。
それがほんの少し悔しかったりもするんだけれど。
隣を二人並んで歩くこの時間が私は大好きなんだよ

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:12:06.90 ID:Qq0qz+HJ0

「今日のお弁当はね、昨日の御夕飯の残りの煮物とミートボールと卵焼きと…」
「よしよし、全部満遍なくいただかせてもらおう」
「そう簡単にはいかないかな!かな!」
他愛もない会話の中でも彼の一挙一動にいちいち反応してしまう。
その笑顔とか仕草とか、全部全部私を惑わしていること、あなたは気づいていないでしょう?

いつからだろう?
こんなにも彼を好きになってしまったのは。
どうしてだろうね。
なんだかずっとずっと昔から想っているような気さえしてしまう

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:15:49.38 ID:Qq0qz+HJ0

だけど、私は知っているんだ。
男女の恋愛関係なんて醜くて、すぐに壊れてしまう脆いものだって。
私の脳裏にちらつく両親の姿。
今のこの大切な時間は壊したくない。
それなら…
それだったら……

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:16:44.80 ID:Qq0qz+HJ0

「ミートボールに関しては最後の一個を前回は沙都子に奪われたからな」
「あのときレナだって、ほとんど食べれなかったんだよー」
「この世は厳しい弱肉強食だぜ!根性入れろ、レナ!」
「はぅぅ…」
顔を赤くして困ったような顔をするレナの頭を乱暴に撫でてやった。
すると、ますます真っ赤な顔になって「せっかくセットしたのにー」と慌てた声を出す。
その困り顔が可愛くて余計苛めたくなってしまう俺は酷い奴なんだろうか。
困った顔も照れた顔も泣きそうな顔も、どんな表情も愛しく思えてしまう俺はもはや末期なんだろうな。
だけど、やっぱり一番好きなのは彼女の笑った顔なんだ。
「レナの弁当は俺がいただく代わりに俺の弁当分けてやるからな」
そう言うと見せてくれたはにかんだ笑顔に何故だか胸が締めつけられる。
それを悟られないように俺は笑って平静を装うんだ。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:18:40.67 ID:Qq0qz+HJ0

いっそ気づかないままの方が楽だった。
だけど、一度気づいてしまったら、いくら誤魔化そうとしてもどうしようもない。
気持ちの歯止めがかからないんだ。
たぶんずっと前から君のことが好きだった。

伝えたいけど、伝えたくない。
今のこの関係はとても居心地がよかった。
もし拒絶されたら、きっと元の関係には戻れない。
昔のようにひとりになるのはもうたくさんだ。
今の関係が壊れてしまうくらいなら。
それなら…
それだったら……


――友達のままでいい。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:19:48.66 ID:Qq0qz+HJ0

こうやって頭を撫でられたりからかわれたりする度に、嬉しさと恥ずかしさと色んな感情で
ぐちゃぐちゃになったものが体全体を駆け巡る。

彼にとってはきっと何てことのないことで。
私だけ一人焦って動揺して。
抑えようとしている想いがまたどんどん膨れ上がってしまう。
昨日よりも今日、さっきより今、止めようとすればする程に抑えが利かなくなってしまう。
「楽しみだな。圭一くんのお弁当のおかず何だろ?だろ?」
どうしてくれるのかな。
「…そういや何だろうな?」
好きで好きで、大好きなこの気持ち、どこへ持っていけばいいのかな。
「えっ?知らないの?」
心が破裂してしまいそうなんだよ。
「気づくとテーブルに置いてあるからな…」
ねぇ、圭一くん、あなたのことを想って眠れない夜もあるなんて、きっと思いもしないんだろうね。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:21:29.36 ID:Qq0qz+HJ0

「おばさまに感謝しなきゃ駄目だよ?だよ?」
「へいへい」
そうやって何気なく見せてくる優しい笑顔がどれだけ俺の心を掻き乱しているのかわかっているんだろうか。
きっとわかっていないんだろう…そう思うと無性に悔しくなる。
この頃夜も眠れないくらいなんだ。
こんなこと初めてでどうしたらいいか皆目わからなくて、自分勝手にも彼女に腹を立てたりして。
みんな、君のせいなんだ。
「そう考えるとレナは偉いよなぁ。毎朝ちゃんと作ってきて」
どうしてくれるんだ。
「そ、そうかな…。でも皆もそうだしね」
本当はその髪にもっと触れたい。柔らかそうな手に触れたい。
「うっ、そうなると俺がなんか一人ダメな奴だな」
その華奢の体を引き寄せて抱きしめたい。
「あはは、じゃあ今度作ってみたらどうかな?かな?」
胸の奥から込み上げてくるこの感情を抑えるのにいつも必死なんだからな。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:24:11.52 ID:Qq0qz+HJ0

「そうだな…レナが教えてくれるなら」
「……えと…う、うん…、レ、レナでいいなら…」
「ほんとだな?!約束だぞ?!」
「うん…!」

溶けだした想いは日に日に募る。


あとどれくらい隠し通せるかな。
あとどれくらい友達でいられるかな。

わからない…でも

でもまだしばらくは…こんな関係で!いいかな、かな!

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:30:41.37 ID:Qq0qz+HJ0

ほんの少し勇気を出してみた。

隣の彼に気づかれないように、ゆっくり深呼吸をして。
「け、圭一くん!」
自然にしようとすればする程、胸は高鳴り声は上擦る。
「ん?」
それは午前授業だけの土曜日の学校の帰り道。
「あの、今日、午後暇かな?かな?」
「え?あぁ、暇だけど」
「じゃあね、レナと、その…えっと…」
誘い文句は考えてきたはず。落ち着け、落ち着け。
「興宮に新しいケーキ屋さんができから、行ってみたいってずっと思ってたんだけど、ど、どうかな?」
「…ケーキ屋?」
「おいしいって噂なんだよ!」
思わず握りしめた手の平に汗が滲んでいる。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:31:25.15 ID:Qq0qz+HJ0

「へぇ…いいぜ。どうせ暇だし」
ドキドキしている私とは裏腹に圭一くんはいともあっさりと承諾してくれた。
嬉しいけれど…ちょっとは照れたりしてくれてもいいのに…。
「…レナ、なんか顔赤いけど、大丈夫なのか?」
「あ、赤くなんかないよ!!お日様のせいじゃないかな!かな!あはは!!」
その神がかった鈍感っぷり、何とかならないかな…。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:32:48.34 ID:Qq0qz+HJ0

一度家に帰って着替えて、いつもの場所で待ち合わせた。
二人で興宮までの坂道を自転車で下りていく。
澄み切った空気と綺麗な青空が胸に沁み込んでくる。
いつもはみんなと一緒だけれど、今日は二人だけ。
これって…デートだよね?誰がどう見てもデートだよね?!

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:34:22.13 ID:Qq0qz+HJ0

「んーと、このへんだったと思うんだけど…」
自転車から降りて、二人で町を歩く。生憎、手を握ったり腕を絡ませたりなんてできるわけないけれど。

いつもの通学路よりも道が狭いから、少しだけ近いこの距離。

意識してしまうと妙に気になるこの距離間。

「あ、これ見てみろよ」

お店のショーウインドウの前で立ち止まった圭一くんがちょいちょいと手を降る。

「何かな?かな?」

それが自分の思い描いていたデートの形に重なって、私は浮かれ足で近づいていく。

二人でショーウィンドウの前で、かぁいいお人形とか、綺麗な宝石とか眺めて、あれいいねとかこれ可愛いねとか言い合って…。

はぅ!宝石はまだ早い!早いよ!なんて、キャーキャー呟いている私を尻目に圭一くんが言う。

「うまそう…」

「……は?」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:35:30.61 ID:Qq0qz+HJ0

顔を向ける。

圭一くんの視線の先にあるのは、お人形でも宝石でもなく大きな水槽。

その中を泳ぐ活きのいい鮮魚を店主が網ですくうところだった。

生きたままさばくから新鮮で美味しいんだろう。

――何それ!百歩譲ってせめて熱帯魚の水槽とかだったらまだ可愛らしかったのに。

鮨屋の「魚河岸」の前で立ち止まっている圭一くんの腕を無理やり引っ張って歩く。

「寿司食いてぇな」

「圭一くん!!!もう行くよ!!」

全っ然ロマンチックじゃない!

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:36:20.74 ID:Qq0qz+HJ0

「おや、レナちゃんと…前原くんかな?」

不意に掛けられた声に振り返る。

「あ、魅ぃちゃんのお母さん…こんにちわ」

「こんちわー」

いつもの和装に身を包んだ魅ぃちゃんのお母さんは、朗らかな表情から急ににやりという擬音が聞こえてきそうな不敵な笑みを作る。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/22(火) 00:37:22.15 ID:Qq0qz+HJ0

そう、魅ぃちゃんや詩ぃちゃんが人をからかうときに見せる表情にそっくりなあの笑顔を。

嫌な予感がした瞬間にはもうその言葉は吐き出されていた。

「でも、今日は二人っきりでデートかい?」

「はぅ?!」

「デ、デデ、デートぉ?!そ、そんなんじゃないですよ!ぜんっぜん!なぁ?!」

圭一くんが焦って全力で否定する。

「そうなのかい?若い男女が二人でお出かけなんてデート以外に何があるんだろうねぇ?」

「だから!別に俺もレナもそんなんじゃないし!たまたま暇だったから…」

「……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:38:30.63 ID:Qq0qz+HJ0

わかっている。

圭一くんは間違っていることは言っていない。

ただ暇だったから、付き合ってくれただけなんだ。

私が一人で舞い上がっていただけで。

だけど…そんなに大声で全身全霊で否定しなくたっていいじゃない。

「…おや、彼女が怒っちゃったよ?まったく、ダメじゃないか」

「はい?」

圭一くんの態度に悲しくなってしまい黙って俯いていた私は、魅ぃちゃんのお母さんの言葉に慌てて顔を上げる。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:39:28.71 ID:Qq0qz+HJ0

「え?!あ、いや、違うんです!あの…うん、私と圭一くんは別にデートとかじゃ…なくて…」

あははと笑って見せたけれど、いかにも取り繕った笑顔になってしまったかもしれない。

やれやれというように肩を竦めた魅ぃちゃんのお母さんは、圭一くんの肩に手を置いて溜息をつく。

「…女の子を傷つけるんじゃないよ」

その後、すぐにまた穏やかな笑顔に戻ると「じゃあね」と別れの挨拶をして去っていった。

きっと圭一くんには魅ぃちゃんのお母さんの言った言葉の意味はわからなかっただろう。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:40:27.99 ID:Qq0qz+HJ0

流れていた雲がちょうど太陽の前で立ち往生し、影を作る。

ぼんやりと見送っていた魅ぃちゃんのお母さんの後姿はやがて人ごみに紛れていった。

わかっていたじゃない。

最初から圭一くんはそんなつもりなんてなかったってことくらい。

デートだなんて思っていたのは私だけ。

「レナ?」

圭一くんが心配そうに私の顔を覗き込んで声をかける。

「……」

圭一くんは悪くない。

だって本当のことなんだから。

ダメだよ、レナ。笑わなきゃ。

圭一くんが困っているじゃないか。ほら…――

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:41:24.73 ID:Qq0qz+HJ0

「……やっぱり帰ろっか」

目を合わせずに、ようやく出た私の声は思いのほか小さかった。

「え?…レナ?」

「…ごめんね、なんかつき合わせちゃって……ほら、なんかケーキ屋さんもどこだったか思い出せないし、それに…これ以上いたらまた誰に会うかわかんないし」

知り合いに会ってからかわれて、それでまた圭一くんに否定されるところを見たくない。

「また今みたいにからかわれちゃうし、雛見沢って噂広がるの早いし…」

溢れそうな感情をぐっと堪える。

自然にって思うと、変に淡白な体温のない話し方になってしまう。

「…誤解されちゃったら…嫌でしょ…。だからもう…帰ろう…?」

「レナ…その…」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:42:35.55 ID:Qq0qz+HJ0

「あらー、圭ちゃんにレナさんじゃないですか!」

聞き覚えのある声に顔を上げると、見慣れた笑顔がはろろーんと手を振りながら歩み寄ってくる。

「詩ぃちゃん…」

「今度は娘の登場かよ…」

圭一くんの言葉に詩ぃちゃんは顔を歪ませる。

「え?!もしかしてうちのお母さんに会いました?!」

「つい今だぞ」

「バイト先に来るつもりですよ!あーもう、来ないでって言ったのに!」

詩ぃちゃんが歯軋りしながら地団駄を踏む。

「母親にバイト先に来られるなんてやりにくいこと山のごとしです!」

「しかもあの制服だしな…」

確かに授業参観みたいでちょっと嫌かもしれない。

「それはそうと…」

私たちに視線を移した詩ぃちゃんの表情が変わる。

愉快そうに口元をつり上げて…それはさっき見たばかりの笑顔そのもので。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:43:33.80 ID:Qq0qz+HJ0

「今日はお二人だけなんですかぁ?お姉たちは?」

「え、あ、今日は」

「あのねっ、レナが無理を言って圭一くんに付き合ってもらっただけでね…」

少し裏返った声で私は圭一くんの言葉を遮る。

「へぇ…何ですか。興宮に何か用があって?」

「えっと…あの…」











「デートだよ。見りゃわかるだろ」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:44:35.84 ID:Qq0qz+HJ0

「そうそう、でー…え?」

思考が止まる。

今の……誰の声…?

「あららー」と言って、詩ぃちゃんがニヤニヤしながら手を口元に当てる。

今のはまぎれもなく彼の声。

き、聞き間違えじゃないよね…?



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:45:46.11 ID:Qq0qz+HJ0

ギギギ…という音が出そうな程、ぎこちなく首を圭一くんの方へと回す。

少し顔を赤くした横顔が目に入った。

「お邪魔虫でしたかね?」

「そうだな」

「け、けけ、けぇいちくんっ!」

「くっくっく、じゃあ、退散しますねー」

詩ぃちゃんは本当に愉快そうに笑いながら踵を返す。

「お幸せにー!!」

だいぶ離れてから突如振り向いたと思ったら、そんなことを大声で叫ばれた。

「うるせーよ!」

詩ぃちゃんに言い返した後、私の方へ向いた圭一くんの顔はやっぱり赤かった。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:46:41.74 ID:Qq0qz+HJ0

再び雲が流れて太陽が顔を覗かせる。だけど、圭一くんの顔の赤さは太陽のせいじゃない。

「…ほら、行こう」

圭一くんが私の腕を引っ張って歩みを進める。

「えっ…」

「せっかく来たんだから…帰ろうなんて言うな」

「……うんっ!」

私までニヤニヤしてしまう。

なんだか嬉しくて頭の中はふわふわと浮ついている。

「…ね、圭一くん、これってデートなのかな?かな?」

調子に乗った私はからかうような口調で尋ねる。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:48:08.76 ID:Qq0qz+HJ0

「っ……あー、そもそもデートっていうものの定義はだな…」

前を向いたまま講釈を垂れて煙に巻こうとする圭一くんの裾を引っ張って、今度は拗ねた振りをして訊いてみた。

「…デートじゃないのかな…かな?」

本当は別に怒ってなんかいないけれど。

慌てた顔で圭一くんが私の方を振り返ると、すぐに観念したように「デートです…」とぼそっと言う。

恥ずかしがっている圭一くんが可愛くて可笑しくてつい声を出して笑ってしまった。

「な、なんで笑う!?くそーっ!……おい!レナ!」

怒った圭一くんが何処か吹っ切れたように言い放つ。

「デートっていうからにはデートっぽいことしなきゃいけないんだからな!」

「へ?!ど、どういう意味?」

圭一くんは今まで掴んでいた私の腕を放すと、その手で今度は私の手をぎゅっと握る。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:48:53.58 ID:Qq0qz+HJ0

「!!」

吃驚して戸惑う私を見て圭一くんは満足げに笑うとそのまま歩き出す。

「やられっぱなしは癪だからなー」

そう言う圭一くんだって耳まで真っ赤なのに。

そのときふと視界に入った可愛らしい外観の真新しいお店

「あ!あそこだよ!あのお店!」

手を繋いだまま店に向って駆けると、圭一くんが呆れた声を出す。

「おい!そんな走らなくても逃げないだろ!」

「早く早く!」

笑顔で振り向くと、圭一くんも少し照れくさそうに笑った。





少しの勇気で、少しはこの距離は縮まったかな…?

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/22(火) 00:52:43.88 ID:Qq0qz+HJ0

終わりっす…



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