ハルヒ「キョンって絶対童貞でしょ?」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:かがみ「ん、なんだこれ?スイッチ?」

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301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 22:25:06.17 ID:QYYdTD1A0

放課後・教室

キョン「長門がここへ来るとは珍しいな」
長門「大事な話」

キョン「なんの話だ? ……あぁ、だから他に人が居ないのか」
長門「不用意に涼宮ハルヒの神経を逆撫でするのは望ましくない」

キョン「そんな事したか俺?」
長門「正確には、貴方と朝比奈みくる」

キョン「俺と朝比奈さんが? はっ、そんなん知ったこっちゃねぇや」
長門「そうはいかない」

キョン「俺はもう帰るぞ、朝比奈さんと待ち合せているんだ。ハルヒには帰ったと言っといてくれ」
長門「……」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 22:32:51.63 ID:QYYdTD1A0

放課後・部室

がちゃ

ハルヒ「遅いわよキョ……有希」
長門「すまない」

古泉「どうも」
長門(コクリ)

ハルヒ「キョンの奴、遅いわね」
長門「彼は帰宅した。体調が悪いとのこと」

ハルヒ「みくるちゃんは?」
長門「……」

古泉「コホン、えー……朝比奈さんなら外せない用事があると仰られていましたよ」
長門(チラッ)
古泉(パチリ)

ハルヒ「あーもう、団員として有るまじき行為ね!」
古泉「こういう日もあるでしょう、偶々ですよ」
長門「その通り」

ハルヒ「はぁー……もういいわ、今日は解散しましょ」

304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 22:42:17.91 ID:QYYdTD1A0

放課後・帰路の途中

古泉「極めて、嫌な予感がしますね」
長門「……」

古泉「貴女はどうお考えに?」
長門「特に。静観と観測」

古泉「見守るつもりですか。では、どうしてああいう嘘を?
    彼が朝比奈さんと一緒だという事くらいご存じでしょう?」
長門「意味もなく事態を複雑化させる必要性は無い」

古泉「彼の肩を持つ……という解釈で宜しいのでしょうか?」
長門「それでも構わない」

古泉「……貴女には伝えておきますが、僕もほぼ同意見です」
長門「そう」

古泉「ただし、僕は涼宮さんの肩を持ちます」
長門「……」

古泉「これからも、出来る事ならよろしくお願いします。では」

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 22:52:16.33 ID:QYYdTD1A0

翌日

昼休み・教室

ハルヒ「たまには一緒に食べない?」
キョン「すまんが先約があるんでな」

ハルヒ「でも見てよこれ、あたしの手作りなの。ちょっとなら分けてあげるわよ?」
キョン「ほー凄いな。しかし弁当を分けて貰う予定も既にあるんだ」

ガタッ

キョン「じゃあな」
ハルヒ「ちょっと……!」

ハルヒ「……」

かぱっ

ハルヒ「兎リンゴ、練習したのにな……」

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 23:01:37.98 ID:QYYdTD1A0

放課後・部室

長門「チェック」 コトッ
古泉「……ふむ、困りましたね」

ハルヒ「遅い! キョンは何やってんのよ!?」

古泉(パチパチ)
長門(ふるふる)

古泉「あー、確か彼なら用事があると。どうやら昨日だけでは済ませられなかったらしいです」
ハルヒ「そうなの? だったら一言くらい言えばいいのに……」

古泉「貴女は、彼に問おうとはしなかったのですか?」
ハルヒ「……なんであたしがそんな面倒な事をしなくちゃならないのよ?」

古泉「それもそうですね、僕の方から注意しておきましょう」
ハルヒ「頼んだわ」

長門「……」

ハルヒ「なんとなく縁が悪い気もするし、今日は解散ね」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 23:12:51.26 ID:QYYdTD1A0

放課後・帰路

古泉「僕が察するに、涼宮さんと彼は会話すら満足に交わしていないのかもしれません」
長門「……」

古泉「席が隣なのだから自分から注意を促す、それが一番効率的な方法なのは自明です。
    それに今までの涼宮さんならば縛り付けてでも連れて来たはずです。
    ですが彼女はそれをしない、そこが妙です」
長門「私に話す目的は?」

古泉「別段なんの意味もありません。これらの事柄くらい、貴女は既知でしょうしね。
    まあ、語りたがりな僕の悪い癖とでも言っておきましょうか」
長門「そう」

古泉「今晩、僕は彼の元を訪ねてみようと考えています。
    僕等側としては現在の落ち着いた状況を保っておきたいものですからね」
長門「電話」

古泉「それで済むのなら悩む必要はありません。何度掛けても、彼は通話に応じてくれないようなので」
長門「……」

古泉「では」

327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 23:25:58.72 ID:QYYdTD1A0

深夜・キョン宅前

古泉「驚きましたね。いや、予想通りと言えなくもありませんが」
長門「……」

古泉「出来れば協力して頂きたいものです。僕は普通の人間ですので、こういう事は苦手なんで――」

長門「toriaezukokorahennittaikarakyontokoizumiigainoninngennhakiesare」

古泉「……もう済んだのですか?」
長門(こくり)

古泉「全く、デタラメにも程がありますね……いや失礼。では参りましょうか」

328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 23:29:34.27 ID:QYYdTD1A0

深夜・キョンの部屋

ガチャ

キョン「うおっ! こんな時間に何の用だ!?」
古泉「お忙しいところ申し訳ありません、急用なもので」

キョン「ん? 古泉だけならまだしも、長門も一緒とはな」
長門「……」

古泉「朝比奈さんとは順調なのでしょうか?」
キョン「ああ、そりゃもう言われるまでもなく――」

古泉「別れてください」

キョン「……何故だ? 大体、いきなり何の用なんだお前らは?」

古泉「単刀直入に言いましょう、貴方の所為で涼宮さんの心理が不安定になっています」

キョン「そんなもの知るか。俺は絶世の美女である朝比奈さんとの契りを交わしたんだぜ?
    これまでもそう女性に縁があった訳ではないこの俺が、だぜ? お前も男なら解るだろう?
    朝比奈さんの為にも俺自身の為にも、他の事などにかまけている時間など無いんだ。
    別れるなど以ての外だ、論外だ」

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 23:30:46.51 ID:QYYdTD1A0

長門「……」

古泉「やれやれ、困ったものです。
    ではこうしましょう……せめて放課後の団員活動には顔を出すよう約束してください」

キョン「断る、と言いたいが断らせないつもりなんだろう?」

古泉「試しにお断りになってみては?」

キョン「チッ、厭味な野郎だな。わかった、約束する」

古泉「それでは僕たちはこれで帰ります。長門さん行きましょう」

長門「……」

古泉「長門さん?」
ハルヒ「なんだ、どうした?」

長門「……それじゃ」

パタン

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 01:02:14.46 ID:8mMAtYY80

>>329
翌日

放課後・部室

ガチャ

キョン「よぉー」
みくる「こんにちわぁー」

ハルヒ「ようやく来たわね」
古泉「これはこれは」
長門「……」 チラ

ハルヒ「まぁ色々と忙しい時もあるだろうし、今回については何も言わないわ」

キョン「そうかい」
みくる「それじゃあ、お茶淹れますねぇー」

キョン「いえいえ、俺がやりましょう」
みくる「いいですよぉ、あたしがやりますからぁー」

コポコポコポ……ゆっさゆっさ……

コトリ

キョン「ありがとうございます」
みくる「うふふっ」

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:40:43.58 ID:8mMAtYY80

>>362

ハルヒ「んー……?」
みくる「どうかしたんですかぁ?」

ハルヒ「……いえ、別に」
みくる「そーですかぁ」

ドンッ

ハルヒ「それよりこれを見て頂戴、今度のSOS団の活動はカバディーに決定したわ」
キョン「わざわざそんなマイナーなスポーツを選ぶとは、何かしらの見えざる意図でもあるのか?」

ハルヒ「別に。マイナーだからこそ埋もれた新しい発見があるかもしれないじゃないの」
キョン「はぁー……そうかい、だが俺は遠慮させて貰うぞ」

ハルヒ「なんでよ? 暇そうにしてるじゃないの」
キョン「暇? この俺が? ははっ、冗談は止してくれよ。俺はな――」

401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:41:18.85 ID:8mMAtYY80

古泉「おっとと、少しよろしいでしょうか?」
キョン「……」

ハルヒ「……なに?」

古泉「申し訳ないのですが、実は僕も充分に時間が割けない状況でして……
    出来る事ならば大きく時間を割く必要性のある活動は暫く控えて頂けないかと……」

長門「同じく、私も所用がある」

ハルヒ「他ならぬ副団長と、普段は物言わない有希の頼みとあれば考えない訳にもいかないわね……
     団長足るもの団員への気遣いも必要だと思うし……」

古泉「英断です、感謝致します」
長門「すまない」

ハルヒ「なんだか空気がしけっちゃったし、今日は解散かな……」

古泉「本当に、すみません」
長門「……」 こくり
キョン「そうかそうか」
みくる「うふふ」

ハルヒ「むっ」

402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:42:05.37 ID:8mMAtYY80

ハルヒ「と言いたい所だったけれど、その代わりに今から不思議探索を行います」

キョン「おい待てよ、何を言ってるんだお前は?」

ハルヒ「アンタこそ何を言ってるのよ。物事にメリハリは大事なの。
     明日からの活動を縮小する代わりに、今日は力一杯街中を探索するんだから。
     もちろん異論は認めません!」

キョン「ちょ――」

古泉「それは確かにその通りですね、僕も今日中であれば何時まででもお付き合いしますよ」
長門「同じく」
みくる「えっと、それじゃーあたしも……」
キョン「朝比奈さん!? はぁ……わかった、俺も乗ってやる」

ハルヒ「ふふん、わかればいいのよ」


ハルヒ「それから各自の用が片付いた後は気合を入れなさいよ? それこそ一日中活動する気でね」

古泉「ええ、覚悟しておきます」
キョン「へいへい」

404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:45:03.51 ID:8mMAtYY80

その日、僕達は見事な暁に染まった街中をいつまでも走り回っていた。

涼宮さんは久し振りの真っ当な活動が嬉しかったのか終始笑顔だったし、

朝比奈さんと彼は翌日から訪れるであろう自由な時間が待ち遠しかったのかやはり笑顔だったし、

僕はと言えば普段通りのままで、長門さんですら僅かに頬が緩んでいるように見えたくらいだった。


もしかするとこれは、黄昏時に齎される一種の高揚感から来る錯覚だったのかもしれない。

けれども、その日の僕達が”不思議”を求めて団員活動を行っていたことは紛れも無い事実のはずだし、

そして、SOS団という集まりが此処にこうして有るというのもまた嘘では無いのだと僕は思った。

405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:46:45.07 ID:8mMAtYY80

夜・帰路

古泉「今日は些か草臥れましたね……」

長門「……」 じー……

古泉「……やれやれ……わかりました」


古泉「まず何故僕が、”充分に時間が割けない状況”などという嘘を吐いたのかという点からですね。
    それは単純に、あの時点で彼に事実を暴露されるのは不味いと思ったからですよ。
    涼宮さんは普段の振る舞いとは反して、非常に純真で繊細な方です。そして、彼女は間違い無く彼に好意を抱いています。
    その想いの強さがどの程度であるのかまでは測り兼ねますが、
    朝比奈さんと彼が自分を差し置いて付き合っているなどと聞けば、彼女の心やプライドは確実に傷付きます。
    そして間違いなく世界に影響を及ぼすことでしょう。
    それも僕達にとって限り無く悪い方向にね」

長門「……」

古泉「そうそう、咄嗟に話を合わせて頂いた貴女には感謝していますよ。
    時間を引き延ばし答えを先送りにする以外に良案を思いつかなかったので、アレを外したらどうしようかと震えました」

長門「しかし、それでは問題の根本的解決には至らない」

古泉「貴女は万能の能力を持っているのに、それに相反して人の心を読むのは苦手なようだ」

406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:47:49.47 ID:8mMAtYY80

古泉「彼が現在うつつを抜かしているのは、彼自身が言ったとおり今まで女性に縁が無かった為でしょう。
    そこに朝比奈さんのような誰もが羨む魅力的な女性が現れた。
    僕が彼の立場だったら、僕も彼と同じような行動をとっていたでしょうね」

長門「しかし――」

古泉「大丈夫、時間が解決してくれるはずです。彼がいずれ落ち着き自身の置かれている立場を理解すれば……ね。
    それまではその事実を出来るだけ隠して頂けるよう、僕から彼に釘を刺しておきます。
    そして彼が落ち着くまでに必要な時間も僕が稼いでみせましょう」

長門「……」

古泉「出来ればこれからも、長門さんが僕に協力してくだされば……非常にありがたいかなと」

長門「……」

古泉「如何でしょう?」

長門「……」

古泉「……」

長門「解った」

古泉「ありがとうございます」


――共に頑張りましょう、世界の為にね

407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/18(金) 05:49:36.49 ID:8mMAtYY80

文字数多くてすまんね

書き溜めなくなったので他の人はお構いなくどうぞ



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