ハルヒ「変な本を拾ったわ」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 14:52:16.58 ID:P14A697wP

ハルヒ「薄っぺらいし、なんか安っぽい造り。作者名はユーキ・ナガート……変わった名前ね」

10分後。

ハルヒ「主人公、キョンに似てるわね……」
ハルヒ「た、たかが本だし……持っていっちゃっても大丈夫よね!」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 14:53:47.57 ID:P14A697wP

いつも通りの放課後。いつも通りの部室。
ハルヒの奴はしかめっ面でマウス片手にカチカチとモニターを睨み付け、
朝比奈さんはメイド服姿で愛らしいハミングを響かせながらお茶を入れ、
長門はこれまたヘンテコな題名の怪しげな入門書を熱心に読んでいた。

そして、ボードを挟んだ微妙なにやけ具合の古泉もまた、いつも通りだ。
しかしどーも今日は視線を感じる。

古泉「……どうしました?」
キョン「いや、なんでもない」

俺は賽を投げ、手に入った鉄と麦からボード上に都市を設置した。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 14:55:15.79 ID:P14A697wP

古泉「……」

まただ、古泉の視線が俺の顔で一瞬停止している。
だが、俺も顔を上げて視線が合うと、はっとして顔を伏せた。

朝比奈さんが相手なら、ちょっとワクワクするシチュエーションではあるが、
古泉相手では何もワクワクしないし、したくもなかった。

キョン「おい、古泉。お前の番なんだからさっさとサイコロを振れ」
古泉「これは失礼。ふむ、どうでしょう? こちらの粘土とそちらの鉄、交換しては……」
キョン「却下だ」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 14:56:49.44 ID:P14A697wP

そうして時間が過ぎ、長門の本を閉じる音で今日の団活も終わりを告げた。

ハルヒ「今日はもう終わりにしましょう!
明日はみくるちゃんと新しい衣装を買いに行くから団活は休みよ!」

言うが早いか、ハルヒは矢のごとく部室を飛び出していった。
そして俺と小泉も着替え始める朝比奈さんのため、席を立った時…

長門「待って」

長門の声が俺と古泉を停止させた。

キョン「どうした長門、何か用か?」
長門「貴方達に話がある」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 14:58:07.32 ID:P14A697wP

みくる「えと、わ、私はどうしましょう?」
長門「貴方は席を外して欲しい、これは二人に関係のある話」
みくる「そ、そうなんですか……?」
長門「そして、とてもデリケートな内容、貴方にはまた後日話したい」
みくる「……分かりました、私は先に帰りますね」

朝比奈さんはしばらく長門と俺達を見比べた後、少し残念そうにして帰って言った。

長門「古泉一樹、彼に対して昨夜、急激な変化が起こった」
キョン「古泉が?」
古泉「ふむ……なるほど」

驚く俺に対して、薄々何かを感じていたのか、古泉は意味ありげに頷いていた。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/21(火) 15:00:05.33 ID:P14A697wP

古泉「やはりこの異変は、涼宮さんによる物だったんですね」
キョン「おい、異変ってのはどういう事だ?」
古泉「あ、いや……それはですね」

そこまでいって言葉を濁らせ、少し照れたように頬をかく古泉。

長門「彼の性的嗜好が涼宮ハルヒの願望によって書き換えられている」
キョン「性的嗜好か、ふーん…………はい?」

性的嗜好って、アレだろ。私はSですMですとか、ロリが好き塾女が好きとか、その他様々。
場合によっちゃ性別の壁すら通り越してしまうモノも存在するという……。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:01:35.14 ID:P14A697wP

古泉「ふふ、困った物です」

古泉は、俺の顔を見ていつもの微笑。だが頬に朱がさしている。

キョン「まっ、待て! それはもしかしてもしかしなくてもそういう事なのか!?」
長門「今の古泉一樹は同性愛者、ゲイやホモと呼ばれる性的嗜好の持ち主になっている」

その言葉を聴いた瞬間、俺は脊髄反射で長門の後ろへ逃げこんだ。

キョン「な、なんなんだこの笑えない冗談は。本当に冗談じゃないぞ! そんなお約束は大嫌いだ!」
古泉「今の証言に若干追加しますと、僕がそういう対象として見てしまうのは今のところ一人だけです」

頼む、そこでこっちを見ないでくれ。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:03:41.87 ID:P14A697wP

キョン「な、長門、それはなんとかならないのか?
いや、頼むから何とかしてくれ! ハルヒの説得が必要なら俺がやってみせる!
それでもダメなら……そうだ! こいつを去勢すればいいんだ!」
長門「落ち着いて」

数分後、恥ずかしながら若干錯乱してしまった俺もようやく平静を取り戻し、
古泉が入れたお茶を飲みながら長門の話を聞くことにした。

キョン「ふむ、話を整理するとだな……」

キョン「ハルヒが一週間ほど前に偶然道端で拾ったBL物の同人誌にはまってしまい」
古泉「それが原因で、私がゲイに目覚めたというのでしょうか?」
長門「そう。そして昨晩彼女が強く妄想したカップリングが古泉×キョン」

誰だそんな有害図書を書いた奴は、謝罪と賠償を要求する。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:05:36.57 ID:P14A697wP

古泉「その、何とかする方法は無いものでしょうか?」
キョン「頼む長門、最悪ガチホモな展開にならなければなんでもいい!」
長門「……分かった、私に任せて」

長門はしっかりと俺を見て頷いた。
その姿のなんと頼もしいことか。長門、頼りにしてるぜ。



そして翌日の昼休み。
何を企んでいるのか朝から静かなハルヒを尻目に、俺は部室へ走った。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:07:42.37 ID:P14A697wP

キョン「長門、いるか?」
長門「いる」

扉を開け放つと同時に長門に呼びかけると、待っていたかのように長門から返事が返ってくる。

キョン「それでハルヒの事は何とかなったのか? 古泉はガチホモじゃ無くなったのか?」
長門「成功した」
キョン「そうか! よくやったぞ長門、それで古泉は……」

部室には、いつもの席に腰掛けた長門と、体操着姿の見知らぬ女子が待っていた。

キョン「……長門、こちらのご婦人は?」
???「そんな、忘れてしまったんですか……?」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:12:01.19 ID:P14A697wP

俺の言葉に、その女子は少し悪戯っぽい微笑でそう答えた。
待て、という事は過去に面識があるのだろうか。

肩まで伸びたしなやかな髪に、
柔らかな笑みを浮かべた顔の造形は芸術と言えるほど整っている。
ハルヒよりやや高いくらいの身長は少し華奢な印象を受けるが、
その胸には朝比奈さんの立場も危うしとばかりの凶悪な物が付いていた。
更にはブルマから伸びたスラリとした脚は白く、健全な青少年には少々眩い。

谷口に言わせれば、AA+という奴だろうか。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:15:16.21 ID:P14A697wP

重ねて言うが、特筆すべきは胸だ!
朝比奈さんの柔らかさ100%の胸も素晴らしいが、この重力に真っ向から挑戦するかのような張りのある乳房。
体操着の胸をこれでもかと押し上げてその存在を主張していた。

谷口ではないが、こんな美しいおっぱ……もとい女性は一度見れば忘れるはずがない。
だが、いつも古泉がいる席に座っている彼女は……。

キョン「……待て、この笑い方は見覚えがあるぞ」
???「ふふ、思い出していただけましたか?」

古泉の席に……だと?

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:20:36.60 ID:P14A697wP

いやしかし、考えてみれば共通点はいくつか存在する。

キョン「古泉、なのか……?」
古泉?「ええ、そのまさか。という奴ですね」

ジーザス!何てこった!
心の中でとはいえ、俺はあの古泉を美しいだの芸術だの賞賛しまくっていたというのか。

キョン「長門……これはどういう事だ?」
長門「貴方の言われた通りにしただけ。
私は涼宮ハルヒの帰宅ルートに彼女が興味を持ちそうな書物を数冊配置した。
その結果、彼女は新たに女体化古泉×キョンという妄想に辿り着いた」

辿り着いたって、またろくでもない物に行き着いたものだな、ハルヒは。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:25:35.15 ID:P14A697wP

しかし長門よ、俺の言い方が悪かったのかもしれないが、なぜそういう本をチョイスしたんだ。
一歩間違えれば俺がキョン子になっていたやもしれないんだぞ?

長門「BLというジャンルに夢中になっている彼女に対して、ノーマルなシチュエーションの本では興味を誘えない。
更には貴方の要望も取り入れるとなると、BLに近いが同性愛にならない本を選択する必要があった」

だからといって、これでは古泉があまりにも可哀そうじゃないか? 長門よ。
認めるのは癪だが、古泉は元がいいから女になってもこんな美人になったかもしれんが。
俺だったらどんなイモい女になったか分からんぞ。

キョン「それに大体、なんでお前がそんな本を持っていたんだ?」
長門「私が書いた」

長門さん!?

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:30:53.68 ID:P14A697wP

今後の事を話し合うためにも、俺達は部室で昼食を取ることにした。
予め弁当を持ってきておいた俺は早速包みを広げ、箸を取る。

古泉「あ、お茶入れますよ。私もお腹が空きましたし」
キョン「そうか、悪いな。長門もここで食べるのか?」
長門「もう食べてる」

見れば、長門はパンパンに膨れ上がったビニール袋から次々にカレーパンを取り出していた。
足元には既にいくつもの空袋が散らかっている。
ハイペースで増えるそれを眺めていると、不意にブルマから伸びた白い脚が視界を遮った。

古泉「お茶です、朝比奈さんには及ばないかもしれませんが」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:39:55.86 ID:P14A697wP

キョン「あ、あぁ、ありがとう」

張りのある太ももに、半ば強制的に目を奪われ、
そのまま足の付け根の方へと流れてしまいそうな視線をムリヤリ逸らせる。
お茶の味がよく分からない。

古泉「いかがでしょうか?」
キョン「まぁ、悪くないんじゃないか……」
古泉「ふふ、ありがとうございます」

小さく揺れた肩と共に、突き出した胸が揺れていた。
待て、こいつは古泉だということを思い出せ。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:47:36.25 ID:P14A697wP

キョン「そういえば古泉、ブルマなんて持っていたのか? いや、別に変な意味は無いんだが……」
古泉「今朝、森さんに事情を話したら真っ先に持ってきてくれました」

森さん、なぜブルマなんですか?
機関なら制服も即座に入手できただろうに。

古泉「……あの、何か?」

まぁ、悪くはないが……。

キョン「い、いや、こうして見てみると、違和感があると思ってな。仕種や話し方がまんま古泉なのに、その容姿だから」
古泉「ふふっ、そうですね。仮名を名乗るとしたら、古泉一姫、といったところでしょうか」

なるほど、まぁそんなところだろうな。

一姫「私は放課後までここにいます、流石に授業になんて出れませんからね」
キョン「まぁ、ハルヒも今日は休みにすると言っていたからな、問題ないだろう」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:52:57.94 ID:P14A697wP

放課後、部室に向かうと、長門と、沈痛な面持ちの古泉一姫(仮名)が待っていた。

キョン「すまん、掃除当番で遅れた」
一姫「いえ、大丈夫です。涼宮さんはもう帰ったんですか?」
キョン「ああ、俺が支度を終わらせた時にはもう教室にいなかったよ」

そしていつもの椅子に腰を下ろすと、予め用意しておいてくれたのか、古泉がお茶をさしだしてくれた。

一姫「あ、良かったらどうぞ」
キョン「悪いな」
一姫「ふふっ、どこか不思議な感じですね。いつもは朝比奈さんの仕事ですから」

今の古泉がメイド服を着たらどうなるんだろうかと、ふと思ってしまった。
なんとなくだが、色々とけしからんことになるのではないだろうか。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 15:57:41.12 ID:P14A697wP

キョン「それで、古泉は元に戻れそうなのか?」
一姫「今のところその兆候は感じられません。長門さんに情報操作を頼んでもみたのですが……」
長門「強力なプロテクトが施されている上、今も継続して情報が書き換えられている。現時点での情報操作は非常に危険」

今も継続して、ってまだ何か変わっているのか?

長門「肉体的な面では変化は起きていない。変化が起きているのは精神的な部分」
キョン「それは、どういうことだ?」
長門「その検証を行う。来て」

そういって長門は俺を立たせると、俺を古泉の隣に立たせた。
さらに古泉を俺に向かい合わせると、無言で長門は離れていく。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:02:15.25 ID:P14A697wP

一姫「長門さん、これはどういう……」
長門「黙って。貴方は彼に集中していればいい」
キョン「おい、説明も無しに……」
長門「貴方も」

やれやれだ。仕方なしに、俺は正面の古泉一姫(仮名)を見つめることにした。

前の古泉ならごめんだが、今の古泉は十分鑑賞に堪えうる素材である。
長い睫に、柔らかそうな唇、遠慮がちにこちらを見つめる瞳。
その表情はどこか恥ずかしげで、耳まで赤く染めて身体をもじもじと落ち着き無く動かしている。
朝比奈さん顔負けの大きな胸は、もじもじと身体を動かすたびに、膨らみを揺らしていた。

……これは古泉だ、これは古泉。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:04:47.21 ID:P14A697wP

長門「検証は不十分だけど、一つ分かった事がある」
キョン「そ、そうか。それで、今ので何が分かったんだ?」
長門「古泉一樹は、貴方という存在を依然として意識せざるをえないようプログラムされている」
一姫「そ、そんなこと……ないですよ」

眩暈がした。
それじゃあ姿は変わっても、中身は全然治っていないじゃないか。
つまり俺は相変わらず貞操の危機に晒され……

長門「っ!? いけない」
一姫「どうしました?」
長門「涼宮ハルヒがこちらに向かってきている」
キョン「なんだと? あいつ今日は来ないって行ってなかったか!?」


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:07:30.58 ID:P14A697wP

どうする、今の古泉をなんと説明すればいい?
例え今は適当に誤魔化せたとしてもハルヒの事だ、こんな美人を見つけたら絶対興味を持つに決まっている。
少しでも調べられたら直ぐに足がつくぞ。

キョン「じゃ、じゃあ今すぐにでもこの部屋を出て……」
長門「間に合わない、隠れて」

そういって長門は掃除用具入れを指差した。
嫌な予感がする。

長門「二人とも、早くあの中へ」
一姫「えぇっ?」

やっぱりか!

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:09:40.91 ID:P14A697wP

キョン「ちょ、待て! なんで俺まで」
長門「その方がおもし……引き続き検証のため」
一姫「え、あっ、ちょっと……」

そして、俺と古泉は掃除用具入れに押し込まれ、戸が乱暴に閉められた。
さらに一呼吸置いて鍵の落ちる音まで響く。鍵、付いてたのか?

バタン!!
ハルヒ『キョンいるー? って有希だけじゃない』
有希『彼はもう下校した』
ハルヒ『あら、そうなの? まぁ、今日は団活休みって言っちゃったしね』

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:13:08.01 ID:P14A697wP

乱暴に扉を閉める音の後、足音、椅子にどかりと座り込む音、PCの電源を入れる音。
それぞれの音が響き、ハルヒが団長席に陣取った事が伺えた。
更にカバンを放る音の後、ハルヒは楽しそうに喋り始めた

長門『今日は休みと聞いている』
ハルヒ『なんか急に雨が降ってきちゃってね、傘もないし止めたのよ。直ぐに止みそうだから、それまでここで雨宿り』
長門『理解した』
ハルヒ『それでね、今度の連休なんだけど―――』

いつの間にか雨が降っていたのか、なるほど耳を澄ませば微かに雨音も聞こえた。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:18:01.81 ID:P14A697wP

キョン(くっ、古泉の癖になんでこんなにいい匂いがするんだ……)

掃除用具入れの中は、シャンプーと汗と女の子特有の甘い匂いが絶妙にミックスされた、
もはやフェロモンともいえる空気が、刻一刻とその濃度を増して充満していた。
狭い空間の中、宙に浮いたままの手の置き場を探そうと空間を探ると、人肌の感触が指先を掠めた。

一姫「んっ……く、くすぐったいです」
キョン「す、すまんっ」
キョン(落ち着け、落ち着くんだ。これは古泉だ、古泉古泉)

頑張ってあの薄ら笑いのイケメン野郎を思い出そうとするが、ぼんやりと霧がかかったようにして思い出せない。
何度試しても、昨日までの古泉は輪郭をはっきりとしなかった。

ハルヒ『そうだ! ねぇ有希、今から言う事誰にも言っちゃダメよ?』
有希『約束する』
ハルヒ『実はね、昨日すっごい本拾っちゃったのよ。ほら、これ』

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:21:55.76 ID:P14A697wP

ハルヒは周りを気にするように若干声を抑え、楽しそうに何かを話し始めた。
通気用のスリットから僅かに覗く光景には、ハルヒが薄っぺらな本を取り出して楽しそうにしているのが見える。

ハルヒ『二人の親友同士の男子AとBがいるんだけど、あるひAが目覚めたら女の子になっちゃって、
それを相談したBとエッチしちゃうって話なのよ! どう、物凄いぶっ飛んだ設定でしょ?』
有希『ユニーク』

ユニークってお前、その本はお前が書いたんだろうが、長門よ。

ハルヒ『私ね、これ読んだ時真っ先にAが古泉君で、Bがキョンって連想しちゃったのよ。ほら、絵もなんか二人に似てるでしょ!』
長門『超クリソツ』
ハルヒ『でしょー! ほら、普段からあの二人って仲良いでしょ。キョンのそっけなさも愛情の裏返し、みたいな?』

ありえないな。全くありえない。どうやらハルヒの脳内はとってもお花畑らしい。
それと古泉、さっきから何か苦しそうだが大丈夫なのか?

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:26:19.63 ID:P14A697wP

ハルヒ『もうね、なんか昨日から妄想が止まんないわ!』
有希『それはどの様な?』

待て長門、先ほどからお前はハルヒの妄想を助長するような会話をしてないか?

ハルヒ『そうねぇ……Bが、女の子になっちゃったAを襲っちゃう流れもいいんだけど、
AがBを見た瞬間、どうしようもなく発情しちゃっておねだりしちゃうってのもたまんないわ!』
有希『ユニーク。続きが気になる』

発情ってなんだよ、盛りのついた猫かそいつは!

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:28:09.85 ID:P14A697wP

外でハルヒがヒートアップしてる間、古泉の様子が少しずつ変わりはじめた。
先ほどよりも息が荒く、肩が若干震えているように見えた。

キョン「お、おい、どうした? 大丈夫か古泉」
一姫「少し、あつい、です……」

途切れ途切れの呼気は荒く、目が完全に蕩けている。
なるほど、発情ってこういうことか……じゃない!
どういうことだこれは、さっきとは明らかに様子が違いすぎる。

もしかして、ハルヒの発言がそのまま古泉に影響を与えているのか?

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:34:07.53 ID:P14A697wP

胸の前で交差されていた腕は、今は俺を引き寄せるようにシャツの胸元を弱々しく掴み、
俺の胸に熱い膨らみが強く押し付けられていた。

一姫「す……ません、急に……」

なんとなく予想はしていたが、古泉が女物の下着なんて持ってるだろう訳が無く、
押し付けられた膨らみは熱まで伝えるほどにリアルな感触だった。

ハルヒ『それでねそれでね! 我慢出来なくなったAが、戸惑うBにムリヤリ……』
有希『ユニーク、とてもユニーク。貴方の才能には驚嘆する』

一姫「も……むり、です……」

細い指で俺の唇をゆっくりと撫でると、その指で自身の唇を撫で、指先を口に含んだ。
これはもうヤバイ、色々とヤバすぎる。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 16:37:54.42 ID:P14A697wP

ハルヒ『さらに……そして……』
長門『はいはいユニークユニーク』

長門ぉおおおお! ハルヒも今すぐそのクソ馬鹿な妄想を止めろ!!

古泉の左手がゆるゆると俺の首の後ろに伸び、右手が頬に添えられる。
胸元に押し付けられた感触がいっそう密度を増し、熱を持った唇がゆっくりと迫る。

キョン「ダメだ、古泉っ落ち―――」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:00:31.41 ID:P14A697wP

ハルヒ『でもね、キョンも案外さー……』
長門『ゆにーくゆにーく』

水っぽい音と、時折漏れる少女のような声が狭い空間に木霊していた。
古泉はいつの間にか体操着の前をたくし上げ、体全体で抱きついてくる。
手を引かれるままその胸に手を当てると、吸い付くように指先が沈んでいく。
僅かに汗が浮いたその感触に、吸い付いた手が離れなかった。

一姫「んっ……はむ……ぁむ」

苦しくなったのか、ようやく口が離れる。
さらに激しくなった呼気のまま、今度は首もとの辺りへとすがり付くと、鎖骨の辺りに力の入らない顎でかじり付いた。
歯型も残らないほどの弱い甘噛みを繰り返し、時折休憩するように胸元に顔を埋めて息をつき、また甘噛みを繰り返す。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:06:08.96 ID:P14A697wP

一姫「そんなに……いや、ですか?」

今にも涙が溢れそうな、いや、涙を溢れさせて、上目遣いに見つめてくる。

キョン「い、いや、そういう訳じゃ……」

待て、何を言おうとしているんだ。流されては駄目だ。
だが、左腕で腰を引き寄せ、引き気味だった身を寄せると、心底安心した表情を浮かべ、胸に縋り付いてくる。
きっとハルヒの力が俺にも及んでいるに違いない。

もう無理だ、こんな状態で生殺しなんて絶対無理だ。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:12:02.83 ID:P14A697wP


これはもう古泉とは違う、一姫という別人なんだと無理やりにでも自分を納得させようとしたその時。

カシャン
長門「もう帰った」
キョン「うおぉぉう!」

突然、背後から金属が刷れる音が響き、スリットから長門の両目が覗き込んでいた。

長門「……ゆにーく」
キョン「古泉! ちょ、やめっ、ハルヒは帰ったから!」
一姫「はむ……んー……」
長門「延長?」
キョン「しない! さっさと開けてくれ!」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:15:55.79 ID:P14A697wP

結果として、ハルヒは十分近く下らない妄想を語り続けた後、掃除用具入れの中には気付く事も無く、大満足のご様子で帰っていったらしい。
なんとか貞操を守り抜く事は出来たが、それでも十分という時間は長すぎた。
それもこれも、長門があのハルヒの妄言を助長するような真似をしたからであって……。

キョン「おい、長門……」
長門「やりすぎた」
キョン「すぎたにも程があるわ!」
長門「めんご」
一姫「ま、まぁ、長門さんもこうして謝ってますし」

古泉、先ほどまで蕩けまくっていたお前はもっと怒っていいはずだ。

もしかして、今回の一連の元凶は長門なのではないだろうか……。


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:19:45.53 ID:P14A697wP

長門「今回の検証で古泉一樹に施されているプログラムの解析に成功した」
キョン「本当か! 古泉を元に戻せるのか?」
長門「現時点ではそれは不可能、だが精神面に施されているプログラムの中和は可能」

なるほど、それじゃあもう古泉がさっきの様な発情モードになることはないのか。

長門「そう、情報の解析は現在も行っている」
キョン「そうだったのか……もしかして、さっきの事態を悪化させるようなことも、もしかして解析のためにわざと……」
長門「? ……え、あ、うん。そう」
キョン「そうか……流石は長門だな!」

すまない長門、一瞬でもお前を疑ってしまった俺を許してくれ。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:21:37.04 ID:P14A697wP

一姫「とりあえず、今日はもう帰りましょうか」

長門の疑惑が解けた所で、古泉はそう切り出した。
見れば窓の外はすっかりと日が落ちている。雨もどうやら止んでいるようだ。

キョン「そうだな。明日も学校には来るのか? 古泉」
長門「傍にいたほうが情報解析も早く進む、出来れば来て欲しい」
一姫「そうですか、そういう事ならば来た方がよさそうですね」

その後、古泉は迎えに来た森さんと一緒に帰っていき。
俺と長門もその日は自宅へ戻った。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:25:59.67 ID:P14A697wP

ハルヒ「おはようキョン! ねぇねぇ、アンタにちょっと聞きたいことがあるのよ!」

翌朝、俺は教室に入るなり興奮したハルヒにつかまってしまった。

キョン「話ならいくらでも聞いてやる、だがまずは席に着いてからだ。立ったままお前の話を聞くのは疲れる」
ハルヒ「はぁ!? アンタ誰に向かって……まぁ、いいわ」

時たまこういう時があるのだが、どうせいつもの様にテレビのUFO特集に影響されたのだろう。
今度の土日はUFO探してもするのだろうか、などと思っていると。

ハルヒ「古泉"イツキ"は、女の子よね?」
キョン「は……?」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:30:37.57 ID:P14A697wP

ハルヒ「だから、一姫ちゃんは女の子よね? ていうか、なんでこんな当たり前のこと聞いてるのかしら」
キョン「ま、待て! 古泉は……」

あれ、古泉は……女、だよな。
ん、なんで俺はいま一瞬焦ったんだろうか。それに、昨日も俺は古泉と会って……。

ハルヒ「ちょっと、何顔赤くしてんのよ」
キョン「いや、なんでもないっ」
ハルヒ「まさか一姫ちゃんでいやらしい事考えてたんじゃないでしょうね!」

まさか、昨日キスして胸まで触っていたなんてとてもじゃないが言えそうに無い。

ハルヒ「まぁ、今日は一姫ちゃんにもコスプレさせてみようかしら。全く、なんで今まで思いつかなかったのか不思議よね!」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:36:06.56 ID:P14A697wP

それからハルヒは、授業が始まるまで古泉にどんな衣装を着せようか延々考えていた。

キョン「なんだ……この違和感は?」

だが、思い出せば思い出すほど違和感はつかみ所無く消えていった。
初めて古泉が部室に来た日、確かふとももが眩しいと思ったはずだ。
夏休みに水着を見たときのことも、まるで積み木が汲みあがるかのように思い出してきた。

キョン「そうだな、古泉は女の子だったな」

最後にそう呟くと、違和感は霞のように消え去った。

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:40:55.85 ID:P14A697wP

そして放課後。

キョン「よう、古泉」
一姫「こんにちは、キョンさん」

部室には、朝比奈さんとお揃いのメイド服を着た古泉が居た。
胸元が少し開いたデザインは朝比奈さんと同じものだが、朝比奈さんのような可愛くいといった感じではなく、
どこかミステリアスな色っぽさを演出していた。

キョン「かなり似合ってるな、古泉。やっぱり女の子だ」
一姫「はい……ありがとうございます」

古泉は一瞬悲しそうな表情をした後、熱っぽい瞳で俺を見つめて微笑んだ。

視界の片隅で、長門も口角を高く持ち上げて哂っていた。

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/21(火) 18:45:39.48 ID:P14A697wP

一応の終わりです、支援や保守本当にありがとうございました

もっとエロスを書きたかったけど、童貞には限界があるんだよ!
あぁぁあああ、もっとエロ書きてぇぇえええけど妄想力が足りない!
シチュエーションが思いつきません

重ねて本当にありがとうございました!

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/21(火) 19:01:18.05 ID:P14A697wP

いつかたっぷり書き溜めて、再びエロでリベンジしますよ
一姫ちゃんか、みくるちゃんか鶴屋さん、もしくは妹で!

最後にそれだけ言っておきたかったんです、失礼しました



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