ラティオス「ラティアスがベタベタしてくるのをやめさせたい」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:///ハルヒ「よ、よろしくお願いします。」///

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 01:59:17.30 ID:tV0UyR0y0

(某所のパソコン、ボックス1)

ビクティニ「いきなりどうしたんだい?」

ラティオス「マスターの夏休みが終わって、モンスターボールやパソコンにいる時間が増えたよね」

ビクティニ「そうだね」

ラティオス「そのかわりに毎日、僕たちを何匹か選んで外に出してくれるだろ」

ビクティニ「うん」

ラティオス「今日、僕の順番だったんだけど、外に出ている間、ずっとラティアスがべったりとくっついててね」

ビクティニ「仲が良くていいじゃないか」

ラティオス「それにしたって限度ってものがあるよ」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:02:01.86 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「こんな事を聞くのは何だけど、君はラティアスの事を…」

ラティオス「もちろん好きだよ。いい妹だと思う」

ビクティニ「うん」

ラティオス「兄の贔屓目かも知れないけどかわいいし、性格も優しいし素直だ」

ビクティニ「そうだね」

ラティオス「聞くところによると、あのくらいの年頃の女の子には、異性の兄弟を生ゴミみたいに扱う娘もいるらしいよ」

ビクティニ「生ゴミかい?それはキツいね」

ラティオス「ラティアスに限ってはそういう事もないだろうしね」

ビクティニ「そりゃそうだ」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:04:23.16 ID:tV0UyR0y0

ラティアス「確かにね、会う機会が減って寂しいっていうのは分かるんだ」

ビクティニ「パソコンのボックスは、マスターの謎のこだわりで男女に別れてるからね」

ラティオス「それでも、たまに会った時に、マンツーマンディフェンスなみの勢いで張り付いているのはいき過ぎだよ」

ビクティニ「そんなに凄いのかい?」

ラティオス「数時間の間、他のポケモンはおろか、マスターと視線が合う事すらまれだと思ってくれ」

ビクティニ「彼女、そういうディフェンスも得意なんだね」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:06:59.06 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「話を聞くと、やり過ぎっぽい感じはするね」

ラティオス「そうだろう」

ビクティニ「でもまあ、肉親との関係は全ての関係の基本なわけだし、険悪よりはいいんじゃないかな」

ラティオス「そこだよ、問題なのは」

ビクティニ「?」

ラティオス「僕たちが野生のポケモンで、2人で力を合わせて生きていこうっていうのなら、それでいいと思う」

ビクティニ「うん」

ラティオス「でも僕たちは、人間のトレーナーに従って生きていく道を選んだんだ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:12:45.96 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「今、僕たちは兄妹で同じマスターに仕えている。でも、マスターが必要だと判断すれば、どちらかが他のトレーナーのもとへ行く可能性もあるわけだ」

ビクティニ「………」

ラティオス「トレーナーに従うというのは、そういう事だろう」

ビクティニ「そうだね」

ラティオス「だから、僕たちがまず重視しなきゃいけないのは、今仕えているトレーナーとの関係だと思う」

ビクティニ「うん」

ラティオス「ラティアスの行動を見る限り、あいつがそこを理解しているとは思えないんだ」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:19:04.57 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「さっきの話に戻るけど、毎日順番で僕たちを外に出すのも、マスターなりの思惑があっての事だろ」

ビクティニ「うん」

ラティオス「学校が始まったせいで減ってしまったポケモンたちとの、コミュニケーションの場として考えてるんじゃないかな」

ビクティニ「そうだろうね」

ラティオス「それなのにラティアスは、外に出た途端、マスターそっちのけで兄貴にべったりなわけだ」

ビクティニ「ああ…」

ラティアス「マスターとしては、あいつに良い感情など抱きようがないさ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:29:21.92 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「君の言う事はもっともだと思う。でも敢えて反論させてもらうよ」

ラティオス「うん」

ビクティニ「マスターには、ラティアスがそういう行動に出る事が、最初から分かってるんじゃないかな」

ラティオス「………」

ビクティニ「その上で、それが君たち兄妹にとって嬉しい事なら、自分とのコミュニケーションは後回しでもいいと考えたんだと思う」

ラティオス「………」

ビクティニ「マスターは、そのくらいの度量はある人だと思うよ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:35:20.53 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「その可能性については、僕も考えた。そしてマスターに対して失望を覚えた」

ビクティニ「失望とは穏やかじゃないね」

ラティオス「トレーナーというのは、ただポケモンの喜ぶ事をさせて、ご機嫌を取るだけの存在じゃないだろう」

ビクティニ「それはそうだろうけど…」

ラティオス「ポケモンを正しい方向に導くために、敢えて嫌われるような選択を行う。そういう覚悟も必要だよ」

ビクティニ「まあね…」

ラティオス「マスターは、確かにラティアスを喜ばせてはいる。でも同時に、成長させる機会を奪ってもいるんだ」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:41:30.64 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「ちょっと厳し過ぎないか? マスターは若いのに、良くやってると思うけど…」

ラティオス「ビクティニ…僕はね…ここ最近のマスターを見て気付いた事があるんだ…」

ビクティニ「………」

ラティオス「この人は、根本的なところで、僕を理解してくれてない」

ビクティニ「………」

ラティオス「僕を重度のシスコンだと思ってる。だから妹と一緒にしておけば、それで僕が満足だと思ってるんだ」

ビクティニ「………」

ラティオス「マスターと呼んだ人に理解してもらえないのは、本当に辛い事だよ…」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:49:14.47 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「その…何と言っていいか…」

ラティオス「そんなに心配しないでくれ。僕は希望を捨てたわけじゃないよ」

ビクティニ「そっか…」

ラティオス「マスターも、僕がシスコンだという固定観念を捨てさえすれば、本当の僕を分かってくれる」

ビクティニ「うん…」

ラティオス「僕が誰よりも愛しているのは、妹じゃなくてマスターだという事を」

ビクティニ「ストップ」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 02:57:08.08 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「その…一応確認しておくけど、それはマスターを尊敬してるとか、敬愛してるとか、そういう…」

ラティオス「嫌だなあ。そのレベルの愛情なら、わざわざ愛してるなんて言ったりしないよ」

ビクティニ「ええ?ええええええええ?」

ラティオス「僕、何か変な事言ったかな?」

ビクティニ「あのさ、君たちは人間とポケモンだとかさ、そこは突っ込まないよ。そこから突っ込んでたらもう、収拾がつかないから」

ラティオス「うん」

ビクティニ「君は男で、マスターも男なわけだよね」

ラティオス「ホモって事になるんだろうね」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:01:55.40 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「あっさり認めたね」

ラティオス「あ、そういうの気にする方だった?」

ビクティニ「普通気にするよ」

ラティオス「古臭い事言うね。第5世代のポケモンなのに」

ビクティニ「ポケモンの世代は関係ないから」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:07:11.22 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「でも一応言っておくと、ホモとも少し違う気がするんだよね」

ビクティニ「へえ」

ラティオス「実際、マスター以外の同性には、そういう意味での魅力は感じないわけだし」

ビクティニ「ふうん」

ラティオス「好きになったのがマスターだった。そのマスターが男だった。だからまあ、自分にホモ的要素があるのは受け入れるべきなんだろうね」

ビクティニ「はあ」

ラティオス「で、話を戻すと、僕の第一志望はマスターの嫁なわけだけど、それに気付いてくれないのは問題だよね」

ビクティニ「断言するけど、マスターに落ち度はこれっぽっちもないね」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:14:55.09 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「何で? 」

ビクティニ「あのね、手持ちポケモン(♂)が、自分の嫁になりがってるなんて予想してるトレーナー男子はいないよ」

ラティオス「マジで!?」

ビクティニ「まず自分の欲望が、正常で常識的な一般市民から見て、いかに斜め上かを理解しようね」

ラティオス「あ、でも、正常で常識的な一般市民じゃなければ、僕の野望は斜め上じゃないって事だよね」

ビクティニ「やかましい」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:21:15.77 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「君はマスターを危ないヤツにしたいのかい」

ラティオス「いいよね。デンジャラスなポケモントレーナー。アウトローっぽくて」

ビクティニ「アウトローってレベルじゃねえ」

ラティオス「そして、そのトレーナーに常に付き従うデンジャラスポケモン、兼、嫁」

ビクティニ「君が正真正銘のデンジャラスポケモンだという事実以外、何もかもが間違ってるから」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:30:59.98 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「しかし君の話は、大半が夢を忘れた古いポケモンのものだよね」

ビクティニ「そんな夢忘れてしまえ」

ラティオス「第5世代のニュージェネレーションという事で期待してたけど、ちょっとガッカリかな」

ビクティニ「僕は第3世代の先輩たちとうまく付き合える自信がなくなったよ」

ラティオス「でも、参考になる部分もあったよ。マスターが僕の気持ちを、予想すらしてないって言ったよね」

ビクティニ「そうだよ」

ラティオス「要するにアピール不足って事だよね」

ビクティニ「アピール自体アウトだよ」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:34:50.60 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「で、話は最初に戻るわけだ」

ビクティニ「最初?」

ラティオス「僕はマスターとキャッキャウフフしたい。そのためにはラティアスが邪魔なんだよね」

ビクティニ「ひどい男だね。実の妹を邪魔とか言うな」

ラティオス「一挙両得だと思うけど。僕はマスターと結婚を前提にお付き合いできる。ラティアスは大人の階段を昇って一人の女性として成長できる」

ビクティニ「あのさ、妹の成長だとか色々言ってたけど、要するにラティアスのせいでマスターとイチャイチャできないムカつくって事だよね」

ラティオス「簡単に言えばそう」

ビクティニ「最初はいい事を言ってるっぽかったのに、全部台無しだよ」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:38:05.11 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「君さ、考え方とか常識とか、色々おかしいっていう自覚ある?」

ラティオス「?」

ビクティニ「まあいいよ。この際だからオブラートに包まずはっきり言っておくよ」

ラティオス「うん」

ビクティニ「仮に、もし仮にだよ、マスターが自分のポケモンの中から嫁を選ぶとしたらね」

ラティオス「やっぱり僕だよね」

ビクティニ「それはない」

ラティオス「またまたご冗談を」

ビクティニ「むしろ可能性が高いのはラティアスの方だね」

ラティオス「ちょっと何言ってるか分からないです」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:42:55.13 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「逆に聞きたいんだけどさ、君がラティアスよりマスターの嫁として勝ってると思う部分はどこなわけ?」

ラティオス「そうだね、まずは造形のシャープさでは、僕の方が上だと思うよ」

ビクティニ「ふんふん」

ラティオス「それから、スカイブルーとホワイトの美しい配色も、特に男子にとってはポイントが高いよね」

ビクティニ「うんうん」

ラティオス「そして、戦闘能力の高さをうかがわせるクールな佇まい。これはラティアスにはない部分だと思うよ」

ビクティニ「なるほどねえ、君の言う事は分かる気がするよ」

ラティオス「そうだろう」

ビクティニ「でも、今言ってた事全部、嫁の条件としては関係ないよね」

ラティオス「なん…だと…?」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:48:48.19 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「そんなはずはない。マスターはいつだって僕に、ラティオスはかっこいいねって言ってくれたんだ」

ビクティニ「確かに君はかっこいいポケモンだよ。それは認める」

ラティオス「じゃあ嫁候補として、かなりイケてると考えるのが妥当じゃないか」

ビクティニ「マスターが君に感じてるかっこよさってのはさ、例えるなら、アニメに出てくるメカとか、戦闘機に対して感じるかっこよさなんだと思うよ」

ラティオス「………」

ビクティニ「君の言うところの造形だけを考えるなら、ラティアスは君に比べて、ゆるい部分が多い。でも、そういうところが、逆に親しまれ、愛されるんじゃないかな」

ラティオス「………」

ビクティニ「一言で言うならね、ラティアスは君より萌えにおいて優れている。そして嫁には、その萌えが重要なんだ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 03:56:20.65 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「馬鹿な…まさかそんな落とし穴が…」

ビクティニ「気を落とすなよ。この際嫁はすっぱりあきらめて、君は別の形で、マスターとの絆をだね…」

ラティオス「いや、あきらめたらそこで試合終了だ!ここは奥の手を使って、僕の眠れる萌え要素を呼び覚ましてやる!」

ビクティニ「奥の手?」

ラティオス「腕を折りたたんで、ジェット機を超えるスピードで飛行するというのはどうだろう!」

ビクティニ「流線型や、空気抵抗や、音速越えに萌えはないよ」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:02:13.34 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「あきらめてたまるか!何か…何かあるはずだ…考えろ…考えるんだラティオス…!」

ビクティニ「前向きなのは悪い事じゃないけどね。でもそんな君に、さらに残念なお知らせだ」

ラティオス「聞こうじゃないか!僕はもうどん底にいるんだ!今さら怖いものはない!」

ビクティニ「実は、ラティアスですら、嫁候補ランキングではトップじゃない。上には上がいるんだよ」

ラティオス「な、なんだってーーーー!」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:05:22.70 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「なにそれこわいなにそれこわい」

ビクティニ「もう君に聞く気がなくても無理矢理発表しちゃうけど、まずベスト3の一人はサーナイトだよ」

ラティオス「サーナイト!僕と同じエスパータイプ!もしやここに現状を突破する糸口が?」

ビクティニ「あとはミミロップとコジョンドだね」

ラティオス「…ミミロップとコジョンドとの共通点共通点…ええと…眼が二つで口は一つ…あと何か白い部分がある…それと…」

ビクティニ「メンタルが強いんだか弱いんだか分からないけど、伝説のポケモンともあろう者が、見苦しいマネはやめなよ」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:09:10.01 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「君にだって本当は分かってるんだろう? この三人の共通点は、人間に近い容姿で、♀だって事だよ」

ラティオス「………」

ビクティニ「君は煩悩パワーで、あっさりと種族と性別の壁を越えたようだけど、マスターにも同じ事が期待できるとは限らないだろう」

ラティオス「………」

ビクティニ「そこを考慮して嫁候補を選ぶとするなら、人間の女性に近いポケモンになるのが自然じゃないか?」

ラティオス「………納得いかないよ………」

ビクティニ「そういうわけだからさ、いい加減、非現実的な野望は捨ててだね、もっと身の丈にあった生き方を…」

ラティオス「納得いかないよ!!!」

ビクティニ「うわっびっくりした」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:15:06.27 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「確かに君の意見に一理あるのは認める!僕が好きになったのが一般人なら、納得してあきらめもするさ!」

ビクティニ「…う、うん」

ラティオス「だけどマスターはポケモントレーナーだ!ポケモンと共に生きていこうって人だろう!」

ビクティニ「…そだね」

ラティオス「しかもかなり真面目にチャンピオンとか目指してる、ガチな人種だよ!」

ビクティニ「…あ…うん」

ラティオス「そんな人がだよ!人型じゃなきゃヤダとか!♀じゃなきゃヤダとか!好き嫌い言っちゃダメなんだよ!」

ビクティニ「トマトがどうしても食べられないとか、そういうレベルの話じゃないだろこれ」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:19:12.42 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「とにかくだね、マスターくらいのポケモン廃人にとって、サーナイトだのミミロップだの、ヌルすぎて話にならないね」

ビクティニ「いや〜それはどうかなあ」

ラティオス「マスターレベルの廃人なら、浮遊してる流線型のドラゴンポケモン♂くらいは嫁として連れ歩きつつイチャイチャするべき」

ビクティニ「社会的にも廃人同然になるだろうねそれは」

ラティオス「そこまでやって初めて、トレーナー間で一目置かれる存在になれると言っても過言ではないね」

ビクティニ「それは後ろ指を指されてるって言わないか?」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:25:02.02 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ「でもまあ、君のマスターに対する愛はよく分かったよ」

ラティオス「理解してもらえて嬉しいよ」

ビクティニ「しかし、これだけは忠告させてくれ」

ラティオス「うん」

ビクティニ「現時点でのマスターは、君みたいに変た…覚醒してはいないという事は覚えておくべきだ」

ラティオス「残念ながらその通りだね」

ビクティニ「欲望に任せての性急な行動は何もかも台無しにするよ」

ラティオス「肝に命じておくよ」

ビクティニ「それは良かった。ある日、いきなり君のいたところにアンノーンがいたら嫌だからね」

ラティオス「怖い事言うな!」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:30:18.82 ID:tV0UyR0y0

ビクティニ (…マスター、ごめんなさい…)

ビクティニ (…色々やってみましたが、ラティオスを完全に止める事はできませんでした…)

ビクティニ (…一応釘は刺しましたが、どのくらい効果があるか…)

ビクティニ (…もし、ラティオスが変な行為に及ぼうとした時、僕がお側にいればお守りします…)

ビクティニ (…あいつ無駄に強い上に、執念が凄いので、正直自信はないですが…)

ラティオス「ビクティニ、もう寝たかい?」

ビクティニ「いや、起きてるよ」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:32:43.20 ID:tV0UyR0y0

ラティオス「ちょっと考えたんだけどさ、マスターの意識改革の一環として、ご主人様って呼ぼうと思うんだ」

ビクティニ「マスターには僕たちの言葉が分からないから無意味じゃないかな」

ラティオス「テレパシーあるし」

ビクティニ「そういう細かいニュアンスまで伝わるのかな」

ラティオス「こういうのは気持ちの問題だよ」

ビクティニ「そうかも知れないね」

ラティオス「で、ご主人様が定着したら、今度はさりげなく旦那様に移行するんだ。そこまで行ったら、かなり嫁っぽいよね」

ビクティニ「もう寝なよ」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:36:31.50 ID:tV0UyR0y0

(某所のパソコン、ボックス2)

ラティアス「はあ…」

エムリット「何か疲れてるみたいね」

ラティアス「あ、エムリットさん。実は今日、外に出た時にお兄ちゃんと…」

エムリット「何かあったの?」

ラティアス「はい、お兄ちゃんがマスターにベタベタしようとするんで、それを止めてて…」

エムリット「ジェラシー?ホント仲がいいのね」

ラティアス「あははは…そんな理由だったら良かったんですけどね」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:39:33.27 ID:tV0UyR0y0

エムリット「違うの?」

ラティアス「はい、お兄ちゃんのマスターに対するセクハラを阻止してました」

エムリット「セクハラって…そ、それは、ちょっと強めなスキンシップが勢い余ったとか…」

ラティアス「そんなんじゃありません。お兄ちゃんのはガチセクハラです」

エムリット「でも、どうしてそんな…」

ラティアス「お兄ちゃんはマスターを愛しちゃってますからね」

エムリット「ストップ」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:44:08.63 ID:tV0UyR0y0

ラティアス「あ、一応言っておくと、トレーナーとしてマスターを敬愛してるとか、そういうんじゃないです。ガチの恋愛感情です」

エムリット「え〜っと…」

ラティアス「で、当たり前の話ですが、マスターはお兄ちゃんとは違って真っ当な方ですから、そこは妹である私がお守りしなきゃいけないなと」

エムリット「何て言うか…すごい事になってたんだね」

ラティアス「お兄ちゃん無駄に強い上に、執念が違いますからね。ディフェンスに定評のある私も疲れました」

エムリット「大丈夫?」

ラティアス「大丈夫です。マスターには色々と御恩もありますし。お兄ちゃんの方も、一応あんなのでも肉親ですから」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:47:42.95 ID:tV0UyR0y0

ラティアス「何か間違いがあったりしたら、お兄ちゃん速攻でリストラされちゃいますからね」

エムリット「まあ、そうなるよね」

ラティアス「お兄ちゃん何と言うか、へこたれない性格してるんですけど、さすがに愛するマスターにアンノーンとトレードされたら壊れちゃいそうですし」

エムリット「アンノーンって…」

ラティアス「マスターだって、ポケモンにその、不信感をいだくと思んです。それはマスターにとっても、私たちにとっても不幸ですから」

エムリット「もう頑張ってとしか言えない」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/15(土) 04:55:31.03 ID:tV0UyR0y0

(数日後)

トレーナー「すまなかったなみんな。もうちょっと外にいれる時間を増やせればいいんだけど」

トレーナー「これでも結構忙しくてな」

トレーナー「さあ、ラティアス、ラティオス、出ておいで」

トレーナー「ははは、ラティアスはスタートダッシュでお兄ちゃんのところか」

トレーナー「本当にお前たちは仲がいいな」

ラティアス「………」

ラティオス「………」


おわり



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