キョン「ハルヒ、嘘だろ?なんで……」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:シンジ「エヴァに乗る代わりにフリーえっち券を貰っちゃった」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 20:54:04.92 ID:snt1IFoJ0

ハルヒ「…………」

キョン「おいハルヒ!しっかりしろハルヒ!!」

古泉「どうかしましたか?廊下にまで声が響いてましたよ」

キョン「古泉、大変なんだ!ハルヒが、ハルヒが!」

古泉「落ち着いてください。これは……まずいですね。何があったんですか?」

キョン「分からない。あんまり馬鹿にされたもんだから、ついイラついて国語辞典で殴ったら……こんなことに」

古泉「疑問が残りますね。原因不明の重体、と言ったところでしょうか」

キョン「お前なんでそんなに落ち着いていられるんだ!!まさか、お前が犯人なのか……!?」

古泉「おかしなことを言わないでください。僕がついさっきここに来たのは、あなたも知っているでしょう」

キョン「じゃあ一体誰が……!ちくしょう!!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 20:59:13.38 ID:snt1IFoJ0

古泉「先ほども言いましたが、とにかく落ち着いてください。冷静な判断が必要です」

キョン「くそっ、ハルヒ……俺がついていながら。すまん……」

古泉「額に青あざ……コブが出来ていますね。冷やしたほうがよいかと」

キョン「冷やす?どうやって!」

古泉「氷か何かを用意すればいいんですよ。持ってますか?」

キョン「冷えピタならあるが氷は……悪い、持ち合わせていねえ。どこに行けばある?」

古泉「家庭科室の冷蔵庫にはありそうですが……」

キョン「なら急いで向かうぞ!時間がねえ!」

古泉「分かりました」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:05:37.00 ID:snt1IFoJ0

――家庭科室

キョン「着いたぜ。えっと氷は……」

古泉「あそこに冷蔵庫があります。行きましょう」

キョン「下の段か?んー……あった!!」

古泉「上出来です。これを持っていけば涼宮さんも助かるはず」

キョン「ならポケットに入れて早く戻るぞ!」

家庭科部員「あ、あの……さっきから何をしているんですか?」

キョン「え?誰だ君は」

部員「家庭科室のものを勝手に持ち出されると、困るんですが……」

古泉「人の命がかかっているんです。どうしても駄目ですか?」

部員「えっ、命が!?なら……」

ガツンッ!!

古泉「!?」

キョン「悪い。長引きそうだったんで国語辞典で殴っちまった。早く戻るぞ!」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:10:06.44 ID:snt1IFoJ0

――廊下

古泉「……?何故でしょうか、ズボンが水で濡れてきました」

キョン「小便でも洩らしたか?……うおっと、俺も濡れてる!何でだ!?」

みくる「あれ、キョンくんに古泉くん。そんな慌てて、どうかしたんですか?」

キョン「あ!朝比奈さん!大変なんですよ!ハルヒが!!」

みくる「え?え??」

キョン「あー、くそッ!!」

古泉「国語辞典を振り上げないでください!落ち着いて!」

古泉「朝比奈さん、実は涼宮さんが原因不明の事故で倒れているんです。そして僕たちは頭を冷やすための氷を運んでいまして」

みくる「氷、ですかぁ……?でも一体どこに?」

キョン「ポケットに入れて……んあっ?!ない!!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:14:58.45 ID:snt1IFoJ0

古泉「大変です!僕のもなくなってしまいました!」

キョン「さてはあの家庭科部員の仕業か!?ふざけやがって!」

みくる「あの、落ち着いてください。私自動販売機で飲み物を買ってきて、良ければ」

キョン「ありがとうございます、朝比奈さん。あー、冷えててうまい」

古泉「しかし困りましたね……氷がないとなると」

キョン「冷えたものだろ?うーん……あっ!!」

みくる「そうですよキョンくん!今持っているそれ、抜群に冷たいです!」

キョン「さすが朝比奈さん!さっそくこれを使ってハルヒを冷やしましょう!」

古泉「急いで部室に戻りますよ!」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:18:01.23 ID:snt1IFoJ0

――部室

キョン「ハルヒ、待たせたな!」

みくる「さあ、おでこに当ててあげてください」

キョン「はい……ん!?」

古泉「大変ですよ!缶を横にしたから中身が漏れてきています!」

キョン「やべえ!ハルヒの顔がコーラでビショビショだ!」

みくる「ひえっ、べたべたですぅ」

キョン「おい古泉!何か拭くもの!」

古泉「そう言われましても!布巾なんてありませんよ!」

キョン「なら……そうだ!トイレに雑巾があるはず!行ってくる!!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:20:43.95 ID:snt1IFoJ0

――トイレ

キョン「あった、これだ!」

古泉「ですが、本当にいいのですか?トイレの雑巾なんか汚いに決まっています」

キョン「背に腹は変えられんだろ……。おい古泉、取ってくれよ」

古泉「いやです、汚いですし」

キョン「俺だって嫌だよ!ああくそ、どうしたらいいんだ!」

古泉「ならジャンケンで負けた方が取りましょう。いきますよ」

キョン「じゃんけん、ぽん!ああ、負けた!ちょっと待ってくれ、三回戦勝負にしよう!」

古泉「仕方ないですね。じゃーんけーん……」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:24:40.32 ID:snt1IFoJ0

――部室

みくる「あっ、帰ってきた!雑巾はありましたか!?」

キョン「朝比奈さん、ジャンケンをしましょう!いきますよ、」

みくる「えっ、えっ?」

キョン「じゃーんけーんぽん!やった勝った!!朝比奈さん雑巾!」

みくる「ど、どういうことですか?」

古泉「やれやれ、まさか朝比奈さんにまで勝負を挑むなんて……底意地の悪い人ですね」

キョン「諦めが悪いって言ってくれ。ほら朝比奈さん、雑巾を取ってきてください」

みくる「ええ〜?わけがわかりませんー」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:27:44.04 ID:snt1IFoJ0

キョン「あ、戻ってきた!取れましたか?」

みくる「ごめんなさい汚くって……これしか取れませんでしたぁ」

キョン「便器ブラシ!?まあでも、仕方がないですね。それで早くハルヒの顔を!」

古泉「待ってください!もう涼宮さんの顔は乾いてしまっています。意味がありません!」

キョン「お前ふざけんな!朝比奈さんが苦労して取ってきてくれたんだぞ!」

古泉「ですがそれでは返って涼宮さんが汚れてしまいます!」

キョン「ハルヒが汚れようが構わないだろうが!お前は――」

みくる「やめてください!!!」

キョン・古泉「え……」

みくる「こんなの、間違っています。二人が喧嘩するなんて、そんなこと、涼宮さんは喜びません」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:30:29.60 ID:snt1IFoJ0

キョン「で、でも朝比奈さん」

みくる「いいんです。正直、便器ブラシが涼宮さんにはお似合いだと思って取ってきたんですから、もう、いいんです」

古泉「朝比奈さん……」

みくる「何より、涼宮さんは二人が争うことを望んでいません。きっと、仲良くしていてほしいはずですよ」

キョン「そうですね……。すみません、大きな声を出して」

キョン「……ハルヒ、お前は今、どんな景色を見ているんだ?きちんと俺たちのこと、見守ってくれているか?」

古泉「涼宮さんのためにも、僕たちは仲良くしているべきですね」

キョン「ああ……」

古泉「泣いているんですか?」

キョン「馬鹿言え。目にゴミが入っただけだ……」

キョン(なあハルヒ。お前は――)

長門「涼宮ハルヒは生きている」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:33:17.89 ID:snt1IFoJ0

キョン「な、長門!?」

古泉「いたのですか……気づきませんでした」

キョン「それで、生きているっていうのはどういうことだ!?」

長門「頭を強打しているが、命に別状はない」

キョン「つまりハルヒは……生きているのか?」

長門「そう」

キョン「ハルヒが生きている!?」

長門「そう」

キョン「生きているのか?」

長門「そう」

キョン「ハルヒが生きているって!?」

長門「くどい」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:40:12.95 ID:snt1IFoJ0

みくる「うっ、うえええっ」

古泉「良かった……安心しました」

キョン「ちょっと待ってくれ。ハルヒは生きているのか?」

長門「…………」

古泉「落ち着いてください。涼宮さんは無事ですよ」

キョン「はは……ははっ」

キョン「ったく、お前らは慌てすぎなんだよ。特に長門。あのハルヒが死ぬわけねえだろうが」

長門「…………」

みくる「ふぇぇ。これで一安心ですねえ」

キョン「ええ」

コンコン

キョン「んあ?だれだ?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:45:18.56 ID:snt1IFoJ0

教師「失礼します」

キョン「あれ、先生……。何か用でも?」

教師「私は家庭科部の顧問だけど、うちの部員に手を出したのはあなた?」

キョン「えッ!?」

古泉「どういうことですか。詳しく話を聞かせてください」

教師「どうもこうもないわよ。家庭科室に入ってみれば女子生徒が倒れていたんだもの」

教師「聞けば、このおかしな部活の生徒だっていうじゃない」

古泉「お言葉ですが、僕たちの中にそんな乱暴なことをする方はいません」

みくる「そうです。みんな優しい人です」

キョン「…………」

キョン「すみません」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:49:47.17 ID:snt1IFoJ0

教師「あら、何かしら?」

古泉「いけません、どういうおつもりですか」

キョン「……いいんだよ、古泉。もういいんだ」

古泉「そんな……!」

みくる「キョンくん……どういうことですか?」

キョン「先生、俺は犯人に心当たりがあります」

教師「聞こうじゃない。一体だれ?うちの部員に手を上げたのは」

キョン「それは…………」

古泉「っ……」

みくる「……ッ」

教師「……」

キョン「涼宮ハルヒです」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:50:26.48 ID:snt1IFoJ0

古泉「!?」

みくる「えッ?」

キョン「……」

古泉「な、どういうことですか?」

キョン「ばか、お前まで分からないのか。一度あの家庭科部員は俺たちの邪魔をした」

キョン「それを、ハルヒが無意識的に弾いたんだろ」

キョン「永遠の夏休み然り、喋る猫然り……」

キョン「俺だって、信じたくはないけどさ」

古泉「……そういうことだったんですか」

教師「涼宮さんが、うちの部員に暴力を振るったっていうのね?」

キョン「ええ、そうなります……」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:51:26.94 ID:snt1IFoJ0

教師「それでその涼宮さんは?」

キョン「あそこで寝ていますが……ハルヒをどうするつもりですか?」

教師「然るべき罰を受けさせます。暴力事件には他ありませんから」

キョン「ちょっと待ってくれよ!!!」

教師「ッ……な、なによ」

キョン「確かにハルヒは、普段から自己中心的で、わがままで、思い通りにならないとすぐ不機嫌になって」

キョン「そんなやつだ。俺だって散々迷惑をかけられたし、嫌にだってなった」

古泉「……」

キョン「でもハルヒは、むやみやたらに暴力を振るうようなやつじゃない!!」

みくる「キョンくん……」

キョン「きっと理由があったんです。いやあいつは!俺たちのためにそうしてくれたんだ!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:55:23.65 ID:snt1IFoJ0

キョン「だから、ハルヒを連れて行くなら俺も連れて行ってください。たとえ手は出していなくても、同罪には変わりありません」

教師「な……」

古泉「ちょっと待ってもらえますか」

キョン「古泉?」

古泉「団長の責任は、団員の責任……あなただけに、良い格好はさせませんよ」

みくる「そうです。キョンくんだけじゃなく、私たちにだって責任はあります」

キョン「朝比奈さんまで……」

長門「……」

キョン「長門も……」

長門「私は何も言っていな」

キョン「どうですか先生!これが!これがSOS団なんです!!」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 21:59:27.94 ID:snt1IFoJ0

教師「そ、そんなこと言っても……この問題をうやむやにはできない。実際、被害を受けた子も……」

キョン「このわからずや!!」

ガツンッ!

教師「うぎゃッ」

キョン「はあ、はあ……どうして、生徒の気持ちを分かってやらないんですか」

キョン「確かにあなたの取ろうとしている行動は正しい。でも、それが全てじゃない」

キョン「知っていますか先生……正義の反対は、また別の正義なんですよ」

キョン「それが分からないうちは、あなたもまだ教員という檻の中へ囚われているにすぎない」

キョン「俺が言いたいのは、それだけです」

古泉「……ふふ」

キョン「古泉?」

古泉「見てください。きっと先生も、あなたの言葉を聞き入れたのでしょう。気持ち良さそうに眠っています」

キョン「ほんとだ……」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 22:00:03.11 ID:snt1IFoJ0

キョン「はは。言葉っていうのは、伝わるものなんだな」

古泉「ええ。かくいう私も、今のあなたの言葉に胸を打たれました」

キョン「やめろよ。気色悪い」

みくる「私も、今のキョンくんはとっても格好良かったです」

キョン「朝比奈さん……」

長門「……」

キョン「長門もか……」

長門「……」

キョン「ありがとう。俺一人じゃ、正直どうしようもなかった」

キョン「ハルヒ、気持ち良さそうに寝やがって。お前の集めた団員は、間違いなく最高の団員だ」

キョン「それじゃ、そろそろ日も暮れてきたし、帰ろう」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 22:00:55.04 ID:snt1IFoJ0

――夜

ハルヒ「い、つつつ……なによ一体。なんであたし、寝てたわけ?」

教師「いたたた……」

ハルヒ「あれ?何で部室に先生が?」

教師「あ、あなたね涼宮さんというのは」

ハルヒ「え?」

教師「生徒にだけならず、教師にまで手を上げるなんて……ただで済まされるとは思わないで」

ハルヒ「手?なに?どういうこと?」

ハルヒ「というかキョン、古泉くん、みくるちゃんに有希は?」

ハルヒ「なにがどうなってるのよ!もう!帰ってこいバカキョーーーンッ!!」


END

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/03(金) 22:11:31.12 ID:snt1IFoJ0

ハルヒ餅のSSが大好きすぎて、自分でも創作してみました
まだ読んでない人はぜひ読んだほうがいいです
最後までお付き合いしてくれた方々、ありがとうございました



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