ハルヒ「欠損少女ですって?」


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2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 18:41:12.95 ID:WS/vwAbT0

俺は芋虫だった

物音一つもしない、暗い暗い闇の中で俺一匹だった

叫んでみたが返事はない

手探りで周りを弄ったがなにもない

周りを見渡すがゴミ一つない

走り続けたが人も居ない

声が聞こえるぞ・・・、この声は・・・ハルヒ??

「おきろーーーーー!!!」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 18:44:19.48 ID:WS/vwAbT0

聞きなれた声、いや聞き飽きた声のせいで俺は夢の世界から引きずり出された

おいおい、今は授業中だぜ?健やかに寝てる俺と、喚き散らすお前、どっちが迷惑か分かるかい?

そう思ったが人の注意を「はい、そうですか」と聞くような奴じゃないのは知っていたので黙っておいた

「明日の朝六時、駅前の公園に三日分の旅行準備持って集合!遅れたら死刑だからね」

言うだけ言ってハルヒは寝てしまった、まったく・・・人の予定も聞かずに勝手にスケジュール組みやがって





「・・・・」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 18:47:31.23 ID:WS/vwAbT0

――――
―――
――

ぐちゅ・・・

ぐちゅ・・・

ぐちゅ・・・


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 18:49:00.84 ID:WS/vwAbT0

――――
―――
――

翌朝、今朝はすこぶる調子がいい、まるで人が変わったかのような爽快感だ

このまま行くと予定より早く着いてしまいそうだがこの際構わないだろ、善は急げというもんな


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 18:51:26.50 ID:WS/vwAbT0

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―――
――

【翌日】

今朝はすこぶる調子がいい、まるで人が変わったかのような爽快感だ

このまま行くと予定より早く着いてしまいそうだがこの際構わないだろ、善は急げというもんな


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 18:54:30.27 ID:WS/vwAbT0

――――
―――
――

電車で1時間、フェリーで二時間揺られたハルヒ御一行は鶴屋財閥が有する無人島とやらに到着した

これから始まる三日間を我々六名で生き抜かなければならないのだが、いざ現地に着いて拍子抜けしたのは俺だけじゃないだろう

それもそのはず、この無人島とやらも建前上であり、電気やガス、水道完備といったご都合主義の館であった

そんな心の叫びというか、不満の念というか、ついうっかり呟いたところ、ハルヒに昼食抜きの命令を出されてしまった

やれやれ、先が思いやられるぜ・・・

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:00:46.24 ID:WS/vwAbT0

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―――
――

まさか本当に昼飯が抜きだったなんて誰が想像できるであろうか

腹が減るばかりで解決策が見つかる術もなく、俺はぼんやりと窓の外を眺めた

少し雲行きが怪しく見えた、その時

ゴトン・・・ ゴトン・・・ ゴトン・・・

廊下の方で怪しい物音が聞こえてきた

上手く表現できないが例えるならばそう、何かが転がっているような、そんな音だった

そんなことをハルヒ達に聞こうとしたが、まさに蚊帳の外にいる俺が口出しなど恐れ多くてできないので諦めた


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:08:09.72 ID:WS/vwAbT0

「にゃははは、口は災いの元にょろよ〜〜!!」

そう笑いながら鶴屋さんは孤独を楽しんでいる俺に語りかけてくれた

破天荒なところはハルヒと一緒なのに、どうしてこんなに美しいのだろうか・・・

例えるならば夏を彩る花火のように、夜空を輝く星のように

口元から放たれた赤いバラは空を漂う宝石のように癒しの時間を与えてくれた

そんなしたたかな時間は頭蓋が落ちる鈍い音で幕を閉じた

沈黙の天使が通り過ぎ、男女6人が凍りついた

いや今は5人か、どう見たって明らかに手遅れだからな

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:11:01.86 ID:WS/vwAbT0

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―――
――

沈黙の天使たちが小一時間踊り通したかと思えば、次は雷神様のお通りとなった

気が付くと外は大荒れ、到着時のバカンス気分は吹き飛んでしまった

そしてご都合主義というか、お約束というか、この悪天候のせいで救助船は出すことができず、絶海の孤島に閉じ込められてしまった

おいおい、そんな顔で俺を見ないでくれよ・・・帰りたいのは俺も一緒だぜ?

まったく・・・こんな状態はドラマや漫画の世界だけにして欲しいぜ


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:22:47.85 ID:WS/vwAbT0

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―――
――

食堂の使用を諦めた我々は別の部屋へ逃げるように避難した

雷鳴が轟く部屋の中、皆で身を寄せ合い、いつ来るか分からない救助をただひたすら待った

その時、雷鳴に隠れながら聞こえる微かな音を俺は聞き逃さなかった

ゴトン・・・ ゴトン・・・ ゴトン・・・


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:29:50.76 ID:WS/vwAbT0

またこの音だ、まさかこの島には俺たち以外にも何かいるん・・・

「があ゙ぁ゙ァ゙ァ゙ァァァ・・・」

雷鳴轟く中、今度はハッキリと聞こえた、まるで獣の叫び声のような雄叫びが俺の耳には聞こえた

疑心は確信へと変わっていったが、あえて口には出さなかった

なぜかって?だって俺以外は無反応なんだぜ、きっとあれは幻聴に違いない・・・

そう自分に言い聞かせ、この秘密は俺の胸の奥へそっと閉まうことにした


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:35:09.78 ID:WS/vwAbT0

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―――
――

場に張りつめられた緊張の糸は突然切れることとなった

雷鳴より大きいであろう腹の虫が鳴いたせいで、微かな微笑みが生まれた、そういや俺だけ何も食べてなかったな

そんな音色を聴いてか聞かずか古泉が軽食を作ってくると提案してくれた

本来ならば俺自身が行かなくてはいかないが、朱一色に染まった絨毯を超えてキッチンに向かう勇気など俺にはなく、その行為に甘えることにした

そう頼むといつものにやけ顔でキッチンへ向かいながらこう言った

「腕によりをかけてお作りいたしましょう」

そう呟いたかと思うと古泉は真っ赤な羽を広げ、飛び立って行った

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:38:23.40 ID:WS/vwAbT0

おいおい、悪趣味な格好だな、冗談は顔だけにしてくれよ

まさか「最新式のファッションです」とか言い出すんじゃないだろうな?

さっきから羽があたり一面に吹きかかってるぞ?こいつは掃除が大変そうだな

古泉はまるで発情期に求愛行動をしている孔雀の如く舞踊り、黄泉の世界に羽ばたいていった

たしかにそれじゃあドアは開けれそうにないな、俺が開けてやるよ


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:48:45.62 ID:WS/vwAbT0

――――
―――
――

またしても部屋を移動した我々は広い部屋の四隅に固まり、次は自分でないことを願いながら震えていた

俺も恐怖に怯えながらふと嫌なことを想像してしまった、この部屋でも何か起きるんじゃないだろうか・・・と

まぁ結果は俺の期待を裏切らず、神の怒りとも言える雷鳴とともに我らを照らす灯は消えてしまった

主な発信源は朝比奈さんであろう叫び声が木霊し、室内は恐怖のどん底に叩き落された

そんな阿鼻叫喚の中、俺は聞きたくない音をまた聞いてしまった

ズリッ・・・ ズリッ・・・ ズリッ・・・

一瞬またかと思ったが少し違った

今回は何かを引きずるような、そんなイメージをするような嫌な音が聞こえてきた


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 19:56:53.26 ID:WS/vwAbT0

「ふぇぇ・・・真っ暗で何も見えないです・・・怖いですぅ・・・」

叫び疲れたのか泣き止んだのか、朝比奈さんは落ち着きを取り戻し、室内に静寂が訪れた

――――
―――
――

時間にして5分くらいだろうか、突然電気が復旧し、部屋に明るさが戻ってきた

一瞬、朝比奈さんがいないことに驚いたがすぐに見つかった、彼女は室内をうろうろ、ふらふらしていただけだった

俺はおつかない足取りの彼女に手を貸そうとそっと近づいた

ぐしゃっ・・・


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 20:03:20.44 ID:WS/vwAbT0

右足に嫌な違和感が走り、祈るような思いで足をそっと上げた

足には原型を留めていない何かがへばり付いており、その何かから放たれたであろう透明な液体が滴っていた

幸か不幸か自分の足元に元の物体であったであろうもう一つの何かが転がっていた

俺は足元に転がる物を見た、朝比奈さんと目があった

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/15(日) 20:09:09.71 ID:WS/vwAbT0

顔を上げると室内をうろうろする朝比奈さんがこちらに振り返った

まるで闇の世界に引きずり込むような、目の奥に吸い込まれるようなそんな表情をしていた

血の涙を流しながら探し物を探す姿には憐みの念すらわいてきた

俺には探し物が何か分かっていたが、それを拾ってあげる勇気はなかった

だって何だか汚いし

そんなことを考えていると朝比奈さんは自分で溜めた水たまりに倒れこみ、そのまま動かなくなった

第一章 〜完〜



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