長門「……ゆっりゆら、らっらっら」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:しんのすけ「母ちゃん、ひま泣いてるゾ」みさえ「うん、あとで」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 02:52:06.92 ID:P3gp40NR0

キョン「……!? 長門!?」

長門「何?」

キョン「いや、今……何か言わなかったか?」

長門「私は何も言っていない。気のせい」

キョン「そ、そうか……すまん」

キョン(……本当に気のせいか? 確かに長門は……)

長門「ゆっりゆら、らっらっら」

キョン「!?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 02:56:53.91 ID:P3gp40NR0

キョン「長門! 今絶対何か言ったよな!?」

長門「?」

キョン「いや、今のは言い逃れできないぞ……何か言っただろ!?」

長門「何か、というのは抽象的。具体的に何を言ったのか指摘すべき」

キョン「それは……」

長門「それは?」

キョン(今、長門が口ずさんだのは間違いなくゆるゆりのOPだ……だが)

キョン(それを指摘したら、俺がアニメ好きということがばれる……)

キョン(変なイメージを付けたくはない……ここは、我慢するか)

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:01:00.44 ID:P3gp40NR0

キョン「すまん、長門……俺の気のせいだった」

長門「そう。読書を続けても良い?」

キョン「……ああ、邪魔をして悪かったな」

キョン(……聞き間違えるわけがない、何度聞いたと思ってんだ)

キョン(二期も決まったおかげで、ハルヒからの無理難題も耐えてこれた……)

キョン(……いや、きっと俺は疲れているんだ。だから空耳が)

長門「ゆっるゆら、らっらっら」

キョン(……絶対空耳じゃねえよな)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:06:05.16 ID:P3gp40NR0

キョン「……長門、一つ聞いてもいいか?」

長門「涼宮ハルヒに関する情報で、あなたに伝えるべきことは今のところは」

キョン「いや、そうじゃないんだ……その、さっきから……その」

長門「?」

キョン「……さっきから、何を歌ってるんだ?」

長門「歌?」

キョン「ほら、さっきから……その、ゆっるゆらとかなんとか」

長門「この歌が気になるの?」

キョン「あ、ああ、長門が歌を歌うなんて珍しいと思ってな」

長門「最近、取得した情報の中で最も興味のあるものを発信している」

キョン「そうか……それはいったい何なんだ?」

長門「ゆるゆり、というアニメ」

キョン「へえ、ゆるゆりっていうのか(……って普通にアニメの話を始めてどうするんだ、俺!?)」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:09:52.63 ID:P3gp40NR0

キョン「そうか、長門がアニメをなあ……」

長門「あなたも、ゆるゆりには詳しいはず。どうして隠そうとしているの?」

キョン「なっ……何を言ってんだ長門!? 俺はアニメなんか……」

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン「ほ、ほう……」

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン(落ち着け……落ち着くんだ、俺……)

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン「だ! い! じけ! ん! ……ハッ!?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:15:01.19 ID:P3gp40NR0

長門「…………」

キョン「……その、これはな」

長門「誰が好き?」

キョン「結衣ちゃんに決まってんだろうが! ……あっ」

長門「興味深い情報を取得した。続けて」

キョン「……長門、確認しておくが俺はアニメには」

長門「よっしゃいくぞー」

キョン「わんつーさんしー! ……しまったああああ!」

長門「無理はしないほうがいい、あなたがどれだけゆるゆりが好きかはすでに把握している」

キョン「……そうか、別に隠しても無駄なんだよな」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:23:12.59 ID:P3gp40NR0

キョン「……長門、どうしてゆるゆりに興味が?」

長門「女性同士の恋愛感情は、人間の構造から考えて無意味のはず」

キョン「そうだな、確かに子供は作れないな。そこが不思議ってことか」

長門「それともう一つ」

キョン「ん?」

長門「赤座あかりは本当に主人公で間違いない?」

キョン「ああ、間違いないぞ。京子ちゃんが主役なわけではないからな」

長門「感謝する。見る度に疑問に思っていた」

キョン「そうか、長門がゆるゆりを……なあ、長門」

長門「?」

キョン「……俺も一緒に歌っていいか?」

長門「構わない。私もそれを望んでいる」

キョン「分かった……よし、いくぞ」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:26:25.27 ID:P3gp40NR0

キョン「ゆっるゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「ゆっるゆっら、らっらっらゆるゆり」

キョン「ゆっるゆら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「だ」

キョン「い!」

長門「じ、け」

ガチャ

古泉「すいません、遅れて……おや? どうかしましたか?」

キョン「よ、よう……古泉、何でもない。何でもないぞ」

キョン(クソッ……邪魔をしやがって、このままじゃ消化不良だ……)

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:32:46.28 ID:P3gp40NR0

古泉「涼宮さんはまだのようですね。……どうしました? 気分がすぐれないのですか?」

キョン「いや……気にしないでくれ」

古泉「そうですか、どうです? 今日は将棋でもやりませんか?」

キョン「……ああ、どうせやることも無いんだ。勝たせてもらうか」

キョン(……長門にはばれても、他のやつには隠し通すしかない)

キョン(朝比奈さんに知られたら幻滅される……ハルヒに知られたら、考えただけでも恐ろしい)

キョン(古泉には……なんか嫌だ。よく分からんが隠したままにしておきたい)

古泉「おや、何か考え事ですか」

キョン「気にするな。ほら、やる 長門「ゆっるゆら、らっらっら、ゆるゆり」

古泉「……長門さん?」

キョン(なっ……長門!?)

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:37:23.41 ID:P3gp40NR0

長門「ゆっるゆら、らっらっら、ゆるゆり」

古泉「珍しいですね、長門さんが歌を歌うなんて」

長門「ゆっるゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン(……耐えろ、今度は耐えるんだ)

長門「? どうして歌わないの?」

キョン「な、何を言ってるんだ長門? 俺はそんな歌なんか……」

長門「そう……」

キョン(……諦めてくれたか?)

長門「ゆっるゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン(……また歌い始めやがった。しかも、こっちに近づいてる……)

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:44:38.66 ID:P3gp40NR0

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン(歌わん……俺は歌う訳には……古泉にばれる訳には)

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン(……そこだけリピートすんじゃない、長門。そこまでして俺に歌わせたいのか!?)

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン(やめろ、やめろ……俺にはクールでニヒルなイメージが!)

長門「だ、い、じけ、ん」

キョン(……よし、耐えた! なんとか耐え 古泉「よっしゃいくぞー! わんつーさんしー!」

キョン「!? こ、古泉!?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:51:50.94 ID:P3gp40NR0

古泉「おや、いけなかったですか、長門さん?」

長門「構わない。続きを」

古泉「ありがとうございます。……いえーい! 結衣せんぱーい!」

長門「おい、こらー」

古泉「ジャンジャジャジャーン! ジャンジャジャジャーン!」

長門「ジャジャジャジャジャジャジャジャ、ダン、ダダンダン」

古泉「てんてこま キョン「ストップ! ストーップ!」

長門「……どうして邪魔をするの?」

古泉「どうかしましたか?このままでは消化不良で……」

キョン「……いや、邪魔をするに決まってんだろうが」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 03:59:03.08 ID:P3gp40NR0

キョン「古泉! 何でその歌をお前が知ってるんだ!?」

古泉「ええと、何か問題でもありますか?」

キョン「大アリだ! ……そんなアニメを見てるなんて、お前のキャラとは違うだろうが」

長門「古泉一樹は、ゆるゆりを私に勧めた張本人」

キョン「……何?」

古泉「ええ、僕が長門さんに地球上の情報を得るのに適切なものを提示してほしいと言われたので」

長門「映像を提供してくれた。言っていなかった?」

キョン「ああ、初耳だな……じゃあ、必死で隠していた俺の努力は……」

古泉「元気を出してください。僕も、あなたとゆるゆりについて話ができれば、と思っていたので」

キョン「……ちなみに古泉、お前はどっちだ?」

古泉「……さくひま、ですね」

キョン「お前とは分かり合えそうだな……よし、歌うぞ!」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:04:31.82 ID:P3gp40NR0

長門「ゆっるゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン「ゆっるゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

古泉「ゆっるゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「だ」

キョン「い!」

古泉「じ、け!」

ガチャ

みくる「ごめんなさ〜い、遅れて……あれ? どうしたんですか?」

古泉「い、いえ、何でもありませんよ」

キョン(朝比奈さん……なんでこんな時に……)

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:12:54.48 ID:P3gp40NR0

朝比奈「? それならいいんですけど……」

キョン「(古泉……朝比奈さんに対してはどうするんだ?)」

古泉「(……隠しておきたい、というのが男子高校生としての正直な気持ちですね)」

キョン「(同感だ。長門にはさっきみたいなことにならないように今の内に)」

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン「(……って言う前に始めやがった!)」

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり

古泉「…………」ウズウズ

キョン(古泉が耐え切れずにリズムを取り出した……頑張れ、古泉!)

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

古泉(か、体が勝手に……)

キョン(駄目だ、古泉……朝比奈さんに知られたら男として……)

朝比奈「あっ、長門さんったら、また歌ってるんですね。ふふっ」

キョン「……えっ?」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:19:48.88 ID:P3gp40NR0

キョン「あ、朝比奈さん、その歌を知ってるんですか?」

朝比奈「はい♪ 長門さんに教えてもらったんですよ、面白いですよね、ゆるゆり」

キョン「長門……本当なのか?」

長門「有益な情報は、共有すべき。いけなかった?」

キョン「……いや、お前がいいと思ったんならそれでいいと思うぞ」

古泉「僕の努力は無駄だったようですね……まあ、趣味を共有できると考えれば喜ぶべきでしょうか」

朝比奈「女の子どうしでああやって色々しているのって、見てるだけで楽しい気持ちになりますよね〜」

キョン(朝比奈さんの純粋な瞳……俺の楽しみ方とは雲泥の差だな)

長門「朝比奈みくるは、杉浦綾乃に興味を抱いている」

朝比奈「な、長門さん!?」

キョン「ほう……」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:27:32.72 ID:P3gp40NR0

古泉「長門さん、詳しくお願いできますか?」

長門「朝比奈みくるは、歳納京子に対して素直になれない杉浦綾乃に注目している」

キョン「朝比奈さん……分かる、分かりますよ!」

朝比奈「そ、そうなんですよ! 素直になれない女の子って可愛くて……」

長門「その興味は、二次創作。いわゆる同人誌というものにまで及んでいる」

朝比奈「な、長門さん! それ以上は!」

長門「それは、高校生が所有することは禁止されて 朝比奈「す、ストーップ!!」

古泉「これはこれは……」

朝比奈「うう……長門さん、ひどいです……」

キョン「……朝比奈さん」

朝比奈「ち、違うの! これは、その……」

キョン「今度その本、貸してください! 絶対に汚しませんから大丈夫です! お願いします!」

朝比奈「そ、そんな必死にならなくても……」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:34:19.17 ID:P3gp40NR0

キョン「……まあ、色々あったが、これで完璧だな」

朝比奈「えっ? 何がですか?」

キョン「決まってるじゃないですか……歌うんですよ!」

朝比奈「う、歌う……?」

キョン「行くぞ、長門! 古泉! SOS団もとい、ごらく部のスタートだ!」

古泉「ええ、やりましょう!」

長門「ミュージック、スタート」

ジャラララジャラララジャラララジャラララ

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:37:26.18 ID:P3gp40NR0

古泉「ゆっりゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン「ゆっりゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「だ」 朝比奈「……い?」 古泉「じ、け!」 キョン「ん!」

キョン(来た……ついにこの時が来たんだ!)

古泉「よっしゃいくぞー! わんつーさんしー!」

キョン「いえーい! 結衣せんぱーい!」

長門「おい、こらー」

古泉「ジャンジャジャジャーン! ジャンジャジャジャーン!」

長門「ジャジャジャジャジャジャジャジャ、ダン、ダダンダン」

キョン「てんてこ

ハルヒ「ごめーん! みんな揃ってるー? ……ん?」

キョン(クソッ……クソッ! もう少しだったのに……!)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:43:03.03 ID:P3gp40NR0

ハルヒ「……何よ、なんか変な空気ね」

キョン(お前のせいだよ! ……はあ、もう今日は無理だな)

古泉「涼宮さん、今日は遅かったですね?」

ハルヒ「ちょっとね、谷口と国木田がバカみたいな会話してたのよ」

キョン「谷口と国木田が? まあ、どうせくだらないことなんだろうな」

ハルヒ「そうなのよ、アニメの話しててね。そんなののどこが面白いの? って言ってやったのよ」

古泉「そ、そうですか……ちなみに、アニメの名前はなんというのですか?」

ハルヒ「えっと、確か……ゆるゆら? ゆらゆら? ゆるゆる……そんな感じの」

長門「ゆるゆり?」

ハルヒ「そう! それよ、それ。ちょっと聞いたけど、何も得られ無さそうな内容みたいね」

キョン「……何?」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:48:28.35 ID:P3gp40NR0

ハルヒ「女同士でいちゃついて、何が楽しいのかしら? 分かんないもんよねー」

キョン(……コイツ、黙って聞いてれば好き放題言いやがって!)

古泉「(抑えてください……どうか、心を落ち着かせて)」

朝比奈「そ、そうなんですか〜……」

ハルヒ「あんた達もそう思うでしょ? くっだらないアニメなんて ドンッ!

朝比奈「ひ、ひいっ!?」

ハルヒ「えっ……? ちょっと、キョン!」

キョン「お、俺じゃないぞ! 今のは……長門が本を床に叩き付けた音だ」

ハルヒ「そ、そんなことがあるわけないでしょ!?」

長門「今のは私。私が怒りを表すためにとった行動」

古泉「な、長門さん!?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 04:55:15.80 ID:P3gp40NR0

朝比奈「な、長門さんがここまで感情を露わにするなんて……」

ハルヒ「……珍しいわね、言いたいことがあるならちゃんと言いなさい!」

長門「あなたの言ったことはすべて間違っている。ゆるゆりは、素晴らしい作品」

ハルヒ「へえ、言い切るなんて相当自信があるみたいね。いいわ、あたしに説明してみせなさい」

キョン「……長門、本気なのか?」

長門「私という個体は、涼宮ハルヒの考え方に賛同できない。そしてそれを改めさせたい」

長門「でも、最終的にあなたに迷惑がかかる可能性が高い」

古泉「……ほぼ、間違いなく、そうなるでしょう」

長門「だから、最終的な判断はあなたに任せる」

キョン「長門……」

長門「許可を」

キョン「……よし、やっちまえ。俺のことは気にするな」

67 名前:ゆるゆり 魅力でググった[] 投稿日:2012/04/05(木) 05:10:14.94 ID:P3gp40NR0

ハルヒ「なに二人で話してるのよ! あたしに教えるんじゃなかったの!?」

長門「今から開始する。まず、私もまだゆるゆりの全てを知った訳では無い」

長門「ゆるゆりは女子中学生の日常を描いた作品、その内容は確かに一見、何も得られないかもしれない」

ハルヒ「ほら、あたしの言った通りじゃない! 長門「話しは最後まで聞くもの」

ハルヒ「……いいわ、続けて」

長門「例えば、歳納京子。彼女は自由に生きているようにも見える。
    でも、彼女は周りの人間を本当に大切にしている。そして持ち前の明るさ、彼女は魅力であふれている」

長門「そう、彼女は優しい女の子。それは彼女だけではない、赤座あかり、船見結衣、ちなっちゃんも暖かい人間」

長門「女子同士のやりとりを異世界の男性は楽しみ、女性は在りし日の自分を思い出すかもしれない」

長門「また、リラックスして見ることができるというのも重要なポイント。現代人は難しいことを考えがち、
    それに逆行するような姿勢がこの作品にはみられる。それは賛否両論別れるところでもある」

長門「――つまり、ゆるゆりは疲れを与えない。それどころか笑顔にする」

長門「例を挙げるなら、アッカリーンの扱い、池田千歳の妄想、素直に慣れない杉浦綾乃等の、魅力的な登場人物」

長門「その人物たちの距離感、愛らしさ、それを意味のないものとは私は思わない」

キョン「長門……お前、そこまで」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 05:16:19.96 ID:P3gp40NR0

長門「言いたいことは全て言った、あなたも素直になるべき」

キョン「ん? 素直に……? おい、どういうことだ?」

古泉「それは、涼宮さん本人に聞くべきかもしれませんね」

キョン「何……? ハルヒ、お前……」

ハルヒ「……あたしだって、あたしだってそれくらい分かってるわよ!」

キョン「は、ハルヒ……?」

ハルヒ「あかりちゃんも、京子ちゃんも、結衣ちゃんもみんな可愛い!」

長門「ちなっちゃんは?」

ハルヒ「こんな友達、いたらいいなあ……って見る度に思うの! 羨ましかった!」

キョン「ハルヒ……」

ハルヒ「……中学の時、あんな感じで過ごせたらって。でも、あたしには無理だったから」

ハルヒ「……おかしいでしょ? 普通を嫌うあたしが、ただの日常が続く漫画が好きなんて……」

古泉「……そんな自分を、表には出したくなかったんですね」

朝比奈「涼宮さん……」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 05:22:08.33 ID:P3gp40NR0

ハルヒ「……何よ、笑えばいいでしょ!? 嘘ついてまで、自分のつまんない意地はって……」

長門「でも、今は違う」

ハルヒ「……えっ?」

長門「あなたは、全てを打ち明けた。自らの葛藤、そしてゆるゆりへの愛、それを感じた」

キョン「長門……」

長門「涼宮ハルヒ、あなたはもう以前のあなたではない」

ハルヒ「以前の、あたしじゃない……?」

長門「あなたは今、娯楽部の一員になった」

ハルヒ「あたしが……娯楽部の一員……」

キョン「……長門の言う通りだな。立てよ、ハルヒ」

古泉「ええ、一緒に歌いましょう、涼宮さん」

ハルヒ「あたしも、歌っていいの……?」

朝比奈「もちろんです♪ 長門さん、お願いします」

長門「分かった」

ジャラララジャラララジャラララジャラララ

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/05(木) 05:29:37.14 ID:P3gp40NR0

古泉「ゆっりゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「ゆっりゆら、らっらっら、ゆるゆり」

キョン「ゆっりゆっら! らっらっら! ゆるゆり!」

長門「だ」 朝比奈「い!」 古泉「じ!」 キョン「け!」

ハルヒ「……ん!」

ハルヒ「よっしゃいくぞー! わんつーさんしー!」

キョン「いえーい! 結衣せんぱーい!」

長門「おい、こらー」

古泉「ジャンジャジャジャーン! ジャンジャジャジャーン!」

長門「ジャジャジャジャジャジャジャジャ、ダン、ダダン」 朝比奈「ダン!」

キョン「てんてこまいのきょうあーす! だいばくはーつ!」

ハルヒ「そんでしんちょうのびないやああどうしよう!」


SOS団、改め娯楽部には高らかに五人の歌が響き渡っていた。
これ以上はJASRACがうんたらかんたらで表せないが、ハルヒの笑顔はこれ以上ないくらい明るかった。

おわれ



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