藤木「永沢くん、明日は卒業式だね…」永沢「うん」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 12:44:32.52 ID:CYX87ln00

藤木「6年間って長く思えたけど案外短かったよね」

永沢「そうだね、特に6年は時の流れを早く感じたよ」

藤木「この学校ともお別れかぁ…」

永沢「まさか卒業式で泣くつもりかい?」

藤木(ここで泣くって言ったらまたバカにされそうだな…)

藤木「泣かないよ」

永沢「卒業式で泣かないなんてよっぽどこの学校に思い出が無かったんだろうな」

藤木(ど…どっちなんだよ…)

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 12:49:31.03 ID:CYX87ln00

戸川先生「明日は卒業式なのでいつもより早めにこの教室で待機しておいてください」

浜崎「はーーーい!」

ブー太郎「明日で卒業なんて信じられないブー」

浜崎「俺だって信じられねぇし、まだ卒業なんてしたくねぇよ!」

まる子「たまちゃんとこうして話すのも明日が最後かねぇ〜」

たまえ「やだまるちゃん…私達いつでも会えるよね?」

まる子「けどさぁ、中学はたまちゃんとは別だしねぇ」

たまえ「うん、私立の中学校に受験しちゃったからね」

まる子「でも…中学は別々になってもずっと友達同士だよね…?」

たまえ「当たり前だよまるちゃん!」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 12:51:52.28 ID:CYX87ln00

キートン「放課後」

みぎわ「花輪ぐぅーーん!一緒に写真撮りましょうよぉ」

花輪「お…おーけぇ…ベイビー…」

パシャッ

まる子「明日で最後だからみんな写真撮ってるんだねぇ」

たまえ「まるちゃん!私達も撮ろうよ!」

まる子「うん!」

パシャッ

藤木(皆、写真撮ってていいなぁ)

藤木(僕は笹山さんと撮ろうかな)

笹山「藤木くん!」

藤木「あ…笹山さん」

笹山の手にはデジカメが持たれていた

瞬時に藤木は自分と一緒に写真を撮るのだうと判断した

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 12:54:03.34 ID:CYX87ln00

藤木(ふふふっ)

笹山「写真撮ってくれるかしら?」

藤木「いいよ!!もちろんだよ!」

笹山「じゃあ、ここのボタンを押してね」

スッ

藤木「え…」

まる子「笹山さーん!早く早く!」

笹山「うんっ!」

藤木(なんだ…さくら達と一緒に撮るのか…)

キートン「ただの勘違いである」

藤木「じゃ、じゃあ撮るよ」

まる子「早く早くーっ!」

藤木「はい…チーズ」

パシャッ



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 12:56:41.57 ID:CYX87ln00

藤木(カメラマンとして笹山さんの役に立てたかな?)

その後、しばらく教室で待機しているが

クラスメイトから声をかけられることはなかった

藤木(帰ろう)

永沢「藤木くん」

藤木「…」ビクッ

永沢「一緒に帰ろう」

藤木「え…?」

永沢「こうして、一緒に帰るのも明日で最後かもしれないからね」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:00:13.31 ID:CYX87ln00

藤木と永沢は2人で教室を出た

浜崎「よーし!それじゃ明日は卒業式の後に皆で打ち上げ行こうぜー!」

ブー太郎「ナイスアイディアだブー!」

花輪「明日で最後だし盛大にしようじゃないかベイビー」

大野「なんかワクワクしてきたな」

杉山「ああ、なんたって明日が最後なんだしな」

まる子「打ち上げかぁ〜」

たまえ「まるちゃん、どうするの?」

まる子「もちろん行くよ!」

浜崎「そんじゃ、行くメンバーは黒板に名前書いていくからなぁ!」

ブー太郎「あれ?藤木と永沢がいないブー」

浜崎「あいつ等は不参加ってことでいいんじゃねーか?」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:05:09.64 ID:CYX87ln00

―帰り道―

永沢「…」

藤木「…」

スタスタ

なぜか今日は夕日が不気味な程綺麗であった

僕は前を歩く永沢くんの背中をジッと見つめていた

いつもどんな風に永沢くんと帰っていただろう?

どんな会話をしながら帰っていたんだ?

そう考えると、僕はまだまだ永沢くんと会話がしたいと思った

いつも僕を卑怯者呼ばわりして内心うざいと思ったこともあったけど

やっぱり最後となると愛おしく感じてしまう……

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:09:34.35 ID:CYX87ln00

永沢「…」

ピタッ

永沢くんがピタリと足を止めた

永沢「どうしたんだい?さっきから僕の後ろに立って」

藤木「明日で最後なんだよね」

永沢「さっき学校で散々言ってたじゃないか」

永沢「明日で最後、いい加減現実を受け止めろよ藤木くん」

藤木「でも…僕はやっぱり卒業したくないや……」

永沢「……」

藤木「僕…僕不安なんだよ…!中学校で新しい友達が出来るかとか…そんな事ばっかり思って…!」

永沢「それは誰しもが持つ気持ちだよ」

永沢「卒業する時には希望と小さな不安を抱いて卒業するものなんだ」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:14:57.83 ID:CYX87ln00

永沢「この6年間、君はなにをしてきたんだい」

藤木「そ、それは…勉強とか友達と遊んだりしてたよ…」

永沢「そうだろ?」

永沢「明日の卒業式はその6年間の集大成と言ってもいいんだ」

永沢「成長した姿を親に見せないつもりかい?」

藤木「…」

永沢「卒業してこそ、今までの6年間頑張った分自分に返ってくるんだよ」

永沢「だから卒業式で泣いたりする奴もいるんだ」

藤木「なるほど…」

永沢「じゃあ、明日はまた同じ時間に」

スタスタ

藤木「永沢…くん……」

今日の永沢くんはなんだか大人に見えてしまった



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:18:48.75 ID:CYX87ln00

藤木「…明日で卒業かぁ…」

藤木「僕はまだ受け入れられないよ永沢くん…」

佐々木「おい、たかし」

関口「明日はいよいよ卒業式だよなぁ」にやにや

たかし「佐々木くん…関口くん…」

藤木(あ…たかしくんだ)

佐々木「俺達卒業しても同じ中学校だもんなぁ」

関口「中学に行っても可愛がってやるよ!」

ドスッ!

たかし「ぐぇっ…!」

佐々木「へへっ、明日で卒業だし今日は思いっきりボコボコにしようぜ!」

ドスッドスッ!

たかし「うああああああ!」

関口「うあああじゃねぇよ!大人しくしてろ!」

藤木(ど…どうしようかな…)

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:22:24.59 ID:CYX87ln00

―1時間後―
関口「へっ、今日はこの辺にしといてやるよ」

佐々木「ぷっ…ランドセルぐちゃぐちゃじゃねーか」

関口「アハハハハハ!!」

スタスタ

たかし「…ひっく…ひっく」

藤木「や、止めろ!」

藤木「あ…2人共帰っちゃったか…」

たかし「…藤木くん…?」

藤木「たまたま、通りかかっただけだよ…大丈夫?」

たかし「うん…」

藤木「明日、卒業式なのにひどいや」

たかし「卒業しても…僕は関口くんと佐々木くんにいじめられるんだ」

藤木「え?」

たかし「中学校も一緒なんだ……」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:27:04.44 ID:CYX87ln00

たかし「僕、6年間いじめに耐え続けてきたんだ」

藤木(すごい…6年間も耐え続けるなんて…)

たかし「明日で最後と思ったのに…まだまだ続きそうなんだ…」

たかし「卒業式なんて…卒業式なんて全然おめでたくないよ…!!」

藤木「たかしくん…」

藤木(こういう人間もいるってことを僕は改めて知った)

たかし「…ありがとう、藤木くん」

たかし「僕、もう帰るね」

スタスタ

藤木「あっ…」

藤木「残念だけど、今の僕じゃたかしくんを救ってあげることなんて出来ないや…」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:30:52.04 ID:CYX87ln00

―カラオケ―

まる子「きーみがーぁー」

たまえ「よーはぁー」

笹山「千代ーーにぃぃ八千代ーにぃ」

キートン「カラオケ君が代を熱唱しているのであった」

まる子「これで、明日の国歌斉唱はバッチリだねぇ」

コンコン

店員「失礼します」

たまえ「え?まるちゃんなにか頼んだの?」

まる子「お酒とポップコーンだよ」

たまえ「え!?」

まる子(明日で卒業なんだし、ちょっとぐらいハメ外してもいいじゃんか)

たまえ「でも……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:34:25.93 ID:CYX87ln00

関口「イェーーーイ!!」

ぶろろろろろん

佐々木「やっぱ無免でバイク運転するのは最高だぜぇ!」

関口「明日で卒業だしハメ外しても怖くねぇーぜ!」

ぶろろろろろん


浜崎「…スパァ」

ブー太郎「ゴホッゴホッ…」

浜崎「タバコってやっぱり美味しくねーな」

ブー太郎「喉になにか引っかかったブー…!」

浜崎「ちょっとハメ外し過ぎかなぁ?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:52:42.37 ID:CYX87ln00

藤木「…」

永沢「藤木くん」

藤木「え、永沢くん?」

永沢「…ちょっといいかい?」

藤木「どうしたの?」

ピラッ

永沢「この紙が僕の家のポストに入ってたんだ」

藤木「え」

「今夜 お前の 家を 燃やす 藤木より」

藤木「!!!!」

永沢「ど、どういう事だい藤木くん?」

永沢「卒業前に僕の家を燃やしてパーティでもしようって言うのかい?」

藤木「ち…違うよ…僕はこんなの書いてないよ!」

永沢「言い訳をするのは君の十八番だからな…!」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 13:57:08.80 ID:CYX87ln00

ガッ

永沢は藤木に掴みかかった

永沢「君が…君がここまで卑怯な人間とは思わなかったよ…!」

藤木「だ、だから僕じゃないんだよ…!」

永沢「言い訳は止めろ!」

ドスッ

藤木「ぐぇっ…」

永沢「今夜僕の家を燃やすなら燃やしにこいよ…!」

永沢「僕は受けて立つさ…!」

藤木「…ち、違う…違うよ……」

永沢「藤木くんのこと…僕は…親友だと思ってたのに…」

タッタッタ

藤木「え……」

キートン「唯一の親友を失った藤木であった」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 14:02:10.71 ID:CYX87ln00

藤木「……」

「僕は…親友だと思ってたのに……」

永沢くんのあの言葉、まるで毒のように僕の体内を駆け巡る

彼の事で頭がいっぱいであった

藤木「…永沢くん……」

ピンポーン

藤木「はい?」

ガチャッ

関口「おい、藤木」

佐々木「ちょっとツラ貸せよ」

藤木「せ、関口くん…?佐々木くん?」

佐々木「お前俺等が無免で運転してんのサツにチクっただろ?」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 14:06:26.95 ID:CYX87ln00

藤木「な、なんのこと…?」

関口「とぼけんじゃねーよ!ちょっと来いよ!」

グイッ

藤木「あっ」

佐々木「卒業阻止するつもりかよ?あぁん!?」

ドスッ

藤木「っぁあ!」

関口「サツの奴が俺達のクラスの藤木って奴に話を聞いたって言ってたんだよ!」

藤木「え…!?」

佐々木「どう考えてもお前がチクったとしか思えねーだろ!」

ドスッ

藤木「ッ…」

佐々木「おらおら、これだけで済むと思うなよ…!」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/02(金) 14:12:39.87 ID:CYX87ln00

―2時間後―
佐々木「チッ、これぐらいで勘弁しといてやるよ」

藤木「うぅっ……」

藤木「痛いよ…痛いよぉ」

スタッ

浜崎「おい、藤木」

ブー太郎「ちょっとツラ貸せブー」

藤木「え…」

浜崎「お前が俺の家のポストにこの紙入れたんだろ!?」

「浜崎くんとブー太郎くんはタバコ吸ってます 藤木より」

藤木「!?」

ブー太郎「お陰で親にバレて怒られたブー!」

浜崎「お前がまさかチクリだっとは思わなかったぜ」

ドスッ!!

藤木「っぁ…!!!」

藤木(どうして…どうして僕が…!!)



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