涼宮ハルヒの殺害


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:19:16.35 ID:iBjOR6zj0

涼宮ハルヒという我らが団長であり、絶対権力者であり独裁者でもある存在を
始末すると言う結論に陥ったのはいつのころだろうか
ハルヒの要求が日増しに進んで行き、俺らがどう努力しても解決出来なかった日だろうか
ハルヒが時空を改変し、俺らがどうしようもなくなったときだろうか
それともハルヒが誰かに殺意を抱き、それが実行されそうになりつつあったときだろうか
理由はよく覚えていないが、しでかしたことは今でもくっきり鮮やかに俺の
脳内に残っている
俺らがハルヒを殺したと言うことを


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:21:34.97 ID:iBjOR6zj0

果たしてあのこの世の「神」とまで言って差し支えが無いほど、能力を持ったやつを
俺らが殺せるかと想像したら計画は頓挫しそうだったが、
意外にもあっさりとハルヒは死んだ
ハルヒがまたも無計画にまだ長期休みでも無いのにキャンプに行こうと
みんなに提案し、皆しぶしぶと嫌々ながらも着いて行った先で彼女を背後から撲殺したのだった
「彼女はやはり神ではなくただの人間だったのでしょう」
穴を一緒に埋めていた古泉が、そう言ったのを今でも覚えている


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:30:02.87 ID:iBjOR6zj0

今までハルヒという異能の持ち主に対して、心の底では畏怖するものがあり
だからこそハルヒの殺害という行為に対して罪悪感というものを感じないですんだが
ハルヒがただの人だったと思うと、俺の自分のした行為に対して激しく嫌悪の念を抱いたが、
長門のこの一言で少しは救われた気分になった
「大丈夫。あなたのおかげで朝比奈みくるは助かった」
そう。ハルヒは朝比奈みくるに対して、なぜか(まあうすうすは分かっていたが)
敵意を持っており、彼女に不幸がたびたび起きて、彼女を守るために俺らは突発的で
非倫理的でありながらもこのような行為を遂行したのだ
つまり、これは正当防衛であった。というのが俺らの出した結論だった

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:34:48.46 ID:iBjOR6zj0


「機関のものが後は工作しておきます。みなさんは何もお気になさらないで下さい」

いつもと変わらぬ古泉の笑顔に少し安堵したが、このような状況にも変わらない笑顔を
俺らに提供出来るこいつは実にサービス精神あふれるやつだと思ったけれど、そのときはは皮肉る
余裕もなく「ああ、すまない」とだけ言って俺と朝比奈さんと長門は宿に帰った
機関というものはハルヒのおかげで設立していたのではないだろうかと俺に疑問が浮かんだが、
恐らく機関の方針が変わったのだろう。あまり深いことは追求しないことにした

「涼宮ハルヒの観測対象の方針が変わった」

と長門がぽつりと俺に言ったが、古泉も似たような理由かもしれない
しかし別に殺さなくても良いような気がしたが、最初に提案したのは古泉だったことを
考えるとあいつにも色々事情があるのかもしれない


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:36:57.70 ID:iBjOR6zj0

その晩に宿に戻り、皆で話しあった結果こう決まった

この日ハルヒに起こったことは誰にも言わない

SOS団はこの日で活動を中止する(ただし部室は存続する)

そして、一年後ここにもう一度戻ってくる

この三つであった
最後のもう一度ここにくる理由とやら犯罪者は現場に戻る心理があるからだろうか
よく分からないが、ハルヒが生き返るかもしれないという不安があるかもしれない
だが、俺はこの日で部活動が終わったことに対して少しだけ寂しさを感じており
あまり三つ目の理由とやらを深く考えないままSOS団の解散を副部長の口から聞いた




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:39:06.69 ID:iBjOR6zj0

ハルヒがいなくなって、誰も騒がないのかと少しばかり俺は不安に思ったが
古泉か長門のおかげかは分からないが、皆ハルヒがいなくなったことに対して
何も疑問を持たず、むしろ俺の方がハルヒのことを周りのやつに思わず尋ねそうになって
冷や汗をかいたくらいだ
部活の方も、もともと古泉も朝比奈さんも任務でやっていたからだろうか、この日から
まったくと言っていいほど部室に来なくなり、相変わらず部室で読書をしていた長門を除いて
がらんとしたものになってしまった
もともと無口な方だったが、この事件以来長門はあまりしゃべらなくなったため、俺も自然と部室に
行くのを敬遠するようになり、いつしか俺もほとんど部室に足を向けることはなくなってしまった
相変わらず俺は谷口や国木田と絡んでいたため、特に寂しいという感情を浮かべることはなく
時間が流れていった

そして、この日から月日が流れ、ハルヒを殺してからちょうど一年が経ち、
俺らは再びここに戻った

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 15:55:03.40 ID:iBjOR6zj0

「お久し振りですね」

「キョン君久しぶりです」

古泉と朝比奈さんだ。学校ではたまに顔をみかけていたが
確かにこうやって学校の外で会うのは久しぶりかもしれない

「お前ら元気だったのか」

元気に決まってるだろうに、こう思わず聞いてしまったのはどこか
彼らによそよそしいものを感じたからかもしれない

「ええ、おかげさまで」

古泉の笑顔は一年前にハルヒを埋めた時、俺に見せたものと同じものだった

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 16:15:48.33 ID:iBjOR6zj0

「ところで何で俺らはまた集まったわけなんだ?」

一年前は気が動転して聞けなかったことだ
学校で会って聞こうかと思ったが、なかなか機会がなかった

「まあ後で話すので待って下さい」

笑顔が顔に張り付いた表情で俺に答える古泉
いつもこいつは奥底で何を考えているのかが分からない

「とりあえず宿を取ったのでそこでお話しましょう」

ぞろぞろと古泉の後を着いて行く俺たち。かつての活動を思い出した
まあここに一番大事な人物がいないわけだが
ふと横を見ると長門が俺の顔を見ている

「どうしたんだ長門?」

「……」

長門は何も答えなかった

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 16:36:57.76 ID:iBjOR6zj0

宿泊先はコテージと言うやつなんだろうか。
まあ俺にはよく分からんが都会に住んでいる物好きが好んで来そうな宿だった

「知り合いが……おっと機関の手配した宿でしてね」

今までの癖なんだろうか分からないが、古泉は途中で言い直した

「中は広いんですね」

朝比奈さんがキョロキョロと周りを見渡す
俺らだけにはもったいないほどの広さだろう

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 16:48:51.77 ID:iBjOR6zj0

「ええ、防犯は完備しておりますので外部からの侵入はありません」

一見木造の古風にも見える室内だが、どうやら最新の設備が整っているらしい
俺らは荷物を部屋に移しだし、その後で夕飯を食べることにした

「料理は誰が作るんだ?」

「ふふ、貯蔵庫がありますので大丈夫です。肉やパンや果物が大量にそろっております
上等なワインもありますよ。いりますか?」

「いや、いい」

せっかくだが古泉の提案を断った

なるほど、古泉の言ったとおりだった。夕飯は豪勢なもので俺らが食べきれないほど
あった。
皆、舌包みを打ちながら食べているときに、古泉が言葉を発した。

涼宮ハルヒはもしかしたら生きているかもしれない

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 18:01:04.41 ID:iBjOR6zj0

そう古泉は言った

「どういうことなんだ?」

俺以外は皆静かであった
恐らくだが事前にある程度聞いていたのであろう。
未来人でも超能力者でも宇宙人でもない俺が、蚊帳の外にあるのはしょうがない
話かもしれない。
だが、なぜか少し苛立を感じた

「機関においては涼宮ハルヒの死亡は確認されました」

古泉が先程ナイフとフォークを皿に置きながら話す

「情報統合思念体からも涼宮ハルヒという個体の生存情報は消失した」

長門は何だろう、もうデザートに入ったのだろうか。無駄に大きいケーキを
食べながら答える

「えっと…禁則事項ですが、私も長門さんと古泉くんと同じ情報を得ました」

朝比奈さんは居心地が悪そうに座りながら答えた

「じゃあ何でハルヒは生きていると?」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 18:15:50.47 ID:iBjOR6zj0

「これを見てください」

古泉が差し出したのは何だこれは?
可愛らしいノートに色々と文字が書いてある

「これは涼宮さんの日記ですね」

内容は部活のことだの日常のことだの色々と書いていた
あいつも意外と女らしいところがあったんだなと思うと、少し胸の動悸が
早くなってくるのが分かった

「それで……これがどうしたんだ」

「この、つまり去年に僕たちがここに来たときに日記は終わっているわけです」

当たり前だ。俺たちがその日記の持主を殺したのだから

「つまりどういうことなんだよ」

古泉は黙って該当する場所に指をさした

内容は……今日は楽しかった、一年後またここに来たいと……

「え?一年後……ということは」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 19:10:21.74 ID:iBjOR6zj0

「分かりますか……?つまり今日のことなんです」

古泉が俺をじっと見てくる。真顔だった

「馬鹿な!!いや、だって俺らがハルヒを!?」

使っていたフォークを置いて、俺は叫ぶ

「確かに涼宮さんは死にましたけど……この日記が書かれたいたときは…まだ
涼宮さんが生きていた」

朝比奈さんがこちらを見ながら答える

いや…理屈で言えばそれが正しい…馬鹿な。だってハルヒは実際に俺たちが…
脳裏にハルヒが血を流し悲鳴をあげながら俺達を見つめる姿が……

「キリストは復活した」

長門がぽつりとそう言った

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 19:32:19.44 ID:iBjOR6zj0

「キリストは復活したって……あれはただの物語だろ」

確かに聖書でそのような場所があるのは知っていたが、にわかには信じられない

「まあ僕も信じてはおりませんが、一応念のため確認ですよ」

ぐいっとぶどうジュースを飲んで古泉が一息をつく

「明日、もう一度涼宮さんを埋めた場所に行って確認をします」

「何で俺たちが行くんだ?別に誰か他のやつが行ってもいいんじゃないのか?」

俺は聞いた。
ハルヒが生きていようが、生きていまいがもう一度墓荒しをするということが
嫌だったからだ

「まず以前僕たちが彼女を埋めたところは、地図で他の人達に表すのは困難でした」

「だから私がついてきた」

長門が答える。なるほど長門なら確かにいついかなる場合でも記憶に刻んでいるはずだ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 19:38:32.03 ID:iBjOR6zj0

「そして、今回の件は我々機関の間でもトップシークレットでしてね
他の人をここによこして話を広げたくない。これは朝比奈さんも同じ意見です」

古泉は指をこっそり口の前に立てる
なるほど良くは知らないが、こいつらの組織にも色々あるのだろう
朝比奈さんも無言でうなずく

「なにより僕たちは共犯者じゃないですか」

そう笑って言う古泉の笑顔に少し俺は驚いた
今までの作り笑いではなく、心底笑いたくて出たものだからだろう
思わず目をそらす

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 21:59:00.72 ID:iBjOR6zj0

「それじゃあ皆さん明日にでも確認しに行きましょうか」

楽しいと言うには程遠い食事会を終え、古泉が締めくくった
料理は上手かったが、どんな味だったかよく覚えていない
ハルヒがいたらこの後、色々とイベントがあっただろうが、明日のせいか
それとも一年もたった間に疎遠になったせいか、俺たちはあまり言葉を交わさなかった
食堂をでる際に長門が、俺に何かを言う

「え?」

聞き返したが、ぷいっとそのまま出て行った
俺の耳が確かならば、あいつはこれからとんでもないことになる
ということを知っていたのだろうか……

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 22:42:44.58 ID:iBjOR6zj0

いつの間にか外は雨が降ってきたのだろうか。
雷雨が響きわたっていた

部屋は全員が別々になった。
俺と古泉は同じ方向だから、途中まで一緒に行くことにした
朝比奈さんが「おやすみなさい」と挨拶をして部屋に行くのを見送って、俺らも
部屋に行く。

「さっき長門がキリストの復活とか言っていたんだが……」

無言で歩いていた古泉に聞いてみた

「ふふ、宇宙人の癖に彼女は妙にロマンチックなことを言いますよね」

「だが、こうやって確認をしにいくんだろう俺たちは」

「我々機関が調べたいのは彼女の能力が死後にも発動するか、そしてもし発動するなら
どのような影響を及ぼすかです」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 23:14:18.91 ID:iBjOR6zj0

ここで古泉は一息つく

「ですが、神は死にました」

そう嬉しそうに言う古泉になんと返せばいいか困ったが、とりあえず頷いておいた

部屋に着く。

「じゃあ俺はもう寝るよ」

「先程彼女が言ったじゃないですか」

部屋の前で古泉が言う

「ならば我々はユダになるわけでしょうかね?」

雷の光とともにそう笑った古泉の笑顔が最後に見たものだとはこの時は
まだ知る由もなかった

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 16:20:19.44 ID:AEwyIGfh0

翌朝、雨はまだやまなかったようだ。ひどい土砂降りだ
俺は準備をして古泉が指定した時間に食堂へと向かう
そこには朝比奈さんと長門しかいなかった

「あれ?古泉はどうしたんですかね?」

俺は朝比奈さんに聞いた

「分からないです…携帯に連絡もしたんですがつながりません」

「長門は知っているか?」

椅子に座っている長門に聞いた。長門はこっちを見て答えた

「分からない」

長門が分からないことなんて珍しいなと思いつつ、俺達は古泉の部屋に向かった

「古泉いるか?」

部屋を激しく叩く。

「鍵は開いてるのか……じゃあ開けてみよう。入るぞ古泉」
悪いとは思いつつ、いないあいつが悪いと言うことにして開けた


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/17(木) 16:57:11.35 ID:AEwyIGfh0

女性陣に入られてはあいつも色々困るだろうと、俺だけが中に入った・
入った瞬間独特な臭いが鼻をつく。
嫌な予感がした……と思ったら
古泉がイスの上に笑って座っていた
だけど妙に座高が低い、まるでイスの上に首が生えたようになっている
一瞬何かの手品でもしているのかと思ったが、手品には種も仕掛けもある
近くに胴体が落ちていて、なるほどこういう手品があるのかと一瞬思ったが、
いや、普通はそんなことはありえない
座っているのはそう、首だけだったのだ

「う、うわあああああああああああ!!!」

「ど、どうしました!?」

「は、入っちゃダメです!!絶対に!」

朝比奈さんが入ろうとするのを制止した

「首の切断は鋭利な刃物で切り落とされた模様……」

「な、長門!?」

いつの間にか長門が俺の横に立っており、冷たい目で古泉を観察していた
まるで長門のその瞳は無機物を眺めるもので俺はそれが少し怖くて

81 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/17(木) 21:40:20.71 ID:AEwyIGfh0

「朝比奈さん落ち着いて下さい!」

叫びだす朝比奈さんに言葉を投げるが、効果は薄いようだ

「きっと、きっと涼宮さんの力はまだ残っていて……それで古泉君が殺されたのよ!」

昨日、ハルヒが見た日記には一年後のことが書いてあった……
そして今日がハルヒの言っていた日、確かに計算は合う

「いや、そんなことは……そ、そうだ」

思い出す。今回ここに来た理由は確か

「ハルヒが生きているか生きてないかを調べに来たんでしょう。なら今日調べに行きましょう」

古泉を殺したのは誰であれ、当初の目的はハルヒの遺体を確かめにきたはずだ
ならばさっさとそれを確認して帰れば問題はない。
古泉のことは後で機関にでも連絡しておけば調べてくれるだろう。
長門もいるが俺たちだけでは心細い
ならば一刻も早くこの場から離れる方が良い。そう俺は結論を出した

「それは推奨しない」

そんな俺に対して長門は反対を述べた

84 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/17(木) 23:00:49.57 ID:AEwyIGfh0

「何でだ長門?」

朝比奈さんが言ってたようにハルヒがいようといまいと、ここにいることは
得策じゃないはずだ
一刻も早く出た方が良い

「理由は二つ」

ゆっくりと俺たちにピースのマークを向ける

「一つは計画を立てた古泉一樹が死亡した」

確かに今回の計画の立案者である古泉が死んだから、正直気は進まない
あいつの思惑がどのようなものであれ、あいつが今回のリーダーなわけだ

「そして、もう一つ。こっちが大事」

そう言うと長門はゆっくり外の窓を指差す

「この雷雨の中では、災害が起きてそれに巻き込まれる不安がある」

外は未だにというか先程よりも雨足が強くなっている。
確かにリーダーの古泉がいないまま外に出ても、いい結果を得れるとは
思えない

「じゃあ俺たちはどうしたらいいんだ長門?」

67 名前:63[] 投稿日:2010/06/17(木) 18:14:19.98 ID:UgHubIqR0

「死亡推定時刻は昨日の晩」

長門は古泉の首を見つめる

「争った形跡はなく胸に一突きで刺されて死亡。その後に首の切断をされたと
思われる」

何でお前はそんな冷静なんだよ。と思ったがよく考えたら長門は
もとからこういうやつだった

「こ……古泉君……」

朝比奈さんもいつの間にか中に入ってきたようだ

「朝比奈さん見ちゃだめです!」

古泉を隠そうとしたが朝比奈さんの目にもうこの惨劇とでも言うべき状況が
入ったようだ
無言のまま彼女はどさりと倒れた
介抱のため近づいたとき、古泉の目から血が一筋垂れて
これから起こるであろう惨劇に悲しんでるように俺は見えた

71 名前:63[] 投稿日:2010/06/17(木) 18:41:32.11 ID:UgHubIqR0

雨はますます強くなり、一向にやむ気配がなさそうだ
雷が鳴り響く
俺と長門と朝比奈さんがさっき集まった食堂にもう一度集まった
朝比奈さんは気分が悪そうで衰弱している
当り前だろう。俺だってあんなものを見て気分を正常に保てる自信がない
気の弱い朝比奈さんならなおさらそうだろう

「古泉を殺した犯人は誰なんだ?」

俺は朝比奈さんのためにホットココアを作ってあげて、椅子に座り
長門に聞いた

「古泉一樹に抵抗の跡は見られなかった」

古泉は何だかんだで武道の心得があったはずだ
そんなあいつが何もせずにただ殺されるというのは信じられなかった

72 名前:63[] 投稿日:2010/06/17(木) 18:45:58.63 ID:UgHubIqR0

「じゃあ誰がいったいどうやって!?敵対する組織とやらの仕業なのか?」

俺はかつて朝比奈さんをさらった組織の存在を思い浮かべる。
だが、長門はゆっくり首を振った

「昨日の晩、この別荘のセキュリティに異常が発生しなかった」

「じゃあどうやって!」

思わず声を荒げる。朝比奈さんがびくっと身を震わせた

「おそらく犯人はこの別荘の中にいる」

雷がまた鳴り響く

「す、涼宮さんが!涼宮さんが生き返ったのよ!」

朝比奈さんがいきなり立ち上がって叫びだす

「そ、それで私たちを殺しに来たのよ!そうに違いないわ!」

92 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 00:36:38.53 ID:qG+N1HWx0

「雨が止んでから速やかにここを離れるのが良い」

また雷が鳴り響く
ただでさえ無表情な長門の顔がさらに青白く映える

「で、でもそれまでどうしたら良いんですか?」

朝比奈さんが怯えた表情で言う
当たり前だ。この別荘に他にも殺人鬼がいると思えば怖くて動けないだろ

「一人ひとりばらばらに動けば、他に被害者が増える恐れがある。
だから皆同じ部屋にいれば問題ない」

確かに今のところこれ以上良い提案があるようには思えなかった

俺たちは古泉が死んだ部屋からできるだけ離れた部屋に移動することに決めた

96 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 00:59:46.76 ID:qG+N1HWx0

「あ、そういえば荷物が……」

移動する際に思い出した。荷物は古泉の部屋の近くに置いていたのだ

「荷物を取りに行くか」

そう言おうとする俺の袖を朝比奈さんが掴む

「今は……そばにいてもらえませんか?」

怖いのだろう。上目遣いで俺に聞く朝比奈さんに保護欲がかきたてられる
そう言えば、いつかの時も俺にこう言うふうに助けを求めてきたな

「で、でも荷物が……」

「私が取りに行く」

俺たちを置いていて、長門は出て行く

「お、おい長門!危ないだろ」

俺の声が聞こえないように長門はこちらを振り向かなかった

「とりあえず…部屋に移動しませんか?ここじゃ怖くて怖くて……」

朝比奈さんが俺の腕に身を寄せてくる。腕に柔らかい感触が当たっているのが分かる

101 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 01:29:26.92 ID:qG+N1HWx0

朝比奈さんと部屋まで移動する
朝比奈さんは少しの物音にもビクビクしていて、歩きにくかったが
こういうところはかつての朝比奈さんと変わっていなくて逆に俺は安心してしまった
部屋についた

「とりあえず鍵も閉めましたし安全なはずです」

キョロキョロとあたりを見回しゆっくりとベッドに朝比奈さんは腰掛けた

「お茶でも入れましょうか?」

かつてのお茶くみであった朝比奈さんにこう言うのは少し違和感があるが、
朝比奈さんを落ち着かせようととりあえず提案した

「あ、だ、大丈夫です。私が入れます」

あたふたとタンスからお茶の葉を取り出して手際よく淹れていく
こういうところは何一つ変わっていない

「一年前涼宮さんが死んだ理由って知ってますよね……?」

お茶を俺の前において朝比奈さんはそう切り出した
目の前のお茶から湯気がゆらりとあがる

104 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 02:26:42.74 ID:qG+N1HWx0

「確かそれって……」

ハルヒが殺された理由。
一年前、ハルヒは朝比奈さんを殺そうとした
理由は分からない……と言いたいが心当たりはある
それは俺と朝比奈さんのことだろう
朝比奈さんと俺は一時期仲が良かった時があった
そして、恐らく嫉妬だったのだろう
ハルヒは目に見えて朝比奈さんに厳しく当たるようになった
最初は部室で愚痴を言ったりしたようなものだったが、段々目に見えて冷たく
扱うようになった

俺は何度もハルヒと話し合いをした
だけどハルヒは俺の言う事を聞かず、むしろ
「何であんたは分かってくれないのよ!もう良い!こんな世界いらない!」
それが最後のハルヒの言葉だったのを覚えている

古泉から近々大規模な閉鎖空間が生じ、そして朝比奈さんの存在を抹消される可能性
が高いことを聞いた
現在の世界からあらゆる未来と過去の時空をねじ曲げるような非常に大きなものだと
長門も、古泉も朝比奈さんもそれに対して打つ手がなかったということを
そして、ハルヒの最大級の暴走を止めるためにはハルヒ自身を殺さなければいけないということを

105 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 02:47:24.29 ID:qG+N1HWx0

「キョン君はどこまで知っていますか……?」

顔をうつむけたまま朝比奈さんは聞く

「どこまでってそれは……」

もう過去のことだとは言え、殺されそうになった本人の前で言うのは気まずい
それに朝比奈さんはさっきの古泉の件でひどく傷心している

「キョン君は涼宮さんに私が殺されそうになったと聞きましたよね」

「あ、は、はいそうです」

朝比奈さんはゆっくりと一息ついた

「実はですね……あの時涼宮さんが私を殺すように涼宮さんの意識を誘導したのは
古泉君なんです」

お茶の湯気越しに朝比奈さんがたゆんで見える
空間に歪ができたようだ

「え!?ど、どういうことなんですか!?」

123 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 17:55:28.29 ID:/Kk7Lwwa0

「あの時実は古泉君の所属する機関の方針が変わったんです。
機関の方針が閉鎖空間を抑えることではなく、閉鎖空間を新たに発生させることへと」

「何でそんな真似を……?」

突然のことに俺は困惑した。じゃあハルヒが殺されたのは……

「私にも良くわかりませんが、彼女の閉鎖空間を抑えるために労力を注ぐより
彼女の閉鎖空間が生じるエネルギーを利用したのかもしれません」

「じゃ、じゃあハルヒが殺されたのは……」

「キョン君には黙ってて本当にすいませんでした……」

125 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 18:19:45.40 ID:/Kk7Lwwa0

どういうことだ。頭の中で脳が揺れて行く

「つまり……ハルヒが殺されたのは朝比奈さんと古泉がそう仕向けたことに……?」

朝比奈さんはうつむく

「本当にすいません……」

「何てことをしてくれたんですか!?」

朝比奈さんに俺は掴みかかった。
「きゃ!?」
自然とベッドに押し倒す形になる

「も、申し訳ありません。でも、私もこうなるなんて思わなくて…」

上から見下ろす形になる
朝比奈さんは助けを求める目で俺を見つめる
だけれどハルヒもきっと……助けを。なのにこいつは……
言いようの無い感情が身の中を混ぜつつあったときドアが開いた

「持ってきた」

長門が俺の荷物を部屋に持ってきたようだ
気づいた俺は慌てて朝比奈さんの上から退いた

128 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 19:29:27.69 ID:/Kk7Lwwa0

先程の俺と朝比奈さんの姿勢が誤解を受けるかと思ったが、特に長門は何も言わず
「荷物」
とだけ言って俺に渡した
そして、そのまま部屋の外に出ようとする長門を引き止める

「長門は……その、ハルヒの死んだ理由ってのを知ってるのか」

コクリとうなずいて出て行く長門
さすがに俺も朝比奈さんと二人きりで泊まる訳には行かないから

「何かあったらすぐ連絡して下さい」
とだけ言って朝比奈さんの向かいの部屋に入ることにした

朝比奈さんは俺に何かを言いたそうだったが、今の俺はそれを聞く気にはなれなかった

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 20:14:21.74 ID:/Kk7Lwwa0

夜が更けてきたが雨は未だにやまない
ベッドの上で俺はハルヒのことを思い出した
一年前、ハルヒを殺した時もしっとりとした雨が降っていた
あの時ハルヒは何を考えていたのだろうか
そして、俺に言った「何であんたは分かってくれないの」という悲痛な叫び
あれが脳裏にこびりついて落ちない

朝比奈さんが言ったことが真実だとすれば……ハルヒが暴走したとはいえ
ハルヒは悪くなかったはず
ということはハルヒは俺たち全員を憎んでいるはずだろう
誰もハルヒを信じてくれなかったのだから

そこまで考え事をしていたら廊下で物音がした
まさかまた何かあったのだろうか?
そう思って外に出てみる
周りに異変はない
いや……廊下にうっすらと人が歩いている影が見える……
あれは長門?

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 20:32:35.34 ID:/Kk7Lwwa0

「おい!長門!!」

俺は大声で長門を呼ぶが、長門はまるで俺の声が聞こえないかのように
廊下を歩いていく
追いかけようとしたが、外は暗く中に誰かいるかもしれないことにたいして
躊躇した
嫌な予感がよぎる……

「朝比奈さんは……」

先程、朝比奈さんの言っていたことが正しければ次は朝比奈さんか……!?

「朝比奈さん!大丈夫ですか?」

ドアを激しく叩くが返事がない

「開けますよ!すいません」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 20:45:08.85 ID:/Kk7Lwwa0

緊急事態だ。気にしてなどいられるか
そうして朝比奈さんの部屋に入ろうとしたら鍵が開いている
部屋は真っ暗だ……

「朝比奈さん?」

声をかけるが返事はない

「外に出かけたのか…?」

だが、あの怖がりな朝比奈さんが夜に一人でどこかに出かけるだろうか
そう考えながら恐る恐る部屋を歩くと何か柔らかい感触をしたものにぶつかった

「何だこれは……?」
手元にあったスタンドに灯りをつけると……そこには朝比奈さんがいた……
しかも予想をしていたように最悪な形で
朝比奈さんは天井から縄を垂らして首吊りをしていたのだ

「うわあああああああああああ?!」

俺の絶叫が部屋に響き渡る

目の前の縄がゆらりゆらりと揺れていて、
まるで朝比奈さんの手は何かを掴もうとしているようだった

140 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 22:21:37.71 ID:/Kk7Lwwa0

古泉が死んで朝比奈さんが死んで……なら次は俺なのか!?
俺は朝比奈さんの死体を下ろすこともせず外に出る
そうだ……長門!長門はどこに行ったんだ!?
俺は長門の部屋のドアをノックをしないで開ける
長門は俺が来るのが分かっていたかのようにイスの上に座っていた

「あ、あ、朝比奈さんが死んだ!」

「そう」

血相を変えて、どもりながら長門にしゃべりかけるが
長門はいつもと同じく能面のよう
「やっぱり、は、ハルヒが蘇ったのか!?それで俺たちを!?」

長門はゆっくりと首をふる

「最初からこの別荘には私たち以外誰もいなかった」

長門の言葉に背筋が凍る

142 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 22:36:38.02 ID:/Kk7Lwwa0

「じゃあ犯人は」

目の前の長門を見つめる
そう言えば、もともと長門は古泉や朝比奈さんとは組んでいなかった
ハルヒを殺した時も直接手を下していない
どう思っているかは知らないが、古泉や朝比奈さんのことをよく思ってないかもしれない

そして、さっき朝比奈さんが死んだ時、こいつは一人で廊下に出ていた

「ということは……」

長門はゆっくりとうなずく
時間が止まったように感じる

「そう、古泉一樹と朝比奈みくるを殺したのはあなた」

148 名前:63[sage] 投稿日:2010/06/18(金) 23:25:40.33 ID:/Kk7Lwwa0

「古泉一樹と部屋で別れた後、あなたは食堂のナイフと包丁を持ち出し古泉一樹の
部屋に入る。古泉一樹と出会った時、あなたは彼をナイフで突き刺す。彼に抵抗の後がなかったのは
顔見知りだったから」

ちょっと待て、何を言っているんだ……?俺が……古泉と朝比奈さんを

「その後あなたは古泉一樹の首を切り離し、部屋に戻りシャワーを浴びて血痕を洗い流す
そして我々の前に出てきた」

これが証拠のナイフと包丁と長門は俺に見せた
血みどろの刃物が鈍く光る

167 名前:148[] 投稿日:2010/06/19(土) 05:05:10.27 ID:9fw71qct0

でも俺にはこれの記憶が……
雷が響き部屋を白く染める

「先程調べに行き、この包丁と古泉一樹の部屋からあなたの指紋を摘出した」

「そして、私が古泉一樹の部屋を調べている間にあなたは朝比奈みくるをの部屋に入り首を締めた」

「まだ調べてはいないが恐らくあなたの指紋しか検出されない」

淡々と長門は述べていく。いや、長門は何を言っているんだ……
俺がそんなことをしたわけがないだろ?

「あなたの犯行の動機は涼宮ハルヒを殺した古泉一樹による私怨。そして先程朝比奈みくるが
事実を話したためあなたは朝比奈みくるを始末することにした」

また雷が鳴り長門の目が白く光る
双眸から雷の光を反射したからだろうか、長門の目が俺を射抜いているようだ

「だ、だってあれはハルヒが復活してあいつがやったんだろ!?な、なあ長門?」

169 名前:148[] 投稿日:2010/06/19(土) 05:56:06.13 ID:9fw71qct0

先程から雷がうるさい
雷が鳴り響く度に俺の頭がずきりと痛む

「古泉一樹が我々に見せた涼宮ハルヒの日記は恐らく偽造」

「だ、だってハルヒが書いた日記なんだから偽造な訳ないだろ!?」

自分でも何を言っているのかが分からない
長門はゆっくり首を振る

「あなたは一年前涼宮ハルヒを殺された腹いせに古泉一樹を殺害する計画を立てた
そのため他に邪魔の入らないこの場所に呼び止める手段として、あなたは涼宮ハルヒの筆跡を真似
日記にこう書いた。一年後また来たい…と」

俺の記憶が……記憶が脳から溢れ出してくる

170 名前:148[] 投稿日:2010/06/19(土) 06:16:00.63 ID:9fw71qct0

そうだ……俺は一年前にハルヒが死んだ後、あいつの日記を鞄から探し出して
空白のページにありもしないことを書き連ねたんだった
あの夜も雷が鳴っていて

ドンッ
どこかで雷が落ちたのだろうか、その音で今まで
今まで閉じ込めていた記憶が溢れ出す

「うわあああああああああああああああああああ」

俺が……この包丁で……古泉を…

「あなたは意識の水面下にて記憶をわざと消そうとすることで罪悪感を無くそうとした」
淡々と教科書に書かれている文章を読むように長門は言う
俺は……あいつの笑顔が気にくわないから二度と笑えないようにと首を切り、目を抉り……
そして朝比奈さんの首を締めて天井に吊るすようにして自殺のように見せかけて

「あああああああああああああああああああ!?!???」

いきなり叫びだした俺を眉一つ動かさないで眺める長門

「自分の犯した犯罪を認めたくない気持ちは分かるが罪を償うべき」

その目は哀れみと軽蔑が含まれていて
また雷が鳴って……俺の記憶を

「うわあああああああああああああああああああ」

机にあった包丁を持って俺は長門の腹へと吸い込むように伸ばしていった

193 名前:170[] 投稿日:2010/06/19(土) 14:58:47.98 ID:106aLtKd0

「ぐっ……」
唐突だったから俺の動きをよけれなかったのだろうか
柔らかい肉の触感が刺したナイフ越しに伝わる
ゆっくりとうずくまっていく長門の姿が見えた気がしたが、俺は部屋から走り出していった

まさかまさかまさか俺が古泉も朝比奈さんも、そして長門も
これから俺はどうすれば良いんだ

そ、そうだ!?
俺は古泉の言葉を思い出す

「我々機関が調べたいのは彼女の能力が死後にも発動するか、そしてもし発動するなら
どのような影響を及ぼすかです」

これが本当ならもしかしたらハルヒの力で、全てを元に戻すことが!
俺は雨の中外に向かって駆け出してた

ハルヒハルヒハルヒハルヒ

196 名前:170[] 投稿日:2010/06/19(土) 15:51:20.12 ID:106aLtKd0

記憶を頼りに俺はハルヒが埋められていた場所へと向かう
雨が激しく俺を叩くが、ひたすらはしった
場所は……そうだ、確か、この木があって、ハルヒが、
ここから見える景色が、良いよね、と、言っていた、

着いた

そうだ、確かここだった
ハルヒハルヒハルヒ
俺は地面にしゃがみこんで手で土を掘った
シャベルを持ってくるのを忘れたが、俺はひたすら掘り続ける
爪に土がたまり、ヒビが入って指に血がにじみだした頃

ガツりと固いものにあたった

197 名前:170[] 投稿日:2010/06/19(土) 16:08:19.54 ID:106aLtKd0

これは……まさかまさかまさか
掘る掘る掘り続ける
爪に小石が挟まり爪が剥けていくが、だってお前はこんなところには
いないんだろ……
雷が響く全身ずぶ濡れだ、だけどハルヒがいない

いや、見覚えのある黄色いリボンが出てきた
出てきたのはもう
やはりハルヒは…生きていなくて、白く腐った頭蓋骨が出てきて
その黒い空間が俺を睨む

「うわああああああああああああああああああ!!!!!」

見つけた骨を投げ出した。違うんだ、俺はこういう結末を求めていたんじゃない

198 名前:170[] 投稿日:2010/06/19(土) 16:12:46.43 ID:106aLtKd0

「神は死んだんですよ」

古泉の言葉を思い出して、それでもハルヒはハルヒなら生きていると願っていたけど
死んでいたとしたら、じゃあ俺はどうなるんだよ。
助けてくれよハルヒ
胸元に何か金属があるのが分かった
そうだ、長門を刺したあと、無意識に俺は自分の内ポケットに入れたんだ
そう言えば、ハルヒを殴ったとき、あいつは俺を見た
「まさか」という顔で、あの時目があったのは俺だけだった

その時にあいつの能力が発動して他のメンバーを殺すように仕向けたのだろうか?
それがあいつの復讐なんだろうか
もう良い今となっては何が何だか分からない
例え、ハルヒがそう仕向けたにせよそうでなかったにせよ、もう俺の居場所はないだろう
俺は震える手でナイフを取り出して

さっき長門を刺したナイフでゆっくりと喉に

「誰か俺を救ってくれ」

暗転

199 名前:170[] 投稿日:2010/06/19(土) 16:18:18.85 ID:106aLtKd0

部室

長門「どう?」

キョン「いや……どうと言われても……」

古泉「何で僕がこんな悪役なんですか」

みくる「…私なんかついでで殺されてるじゃないですか〜」

長門「涼宮ハルヒからホラーとミステリーの混ざった文章を書けと言われたから」

キョン「いや……これは、お前……謎解きが全然できてないし、ミステリーとは…」

古泉「というか誤解を受けるから組織のこととか書かないでくださいよ」

みくる「ふえ〜」



200 名前:170[] 投稿日:2010/06/19(土) 16:20:29.05 ID:106aLtKd0

ガラリっ

ハルヒ「みんな集まって何してるのよ?」

長門「前言われたものを書いた」

ハルヒ「あ〜そういや言ったわね。有希の書いたやつ見せてみなさいよ」

キョン「ちょ、ちょっとハルヒ!それは駄目だって!」

古泉「す、涼宮さん!僕が書いたやつがあるからそれにしましょう!」

みくる「涼宮さん、ほ、他のにしましょう」

ハルヒ「何よみんな急に血相を変えて、せっかく有希が書いたんだからみんなで読みましょう
ほら、邪魔しないで」

キョン「だからやめろ!!!」

長門「ユニーク」

終わり

201 名前:糞虫 ◆YEqAxToOVE [] 投稿日:2010/06/19(土) 16:22:49.12 ID:106aLtKd0

久しぶりに書いたけど微妙だったな
終わりです
なんかすいませんでした



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