キョン「涼宮ハルヒの世にも奇妙な物語」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/15(木) 23:45:45.12 ID:e/eccs260



「24時間授業」







炎天下の灼熱地獄のなか重たい体をようやく運んでこれた。
朝の階段ほどつらいものはない。

キョン「ついた••••••」

谷口「おお••••••キョン」

気の抜けたあいさつを交わし自分の席についた。
その後ろにはもちろんこいつ。

キョン「おはよう」

ハルヒ「あ、キョン•••••」

なんだなんだ、みんな元気ないな。
俺だって無理やり明るく振る舞ってるのに。

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:01:06.62 ID:3Nq9YzIu0








キョン「••••••」

キョン「••••ん」

しまった、いつの間にか寝てしまった。
今、何時だ?


キョン「••••••」

キョン「•••••なんだ、まだ5分しか経ってないじゃないか」

ガラッ

先生「号令〜••••」

キョン「••••••」

あんたまで元気ないと俺のモチベーションも下がらざるを得ない。
今日はなんか嫌な行事とかあったか?

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:05:56.67 ID:3Nq9YzIu0

先生「今日の日程を言います•••」

先生「1限目、数学••••」

いつもより1オクターブ低いトーンで日程を伝える先生。
その周りはというと全員うつ伏せという異様な光景だった。

先生「7限目、国語••••」

キョン「•••••ん」

課外かなにかか?
7限目なんて初耳だぞ。

6 名前:>>4 同じ人です[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:12:20.94 ID:3Nq9YzIu0







おいおい••••

先生「18限目、体育••••」

先生「19限目、全校集会••••」

これは冗談のつもりなのだろうか。
それにしても全く笑えないな。

先生「23限目、数学••••」

先生「24限目、現代社会•••• そして帰宅です••••」

一同「はぁ••••」

キョン「••••」


なんだこれwwww

キョン「おい、ハルヒ」

ハルヒ「なによ••••」

8 名前:>>4 同じ人です[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:18:15.78 ID:3Nq9YzIu0

キョン「これなんだ?」

ハルヒ「なにが?」

キョン「いや、この状況に決まってるだろ」

ハルヒ「あんた今、寝とかないと大変よ」

キョン「は?」

ハルヒ「今日はサバイバルみたいなもんでしょ••••」

キョン「••••」

今、俺の頭上はクエスチョンマークが占めている。
さっぱり意味わからない。

ハルヒ「人生がかかってるんだから•••」zzz

キョン「••••」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:27:22.12 ID:3Nq9YzIu0






キョン「••••」

誰一人席を立たない••••
鳥のさえずりしか聞こえてこない。

どうなってんだ••••

キョン「••••」ガタッ

俺が席を離れたその時、クラスの連中が一斉にこっちを見た。

キョン「うぉ••••」ビクッ

男「音たてんな•••• 眠れねぇだろ••••」ボソツ

女「迷惑なんだけど••••」ボソッ

キョン「•••••」
クラスの連中は各々で俺の愚痴を吐き捨て、再びうつ伏せになった。

キョン「••••••」

キョン「••••••」

ハルヒの仕業か? これは

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:33:55.76 ID:3Nq9YzIu0

1限目、数学。





キョン「••••」

いつもの授業風景となんら変わらない。
ただ違和感といえば、谷口が真面目に授業を受けてる事くらいか。

先生「じゃあ、この問い2。 誰か解いてください」

バッ

キョン「は?」

キョン「•••••」

前例のほとんどが挙手している••••• 谷口ま••••
いや待て•••• 俺以外全員挙げてないか?

キョン「••••••」

先生「じゃあそこの君」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:43:06.16 ID:3Nq9YzIu0

先生「正確、2ポイントおめでとう」

男「ありがとうございます」

キョン(2ポイント?)

先生「そこの君」

キョン「え•••• 俺?」

先生「意欲が見られない、マイナス2ポイント」

キョン「は••• はあ」

先生「このままでは泣くめにあうぞ」

キョン「•••••」

ザワザワ•••

キョン「••••」

なんだよこれ•••• お前らこっち見るな•••
なんで笑ってやがる•••

先生「座れ」

キョン「••••」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:52:19.38 ID:3Nq9YzIu0

休み時間、先生がホワイトボードを持ってきた。

男「よしっ!! このままいけば••••」

女「私このままじゃ••••」ウルッ

キョン「••••」

順位? クラスメイトの名前が立てずらりと••••
俺は••••  一番したに掲示されている••••

マイナス2ポイント?

ハルヒ「よかった••• 10位以内にはいってる••••」

キョン「ハルヒ8位か。 7ポイント」

ハルヒ「あんた最下位なの?」

キョン「みたいだな」

ハルヒ「あんた今日なんの日か知ってんの?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:01:05.72 ID:3Nq9YzIu0

ハルヒ「日本人削減計画の実行日よ?」

キョン「あ?」

ハルヒ「今、全国で実施されてんの」

ハルヒ「有能な人間、10名が生き残れる」

キョン「すまん、もう一回頼む」

ハルヒ「だからポイントのたかい10人以外は処分されるっていってるじゃない」

キョン「•••••」

ハルヒ「マイナス5ポイントは自動的にぼつよ、その場で処分」

キョン「は? 処分•••?」

ハルヒ「あんたこのままじゃ危ないわね•••」

キョン「••••」



これは夢か?
夢だろ•••• 笑えないんだが

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:06:32.91 ID:3Nq9YzIu0

ハルヒ「••••」

キョン「••••」

キョン「おい••• ハルヒ•••」

ハルヒ「どうしようかしら••••」

先生「あと2分で2限目始めます」

キョン「お、俺はどうすれば•••」

ハルヒ「••••」

ハルヒ「今回だけだからね••••」

キョン「え?」

ハルヒ「先生、ポイントの移動お願いします」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:13:47.14 ID:3Nq9YzIu0

ハルヒ「この人に2ポイント」

先生「はい、涼宮さんの支援によりポイントの移動がありました」

ザワザワ•••

キョン「あ••• 41位から38位に•••」

ハルヒ「そしてあたしは16位か••• まあいいわ•••」

ハルヒ「キョン、頑張りなさいよ」

キョン「••••」

男「涼宮バカだな•••」

女「見捨てればいいのに••••」

キョン「••••」

キョン(ハルヒに救われたのか? 突然すぎて処理できない•••)

先生「授業開始10秒前」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:23:21.10 ID:3Nq9YzIu0






ハルヒ「あたし34ポイントね」

キョン「俺は25位か」

4限目が終了、これが現時点でのスコアだ。

男「え•••」

男「マイナス5ポイント? 俺が?」

先生「只今、あなたの処分が決定しました」

男「•••」

キョン「•••」


なにかが吹っ切れたみたいに教室が静まりかえる。
クラスメイトの処分が決定した。

先生「さ、この薬を」

男「は••• ふふふ、ふざけんな、は?」

先生「安楽死を提供します」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:41:27.18 ID:3Nq9YzIu0

先生「さ、はやくお飲みください」
男「•••」

キョン「•••」
あまり親しくない奴だが他人事で済ませれるわけがない。
いまからクラスメイトが死ぬといわれても実感がわかない。
俺の頭の中はもうパンク寸前だった。
男「た、谷口!!」
谷口「•••」
男「頼む!!頼むからポイントをくれ!!!」

谷口「•••」
男「頼むっ!!!! 谷口っ!!!」

キョン「•••」
谷口は男の必死の哀願を同情するよりむしろあざ笑った。

谷口「どうせ処分されるんだからはやく楽になれ」
キョン「•••」

男「谷••口••?」
谷口「はやく死ねよ」

女「そうよ、はやく楽になったら?」
女「来世で頑張って」

男「•••は、おい••• 嘘だろ•••」

男「クラスメートだろ!? 助け合う仲間だろ!? 頼むよ!! ポイントをくれっ!!」
男「頼むっ!!! 一生のお願いだ!!!」

34 名前:ごめん、三点リーダー使う[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:53:10.16 ID:3Nq9YzIu0

キョン「……」

みんなが男に冷たい視線をおくる。
誰も助けないのか……?


キョン「……」

次の一言で教室は修羅場と化した。

ハルヒ「さっさと飲みなさいよ」

キョン「……」

キョン「ハル……ヒ…?」

ハルヒ「はやく」

男「……」
キョン「ハルヒ…… お前…」

ハルヒ「なにその目」

ハルヒ「じゃあキョンが助けたら?」

キョン「……」

ハルヒ「助けたら?」

キョン「……」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 02:03:07.15 ID:3Nq9YzIu0

キョン「……」

キョン「……」
ハルヒ「結局そうなるでしょ?」

キョン「……」

ハルヒ「あんたはあたしの部員だから助けたけど他人だったら見捨てるわ」
キョン「……」

反論できず自分に腹立たしさを覚えた。

先生「だれも居ないみたいです。 さ、はやく」

男「……う」
男「うああああ!!」ダッ

先生「……」カチャ

バンッ!!!

恐怖のあまり逃げ出した男をすかさず撃った。
恐らくわざと足を撃ったのだろう。

男「い……!!」
男「あああああああいてえぇえ!!!」

先生「違反者とみなしました」
先生「では私が殺害します」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 02:10:13.90 ID:3Nq9YzIu0







キョン「……」

ハルヒ「……」

目の前でクラスメイトが殺害されたんだ、昼飯がすすむわけない。

俺はどうしてこうなったのか考えた。



キョン「……」

キョン(……やはりハルヒか?)

キョン「……」

キョン(古泉なら…… あいつなら……)

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 20:49:46.49 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
キョン「……」

こっちも昼休みだというのにまるで葬式みたいだ。
席を立つ者はもちろんのこと誰一人として顔をみせない。
全員うつ伏せ……うつ伏せ……うつ伏せ……

キョン(古泉探すの面倒だな)

俺は窓越しから古泉を探した。
あの個性あふれる容姿ならすぐ見つけ出せるはずだ。

キョン「……」

キョン「……」

キョン(いない……?)

キョン(待て…落ち着け……そんなはずはない)

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 20:58:23.83 ID:3Nq9YzIu0







キョン「……」

キョン「嘘……だろ……」



今現在教室に腰をかけている生徒を何度も見直した。
しかしあのキャラに似合うものは誰一人としていない。
あの妙なオーラも感じられない。

キョン「……」

まさか…… 最悪の展開を想像すると一斉に血の気がひいた。

キョン(あ… そうだ! ホワイトボードを見ればわかる)

キョン(古泉がもし処分されているのなら掲示されていないはずだ……)

ガラッ

大勢の冷たい視線も気にせずに俺は教室へと足を踏みいれた。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:04:29.93 ID:3Nq9YzIu0

キョン「……」

キョン「……」

キョン「な……い……」

男「なんだあいつ……」

女「なによあれ、うざいんだけど」

キョン「う… 嘘だっ」

キョン「おい! お、お前!」ガッ

男「な、なんだよ」

キョン「古泉はっ! 古泉一樹はどこにいる!」

男「は、はあ?」

キョン「古泉だよ!! さっさと答えてくれ!!」

男「あいつは……」

男「もう死んだ…… よな…」

キョン「――――――――」

女「う、うん…… 古泉君はもう処分されたよ……」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:11:49.05 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
体に電撃が走り、その電流は未だ俺を震えさせていた。


キョン「……」


俺は体育館のトイレ、3つ手前の個室にいた。


キョン「……」


トイレットペーパーの芯が地面を荒々しく飾る。
ほどよい異臭が今の俺に落ち着きを取り戻してくれた。


キョン「……」


古泉の死――――――――

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:20:29.66 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
いつからこんなゲームが始まったのか知らん。
起きたらこんな状況が待っていたんだからな。
とりあえずこの世界は狂っている。それは間違いない。

この世界はあの世界ではない。

キョン「……」

キョン「そうだ…… この世界は狂っている」

非現実的なハルヒの消失だって体験しているんだ。
否が応でも体が見抜いてしまう。

キョン「長門がヒントを残してるはずだ……」

キョン「元に戻るヒントを……」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:25:45.02 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
キョン「……」タタタッ


体を汗で濡らしながら向かう先は部室だった。
あの部室にはいろいろとお世話になったからな。


そして昼休みには必ず長門がいる。



キョン「はあ… はあ…」タタタタッ



早くしなければ間にあわなくなってしまう。
いや、もう手遅れかもしれん。


それでも心の奥底で、今回もなんとかなる、と思っている自分がいた。

キョン「長門っ!」ガラッ

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:33:14.59 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
キョン「……」

キョン「……」

窓から差し込む太陽は風になびくカーテンを神々しくみせた。
そしてそこは無人の空間。
いるはずの”人”がいない無人の空間。

キョン「……」

キョン「……くそっ」

俺は部室を勢いよく飛び出し長門の教室へと向かった。

キョン(あいつは何組だ…! くそっ、わからん!)

苛立つ俺をさらに憤慨させたのは校内放送であった。

「授業開始まであと……」

キョン「ああああうるせえええ!!」タタタタ

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:39:52.15 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
一年の教室がずらりと並ぶ廊下を一つずつ確かめた。
俺の騒動に文句たれる奴なんか気にしない。

元の世界に戻ればすべて元通りだ。

キョン「……!」

キョン(あのシルエットは……間違いない!! 長門だ!!)

まるで人形のようなショートカットの少女から頼もしいオーラを感じた。
うつ伏せの光景にただ一人、読書をしていた。

キョン「長門っ!」ガラッ

長門「……」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:49:19.19 ID:3Nq9YzIu0

キョン「長門、よかった、どうなってんだこれは」


机を無視する勢いで長門へと一方通行した。
そして当たり前の事だが絡まれる。

男「おい、待てや!」ガッ

キョン「すまん、あとで相手してやるから」

男「ふざけんな!! 喧嘩売ったのはお前だろうが!!」グッ

こいつとタイマンはったら確実に負ける。
今の俺に余裕があったらな。
まるでプロレスラーのような手を全力ではらった。

キョン「うるせぇ!!! 後で相手してやるっていってんだろ!!」

男「あ…… あァ……?」

男は一瞬怯んだ。 もうこれは俺の勝ちだろ。
とこんなことしてる暇はなかった。

キョン「長門っ」

長門「なに?」

キョン(嗚呼、そのまっすぐな眼差しを待っていた)

キョン「この状況はハルヒか? 誰の仕業なんだっ」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:56:13.68 ID:3Nq9YzIu0

長門「……」

キョン「……」

キョン「長門……?」

長門「……」

俺は見逃さなかった。 長門の事はよく知っているつもりだ。
知らぬ間に無表情の中の表情を見抜く力をつけた。
今の長門の心境も手にとるようにわかる。

だからこそ信じたくない。

今、長門は間違いなく戸惑った。

長門「……」

長門「状況を把握できない」

キョン「な、なに言ってんだよ! この状況だろ!」

長門「……」

長門「この状況のどこが異常?」

キョン「……」

キョン「おい… 冗談はよせ…」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 22:04:46.74 ID:3Nq9YzIu0

長門「冗談ではない」

長門は間を置かず答えた。
その眼差しからは真実が伝わってくる。


キョン「……」

キョン「じゃあこの状況は……」

長門「あなたは記憶を同期し損ねたのだと思われる」

キョン「なに?」

長門「あなたの記憶に編集点が作られ、情報操作を行われた」

長門「と私はあくまで仮定を挙げた」

キョン「始点から終点のあいだがないって?」

長門「おそらく」

キョン「……」


俺はこの状況の始まりへとさかのぼった。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 22:44:56.10 ID:3Nq9YzIu0



一つずつ整理しながらさかのぼろう。
俺はくそ暑い中、教室に入った、それは確かだ。

それでみんなと挨拶を交わして……。

キョン「……」

キョン「俺は寝てしまった……」

長門「……」

キョン「思い出した! 俺は5分間だけ寝たんだ!」

長門「おそらく始点と終点の間がその5分」

長門「何者かがその間を編集した」

キョン「編集?」

長門「この世界が終わる頃が現実世界での五分」

キョン「なっ……」

キョン「誰がそんな事……」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 22:59:58.01 ID:3Nq9YzIu0

先生「あなたは何組ですか?」

キョン「……」ゾクッ

嫌悪感が全身に鳥肌を作らせた。
感情の込められた言葉でなかったがゆえだ。

先生「あなたみたいなルーズな方は必要ありません」

先生「マイナス10ポイント」

キョン「……」

キョン「ああ、そうかい。 別に構わないね」スタスタ

キョン「この世界は居心地が悪い、すぐ帰るさ」

バタン

先生「……」

長門「……」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:17:53.80 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
キョン「誰だ……」

キョン「一体誰が……」

ガラッ

先生「遅刻、マイナス10ポイント」

キョン「……」

キョン(はあ……)

キョン「さっき向こうのクラスの奴にいわれたからそう何度も」

先生「向こうのクラスの先生にもつけられたのですか?」

キョン「え? いや、だから」

先生「ではマイナス20ポイントですね」

キョン「は!?」

先生「さ、席について」

キョン「……」

キョン(確か俺のポイントは……)

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:24:56.09 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
俺は今、相当焦っている。 それは勿論ポイントの事だ。
俺のポイントは現在11ポイント。

20ポイントひかれるとマイナス9ポイント。

次の休み時間に処分決定……。

だが焦る傍ら俺は安心していた。
ハルヒは5位で30ポイント以上手にしている。
こいつはこの時間もまだまだたくさん稼ぐだろう。
だからこいつには悪いが4ポイント借りよう。

キョン(そして一刻も早く、この世界から脱出する)




タイムミリットは明日の午前8時。

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:32:27.85 ID:3Nq9YzIu0



――――――――
休み時間に入り、ホワイトボードが書き加えられる。
そして俺の名前が静かに外された。

先生「〜君、あなたの処分が決定しました」

奴は俺の本名を口にすると周りに問いかけた。
ポイントの移動はないと思いますがどなたかいらっしゃいますか、と。

俺には親しい友人がいる、ほかの連中とは違う。

キョン「……」

先生「いますか?」

キョン「……」

ハルヒ「……」

谷口「……」

キョン(おい……)

先生「いないみたいですね」

キョン「ち、ちょっと待て!」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:39:20.13 ID:3Nq9YzIu0

先生「……はい?」

キョン「は? いやいや」

キョン「ハルヒ? なんで黙ってんだよ」

ハルヒ「……」

キョン「た、谷口… おい国木田……」

谷口「……」

国木田「……」

キョン「は……」

キョン「はははっ、おいおいそういう悪ノリはいらないって」

キョン「誰でもいい、4ポイントくれるか?」

多少焦りつつも抑え、平静を保った。
しかし俺の言葉に続く人間は誰一人としていない。

キョン「お、おい… いい加減にしろよ…」

ハルヒ「……」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:48:07.40 ID:3Nq9YzIu0

キョン「ハルヒっ!」

ハルヒ「……」

キョン「なに黙ってんだよ」ガッ

ハルヒ「離して」

キョン「あ? おまt…」

ハルヒ「今から死ぬ人間に用はないわ」

キョン「――――――――」

キョン「え? 今なn……」

谷口「はやく死ねよ……」ボソッ

キョン「――――――――谷g」
女「邪魔者はいないほうがいいの」

男「はやいとこ死んでくれ」

ハルヒ「はやく死んだら?」

キョン「ちょ……」

先生「ではこのお薬を」

キョン「……は… ははは……頼むから…よ、止してくれ」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:54:41.09 ID:3Nq9YzIu0



心臓がマシンガンを撃ち、体に力が入らない。
どうみても冗談を言っているようには見えない。


そうだ。

この世界は完全に狂っている。


こいつらは俺の知っているこいつらじゃない。


長門曰く、誰かに創られたんだ。




はやく元の世界に戻らないと……。

今すぐにでも……


キョン「……っ」

キョン(しかしどうする……)

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:59:43.51 ID:3Nq9YzIu0

先生「……さ、お飲みください」

キョン「……」

ハルヒ「はやくして」

谷口「はやくしろよ」

キョン「……」


こんなこいつらは他人だ。 俺への友人としての意識がまったく感じられない。
こいつらは創りもの……。


キョン「……」


この状況を打開すべく俺はすぐさま行動な移した。

元の世界に戻る為に――――――――

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:07:09.91 ID:c+A2Bhkc0

先生「あぐっ…」ドタッ

全身全霊を込めてみぞおちに体当たりをした。
先生は後ろに飛ぶようにころげる。

周りの声は雑音にしかならなかった。
とにかくこいつの拳銃を奪ってしまえば……。

キョン「はあ… はあ…」ガッ

教卓のパイプ椅子を手に取った。
錆防止加工がされていて光沢は艶をだしている。

先生「うぅ……」

キョン「そんなに効いたか……?」

先生「けほっ……」

キョン「拳銃を床に置け」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:12:34.28 ID:c+A2Bhkc0

ハルヒがどんな顔をしているかなんて考えもしない。
だってこいつは所詮”創り物”なんだからな。

キョン「はやくしろ」

先生「……」

先生は胸ポケットにゆっくりと手を入れた。

キョン「……」






馬鹿が。






ドッ!!

先生「あ゛あぁ!!」

美しい艶に真紅の液体が彩りを加える。
先生の頭からは鮮血が吹き出していた。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:20:32.89 ID:c+A2Bhkc0


創り物の悲鳴が教室を震わせる。
しかしそんな事など気にも止めず俺は創り物の頭めがけて二発目を打った。

ドキャッ

キョン「……」

手ごたえあり…… 確実に頭蓋を割った。

先生「……」グタッ

キョン(逝ったか……)

胸ポケットに手を入れ、拳銃を取り出している時。


初めて外部の声が俺に届いた。



ハルヒ「キョ… ン…?」ブルブル



聞き慣れたその声は微かに上擦っていた。

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:29:10.95 ID:c+A2Bhkc0

キョン「この世界は狂ってるんだよ」

ハルヒ「……」

キョン「ま、創り物に言っても無駄だな」

ハルヒ「……」


拳銃を取り出し、気がつくと教室にはハルヒと俺しかいなかった。
ほかの連中は逃げ出したんだろう。

キョン「でも一言謝っておく」

ハルヒ「……」

ハルヒ「こんなの… キョンじゃない……」

キョン「……」

ハルヒ「キョンじゃない!!」

キョン「……」


ふつうなら悲しく響いたであろうその声は俺に届かなかった。
創り物の言動はどう足掻いても戯れ言止まりだ。

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:33:04.89 ID:c+A2Bhkc0

キョン「そうかい」

キョン「悪いが俺には用事がある」スタスタ

ハルヒ「……」

キョン「はやくしないと帰れないかもしれん」

ハルヒ「…ひ… し…」

キョン「ん?」

ハルヒ「人殺しっ!! この人殺しっ!!」

キョン「……」










人殺しだと?

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:37:12.81 ID:c+A2Bhkc0

ポイントを分けてくれなかったのは何処のどいつだ。
あそこで分けてくれりゃこんな事しなくて済んだんだぞ?




その癖に人殺し呼ばわりか。





そうかい。






この世界のおまえは好きになれないな。







バンッッッッ!!

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:41:36.74 ID:c+A2Bhkc0

初めて聞く銃声。 初めて感じた反動。

そして――――――――





キョン「え……」

キョン「は… ハルヒ……?」



目の前には血だまりをつくったハルヒの姿があった。


キョン「……」



頭がこの状況に追いつけずにいた。


キョン「俺は……ひきがねを…… ひ… ひいたのか…?」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:47:45.31 ID:c+A2Bhkc0

キョン「……」

キョン「お… 俺じゃない…」

キョン「は… ハルヒを殺したのは俺じゃないっ!!」

キョン「……」

警備員「手を挙げろ!!」

キョン「……」

廊下には拳銃を構えた警備員がずらりと並んでいた。
盾のようなものまで用意してこちらに対抗している。

キョン「……」

キョン「そうだ…… すべて創造なんだ……」

キョン「俺が今、居るべき場所は此処ではない……」

キョン「現実世界へ… はやく帰らないと…」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:52:17.37 ID:c+A2Bhkc0


俺はようやく答えを見つけた。



現実世界へ帰る方法――――――――





警備員「動くなっ! 撃つぞ!」

キョン「構わん…… 撃てよ……」

警備員「なに?」






実に簡単だった。 夢と一緒だ。
目を覚ませばいい。 そう。

この世界での死は夢から覚める事と同義なんだ。

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:00:28.54 ID:c+A2Bhkc0

警備員「近づくな!」

キョン「そうだ… 目を覚ませばいつも通りの朝……」

警備員「発砲用意!」

キョン「そして…… 」

パンッ!

キョン「――――――――」

続けて俺の体を弾丸が貫く。
俺はその弾丸の嵐に踊り、静かに倒れこんだ。



キョン「……」

キョン「……」ゴプッ

キョン「いつ… も通…り… の…」







さあ、朝へ ――――――――

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:05:21.32 ID:c+A2Bhkc0






キョン「はっ……」ガバッ

キョン「……」

キョン「……」







朝だ――――――――





キョン「戻ってこれたあああ!!」ガタッ

キョン「よぉっしゃああああああ!!!」

先生「号令〜」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:10:45.83 ID:c+A2Bhkc0



どう見てもいつもの朝だ。 先生は確かに6限授業といった。

キョン「……」

鳥のさえずりはクラスメイトの声にかき消される。



いつもどうりの朝だ、戻ってこれた。




キョン「……」ジワッ

いかん、俺としたことが……。
感動のあまり涙が……。

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:17:01.31 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
5限目、あの世界では俺の処分が確定した時だったな。

キョン「……」

メタボ気味の数学講師は片手にハンカチ、片手にチョークを握っている。
こんな愉快な光景はなかったはずだ。

キョン(戻ってこれた……)


戻ってこれた喜びを何度も噛みしめていた。

ハルヒ「キョン、今からあたし寝るから」

ハルヒ「いい具合に壁になって、いいわね?」

キョン「はいよ」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:23:16.24 ID:c+A2Bhkc0

休み時間――――――――


机にうつ伏せになっていた。



ハルヒ「ねぇキョン……」

キョン「ん?」

ハルヒ「ひ… し…」

キョン「え?」

ハルヒ「なんでもないわ」

キョン「……」



今、ハルヒ……  んなわけないか。
帰ってこれたんだからな。



帰ってこれたんだよな。

キョン「……」

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:37:25.91 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
婆「ひえ〜爺さん、これみなっせ」

爺「なんや」

婆「高校生が教師と生徒ば殺害したてばい」

爺「物騒になってきたな」

婆「そいでその高校生も自殺したて」

爺「なにがしたいのかの」

婆「さあ…… 物騒な世の中だねぇ」





テレビの画面には殺害された方の名前が映っていた。
女子高生と男性教諭両者の名前。

そして画面が変わり容疑者の名前が表示された。

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:38:12.89 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
容疑者はおとぎ話の世界から現実世界へ戻ってこれた。



果たして本当にそうなのか?



容疑者のいた世界がもし現実世界だったら……。

そして逆にこの世界がおとぎ話の世界であったら……。



キョン「とにかく帰ってこれたんだよな……」

キョン「ふーっ、一件落着だ」









「24時間授業」 終わり

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 02:25:33.46 ID:c+A2Bhkc0

見てくれてありがとう

>>169
同じ人。
前の話完結できないでごめん。

>>170
書く

210 名前:>>208 最後に投下する[] 投稿日:2010/04/17(土) 16:45:50.42 ID:c+A2Bhkc0



私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース。


情報統合思念体は私に情報を提供した。

それは任務であり、遂行する義務がある。


休止状態の体が強制的に起動した。



”CL-6”



長門「……」










「CL-7」

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 16:48:57.80 ID:c+A2Bhkc0


形のない”情報”として流れてくる情報を日本語に直訳する。



”緊急の任務を与える”


長門「……」


真っ暗な部屋にぽつんと、布団が敷かれそれに横たわっていた。
統合思念体の情報をもれなく理解する為、静かに。




”CL-6を超えるCL-7が地球に誕生した”

”その検体は最先端の技術を搭載している”

”こちらで処分することはたやすいがそれではCL-6が正常な状態を維持できない”

長門「……」



シリアルナンバー6は私。

統合思念体は私の生命維持に警告をだしている。

213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 16:55:45.92 ID:c+A2Bhkc0



”CL-6がCL-7を破壊することでCL-6は維持できる”

”説明はしなくてもわかるだろう”

長門「……把握した」

”発見次第、破壊せよ”

長門「了解」


私と似て非なる個体”CL-7”を破壊する







214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:03:16.73 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
キョン「ハルヒ、サイトのロゴ変えたのか?」

ハルヒ「なんかしっくりこないから変えたの」

ハルヒはマグカップを傾け、紅茶を一気に飲み干した。

キョン「……」

キョン「長門、ちょっといいか?」

長門「なに」

キョン「すまん、このサイトの事なんだが…… よくわからん」

長門「了解した」




任務を引き受け4日も経つが、それらしき検体の該当は0。
この地球上にCL-7が存在していない。

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:09:28.95 ID:c+A2Bhkc0



CL-7には優れた同期能力があるという。
それは透視能力ともいえる。


CL-7のスペックはすべて了解済み。
その情報に基づいて私は地球の隅々まで詮索した。



しかしそれらしい個体は存在していない。



いつ如何なる惨事がこのSOS団にふりかかるかわからない。



かくして私は涼宮ハルヒ以外のメンバーにこのことを伝えた。

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:16:00.46 ID:c+A2Bhkc0

キョン「CL-7?」

古泉「なるほど…… 長門さんと同じ作りの検体ですか」

長門「そう」

朝比奈「怖いですね……」

長門「その検体は私と同じ格好をしている」

長門「見極めるのは困難」

キョン「確かにな……」

長門「今後私に近づかないでほしい」

長門「この任務が完了するまで」

キョン「わかったよ」

朝比奈「わかりました……」

長門「協力に感謝する」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:23:12.61 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
その後私は帰宅し、詮索に取りかかった。

しかしそれらしい個体は未だ発見できない。



長門「……」




しかし統合思念体は神に匹敵する存在。
間違える可能性は考えられない。
もし、間違ったとしてもすぐに修正するだろう。



CL-7とはなんなのか。

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:30:34.44 ID:c+A2Bhkc0


CL-7は私に似ているのか。

CL-7とはどのような容姿なのか。

CL-7は私をどれほど超越しているのか。

CL-7とは一体なんなのか。




長門の処理は光に劣らない早さで進んでいった。
予測演算を積みに積んで恐らく富士山の倍くらいに山積みになっているだろう。





しかし真相は闇に包まれたまま。




むしろ辻褄が合わず、謎が一層深まった。

長門「……」


わからない。

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:37:05.55 ID:c+A2Bhkc0

長門は布団に潜り、しばしの間休養をとった。

休んでいる暇はないはず。



エネルギーを消費しすぎたのだろう。


長門「……」



CL-7の事が頭をかけ巡る。




長門「……」




やむを得ず長門は自身を強制シャットダウンした







222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:43:19.08 ID:c+A2Bhkc0







ガバッ!




無音の空間に音が生じた。
いきなり布団を剥いだ長門はただ漠然としていた。


長門「……」



長門は体内時計を確かめ、異変に気づいた。



長門(ただ今の時刻はAM3:46。 強制起動時刻はAM4:00のはず)



長門「……」

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:46:42.04 ID:c+A2Bhkc0

原因はすぐに明らかとなった。


スタッ



長門「――――――――」





この部屋に誰かいる――――――――





この気配に目を覚ましたんだ。
長門は確信した。



スタッ……



その足音はだんだんと長門へ近づいていく。

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:50:47.39 ID:c+A2Bhkc0


スタッ… スタッ…



長門「……」



まもなく真横にそれは姿を表すだろう。
攻撃されてからでは遅い。

長門は二進数の電気信号を蛍光灯におくり、電気をつけた。


パチッ


長門「……」バッ


すぐさま起き上がりその動く物体を確かめた。


長門「……」



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:56:24.18 ID:c+A2Bhkc0

長門「……」


正面に位置するは紛れもなく長門。
そしてそれに対する者も長門。



その個体は口を開き、つぶやいた。






「CL-7……」





間違いない、この個体はCL-7。
その個体が自ら発した言葉で確信した。



長門「あなたを分解し、統合思念体へ送る」

CL-7「……」

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:08:17.45 ID:c+A2Bhkc0

CL-7「……」

長門「○△◇θγ……」


長門はなにやら理解不能な呪文を詠唱し、手の矛先をその個体に向けた。
その矛先には制服を着た長門。

CL-7。


長門「不可視帯域、中和光線……」



長門「発射」



バチイイイイイイイ!!!




長門が喋り終わると同時にすさまじい火花が視界を覆った。

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:14:30.40 ID:c+A2Bhkc0


長門「――――――――火花?」



あり得ない。
火花が生じるはずがない。



CL-7はシールドを張った……?



これがCL-7の力……。



停電し、チカチカと舞う光がロマンを感じさせる。
このシリアスな場面には必要のない演出だ。


CL-7「……」

長門「……」


予想通りCL-7は原型をとどめていた。

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:20:29.15 ID:c+A2Bhkc0

長門「……」

CL-7「……」

CL-7「今の絶対不可侵領域は私の意志ではない」

長門「……」

長門「言っている意味がわからない」

CL-7「私を守ったのは情報統合思念体」

長門「……」




そんな嘘は通じない。
私は統合思念体とコンタクトをとった。

そしてCL-7の破壊要請を受け入れた。

長門「統合思念体があなたを守るとは考え難い」

CL-7「……」

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:25:53.31 ID:c+A2Bhkc0

長門「……」

CL-7「……」


CL-7は静かに口を開いた。


CL-7「任務完了」

長門「……」

CL-7「CL-7を異相空間に捕獲した」

長門「――――――――」

長門「CL-7の捕獲……?」

CL-7「そう、あなたがシリアルナンバー7」

長門「……」


私がシリアルナンバー7……?

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:34:14.84 ID:c+A2Bhkc0

そんなはずはない。

私はシリアルナンバー6。

長門「あなたがCL-7……」

CL-7「あなたは知っているはず」

CL-7「CL-7にはすばらしい同期能力がある」

長門「……」

CL-7「あなたは私の情報を同期した」

CL-7「統合思念体はあなたを危険分子と見なし、私は破壊の要請を受け入れた」

長門「……」

CL-7「あなたに伝えられた要請は統合思念体の罠」

CL-7「貴方の力を恐れ、このような形で捕獲した」

長門「……」

CL-7「悪く思わないでほしい。 でないと貴方の暴走で地球が危ない」

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:37:32.74 ID:c+A2Bhkc0

長門「……」

CL-7「私の任務はこれまで、あとは統合思念体が貴方を破壊する」

長門「……」

長門「待って……」

長門「私は……」

CL-7「さようなら、CL-7」

長門「まt……」


プツン















238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:46:34.72 ID:c+A2Bhkc0


すべて罠――――――――



CL-7を凍結し、私の部屋へ移した。
その間、私はずっとCL-7の側にいた。


あなたが私を発見できないのは当たり前。

CL-7は貴方なんだから。



この手間のかかる作業はCL-7の驚異を恐れたがゆえ。
もし、自分がCL-7だとわかったら暴走するだろう。
涼宮ハルヒ消失の事件で私は私を一番理解した。


そしてあなたが睡眠している間、私は部屋に異相空間を創った。


異相空間であれば多少の力を抑え込める。



そう。

すべては罠――――――――

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 19:18:19.15 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
キョン「長門」

長門「なに……?」

キョン「あの件は片づいたか?」

長門「なんの事を指しているのかわからない」

キョン「CL-7の事だろ」

長門「……」

長門「CL-7の件は心配いらない……」

キョン「お、そうか! よし、みんな入ってこい!」

ガチャ

一斉にSOS団のメンバーが部室に駆け寄せた。
このメンバーと顔を合わせるのは5日ぶり。

長門「……」

5日も部室に姿を表さなかった理由を理解した。

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 19:22:57.99 ID:c+A2Bhkc0



CL-7が私に近づかないようお願いしたのだろう。


ハルヒ「いきなり有希がインフルエンザにかかったって聞いたからビックリしちゃった」

長門「もう問題ない」

ハルヒ「5日も経てば部屋の菌も帰るでしょ」

ハルヒ「ということで今からSOS団始動ね!!」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 19:37:41.23 ID:c+A2Bhkc0



長門「……」



貴方達が会話している私はあの時の私ではない。


しかし彼らはそれに気づかない。



CL-7と私は同価値。




CL-7とはなんなのか。

CL-7誕生の経緯はなんなのか。








何故、CL-7だけが優れていたのか。

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 19:40:41.34 ID:c+A2Bhkc0

CL-7という検体はなんのか。

CL-7とは私と全く同じ思考を持っていた。

CL-7が団員に指示を促したのは紛れもなく良心。

彼女が団員の安全を確保した。

そんな良心を抱くCL-7を私は騙した。


長門「……」


私は生きていていいのだろうか。
同じ検体でありながら私は生き延びていいのだろうか。 我々は平等ではないのか。

”CL-7” 私はこの存在の意味を理解してしまった。


”CL-7”という存在は私を苦しめる。



今も、そしてこれからも。


「CL-7」 終わり

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:23:20.27 ID:c+A2Bhkc0

わかりにくくてすいません……
世にも奇妙な物語ということで許してください

もうちょっとしたらまた書きます。
次は愉快な物語を書いていきたい。

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:12:36.93 ID:c+A2Bhkc0

先生「では、涼宮さん。 ここの問いをお願いします」

ハルヒ「はい、そこは2πだと思いまスラムダンク!」

先生「……ぷっ」


ギヤハハハハハハハ!!!!!


男「涼宮おもしれぇwwwwww」

先生「よしwwwww座れwwwww」

ハルヒ「ありがとうございまっする」

女「あははははwwwww」

キョン「……」

キョン(気に食わん……)






なんであいつはあんなにウケルんだッッ――――――――!!!

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:21:31.91 ID:c+A2Bhkc0

「笑塾」


キョン(畜生……)

先生「じwwwwじゃあ次wwwの問いwwwおまえwwww」

キョン「え……俺?」

先生「一発頼むぞwwwwwww」

キョン「は… はい……」

くああああああ大丈夫かな俺……
最近自分に自信がないっていうか……ええい!ヤケクソだっ。

キョン「ここは……  69だとおもいま… 思いま素潜り職人……」

先生「……」

谷口「……」

キョン「……」

先生「えー、じゃあ次の問いを……」

キョン「……」

キョン(くっそおお下手こいたああああああ!!)

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:29:08.52 ID:c+A2Bhkc0

――――――――
谷口「よ、元気ないな」

キョン「喋りかけるな」

谷口「スベったからってそんな落ち込むなよwwwwww」

谷口「おまえはスキー場かっ」

国木田「なんでやねん」

男「ぶーーっwwwwwwwww」

ギャハハハハハハ!!!!!

女「最wwww高wwwwww」

谷口「どうもどうも」

男「国木田神かwwwwwwww」

キョン「……」

キョン(畜生…… おもしれぇ……)







258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:40:14.18 ID:c+A2Bhkc0







キョン(俺は面白くないのか……)

キョン(みんな面白いのに俺は……)


街に買い物がてら道草を踏んでいた。
買い物といっても俺の場合散歩みたいなもんだ。

俺が向かった先は。



キョン「新しくできた百円均一はここか」


そう、俺はみんなを笑わせる為、変装道具を買おうと思う。
俺が変装して登場すれば……


キョン「…ぷっ……大爆笑必至だなww」



一人で明日のことを考え、笑い、わくわくしながら百円均一へと足を踏みいれた。

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:53:19.79 ID:c+A2Bhkc0

店内の玩具コーナーには様々な変装グッズが壁を彩っていた。
今じゃ定番となったあれやこれまで。 おっとそれまであるのか。

キョン「色々あるなあ……」

「ちょいと君」

突然後ろから肩を叩かれた。 不意な出来事に身が硬直する。

キョン「は……はい」

キョン「……なn ……ぶっ!」

肩を叩いたそいつの容姿をみて吹き出してしまった。
髪型はまるで実験失敗後の博士のように爆発し、身に纏っている服装はすべてピンク。
言っちゃ悪いが顔立ちもあまりカッコいいとは言えない。

そんなこいつが俺になんのようだ?

「君は笑いに飢えてるね?」

キョン「え? ああ、まあ」

「うちの塾に入らんかね」

キョン「ははは……   え?」

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:02:58.89 ID:c+A2Bhkc0

キョン「塾?」

「そうだよ、塾だよ」

塾だよ、とだけ言われても理解に苦しむな。
あんたが指してるその塾ってのは笑いに関係あるのか?

「私が設立した笑いを極める塾、名称・笑塾」

キョン「……」

笑いを極める? 笑塾だと?
初対面でさえ凝視されそうな身のこなしのくせに勧誘か。
不審者ってまさにこいつのことを指すんじゃないか?
少なくとも俺ビジョンのこいつはまともに映り得ない。

俺はきっぱり断ってやった。

キョン「いや、結構です」

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:14:51.34 ID:c+A2Bhkc0

塾長「私はそこの塾長でね、毎年」

キョン(聞いちゃいねぇ)

こういうケースは関わらないのが吉だ。
僕用事あるんで、とか適当に理屈並べて逃げるか。
この爺さんくらいなら俺だって撒ける。

キョン「ちょっと僕、用事あるんで……」

塾長「……」

キョン「それじy」

塾長「負け組でいいのか?」

短い挨拶が終わるか終わらないか、それくらい早いタイミングでこいつは俺に問いを投げかけてきた。
禁止ワードを耳にし、俺の体は一瞬痙攣を起こす。




誰がこんな時代にしたか……。

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:25:13.25 ID:c+A2Bhkc0



――――――――
この時代のすべては”笑い”
いかに面白く事を運べるか、いかにユーモアのある言動を起こせるか。

資格、学歴、そんなものなんの肩書きにもならない。
通知表に”笑い”の分野が追加され、面接試験のどこもかしこも”笑い”
すべては”笑い”これ一つで人生は手の平を返すように逆転する。



こんな時代に誰がした。



こんな世界に誰がした。




しかし不平不満に打ちひしがれていると負け組になるのだ。
俺が良い例だな。 生き残る為には笑いは必須条件。



否が応でも笑いに専念せざるを得ない。 そんな時代なのだ。

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:35:53.99 ID:c+A2Bhkc0


塾長「私が君に話かけたのは負け組オーラを感じたからなのです」

キョン「……」

塾長「やめませんか? 現実逃避するのは」

別に現実逃避してないさ。 だったらここにいる俺はなんなんだ。
自分なりに努力してきたつもりだ。
参考書だって買ったし、お笑い入門セットも予算が許す範囲で購入した。

キョン「俺はいくら頑張っても無理なんだよ……」

塾長「……」

キョン「おつむがどうのこうのじゃないからな、お笑いは……」

キョン「すべてはセンスだろ?」

塾長「違う」

キョン「……」

今の俺になんの説得も通用しないさ。
お笑いを極めた塾長さんでもな。

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 18:12:57.05 ID:c5K6L/wW0

塾長「最近塾に新しい生徒が入ってね」

キョン「そうなんですか」

これ以上の長居は危険だと判断するも負け組とまで罵られ黙っていれるわけがない。
塾長は俺を笑塾へ誘導した。

キョン「……」

シダ植物が生活する狭い路地を通り、裏玄関のような所から入った。
この様子じゃ無断で塾を経営しているな……。

塾長「ここだよ」

キョン「は?」

最終的に連れてこられた場所。
それは八畳間に大きな社長席がある空間だった。
俺の部屋に劣らない狭さときたか。もしや誘拐?まさか。

キョン「生徒は?」

塾長「生徒は今、テキストに取り組んでいるだろう」

316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 18:23:52.84 ID:c5K6L/wW0

キョン「テキスト?」

塾長「そうだよ」

塾長「私が教える事はすべてテキストに記されている」

塾長「生徒はそのテキストの指示に従うことで将来は有望」

そんな馬鹿な。少なくとも一般大衆の固定観念とはかけ離れている。
通信教育じゃあるまいし。これは塾とは呼べない。詐欺だ。
俺は腹の底から自称塾長に向けて暴言を放った。

キョン「あんたの設立した塾ってのは完全に名前負けしている」

キョン「こんな怪しい塾生にだれがなるか」

塾長「ではテキストをタダであげましょう」

キョン「なに?」

塾長「これ一冊さえマスターすればあなたは笑いを極めることができる……」

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 18:41:20.86 ID:c5K6L/wW0



――――――――
我関せずと誓ったくせに俺の机にはあのテキストがあった。
タダと言われ強欲が俺を操作したんだ。決して俺の意志じゃない。
とりあえずパラパラとテキストに目を走らせた。

キョン「……なんだこれ」

キョン「第一章…… 笑いの基本?」

もう1ページめくるとそこには夥しい数の親父ギャグが箇条書きされていた。
その数ざっと300……。

キョン「これを毎日10回音読だと?」

妹「キョンく〜ん、ご飯だよ〜」

キョン「ばかばかしい」

俺はテキストをゴミ箱にダンクし階段を下りた。





後で後悔したのはいうまでもない。
あのテキストを焼却炉に突っ込むべきだったと。
あのテキストを木っ端微塵にすべきだっと。
俺は思うね。

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 20:01:58.62 ID:c5K6L/wW0



――――――――
キョン「よお」

ハルヒ「あ、キョン……」

ハルヒ「おはようございまする」

ギャハハハハハハハ!!

キョン「あ、ああw」


ハルヒのくだらないボケにクスリときてしまう。
周りの連中なんか大爆笑だ。
なんでこいつはこんなに面白いんだろう。
才能か? 醸し出す雰囲気か?

キョン「宿題やったか?」

ハルヒ「……」

ハルヒは俺の問いかけに黙り込んだ。
そんないけない質問だったか?
そういう確認もふまえ敢えて同じ質問をした。

キョン「宿題やったか?」

326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 20:09:14.81 ID:c5K6L/wW0

ハルヒ「…と… トイレ」

キョン「え? いや……」

ハルヒは席を立ったと同時に欽ちゃん走りで部屋を後にした。
もちろん周りは腹を抱えて呼吸困難に苦しんでいる。

キョン「……」

あれはボケてるんだよな?
ハルヒが見せた一瞬の表情は俺に悲愴感を感じさせた。

キョン「……」




評価されているのになにが不満なんだ?

328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 20:23:11.60 ID:c5K6L/wW0



――――――――
府に落ちないまま帰宅した俺の視線は偶然か、ごみ箱にいった。
そのゴミ箱には筒状に丸められたテキストが突っ込まれている。

キョン「……」

バックを机に放り投げごみ箱からテキストを拾う。
何気なしにページを開き、眺めていた。
最近の学校が憂鬱だ、笑いさえ出来れば楽しいだろうなとか思いながらベットに横たわる。

キョン「……」

ふとあの塾長の言葉が頭をよぎった。
俺のお笑いはセンスだという主張を真剣な顔で否定した。
あれはどういうことだろう。努力でどうにかなるって言いたいのか?

キョン「……」


”私が教える事はすべてこのテキストに記してある”


キョン「……」

騙されたと思ってやってみるか?
毎日十回の音読程度なら暇つぶしに丁度いいな。
俺は胡座をかいて真面目に取り組んでみた。

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 20:34:23.90 ID:c5K6L/wW0

キョン「マイケルジョーダンの冗談はまーいけるじょーだん」

キョン「野口英世のぐちひでーよ」

キョン「お山がふっとんだ、おやまー」

キョン「……」

ようやく音読し終わった。
達成感の欠片も感じない、むしろ疲労感が幾分増した。

キョン(こんなので大丈夫なのか?)

児戯に等しいこのお遊びにつき合っている暇が勿体ないくらいだ。
それくらい呆れた。

キョン「こんなんで効果が出るのかね」

なんて事いいながら今度はテキストを本棚に立てる俺。
もうなにもかもに嫌気がさしてくる。

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 21:24:11.66 ID:c5K6L/wW0



――――――――
ハルヒ「上一段活用だっちゃ」

ハルヒのボケにドッと教室が揺れた。
先生まで大きな口開けて、なにやってんすか。

先生「よしwwww座れ」

先生「じゃあ次はwwお前wwwこの問いを頼むwww」

キョン「……」











うわあああああああああああああああああ勘弁してくれえええええ

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 21:30:55.56 ID:c5K6L/wW0

皆の視線が一斉に集まり、奴らは哀れみの目を向ける。
またスベルぞ、とか思ってんだろうな。
俺は静かにゆっくりと立った。






そしてすべての始まりはこれだ――――――――







キョン「よっこらしょ」









キョン(え……?)

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 21:36:24.47 ID:c5K6L/wW0

別に面白くもなんともない。
いや、日常生活で多用する極めて慣れ親しんだ言葉だ。

先生「ぶーっwwwwwwwwwww」

ギャハハハハハハハ!!


キョン「……」


ウケタ……? いや驚くべきはそこではない。









俺は立ち上がる際、無意識に声を出したのか?
俺の脳はなんの指令もだしちゃいない。



勝手に俺の口が――――――――

336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 21:45:14.88 ID:c5K6L/wW0

先生「wwwこwwwたえてwwww」

キョン「わかったなり……あっ」

ギャハハハハハハ!!

キョン(どうした俺っ!!!)


俺の脳はまるで誰かの支配下にあるように操られた。
喋るつもりのない言葉まで口にしてしまう。

キョン(と… とにかく答えをっ!!)

キョン「え〜ここはアが答えだとキョン君はキョン君はいってみたり……ってはっ!?」

谷口「腹wwwwいwwwたwwwwいwwwww」

先生「わwwかwwっwwたかwwらww座wwれww」

キョン「は〜い、とぅいまちぇ〜ん」

ギャハハハハハハ!!

キョン「……っ///」




どーなってんだっ!!!どうしちまった俺っ!!!

337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 21:55:04.46 ID:c5K6L/wW0



――――――――
谷口「なあなあwwwお前どうしたんだwwwww」

女「なんでそんなに面白くなったの?wwwww」

キョン「……」


事前に断っておく。俺はわからんと言うつもりだった。
いや言ったはずだ。しかし――――――――


キョン「俺にゃわっかんね〜べ」

谷口「ぎゃははははは!!!」

キョン「あっ……! ……っ///」

キョン(どうなってるっ……)


これで済むんならまだ良かった。
この症状は徐々にエスカレートしていく。


昼休み、職員室に入室した時の事だった。

341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 22:17:02.47 ID:c5K6L/wW0


――――――――
キョン「///」

爆笑の渦の中、何故俺は赤面しているかというと……。
話すと長い、割愛すると俺は職員室に入る際やらかしたのだ。
いや俺ではない、俺の中の何者かが吉本新喜劇ネタを繰り出したのだ。

キョン(くそっ……///)

俺は笑われたかったさ。
でもこんなんじゃない、こんな笑いを望んでいない。

先生「ぎゃははははは!!!」

キョン(笑うな……)

先生「ぷげらげらげら!!」

キョン(俺をみて笑うな……)

先生「かっかっかっかっ!!!」

キョン「お、俺を笑うなっ!!」

俺は耐えきれず教室を飛び出した。
それでも尚、俺の後ろからは笑い声が聞こえる。
その声は廊下の壁で反響しあい走る俺をいつまでも追い続けた。

キョン「あああああああ!!!」

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 22:26:41.41 ID:c5K6L/wW0



――――――――
キョン「……」


居心地の良い部室には長門と俺だけ。
実に居心地がいい。いや言い換えると此処しか落ち着けない。

長門の事を知っている奴なら理由を把握できるだろう。


つまりそういう事だ。



時の流れは残酷でじわりじわりと確実に迫りくる。
かつてこれほどまでに昼休みを愛した時があったか。

心地良い空間でうつらうつら船を漕ぎながら早退を考えていた。


ガラッ


キョン「ん……」

ハルヒ「……」

キョン「なんだハルヒか……」

352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 22:38:46.89 ID:c5K6L/wW0

ハルヒ「……」

キョン「どうした……?」

これからの会話でボケは勿論でてくる。
しかしそれはムードが崩壊しかねない不安定事項の為
俺ビジョンでの会話をお楽しみ頂きたい。

ハルヒ「あんたも?」

キョン「なんの事だ」

ハルヒ「あたしもよ……」

キョン「……」

キョン「勝手に納得されても伝わらんだろ」

ハルヒ「……」

ハルヒは白い吐息を吐き出し、間もなく口を開いた。
その目が潤んでいたのは気のせいにしておこう。

ハルヒ「あんたも笑塾の塾生になったのね……」

キョン「――――――――」

後頭部をゴルフクラブで殴打された。
衝撃が強すぎてぽかーんと口を半開きにしてしまう。

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 22:52:12.33 ID:c5K6L/wW0

キョン「お……お前も?」

ハルヒ「……」

ハルヒはこくんと頷いた。
さて沈黙の時間だ。
長門のページをめくる音だけが等間隔に生じる。
どれくらい黙ってただろう。ハルヒは珍しく弱音を吐いた。

ハルヒ「どうしよう…… もう戻れない……」

キョン「……」

キョン「……」

とりあえず笑塾へ行くのが最優先だと考えた俺はハルヒを連れ無断早退した。
こんな時に授業なんてやってられるか。なんらかの催眠術をかけられたに違いない。


非現実的な考察だがそれを否定してしまうとハルヒはなんなんだという話になる。
SOS団の団員が一同に会したという確率論を無視した現実を目の当たりにしたんだ。
オカルトでも哲学でもかかってきやがれ。

354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/18(日) 23:03:53.53 ID:c5K6L/wW0



――――――――
キョン「確かここらへんだったよな」

ビルの山々が建ち並ぶ街中の細い路地。
確かそこらへんだったような気がする。
先ほどの気合いに似合わない、いい加減な思考であたりを詮索した。


すれ違いざまに俺達を笑う連中が多々いたがそんな事は気にしない。
あのインチキ塾長を見つけださないと始まらん。

キョン「あ、この路地だ!」

この湿気に包まれた雰囲気は間違いない。

ハルヒ「ここだったかしら……」

キョン「ああ、この向こう側の裏口が塾だったろ?」

ハルヒ「え? あたしは違ったけど」

キョン「なに言ってんだ、ここで間違いない」

俺はなにやら戸惑うハルヒの手を引っ張り路地へ足を踏み入れた。



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