涼宮ハルヒの捕獲


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/08(火) 20:31:59.72 ID:F0gcNWbv0

ハルヒ「キョン!ポケモンマスターを目指すわよ!」


ttp://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1215494785/の>>224にある
ttp://mu.skr.jp/1215512945-DVC00001.jpgに触発された俺が
酒の勢いだけで書いてみる

書き溜めないので亀だががんばる

12 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22:52:26.78 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「キョン!ポケモンマスターを目指すわよ!」


キョン「藪から棒になんなんだ」
ハルヒ「やっぱりこの世界に生まれたからにはポケモンマスターを目指すべきよ!」
ズダダダダダ
キョン「おいちょっと待て、そっちは草むらj」

新川「おーい!待って!待ってください!」

13 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22:53:19.15 ID:GTpHwTMo

キョン「新川博士…」
新川「危ないところでした。草むらでは野生のポケm」
ハルヒ「そんなことはわかってるわよ!でも私はポケモンマスターになりに行くの!
     草むら?ポケモン?上等よ!とにかくマサラタウンを出なくちゃ」

新川(どうやら本気のようですね)
キョン(いつものビョーキですよこいつの…)

新川「わかりました。ですが、とにかくまずはこちらへ」

14 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22:54:19.32 ID:GTpHwTMo

新川博士のポケモン研究所

ハルヒ「で?一体何の用?」
新川さん「この中からお好きなポケモンを選んでお連れください」
キョン「お、ヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネじゃないか!こいつは珍しいポケモンだぞ」

ハルヒ「レベルは?」

新川「え?」
ハルヒ「だから、レ・ベ・ル・よ!よわっちいポケモンじゃ話にならないわ」
新川「この子達は全てレベル5ですg」

ハルヒ「ぬるいわ」

15 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22:55:30.99 ID:GTpHwTMo

新川「は…」
ハルヒ「研究所なんだからもっと強いのがいるでしょう!アンタなめてんの!?
     かよわい乙女であるこのあたしが、今から人跡未踏の草むらに分け入るのよ!?
     さ、あんたのせいで女の子が一人死んだって噂流されたくなけりゃ

     もっと強いのを出しなさい!」

キョン「(…いるんですか?)」
新川「(え、ええ…いることはいるんですが…)」

16 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22:56:04.00 ID:GTpHwTMo

新川「し、しかし果たして言うことを聞きますかどうか…」
ハルヒ「聞くか聞かないかじゃないわ。聞かせるのよ。
     さあ!見せて御覧なさい!」
キョン「やれやれ」

新川「で、ではこちらになります…」
ハルヒ「へえ、いいガタイしてるじゃない。この子はなんてポケモンなのかしら?」
新川「ミュウツーと申します」

17 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22:56:53.29 ID:GTpHwTMo

キョン「聞いたこともないポケモンだな」
新川「ええ…少し特殊な事情のあるポケモンでして」
ハルヒ「何でもいいわ!その子のレベルは?」
新川「な、70ですが」
ハルヒ「十分ね!今時の四天王でも大体レベル60がいいところよ。
     これに免じて、私がポケモンマスターになった暁にはあなたの名前も一緒に載せてあげるわ!」
キョン「…これでも新川博士はポケモン研究の第一人者なんだぞ」
新川「ははは…」

新川「(すいません、ちょっとこちらへ)」
キョン「(?)」

18 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:02:39.99 ID:GTpHwTMo

キョン「(何ですか一体)」
新川「(ええ…涼宮さんはあのとおりの性格。ポケモンを強いか弱いかでしか考えていません)」
キョン「(…ですね)」
新川「(そのような方に使われるポケモンが、幸せだと思いますでしょうか)」
キョン「(…思いませんね)」
新川「(どうでしょう、涼宮さんの旅へ一緒に連れ添ってあげてはくれませんか)」
キョン「(は!?)」
新川「(彼女に、ポケモンは道具ではないと、近くで教えてあげてくれませんか…)」
キョン「(冗談じゃない、何で俺がそんなことを!)」

19 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:03:48.61 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「キョン!何をこそこそしてるの!」
キョン「あ、ああいや、すまんすまん」
ハルヒ「早くあなたもこの中から一匹選びなさい!」
キョン「何で俺まで!」
ハルヒ「何よ、かよわい女の子に一人旅をさせるつもり!?」

新川「(彼女もこういっておられることですし…どうか)」
キョン「(くっ…)」

キョン「…わかったよ。じゃ、俺にはゼニガメをください」
新川「喜んで」

20 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:08:28.65 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「待ちなさいよキョン!折角二人ともポケモンもらったんだから、バトルしましょう!」
キョン「勝てるわけねえだろ!」


ドギャーン


ハルヒ「あたしの勝ちね!このまま覇道を突き進むわよ!」
キョン「俺のゼニちゃん…」

21 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:09:34.13 ID:GTpHwTMo

キョン(…しかしおかしいな。何故レベル70のミュウツーがあっさり言うことを…)
ハルヒ「キョン!妹ちゃんにタウンマップを貰ったわ!まずは隣のトキワタウンへ行くわよ!」
キョン妹「ハルちゃん、キョンくん、いってらっしゃーい」
キョン「ねえ、兄である俺には?俺には何もなしか?」

キョン妹「おみやげ待ってるよー」
キョン「旅行じゃねえよ!」

22 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:12:32.19 ID:GTpHwTMo

(トキワタウン)
キョン「…01番道路が死屍累々だぜ」
ハルヒ「準備運動にもならなかったわ!さ、このままチャンピオンロードh」
キョン「待て待て!セキエイのチャンピオンリーグに挑戦するにはだな、
    各地にあるジムリーダーからバッヂをもらわにゃならんのだぞ」
ハルヒ「関係ないわよ!あたしとミュウツーの方が強ければそれでいいでしょ?」
キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「何よ」
キョン「何事も、ルールってもんがあるんだ。よしんばお前がそれで勝ったとしても、
     それじゃあお前のことを誰もチャンピオンだと認めてくれないぜ」
ハルヒ「…」

キョン「だから…な?とりあえずジムを回ろうぜ?」
ハルヒ「わかったわよ!もうっ!」

23 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:13:25.51 ID:GTpHwTMo

キョン「トキワタウンジム…お、ここだここだ」
ガチャガチャ
キョン「…鍵がかかってるな」
ハルヒ「とりゃーっ!」
バギッ
キョン「扉に跳び蹴り!?」
ハルヒ「たーのもーっ!」

古泉「ど、どなたですか?今は大事な会議ty」
ハルヒ「ふぅん、あんたがリーダー?」
古泉「…おや。ふふ…これは随分と可愛らしい挑戦者さんですね」

24 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:15:19.80 ID:GTpHwTMo

キョン「な、なんだ…随分と強面のオニイサンがたがずらりと…」
古泉「申し遅れましたね。私の名前はイツキ。
    このトキワジムを預かるものであり、カントー一円を牛耳るロケット団のリーダーでもあります」
ハルヒ「あんたの経歴なんか興味がないわ!バトルよ!」
古泉「ふふ、その威勢がどこまで持ちますか。いけっ!サイドン!」
サイドン「ギャァッ!」

ハルヒ「相手にとって不足なし!行きなさい!ミュウツー!」
ミュウツー『…』

古泉(ミュウツー!?…まさか、そんな!)

キョン「…ゼニちゃんの出番はなさそうだな」

25 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:17:48.35 ID:GTpHwTMo

10分後
古泉「ふ…ふんもっふ…」
ざわ…ざわ…
「ボスが…負けた…?」「嘘だろ…たった1匹で、6匹が…」
ハルヒ「さあ、バッヂを寄越しなさい!」
古泉「は、はひ…これがグリーンバッヂ、全てのレベルのポケモンがいうことをききまふ…」
ハルヒ「丁度よかったわ!この子、私の指示に従う速さがどうも鈍くて!」

キョン(普通に命令全部聞かせてたじゃねえか…
    一体どうなってやがる)
ゼニ「ゼニ…」

26 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:19:33.56 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「いいこと?これに懲りたら、二度と悪さするんじゃないわよ!」
古泉「わかりまひた…」
ハルヒ「そうね…ロケット団、なんてだっさいネーミング、変えちゃうところから始めましょう。
     今日からあなたたちは、『SOS団』よ!」
キョン「ちょっとまて!何だその脈絡のないお助け屋的ネームは!」

ハルヒ「世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、の略に決まってるじゃない!」

キョン「…ここ、笑うとこ?」
古泉「笑えば…いいと思いますよ…」

27 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:20:16.43 ID:GTpHwTMo

(02番道路)
キョン「よくわからんが、俺までバッヂを貰っちまった」
ハルヒ「いいんじゃない?貰えるもんは素直に貰っておきなさいよ」
キョン「しかしあいつら…災難だったな」
ハルヒ「何いってんのよ!いきなり悪党を退治しちゃったんじゃないあたし達!
     伝説にハクがつくってものよ!喜びなさい!」
キョン(…素直に喜べん)


(同刻・トキワジム)
古泉「えー、それでは…今後我々ロケット団、改めSOS団は…
    団長・涼宮ハルヒ様のため、世の不思議とポケモンを探す活動を開始します」
「「「異議なーし!!!」」」

28 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:21:33.70 ID:GTpHwTMo

(トキワの森)
キョン「ハルヒ、ちょっと待ってくれ。ここらで俺は新しい仲間を探したいんだが」
ハルヒ「何よ、あたしのミュウツーがいればそんなの要らないわ!」
キョン「そういうなよ。俺にはゼニちゃんしかいないんだから、もっと育てたり、
    他の仲間もいなきゃ心細いんだ」
ハルヒ「…全く仕方ないわねぇ。ヘタレキョンのために私の覇道が遠のくけど、
     これも仕方ないと諦めるしかないわね」
キョン「ふう…」

ガサッ

キョン「…お、ピカチュウみっけ」
ハルヒ「!」

29 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:22:35.43 ID:GTpHwTMo

キョン「頼むぜゼニちゃん!たいあt」
ハルヒ「ミュウツー!シャドーボールよっ!」

ズッカァァァンッ!

キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「…何か言うことは」
ハルヒ「ご、ごめんなさい…」
キョン「…お前のミュウツーで、この辺のポケモンを弱らせるような真似は出来ないから。
    悪いがちょっとここで待っててくれ」
タッタッタ

ハルヒ「…」

ハルヒ(…何よ。バカキョン)

30 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:23:10.14 ID:GTpHwTMo

キョン「ゼニちゃん!さっきのピカチュウの様子は!」
ゼニ「ゼニッ!ゼーニッ!」
キョン「こいつはひどいな…おい、大丈夫か」

ピカ「ぴ…ぴぃ…」

キョン「…一刻を争うぞ。ゼニちゃん、火傷の痕に水をかけてくれ!」
ゼニ「ゼニっ!」
キョン「なけなしのきずぐすりだが…原因はハルヒだ」
ぬりぬり
キョン「頼む…ポケモンセンターまでもてばいいんだ…!」
ダッ
キョン「ハルヒ!ニビまで突っ走るぞ!」
ハルヒ「え、ええ?あ、そのピカチュウは…」
キョン「話は後だ!」

31 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:25:03.07 ID:GTpHwTMo

ニビシティ・ポケモンセンター
キョン(…これほど時間が経つのが遅く感じるのは初めてだ)
ハルヒ「…」
キョン「…回復するかな、あのピカチュウ」
ハルヒ「…あたしが悪いのよ。何であたしを責めないのよ」
キョン「お前は確かに考えなしにミュウツーを使っちまった」
ハルヒ「…」
キョン「でも、わかったろ?ミュウツーの力」
ハルヒ「うん…」
キョン「なら、いいさ」
ハルヒ「…」

ピチャ…

ハルヒ「ごめん…ごめんね…ううっ…!」

32 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:29:17.22 ID:GTpHwTMo

『マサラタウンのキョンさん、マサラタウンのキョンさん。
 ポケモンの処置が終了いたしました。受付まで―』
キョン「おっ…じゃあ、行って来る」
ハルヒ「うん…待ってるわ」
キョン「一緒に来ないのか?」
ハルヒ「どんな顔してあの子に会えばいいのよ…ごめん、今は一人にして」
キョン「…すまん」

ハルヒ「…私、強くなるだけじゃダメなの…?」


ミュウツー『…ようやく気付いたか』

33 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:30:13.71 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「え!?え、ええっ!?」
ミュウツー『何を驚いている。私はテレパシーが使えるのだぞ』
ハルヒ「何よそれ!ならどうして、今まで黙ってたのよ!?」
ミュウツー『言う必要がなかったからだ。私は今まで、貴様の道具だった』
ハルヒ「―!」
ミュウツー『滑稽なものだ。道具を痛めつけて、涙を流す。
       そのような人間の夢が言うに事欠いて、覇道、とはな』
ハルヒ「違う、違うわ!あたしは、あなたを道具だなんて」
ミュウツー『嘘だな』
ハルヒ「うっ…」
ミュウツー『お前は私に何を求めていた。力、ただそれだけではないのか』
ハルヒ「うっ…あぁっ…」

34 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:31:40.58 ID:GTpHwTMo

ミュウツー『…だが、気付いたようだな』
ハルヒ「っ、そうよ!あたしはあなた達が生きてること、わかったわ!」
ミュウツー『…ならば、いい』

ミュウツー『ゆめゆめ、忘れぬことだ。私はいつも、見ている―』
ハルヒ「!」

キョン「…ルヒ、おい、ハルヒ!」
ガクガク
ハルヒ「…ふぇ?あ、あれ?あたし…」
キョン「疲れてたのか?こんなとこで居眠りなんてな」
ハルヒ(今の…夢…?)

ミュウツー(…)

35 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:32:28.26 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「あ、そ、そうよ!あのピカチュウは!?」
キョン「ああ、持ち直したぜ。今はポケモン用のベッドでぐっすりだ」
ハルヒ「よかった…」

ポタッ

キョン「お、おいハルヒ?」
ハルヒ「よかったよぉ…!」
キョン「…あぁ。本当に良かった」

ギュッ

36 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:34:46.93 ID:GTpHwTMo

(次の日)
キョン「…ってわけだ」
ハルヒ「一度ポケモンセンターで面倒をみてしまうと、野生に戻れない…」
キョン「だから、俺達のどちらかが責任を持ってゲットする必要があるんだよ」
ハルヒ「…キョンにお願いしてもらってもいいかしら」
キョン「…。いいのか?お前が狙ってたんだろ、こいつ」
ハルヒ「考えがあるのよ」

ピカ「ピカ?」
キョン「というわけだ。俺達に捕まってくれるか?」
ピカ「…ピカチュ」
キョン「よし、いくぜ!」

パァァァン コロ… コロ… コロ… カチッ

キョン「ピカチュウ!ゲットだぜ!」
ゼニ「ぜっぜににー!」

37 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:36:32.50 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「キョン!お願いがあるの!」
キョン「ん?何だよ。メシなら奢らんぞ」

ハルヒ「ポケモン、交換して!」

キョン「は?でもお前の手持ち…ミュウツーだけだろ!?」
ハルヒ「いいのよ!あたしのミュウツーとあなたのピカチュウ。条件に不服は?」
キョン「ねーけど…」
ハルヒ「じゃあ決まり!元気でやんなさいよ、ミュウツー!」
キョン「やれやれ、短い付き合いだったな…まぁ、ずっと一緒だけどよ」
ピカ『ピカー』
ゼニ「ゼニニー!」
ミュウツー『…』

ハルヒ「ミュウツー!あんたはキョンの腰で、あたしの覇道を見てなさい!」


ミュウツー(そういうことか。…面白い)

38 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:37:45.97 ID:GTpHwTMo

         /  . __ 、/ 丿               ヽ
          / ,  / ./  /  _ ,__'   i  i  i  i   'l
          //. /  /  /_-''’ ___,,ノ、  7  '       l
        . レ.l/  ./   /  ,,-'''''  l l  .l   ,       l
          / ,/   ´  , '_ !-‐'''''''''''') ./l ../l     i ...l l
         r/ .l  ゙   '''’ _,,,-‐/ ̄.l/ .l ./ l     i  .l l
         .l.!         々' Vヽー--l/'‐、l /l   i  /ll      ところで説明だが
         l         /'''' ヽ   '..,,,___、l/./   ノ'l/ l'
        l         ./   !       '' /'/' ,/)ノ    ・俺はゼニちゃんをボールから出して連れ歩いている
        l        /   /          / ,//    ・ハルヒとピカチュウは昨夜、仲直りしている
        /       丿   亅         ./ /r'     ・『』でポケモンが鳴く時は、ボールの中
     / ̄ ̄ ̄''' ‐ ,_ /丶   ____        ./ /
   / ̄ ̄ ̄ ̄''' ‐ ,_ \. .l\ ”-ニ⊃    //r'\
   /          '-,/  .l \  ' ̄   ,/ / │ ''、、     それじゃ、ニビジムへレッツゴーだ
  ./            /  l 丶ゝ,,,,,,,-‐''  /  │  'l "'-、
 /          .∩/   .l  /─、 ,─/   │   'l  "'-、
../          ∩/    .l /  Cl l - l\  │    'l    "'-、
/            /     レ' ヽ┌──┐ソ\ │     'l      "'-、

39 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:39:50.90 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「たーのもー!」
キョン(鍵が開いてるジムでよかったぜ…)
ハルヒ「ジムリーダーはどこ?出てきてあたしと勝負しなさい!」

谷口「WAWAWA〜…誰だこいつら?挑戦者か?」

ハルヒ「あんたね!かたい いしの おとこ 谷口!」
谷口「ゲェーッ!?何故そのことを知ってる!?」
ハルヒ「あたしは何でも知ってるのよ!」

キョン「入り口の看板にデカデカと書いてあったことを復唱するな、こっちが恥ずかしい」

40 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:40:36.47 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「いいから勝負よ!いきなさい!ピカチュウ!」
谷口「…ピカチュウー?ぶっ、はっはっはっは!」
ハルヒ「何が可笑しいのよ!」
谷口「いいかぁ?ポケモンには『相性』っつーもんがあるんだよ!
    でんきタイプのピカチュウじゃ、悪いが俺は倒せねえ!」
ハルヒ「やってみなけりゃわかんないでしょ?」
谷口「いいぜ、かかってこい!いけ、イワーク!」
ガォォォンッ

ハルヒ「ピカチュウ!でんきショックよ!」
バリリリリッ プスッ
ハルヒ「…あら?」

41 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:41:50.10 ID:GTpHwTMo

キョン「…そんなに落ち込むなよ」
ハルヒ「キョンはいいわよ…ゼニガメだもの…」
キョン「ああ、驚いたぜ。相性の力ってのは偉大だな」
ゼニ「ゼニー」
ハルヒ「とにかく!リベンジしなきゃ先へ進めないわ!キョン、一緒に考えなさい!」
キョン「考えるったってなあ…俺みたいに相性で勝負するか、
    そのピカチュウを強く育てるしかないだろ」
ハルヒ「ふんふん」
キョン「いわタイプに相性がいいのは…みず、くさ、かくとう…」
ハルヒ「…それって、このへんにいるかしら?」
キョン「…さあ」

42 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:45:02.34 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「決めたわ!私、この子を強く育てる!」
キョン「ま、その方が後々のためにはいいかもな」
ハルヒ「一応、育てながら他のポケモンも探してみるわ。キョン、頑張りましょう!」
キョン「そうだな。俺もこのあとのために付き合ってやるよ」
ゼニ「ぜにー」

ハルヒ「キョン!なんか可愛いのみつけたわ!」
キョン「こいつは確か…ニドランじゃないか?」

43 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:47:43.86 ID:GTpHwTMo

ハルヒ「ニドラン?」
キョン「ほら、トキワの古泉が使ってたニドキングとニドクイン。
    こいつが進化すると、あれになるはずだぜ」
ハルヒ「へえ〜。キョン、物識りじゃない」
キョン「まあね」
キョン(…まぁ、たまたま知ってただけだがね)

ハルヒ「ようし!この子は捕獲してみましょう。いくわよ、ピカチュウ!」
ピカ「ピッカー!」
ハルヒ「でんじはよっ!」
ビリリリ
ハルヒ「今よっ、モンスターボールッ!」

パァァァン コロ… コロ… コロ… カチッ

ハルヒ「ニドラン、ゲットしたわ!」
ピカ「ピッカピカカー!」

44 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23:50:06.01 ID:GTpHwTMo

その夜
キョン「へえ、驚いたな。そのニドラン♀、にどげりを覚えたぜ」
ハルヒ「にどげり?」
キョン「かくとうタイプのわざだ、もしかしたらそれで谷口のやつならいけるかもな」
ハルヒ「へえ…」

ピカ「ピカー!」
ニ♀「ビィィッ!」

ハルヒ「二人とも、今日一日よくがんばったわ。
     さあ、明日に備えて今日は休むわよ!」

45 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:23:35.06 ID:LYiH8w2o

(翌日)
ハルヒ「たーのもー!」
谷口「またお前か!性懲りもなく、またピカチュウかぁ?」
ハルヒ「そうよ!何か悪いのかしら?いくわよ、ピカチュウ!」
ピカ「ピーカー!」
谷口「はっ、これじゃあイワークを出すまでもねえ。いけっ、イシツブテ!」
パゥゥン

ハルヒ「いくわよピカチュウ!でんこうせっか!」
ピカ「ピカァッ!」
ズガァァァン
谷口「でんきわざは封印か。だが!いわタイプにノーマルタイプのわざは相性が悪いぜ?」
ハルヒ「ふん。せいぜい今のうちに吠えてなさい!」
イシツブテ「ブテェェェ」
谷口「何!?あのイシツブテが…跳ねとばされた!?」
ハルヒ「ふっふーん。昨日までのあたし達と思わないことね!」

46 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:23:57.85 ID:LYiH8w2o

谷口「くっ。いけ、イワーク!こいつらのにやけ顔をひんまげろ!」
ハルヒ「ニヤけてんのはアンタでしょうが、この白石!」
谷口「その話はやめろぉぉぉ!イワーク、がまんだ!」
イワ「ンゴォォォ!」
ハルヒ「ピカチュウ、続けてでんこうせっか!」
ピカ「ピッ!」
ガンッ!ガンッ!
谷口「ははは、流石にイワークに対してはパワー不足だな。いけぇ、倍返しだ!」

イワ「ンゴォォォッ!」

ピカ「ピキャーッ!?」
ハルヒ「ここまでね。戻りなさい、ピカチュウ!」

47 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:24:59.47 ID:LYiH8w2o

谷口「ふふふ…それで終わりか?ならば俺のかt」
ハルヒ「何をねぼけているのよ。いきなさい、ニドランっ!」
ニ♀「ビィィッ!」
谷口「な、新しい仲間!?」
ハルヒ「先手必勝よ!ニドラン、にどげりッ!」
ニ♀「ビッ!」

ガスン ズガァァァンッ!

イワ「ウウウウッ!」
谷口「イワークが…負けた…こんな女に…」

49 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:30:00.04 ID:LYiH8w2o

キョン「ナイスコンビネーション、ハルヒ」
ハルヒ「とーぜんよ!あたしにかかればこんな白石、二度目はないわ」

ゆらり
谷口「WAWAWA忘れ物〜…」

ハルヒ「きゃあ!な、何よ、フラフラするなっ!」
谷口「ほらよ…グレーバッヂだ。もって行け…」
ハルヒ「あ。そうだったわね、よし!グレーバッヂ、ゲットしたわ!」
ピカ『ピッカピカカー!』

ミュウツー(…ふん)

50 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:30:37.59 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「キョン、次のジムがあるハナダシティはこっちでいいの?」
キョン「ああ。ここはオツキミ山って行ってな、その昔月から隕石が落ちてきたんだとよ」
ハルヒ「へえ…それは何か不思議がありそうね!キョン!いくわよ!」
キョン「わ、手を引っ張るな、いて、いてぇっ!」

古泉「…おや?あれはもしや…」

51 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:31:00.21 ID:LYiH8w2o

キョン「あれ?古泉じゃないか」
ハルヒ「こんなところでどうしたのかしら?」
古泉「いえいえ、ちょっとポケモンの販売所の見回りを」
キョン・ハルヒ「「ポケモンの販売?」」
古泉「あ!いえいえ、聞かなかったことに…」
ハルヒ「一体、何を売っているの?」
古泉「涼宮さん…いえ、そんなキラキラした目で訊かれても…困りますよ」

キョン「…ミュウツー」
古泉「ゾワッ」

52 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:32:16.44 ID:LYiH8w2o

キョン「…つまりなんだ、そのコイキングってポケモンを売り捌いて」
ハルヒ「この山でもっと珍しいポケモンを探す資金に?」
古泉「は、はぁ…」

キョン「古泉」
ハルヒ「そういうことやめなさい」

古泉「す、すいません…」
ハルヒ「あたし達はね、そういう風にポケモンで世の中に迷惑をかけること、あんまり好きじゃないわ」
キョン「そりゃ、いきなり真っ当な仕事しろっていっても色々あるのはわかるが…」
古泉「すいません…ううっ」
キョン・ハルヒ「「?」」

53 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:34:33.41 ID:LYiH8w2o

古泉「いえ…こうしてまともに叱られたことが、久しぶりなものでして…」
キョン「…」
古泉「悪いことを悪いと言われる。それだけのことが、本当に…」
ハルヒ「…古泉君」
古泉「はい」
ハルヒ「根性よ!」
古泉「は、はぁ?」
ハルヒ「前向きに頑張っているのなら、他の誰が認めなくてもあたし達が認めてあげるわ!」
キョン「確かに仕事も生活も色々大変だろうが…お前しか踏ん張れる奴はいないんだ」

古泉「はい…はい…!」

キョン「だからとりあえず」
ハルヒ「コイキング売るのはやめなさい!」

54 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:35:39.22 ID:LYiH8w2o

キョン「しかし古泉に会えてよかったな」
ハルヒ「ほーんと。ハナダまで車で送ってもらっちゃった」
キョン「オツキミ山の不思議探索、終わってないけどな」
ハルヒ「あ…。い、いいわよ!いつか行ってやるわ!」
キョン(強がっちゃって)

ハルヒ「で、ここがハナダジム?」
キョン「何々…ハナダジム リーダー リョーコ…」

55 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:36:33.97 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「おてんば にんぎょ… 女の子なのかしら?」
キョン「さ、さあなぁ!さっ、行ってみようかハルヒさん!」
キョン(これはワクワクせざるを得ない!)
ハルヒ「何よ、エロキョン!」
キョン「なっ!お、お前、失礼じゃなひか」
ハルヒ「鼻の下が伸びてるのよ!」

ハルヒ(何よ…あたしだって)

朝倉「いらっしゃい!あなた達、挑戦者さん?」
キョン(…AAランク+!)
ハルヒ「そうよ!お手合わせ願えるかしら?」
朝倉「ええ、喜んで!では、お一人づつでよろしいかしら?」
ハルヒ「…このエロいのは放っておいて、まずはあたしからよ!」
朝倉「ふふっ、では、よろしくお願いするわ」


キョン(競泳用水着…最高…!)

56 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:37:17.53 ID:LYiH8w2o

(20分後)
ハルヒ「やったわね!」
ピカ「ピッピカチュー!」
キョン「お、その様子じゃあ、無事勝ったか」
ハルヒ「あったりまえよ!ピカチュウだけでお茶の子さいさいだったわ!」
朝倉「強いのねぇ。では、次はあなたよ」
キョン「よ、よろしくおねがいしまっす!」

ゼニ「…」
ハルヒ「…ねえゼニちゃん。これがあなたのご主人の本性よ」
ゼニ「…ぜに」

57 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:38:45.18 ID:LYiH8w2o

朝倉「ふふ。あの子とはタイプの相性にやられちゃったわね」
キョン「は、はあ。そうなんですか」
朝倉「みたところあなたは…ゼニガメが主力なのかしら?」
キョン「は、はあ。まあ、そうです」
朝倉「それは残念ね」
キョン「え?」
朝倉「私達、相性がよすぎてダメになりそうよ」

朝倉「…お行きなさい、スターミー!」

キョン「なんと、みずタイプだと!?」
朝倉「…伊達でこんな服装をしてるわけじゃないわ」


キョン「コスプレかと思ってた…」


朝倉「…」
ゼニ「…」

58 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:39:41.77 ID:LYiH8w2o

キョン「はっ、い、いくぞゼニちゃん!みずでっぽう!」
ゼニ「ゼニーッ!」
プシュゥゥゥゥ

朝倉「無駄なの」
スタ「ハッ!」

キョン「なっ!全然効いてない!?」
朝倉「馬鹿ねぇ、みずタイプにみずのわざなんて」
キョン「しまった…!」
朝倉「それに、私のスターミーにはとっておきがあるのよ?」
バチバチバチバチッ!

キョン「な、なんかやばい!逃げろ、ゼニちゃん!」
ゼニ「ぜ、ぜにーっ!」

朝倉「うん、それ無理」

ドグッシャァァァァ

朝倉「クチバジム譲りの10まんボルト。どうかしら?」

59 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:40:48.98 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「…元気出しなさいよ」
キョン「完全に舐めてた…あんなわざが使えるみずポケモンがいるなんてな…」

朝倉『やっぱりみずポケモン同士の勝負じゃ、私に一日の長、ありかしら?』
キョン『…ゼニちゃん…すまん!』
朝倉『その腰にもうひとつあるボールは?使わないのかしら?』
キョン『こいつは…大事な預かりものだ。勝負には使えねぇ』
朝倉『そう。それじゃ仕方ないわね。ブルーバッヂが欲しければ、いつでもまたいらっしゃい』

キョン「完敗だっぜ…」
ハルヒ「もう!暗いアンタなんて、いいとこひとつもないわよ!シャキっとしなさいシャキっと!」

60 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:41:55.92 ID:LYiH8w2o

キョン「…すまん。くそ、どうかしてるぜ俺は…!さて、どうしたもんかな…」
ハルヒ「あいつのスターミー、でんきわざを使ったんですって?」
キョン「ああ。同じみずポケモンで行くと、あっという間に返り討ちだ」
ハルヒ「じゃあ、弱点をつけるでんきポケモンで速攻か…」
キョン「あるいは」

ハルヒ・キョン「「くさポケモン」」

キョン「しかねえよなぁ。やっぱりよ」

61 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:42:29.87 ID:LYiH8w2o

ミュウツー『…このあたりにはナゾノクサがいる』
キョン「え?誰だ?」
ミュウツー『懐かしい…この地のことならよく知っている』
キョン「誰だ?一体何を!?」
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!?どうしたの?」
キョン「何って、変な声が…」
ハルヒ「へんなこえ?」

ミュウツー『もう一度言う。ハナダジムで勝つためにナゾノクサを捕まえろ』

キョン「わあああああっ!」
ハルヒ「ちょ、キョン!キョーン!」
ゼニ「ぜにー!?」

62 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:43:31.72 ID:LYiH8w2o

(―ハナダポケモンセンター)
ハルヒ「…ナゾノクサ?」
キョン「ああ。よくわからんが、そいつがハナダジム攻略の鍵らしい」
ハルヒ「名前からして、くさポケモンっぽいわね」
キョン「ああ…おそらく、な」
ゼニ「ぜにーっ」

キョン「すまんなゼニガメ…きっと次のジム戦ではお前に無茶なんかさせないぜ」
ゼニ「ゼニッ!ゼニニっ!」
キョン「…ん?何か作戦があるのか?」
ゼニ「ジェニジェニ…(ひそひそ」
キョン「…ほう?だが、それ本当に使ってもいいのか?」
ゼニ「ぜに。ぜにっ!」
キョン「…よし。ゼニちゃん、そいつも頂きだ」

ゼニ「ぜに〜♪」

63 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:44:07.54 ID:LYiH8w2o

キョン「あの橋を超えた、このへんの草むら、か」
ハルヒ「しかし、あの橋のトレーナーは何だったのかしら?」
キョン「わざわざ5連戦せずに、何度か休みに戻っても仕切りなおしにならないなんてな」
ハルヒ「しかも、何かくれたわよ」
キョン「ああ、そいつは売るとお金になるらしいな。その名も『きんのたま』だ」
ハルヒ「…何か急にこれがまがまがしく思えてきたわ」
キョン「ほう?そいつはどうも、ハルヒさんもお好きなことで」
ハルヒ「なっ…![ピーーー]!エロキョン!」
キョン「はっはっは」

ゼニ「ぜにー?」
ナゾ「にゃぞー」
ゼニ「ぜにっ!?ぜににっ!」
ナゾ「なぞー」
ゼニ「ぜににぃっ!」
プシャァァァ
ナゾ「なーぞー…」

キョン「あ、えらいぞゼニちゃん!」

64 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:45:09.58 ID:LYiH8w2o

キョン「よし!ナゾノクサ、ゲットだぜ!」
ゼニ「ゼッゼニニー!」

キョン「ところでハルヒ、ちょっとピカチュウを練習相手に借りていいか?」
ハルヒ「練習?ああ、でんきわざへの特訓、かしら?」
キョン「そのとおり。ちょっとこいつはタイミングが命なんだ」
ハルヒ「何だかわからないけど、アンタに必要なら仕方ないわね」
キョン「悪いね」

キョン「よし!いくぞ、ゼニちゃん、ピカチュウ!」
ゼニ「ぜにー!」
ピカ「ピカー!」

ハルヒ(ふふ、子どもみたいな顔しちゃって)

65 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:45:49.28 ID:LYiH8w2o

(翌日!)
キョン「今日こそは遅れを取らねぇ!いけ!ナゾっち!」
朝倉「あらあら、考えたじゃない。じゃあ今日は、この子!」
ヒトデマン「フーッ!」
キョン「ふん、何が出てきても同じだぜ!ナゾっち、しびれごなだ!」
ナゾ「にゃぞっ!」
朝倉「あら?状態異常ですって?」
キョン「そうさ!動きさえ止めてしまえば、とろいこいつでも負けやしねえ!
     いけぇナゾっち、すいとるこうげき!」

ナゾ「なぞ〜♪なぞぞ〜♪」

朝倉「これは…まずいわね。ヒトデマンが干乾びちゃうわ。戻りなさい!」
キョン「ようっし!」

66 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:46:59.73 ID:LYiH8w2o

朝倉「さあ、もう一度悪夢を魅せてあげる。お行きなさい、スターミー!」
スターミー「ジュワッ!」
キョン「ふん!同じ作戦の餌食だぜ!もう一回、しびれごなだ!」
ナゾ「にゃぞ〜」
朝倉「ふふ、その対策もばっちりなのよ?」
キョン「何を言ってるんだ?こいつはもうばっちり、麻痺ってるぜ!」
朝倉「察するにあなたのナゾノクサ…『すいとる』しか出来ないでしょ?」
キョン(ギクッ)
朝倉「一匹ならいいわ、でも、二匹目はどうかしら?」
キョン「ええい、わけのわからんことを!ナゾっち、すいとるんだ!」
ナゾ「な…なぞ〜」

朝倉「そう…空気を入れすぎた風船は、割れるわ」

ナゾ「な〜…」コテン
キョン「ナゾっち!?おい、しっかりしろ!」
朝倉「加えて、スターミーはじこさいせいも出来るの。ふふ、残念ね」

67 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:47:40.72 ID:LYiH8w2o

キョン「なんてこった…『すいとる』の容量に限界があったなんて!」
朝倉「それでそっちはあのゼニガメだけ…ふふ、勝負あったかしら」
キョン(よし…完全に油断してるぜ)
ゼニ(ぜに〜…)
キョン「ちっくしょお!いけっ、ゼニちゃん!」
ゼニ「ゼニッ!」
朝倉「同じ徹を踏む…哀れね。せめて、苦しむ時間だけは短くしてあげるわ」
バチバチバチバチッ!
朝倉「さあ!10まんボr」

キョン「そいつを待ってたぜ!」
ゼニ「ゼニっ!」

68 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:48:58.03 ID:LYiH8w2o

キョン「いけぇぇっ!このプールの水、全力で吸い上げてみずでっぽうだっぜ!」
ゼニ「ぜにぃーっ!」
朝倉「ふふ、そんなの無駄…?な、ま、まさかっ」
キョン「その通りだ!」
朝倉「スターミー!やめて!」
キョン「もう遅いぜ!」
ドグッシャァァァァ

キョン「そう…今、ゼニちゃんとスターミーの間には電気の直通ラインが出来上がってるのさ」
ゼニ「ぜぇぇぇぇぇにぃぃぃぃぃぃっ!」
キョン「あたかも電線のごとく、このみずでっぽうでな!」

バチバチバチバチバチバチバチバチッ!

69 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:49:51.96 ID:LYiH8w2o

朝倉「そんな…最初から相打ち狙いで!?」
キョン「ゼニちゃんが是非に、と志願してくれた。その信頼がなきゃ、こんな作戦は出来ない」
朝倉「そ、そんな…」
キョン「ナゾっちのしびれごな…あれはそっちの動きを止めて、狙いを定めるための布石だったのさ」

朝倉「…初めてよ。こんな戦い方。あーあ、残念。そっちはまだ、1匹残ってるものね」

キョン「やったぜ、ゼニちゃん!」
ゼニ「ぜ…ぜに!」
キョン「ブルーバッヂ!」
ゼニ「…ぜっぜにに!」

70 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:52:00.06 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ここがクチバシティね!」
キョン「そんなコテコテのセリフを吐く前に、お前は拾得物を横領するくせをどうにかしろ」
ハルヒ「うっさいわね!あんな薄暗い地下道に落ちてる方が悪いのよ!これは正当な稼ぎなの!」
キョン「どこのRPGの話だよ」
ゼニ「ぜーに」
ハルヒ「そんなことより!今回のジムは、ちゃんと傾向と対策を練りましょう」
キョン「そうだな。今までそれで痛い目に遭ってるんだ、今度は二人揃って合格だぜ」

ハルヒ「えーと何々…?
     クチバジム リーダー ちゅるや
     スモークチーズは あるかい」

キョン「…これで対策練れ、と?」
ハルヒ「…」
キョン「…なあゼニちゃん、ポケモンってスモークチーズが好きなのか?」
ゼニ「ぜーに?ぜに…」
キョン「わからんよなぁ…」
ハルヒ「段々意思疎通出来てきてるアンタたちがわかんないわ」

71 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:57:19.98 ID:LYiH8w2o

古泉「どーこかで だーれかが よんでいるー
    そーれはだーれ だれでしょーねー」
キョン「おお、あのヘタクソな歌を歌っているのは」
ハルヒ「こいずみくーん!」
古泉「おや!これはこれは、お会いできて光栄です」
ハルヒ「丁度よかったわ!古泉君、このクチバジムのリーダーって、どんな人かしら?」
古泉「ええ、リーダー定例会でもお見かけしますが、可愛らしい方ですよ」
キョン「女か!」
古泉「まさしく、そうです」
キョン「これは俄然やる気が!」
ハルヒ「…エロキョンは放っておいて、どんなポケモンを使うのかしら?」
古泉「でんきタイプのポケモンを使われる方です。なかなかお強いですよ」

72 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:58:12.10 ID:LYiH8w2o

キョン「ところで、お前はここで一体何を?」
古泉「はは、嫌ですねぇ。あの時のようなアコギな商売のためではありませんよ」
ハルヒ「さっき、港の方から歩いてきたわね」
古泉「ええ、実は私どもの所有している客船が、これより世界一周の旅に出航いたしまして」
キョン「なんと!」
ハルヒ「素晴らしいわね!今度、是非私も乗りたいわ!」
古泉「それは是非。とにかく、その出航セレモニーの帰りというわけです」
キョン「はぁー…お前ら、実はすごいんだな」
古泉「いえいえ、それほどでも」

73 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 01:59:02.01 ID:LYiH8w2o

古泉「そうだ、ささやかですが、セレモニーのお土産です」
キョン「これは?」
古泉「ひでんマシン01といいまして、これでポケモンに『いあいぎり』を覚えさせることが」
ハルヒ「それは素晴らしいわね!是非いただくわ!」
古泉「喜んでいただけて何よりです。役立ててくださいね。では!」

古泉「おお〜 クワット〜
    愛の戦士 クワット〜」

ハルヒ「…クワットって何かしら?」
キョン「小学生の頃コロコロを読んでた22歳くらいには懐かしいネタなんだろうよ」

74 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:01:35.40 ID:LYiH8w2o

キョン「しかし、でんきタイプか…見事に穴だな」
ハルヒ「あたしはまだいいわ、弱点をつかれることがないもの。でも、キョンは…」
キョン「ああ。ゼニちゃんがな…悔しいぜ」
ゼニ「ぜ、ぜに…?」
ハルヒ「そうよ!今度の奴も、この間のみずでっぽう戦法で…」
キョン「おそらく今回のジムにはプールはないし、でんきポケモンにでんきわざを返してもな…」

ゼニ「…」
キョン「…ん。どうした、ゼニちゃ…」

ピョイ ダダダダダ…

ハルヒ「え、え?まさか、ゼニちゃんが」
キョン「逃げた!?」

75 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:04:39.91 ID:LYiH8w2o

ごしゅじんは ひどいひとだ
ボク いつも がんばってるのに なのに なのに

そうおもったら かなしくて かなしくて
ボク はしりだしちゃったんだ

だいすきなのに だいすきなのに ひどいよ


あれ?まっくらだ
ここは どこ?

76 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:05:30.30 ID:LYiH8w2o

キョン「ゼニちゃぁぁぁん!待て!待ってくれ!」
ハァ ハァ ハァ
ハルヒ「キョン!ゼニちゃんだけど」
キョン「ああ、わかってる!涙が…」
ハルヒ「バカキョン!ちゃんと仲直りしないと、死刑よ!死刑!」
キョン「わかったよ!死刑は嫌だからな!」

キョン(ゼニちゃん…)

キョン(わかってくれ、お前を不要になんか思ったわけじゃないさ)

キョン(ただ…もう、これ以上傷つけるのが、つらくて)

77 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:08:08.72 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ここに入ったわね!」
キョン「ああ…でもここ、何だ?トンネル?」
ハルヒ「どうでもいいわよ!いくわよ!」
キョン「ああ!」

ダグトリオ「ダグダグダグ!」
ゼニ「ぜ、ぜにぃっ!」

キョン「ゼニちゃん!」
ハルヒ「こ、このモグラっ!いくわよ、ニドラン!」

78 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:09:15.30 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ニドラン!にどげり!」
ニド「ビィッ!」
ドガッ
ダグトリオ「ダグッ!」

キョン「ゼニちゃん!すまない、そうだよな、お前はどんな時でも一緒に戦ってくれるんだよな」
ゼニ「ぜ…ぜに…?」
キョン「また、痛かったり、つらかったりするかもしれない…それでも、ついてきてくれるか?」
ゼニ「…(コクン」
キョン「ゼニちゃん…!」
ゼニ「ゼニッ!」

キョン「…よし。まずはハルヒたちの救援だぜ!」
ゼニ「ぜにぃ!」

79 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:10:29.93 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「キョン!こいつ、地面にもぐって攻撃があたらないの!」
ニド「びい…」
キョン「まかせろ!ゼニちゃん!あわだ!」
ゼニ「ぜに!」
ブクブクブクブク
ハルヒ「穴の中へ直接!」
キョン「そうさ、穴を掘った以上、どこかから出てこないといけない。
    あわで追い立てられて、出てきたところをハルヒ、頼むぜ!」
ハルヒ「わかったわ!ニドラン、かみつく準備よ!」
ニド「ビ!」

ズモモモモモ カバッ

ダグトリオ「ダグー!」
ハルヒ「今よ!かみつけ!」
ニド「ビィィっ!」

80 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:11:11.92 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「今よ!モンスターボールッ!」

パァァァン コロ… コロ… コロ… カチッ

ハルヒ「やった!ダグトリオ、ゲットしたわ!」
ピカ『ピッカピカカー!』

ポゥッ…

キョン「え、な、なんだ?ゼニちゃん!?」
ハルヒ「体が…光ってる?」

81 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:12:39.21 ID:LYiH8w2o

ゼニ「ぜ…ぜに…?」

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー

キョン「ゼニちゃんが…」
ハルヒ「進化していく!」

パァァァァァァァッ

カメール「…」

おめでとう!ゼニガメは カメールに しんかした!

82 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:13:53.95 ID:LYiH8w2o

キョン「ははっ…カッコよくなったのか、可愛くなったのか…」
ハルヒ「きょ、キョン?」
キョン「何だ、もうお前のこと、ゼニちゃんって呼べないのか?今度からはカメちゃ…」

カメ「ぜに!」

キョン「…そうだよな。これからもお前は、ゼニちゃんさ!」
カメ「ゼニ!ぜーにっ!」
ピョン ギュッ

ハルヒ「ふ、ふん…何よ、結局仲良しなんじゃない…」
ハルヒ(よかった…よかったね、キョン!)

83 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:14:31.11 ID:LYiH8w2o

(クチバポケモンセンター)
ハルヒ「ゼニちゃん、どうだって?」
キョン「ああ、ゼニガメからカメールに無事進化、何も心配はいらないってよ」
ハルヒ「よかったわね!」
カメ「ぜにっ!」
キョン「ところで、お前の捕まえたダグトリオだがな。どうやら、あのトンネルのヌシだったらしいぜ」
ハルヒ「へ?ほんと?」
キョン「ああ、お前、やるじゃないか」
ハルヒ「とっ、当然よ!あたしの実力は、まだまだこんなもんじゃないわ!」
キョン「そいつなら相性もバツグンだ、きっとクチバジムも突破できる。
    それに今の俺には、進化したゼニちゃんに、ナゾっちもいるんだ。どうにかなりそうな気がしてきたぜ!」

ハルヒ「じゃあ、いよいよね?」
キョン「ああ、クチバジムへ道場破りだぜ」

84 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:17:39.20 ID:LYiH8w2o

【中間質疑応答】

Q.カメールって鳴き声「カメカメ」じゃなかったっけ?
 それともキョンのために「ゼニゼニ」って言ってるんだろうか
 けなげだ……

A.ゼニちゃんは、キョンとの信頼の証に鳴き声が「ぜに」なんです
 本人はちょっとだけ無理してますが、エセ関西弁みたいなもんです
 きっとカメックスになってもゼニちゃんは「ぜに」のままです
 こういうのがあってもいいかな、と思って

85 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:19:18.95 ID:LYiH8w2o

(クチバジム)
キョン・ハルヒ「「たのもーっ!」」
ちゅるや「やあっ!久々の挑戦者さんっかな?」

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ       ス
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|  あ チ モ
         レ!小l●    ● 从 |、i|   る |  |
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│  か ズ ク
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !  い は
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│  ?
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

キョン「…おいハルヒ、やっぱスモチを手土産にすべきだったんじゃ…」
ハルヒ「甘いわね。賄賂を使って勝つなんて、あたしの覇道に傷がつくわ!」
キョン「…というわけで、すいませんがスモチはまたいずれ」

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{       リ| l.│ i|  に
         レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|  ょ
          ヽ|l ●   ●  | .|ノ│  ろ
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.  l
          | /⌒l,、 __, イァト |/ |  ん
.          | /  /::|三/:://  ヽ |
          | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

86 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:20:04.37 ID:LYiH8w2o

ちゅる「…おや?お二人さんはお友達かい?」
ハルヒ・キョン「「とっ、とんでもない!」」
ハルヒ「こいつがいつもくっついて来るだけよっ!」
キョン「ただの付き添いですよ…」

ハルヒ・キョン「…」

ちゅる「まぁまぁ!なかよしなのはいいことさ!
     そうだね、そんなお二人だったらこりゃあ、ダブルバトルで勝負するしかないっさ!」

ハルヒ「ダブルバトル?」
ちゅる「ポケモンの2on2っさ!」

87 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:20:47.55 ID:LYiH8w2o

キョン(…そういえばこいつと一緒にいて、
     まがりなりにも組んだのはこの間のダグトリオの時だけなんだよな…)
キョン「…どうする?経験ないしやめとくか?」
ハルヒ「何を言ってるの?相手の提案を受け入れて勝ってこそ、勝負に箔がつくってものよ!
     ダブルバトル、上等よ。乗ったわ!」
ちゅる「あっはっは、元気な挑戦者さんっさ!それじゃ、お二人とも奥へどうぞにょろ」

キョン「…やれやれ。上だけ指差して勝手に決めるなよ」

88 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:22:10.93 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ここがクチバジム…」
ちゅる「壁の建材はめがっさかたーい装甲板っさ。少々の衝撃じゃあ、びくともしないにょろ」
キョン「なるほど…でんきわざが少々当たったくらいじゃ、どうってことないのか」
ハルヒ「こっちも思う存分やっちゃって構わないってことよ!願ったりじゃない」
ちゅる「じゃあ、ダブルバトルだからこっちもパートナーを呼ぶっさ!おーい!」

                 /´  _        ヽ\
                ./ / /仏∠! } }   トハ
               ; /l lレィ┿!   j┿テトj/リ! ミ} {
                  ; |∧ |j-'●   ● 'イ  l   { ;
               {  |ヽ}   、_,、_,   │ ハ彡| ;  ガクガク
                   | 八   {  }  _l /ノ  !
                 ;: | lr'⌒)、._ ̄_ (´ j //  i | {
                }  l/ヾ三} l___/{彡'´}  i | ;
                ;  |l   ノl |二//|   l  ,イl|
                ;  | ゝー' ∧! //∧__j / l |

89 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:26:16.51 ID:LYiH8w2o

ちゅる「紹介するっさ。今日のあたしのパートナー、あしゃっちにょろ」
あしゃ「あ、あしゃくらです…」
キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「…あの、つかぬ事を伺いますが、あなたとハナダジムの朝倉さんは…」
あしゃ「姉妹です…」

キョン・ハルヒ「「やっぱりか」」

キョン(そういえばあの10まんボルトは、クチバジム譲りとか言ってたっけな…)

90 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:27:31.67 ID:LYiH8w2o

ちゅる「ようし、じゃあお互い、最初に出すポケモンを決めるにょろ!」

ハルヒ(…いいわね、まずあたしがダグトリオで一気に攻めるわ)
キョン(ナゾっちで援護する。思いっきりやっちまえ)

ハルヒ「こっちはOKよ!」
ちゅる「ようし!それじゃあこっちもいくっさ!ビリリダマ、いくにょろ!」
あしゃ「コイルちゃん、いって」

ハルヒ「ダグトリオ、いきなさい!」
キョン「ナゾっち、君に決めた!」

91 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:28:34.74 ID:LYiH8w2o

キョン「いけっ、ナゾっち!ビリリダマにどくのこなだ!」
ヒュンッ
キョン「す、すばやっ!」
ちゅる「ふふーん。ビリリダマの素早さは、ポケモンの中でも屈指さ。
    そんな粉がかかるのを待ってるような、おまぬけさんじゃないにょろよ!」
あしゃ「でんじはよ」
ビリリリリ
キョン「ナゾっち!くそっ!」

ハルヒ「足元がお留守よっ!ダグトリオ、あなをほるっ!」
ダグ「ダグッ!」

あしゃ「そ、そんな…コイルちゃーん!」
ハルヒ「奇襲でまず1匹!ビリリダマは…流石に素早いわね!」
ちゅる「あぶないとこだったにょろ!」

92 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:29:43.67 ID:LYiH8w2o

あしゃ「エレブーちゃん…おねがい!」
キョン「エレブーだって!くそっ、タフそうな奴のお出ましだぜ」
ハルヒ「関係ないわ!ダグトリオ!もういっちょ、あなをほるのよ!」
ダグ「だぐっ!」
ズゴゴゴ…

ちゅる(…あしゃっち。このままじゃあたしたちはジリ貧っさ)
あしゃ(ええ、わかってる…わかってるわ)
ちゅる(あのダグトリオを相討ちに持ち込むから、エレブーちゃんにおとりをお願いするっさ)
あしゃ(わかった)

キョン「作戦会議なんかしてるからだぜ!ナゾっち、エレブーにどくのこなだ!」
ナゾ「うなー!」
あしゃ「あ、しまった」
ハルヒ「チャンス!ダグトリオ、エレブーに狙いを定めてあなをほる攻撃ッ!」

93 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:31:21.55 ID:LYiH8w2o

ズモモモモモッ!
ハルヒ「どうよ!2連続KO…あら?」
あしゃ「…エレブーちゃんのタフネスをなめたらダメかしら」
エレブー「シャアッ!」
ハルヒ「し、しぶといっ!」

ちゅる「動きがとまってるにょろよ?ビリリダマ、『じばく』!」
ハルヒ・キョン「な、なぁっ!?」

ズッガァァァァァァンッ!

ダグ「だ、だぐ…」
ナゾ「にゃ〜…」

キョン「くそっ!ダブルノックアウト…!」
ちゅる「これで全員、1匹ダウンっさ!とどめだよ、ライチュウ!」
キョン「くそっ!ゼニちゃん、頼むぜ!」
ハルヒ「いきなさい、ピカチュウ!」

94 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:36:02.54 ID:LYiH8w2o

ちゅる「あっはっは!うちのジムでみずポケモンかい?
    その度胸だけはチャンピオンクラスだけど、それだけっさ!」
あしゃ「エレブーちゃん、かみなりパンチでカメールをこうげき!」
キョン「くそっ!やっぱり狙い撃ちかよっ!」
バリバリバリッ!
カメ「ぜ、ぜにーっ!」
キョン「大丈夫か!?」
カメ「ゼニッ!」
キョン(進化してタフになったせいか、辛うじてまだいけるが…そう何度ももたねぇぞ)

ハルヒ「ピカチュウ!たたきつけるのよっ!」
ピカ「ピカァ!」
ちゅる「おっと!うちのライチュウにパワー勝負かい?」
ハルヒ「ゼニちゃんに一点集中させるもんですか!」
ちゅる「上等だよ!ライチュウ、ロケットずつきっ!」

95 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:36:49.77 ID:LYiH8w2o

キョン(何か策は…策はないか!…ん?)
あしゃ「エレブー!さっきの穴に落ちないように気をつけながら、距離をつめるのよ!」
エレブー「ブー!」
キョン(…こいつだ!)「ゼニちゃん!ダグトリオの掘った穴に隠れるんだ!」
カメ「ぜ、ぜに?」
キョン「いいから早く!」
カメ「ゼニッ!」

ハルヒ「やっぱりパワーじゃ…進化系には敵わない!」
ちゅる「進化の力ってのはすごいんだよっ?君も早く気付くべきっさ!」
ピカ「ぴ…ピカッ!」
ハルヒ「うちにはうちの流儀があるのよ!ピカチュウ、かげぶんしんっ!」

96 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:38:46.97 ID:LYiH8w2o

あしゃ「あらら?仕方ないわね。エレブー、穴の中のカメールをおいかけなさい!」
エレブー「しゃあっ!」

キョン「そいつを待ってた!ゼニちゃん、全力で入り口にあわを吐くんだ!」
カメ「ぜにぃぃぃぃっ!」

あしゃ「な、なんですって!」
キョン「これでエレブーは、穴の中で纏わりつくあわと戦ってるって寸法さ」
あしゃ「なんてこと!エレブー、でんきショックであわを吹きとばし…」

キョン「そいつはもう、敵わぬ話さ」

エレブー「ぶう…」
あしゃ「え、エレブー!?どうしたっていうの?」
キョン「ナゾっちのどくのこな…そいつがエレブーの体力を削りきるまで、あと少しだった」
カメ「ぜに」

キョン「俺達は…時間を稼げばそれでよかったんだよ」

97 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:39:23.48 ID:LYiH8w2o

ちゅる「見た目が増えたところで関係ないっさ!ライチュウ!10まんボルト!」
ライチュウ「らぁいっ!」
ハルヒ「くっ…ピカチュウ、大丈夫!?」
ピカ「ぴかぁ!」
ハルヒ「どうやら影を意識しすぎて、電力が分散されてるみたいね!」
ちゅる「にょろ…」

キョン「ゼニちゃん!ライチュウにバブルこうせん!」
カメ「ぜにーっ!」

ちゅる「な、なんだって!?あしゃっちのエレブーは…」
あしゃ「ごめんなさい…やられちゃったの」
ちゅる「しまった…これで2対1…」
ハルヒ「よし!動揺している今が最大のチャンス!ピカチュウ!」
キョン「追撃だ、ゼニちゃん!いけぇ!」

ハルヒ・キョン「「とっしん!」」

98 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:41:06.69 ID:LYiH8w2o

ズガァァァァン

ちゅる「ら、ライチュウ〜!?…完全にのびてるにょろ」
ライチュウ「らぁい…」
キョン「これで決まりだな?」
あしゃ「ええ…私達の手持ちは、もうゼロですよ」
ちゅる「これは…認めざるを得ないにょろね。きみたちの勝ちっさ!」
カメ「ぜにー!」
ピカ「ぴかぁ!」

キョン「オレンジバッヂ!」
ハルヒ「ゲットしたわ!!」

99 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:41:47.89 ID:LYiH8w2o

ちゅる「いやぁ、それにしても、きみたちのコンビネーションにはおそれいったさ!」
ハルヒ「へっ?」
あしゃ「ポケモンとトレーナーの間だけではなく、あなたがたお二人の信頼…すばらしいです」
キョン「は…はぁ」
ちゅる「この調子で、もっともっとがんばってほしいっさ」
ハルヒ「べっ、別にあたあたあたしはキョンなんかいなくっても、かっ、勝てるもの!」
キョン「はいはい。…これでも信頼、ですかね」
ちゅる「ひどいことを言ってもきっと一緒にいてくれると思うのは、信頼だにょろよ」
ハルヒ「そ、そんなつもりじゃないもの!」

ちゅる「でも、それと甘えを履き違えないようにねっ!おいたはダメにょろよ!」
キョン「…肝に銘じますよ」
ハルヒ「う、うぅ〜っ…」

カメ「ぜにー(ニヤニヤ」

100 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:43:38.45 ID:LYiH8w2o

--------------

ハルヒ(ちゅるやさんはああ言ってたけど…本当にキョンってあたしのこと意識してるのかしら)

ハルヒ(ジムリーダーが女の子だって聞くとすぐ鼻の下伸ばすし)
ハルヒ(隣にいるあたしにデレたことなんか一度もないし)
ハルヒ(最近はずーっとゼニちゃんと一緒でさ…)

ハルヒ「…はあ」
キョン「何ため息なんかついてんだよ。もうすぐイワヤマトンネルだぜ」
ハルヒ「人の気も知らないで…」
キョン「?」
ハルヒ「なんでもないのっ!」

101 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:44:55.85 ID:LYiH8w2o

(イワヤマトンネル)
キョン「こ、これは…」
ハルヒ「まっくら…ね」
キョン「こりゃあ難儀だな。ピカチュウにお願いしてもいいか?」
ハルヒ「仕方ないわね。ピカチュウ!フラッシュで照らしてちょうだい!」
ピカ「ぴかーっ!」
ヒュインッ
キョン「これで近場は見えるが…こりゃあ奥までは見えないな」
ハルヒ「迷子になったらマズいわね…」

102 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:45:33.67 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「し、仕方ないわね!ほら、キョン!」
キョン「何だよ、その手は」
ハルヒ「繋いであげるのよ!フラッシュの使えないキョンが迷子になったら、一大事だわ!」
キョン「い、いや、遠慮しとく」
ハルヒ「なんでよ!?」
キョン「いや…大丈夫だって。お前のそばから離れないようにしてればいいんだろ?」
ハルヒ「…。ふんっ!」
キョン「あ…すまん」
ハルヒ「知らないっ!」
キョン「お、おい待てよ!」

ハルヒ(何よ何よ何よ!バカキョン!)
キョン(こりゃあ…まずったな。ハルヒがどんどん先に行っちまう)

103 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:46:57.30 ID:LYiH8w2o

ハルヒ(そんなにあたしと手を繋ぐのが嫌なわけ!?)
ハルヒ(何よ!)
ハルヒ(せっかくあたしから譲歩したのに、これじゃ意味ないじゃない!)

ハルヒ(ああ、もう、もう、もうっ!)

ハルヒ「このバカキョン、謝ってももう許さ…あれ?」

シーン

ハルヒ「キョン…?」

104 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:47:38.99 ID:LYiH8w2o

キョン(…まさか本当に置いて行かれるとは)
カメ「ぜに…?」
キョン「ああ、大丈夫だろ。あいつも気付けば戻ってきてくれるさ。それまでは動かずに待ってよう」
カメ「ぜに〜…」
キョン「…何?俺がひどいって?」
カメ「ゼニ」
キョン「いや…だって、今更手を繋ぐとかなぁ…決まりが悪いっつーかよ」
カメ「ぜーにぜーに!」
キョン「向こうの気持ちも考えてやれ、って?そんなこと言われてもな…」

キョン(あいつはマサラで小さい頃から一緒で)
キョン(わがままで、おてんばで、人を使うことを屁とも思ってなくて)
キョン(それで…)

ミュウツー『ふん。これが思春期、というものか』

105 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:48:47.61 ID:LYiH8w2o

キョン「な?お、お前はハナダの時の…!」
ミュウツー『フン。大方、今の関係を壊すような真似に躊躇しているといったところか』
キョン「知ったようなことを言うな」
ミュウツー『知っていることしか言わんよ。フン…お前は、変わった男だ』
キョン「大きなお世話だ」
ミュウツー『そしてあの女も、変わった女だ』
キョン「…」
ミュウツー『変わったもの同士が旅に出て、また少しずつ変わろうとしている』
キョン「…だから何だ」
ミュウツー『鈍い奴だな。その変化をちゃんと見てやれ、というのだ』
キョン「何で!」

ミュウツー『好きなのだろう?彼女が』

106 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:49:56.13 ID:LYiH8w2o

キョン「…!」
ミュウツー『…違う、と否定しないあたりは大人だがな』
キョン「ああそうだよ!悪いかクソッタレ!」
ミュウツー『何も悪くなどない。だが…羞恥心はお互いの関係を壊す害悪だ』
キョン「…」
ミュウツー『素直になれ。素直に生きられない彼女の分、お前が理解してやれ』
キョン「…くっ」
ミュウツー『…さて、そろそろやってくる頃か』

ハルヒ「…ン。キョン!何をあんたはこんなところで寝呆けくさってんのよ!」
キョン「…んあ?あ、あれ?」
カメ「ぜーにに」
ハルヒ「ゼニちゃんが呼んでくれなかったら、あんたそのままここでガイコツよ!?」
キョン(ゆ、夢…だったのか?)

107 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:51:23.29 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「まったくもう!手間かけさせるんじゃないわよ!」
キョン「す、すまん…」
ハルヒ「もういいわよ!次の町に着いたら罰金よ、罰金!ミックスオレくらいは奢ってもらわなきゃ…」

たしっ

ハルヒ「ふぇ?」
キョン「…その、また寝ちまったら困るから…手、借りてもいいか?」
ハルヒ「ーっ!」
キョン「な、さっきのは悪かった。だから、頼む」
ハルヒ「し、仕方ないわねっ!このトンネルを抜けるまでだけよっ!?」
キョン「恩に着るよ」


カメ「ぜに」(ニヤニヤ
ミュウツー(…ふ)

109 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:57:23.10 ID:LYiH8w2o

--------------

キョン「ここがシオンタウン、か」
ハルヒ「なんか、静かというか…陰気な町ね」
キョン「なになに…ポケモン合同葬儀・霊園…ポケモンタワー、ってのがあるらしいぜ」
ハルヒ「うわぁ…そりゃ陰気にもなるわね。ここにはジムは?」
キョン「確かなかったと思うがなぁ」
ハルヒ「じゃあ、ずっといても仕方ないわ。ちょっと休憩したら、次の町へ出発よ!」
キョン「おー」
カメ「ぜにー」

110 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:58:40.80 ID:LYiH8w2o

キョン(で!)
ハルヒ「キョン!タマムシシティに着いたわよ!」
キョン「いやぁ、ここは栄えてるなぁ」
ハルヒ「本当ね!ゲームセンターに、デパートまであるわ!」
キョン「つくづく俺達がイナカモンだってことを思い知らされるな」
ハルヒ「身の丈に合わない態度を取っても仕方ないわ。めいっぱいおのぼりさんしましょ!
     まずはデパートでイワヤマトンネルの罰金を払ってもらうわ!」
キョン「わかったわかった」

ウィィィィ ガチャン

キョン「ほらよ、ミックスオレだ」
ハルヒ「サンキュー!」
キョン「ゼニちゃんにはサイコソーダな」
カメ「ぜーにー♪」
ハルヒ「あんたは何飲んでるの?」
キョン「おいしいみず…」

111 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:59:42.62 ID:LYiH8w2o

--------------

ハルヒ「キョン!すごいわ、わざマシンを売ってるわよ!」
キョン「ほう!これは役に立つかもな!」

--------------

ハルヒ「のうりょくを上げる薬品って、どうしてあんなに高いのかしら!」
キョン「市販の栄養ドリンク飲ませた方が効果ありそうだよな」
ハルヒ「それはいい考えね!試しにゼニちゃんに飲ませてみようかしら」
カメ「ぜにっ!?」

--------------

ハルヒ「キョン!デパ地下の試供品を全種類食べまわるわよ!」
キョン「恥ずかしいからやめてくれ」

112 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:00:33.97 ID:LYiH8w2o

キョン「さあ、やってきましたゲームコーナー」
ハルヒ「さあ!遊びまくるわよ!目指せ、ドル箱の山!」
キョン「まぁ、そんなに気負ってたら来るものも来ないぜ」
ハルヒ「相変わらず甘いわね、ツキは自分で引き寄せるものよ!」
キョン「そういうもんか?じゃあ、とりあえずお互い好きな台で遊んでみようぜ」
ハルヒ「最後にコインが少なかった方が罰ゲームよ!」
キョン「またかよ」

ミュウツー(…ふむ。ここは…)

113 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:03:38.92 ID:LYiH8w2o

ピョロピョロピョロ… カチン
ハルヒ「あー、もーっ!これ壊れてるんじゃないでしょうねっ!」
ハルヒ(折角コインがしこたま落ちてたから、それを使ってキョンに差をつけようと思ったのに)
ハルヒ(そういえば…あいつどうしてるのかしら…)

ハルヒ「ちょっと、キョンー?調子はど…何あのギャラリー」

「すげえ!またスリーセブン!」「パーがこれで何連続だ!?」
「確変が途切れねぇ…どういう設定なんだ」「うおっ、まただぜ!」
キョン「ははは…ど、どうなってるんでしょうねぇ…」

ハルヒ「…ちょ、ちょっとこれ、どういうことよ!?」

114 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:05:43.44 ID:LYiH8w2o

キョン「お、ハルヒ。見てのとおり、バカヅキでな…」
ハルヒ「…」
キョン「…す、すまん。じゃ、俺そろそろやめますんで」
「なんだと!何と勿体無い!」「次はこの台を俺が」「いや、ミーが」
「手前ら!公平にジャンケンだろ!」「抜け駆けは許さないにゃりん!」
ざわ… ざわ…

ハルヒ「…見るまでもないわ。勝負はあんたの勝ちよ!」
キョン「な、何か悪いな…よし、コインを景品と交換するか」
キョン(ほう、珍しいポケモンが景品になってるのか…お、こいつは?)
キョン「すいませーん。このロコンってのを交換していただけますか?」
「はいはーい」

ハルヒ「ロコン?あら、可愛いわね」
キョン「だよなー。何か、ひと目見て気に入っちまったよ」
カメ「ぜに…」
キョン「あ、ああいや!勿論ゼニちゃんも可愛いぜ?」
カメ「ぜに!」

ハルヒ(…あたしは?って訊いて…やっぱやめときましょ)

ミュウツー(これでよし…)

115 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:23:32.15 ID:LYiH8w2o

--------------

キョン「さて、ギャンブルの時間はこれまでだ。これからはバトルの時間だぜ」
ハルヒ「腕が鳴るわね!どんなジムかしら、わくわくするわ!」

ハルヒ「なになに… タマムシジム リーダー エミリ
     おはなを あいする おじょうさま…」

キョン「なんと!またしても女性の方なのか!ヒャッホウ!」
ハルヒ「調子に乗って、あとのジムでむっさいおっさんが出てきて泣かないことね!」
キョン「大丈夫!今の思い出を大切にすれば、俺は生きていける!」
ハルヒ「あっそう…」

116 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:24:12.47 ID:LYiH8w2o

バタム
ハルヒ「たのもー…って、あら?これは…何?」
キョン「緋毛氈に…唐傘?床は一面に芝生だぜ」
ハルヒ「ど、どうなってんの?これがジム!?」

喜緑「あら…ジムに挑戦の方でしょうか?」

キョン「あ、は、はい!藪から棒に失礼します!」
喜緑「ふふ、いいのよ。挑戦はいつでも突然なものだわ」
ハルヒ「アンタがここのジムリーダー?」
喜緑「はい。エミリと申します。以後、お見知りおきを」
ハルヒ「よし、じゃあ早速バトルよ!早くその道具をとっぱらって…」

喜緑「…?あら、もしかして…表の張り紙を読まれてないのかしら」

117 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:46:26.44 ID:LYiH8w2o

キョン・ハルヒ「「張り紙?」」
喜緑「ええ…毎年この時期は、喜緑流華道教室の展覧会を催しておりまして、
    そのためにジムを会場として開放しております」
ハルヒ「へ?それじゃあバトルは…」
喜緑「残念ながら、全てお断りしておりまして…」

キョン・ハルヒ「「な、なんだってーっ!?」
カメ「ぜ、ぜっぜににーっ!?」

キョン「な、なんてこった…こんな落とし穴があるとは…」
ハルヒ「迂闊すぎて涙も出ないわ…出直しましょう、キョン…」

喜緑「…キョン?」

118 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:46:56.59 ID:LYiH8w2o

喜緑「あのぅ…もしかして、あなた方はマサラタウンのキョンさんに、ハルヒさん?」
ハルヒ「へ?え、ええ、そうです」
キョン「何故俺達の名前を?」
喜緑「この間、古泉さんに漏れ伺いまして。
    いきなりトキワジムを単騎で突破した、超★凄腕のトレーナーさんとか」
ハルヒ「え、あの、それは…」
キョン「事実だけど、微妙に何か誤解を生むような…」
喜緑「このエピソードだけで、バトルの実力判定は充分ですわ」
キョン「え?それじゃ、ここは合格?」

喜緑「勘違いなさってはいけません」

119 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:48:04.70 ID:LYiH8w2o

キョン「は、はぁ」
喜緑「レインボーバッヂをお渡しするため、あなた方のトレーナーとしての愛を確かめさせて頂きます」
ハルヒ「あ、愛!?」
キョン「と、いいますと…?」
喜緑「ひとつ町向こうの、シオンタウンというところはご存知かしら?」
キョン「つい先ほど、通ってきたばかりです」

喜緑「結構です。その町のポケモンタワーに、近頃ポケモンの幽霊が出るのですよ」

ハルヒ「幽霊!?それは素晴らしい噂ね!」
キョン「すいません、こいつは放っておいて話を続けてください」
喜緑「…コホン。お願いしたいのは、その幽霊ポケモンの正体を、お二人に突き止めて頂く…それだけです」

キョン(幽霊の正体…?そんなもん、どうやってわかれ、ってんだ?)
ハルヒ「面白そうじゃない!その話、乗ったわ!」

120 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:48:37.71 ID:LYiH8w2o

キョン「お、おいハルヒ!?」
喜緑「すいませんね、でも、あなた方の実力を見込んでのことですので」
ハルヒ「任せておきなさい!」
キョン「…ちなみに、他のテストはないんでしょうか?」
喜緑「ええと、町外れのいねむりポケモンを、ポケモンなし、道具なしで移動させたり…
    伝説のとりポケモンの写真を撮って貰ったり…華道の大会で優勝、という手も」
キョン(…どれも無理難題に思える)
キョン「わかりました…それで、お願いします」
喜緑「はい。では、頼みましたよ」

ハルヒ「さあキョン!シオンタウンへレッツゴーよ!」
キョン「はあ…なんでこうなっちまうんだ?」

121 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:49:38.22 ID:LYiH8w2o

キョン(そう…俺は忘れていたんだ)
キョン(いや、忘れていたんじゃない。敢えて、記憶から抹消していた)
キョン(この女…涼宮ハルヒという人間は…)
キョン(不思議がネギ背負ってやってくる人間だってことを!!)

122 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:50:50.29 ID:LYiH8w2o

(その日の26時前)

ハルヒ「へえ、ここがポケモンタワーね!如何にも何か出そうだわ!」
キョン「…」
ハルヒ「さあ、手をこまねいている暇はないわ!さっさと幽霊を見つけましょう!」
キョン「…あのう、ハルヒさーん」
ハルヒ「何よ?」
キョン「わざわざこの時間を選ぶっていうのは…ちょっと…」
ハルヒ「何言ってんのよ!幽霊と言えば丑三つ時!今が最大のチャンスなのよ!」
キョン「…ちなみに今、あなた様が手にしておられるのは…」
ハルヒ「観音経とニンニク、それと伯方の塩よ!」
キョン「どんだけ!?」
ハルヒ「何を言ってるの!観音経は某地獄先生の武器よ!塩とニンニクには、お清めの効果もあるの!」
キョン「ニンニクが効くのは吸血鬼だろうよ!そんなの無駄無駄ァ!」

123 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:51:51.66 ID:LYiH8w2o

キョン「せめて神通棍とか、式神とか、そのへんをチョイスして…」
ハルヒ「…キョン」
キョン「はい」
ハルヒ「この世は漫画の世界とは違うの。もっと現実を見なさい」
キョン「今のお前が言うか!お前が!」
ハルヒ「あんたまさか、この格好に不満があるっていうの!?」
キョン「当たり前だ!烏帽子なんて初めてかぶったわ!」
ハルヒ「陰陽師の装束よ!いざとなったら、九字を切るの!」
キョン「作法なんか知らねえよ!大体何でお前はいつもの服なのに…」
ハルヒ「あたしだって、巫女さんの衣装を売ってたら着てたわよ!」
キョン「むしろこれ、売ってたのかよ!おにいさんびっくりだ!」

キョン・ハルヒ「「ギャーギャーギャー」」

カメ「ゼニゼニ…」(フルフル

124 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:52:46.85 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「…突入前に余計な体力を使ったわね」
キョン「…全くだ」

(ギィィィィィ…)

ハルヒ「…灯りは常夜灯のみ、か…これは雰囲気あるわね」
キョン「ゴクッ…」
ハルヒ「…な、なにくっついてきてんのよ…!」
キョン「す、すまん…その…」
ハルヒ「…も、もう!仕方ないわね、このヘタレっ」
キョン「…恩に着るぜ」

ハルヒ「じゃあ…上を目指すわよ…」

125 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:53:23.12 ID:LYiH8w2o

コツ… コツ… コツ…

ハルヒ「…静かね」
キョン「…」
ハルヒ「…何よ、何とか言いなさいよ」
キョン「あ、ああ、すまん…」

コツ… コツ… コツ… ガタッ

ハルヒ・キョン「「!」」
キョン「だ、誰だっ!」

シーン…

ハルヒ「だ、誰もいない…?」
カメ「ぜ、ぜに…」
キョン「…気のせいだったか…行くぞ」

コツ… コツ…

126 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:54:05.16 ID:LYiH8w2o

コツ… コツ… ピチョン
ハルヒ「ひっ!」
ガバッ
キョン「ど、どうしたハルヒ!」
カメ「ぜににっ!?」
ハルヒ「あ、ご、ごめん…く、首筋に、水滴があたったみたい…」
キョン「そ、そうか…びっくりした…」
ハルヒ「ねえ…何で上に上れば上るほど暗くなって、じめじめしてるのかしら…」
キョン「…普段、誰も来なかったり、するんじゃねえか…」
ハルヒ「…」

ガシッ

ハルヒ「…」
キョン「…」
カメ「…」

127 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:55:02.77 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「…ここが、最上階?」
キョン「みたいだな…もう、上への階段がないぞ」
ホッ
ハルヒ「な、なによ…幽霊なんていなかったじゃない…」
キョン「はは。最初から誰かの勘違いだったんだな」
ハルヒ「もしくはあたしの装備に恐れおののいたのかも!」
キョン「おいおい!俺の格好かもしれんぜ?」
カメ「ぜににー」
キョン「何でもいいわ!とにかく、かえりm」

ブツンッ

ハルヒ「ヒッ」
キョン・ゼニ「―!」
キョン(停電―!?)

128 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:55:48.26 ID:LYiH8w2o

ピトッ
ハルヒ「ひゃあぁぁぁっ!」
ガバッ
キョン「ど、どうした!」
ハルヒ「あ、は、はわわわ」
キョン「くそっ!何だってんだ!」

ピトッ
カメ「ぜ、ぜににー!?」
キョン「ゼニちゃん!大丈夫か!」

ピトッ
キョン「ひっ!」


キョン(ダメだ、ハルヒがパニくってる!こうなったら)
キョン「ハルヒ、借りるぞ!いけっ、ピカチュウ!フラッシュだ!」
ピカ「ぴぃか、ちゅー!」

ブラン… ブラン…

ハルヒ「こ…」
キョン「こんにゃく…?」

129 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 03:56:50.65 ID:LYiH8w2o

キョン「…つまり、何ですか。俺達はダシに使われたと」
ハルヒ「全く!性格が悪いわね!」
キョン「この時期、何も知らずにやってきた外からのチャレンジャーをポケモンタワーに呼びつけ、
    それを驚かすのがタマムシジムの夏のお約束だなんて」

喜緑「ふふ。ごめんなさいね。カップルさんだったから、つい一番いいところまで引き伸ばしちゃったわ」

ハルヒ「な!あ、あたしとこいつはそんなんじゃないわよ!」
キョン「そうだ!全くもって、タチの悪い」
喜緑「あら、そうなの?ずうっと見ていたけど、あなたたち、最高に相性がいい、って感じだったわよ?」
ハルヒ・キョン「…」

ハルヒ(そう…見えるのかしら…?)
キョン(こいつと…相性がいい?)

喜緑「とにかく!私はとっても楽しませてもらったわ。はいこれ、レインボーバッヂです」

キョン「やれやれ、ようやくか。とりあえず、経過は気に入らないけど…」
ハルヒ「レインボーバッヂ!」
ピカ「ピッカピカカー!」

133 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:11:32.69 ID:LYiH8w2o

(ヤマブキシティ)

キョン(―今日は珍しく、俺達は別行動を取ることになった。
     ハルヒがどうしても一人でいきたいところがある、と言い出したのがきっかけだが、
     おかげさんで俺にも久方ぶりにのびのびとした時間が訪れている。
     いやぁ、やっぱり何だかんだ言っても、一人でいられる時間はいい)

キョン(ゼニちゃんたちは今日一日、「そだてやさん」という施設に預けている。
     何でも、ポケモンに効率的な運動と訓練をさせ、栄養価の優れた食事を与えるなどして
     強く育て上げる新機軸のビジネスなんだそうだ。
     驚くべきことに、この施設を仕切っているのも旧ロケット団…現在のSOS団だ
     古泉の商才には驚きを通り越して感動すら覚えるね)

キョン「さて…どこへ行ってみるかね」

134 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:12:45.03 ID:LYiH8w2o

キョン(さすがカントーいちの大都市、って売り込みなだけある。
     デパートやマンション、大企業のビルまであるぜ。
     …そうだな、折角の一人の時間だが、これからのためを思うと遊んでもいられねえ。
     この街には確か、大きな図書館があったはずだ。
     そこへ行って、せめて手持ちのポケモンのことだけでも勉強しておくか…)


----------------

ハルヒ「たーのもーっ!」
「な、なんだ!?」「若い女…だと…?」
師範「フン…ここをヤマブキ格闘道場と知っての狼藉か?若いお嬢さん」
ハルヒ「あったりまえよ!あたし、道場破りに来たんだから!」

135 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:14:08.26 ID:LYiH8w2o

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キョン「三階建ての図書館なんて初めてだぜ…!」
キョン(い、いかん。きょろきょろしてないんで、ポケモン学のコーナーを探さないと…)
キョン(ええと…二階か。ゼニガメの本はあるかな…?)
トットット
キョン(…しか静かだな。いや、それが普通か…えーと、ゼニガメ、ゼニガメ…)

トンッ

キョン「わっ!(あ、やべっ!)ど、どうもすいません(ヒソヒソ)」

「…いい」

----------------

ハルヒ「おりゃー!どりゃー!」
「「やなかんじぃー!」」キラッ
師範(弟子、二人がかりで…瞬殺!これは…手強い!)

136 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:16:18.46 ID:LYiH8w2o

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「…ゼニガメ」
キョン「へっ?」
「…好きなの?」
キョン(え?俺もしかして、何か口走ってた?)
クイックイ
「…こっち」
キョン「え?あ、はい…」

キョン(一体誰だろう…この不思議な文学少女風な子は。
     でも不思議なことに、その子からは何も警戒するような空気は感じなかったんだ)

----------------

ハルヒ「残りはあんた一人よ!」
師範「ゴクッ…!」

137 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:17:18.66 ID:LYiH8w2o

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「…ここ」
キョン「あ、ありがとうございます…」
「…(フルフル」
トトッ
キョン(行っちまった)

キョン(ええと…【ゼニガメ飼育の初歩】…【ゼニガメと私】…お、【ゼニガメの進化体系】。
     とりあえず、こいつからだな…)

キョン(…おや?さっきの子が座ってるテーブル…周りが空いてるな)

----------------

グギギギギギギ
ハルヒ「あんたはぶっ飛ばさないわ。関節技(サブミッション)で落とす…!」
師範「ギブ!ギブ!」バンバン

138 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:17:59.74 ID:LYiH8w2o

----------------

キョン「(…隣、いいですか?)」
「!」
キョン「あ、い、いえ…ご迷惑でしたら遠慮しますが…」
「…(フルフル」
キョン「…えーと。居てもいいんですか?」
「(コク」
キョン「失礼します…」

キョン(その子が読んでいるのも…ポケモンの本だった。
     超能力を使う…エスパータイプのポケモンについて書かれた本だ)

キョン(…おっと、こっちに集中しなくては)
「…」

----------------

ハルヒ「だからね?サワムラーかエビワラー、どっちかでいい、って言ってるじゃない」
グギギギギギ
師範「そ…それだけは…断じて…!」
グギギギギギ
師範「ひ…卑怯だぞ…!」
ハルヒ「何よ!持って行くわけじゃないのよ?借りるだけって言ってるじゃない」

139 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:19:37.81 ID:LYiH8w2o

----------------

キョン(なるほど…ゼニちゃんのスピードを生かすには、こういう食事…
     あと、カメックスに進化すると…法律で建物の中には連れて入れなくなっちまうのか)

キョン「ポケモンも色々とややこしいな…」
「…そんなことはない」
キョン「え?」
「ややこしいのは、私たち。ポケモンはそれに振り回されているだけ」
キョン「…」

キョン(言われてしまえば…法律も、飼育も、ポケモンバトルも。
     全部、人間の手前勝手なルールややり方…なんだよな)

キョン「すいません。これは俺が間違っていたみたいです」
「…気にしないで」

----------------

ハルヒ「さあ、皆!サワムラー先生とエビワラー先生から、格闘の基礎を学ぶわよ!」
ピカ・ニド・ダグ「「「ギャーッ!」」」
師範「結局二匹とも借り出された…トホホ」
師範(ていうか…自分で教えたほうが、早くないか…?)

140 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:24:40.21 ID:LYiH8w2o

----------------

キョン「ふう…こんなに真面目に本を読むのも久しぶりだぜ…」
キョン(…この子もずっと本を読んでるが…疲れないのか?)
キョン「あのう…」
「何?」
キョン「目、疲れませんか?よかったら、本を教えていただいたお礼にジュースでも奢らせてください」
「…」

「…敬語はいらない。普通に話して」

キョン「え?あ、こりゃ失礼。え、えーと…ジュース、奢ろうか?」
「…」コクッ
キョン「じゃあ、決まりだ。確か、入り口の方に喫茶室が…」

----------------

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー

ハルヒ「まさか…この訓練で!」

パァァァァァァァッ

ニドリーナ「にどっ!」

おめでとう!ニドラン♀は ニドリーナに しんかした!

141 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:26:23.56 ID:LYiH8w2o

----------------

キョン「…」ずず…
「…」チューッ
キョン「ポケモン、好きなのか?」
「…割と」
キョン「そうか…」(うーん…会話が続かねぇ…)
「…あなたも?」
キョン「あ、ああ!実は今、リーグ挑戦のためにジムを回ってる途中でね」
「そう」
キョン「最初に貰ったのが、ゼニガメだったんだ」
「…私は、ケーシィだった」
キョン「なるほど…あのエスパーポケモンの代表格か…」
「かわいい」
キョン「へ?」
「エスパーポケモン」
キョン「あ、ああ…なるほど」(ちょっと、びっくりした)

----------------

ハルヒ「押忍!ありがとうございました!」
ピカ・ニド・ダグ「「「ぎゃぎゃー!」」」
師範「またお出でください…師匠!!」

142 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:27:47.69 ID:LYiH8w2o

----------------

キョン「おっと…もうこんな時間か。そろそろ待ち合わせの時間なんで、俺は行くよ」
「そう…」
キョン「よかったら、トレーナーアドレスを教えてもらってもいいか?」
「…!」(コクッ
キョン「よかった!えーと…今まで名前も教えてなかったんだな。俺はキョンだ」
「…」

長門「…ユキ」

キョン「そうか!ユキ、また近くに寄る事があったら連絡するぜ」
長門「わかった」
キョン「じゃあな」
長門「…また」

----------------

ハルヒ「もー、おっそいわねぇ、キョンの奴。
     早く来ないとまた強制奢らせの刑なんだから!」

---------------

143 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 09:28:15.95 ID:LYiH8w2o

キョン「わるい!遅れた!」
ハルヒ「もう、バカキョン!何してたのよ!」
キョン「ちょっと図書館に行ってたらな、時間忘れちまって…」
ハルヒ「へえ、ズボラなあんたにしては珍しく真面目な理由ね。いいわ、許してあげる!」
キョン「さて、ちょっと『そだてやさん』に寄っていかないとな」
ハルヒ「そう、ちょっと聞いてよキョン!今日ね、あたしが格闘道場に行ったら―」


(その頃、図書館―)

長門(…初めての、トレーナーアドレス)
ぎゅ…

145 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:44:54.39 ID:LYiH8w2o

(翌日)
キョン「ふう…よく寝たぜ」
ハルヒ「今日はいよいよ、ヤマブキジムに挑戦ね」
キョン「ああ、早いもんだな、もう6箇所目か…」
ハルヒ「今度はどんなリーダーかしらね?」
キョン「そういえば昨日調べるのを忘れてたな。お前は何か聞いてないのか?」
ハルヒ「あたし?そうねえ…
     ちょっと前、ヤマブキのジムを受け持っていた今の格闘道場を倒して、
     新たに出来上がった新興のジム、って話くらいね」
キョン「ほう?格闘道場を退ける、ってのはタダモンじゃないな」
ハルヒ「ちょろいちょろい!昨日、あたしでさえ出来たことよ?」

キョン「…お前を基準にするのは色々と問題があると思うんだが」
カメ「ぜにー」

146 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:45:59.12 ID:LYiH8w2o

キョン「さて、恒例のジムの看板の前に着いたぜ」
ハルヒ「ええと…ヤマブキジム リーダー ユキ …また女の子?」
キョン(ユキ?いや、まさかな)
ハルヒ「…どうかした?」
キョン「いや、何でもない」
ハルヒ「何でもない、って顔じゃないわよ?何かあるなら言ってちょうだい」
キョン「いや、昨日図書館で会ったトレーナーと同じ名前でさ…」
ハルヒ「…ふーん?あんた、昨日図書館で女の子といちゃいちゃしてたわけ」
キョン「失礼な!色々案内してもらったから、お礼にお茶しただけだ」
ハルヒ「…あっそう!ふんっ!」

キョン「ん?…何でハルヒが拗ねるんだ?」
カメ「ぜに…」
キョン(それにしても… エスパー少女? こりゃどういう意味だろう)

147 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:47:05.08 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「たぁのもーっ!」
キョン「おい、そんな怒ったような声は…」
ハルヒ「うるさい!」

長門「…お出まし」

キョン「あ、あれ?ユキ?やっぱりお前なのか!?」
長門「…そう。ヤマブキジムリーダー、長門ユキ。それが、私」
ハルヒ「何よ、やっぱり知り合いなんじゃない。あんた、昨日キョンと図書館で一緒だったんですって?」
長門「そう」
ハルヒ「そう。キョンがお世話になったわね。でも、勝負は勝負よ!」
長門「…理解した。ジム戦の説明に移る」

キョン(何だ…なんでもない会話の中に…陽炎が立ち昇ってるような…)
カメ「…」(フルフル

148 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:47:52.39 ID:LYiH8w2o

長門「…このジムには、ワープ装置がついている。その迷路を抜け、私を見つけるのが第一段階。
    見つけるまでにかかった時間によって、その後のバトルで私が使うポケモンのレベルが変わる。
    ルールは以上」
ハルヒ「あたし達は二人よ?二手に分かれても構わないのかしら?」
長門「問題ない。ただし、見つけた時間は別々に計算する」
ハルヒ「それでいいわ!同じポケモンでバトルになっても、つまらないもの。二手に分かれましょ」
キョン「あ、ああ…」
長門「それでは私は隠れる。すぐに追いかけてきて構わない」

ヒュンッ

ハルヒ「き、消えたわ…!どういう仕掛けかしら」
キョン「さ、さあな…都会はすごいな」
ハルヒ「グズグズしている暇はないわ!私は右のワープへ行くわね」
キョン「じゃ、俺は左だな」

ハルヒ・キョン「「じゃあ、またあとで!」」

ヒュンッ

---------------

長門「…見つかった」
キョン「あ、あれ!?すぐ次の部屋なのに!?」

149 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:48:33.42 ID:LYiH8w2o

長門「30秒以内に見つかった場合、バトルは免除。これがゴールドバッヂ」
キョン「…何で俺を贔屓した?」
長門「…」
キョン「…答えてくれ」
長門「…あなたは、私を恐れなかった、初めての人だから」
キョン「恐れる?」
長門「私はいつも、人から距離を取られた。…超能力があるから」
キョン「超能力だって…?話が見えない」
長門「わかった。あなたには理解して欲しい…うまく言語化できないかもしれない。でも、聞いて」

---------------

ハルヒ「ああ、もうっ!イライラするわね、どこにいるのよぉっ!」

150 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:51:02.12 ID:LYiH8w2o

---------------

長門「私は幼い頃から超能力があった…最も強かった力が、サイコメトリー」
キョン「…あれか、心を読む力、ってやつか…!」
長門「そう。だから私に心を読まれることを恐れた人はみな、私から距離を取った」
キョン(…だから、図書館で長門の周りに、誰もいなかったのか)
長門「歳を重ねることで、私は私の力を抑えることが出来るようになった。でもそれはまだ不十分」
キョン「不十分?」
長門「触れてしまうと、その人間が思っていることが心に流れ込む。あなたのゼニガメへの思いも、それで知った」
キョン「…最初にぶつかった時か!」
長門「そう。…私の話はそれだけ」

キョン「…正直言って…信じられないけど…だが…」
長門「…私に未来を予知する力はない。この話をしてあなたがどう行動するかは、わからない」

キョン「確かに…怖がる人間の気持ちはわかる…だけど」
長門「だけど?」
キョン「…すごいじゃないか、ユキ。お前、すごい奴だよ。
    ハルヒが聞いたら感激の余り躍りだすんじゃねえか」
長門「…え?」

151 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:55:11.01 ID:LYiH8w2o

キョン「確かに、お前の力は俺達みたいな普通の奴には怖いさ。
    でもな、それを振りかざしてるわけでもなく、『普通』に溶け込もうとしてるんだろ?
    俺がお前みたいな力を持っていたら、きっと力にすがって、馬鹿やっちまうよ」
長門「…」
キョン「ハルヒもな…一度、力に溺れたことがある。
    だから、あいつもお前のことを理解できるはずだ。
    そして俺もお前のそういうところ、すごくいいと思う。尊敬するぜ」
長門「あなた達は…私が、私でいい、と…?」
キョン「当たり前だろ!お前みたいな凄いやつと知り合いになれて、俺は嬉しいぞ」
長門「…」

ポロッ

キョン「お、おいユキ!?」
長門「嬉しい」
キョン「…大丈夫だ、ユキ。約束したろ、また連絡するって」
長門「…、っく、うぅ…わぁぁぁぁぁんっ」

ポロポロポロポロ

---------------

ハルヒ「何かしら…今、物凄くイラっとしたわ」
ピカ『…ぴかちゅ』

152 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:56:13.85 ID:LYiH8w2o

---------------

キョン「…落ち着いたか?」
長門「…」コクッ
キョン「さて、ハルヒの奴はまだ来ないのか…」
長門「…この部屋にくる道は二通りしかない。彼女の選んだ道からではあと数分で来る見込み」
キョン「そうか…ユキのポケモンバトル、しっかり拝ませてもらうぜ」
長門「…最高の試合をする」
キョン「言っておくが、あいつは手強いぞ?覚悟しといたほうがいい」
長門「…わかった」

キョン「ゼニちゃん、俺はこれでよかった…のかな」
カメ「ぜーに?」
キョン「わかるわけないか。はは、そりゃそうだよな」

---------------

ハルヒ「ぜぇぜぇ…よし、これだっ!」

ヒュンッ

---------------

長門「…お出まし」
ハルヒ「ああーもう、ここに来るまでにテンションは最高潮よ!さあ、バトルよ!」

153 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:57:54.98 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「昨日の特訓の成果を見せてあげるわ!行きなさい、ニドリーナ!」
ニド「にどっ!」

長門「…ユンゲラー」
ユンゲラー「ゆぅぅぅんっ!」

キョン(こいつは…まさか、『最初のパートナー』の、現在の姿か?
    だが…、…あ)

ハルヒ「防御力の低いエスパーポケモンは、押せ押せで何とかなるのよ!
     ニドリーナ!みだれひっかき!!」
長門「…リフレクター」

ピシャァァァァン

キョン「斥力場!?」
長門「そのようなもの」
ハルヒ「ニドリーナの爪が…届かない!?」

154 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 10:59:17.62 ID:LYiH8w2o

長門「一つ一つの斬撃が弱い。踏み込みの早さも、筋力の鍛錬も足りない。
    だからユンゲラーには届かない。…サイケこうせん」
ユンゲラー「ゆんっ!」

ビュアアアアアッ!

ニド「に、にどぉぉぉっ!?」
ハルヒ「くっ、ニドリーナ、大丈夫!?こうなったらとっておきよ、『かみつく』攻撃ッ!」
ニド「に、ニドッ!」

長門「あなたは更にミスを重ねた。…それはどくタイプのポケモンで私に挑んだこと。
    …『ねんりき』」

ビュイイイン

ニド「に…どぉぉっ…」ドタン
ハルヒ「ニドリーナっ!…くっ、戻りなさい!」

155 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 11:00:31.81 ID:LYiH8w2o

長門「さあ、次のポケモンを」
ハルヒ「この子のスピードなら!いきなさい、ダグトリオ!」
ダグ「ダグーッ!」
ハルヒ「あなをほるのっ! 地面の下から急襲よ!」
ダグ「ダーッ!」
ズゴゴゴゴゴ

長門「作戦を口頭で明かしては意味がない」
ハルヒ「うっ、うるさいっ!いけっ!」

長門「…『テレポート』」
ユンゲラー「ゆぅん…」

ヒュンッ

ダグ「だ、だぐっ!?」
ハルヒ「う、後ろよ!ダグトリオ!」
長門「…もう遅い。サイケこうせんの餌食」

ビュアアアアアッ!

ダグ「だ、だぁぁぁ…ぐっ」
ハルヒ(一気に二匹が…このユンゲラー…強い!)

156 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 11:01:32.66 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「後がないわっ!ピカチュウ、あなたに決めたっ!」
ピカ「ピーカーッ!」
長門「ユンゲラーにはとくしゅわざは通用しない。でんきタイプのピカチュウでは、勝ち目はない」
ハルヒ「うっさいわねっ!
     勝負に絶対はないの!諦めたらそこでバトル終了よ!
     あなたこそ、読みきったつもりでいるなら足元掬われるわよ!?」
長門「…!」
ハルヒ「ピカチュウ!10まんボルト!!」
ピカ「ぴかぁぁぁぁっ!!」
バリバリバリバリッ!
長門「…問題ない、そのままピカチュウを狙っ…?」
ユンゲラー「ゆ、ゆぅぅぅっ!」

長門「…電撃の強烈な発光で…ユンゲラーの視界が塞がった?」

ハルヒ「最後のチャンスよ!ピカチュウ、昨日の成果をぶつけてやんなさい!
     全力で、ロケットずつきッ!」
ピカ「ぴぃぃぃぃ…カァッ!」

バリィィィィッ

長門「信じられない。リフレクターが…割れた?」

157 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 11:02:28.91 ID:LYiH8w2o

ユンゲラー「ゆぅぅぅっ!うっ、うっ…」
長門「…急所に一撃。これは戦闘不能と見るべき。
    …ユンゲラー、戻って」

ハルヒ「…や、やったの?」
キョン「ああ!お前の勝ちだよ!」
ハルヒ「やったのね…!やった!やったぁ!」

長門(…一番長い付き合いの、ユンゲラーが)
キョン「…大丈夫か、ユキ」
長門「問題ない。ユンゲラーが敗れたのが、信じられないだけ」
キョン「あー…ちょっと尋ねるが、お前、ポケモンの交換ってしたことあるか?」
長門「…ない」

158 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 11:04:30.73 ID:LYiH8w2o

キョン「俺を信じて、お前のユンゲラーとこのナゾノクサを交換してくれ」
長門「…意味がわからない」
キョン「いいから!」
長門「…」(コクッ

フィィィィィン

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー
パァァァァァァァッ

おめでとう!ユンゲラーは フーディンに しんかした!

長門「ユン…ゲラー…?」
キョン「これで、お前にも友達がいる証が出来たぜ」
長門「…!」
キョン「で、悪いんだが…このフーディンを返すから、そのナゾノクサも、返してくれないか?」
長門「…」(コクコク

ハルヒ「ふーん…あいつもなかなか、いいとこあるわね」

159 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 11:05:32.00 ID:LYiH8w2o

(ヤマブキジム 玄関)
長門「…この度は、感謝する」
キョン「よせよユキ。折角友達になったんだろ?他人行儀な言葉遣いなんてやめろ」
ハルヒ「そうよ!ナイスファイトだったわ、胸を張ってユキ!
     あなたのポケモンが最初からフーディンだったら、勝負はわからなかったわ」
長門「…涼宮ハルヒ」
ハルヒ「何かしら」
長門「…その。トレーナーアドレスを、教えて欲しい」
ハルヒ「なんだ、そんなこと。はい、これがあたしのアドレス!」
長門「…これ」
ハルヒ「頂くわ。アドレスに…バッヂね!ゴールドバッヂ、ゲットしたわ!」
長門「…それと、これはあなたに」
キョン「俺に?これは…石?」
長門「たいようのいし、と呼ばれるもの。あなたのナゾノクサに、時期が来たら使ってあげて」
キョン「おう!ありがとよ、きっと使わせてもらうぜ。じゃあ、またな!」
ハルヒ「また会いましょう!」


長門「…また図書館に」

166 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:33:57.70 ID:LYiH8w2o

---------------

(タマムシデパート)

キョン「…なあ、まだ決まらないのか?」
ハルヒ「ん〜…ピカチュウの意向も聞いて、悩み中なのよ」

キョン(俺達はまた、タマムシシティに来ている。
    長門に貰ったような『石』で進化するポケモンが、調べてみると俺達の手持ちにまだいることがわかった。
    で、今はその進化のための作戦会議中というわけだ)

ハルヒ「あー、もう!キョン!ミックスオレおかわり!」
キョン「お前それ3本目だぞ?トイレに行きたくなっても知りませんよ!?」
ハルヒ「スケベ!」

167 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:34:57.09 ID:LYiH8w2o

キョン「コンたんにほのおのいし、ナゾっちにたいようのいし。
    俺は進化させることに決めたぜ」
ハルヒ「ピカチュウはね〜…進化しちゃうとスピードが生かせなくなっちゃうし、
     この先覚えるすっごいわざが、威力半減らしいのよ」
キョン「まぁ、進化させるだけならいつでも出来るんだし。今は保留でもいいだろ?」
ハルヒ「…そうね。じゃあ、しばらくピカチュウはこのままかしら」
ピカ『ぴーかー』
ハルヒ「このままでも頑張れるですって?可愛いこと言うじゃない!」
キョン「お前も段々意思疎通出来る様になってるじゃねえか」

ハルヒ「で、キョン。おかわりはまだ?」
キョン「…はいはい」

168 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:36:24.12 ID:LYiH8w2o

カメ「ぜーに」
キョン「ああ、お前もサイコソーダな。気に入ったんだなぁ」
カメ「ぜえに♪」
ハルヒ「で、次のジムだけど…」
キョン「ああ、残りはセキチクシティとグレンタウン。…どっちも遠いよなぁ」
ハルヒ「なのよね…。あーあ、このへんで便利なアッシー君が颯爽と現れて、
     セキチクにバビューン!ってことはないのかしら」
キョン「はは、まさか。古泉もそんな暇じゃないだろ」


古泉「わるいことには ならな〜いでしょお〜
    じゃすとあ すぺ〜たく〜」


ハルヒ・キョン「「セキチクに連れていけ!(って!)」」

169 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:38:59.44 ID:LYiH8w2o

キョン(古泉は泣いた。心の底から泣いた。…南無)

キョン「いやぁ、まさか本当に連れてきてもらえるとは」
ハルヒ「それはいいけど、ここらへんでちゃんと私達も移動手段を確立すべきね」
キョン「前々から考えてはいたんだがなぁ。俺達、ひこうポケモン持ってないしな」
ハルヒ「そこで、これよっ!」
キョン「なになに…?
    【セキチクシティ サファリパーク ポケモン取り放題】…?ほう!」
ハルヒ「ここで空を飛べるポケモンを見つければ、もうアッシー君はいらないわ!」
キョン「さらば古泉!フォーエバー!」

170 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:43:16.98 ID:LYiH8w2o

(サファリパーク)
ハルヒ「さあキョン!捕まえまくるわよ!」
キョン「そんな急ぐなって。ポケモンは逃げねぇよ」
ハルヒ「逃げなくても、先に捕まえられることはありえるわ!善は急げよ!」
キョン「俺の座右の銘は急がば回れ、なんだが」

ハルヒ「キョン!なんかカマキリみたいなのが出てきた!」
キョン「ストライクだな。こいつ…飛べるか?」
ハルヒ「とりあえず、えい!」

パァァァン コロ… パフン

ハルヒ「ボールから出ちゃったわ!」
キョン「あ、逃げた」

キョン(…そんなことが10回ほど続いて)

ハルヒ「キョン!何か腹立つわよ、このゲーム!」
キョン「せめて手持ちのポケモンで弱らせたり、逃がさないように出来ればな…」
ハルヒ「全くめんどくさいったらないわね!…あ、何かいた。でもこれは、飛べなさそうね」
キョン「あぁ、そうd…こ、こいつは!」

ケンタロス「ブオオオッ!」

キョン「ノーマルタイプ最強の一角…ケンタロスじゃないか!」

171 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:44:41.66 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ど、どうしたのキョン。目の色が変わってるわよ」
キョン「これが落ち着いていられるか!こいつは…獲る!
     いけっ!サファリボール!」

パァァァン コロ… コロ… ポフン

キョン「おしい!もう一度だ!」

パァァァン コロ… ポフン

キョン「くっ、逃げるぞ!最後の一投だッ!」

シュルルルル パァァァン

172 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:45:46.21 ID:LYiH8w2o

コロ… コロ… コロ… カチッ

キョン「や…やった…俺はやったぞ…!
    ポケモントレーナー憧れの一種、ケンタロス!ゲットだぜ!」
カメ「ぜっぜににー!」

ハルヒ「…キョンがあんなに燃えてるとこなんて初めて見たわ」
ピカ『ぴか…』

173 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:47:13.58 ID:LYiH8w2o

ハルヒ(…折角感動してるんだもの、しばらく放っておきましょう。
     さて…どこかに飛べそうなポケモンは…と)

ミニリュウ「…ぴ?」

ハルヒ「…あら?」
ミニリュウ「ぴぃ…」

ハルヒ(か…)
ピカ「ピカ?」

ハルヒ(かわいい…!)

174 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:47:51.90 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「と、飛べなくっても関係ないわ!可愛いは正義!
     いけっ、サファリボール!」

ミニリュウ「ぴっ!?」

パァァァン コロ… コロ… コロ… カチッ

ハルヒ「や、やったわ!一発よ、一発!
     ミニリュウ、ゲットしたわー!」
ピカ「ピッカピカカー!」

(ピンポーン)
『キョンさん、ハルヒさん。終了のお時間です。至急、出入り口へお向かい下さい―』


キョン「…試合に勝って、勝負に負けた、ってのはこういうことを言うのかね」
ハルヒ「いいじゃない!こんなにいいポケモンが手に入ったんですもの…!」
キョン(ひこうポケモンはしばらくお預けだな、こりゃ)

175 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:49:34.21 ID:LYiH8w2o

---------------

(セキチクジム前)
ハルヒ「セキチクジム リーダー 国木田…?」
キョン「…苗字じゃ何とも判別しがたいな」
ハルヒ「何が?」
キョン「野郎かレディかってとこさ」
ハルヒ「…あんた、段々節操なくなってきたわね」
キョン「気のせいじゃないか?」
カメ「ぜに。ぜーにに」
ハルヒ「そうよねぇ。ご主人はスケベ丸出しよねぇ」
カメ「ぜにー」
キョン「お前ら!何だその蔑みの視線は!ええい、入るぞ!」

ハルヒ・キョン「「たのもーっ!」」

国木田「あっはっは!セキチクジムへようこそ!」
ハルヒ「へ、あ、あれ…」
キョン「天井に…ぶら下がってる!?」

176 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:52:59.76 ID:LYiH8w2o

クルッ シュタッ
国木田「驚かせちゃったかな?僕は国木田。このジムを預かる忍者だよ」
キョン「野郎で…忍者…や、やる気が…」
ハルヒ「ねえ、さっきの凄いじゃない!どうやってやったの?」
国木田「忍術の種明かしは厳禁。野暮だよ、野暮」
ハルヒ「けち!」
キョン「と、とにかくジム戦を申し込む!いいか?」

国木田「もちろん構わないよ。じゃあ、セキチク名物・毒蛇合戦に挑んでもらおうか」

キョン「…毒蛇合戦?」
国木田「よりおニューな言い方をするなら、ヴァイパーサバイバルだね」
ハルヒ「だ…」

キョン・ハルヒ「「ださっ…」」

177 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:54:12.21 ID:LYiH8w2o

国木田「…コホン。まず、君達のポケモンを全てボールから出してもらうよ。
     そして、今から一時間。全てのポケモンがボールに戻されなかったら君達の勝ち」
キョン「何だ、案外単純なルールだな」
国木田「ああ、せんとうふのうになったら、必ずボールに戻すんだよ?
     最悪、命に関わるから」
ハルヒ「…どういうこと?」
国木田「僕は毒使いだからね。せんとうふのうにした後もポケモンに毒は残る。
     弱った体に毒が回ると…どうなるかはわかるよね?」
ハルヒ・キョン「「…!!」」
国木田「ああ、そうそう。危なくなったら、このジムを出てポケモンセンターに行って構わない。
     ただし、それは勿論失格を意味するからね」

国木田「さあ、ポケモンを出して。君達が全て出してから、丁度一時間。
     楽しい時間を過ごそうね」

シュバッ

178 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:55:18.75 ID:LYiH8w2o

キョン「…言うだけ言って、天井裏に行っちまいやがった」
ハルヒ「どういうことかしら。つまり向こうは、一時間でこちらを全滅させるつもりなの?」
キョン「考えたくないが…毒使い、ってことは」
ハルヒ「一時間でこっち全員を削りきる、相当な自信があるのね」

キョン「いいさ!乗ってやろうぜ。いくぞ、皆!」

カメ・ナゾ・ロコ・ケン「「「「ガーッ!」」」」

ハルヒ「キョンに遅れを取っちゃダメよ、皆、根性見せなさい!」

ピカ・ニド・ダグ・リュウ「「「「ギャーッ!」」」」

179 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:57:55.34 ID:LYiH8w2o

国木田『OK。さあ、壁の電光掲示板をスタートさせた。
     あれがゼロになったら、君達の勝ちだよ』

キョン「掲示板…あれか」
ハルヒ「なかなか親切じゃない」

ドガガガガガガガガガッ!

ハルヒ・キョン「「なっ!?」」
キョン(余所見をした瞬間、逆方向からだと!?)

国木田『ふう。最初は大抵皆引っかかるんだ。
     右を見て、って言って本当に右を見るなんて、素直すぎるよ』

キョン「こ、これは…どくばり!?」
ハルヒ「そこにいるのは…」
アーボック「ァァアーボックッ!」
国木田『合戦、その壱。アーボックの奇襲だ』

180 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:59:19.85 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ダグトリオっ!あなをほるっ!」
キョン「ケンタロス!とっしんだ!」

ガッスゥゥゥン

アーボック「アァー…」バタッ

キョン「くそっ。これがサバイバル、ってことを忘れてたな」
ハルヒ「皆!大丈夫!?」

ロコン「…こぉん…」
ミニリュウ「…ぴぃ…」

キョン「くそう!早くも二匹がどく状態にされちまった!」
ハルヒ「皆!背中合わせになりなさい!とにかく周囲に気を配るの!」

国木田(ふふ…順調順調。この二人はどこまでもつかな)

181 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:00:26.29 ID:LYiH8w2o

キョン「ハルヒ、どくけしは!?」
ハルヒ「1つしか持ってないわ…」
キョン「…よし、ミニリュウは大丈夫だな。俺はもうひとつ方法を思いついた」
ハルヒ「な、そんな方法があるの!?」
キョン「ほのおのいしで、今ロコンを進化させる!」

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー
パァァァァァァァッ

おめでとう!ロコンは キュウコンに しんかした!

キョン「これでどくも取れて、すっきり爽快…あ、あれ?」
キュウコン「…くーん…」
国木田『お馬鹿さんだね。進化じゃ耐久力は上がっても、どくまでは取れないさ』
キョン「く、くそっ!」

182 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:02:03.50 ID:LYiH8w2o

国木田『面白いコントの後は、こんな緞帳を降ろしてあげるよ』
ハルヒ「! キョン、上よっ!」
キョン「しまった!皆、逃げろぉぉ!」

ベチャァァァァン

国木田『へえ。ベトベトンののしかかるを避けるとはね』
キョン「冗談じゃねえ!あんなのに乗られたら、即病院送りじゃねーか!」
ハルヒ「ピカチュウ!10まんボルトで釘付けにして!」
キョン「ゼニちゃん!バブルこうせんで援護だ!ナゾっちもねむりごなを!」

ズガァァァァン

国木田『ふふ、流石にコンビネーションは抜群だね』
    (でも…出てきたトラップにしか対処できないようじゃ、こちらの勝ちは動かない)

183 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:11:02.43 ID:LYiH8w2o

(…バトル開始から20分経過)
キョン「よう、どうした?そっちから仕掛けてこないと、俺達このまま合格だっぜ?」
国木田『…』
キョン(…ち。挑発には乗らないか)
ハルヒ「キョン…コンたんが」
キョン「…もうもたないか。仕方ない、戻れ!コンたん」
パシュゥゥゥゥゥン
ハルヒ「これでどく状態の子はいないわ!あとは警戒して迎え撃てばいいの!」
キョン「正念場だぞ。皆、ファイトだ!」

ポケs「「「がーっ!」」」

国木田(…さてさて、どうしようね?全方位に警戒は完璧…
     下手に手を出せば、罠の無駄遣い、かな)

国木田(しょうがない。隙がないなら、作るまでだね)

184 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:12:03.24 ID:LYiH8w2o

『…助けて』

キョン・ハルヒ「「!?」」
キョン「この声…ユキ!?」
ハルヒ「ええ、確かにそう聴こえた!」

『助けて…奥でユンゲラーが毒を受けた。どくけしがない』

キョン「…なぁんだよ。ああ、そういうことなら俺は知らん」
ハルヒ「ほぉんと。自力で何とかしなさいよね」
『何故?私を…見捨てる気…?』

185 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:13:20.07 ID:LYiH8w2o

キョン「いいことを教えてやるよ国木田。
    ユキのユンゲラーはとっくに、俺と交換して進化済みだ」
ハルヒ「友達になったことまではよく調べた、って褒めてあげるわ。
     でも、罠はちゃんと100%の準備をしてから使わなきゃ意味がないわよ」
国木田『…あれ、そうだったのか。ははは、あの子も本当の友達が出来たんだなぁ』
キョン「お前、リーダー同士で知り合いだろ?どうして友達になってやらなかったんだ」

国木田『僕みたいに腹黒い奴が、あの子の傍に居ていいわけがないでしょ?
     僕は根っから詐欺師なんだ。でも、標的以外に迷惑かけたくないしね。
     あの子も僕の思考を読んでからは、ちゃんと距離を置いてくれたよ』

ハルヒ「…何よ。結構考えてるんじゃない」
『…そんなに褒めないで』
キョン「だからもう声帯模写はやめろ」
ハルヒ「あ、ちゅるやさんのモノマネも出来るのかしら?」
国木田『あはは、それは勝ってからね』

186 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:14:16.53 ID:LYiH8w2o

(…バトル開始から45分経過)
国木田(…本当に隙がない。仕方ないな)
国木田『えーと、ごめんね。時間がないから、無差別飽和攻撃に移らせてもらうよ』
キョン「きたぁー!」
ハルヒ「皆!ギッタンギッタンにのすわよ!」
ポケs「「「ギャー!」」」

マタドガス「…ガース」

ハルヒ「何よ、風船みたいなのが来たわ!ピカチュウ、でんじはよ!」
キョン「ナイスアシストだ、ハルヒ!ゼニちゃん、みずでっぽうで弾き飛ばせ!」
ピカ「ピカーッ!」
ゼニ「ゼーニッ!」

国木田『あーあ…やっちゃったね』

187 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:15:26.05 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「へっ?」
マタドガス「ガース…」
キョン「な、何かガスが吹き出てるぞ!?」

国木田『あたり。マタドガスは衝撃を受けると、体の中のどくガスを撒き散らし始める。
     さすがに密室でいきなりこれは大人気ないからね。いつも最後の切り札で使うんだ』

ハルヒ「きょ、キョン…これ、あたしたちが吸うのも…マズいんじゃ…」
キョン「ああ…何てことしやがる!」
キョン(考えろ、頭を使え。何か、何かこのガスを凌ぐ方法はないのか!?)
ハルヒ(ガスはこの部屋を上から覆い始めてる…伏せていればまだ吸い込みはしないかしら)
ハルヒ「キョン、伏せましょう!ガスは上からやってくるわ!」

キョン「…上?…くく、なるほどな!国木田さんはお優しいこった!」

188 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:18:04.54 ID:LYiH8w2o

キョン「おーい国木田。ガスマスクはちゃんとつけてるんだよな?」
国木田『当たり前じゃないか。このガスが空気より軽いのは推察の通り。
     僕が一番最初にガスで倒れたら、もしもの時に責任が取れない』
キョン「…そういうこった。つまり、上にはガスマスクがある!」
ハルヒ「だからどういうことよ!上に登れないあたしたちじゃ、もし予備があっても取りに行くのは無理よ!」

キョン「勝負が決まれば、危険でも国木田がガスマスク持って降りてくるってこった!
     ダグトリオ!あなをほれ!なるべく深めにだ!」

ダグ「ダグダグダグ!」
ハルヒ「あ…そっか!深いところに逃げ続ければ!」
キョン「そのぶんガスに撒かれる時間も遅くなるのさ!」

国木田『…正解。やるじゃないか、こんな冷静な判断がとっさに出来るなんて。
     戻れ、マタドガス。…強制換気システム、作動』

189 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:19:09.66 ID:LYiH8w2o

キョン「おいおい、何だよ?まだ時間切れには早いぜ?」
国木田『意味がないことはしないよ。…これから下に降りる』
ハルヒ「よし!これでセキチクジム、攻略ね!」
シュタッ
国木田「いやぁ、参ったよ。二人ともクールだね」
ハルヒ「あったりまえじゃない!最初からわかりきってる勝負だったわ」

国木田「そうだったかもしれないね。…ところで、あと5分だけ時間があるんだけど」

キョン「…!おいハルヒ!そいつから離れろ!」
ハルヒ「え…?」

ゴ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド

国木田「換気システム停止…そしてドガースのえんまく。今からが最後の仕上げだよ」

190 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:20:19.50 ID:LYiH8w2o

キョン(うっ…真っ黒いガスで何も見えねぇ!)
キョン「国木田!何をする気だ!」
国木田「セキチクジム名物、どくどくを君達のポケモン全員にふりかけるだけだよ。
     なぁに、1分もあれば全員ノックアウト間違いなし、ってだけの毒さ。
     こういうのをね、奥の手、っていうんだよ」
ハルヒ「生意気言ってんじゃないわよ!さっき切り札を切ったくせに!」
国木田「さて、何のことかな?」

キョン(まずいぞ…何も見えないところから攻撃されたら、あいつらでも避けきれない!)

キョン「くそ!ゼニちゃん、天井に向かって全力でみずでっぽうを!」
カメ「ゼニーッ!」
ハルヒ(天井がびしょ濡れ?でも垂れるしずくだけじゃ、煙幕は大して晴れないわ…)
ハルヒ「…あぁっ!そうよ、キョン!あんた天才ね!」

191 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:21:01.37 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ピカチュウ!ありったけの電力、天井にぶつけなさいっ!」
ピカ「ぴ、ピカ!?」
ハルヒ「やるのよ!急いで!」

ピカ「ぴぃぃぃぃか…ちゅうううっ!」

バリッ、バリバリバリバリ…ガスゥゥゥン!

ハルヒ「きゃああああっ!?」
キョン「うおぉぉぉっ!?」
国木田「うわぁぁぁぁっ!?」

カメ「ぜ…ぜに…?」
ピカ「ぴっかー…」

166 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:33:57.70 ID:LYiH8w2o

---------------

(タマムシデパート)

キョン「…なあ、まだ決まらないのか?」
ハルヒ「ん〜…ピカチュウの意向も聞いて、悩み中なのよ」

キョン(俺達はまた、タマムシシティに来ている。
    長門に貰ったような『石』で進化するポケモンが、調べてみると俺達の手持ちにまだいることがわかった。
    で、今はその進化のための作戦会議中というわけだ)

ハルヒ「あー、もう!キョン!ミックスオレおかわり!」
キョン「お前それ3本目だぞ?トイレに行きたくなっても知りませんよ!?」
ハルヒ「スケベ!」

167 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:34:57.09 ID:LYiH8w2o

キョン「コンたんにほのおのいし、ナゾっちにたいようのいし。
    俺は進化させることに決めたぜ」
ハルヒ「ピカチュウはね〜…進化しちゃうとスピードが生かせなくなっちゃうし、
     この先覚えるすっごいわざが、威力半減らしいのよ」
キョン「まぁ、進化させるだけならいつでも出来るんだし。今は保留でもいいだろ?」
ハルヒ「…そうね。じゃあ、しばらくピカチュウはこのままかしら」
ピカ『ぴーかー』
ハルヒ「このままでも頑張れるですって?可愛いこと言うじゃない!」
キョン「お前も段々意思疎通出来る様になってるじゃねえか」

ハルヒ「で、キョン。おかわりはまだ?」
キョン「…はいはい」

168 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:36:24.12 ID:LYiH8w2o

カメ「ぜーに」
キョン「ああ、お前もサイコソーダな。気に入ったんだなぁ」
カメ「ぜえに♪」
ハルヒ「で、次のジムだけど…」
キョン「ああ、残りはセキチクシティとグレンタウン。…どっちも遠いよなぁ」
ハルヒ「なのよね…。あーあ、このへんで便利なアッシー君が颯爽と現れて、
     セキチクにバビューン!ってことはないのかしら」
キョン「はは、まさか。古泉もそんな暇じゃないだろ」


古泉「わるいことには ならな〜いでしょお〜
    じゃすとあ すぺ〜たく〜」


ハルヒ・キョン「「セキチクに連れていけ!(って!)」」

169 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:38:59.44 ID:LYiH8w2o

キョン(古泉は泣いた。心の底から泣いた。…南無)

キョン「いやぁ、まさか本当に連れてきてもらえるとは」
ハルヒ「それはいいけど、ここらへんでちゃんと私達も移動手段を確立すべきね」
キョン「前々から考えてはいたんだがなぁ。俺達、ひこうポケモン持ってないしな」
ハルヒ「そこで、これよっ!」
キョン「なになに…?
    【セキチクシティ サファリパーク ポケモン取り放題】…?ほう!」
ハルヒ「ここで空を飛べるポケモンを見つければ、もうアッシー君はいらないわ!」
キョン「さらば古泉!フォーエバー!」

170 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:43:16.98 ID:LYiH8w2o

(サファリパーク)
ハルヒ「さあキョン!捕まえまくるわよ!」
キョン「そんな急ぐなって。ポケモンは逃げねぇよ」
ハルヒ「逃げなくても、先に捕まえられることはありえるわ!善は急げよ!」
キョン「俺の座右の銘は急がば回れ、なんだが」

ハルヒ「キョン!なんかカマキリみたいなのが出てきた!」
キョン「ストライクだな。こいつ…飛べるか?」
ハルヒ「とりあえず、えい!」

パァァァン コロ… パフン

ハルヒ「ボールから出ちゃったわ!」
キョン「あ、逃げた」

キョン(…そんなことが10回ほど続いて)

ハルヒ「キョン!何か腹立つわよ、このゲーム!」
キョン「せめて手持ちのポケモンで弱らせたり、逃がさないように出来ればな…」
ハルヒ「全くめんどくさいったらないわね!…あ、何かいた。でもこれは、飛べなさそうね」
キョン「あぁ、そうd…こ、こいつは!」

ケンタロス「ブオオオッ!」

キョン「ノーマルタイプ最強の一角…ケンタロスじゃないか!」

171 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:44:41.66 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ど、どうしたのキョン。目の色が変わってるわよ」
キョン「これが落ち着いていられるか!こいつは…獲る!
     いけっ!サファリボール!」

パァァァン コロ… コロ… ポフン

キョン「おしい!もう一度だ!」

パァァァン コロ… ポフン

キョン「くっ、逃げるぞ!最後の一投だッ!」

シュルルルル パァァァン

172 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:45:46.21 ID:LYiH8w2o

コロ… コロ… コロ… カチッ

キョン「や…やった…俺はやったぞ…!
    ポケモントレーナー憧れの一種、ケンタロス!ゲットだぜ!」
カメ「ぜっぜににー!」

ハルヒ「…キョンがあんなに燃えてるとこなんて初めて見たわ」
ピカ『ぴか…』

173 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:47:13.58 ID:LYiH8w2o

ハルヒ(…折角感動してるんだもの、しばらく放っておきましょう。
     さて…どこかに飛べそうなポケモンは…と)

ミニリュウ「…ぴ?」

ハルヒ「…あら?」
ミニリュウ「ぴぃ…」

ハルヒ(か…)
ピカ「ピカ?」

ハルヒ(かわいい…!)

174 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:47:51.90 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「と、飛べなくっても関係ないわ!可愛いは正義!
     いけっ、サファリボール!」

ミニリュウ「ぴっ!?」

パァァァン コロ… コロ… コロ… カチッ

ハルヒ「や、やったわ!一発よ、一発!
     ミニリュウ、ゲットしたわー!」
ピカ「ピッカピカカー!」

(ピンポーン)
『キョンさん、ハルヒさん。終了のお時間です。至急、出入り口へお向かい下さい―』


キョン「…試合に勝って、勝負に負けた、ってのはこういうことを言うのかね」
ハルヒ「いいじゃない!こんなにいいポケモンが手に入ったんですもの…!」
キョン(ひこうポケモンはしばらくお預けだな、こりゃ)

175 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:49:34.21 ID:LYiH8w2o

---------------

(セキチクジム前)
ハルヒ「セキチクジム リーダー 国木田…?」
キョン「…苗字じゃ何とも判別しがたいな」
ハルヒ「何が?」
キョン「野郎かレディかってとこさ」
ハルヒ「…あんた、段々節操なくなってきたわね」
キョン「気のせいじゃないか?」
カメ「ぜに。ぜーにに」
ハルヒ「そうよねぇ。ご主人はスケベ丸出しよねぇ」
カメ「ぜにー」
キョン「お前ら!何だその蔑みの視線は!ええい、入るぞ!」

ハルヒ・キョン「「たのもーっ!」」

国木田「あっはっは!セキチクジムへようこそ!」
ハルヒ「へ、あ、あれ…」
キョン「天井に…ぶら下がってる!?」

176 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:52:59.76 ID:LYiH8w2o

クルッ シュタッ
国木田「驚かせちゃったかな?僕は国木田。このジムを預かる忍者だよ」
キョン「野郎で…忍者…や、やる気が…」
ハルヒ「ねえ、さっきの凄いじゃない!どうやってやったの?」
国木田「忍術の種明かしは厳禁。野暮だよ、野暮」
ハルヒ「けち!」
キョン「と、とにかくジム戦を申し込む!いいか?」

国木田「もちろん構わないよ。じゃあ、セキチク名物・毒蛇合戦に挑んでもらおうか」

キョン「…毒蛇合戦?」
国木田「よりおニューな言い方をするなら、ヴァイパーサバイバルだね」
ハルヒ「だ…」

キョン・ハルヒ「「ださっ…」」

177 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:54:12.21 ID:LYiH8w2o

国木田「…コホン。まず、君達のポケモンを全てボールから出してもらうよ。
     そして、今から一時間。全てのポケモンがボールに戻されなかったら君達の勝ち」
キョン「何だ、案外単純なルールだな」
国木田「ああ、せんとうふのうになったら、必ずボールに戻すんだよ?
     最悪、命に関わるから」
ハルヒ「…どういうこと?」
国木田「僕は毒使いだからね。せんとうふのうにした後もポケモンに毒は残る。
     弱った体に毒が回ると…どうなるかはわかるよね?」
ハルヒ・キョン「「…!!」」
国木田「ああ、そうそう。危なくなったら、このジムを出てポケモンセンターに行って構わない。
     ただし、それは勿論失格を意味するからね」

国木田「さあ、ポケモンを出して。君達が全て出してから、丁度一時間。
     楽しい時間を過ごそうね」

シュバッ

178 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:55:18.75 ID:LYiH8w2o

キョン「…言うだけ言って、天井裏に行っちまいやがった」
ハルヒ「どういうことかしら。つまり向こうは、一時間でこちらを全滅させるつもりなの?」
キョン「考えたくないが…毒使い、ってことは」
ハルヒ「一時間でこっち全員を削りきる、相当な自信があるのね」

キョン「いいさ!乗ってやろうぜ。いくぞ、皆!」

カメ・ナゾ・ロコ・ケン「「「「ガーッ!」」」」

ハルヒ「キョンに遅れを取っちゃダメよ、皆、根性見せなさい!」

ピカ・ニド・ダグ・リュウ「「「「ギャーッ!」」」」

179 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:57:55.34 ID:LYiH8w2o

国木田『OK。さあ、壁の電光掲示板をスタートさせた。
     あれがゼロになったら、君達の勝ちだよ』

キョン「掲示板…あれか」
ハルヒ「なかなか親切じゃない」

ドガガガガガガガガガッ!

ハルヒ・キョン「「なっ!?」」
キョン(余所見をした瞬間、逆方向からだと!?)

国木田『ふう。最初は大抵皆引っかかるんだ。
     右を見て、って言って本当に右を見るなんて、素直すぎるよ』

キョン「こ、これは…どくばり!?」
ハルヒ「そこにいるのは…」
アーボック「ァァアーボックッ!」
国木田『合戦、その壱。アーボックの奇襲だ』

180 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 14:59:19.85 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ダグトリオっ!あなをほるっ!」
キョン「ケンタロス!とっしんだ!」

ガッスゥゥゥン

アーボック「アァー…」バタッ

キョン「くそっ。これがサバイバル、ってことを忘れてたな」
ハルヒ「皆!大丈夫!?」

ロコン「…こぉん…」
ミニリュウ「…ぴぃ…」

キョン「くそう!早くも二匹がどく状態にされちまった!」
ハルヒ「皆!背中合わせになりなさい!とにかく周囲に気を配るの!」

国木田(ふふ…順調順調。この二人はどこまでもつかな)

181 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:00:26.29 ID:LYiH8w2o

キョン「ハルヒ、どくけしは!?」
ハルヒ「1つしか持ってないわ…」
キョン「…よし、ミニリュウは大丈夫だな。俺はもうひとつ方法を思いついた」
ハルヒ「な、そんな方法があるの!?」
キョン「ほのおのいしで、今ロコンを進化させる!」

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー
パァァァァァァァッ

おめでとう!ロコンは キュウコンに しんかした!

キョン「これでどくも取れて、すっきり爽快…あ、あれ?」
キュウコン「…くーん…」
国木田『お馬鹿さんだね。進化じゃ耐久力は上がっても、どくまでは取れないさ』
キョン「く、くそっ!」

182 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:02:03.50 ID:LYiH8w2o

国木田『面白いコントの後は、こんな緞帳を降ろしてあげるよ』
ハルヒ「! キョン、上よっ!」
キョン「しまった!皆、逃げろぉぉ!」

ベチャァァァァン

国木田『へえ。ベトベトンののしかかるを避けるとはね』
キョン「冗談じゃねえ!あんなのに乗られたら、即病院送りじゃねーか!」
ハルヒ「ピカチュウ!10まんボルトで釘付けにして!」
キョン「ゼニちゃん!バブルこうせんで援護だ!ナゾっちもねむりごなを!」

ズガァァァァン

国木田『ふふ、流石にコンビネーションは抜群だね』
    (でも…出てきたトラップにしか対処できないようじゃ、こちらの勝ちは動かない)

183 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:11:02.43 ID:LYiH8w2o

(…バトル開始から20分経過)
キョン「よう、どうした?そっちから仕掛けてこないと、俺達このまま合格だっぜ?」
国木田『…』
キョン(…ち。挑発には乗らないか)
ハルヒ「キョン…コンたんが」
キョン「…もうもたないか。仕方ない、戻れ!コンたん」
パシュゥゥゥゥゥン
ハルヒ「これでどく状態の子はいないわ!あとは警戒して迎え撃てばいいの!」
キョン「正念場だぞ。皆、ファイトだ!」

ポケs「「「がーっ!」」」

国木田(…さてさて、どうしようね?全方位に警戒は完璧…
     下手に手を出せば、罠の無駄遣い、かな)

国木田(しょうがない。隙がないなら、作るまでだね)

184 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:12:03.24 ID:LYiH8w2o

『…助けて』

キョン・ハルヒ「「!?」」
キョン「この声…ユキ!?」
ハルヒ「ええ、確かにそう聴こえた!」

『助けて…奥でユンゲラーが毒を受けた。どくけしがない』

キョン「…なぁんだよ。ああ、そういうことなら俺は知らん」
ハルヒ「ほぉんと。自力で何とかしなさいよね」
『何故?私を…見捨てる気…?』

185 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:13:20.07 ID:LYiH8w2o

キョン「いいことを教えてやるよ国木田。
    ユキのユンゲラーはとっくに、俺と交換して進化済みだ」
ハルヒ「友達になったことまではよく調べた、って褒めてあげるわ。
     でも、罠はちゃんと100%の準備をしてから使わなきゃ意味がないわよ」
国木田『…あれ、そうだったのか。ははは、あの子も本当の友達が出来たんだなぁ』
キョン「お前、リーダー同士で知り合いだろ?どうして友達になってやらなかったんだ」

国木田『僕みたいに腹黒い奴が、あの子の傍に居ていいわけがないでしょ?
     僕は根っから詐欺師なんだ。でも、標的以外に迷惑かけたくないしね。
     あの子も僕の思考を読んでからは、ちゃんと距離を置いてくれたよ』

ハルヒ「…何よ。結構考えてるんじゃない」
『…そんなに褒めないで』
キョン「だからもう声帯模写はやめろ」
ハルヒ「あ、ちゅるやさんのモノマネも出来るのかしら?」
国木田『あはは、それは勝ってからね』

186 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:14:16.53 ID:LYiH8w2o

(…バトル開始から45分経過)
国木田(…本当に隙がない。仕方ないな)
国木田『えーと、ごめんね。時間がないから、無差別飽和攻撃に移らせてもらうよ』
キョン「きたぁー!」
ハルヒ「皆!ギッタンギッタンにのすわよ!」
ポケs「「「ギャー!」」」

マタドガス「…ガース」

ハルヒ「何よ、風船みたいなのが来たわ!ピカチュウ、でんじはよ!」
キョン「ナイスアシストだ、ハルヒ!ゼニちゃん、みずでっぽうで弾き飛ばせ!」
ピカ「ピカーッ!」
ゼニ「ゼーニッ!」

国木田『あーあ…やっちゃったね』

187 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:15:26.05 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「へっ?」
マタドガス「ガース…」
キョン「な、何かガスが吹き出てるぞ!?」

国木田『あたり。マタドガスは衝撃を受けると、体の中のどくガスを撒き散らし始める。
     さすがに密室でいきなりこれは大人気ないからね。いつも最後の切り札で使うんだ』

ハルヒ「きょ、キョン…これ、あたしたちが吸うのも…マズいんじゃ…」
キョン「ああ…何てことしやがる!」
キョン(考えろ、頭を使え。何か、何かこのガスを凌ぐ方法はないのか!?)
ハルヒ(ガスはこの部屋を上から覆い始めてる…伏せていればまだ吸い込みはしないかしら)
ハルヒ「キョン、伏せましょう!ガスは上からやってくるわ!」

キョン「…上?…くく、なるほどな!国木田さんはお優しいこった!」

188 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:18:04.54 ID:LYiH8w2o

キョン「おーい国木田。ガスマスクはちゃんとつけてるんだよな?」
国木田『当たり前じゃないか。このガスが空気より軽いのは推察の通り。
     僕が一番最初にガスで倒れたら、もしもの時に責任が取れない』
キョン「…そういうこった。つまり、上にはガスマスクがある!」
ハルヒ「だからどういうことよ!上に登れないあたしたちじゃ、もし予備があっても取りに行くのは無理よ!」

キョン「勝負が決まれば、危険でも国木田がガスマスク持って降りてくるってこった!
     ダグトリオ!あなをほれ!なるべく深めにだ!」

ダグ「ダグダグダグ!」
ハルヒ「あ…そっか!深いところに逃げ続ければ!」
キョン「そのぶんガスに撒かれる時間も遅くなるのさ!」

国木田『…正解。やるじゃないか、こんな冷静な判断がとっさに出来るなんて。
     戻れ、マタドガス。…強制換気システム、作動』

189 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:19:09.66 ID:LYiH8w2o

キョン「おいおい、何だよ?まだ時間切れには早いぜ?」
国木田『意味がないことはしないよ。…これから下に降りる』
ハルヒ「よし!これでセキチクジム、攻略ね!」
シュタッ
国木田「いやぁ、参ったよ。二人ともクールだね」
ハルヒ「あったりまえじゃない!最初からわかりきってる勝負だったわ」

国木田「そうだったかもしれないね。…ところで、あと5分だけ時間があるんだけど」

キョン「…!おいハルヒ!そいつから離れろ!」
ハルヒ「え…?」

ゴ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド

国木田「換気システム停止…そしてドガースのえんまく。今からが最後の仕上げだよ」

190 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:20:19.50 ID:LYiH8w2o

キョン(うっ…真っ黒いガスで何も見えねぇ!)
キョン「国木田!何をする気だ!」
国木田「セキチクジム名物、どくどくを君達のポケモン全員にふりかけるだけだよ。
     なぁに、1分もあれば全員ノックアウト間違いなし、ってだけの毒さ。
     こういうのをね、奥の手、っていうんだよ」
ハルヒ「生意気言ってんじゃないわよ!さっき切り札を切ったくせに!」
国木田「さて、何のことかな?」

キョン(まずいぞ…何も見えないところから攻撃されたら、あいつらでも避けきれない!)

キョン「くそ!ゼニちゃん、天井に向かって全力でみずでっぽうを!」
カメ「ゼニーッ!」
ハルヒ(天井がびしょ濡れ?でも垂れるしずくだけじゃ、煙幕は大して晴れないわ…)
ハルヒ「…あぁっ!そうよ、キョン!あんた天才ね!」

191 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:21:01.37 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「ピカチュウ!ありったけの電力、天井にぶつけなさいっ!」
ピカ「ぴ、ピカ!?」
ハルヒ「やるのよ!急いで!」

ピカ「ぴぃぃぃぃか…ちゅうううっ!」

バリッ、バリバリバリバリ…ガスゥゥゥン!

ハルヒ「きゃああああっ!?」
キョン「うおぉぉぉっ!?」
国木田「うわぁぁぁぁっ!?」

カメ「ぜ…ぜに…?」
ピカ「ぴっかー…」

192 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:22:03.54 ID:LYiH8w2o

スゥー…

国木田「え、えんまくが…晴れてる…」
ハルヒ「このハルヒ様の学力を甘く見てるわね…?
     水を電気分解すれば、酸素と水素になるわ。
     これにでんきショックの火花が引火すれば…どーん、よ」
国木田「水蒸気の生成…はは、それでえんまくが皆外に吹き飛んだ、ってことか」
キョン「被害も大きかったがな…いてて」
ハルヒ(…思いつきでやってみたけど、上手くいったわね)
ハルヒ「ま、要するに勝ったもん勝ちよ!さ、おとなしく負けを認めなさい!」
国木田「…うん、参った!あっはっは、君達凄いや!」

(バトル開始から1時間経過。勝者・挑戦者チーム)

193 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:23:59.47 ID:LYiH8w2o

キョン(そう、それはあまりに激しかったセキチクジム戦を突破したせいだったのだろう。
     まさか、3匹同時にこんなことになるなんて、思ってもみなかった)

…おや? ゼニちゃん ナゾっち ミニリュウのようすが…!

ポゥッ…

キョン「こ、こいつは…進化の兆し!?」
ハルヒ「い、いっぺんに3匹も!これはすごいわ!」

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー

ハルヒ「どんな姿になるのかしら!」
キョン(わくわくするハルヒを尻目に、俺はどうしようもない焦燥感を感じ始めていた。
     進化させてしまえば、その大きさからもうゼニちゃんを外で連れ歩くことが出来なくなる。
     俺は…そんなの、嫌だ!)

194 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:25:05.35 ID:LYiH8w2o

キョン「待ってくれ!ゼニちゃん、今のまま…もう少し今の姿のままでいてくれ!」
ハルヒ「キョン!?」
カメ「ぜ…ぜに…?」

キョン「確かに進化すれば…強くなるかもしれない。だけど、もう外でずっと一緒に居られない。
    俺はそれは嫌だ!ゼニちゃん、もう少し…このまま、カメールのままでいてくれ!」

カメ「…ぜに!」

…おや? ゼニちゃんの へんかが とまった!

ハルヒ「…それが、あんたの選択?」
キョン「…みっともないか?」
ハルヒ「そうね。確かにちょっとみっともないわね。
     でも、二人が決めたことならそれでいいんじゃないかしら」

キョン「…。ありがとう」

195 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:26:01.84 ID:LYiH8w2o

パァァァァァァァッ

おめでとう! ナゾっちは クサイハナに
ミニリュウは ハクリューに しんかした!

キョン「…ユキから預かった、こいつを使う時が来たらしいな」
クサイハナ「ハナ?」
キョン「頼むぜ!たいようのいし!」

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー
パァァァァァァァッ

おめでとう! ナゾっちは さらに キレイハナに しんかした!

キレイハナ「ハナハナー!」
キョン「おお!こいつは可愛い!」
ハルヒ「ほーんと。ユキに感謝しなくっちゃね!」

196 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:28:58.20 ID:LYiH8w2o

(セキチクジム・入り口前)
国木田「はは、とりあえずこれ、バッヂと餞別ね」
ハルヒ「よし、ピンクバッヂ!」
キョン「ゲットだぜ!」
国木田「いやぁ、君達は本当に凄いね。このジムは別名、初見殺しって言われるくらいでさ。
     初めて挑戦してクリア出来たトレーナーなんて、今の四天王くらいじゃないかな」
キョン「マジで!?」
ハルヒ「ふん、まぁこのあたしの手にかかればお茶の子さいさい、ってとこね!」
国木田「その調子でがんばってね。…あ、そうそう。これは初見クリアのお祝いね」
キョン・ハルヒ「「え?」」

国木田「えー、コホン…

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ       ス
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|  あ チ モ
         レ!小l●    ● 从 |、i|   る |  |
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│  か ズ ク
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !  い は
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│  ?
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |    」

ハルヒ・キョン「「ぶっ…あっはっはっ!」」
ハルヒ「そっくりじゃない!おっかしい!」
キョン「ああ!国木田、お前忍者より芸人の方が向いてるんじゃないか?腹いてぇ…!」

197 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 15:29:25.44 ID:LYiH8w2o

国木田「
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{       リ| l.│ i|  に
         レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|  ょ
          ヽ|l ●   ●  | .|ノ│  ろ
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.  l
          | /⌒l,、 __, イァト |/ |  ん
.          | /  /::|三/:://  ヽ |
          | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |     」

389 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/10(木) 09:46:43.34 ID:LYHWzMtG0

昨日書く予定だった>>367>>368の間のエピソードを今のうちに書きます

390 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/10(木) 09:56:23.78 ID:LYHWzMtG0

キョン(そう、それはあまりに激しかったセキチクジムを突破したせいだったのだろう。
     まさか、3匹同時にこんなことになるなんて、思ってもみなかった)

…おや? ゼニちゃん ナゾっち ミニリュウのようすが…!

ポゥッ…

キョン「こ、こいつは…進化の兆し!?」
ハルヒ「い、いっぺんに3匹も!これはすごいわ!」

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー

394 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/10(木) 10:13:55.94 ID:LYHWzMtG0

ここまでのまとめ

●涼宮ハルヒ(ポケモントレーナー兼SOS団団長)

・ピカチュウ
・ニドリーナ
・ダグトリオ
・ハクリュー

ツンデレ少女。最近、ちょっとだけキョンといい感じ。主力選手はピカチュウ。

●キョン(ポケモントレーナー)

・カメール(ゼニちゃん)
・キレイハナ(ナゾっち)
・キュウコン(コンたん)
・ケンタロス ※あだなはまだない

・ミュウツー

常識ある少年。でも女の子に弱い一面も。一番の相棒はゼニちゃん。

◆獲得バッヂ:グリーン・グレー・ブルー・オレンジ・レインボー・ゴールド・ピンク
※現在地 セキチクシティ

200 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:05:52.79 ID:LYiH8w2o

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ハルヒ「さあ!いよいよ最後のジムへ出発よ!」
キョン「グレンタウンか…このセキチクからだと、水道を遠泳すれば辿りつけるらしいが」
ハルヒ「遠泳?」
キョン「ああ。途中に体を休める休憩スポットもいくつか設置されてるらしいぞ」
ハルヒ「ふふん。このあたしの覇道伝説に、またひとつ新たなオプションが付加されるわね!」
キョン「何だそりゃ」

ハルヒ「セキチク〜グレン間の遠泳の最短記録を作るわよ!」

キョン(…またこれか)
カメ「…ぜに」
キョン「俺の味方はお前だけだっぜ…」ガシッ
カメ「ぜ、ぜにー///」

201 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:06:33.18 ID:LYiH8w2o

キョン「…ところでハルヒ」
ハルヒ「何よ!今から準備運動をするんだから、手短にお願いね」

キョン「…その格好で泳ぐのか?せめて水着くらいは…」

ハルヒ「…あ」
キョン「その顔は完全に忘れてたな」
ハルヒ「あはは、アニメやゲームだと、キャラクターが着替えもせずに水に入るじゃない?
     そんなお約束が働くかなーなんて」
キョン「働きません!もっと真面目に行動なさい!」
ハルヒ「なによぅ」
キョン「…とりあえず、そこの海の家で水着買うぞ」

202 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:07:26.34 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「キョン!ブーメランパンツがあるわよ!」
キョン「あれを穿けと!?」
ハルヒ「遠泳するには水の抵抗の少ない水着の方が疲れなくていいらしいわよ」
キョン「あいにく俺はお前みたいに記録を作る気はないんだ。…このトランクス型にする」
ハルヒ「ス○ード社の○ー○ー○ーサーはないのかしら?」
キョン「あるわけないだろ、海の家じゃ」
ハルヒ「しょうがないわねぇ…キョン、こっちとこっちならどっちがいいかしら」

キョン(…片方は紐ビキニ、もう片方は背中の開いたワンピース…か)

キョン「どっちも、似合うと思うぞ」
ハルヒ「う…そ、そんなのはわかってるわよ!もう、折角あんたが見たい方にしてやろうと思ったのに!」
キョン「え。あ、あぁ…すまん」
ハルヒ「でっ!ど、どっちがいいのよっ!?」
キョン「ん…じゃあ、そのビキニで…お願いします」

203 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:12:03.48 ID:LYiH8w2o

(海の家のフィッティングルーム)
キョン(服を防水バックパックに詰めて…ボールはこの付属のスイマーベルトに、と)
ミュウツー『…先ほどの青春ドラマは中々だったぞ』
キョン「!」
ミュウツー『だが、敢えて言うならもう少し褒めてやることだな』
キョン「またお前か…お前、誰だよ」
ミュウツー『何だ、気付いていなかったのか。今、お前の腰に居るものだが?』
キョン「な、何ッ!?」

ハルヒ「キョーン?どうかした?大きな声出しちゃって」
キョン「あ、いや、な、何でもねえ!」
ハルヒ「ふーん?あ、大方ヤスデでも出たんでしょ。ダメねぇ」
キョン「そ、そんなとこだ」(もっととんでもないもんが出たんだよ…!)

ミュウツー『今からグレンタウンに向かうそうだな』
キョン「…それがどうかしたか」
ミュウツー『…以前、お前はこういうことを言われたらしいな。
       「ポケモンは人間に振り回されている」、と』
キョン「…ユキに、言われた」
ミュウツー『お前はあの島でその本当の意味を知ることになる』
キョン「何?」
ミュウツー『あの島が隠している人間の業…知る前に忠告してやろうというのだ。
       前もって心構えがあるかないか。それだけで人間の反応は随分違うものだ』
キョン「い、一体何だってんだ!何が言いたい!」

ミュウツー『覚悟をしておけ。…それだけだ』

204 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:12:46.00 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「キョン?あんた何個室で騒いでるのよ」
キョン「い、いや、ヤスデがな…」
ハルヒ「ヘタレねぇ。ほら、あたしはもう着替えたから、あんたも早く出てきなさい!」
キョン「お、おう!」

キョン「…おい。ミュウツー、お前が一体何のつもりで俺にそんなことを言うのかはわからん」
ミュウツー『…』
キョン「だが、一つ言っとく。…了解した」
ミュウツー『…フン。島に着く前に、溺れたりなどするなよ』
キョン「俺達を舐めてんな?マサラは海辺の町だ、泳ぎは子どもの必修科目さ」
ミュウツー『…結構』

キョン「待たせたなハルヒ!じゃあ、行くか」
ハルヒ「うんっ!」

205 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:14:31.05 ID:LYiH8w2o

(19番水道)
ジャブジャブ
キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「…なあ、ハルヒよ」
ハルヒ「…何?」
キョン「…疲れたな」
ハルヒ「…口に出すんじゃないわよ」
キョン「…さっきからずーっと思ってるんだけどさ」
ハルヒ「…多分あんた、あたしと同じこと考えてるわ」

キョン・ハルヒ「「皆、ポケモンに乗って泳いでるな(るわ)…」」

キョン「…ゼニちゃん。俺の背中で小亀ごっこせずに、みずポケモンなら泳ごうぜ」
カメ「ぜーにに」
キョン「めんどくさいだと!お父さんはそんな子に育てた覚えはありません!」
ハルヒ「…喋ると余計体力使うわよ」
キョン「…」
ハルヒ「…」

206 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:15:58.26 ID:LYiH8w2o

ザババババババ
ハルヒ「初めからこうすればよかったのよね!」
キョン「うーむ。快適快適、顔に当たる潮風のなんと爽やかなことか」

ハクリュー「りゅー!」ザバババババ

キョン「ハクリューの背中は広いな。タンデムしても全然余裕だなんて」
ハルヒ「ひでんマシンをサファリで拾っておいたのが今役に立ったわね」
キョン「あとでゼニちゃんもなみのりを覚えておこうな」
カメ「ぜにー!」

207 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:16:58.27 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「あら?キョン、陸地が見えてきたわ!あれがグレン島?」
キョン「いや、地図によるとその中間地点のふたご島だな。
    あそこに一度上陸して、島の反対側からまた遠泳するのがいいだろ」
ハルヒ「わかったわ!ハクリュー、よーそろー!」
ハク「りゅー!」ザバババババ

ハルヒ「ふたご島って、ホントに山が二つ寄り添ってるのね。あら?洞窟が見えるわ」
キョン「中は天然の潮流が激しい危険地帯だそうだ。俺達じゃ命がいくつあっても足らん」
ハルヒ「そ、そうなの?…そうね、流石に洞窟探検と命と引き換えにするにはいかないわ」
キョン「まぁ、またの機会もあるさ。とりあえず、しばらくここで休憩だ」
カメ「ぜにーに」

208 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:18:02.39 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「静かねぇ」
キョン「ああ、最近ずっと騒がしいところにいたしなぁ」
ハルヒ「…ちょっとだけマサラタウンが懐かしいわね」
キョン「静かなとこだったからな」
ハルヒ「ねえ、キョン。…あんた、マサラタウンって好きかしら?」
キョン「何だよ突然」
ハルヒ「あたしはね、あんまり好きじゃなかったわ。退屈で、つまらなくって、変化に乏しくて。
     ポケモンマスターになる、っていう目標のが私の中に芽生えた動悸の中にね、
     ここを出たい、って気持ちがあったのは否定できないし、確かに意識してたわ」
キョン「…そうなのか?」
ハルヒ「でもね、マサラを出て、他の街を色々見て回っても、どこも変わらなかったわ。
     騒がしくて、娯楽や変化は多いけど、目が回りそうになるの」
キョン「ああ」
ハルヒ「結局、自分の勝手を土地に押し付けていたのよね。
     どこに行ってもないものねだりをしちゃってる。…いいところを見つける方が、楽だわ」
キョン「…そうかもしれないな」

209 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:19:08.86 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「…キョン。この旅についてきてくれて、ありがと」
キョン「…何だよ。らしくないぞ」
ハルヒ「ずっと思ってたの。あたしがあのわがままを言った時、ホントはね。
     キョンがあたしに愛想をつかして、私だけがマサラを出るんじゃないかって思った」
キョン「…」
ハルヒ「あんたがどういう気持ちで引き受けてくれたのかはわからないわ。
     でも、感謝してるの。キョンがいたから、楽しくやってこれたわ。
     それに、あんたがいなかったら、私はずっとあのまま暴れてたかもしれない…」
キョン「気にするなよ。…本当のことを言えば、俺だってそうさ。
     こんな面白いことに連れ出してくれたお前に、感謝してるんだぜ」
ハルヒ「…ほんと?」
キョン「ああ」
ハルヒ「キョン…」


カメ「ぜーに…ぜーににー」(ぽてぽて

210 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:20:13.69 ID:LYiH8w2o

カメ「ぜーにーにー。ぜーにに」
ポテポテポテ
「あらぁ?こんなところに、カメールがいるんですねぇ」
カメ「ぜにっ!?」
「うわぁ…カメールなのに、鳴き声がゼニガメのままなんですかぁ?すごくかわいいです!」
カメ「ぜ、ゼニーッ!」
「え、あ、ちょっと!まってくださいよぉー」

ズダダダダダダダ
カメ「ぜ、ぜにーっ」
キョン「わ、ど、どうしたゼニちゃん!」
カメ「ぜにぃ!」

「あ、あら?そのカメールの、飼い主さんですかぁ?」

211 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:21:28.01 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「この子はキョンのパートナーよ!で、あなたどちら様?」
「ああーっ、すいませぇん。あたし、この先のグレン島のものですぅ」
キョン(と…特盛りっ!?)
キョン「す、すいません。こいつが何か悪さでも…?」
カメ「ぜ、ぜにっ!?」
「いえいえぇ。あたしがいきなり洞窟から出てきて、驚かしちゃったみたいなんですよ〜」
キョン「はぁ、そうでしたか…って、え?あの洞窟から、ですか!?」
「はぁい。あたし、あの洞窟を探検して、レポートを作ってるんですぅ」
ハルヒ「それは…凄いわね」
「そんなぁ、まだ全然進んでいなくて、お恥ずかしい限りですぅ」
キョン「あ、すいません。まだ、お名前をお伺いしていませんでしたね」

みくる「あぁ!申し送れましたぁ、あたし、朝比奈ミクルといいます」

212 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:27:51.91 ID:LYiH8w2o

ミクル「ええっと…すいません、お二人のお邪魔でしたでしょうか…」
キョン「あ、い、いえ!そんな、とんでもない」
ハルヒ「そ、そそそそうよ!べ、別にデートしてたわけじゃないし、
     ただ、お喋りしてたってだけで」
ミクル「そうなんですかぁ?ふふ、お二人とも仲がいいんですねえ」

キョン(…でも、ちょっと残念だったかも)
ハルヒ(ゼニちゃんが飛び込んでこなければ…もうっ)

ミクル「あ、じゃあ私はレポートをまとめに帰りますのでぇ。これで失礼しますね。
    でてきて!リザードン!」
パァァァァァ
リザードン「グォォォッ!」

キョン「で、でけぇ…!」
ミクル「んしょ…んしょ…では、さよならですー!
     リザードン、そらをとぶ!行き先は、グレンタウンです!」

バッサバッサバッサバッサ

ハルヒ「…圧巻ね」
キョン「いやぁ…あんなのがいれば、そりゃ洞窟探索も出来るわな」

213 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17:28:41.71 ID:LYiH8w2o

ザババババババ
ハルヒ「いけーっ!目指すは最速記録よ、ハクリュー!」
キョン「無茶言うなって」
カメ「ぜにー!」
キョン「お前も泳いでみるか?いい勝負になりそうな気がするが」
カメ「ぜ、ぜにっ!?ぜにぜに!」ブンブン
キョン「そうかそうか、泳いでみたいか」
カメ「ぜ、ぜにぜにぜにッ!」ブンブンブンブン

キョン「そーれ」ひょーい
カメ「ぜにーっ!?」バッシャァァァァン

ハルヒ「ふふ、ゼニちゃんに負けちゃだめよハクリュー!」
キョン「ゼニちゃん、根性だ!先にグレン島で待っててくれないとダメだぞ!」
カメ「ぜ、、、ぜにー!」ザババババババ

215 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 19:58:33.69 ID:LYiH8w2o

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ハルヒ「ようやくグレン島ね!いやぁ、あっという間だった気がするわ」
キョン「ゼニちゃん、よくがんばった!これはご褒美のサイコソーダだ」
カメ「ぜ…ぜぇ…ぜぇ…ぜにぃ…」
ハルヒ「さぁ、早速ジムを目指すわよ!」

キョン「…【休業日】?」

ハルヒ「あら。今日はやってないんだ」
キョン「そうみたいだな。まぁ、明日まで待ったら開くんじゃないか?」
ハルヒ「そうねぇ。グレン島ってマサラから近いけど、あたし来るの初めてなのよね」
キョン「そういえば俺もだ」
ハルヒ「せっかくだし、観光がてら色々見てみましょうか」
キョン「よし、…まぁ、ゼニちゃんの体力が戻るまでは待ってくれないか」
カメ「ぜぇ…ぜぇ…」

216 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 19:59:17.94 ID:LYiH8w2o

キョン「この町はたしか、マサラと同じでポケモン研究所があるんだよな」
ハルヒ「そうなの?」
キョン「ああ。新川博士が現在のポケモンの生態を研究しているのと違って、
    グレンの研究所は古代のポケモンの生態研究を行ってるそうだ。
    化石を調査したり、その化石のDNAからそのポケモンを蘇らせたり…」
ハルヒ「…」
キョン「…どうした?」
ハルヒ「ん…。化石になった、ってことはさ。もう既に死んじゃったポケモンなわけでしょ?」
キョン「まぁ…そうなるな」
ハルヒ「死んだ子を蘇らせる…っていうのは、あたし…ちょっと抵抗があるわね」
キョン「あ…」
ハルヒ「あ、ううん、深い意味はないわよ!?でも、何だかゾンビみたいで気味が悪いじゃない」

キョン(ハルヒのその言葉を聞いて、俺はあることを思い出していた。
     あれはまだ、俺達がまだ学校にも通っていないガキだった頃―)

217 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:01:20.62 ID:LYiH8w2o

キョン(―俺達はその日、ポケモンの死骸を遊び場で見つけた。
     今じゃどんなポケモンだったかすら、記憶にはないが…)

ハルヒ『ねえ…このこ、うごかないよ…どうしよう…』
キョン『あらかわさんだ!あらかわさんは、ポケモンのえらいひとだから、
    きっとこのこもなおしてくれる!』
ハルヒ『そ、そうよね!きっとなおしてくれるよね!』

キョン(必死だった。その亡骸を抱えて、研究所に走った。
     だが、出てきた新川博士は、悲しい顔をして俺達にこう言ったんだ)

新川『残念ですが…ポケモンに限らず、死んだ生き物を生き返らせることは、出来ないのです』

キョン『なんで!あらかわさんは、ポケモンのことよくしってるんでしょ!』
ハルヒ『そうよ!いきかえらせないと、あんたのことばかっていうわよ!』

キョン(子供の駄々に、忙しいはずの新川博士は親身になって付き合ってくれた。
    俺達は泣き喚いて、やがてそれにも疲れて眠った。
    後ろから、何か怖いものが追いかけてくる夢を見た…ような気がする)

218 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:02:09.72 ID:LYiH8w2o

キョン(結局、そのポケモンの死骸は博士が引き取った。
     俺達二人はそれから数日、皆が死ぬ妄想に取り付かれ、眠れない日々を過ごした)

ハルヒ「キョン…?」
キョン「あ、ああ。昔さ、ポケモンを生き返らせてくれ、って駄々こねたのを思い出してさ」
ハルヒ「ああ。そんなことも言ってたわねぇ。今から考えると、馬鹿みたい」
キョン「まぁ、研究に使う、ってことはさ。それだけ確立された技術と倫理観でやってることだろ?
    俺達が感情で否定しても、仕方のないことだよな」
ハルヒ「そうかしら…」

キョン(この時俺は、ハルヒが何を懸念しているのかさっぱりわからなかった。
    そしてそれから数時間の後、ようやく俺はハルヒと同じ境地に立つことになる)

219 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:03:13.58 ID:LYiH8w2o

キョン「じゃあとりあえず研究所はスルー、と。そうなると、他に何が…」
ハルヒ「そういえば、ここってちょっと前に爆発事故が起きた建物があるのよね?」
キョン「あぁ、そういえば…」
ハルヒ「面白そうじゃない!ちょっとその現場がどうなってるのか、見学してみましょうよ」
キョン「そんなもん、俺達一般人に解放されてるわけがねーじゃねえか」
ハルヒ「だ・か・ら、こっそりよ!子どもが二人入り込んでも、最悪お説教されるだけよ」
キョン「説教なぁ…俺はそれも嫌だが」
ハルヒ「ほら、いいからキリキリ歩く!他に見るとこもないんだし!」
キョン「ゼニちゃんたすけてくれー」


カメ「ぜに、ぜにぜに」(うん、それ無理)

220 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:06:19.02 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「…ここが、その建物かしら」
キョン「テープが貼ってあるぜ。【KEEP OUT!】…わかりやすいな」
ハルヒ「さ。どこか入れるところがないか探しましょ。キョンはあっちからね、あたしはこっちから見るわ」
キョン「へいへい」
カメ「ぜにぜに」

キョン(やれやれ…まぁ、こう厳重に封鎖されてるんじゃ、どのみち入り口なんぞ…)
ミュウツー『…フンッ』

サァァァァァッ

キョン(な、何じゃこりゃ!コンクリートの壁がここだけ…砂になって崩れた!)
ミュウツー『…入るがいい。私の故郷だ』
キョン「ふ、ふるさと?ここが…お前の?」
ミュウツー『…』
キョン「…くそっ。 おーい、ハルヒ!ここから行けるぞー!」
ドドドドドッ
ハルヒ「でかしたわキョン!何よ、ここの警察は節穴ばかりね!」

221 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:11:22.97 ID:LYiH8w2o

(ポケモン屋敷、内部)
キョン「…誰もいないのか?」
ハルヒ「そうねぇ…人の気配はなさそうね」
キョン「しかしひどいな…台風が来た時に窓を開けっぱなしにしても、こうはならんぜ」
ハルヒ「調度品は全滅ね。あーあ、この石像、首と腕がもげちゃってるわ」
キョン「よっぽどひどい事故だったんだな…」
ハルヒ「…事故、なのかしらねぇ」
キョン「え?」
ハルヒ「おかしいと思わない?普通、爆発事故が起こった時には、
     爆発した箇所とその周辺だけがグチャグチャになるものじゃない?」
キョン「言われてみれば…そうかもしれん」
ハルヒ「なのに、このお屋敷。至るところがほとんど平等に壊れてるのよ」
キョン「…確かにな」
ハルヒ「これは事故じゃないわ。きっと、テロの標的になったか爆弾魔の計画的犯行よ!」

キョン(俺はその時、全く別の可能性を考えていた。
     無意識に、腰のボールをいじりながら…)

222 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:15:42.33 ID:LYiH8w2o

キョン「おい…そろそろ出ようぜ。お前が大声立ててたら、いつバレることやら」
ハルヒ「うるっさいわねぇ。心配なら、あんた一人で戻ってなさいよ!」
キョン「…ああ、そうかよ。わかった、俺は退散させてもらうぜ」
ハルヒ「もう!付き合いが悪いわね!後で行くから、ポケモンセンターで待ってなさい!」
キョン「へいへい」

ハルヒ(もう、何よ!昔から意気地なしなんだから。
     さて…奥の部屋の方も、探索探索)
タッタッタ


(―屋敷の庭)
キョン(…このまま一人で戻って…本当にいいのか?
    ハルヒを引っ張って戻らなくちゃ、意味がないのに…くそっ!)

223 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:22:47.23 ID:LYiH8w2o

ガタガタッ

ハルヒ(いろいろ落ちてるわねぇ…何よ、このわざマシンまだ使えるじゃない。
     こういうものは、ちゃーんとあたしが再利用してあげなくちゃ)

スタスタスタスタ

    (でもここ…何かしら?いやに薬品や、わざマシンの残骸が落ちてるわね)

トントントントン

    (普通のお屋敷…じゃないわね。ここでも、ポケモンの研究をしていた?)

ギィ…

    (…あら?あの机だけ、ちゃんと立ってるわね。…これは如何にも怪しいわ!)

224 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:25:03.23 ID:LYiH8w2o

ガタガタガタッ
ハルヒ(ご丁寧に立て直した机の引き出しの中にものをしまうなんて、うっかりさんね。
    …これは何かしら。ノート?…いえ、日記ね。随分分厚いし、焦げが酷いわ。
    でも…この机は燃えた後がないのに、何でこの引き出しの中に…?)

ペラッ

ハルヒ(…?『ミュウ』?何よ、あたしが貰ったミュウツーによく似た名前のポケモンね)

ペラ…ペラ…

ハルヒ(…。…!?)

バサッ

ハルヒ「そんな…嘘、嘘でしょ!?」

225 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:26:33.98 ID:LYiH8w2o

【7月5日 ここは南アメリカのギアナ。ジャングルの奥地で、ポケモンの睫毛のサンプルを発見。
      予測されていたポケモンの始祖が、現在も生存している可能性を確信する…

 7月10日 マサラタウンにて、懸案だった始祖の死骸が発見される。
       そのポケモンを、私はミュウと名付けた。

 2月6日 ミュウの体細胞サンプルからのクローン、試行錯誤の末に始めて育成に成功。
      生まれたばかりのジュニアを ミュウツーと呼ぶことに決めた。


 9月1日 ポケモン ミュウツーは強すぎる。ダメ、私の手には負えない…】

226 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:30:20.85 ID:LYiH8w2o

ミクル「…どなたですかぁ?」

ハルヒ「!!!」

ミクル「あぁ、驚かせてすいません。私、この家のものなんです…あら?
    あなたは確か、ふたご島でお会いした方じゃ…」
ツカツカツカツカ
ミクル「ひっ!な、何ですかぁ?どうしてあたし、詰め寄られてるんですかぁ!?」
ハルヒ「言いなさい」
ミクル「ふぇ〜!?」
ハルヒ「あんたとミュウツーの関係!洗いざらい吐くのよ!」
ミクル「ひ、ひゃぁ〜!」

キョン「ハルヒ!何をしてるんだ!」
ハルヒ「!? きょ、キョン!?帰ったんじゃなかったの!?」
キョン「お前一人置いて帰れるか!一体何があった!」

228 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:32:26.55 ID:LYiH8w2o

(一時間後)
キョン(…泣きじゃくる朝比奈さんが、途切れ途切れに語ってくれた話を要約するとこうだ。
     ミュウツーの生みの親は朝比奈さん。生み出されたのち、この屋敷にて成長し続けたらしい。

     やがて、ポケモンバトルの訓練を施すようになるとその才能が開花。
     強力なわざを次々と習得し、ついには朝比奈さん達の制御を振り切り、脱走。
     その際、強力なサイコキネシスでこの屋敷を念波の暴風に巻き込んだらしい。

     朝比奈さんはたまたまその時、ポケモンの観察と資料収集のために留守にしており、
     実際に屋敷が壊れるところは見ていないとのこと。

     ミュウツーはその後、全ジムリーダーと研究者の必死の捜索により、ハナダの洞窟で捕捉される。
     その際、ポケモングッズの先進企業であるシルフカンパニー謹製のマスターボールが、大いに威力を発揮したという。

     で、捕獲されたのち新川博士のところで管理されていたところを…)

ハルヒ「あたしが強引に持ち出しちゃった、ってことか…」

229 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:35:42.67 ID:LYiH8w2o

ミクル「あたし…自分の才能に酔ってたんです…
     そして、命を玩具にしていじくりまわした挙句、皆が…ううっ…」
キョン「…もう、結構です。つらい話をさせてすいません」
ハルヒ「…ミクルちゃん。…あたしもあなたに謝らなくちゃいけないわ。
     あなたが生み出したミュウツーで、あたし、ひどいことをしたの」
ミクル「ふぇ…?」
ハルヒ「あたしが連れているピカチュウね。…ミュウツーで、殺しかけちゃったの」
ミクル「…そ、そんな」
キョン「もちろんこいつに殺すつもりなんてなかった。それは俺が保証するさ。
     …でも、なかったことには、出来ないんだ」
ミクル「すいません…あなた達まで苦しめることになってしまって…
     本当に、ご、ご…ごめんなさぁい…」

キョン(ポロポロと涙を流す朝比奈さんを、ハルヒがそっと抱きしめる。
     …かける言葉は要らない。朝比奈さんに、俺達の罪まで背負わすことはないからな)

230 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:36:27.87 ID:LYiH8w2o

キョン「…ミュウツー。おい、ミュウツー」
ミュウツー『…フン』
キョン「お前が俺達に見せたかったのは、これか」
ミュウツー『それだけではないがな。これを見、どう考えるかはとっくに予想がついていた』
キョン「…じゃあ、何だ」
ミュウツー『お前の腰にいるものが、如何に罪深く、気味の悪い存在であるか。
       一度じっくり、教えておくべきだと…』

キョン「…はぁ?何言ってんだ?」
ミュウツー『…何?』

キョン「んなこたトキワでとっくに知ってるよ。だからお前は俺の腰でずっと控えをやらせてんだ」
ミュウツー『知ったようなことを言う』
キョン「お前の言葉をそのまま返してやるよ。『知ってることしか言わねぇ』、だ」
ミュウツー『…』

キョン「お前がやったことはわかった。でも、今のお前は何だ?
     …反省、したんだろうが。ハナダの洞窟だかどこだかで。
     じゃなきゃ、お前が捕まる道理がない」

232 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:37:21.45 ID:LYiH8w2o

ミュウツー『む…』
ハルヒ「キョン?何ぶつぶつ言ってるのよ」
キョン「いや、ちょっとした一人作戦会議だ。気にするな」

キョン「…いつかどこかで、お前の力を必要とする場面があるさ。その時まで存分に力を溜めてろ。
    もし、その力の向ける先が気に入らなきゃ、居眠りでも何でもやってくれ」
ミュウツー『私の出番など…あるものか』
キョン「生きてる限り、生きてる理由ってのはあるもんさ。
    お前にだって必ず、必要とされる場面がある。…それを俺達が、見つけてやるさ」
ミュウツー『…。その言葉、忘れるなよ』

ミクル「あのぅ…ありがとうございました」
ハルヒ「ううん、いいのよ!あ、あたし達こそ、ここに勝手に入っちゃってごめんなさいね?」
ミクル「いいえぇ。これも、何かのお導きだったんですよぅ」

キョン(のんきな会話を繰り広げながら、俺達はこの場を後にした。
     あ、ちなみに朝比奈さんは、この場所にふらりとやってくることがたまにあるらしい。
     いつか、綺麗に片付けなきゃいけない、と、淋しそうな目で語っていた。

     ハルヒは、「もし片付けて使えるものがあったら譲って頂戴!」などとムシのいい提案をふっかけ、
     朝比奈さんを苦笑させていた)

233 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:38:48.29 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「…キョン」
キョン「何だ?」
ハルヒ「あたしね、普段は神様なんて信じるガラじゃないのよ」
キョン「よく知ってるよ」
ハルヒ「でもね、何だか今日に限っては信じちゃいそうで。おかしいわね。

     ジムが休みだったこと。あたし達が屋敷に忍び込もうとしたこと。
     ミクルちゃんが、たまたまその時間に屋敷を訪れたこと。

     素敵な偶然って、こういうことをいうのかしら」
キョン「…かもな」

キョン(…俺は知っている。影でこの出会いを演出した、策略家がいることを。
     そいつはきっと今俺の腰で、けったいな笑顔を浮かべているに違いない)

ハルヒ「さあ、明日はジム戦よ!気分直しに、夕暮れまで浜辺で特訓しましょ!」
キョン「えー」
カメ「ぜにー」

234 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:39:32.38 ID:LYiH8w2o

---------------

ハルヒ「腰が入ってなーい!ニドリーナ、もういっちょ!」
ニド「にどーっ!」

---------------

キョン「うーん…ケンタ…タロス…うん。ケンタくん、だな。これに決定だ!」
ケンタ「ぶもーっ!」

---------------

カメ「ぜにーっ!」
ピカ「ぴかぴか、チューッ!」
ダグ「だぐっ!」

---------------

ハルヒ「よし、これにて本日の稽古は終了!」
キョン「だぁー…何で俺まで浜辺をランニングしてんだよ…」
カメ「…ぜにに」
ハルヒ「そこ!返事は押忍か、サーイエッサー、よ!」

511 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/10(木) 21:23:35.05 ID:LYHWzMtG0

ここまでのまとめ

●涼宮ハルヒ(ポケモントレーナー兼SOS団団長)

・ピカチュウ
・ニドリーナ
・ダグトリオ
・ハクリュー

ツンデレ少女。鬼軍曹だが、水着は紐ビキニ。

●キョン(ポケモントレーナー)

・カメール(ゼニちゃん)
・キレイハナ(ナゾっち)
・キュウコン(コンたん)
・ケンタロス(ケンタくん)

・ミュウツー

常識ある少年。ブーメランパンツを回避、ミュウツーと解り合う。

◆獲得バッヂ:グリーン・グレー・ブルー・オレンジ・レインボー・ゴールド・ピンク
※現在地 グレンタウン

−明日は、ジム戦!−

237 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:58:00.42 ID:LYiH8w2o

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(翌日)
ハルヒ「さあ!今日こそグレンジムに乗り込むわよ!」
キョン「やれやれ…昨日の疲れがまだ取れん」
ハルヒ「何をぼやぼや言ってるの!勝負は時の運なの。
     そんないつもにも増して貧相な顔をしてたら、勝てるもんも勝てないわよ!」
キョン「…お前のポジティブさには感動を覚えるよ」
ハルヒ「あんたがネガティブすぎんの!ね、ゼニちゃん」
カメ「ぜーにー!」
キョン「二人がかりで俺をいじめるな!」

ハルヒ「たーのもー!」
キョン「…いつも思うんだが、その挨拶はどうなんだ」
ハルヒ「いいじゃない、気分よ、気分」

ミクル「はぁ〜い、ただいま〜」
ハルヒ・キョン「「え?」」

238 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 20:59:19.71 ID:LYiH8w2o

ミクル「あらぁ?またお会いしましたねぇ!」
ハルヒ「ミクルちゃん!?あ、あなた、ジムリーダーだったの?」
ミクル「え?そんなぁ、違いますよぉ」
キョン「じゃあ、リーダーは一体どこに?」

ミクル「えーと…ポケモン屋敷の事件のことは、昨日お話しましたよね。
    実は…その事故に巻き込まれて、先代のリーダーは…」

キョン「…すいません」
ミクル「いえっ。で、ですね。ジムリーダー定例会で何度も協議して、
     新しいリーダーを今は選んでいる段階なんですよぉ。
     でも、その間にグレンジムの機能が停止するのは、まずいということで…」
ハルヒ「なるほどね。で、今はミクルちゃんが暫定的にリーダーをやってるわけ?」
ミクル「いいえぇ。この町のトレーナーの有志が集って、日替わりでやってます」
キョン「…それじゃ、日によってバトルの内容に差が出るんじゃ?」
ミクル「それは避けられません。ですから今の試験は、こういう風にやってるんですぅ」
キョン(…何だ、天井から看板が下りてきたぞ)

ミクル「題して!【グレンアイランド☆ポケモンフレンドパーク】!」

ハルヒ・キョン「「…は、はいぃぃ!?」」

239 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:00:15.86 ID:LYiH8w2o

ミクル「今からお二人には、ポケモンに関するクイズや、
    ポケモンと一緒に体を使うアトラクションに挑んでいただきま〜す!」
キョン「ちょ、ちょっと待った!何だそりゃ!」
ハルヒ「ポケモンと一緒に、体を使うって…何!?」
ミクル「このジムに仕掛けてある、あらゆるアトラクションを全て制覇していただきます!
    手持ちのポケモンとなら、どの子を何回使ってもOK!
    その代わり、お手つきを規定回数以上行うと、そのゲームは失格でぇす!」
キョン「失格すると、何かマズいのか!?」
ミクル「アトラクションをクリアした回数だけ、最後のアトラクションである、
    【ドキドキ☆バッヂチャレンジ】に挑めまぁす!
    そこでバッヂがもらえるかどうか、最後の運試しです!
    ですから、出来るだけ失格しない方が、最終的に有利なんでぇす!」

ハルヒ「…つまり、」
キョン「…何が何でも、アトラクションをクリアするしかない、ってこった」

240 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:06:43.03 ID:LYiH8w2o

キョン(…熾烈なバトルだった。
     ある時は俺達は大玉を転がし、ある時はフリースロー。
     壁にトランポリンでジャンプし、ルームランナーを爆走し、
     クタクタに疲れ果てた頃…最後のアトラクションが始まった)

ミクル「では、最後のチャレンジはこちら!
     【ハイパー・ポケモンホッケー】でぇす!」

キョン「よう…皆、大丈夫かぁ…?」
カメ「ぜにぃ…」
ケンタ「ぶも…」
ハルヒ「こら!だらしなく寝ないの!シャキっとしなさい!」
ピカ「ぴ、ぴかぁ…」

ミクル「ルールは簡単!トレーナーとポケモンが二人一組となり、エアホッケーを行います!
     デュースはなし、7ポイント先取したチームの勝ちでぇす!
     チャレンジャー側は、いつでもトレーナーとポケモンを交代することが出来ますので、有効に活用してくださぁい」

キョン「と、とにかく最後のアトラクションだ…悔いを残さないためにも、思いっきりいくぞ!」
ポケs「「「ガーッ!」」」

241 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:10:51.07 ID:LYiH8w2o

キョン(ここまで俺達が突破したチャレンジは5つ…
    最後の【ドキドキ☆バッヂチャレンジ】とやらがどういうものか予測できない以上、
    最後のチャレンジは抑えておきたいところだ)
ハルヒ「じゃあまずは、あたしとピカチュウで様子をみてくるわ!」
キョン「気をつけろよ!エアホッケーだ、反射に注意しろ!」
ハルヒ「わかってるわよ!」

ミクル「では、よろしくお願いしますね!あたしのパートナーは…おねがい、リザードン!」
パァァァァァ
リザードン「グォォォォッ!」

キョン「な!気をつけろハルヒ、相手は本気だ!」

242 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:12:46.61 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「先手必勝!最初の一撃で叩き込みなさい、ピカチュウ!」
ピカ「ぴかーっ!」
カンッ
リザ「ゴッ!」
ガスン
キョン(何だと…ピカチュウの電光石火の一撃を、上から押さえつけて止めた!?)
リザ「ごおっ!」
ガンッ ゴスン
ハルヒ「きゃっ!」
ピカ「ぴかっ!?」

キョン「あ、あっさり一点取られた…!」

243 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:14:20.44 ID:LYiH8w2o

キョン「くそっ、交代だ、ハルヒ!俺とゼニちゃんに任せろ!」
ハルヒ「わ、わかったわ」
キョン「いくぞゼニちゃん!最初の一撃に賭けるんだ!」
カメ「ぜにぃっ!」
カァン
リザ「ごぉっ」
ゴンッ
キョン「くっ、守りだ!守りを固めるしかない!」
カメ「ぜにぃ!」
リザ「がぁ!」

ガン キンッ カンッ
ゴスン

キョン「や、やったぜ!反射で相手のゴールに入った!」
ミクル「ふ、ふぇぇぇ…こわいですぅ…」
キョン(やっぱり朝比奈さんは反応は人並み…いや、普通以下だ!
     リザードンの一撃を凌げば…こちらにもチャンスがある!)

244 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:25:42.92 ID:LYiH8w2o

キョン(…だが、俺の見込みは甘かった。
    リザードンの一撃を反射できるかどうかは運でしかない。さっきのはたまたまだ。
    反射ができて、しかもそこから相手のゴールに入る。…そんな奇跡は最初の一回だけで、
    たちまち俺達は1−6まで追い詰められてしまった)

キョン「くっ…大丈夫か、ゼニちゃん…」
カメ「ぜに…」
キョン(どうする…こっちのサービスがリザードンに止められるのはとっくにわかってる…
     だがもう…策がない!)

ミュウツー『…私の補欠は解除されたものとばかり思っていたが』
キョン「!」
ミュウツー『出番は?あるのか、ないのか』

キョン「…。お前の出番は、まだだ」

245 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:28:10.69 ID:LYiH8w2o

ミュウツー『ほう。今はピンチではないというのか?』
キョン「これは言っちまえば俺達の私闘だ。
     そこにお前みたいなチートキャラを持ち込んで勝っても、後味が悪いんだよ」
ミュウツー『なるほど。では、私の出番はいつ来るのだ』
キョン「少なくともこの戦いの後だな!
     俺達の私闘じゃない、もっと何かすごいもののために、お前が必要な時があるのさ!」

ミュウツー『フン。…まるで正義の味方だな』
キョン「格好いいだろうが、その方が」
ミュウツー『…好きにしろ』

キョン「ふん、いくぜゼニちゃん!全力でぶち込めっ!」
カメ「ぜにーっ!」

246 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:28:38.07 ID:LYiH8w2o

キョン「…すいません。大見得切って負けました」
ハルヒ「全く役に立たないわね!これだからいつまでもヘタレだ、っつってんのよ」
キョン「返す言葉もございません」
ハルヒ「…怪我、してない?」
キョン「ああ、それは平気だ」
ハルヒ「よかった」

ミクル「ではではー!最後の挑戦、【ドキドキ☆バッヂチャレンジ】でぇす!」

ドンドンドン ぱふぱふぱふ♪

ハルヒ「…あれは」
キョン「…ダーツ?」

247 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:30:14.07 ID:LYiH8w2o

ミクル「この回るダーツボードの中に、【グリムゾンバッヂ】と書かれた面がありまぁす!
    そこを見事に射止めれば!グレンジムより、グリムゾンバッヂを進呈致しますよぉ!」

キョン「他にも何か色々書いてあるが、そこに当たったらどうなるんだー?」
ミクル「そのほかは残念賞でぇす!射抜けば、そこに書いてある賞品をプレゼントしまぁす!」
キョン「…親切設計じゃないか」
ミクル「チャンスは5回です!では、どうぞ!」

ハルヒ「じゃあ、まずあたしがいくわ!」
キョン「頼むぞハルヒ!」

ドルルルルルルルルルル…
パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!

248 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:31:27.49 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「とりゃーっ!」

トスッ

キョン「当たった!…どこだ、どこに当たった!」

ルルルルル…

ミクル「おめでとうございまぁす!きんのたま、お持ち帰りです〜!」
ハルヒ「き…きんの、たま…」
キョン「…」
ハルヒ「…次、キョン、お願い」
キョン「お、おう、任せろ!」

ドルルルルルルルルルル…
パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!

キョン「とうっ!」

トス

ルルルルルル…

ミクル「おめでとうございまぁす。きのみ、お持ち帰りでぇす!」

249 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:32:59.54 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「何やってんのよ!やる気あるの!?」
キョン「不可抗力だ!」
ハルヒ「もう任せてられないわ。次もその次もあたしがやる!」
キョン「お、おい!」

ドルルルルルルルルルル…
パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!

ハルヒ「たりゃー!」

トス

ルルルルルル…

ミクル「これは…おめでとうございまぁす!三投目にして、グリムゾンバッヂが出ましたぁ!」
キョン「へ!?」
ハルヒ「やったわ!キョン、どうよ!あたしの実力!」

250 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21:33:30.44 ID:LYiH8w2o

キョン(…その後、消化ダーツでハルヒがわざマシン、俺がつきのいしを当て、
    グレンジムのバラエティー番組チックな騒動は幕が下りた)
ミクル「それではこれ…お二人の賞品です」
キョン「よし、グリムゾンバッヂ、」
ハルヒ「ゲットしたわ!」

カメ「ぜにぜにぜに」
ピカ『ぴっかぴかかー!』

ミクル「楽しかったですねぇ。うーん、お二人ともゲームがお上手なんですね」
ハルヒ「面白かったわ!これ、ずっとこのジムの名物にしちゃえばいいのに!」
ミクル「ふぇ?そ、そんなぁ、滅相もないですぅ」
キョン「朝比奈さんもお強かったですよ。リザードンに、よろしく言っておいてください」
ミクル「ふふ。私のベストパートナーですから」

ハルヒ「じゃあ、またね!」
ミクル「はい!…ミュウツーを、よろしくお願いします!」
キョン「任せてください!」

ミュウツー『…フン』

253 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:07:25.25 ID:LYiH8w2o

---------------

ザババババババ
ハルヒ「さあ、凱旋帰国よキョン!」
キョン「まだポケモンリーグで勝った訳でもねーのに」
ハルヒ「リーグ?ああ、そうね。忘れてたわ」
キョン「お前は何のためにジム巡りをしとったんだ」
ハク「りゅー」

キョン「とりあえず、マサラに帰ったら一度新川博士のとこに顔出すぞ」
ハルヒ「…ミュウツーのこと、心配してるでしょうからね」
キョン「実家にも行かないと。突然出て行っちゃったわけだしよ」
ハルヒ「ああ、そうねぇ…」
ザババババババ


ザババババババ
カメ「ぜ、ぜにーっ!ぜっにーっ!」

254 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:08:01.17 ID:LYiH8w2o

ハルヒ「21番水道対決は、ハクリューの勝ちね!」
キョン「情けないぞゼニちゃん。でもがんばったからサイコソーダだ」
カメ「…、…ぜ、ぜにぜにに…」
キョン「ん、抱っこ?仕方がない。新川博士のところまでだぞ」
カメ「…ぜに♪」

ピンポーン
ハルヒ「こんにちはーっ!」
キョン「博士、お久しぶりです!」
新川『そ、その声は!二人とも、戻って来られたのですか!』
ハルヒ「はい!博士、お邪魔してもよろしいかしら?」
新川『ええ、どうぞ!入り口は開いておりますよ』
キョン「失礼します」

255 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:09:30.05 ID:LYiH8w2o

(新川の研究所内)
新川「…。そうですか。ミュウツーが、心を開いてくれましたか」
キョン「ええ。…ひねくれたり、達観してたりしますが、悪い奴じゃないんですよ」
ハルヒ「…あんたにだけ、テレパシーしてるなんてずるいわね」
キョン「まぁ、話したくなったらこいつから送ってくるさ」
ハルヒ「あたしは今話したいのよ!」
キョン「ああ、わかったわかった。ミュウツー、ほれ」
ミュウツー『…』
キョン「…何か言ってるか?」
ハルヒ「…ふ、ふんだ!」

新川「…お二人に謝らせて頂けますか」

ハルヒ「え?」
キョン「…こいつの、親のことですね」
ハルヒ「親?」
新川「…気が付かれておりましたか」
キョン「あの日記に、書かれてましたからね」

256 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:10:30.15 ID:LYiH8w2o

新川「そう。ミュウツーの親、つまりDNAの提供元となったポケモン、ミュウの亡骸。
    …あれは、あなた達がこの研究所に持ってきたものです」
キョン「やっぱり…そうだったんですか」
ハルヒ「え、ちょっと!どういうこと!?」
新川「科学者として…挑戦してみたくなったんですよ。死の克服、というテーマに」

新川「あなた達が持ち込んだポケモンは、どこのデータベースにも登録されていなかった。
    これを生き返らせることが出来たら、ポケモン生物学の大いなる発展が見込まれていました。
    それで、お二人が泣き疲れてお眠りになった時を見計らい…」
キョン「グレンの研究所に、亡骸を送った」
新川「その通りです…。しかし、完全なる蘇生は結局、不可能だった。
    そして、研究は二転、三転し、ある段階でミュウのDNAに改造を施し、
    新たなポケモンとして生まれ変わらせるプロジェクトがスタートしました。
    そして生まれた新種のポケモン。…それが、このミュウツーだったのですよ」

ハルヒ「博士…まさか、あたし達の馬鹿な願いを叶えようと?」
新川「…それを言い訳にはしません。ただ、お二人が喜ぶ顔が目に浮かぶと…研究に更に没頭できました」
キョン「…博士。ありがとうございます。お気持ちは、十分わかりました」

キョン「でも、言わせてください。何故、もっと早く教えてくれなかったんです」

257 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:15:24.86 ID:LYiH8w2o

新川「キョン君…」

ハルヒ「あたしには、博士の気持ちなんて全然わからないわ!」
キョン「お、おい!ハルヒ!」

キョン「止めないでキョン。…博士。あたしたちがいつまでも子どものまま待ってるとでも思ったの?
    わかってるでしょ?あたし達だって、いつまでも子どもじゃいられないの。
    いろんなことに折り合いをつけて、成長しなくちゃいけないのよ。
    その折り合いの中には、人の死だって…あるわ」

新川「…」
ハルヒ「博士の心遣いはあたしも嬉しい。でも、今のあたし達には、必要がないことなの。
     これ以上理想を追求するのなら、あたしを理由にするのはやめて頂戴。
     じゃないと…悲しいだけよ」

258 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:16:18.38 ID:LYiH8w2o

新川「…わかりました。改めて、お二人にお詫び申し上げます」
キョン「やめてください。俺達は気にしてませんよ」
ハルヒ「そうよ。気持ちが伝わったなら、それでいいの。
     …でも、次にこんな悲しい成果を生み出したら、容赦しないわよ!」
新川「肝に銘じます」
キョン「…すいません博士。突然押しかけて、こんな話を」
新川「いえ、ありがとうございます。わだかまりが解ける…こんなに素晴らしいことはありません」


新川「また、いつでもいらしてください」
ハルヒ「もちろんよ!マサラタウンは、あたしの故郷なんだから!」
キョン「また、リーグ優勝でもしたら来ますよ!」

259 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:17:38.80 ID:LYiH8w2o

キョン(そして俺達は、その足でそれぞれの実家に帰った。
     お袋は俺の獲得したバッヂを見て仰天。今夜は何でも食べさせてくれるらしい。
     ああ、そうそう。妹には、グレンでゲットしたきのみをお土産にくれてやったさ。
     随分ふくれてたが、まぁ勘弁してほしいところだ。

     そして、次の日の朝。
     いよいよ俺達は、ポケモンリーグへ臨む―!)


ハルヒ「…心の準備はいい、キョン」
キョン「お前こそ。足がカクカクしてるぜ。生まれたての子鹿かよ」
ハルヒ「何言ってんの、これは武者震いよ!あんたこそ、顔が真っ青よ!」
キョン「な、何言ってやがる!…はは、最後もこんな調子かよ」

ハルヒ「…今のうちに言っとくわ」
キョン「何だよ」

クルッ

ハルヒ「キョン!ありがとう!」
キョン「…ああ!こちらこそ!…じゃあ行くぞ」

ハルヒ・キョン「「ポケモンリーグ!たーのもーっ!」」


                                −第一部・完−

260 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 22:19:42.34 ID:LYiH8w2o

−第一部終了時ステータス−

●涼宮ハルヒ(ポケモントレーナー兼SOS団団長)

・ピカチュウ♀
・ニドリーナ♀
・ダグトリオ♂
・ハクリュー♂

ツンデレ少女。

●キョン(ポケモントレーナー)

・カメール♀(ゼニちゃん)
・キレイハナ♀(ナゾっち)
・キュウコン♀(コンたん)
・ケンタロス♂(ケンタくん)
・ミュウツー

常識ある少年。

◆獲得バッヂ カントージムコンプリート

572 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/11(金) 00:53:40.20 ID:5LUM7NZn0

お疲れ様でした

ジョウト編も含めた第二部、近日公開予定
だからおまいらさっさと勉強に戻るんだ

652 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/11(金) 18:20:14.69 ID:5LUM7NZn0

んじゃ安価で今までに出てきたキャラのSS書こうかな
>>660のキャラ指定でやってみよう

人がいるかどうかわからんけど

660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/11(金) 18:34:11.09 ID:Fcqlk5Wv0

みくる

271 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:02:53.65 ID:9rZhix2o

  ミ  ク  ル  外  伝

272 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:04:01.58 ID:9rZhix2o

「こっ、ここどこですかぁ!?あ、あたし一体…」

真っ暗な洞窟である。
内部には風が吹き荒れ、その風の音は周りの情報を遮断し、更に彼女を怯えさせる効果を持つ。
「ううっ…りざーどーん!どこにいるんですかぁー!」

早い話が、どじっ娘のミクルはふたご島の洞窟で落とし穴にはまり、
彼女のベストパートナー、リザードンとはぐれてしまったのである…。

273 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:05:59.26 ID:9rZhix2o

「えぅっ…えぅぅ…りざーどーんー…」
半べそのミクルは、足元に気をつけながらすり足で進む。
無理もない、彼女は今、手持ちにリザードン以外のポケモンを連れていないのだ。
早い話が、野生のポケモンと出くわそうものなら彼女には身を守る術がない。
「うぅ…どこですかぁ…リザードン…リザードーンっ!」

こんなところに来なければよかった。
この洞窟に伝説のとりポケモンがいるという噂を真に受け、いそいそとやってきた挙句にこれ。
ミクルはいつしか、極度の緊張と疲労で歩くことも叶わなくなってきていた。
その場に体操座りの姿勢でへなへなと腰を下ろし、ミクルは膝の間に顔をうずめる。

ここ来る前に、一応行き先は仲間に知らせている。
だからミクルが戻らないとわかれば、おそらくグレンの誰かが来てくれるだろう。
だが、それまではこの暗い場所に、一人きり。

今、リザードンはどうしているのだろう…。
そんなことを考えながら、ミクルの意識はだんだんと落ちていった。

274 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:08:49.77 ID:9rZhix2o

…座ったまま、ミクルは昔の夢を見ていた。
幼い頃に出会った、ヒトカゲとの思い出。
ポケモンの生活に興味を持ち、必死で勉強した学生時代。
ポケモン屋敷、ギアナ、ミュウツー…

ふと、がっしりと肩を掴まれた感触に気付く。
その力の強さに、ミクルは思わず悲鳴を上げた。
だが、その声を一顧だにすることなく、
力強くミクルを掴んだ何かは、急速に空中へと昇っていくのである。

「ふぇ、えぇえ〜!?な、何するんですかぁ!?」
恐怖の余り、ミクルは叫んだ。だが、暴れて逃れる体力が彼女には最早残ってはいない。
そのまま、何も見えない暗闇の中をひたすら運ばれていくだけである。

275 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:11:09.25 ID:9rZhix2o

「は、はわ、あわわわわ」
落ち着け、落ち着くんだあたし。
そう自分に言い聞かせ、ミクルはまず平静になろうと息を深く吸った。
気がつけば、先ほどから聴こえていた風の音とは違う、羽ばたきによる風を切る音が耳に届く。
ゴルバットか?いや、ゴルバットの飛翔力ではこのような安定した飛行は出来ないはず。
しかし、最愛のパートナーであるリザードンでもない。
尻尾の火が、周りを照らしていないことがその何よりの証拠である。

「ふぇ、ま、まさか…」

肩に食い込む爪に手を伸ばす。
猛禽を思わせる爪が、氷のような冷たさを伴ってそこにあった。

276 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:12:21.06 ID:9rZhix2o

その時である。

「ゴォォォォォッ!」

咆哮と共に、辺りが一瞬朱に染まる。
「ふぇぇ〜!?」
ミクルから見て後方ななめ下から発せられた、赤く熱い何か。
それがミクルを掴んでいる何かを掠め、その飛行を大きくぐらつかせた。

「ビュィィィッ!」
「ゴオッ!」

この鳴き声。
そしてそれと同時に視界に入る、捕獲者の進路を塞ぐ意思を秘め、力強く飛翔する姿。
間違いない。やっと、見つけてくれた。

「リザードン!」

ミクルは自分のパートナーの名を、思いっきり叫んだ。

277 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:13:13.90 ID:9rZhix2o

「ビュィ…!」
「ガァァッ!」

ミクルを掴んでいる何かとリザードンは、お互いに吠え合う。
落ち着いて聞いてみれば、それはあたかも何かを伝え合っているような。
だがその時のミクルは、パートナーと再び出会えた嬉しさと頼もしさで心が占められており、
それを理解しようとするゆとりなど、頭の中にはなかった。
「は、はなしてくださいっ!リザードンのところに返してぇ!」
更に安堵を求めたミクルは最後の力を振り絞って、自らを捕らえたその爪に抗った。

直後にミクルは悟る。
それはとんでもない間違いだった、と。

リザードンの登場とミクルの思わぬ動きに不意を突かれた捕獲者は、
その鉤爪からミクルを取り落としてしまったのだ。

「ひゃ、ひゃぁぁぁぁっ!?」

278 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:14:07.02 ID:9rZhix2o

「ゴッ!?」
リザードンがダイブする。
自らのご主人を守ろうと、落下するミクルを必死で追う。
ミクルは引力に引かれながら、その姿を見ていた。

リザードンの尻尾の炎が、自らを捕らえていたものの正体を照らす。
それは目の醒める様な、蒼い光―

そのまま、ミクルの意識は途切れた。

279 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:18:19.93 ID:9rZhix2o

----------------

「んぅ…うーん…」
ミクルは今自分がどこにいるのか、瞬間理解できなかった。
辺りを見回すと、かすかに光は入るが薄暗い。…どうやら、ここは洞窟の中のようだ。

…そうだ。自分は洞窟の中で遭難したのだ。

それを思い出すと共に、意識を飛ばした直前の記憶も戻る。
リザードンが助けてくれたのだろう、でなくては五体満足で済んでいるわけがない。
そう思いつつ顔を上げるたミクルの目に、自分を包んでいたものが飛び込んできた。

「…リザードン」

280 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:20:28.45 ID:9rZhix2o

どうやら、眠っているだけのようだ。大きな怪我も、骨折した様子もない。
地面へダイブしてミクルを保持し、そのまま空中へターンしたのだろう。

「…ありがとう」

ぎゅっ、とミクルはリザードンを抱きしめる。
それに気付いたのかリザードンは薄目を開け、尻尾をひとつだけ振って応えた。
まるで、疲れたからもう少し放っておけ、とでも言わんばかりに。

「ありがとう…ありがとうね…リザードン…」

ミクルは目から涙をこぼしながら、しばらくそのままリザードンの体に顔をうずめていた。


薄暗いのはどうやら、そこが洞窟の出口付近だからであろう。光が一方向から差してくる。
ミクルはそれを確認し、そして立ち上がった。
今日はもう帰ろう。
リザードンをボールに収め、ミクルは出口と思しき光へ向かって、ゆっくりと歩き始めた。


「ぜーにーにー。ぜーにに」
ポテポテポテ
「あらぁ?こんなところに、カメールがいるんですねぇ」

                            TO BE CONTINUED TO >>210

2 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/07/12(土) 12:38:26.30 ID:z/8EFQW60

【第一部の大雑把なあらすじ】

ある晴れた日のこと、突然の思いつきでポケモンマスターを目指すことに決めたマサラタウンの涼宮ハルヒ。
この世界でも相変わらず巻き込まれ型の俺、キョンは成り行きで彼女と二人旅。
道中悪人を改心させてSOS団を結成したり、新しい友達を作ったり。
どこかで見たようなジムリーダーには鍛えた技で勝ちまくり、仲間を増やして次の町へ。
さて、カントー一周してバッヂは8個、いよいよ乗り込むはセキエイのポケモンリーグだ。
俺達の戦いはこれからだっぜ!
あ、ゼニちゃんは俺の嫁。

4 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/07/12(土) 12:40:01.48 ID:z/8EFQW60

−登場人物紹介−

●涼宮ハルヒ(ポケモントレーナー兼SOS団団長)

・ピカチュウ♀
・ニドリーナ♀
・ダグトリオ♂
・ハクリュー♂

ツンデレ少女。ノリと勢い、根拠なき自信とポケモンへの愛情でカントージム制覇。
自らが傷つけた経験のあるピカチュウを筆頭に、バランス良く臨機応変にポケモンを繰り出す。
他の女の子にデレデレし、カメールにばかり構うキョンにやきもきする毎日。

●キョン(ポケモントレーナー)

・カメール♀(ゼニちゃん)
・キレイハナ♀(ナゾっち)
・キュウコン♀(コンたん)
・ケンタロス♂(ケンタくん)
・ミュウツー

常識ある少年。何故かハルヒの旅に巻き込まれつつも、自身もトレーナーとしてカントー制覇。
ゼニちゃんと名づけたゼニガメ→カメールが最愛のパートナー。
ミュウツーとはよき理解者同士であるが、今までバトルに出したことは一度もない。

◆獲得バッヂ カントージムコンプリート
※現在地 ????

300 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:04:34.92 ID:9rZhix2o

       涼 宮 ハ ル ヒ の 捕 獲 − 第 二 部 −

301 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:05:32.86 ID:9rZhix2o

キョン(…あれから3日が経った。
    あの後俺達はマサラタウンの実家に帰り、鬱々真っ盛りな日々を送っている。
    聞いて驚くな、あのハルヒでさえもがメランコリックな様子のままでいるんだ。

    原因は考えるまでもない。今でも何かあると脳裏に浮かぶ、3日前のポケモンバトルだ…)

302 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:06:59.89 ID:9rZhix2o

---------------

キョン・ハルヒ「「たーのもーっ!」」
受付「セキエイ・ポケモンリーグ本部にようこそ!バッヂを確認致します」
ハルヒ「はいっ。カントーのトレーナー認定コードと、カントージムバッヂ8個よ!」
キョン「あ、俺のはこれです」
受付「確認いたしました。今回のバトルの区分はシングル・ダブルのどちらになさいますか?
   お一人ずつ挑戦して頂きますと、お時間がかかる場合もございますが」
ハルヒ「え、ダブルバトルも挑めるの?」
受付「左様でございます。ですがダブルバトルの方が難易度が高うございますので、
   最初の挑戦をなさる方には二人連れでありましてもシングルバトルをお勧め致しております」
ハルヒ「全く問題ないわ!ダブルバトルでお願い」
キョン「お、おいハルヒ!話を聞いてなかったのか!?」
ハルヒ「馬鹿ねえ、難易度が高い方、って言われたらそっちを選ばないとつまんないじゃない!
    あたしたちなら絶対に大丈夫よ!」
受付「了解いたしました。それでは、四天王とのバトルの準備を致しますので、少々お待ちくださいませ」

---------------

キョン(一抹の不安の残るやり取りの中、こうして俺達のポケモンリーグ初挑戦は始まった。
    …まぁ、こうして鬱々している理由はもう大体お察し頂けると思う。

    そうさ。俺達の完敗だったんだよ)

303 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:09:19.36 ID:9rZhix2o

キョン(立ち上がりから劣勢だった。俺のケンタくんへ相手から先制のばくれつパンチが炸裂したのを皮切りに、
    ハルヒの繰り出したハクリューはれいとうビームの餌食となり、慌てて俺達はポケモンを交代させた。
    相手は面白くもないといったような顔でポケモンへ指示を出し、ナゾっちをふぶきで嬲り、コンたんをじしんで沈め、
    ゼニちゃんをかみなりパンチで殴り飛ばしたところでこう吐き捨てた)

「話にならない。確かに君たちとポケモンの絆は一級品だ、認めてやろう。
 だが、僕の方が遥かにポケモンバトルというベクトルでは高みにいる。
 ポケモンと馴れ合いたいなら、ポケモン大好き倶楽部にでも行くがいい」

「こう言っては何ですが、お二人ともバトルというものを甘く考えすぎなんじゃないかしら。
 より高度なわざの習得、経験を積むことによる研鑽、どれもなっちゃいないですよ」

304 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:11:17.75 ID:9rZhix2o

キョン(女の方は可哀想なものを見るような皮肉な笑顔、
    男の方は敵意を向けるまでもないといったような無関心な表情。
    …俺はいい。そんな負け犬を嘲笑うような態度を向けられても、気になぞしない。
    それより何より、ハルヒだ…!)

キョン「おいハルヒ。ハルヒ!」
ハルヒ「嘘…でしょ…。ねえ、キョン…こんなの、嘘よ…」

キョン(ハルヒの目の前には、ふぶきで氷漬けにされたピカチュウがいた。
    …畜生め、ハルヒのポケモンも全滅した。
    ミュウツーはトレーナー戦では使わないことを決めている俺にも、もう出すポケモンはない。
    俺達の完全敗北だ。目の前が真っ暗になるような、そんな感覚に囚われた後…

    俺達は、すごすごと会場を去ったのだった)

305 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:12:47.70 ID:9rZhix2o

キョン(それからたった3日。俺は勿論のこと、あの鼻っ柱の強いハルヒは尚のこと気力を失っていた。
    今やゼニちゃんは妹のおもちゃになっており、他のポケモンはずっとボールの中。
    ハルヒは今何をしているのかって?さあな。俺にもわかりゃしない。
    またぞろ新川博士に無理難題でもふっかけているのかもしれないが、少なくとも俺の感知の外だ。
    とにかく、今は何をする気もしない。…また、何の案も浮かばない。
    ただただ無気力な倦怠ライフを、俺は自宅で貪っているのだ)

ピンポーン
キョン「…客か。誰かいないのか?」
ピンポーン
キョン「…俺だけか。 はいはーい、今出まーす」

ガチャ

古泉「どうも。お久しぶりです」
キョン「古泉…」

306 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:16:56.29 ID:9rZhix2o

カチャ
キョン「茶菓子はねーが、まぁ飲んでけよ」
古泉「お気遣いありがとうございます。…紅茶を淹れるのがお上手ですね」
キョン「褒めても何も出ねえぞ」
古泉「いえいえ、率直な感想を述べたまでのことです。…ご馳走様です。
キョン「で、何の用だ?」
古泉「お構いだてして頂いて申し訳ないのですが、特に用事といった用事はないのですよ。
    第一の目的は我らが団長の様子伺いでして。それは先ほど済ませて、こちらへ」
キョン「…ハルヒは、どうしてた」
古泉「すっかり消沈されてました。この世の終わり、という比喩がぴったりですね。
    僕が何を言っても、生返事を返すばかりでして」
キョン「そこまで落ち込んでたか…」

古泉「それに比べて、まだあなたの方が理性的でおられるようです」
キョン「図太いんだよ。それだけの話だ」

古泉「ポケモンリーグの顛末は耳にしました。…ご愁傷様です」
キョン「…そう思っているのなら、その話はやめろ」

307 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:18:08.16 ID:9rZhix2o

古泉「四天王の彼から、随分きつい言葉を向けられた、とも」
キョン「…」
古泉「確かに今のあなた方は、僕のジムを荒らした時のような暴風雨の如き強さは持ち合わせていません。
    あなたの手にミュウツーが渡ってからというもの、お二人が穏やかなバトルに終始していることは僕も知っています。
    …意図的にあなたがその力を抑えているという僕の推測も、間違いではなさそうだ」
キョン「…お前にミュウツーの何がわかる」

古泉「おや?ご存じないのですか。
    今、あなたがお持ちのボールにミュウツーを捕らえたのは、僕なのですよ」

キョン「…何だと?」
古泉「ああ、これは関係ない方向に話が滑ってしまいました。申し訳ありません。
    とにかく、あなた方はこのままずっとマサラに篭っておられるのですか?」
キョン「知らねぇよ…そんなもん、ハルヒにでも聞いてくれ」

308 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:20:48.20 ID:9rZhix2o

古泉「…なるほど。あなたは大丈夫かとも思いましたが、見込み違いだったようですね」
キョン「何?」
古泉「この期に及んで涼宮さんを理由にするのですか?あなたご自身のプライドや、
    これまで積み重ねてきたものの全てを、あなたは涼宮さんに強制されてのものだと仰るのですか」
キョン「…黙れよ」
古泉「いえ、黙りませんよ。僕のボスに関することです、看過できません。
    あなた自身はどうなのです。このまま、くすぶることを良しとされるのでしたら、それも一つの選択です。
    ですが、その理由と責任を涼宮さんにかぶせることは、この僕が許しません」

キョン「…じゃあ、どうしろってんだ!」
古泉「リベンジ、という手があるではありませんか」

キョン(あんな強い連中に?…そう思う時点で、俺自身のプライドが粉々にされていることに気付く。
    …しっかりしろ、俺。

    そうだ、ポケモンの世界に絶対なんかない。
    あるのは、人間の都合。そうだよな、ユキ)

309 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:22:40.63 ID:9rZhix2o

キョン「…俺に、何が出来る」
古泉「何が出来る、と聞かれましても。僕にはその質問に対する答えの持ち合わせはありません。
   ポケモンバトルで強くなるにはどうすればいいか、ということでしたら、戦っていくしかないのです。
   より、力の強いものと」
キョン「だから!相手の力が強すぎて、先に進めない時はどうすりゃいいんだ!」
古泉「古来からのお約束にあるではありませんか。特訓、あるのみですよ」
キョン「特訓…だと?」
古泉「少なくとも僕自身はそうしてきました。今までも、そしてこれからもそうです。
   僕の現在の目標は、あなたのミュウツーをバトルで打ち負かす強さを手に入れることです。
   そのための精進を怠ったことなど、一日とてありません」
キョン「…だが、俺はその方法を知らないんだ」
古泉「では。あなたにこれを差し上げます」

キョン(そうして古泉が差し出したのは、一冊の本だった。
    驚くことに著者名義は、古泉イツキとある。何だ、こいつ本まで出してんのか?)

310 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:23:56.35 ID:9rZhix2o

古泉「SOS団系列の出版社で刊行しているものです。
   ポケモンの育成指南、戦術指南、習得可能なわざの一覧などを記してあります。
   よろしければ、参考になさってください」
キョン「…一応、貰っとく」
古泉「その本が、あなた達のスランプ脱出の"チケット"になることを祈ってますよ」

キョン(そう言って古泉は、それではそろそろお暇します、と丁寧に挨拶をして帰っていった。
    後に残されたのはその本だけ。…とりあえず、読んでみるか)


キョン「…何てこった」

311 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:26:53.81 ID:9rZhix2o

キョン(戦術指南の項目を読んで、俺は鳥肌を立てた。
    今まで俺達が出してきた闇雲で泥縄なそれとは違い、
    ロジックと経験に満ちた、戦いの情報がそこにはあった。
    苦手なタイプの相手に対抗する手段。戦闘フィールドや天候の生かし方。
    わざのコンボ、それぞれのポケモンの特徴。
    …正直、今まで考えたことさえもなかった事柄が溢れんばかりに記されている。

    夢中で俺はページを捲った。その途中で、気付く。

    何かが、本のページの真ん中あたりに挟み込んである。
    封筒のような包装に包まれたそれを、俺は取り出して開いてみた)

キョン「…。何だ、こりゃ」

    【アクア号乗船券 クチバシティ港発〜アサギシティ港行】

312 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:28:49.97 ID:9rZhix2o

キョン(その封筒が挟んであったページにふと目を落とす。
    そのページに載せられていたのは、ジョウト地方のジムリーダー名鑑だった。

    …その時、俺にはようやく古泉の意図が読めた。
    特訓あるのみ、ならば相手を求めるしかない。
    そして、ジョウトにはそのための格好の場所が8箇所もあるじゃあないか。

    そうだよ、ジョウトのジムを巡りながら、もう一度ポケモントレーナーとしてやり直し、
    自信と経験、実力を点け直してもう一度挑戦すりゃいいじゃないか!)

キョン「何だよ、何でこんな簡単なことを思いつかなかったんだ!」

キョン(俺は自らの無知蒙昧さを大いに呪った。
    何が鬱々真っ盛りだ、そんなおセンチなキャラに浸っていた自分が恥ずかしいぜ)

キョン「ゼニちゃん!ちょっと来い、ハルヒん家行くぞ!」
カメ「ぜに?」

313 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:30:34.19 ID:9rZhix2o

(―ハルヒ宅)

ハルヒ「…」
キョン「…ってわけだ。俺は是非、この古泉の厚意に甘えてジョウトに行ってみようと思う。
    お前も勿論来るだろ?」

ハルヒ「…あたし、行かないわよ」

キョン「え?」
ハルヒ「なぁんか、馬鹿馬鹿しくなっちゃったのよ。何熱くなってたんでしょうね、あたしってば。
    ああ、キョンが行くのは別に止めないわよ。がんばって頂戴ね」
キョン「…いいのか、お前はそれで」
ハルヒ「いいも何も!やる気なんかないのよ。もううんざり!」
キョン「嘘だな」
ハルヒ「うるさい!キョンのくせに何よ!」
キョン「お前の性格ぐらい知ってらぁ。負けず嫌いで、人一倍努力家で、才能もあって。
    そのお前が、たかが四天王程度の壁にぶち当たって拗ねてるなんて、らしくねぇな」
ハルヒ「四天王…程度?」

314 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:32:14.99 ID:9rZhix2o

キョン「お前はチャンピオンになって、ポケモンマスターへの覇道を突き進むんだろ?
    そのお前に四天王が程度じゃなくて、何だっていうんだ」

ハルヒ「…でも」
キョン「あ〜、もうわかった。嫌なら無理に行かせるかよ、俺だって一人の方が静かでいいさ。
    ジョウトでゼニちゃんと一緒に、可愛いジムリーダーとお近づきにでもなるよ」
カメ「ぜ、ぜに!?」
キョン「何だよ、お前だって満更でもないだろ」
カメ「ぜーにーにー!ぜに!」
ハルヒ「…」

キョン「一応、チケットは置いてく。破って捨てるなり、金券ショップに持ってくなり好きにしろ。
    じゃあな。俺は明日の出航に向けて準備するから帰るわ」
ガチャン タンタンタン…


ハルヒ「…何よ、キョンのくせに!もうっ!」

315 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:33:59.75 ID:9rZhix2o

(翌日、クチバシティ港)

キョン「やれやれ、あいにくの天気だな。こりゃ海も荒れてんだろうなぁ」
カメ「ぜにぜに。ぜ〜にっ」
キョン「タイタニックごっこがしたい?この天気じゃなぁ。またの機会にな」
カメ「ぜに〜!」
キョン「アサギシティは晴れてるといいなぁ」
カメ「ぜ〜に」

古泉「おや、おはようございます。遅いご到着でしたね」
キョン「古泉!何だよ、見送りに来てくれたのか」
古泉「いえ、僕もこれからこの船に乗るのですよ。ジョウト支部の見回りをしないといけませんので」
キョン「ジョウトにまで支部があるのか?お前、本当にやり手なんだな」
古泉「技術研究局はむしろ向こうの方が本部のようなものでして」
カメ「ぜ〜に?」
キョン「つまり、妙なことは向こうが本家、だとさ」
かめ「ぜに」

316 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:35:11.10 ID:9rZhix2o

キョン「ところで、ハルヒを見かけなかったか」
古泉「おや?涼宮さんとは別行動なのですか?」
キョン「ああ。あいつとは昨日会ったきり、口もきいてなければメールもしてねぇ」
古泉「そうですか…それはそれは」

キョン(…まぁ、ハルヒにはハルヒの思惑ややり方がある。
     俺がそれを強制するのは筋違いだし、責任も持てないからな)

キョン「うし。仕方がない、いざや乗り込めアクア号。ゼニちゃん、行くぞ」
カメ「ぜにー」
古泉「それではまた船内で。僕は部下の到着までここにいますので」
キョン「お前も大変だな。じゃあ、またな」
カメ「ぜーににー」

キョン(俺の客室は…と。…ここか)

317 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 22:37:00.80 ID:9rZhix2o

ガチャ
「きゃああああっ!?」
キョン「あ、わっ、すいませんっ!?」
バタンッ!

キョン(おい、何だ、部屋を間違ったか!?下着姿の女の子がいたぞ!?
    …いや、チケットに書いてある部屋番号は間違いなくここを記してる)

コンコン
キョン「あのー…すいませーん…」
『女の子の着替えを覗くなんてサイテーよ、キョン!罰としてここの食事代は全てアンタ持ち!』
キョン「…その声は」
カメ「ぜに!」
ガチャ
「おっそい!遅刻ギリギリの乗船よ、猛省の必要があるわ」
キョン「…来たのか!」

ハルヒ「当たり前じゃない!あんたに抜け駆けはさせないわ、キョンっ!」

326 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:22:19.59 ID:p6QC81Qo

(―アクア号・食堂)

キョン「古泉。何でお前ハルヒを見たって言わなかったんだ」
古泉「口止めされておりましたので。誤魔化すのが大変でした」
キョン「ハルヒもハルヒだ、何で着替えなんか」
ハルヒ「突然雨に降られたから仕方ないじゃない」
古泉「ほう?涼宮さんの着替えシーンを目撃されたと」
キョン「…あ」
ハルヒ「ば、バカキョン!」
古泉「由々しき事態です。これは男同士、腹を割って話す必要を感じますね」
キョン「お前に話すことなんか何もねえ!」
カメ「ぜーにに」(フルフル

ハルヒ「古泉君、その話を忘れるならここの払いはキョンがしてくれるわよ」
古泉「魅力的な提案です。では、コーヒーをもう一杯」
キョン「チクショウ!」

327 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:23:00.15 ID:p6QC81Qo

(ピンポンパンポーン)
『まもなく、当アクア号はアサギシティ港に到着致します。長らくのご乗船、ありがとうございました―』
キョン「ちくしょう、いきなり手痛い出費だったぜ…」
ハルヒ「自業自得よ。いいもの見た代償だと思いなさい」
キョン「ほとんど何も見えてねぇよ!…元の服はもう乾いたのか?」
ハルヒ「なんとかね。…スケベ」
カメ「ぜにに」
キョン「またお前らは!」

ガチャ
ハルヒ「こっちはすっきりとしたいい天気ね!潮風が気持ちいいわ」
キョン「俺の心はまだどんよりと時化が続いてるよ」
カメ「ぜにぃ」

329 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:24:19.16 ID:p6QC81Qo

古泉「では、僕はここで。これからコガネシティへ直行ですので」
キョン「そうか。気をつけて行けよ」
古泉「ご心配ありがとうございます。お二人のご武運をお祈りしますよ」
ハルヒ「古泉君」
古泉「何でしょう」
ハルヒ「まだちゃんとお礼を言ってなかったわ。連れ出してくれてありがとう!」
古泉「いえいえ。僕など、お二人の背中をちょっと押しただけのようなものです」
キョン「お前がいなきゃ、俺達はまだマサラでひねくれてたかもしれんぜ」
古泉「…では、貸し一つということで。いつか、お返しくださいね」
ハルヒ「あったりまえよ!利子と熨斗と延滞料金つきでね!」
古泉「それは楽しみです。では!」

キョン「さて、俺達はどう巡るかね?」

330 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:24:56.82 ID:p6QC81Qo

ハルヒ「妹ちゃんから貰った地図によると、ここはジョウトのほぼ西の端ね」
キョン「いや、海を越えてもう一つ、タンバシティってとこもあるな」
ハルヒ「あら、ここもジョウトのジムがあるのね…」
キョン「このアサギジムを皮切りにして、一旦タンバに渡り、そこから引き返して東へ、かな」
ハルヒ「それが一番合理的かしら」
キョン「よし!じゃあとりあえずアサギジムに殴りこみだな!」
ハルヒ「いくわよ!」
カメ「ぜににー!」

331 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:26:56.54 ID:p6QC81Qo

(アサギジム・入り口前)
キョン「…この名乗りも久しぶりだな」
ハルヒ「そうねぇ。…せーの」
ハルヒ・キョン「「たのもーっ!」」

「はい。どちらさまでしょう」

ハルヒ「あら。…え、あなたがここのリーダーかしら?」
「はい。お初にお目にかかります」
キョン「(小さい子だな…)」
ハルヒ「(妹ちゃんと同じか、ちょっと上くらいの歳じゃないの…?これはびっくりね)」
「…あの?」
キョン「あ、あぁいや、ごめん。俺はキョン、こっちはハルヒ。ジム戦を申し込みに来た」
「あ、すいません。わたし、名前も名乗らないで」
ハルヒ「気にすることはないわよ」

ミヨコ「わたし、吉村ミヨコといいます。皆からはミヨキチって呼ばれてます」

332 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:28:22.27 ID:p6QC81Qo

ハルヒ「よろしくね!で、早速あたし達バトルしたいんだけど…」
ミヨコ「あの、…すいません。うちはわたしだけがやってるジムなので、ダブルバトルは…」
キョン「あ、そうなの?これは参ったな」
ハルヒ「(こんな小さな子に2連戦もさせられないわ。ここはどちらかだけが挑みましょう)」
キョン「(そうだな。俺達はバッヂが必要なわけじゃないんだし)」

キョン「じゃあ恨みっこなし、ジャンケンだ。せーの、最初はグー、じゃんけん」
ハルヒ「ほい。…あたしの勝ちね!」
キョン「ちぇ。じゃ、ハルヒ様の復帰第一戦をとくと拝ませてもらうよ」
ハルヒ「ふふーん。ま、ちょちょいとやってくるわ!」
ミヨコ「ハルヒさん。お手柔らかにお願いします」
ハルヒ「胸を貸してあげるわ。全力でかかってきなさい!」

キョン「調子に乗っちゃってまあ」
カメ「ぜに…」

333 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:29:38.71 ID:p6QC81Qo

ハルヒ「ハクリュー、出番よ!暴れてきなさい!」
ハク「りゅー!」
ミヨコ「ではこちらも。レアコイル、お願い!」
レアコイル「ディジジ」

キョン(…レアコイル。ここはもしかして、クチバと同じでんきタイプで戦うジムか?)

ハルヒ「先手必勝!りゅうのいかりで燃やしてあげなさい!」
ハク「りゅううううっ!」
ボォォォォッ
ミヨコ「うっ。負けませんよ、レアコイル、トライアタック!」
レア「ビビッ!」
ズガァァンッ
ハルヒ「直撃!?やるじゃない、小さいのに!」
ミヨコ「これでもリーダーなんです。がんばります」

334 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:30:33.85 ID:p6QC81Qo

ハルヒ「でも甘いわ。ハクリュー、しめつける攻撃!」
ハク「りゅうっ!」
ミヨコ「…レアコイルが動けなくなってしまいました」
ハルヒ「いいわよ、その調子!このまま削りきるの!」
ミヨコ「…仕方がありません。レアコイル、だいばくはつです」

レア「ディジ…ディ…ディ…ぽーん」

ドッガァァァァァンッ!

ハルヒ「きゃあっ!?」
キョン「ハルヒ!?おい、しっかりしろ!」
ハルヒ「だ、大丈夫よ!それより、ハクリューは!?」

ハク「…りゅー…」

キョン「なんとか立ってる!しかし、これは…」
ハルヒ「次の戦闘は不可能ね…よくやったわ、ハクリュー!戻りなさい!」

335 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:32:03.57 ID:p6QC81Qo

ミヨコ「お願い、あなたの力を見せて!」

ポンッ
「グギャラァァァッ!」

ハルヒ「な、何!?あんなの見たことないわ!」
キョン「イワークに似ているが…一回り以上でかい!こいつもでんきポケモンなのか!?」
ミヨコ「ハガネール、といいます。イワークが進化したものです、でんきタイプではないです」
キョン「何と…イワークに進化系がいたのか…!」
ハルヒ「ビビってちゃ始まらないわ!いきなさい、ピカチュウ!」
ピカ「ぴかぁっ!」

336 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:33:22.74 ID:p6QC81Qo

ハルヒ「たたきつける攻撃っ!」
ピカ「ぴかっ!」
ガギンッ
ミヨコ「…無駄です。ハガネールの超合金並みに頑丈なボディには、打撃技は通用しません」
ハルヒ「むっ…なら、こいつよ!10まんボルト!」
ピカ「ピィィ…カァッ!」
バリバリバリッ プスン
ハルヒ「な、何で!?金属なら、でんきのわざが効かない訳が…」
ミヨコ「イワークの進化系、と言った筈です。その子にでんきわざは無意味です」
ハルヒ「な、何よこいつ!?」

ミヨコ「…アイアンテール」

ハガネール「グァァァッ!」
ピカ「ぴ、ぴかぁぁぁっ!?」
ハルヒ「ピカチュウ!だ、大丈夫!?」

キョン「ニビジムの悲劇が…また起きやがった」

337 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:36:39.63 ID:p6QC81Qo

ハルヒ「も、戻りなさいピカチュウ!…ならこの子よ、ダグトリオッ!」
ダグ「だぐーっ!」
ミヨコ「…!」
ハルヒ「純粋なパワー対決なら、この子もひけは取らないわよ!
     いくわよっ!あなをほる攻撃っ!」
ミヨコ「こっちもあなをほる、です。…地の利はこちらにあります!」

グラグラグラグラッ ドドドドドドド

キョン「おわぁっ!?な、何だ、地面が揺れてる!」
カメ「ぜにー!」ガシッ
キョン「ゼニちゃん、しっかり掴まってろ!離すんじゃないぞ!」
カメ「…ぜに!」

ハルヒ「地面の下の対決…ダグトリオ、がんばんなさい!」
ミヨコ「ハガネール、大丈夫。あなたに任せるわ、がんばって!」

338 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:37:09.80 ID:p6QC81Qo

ハガ「ギャオオッ!」バァンッ
ダグ「ダグゥッ!」ズモッ
ハルヒ「…第一ラウンドは引き分けのようね」
ミヨコ「そのようですね。ハガネール、ロケットずつきの準備を!」
ハルヒ「あら、そんな暇はないわよ!ダグトリオ、マグニチュード!」
ダグ「だぐぅっ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

キョン「ちょっと待て!俺達がこけてる!吹っ飛んでるっ!」
カメ「ぜにー!?」
ハルヒ「外野は黙ってなさい!遠慮は要らないわ、全力で相手を地面に叩きつけてやんなさい!」
ミヨコ「きゃ、きゃあっ!?」
ハガ「ゴオッ!?ガァァァッ!」

339 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:37:59.85 ID:p6QC81Qo

ゴゴゴゴ…
キョン「…。…収まった、か…。おーい、無事かぁみんな〜…」
ミヨコ「…は、はい。わたしは平気です…」
ハルヒ「何よ、なっさけないわね。あたしはピンピンしてるわよ?」
カメ「ぜ…ぜに…」

ハガ「…ガッ…」

ミヨコ「…せんとうふのう、ですね。ハガネール、お疲れ様でした」
ハルヒ「…、や、やったの?あたし、勝ったの!?」
キョン「みたいだな」
ハルヒ「〜〜〜っ!やったわ!これであたしの覇道に、また輝かしい1勝が記されたのよ!」
キョン「大げさな」
カメ「ぜにー」

340 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:39:34.84 ID:p6QC81Qo

(アサギジム・玄関口)
ミヨコ「ではこれをどうぞ。スチールバッヂです」
ハルヒ「ありがとう。スチールバッヂ、ゲットしたわ!」
ピカ『ピッカピカカー!』
キョン「おめでとう、でいいのかね」
ハルヒ「あったりまえよ!さあ、もっと祝福しなさい!」

ミヨコ「…あの、どうでした?わたしのポケモン、強かった…でしょうか?」
キョン「え?あ、ああ。普通に凄かったと思うぞ」
ハルヒ「びっくりしちゃったわ。イワークに進化系がいたなんて、あたし知らなかったもの」
ミヨコ「よかった…。あの、あたしが使っているのは『はがね』タイプのポケモンなんです」
キョン・ハルヒ「「『はがね』タイプ…?」」

ミヨコ「今はまだ、知名度がほとんどありません。でも、いつかきっと、皆が知ってくれる日まで。
    わたしはこのはがねタイプで、頑張ってみたいんです」

ハルヒ「ふふ、じゃあカントーに戻ったら早速皆に吹聴してあげるわ。
     アサギジムのはがねポケモンは、目が覚めるくらい強かった、ってね!」
キョン「ハガネールの存在も、な」

ミヨコ「…あ、ありがとうございます!」

341 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:40:57.35 ID:p6QC81Qo

(アサギ・ポケモンセンター)
キョン「…さて、次の目的地はタンバシティか」
ハルヒ「回復がすんだらすぐに出発よ!水着も持ってきておいて正解だったわ」
キョン「何?まさか、あの紐ビキニか!?」
ハルヒ「ふっふーん。ま、ハクリューのなみのりでバビューン、だけどね!
     さ、着替えに行きましょうか」
キョン「…あ、待て!…俺も急いで着替えんと」


カメ「…ぜにぜにぶるぶる」

62 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/07/12(土) 17:27:54.90 ID:z/8EFQW60

折角なので既出ジムリーダー一覧

ニビ―谷口
ハナダ―朝倉
クチバ―ちゅるや
タマムシ―喜緑
ヤマブキ―長門
セキチク―国木田
グレン(代理)―みくる
トキワ―古泉

アサギ―ミヨキチ

342 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:41:49.13 ID:p6QC81Qo

ザババババババババ
キョン「この辺は潮の流れが激しいことで有名らしいぜ」
ハルヒ「そうなの?ああ、それで『うずまき島』なんてものがあるのね」
キョン「そういうこと。ヘタにあの島に近づくと、渦に飲まれてやばいってよ」
ハルヒ「それ、どこで聞いたのよ?」
キョン「フィッティングルームに張り紙があった。…お前の方にはなかったのか?」
ハルヒ「さ、さあね!あたし、そんなもの見る趣味はないからっ」
キョン「…?変なやつ」
ハク「りゅ〜」


ザババババババババ
カメ「…ぜに…ぜに…!」

343 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:44:06.29 ID:p6QC81Qo

(タンバシティ)
キョン「おー、今度は頑張ったな、ゼニちゃん!ほい、サイコソーダ」
ゼニ「ぜにに!」
ハルヒ「全く、ゼニちゃんに負けるなんて!キョン、帰りにもう一回リベンジよ」
キョン「それはゼニちゃんに訊いてくれよ」
ハルヒ「ゼニちゃん、いい?」
カメ「ぜ、ぜにに!」(ブンブンブンブン

ハルヒ「…ゼニちゃん?あたしが、いい?って訊いてるのよ…?」
カメ「ぜ、ぜにに〜…」
ハルヒ「…もう一回だけ訊くわ。い・い・わ・ね?」
カメ「…」(コクン

ハルヒ「決まりね!さ、キョン!ジムを探すわよ!」
キョン「…諦めろ、あいつに逆らうと後が怖い」
カメ「ぜ…ぜにぜに…」(えぐえぐ
キョン「…」(ポフポフ
カメ「…!」

344 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:48:56.94 ID:p6QC81Qo

キョン「ジム、ジム…と。ここだな」
バンッ
ハルヒ「たのもーっ!ジム戦しましょ!」
「む。一体誰だ、お前たちは」
ハルヒ「何よ、人がカントーからわざわざ挑戦しに来てやってるっていうのに!」
キョン「ちょっとお前は黙ってろ。…ジム戦を申し込みに来た」
「ほう。そのような細い体でうちのジムに挑もうとは、感動を通り越して呆れてくるぜ」
キョン「ポケモンの勝負にガタイもクソもあるかよ」
「…なんだ?あぁ、試合じゃなくてポケモンバトルか。それならそうと早く言え」

中河「俺はここを預かる中河だ。中原中也の中に、黄河の河で中河だ」

345 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:55:39.48 ID:p6QC81Qo

中河「ん、どっちが挑戦するんだ?とりあえず二人ともやるなら、順番を決めてくれ」
ハルヒ「キョンだけでいいわ。あたしはジムの他の子達に構ってもらうから」
キョン「そ、そうか?じゃあ、俺だけ頼む。で、バトルは一体どこで…」
中河「待て、そう先走るな。…こっちへ来い」

キョン(連れられた先にあったのは、中板にウレタンの入った畳が敷き詰めてある、だだっ広い空間だった。
    所謂、道場という奴だ。ご丁寧に神棚まで備え付けられている)
中河「先に言っておく。俺の使うポケモンはかくとうタイプばかりだ。
    半端な身のこなしでは、最悪お前のポケモンの骨を折りかねん。注意しろ」
キョン「かくとうタイプ…!」

キョン(脳裏にフラッシュバックする、あの屈辱の日。
    俺のポケモン達を叩きのめしたのは、鍛え抜かれた身体を誇るかくとうポケモンだった…)

346 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 21:56:40.92 ID:p6QC81Qo

中河「怖気づいたか?いや、それならそれで構わん。
    引くも勇気だ、俺は止めたりなどしないぞ」
キョン「誰が怖気づくかよ!丁度いい、お前さんに恨みはないんだが、
    俺達のトラウマはお前のポケモンで払拭してやるぜ!」
中河「随分威勢がいいな!お前のような奴は嫌いじゃないぞ。
    よし、行ってこいサワムラー!」

キョン(サワムラー!あのバネのように伸びる足が厄介だな…
    よし、ここは中距離戦が得意な、こいつだ!)

キョン「いけっ、コンたん!君に決めた!」
キュウコン「こぉーんっ!」

347 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22:01:06.05 ID:p6QC81Qo

中河「ほう、キュウコンか!距離を取って炎で攻撃というわけだな。
    …しゃらくさい!サワムラー、けたぐりだ!」
サワ「シャァッ!」
ギュワンッ!
キョン「何!?よ、よけろ、コンたん!」
コン「コンッ!」バッ

キョン(ま、マジかよ!10mは離れてるところを、その場から動きもせずに!?
    こいつの蹴り…ヤバすぎる!)

中河「やるな!だが、蹴撃というものはこういう使い方もあるのだ!
    そのまま連携、まわしげり!」
サワ「ハァッ!」

ズゴッ!

キョン「コンたん!大丈夫か!?」
コン「こ、けふっ…こんっ!」
キョン(くそっ!いいのを貰っちまったみたいだぜ!)

348 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22:02:56.25 ID:p6QC81Qo

中河「動きが止まっているぞ!そら、まわしげりの連撃だ!これではよけられまい!」
ギュワンッ!
キョン「そこだっ!コンたん、脚にかみつくんだ!」
コン「こーんっ!」
ガブッ
サワ「ギャアッス!」
中河「な、何!?あの蹴りを…アゴの力如きで受け止めただと!?」
キョン「すごいぞコンたん!噛み付いたままかえんほうしゃだ!」
コン「むぎゅぎゅぎゅ!」

ゴォォォォォォッ!

サワ「ぎゃ、ぎゃわわわっ!」
中河「くっ、やむかたない!戻るんだ、サワムラー!」

キョン「やった!やったぞコンたん!」

349 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22:23:16.71 ID:p6QC81Qo

中河「避けられない状況下でかえんほうしゃとはな…それならばインファイトで避けてしまえばいいだけ!
    いけ、エビワラー!」
エビワラー「ワリャァッ!」
キョン(こいつだ!多種多様なパンチを打ち分けてくる、最も厄介なかくとうポケモン…!)
キョン「ひるむなコンたん!まずはかげぶんしんで目くらましだ!」
コン「コンッ…!」

中河「フン。エビワラー、こころのめ!」
エビ「…。…!」
中河「捉えたな。そのままマッハパンチだ!」

スゥッ…

キョン(な…なんだこの動き!早すぎて、見えな…)
コン「こんっ…!?」
スッ
エビ「ワラッ!」
バギィッ!

350 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22:27:40.62 ID:p6QC81Qo

キョン「コンたんっ!…くっ、いいのをもらって目を回してる…!」
コン「け、けふっ、けふっ…けーん…」
中河「とどめだ!」
エビ「りゃっ!」

ゴスンッ

キョン「…コンたんっ!よくやった、戻るんだ!」
キョン(あのパンチ…相当にやばいぞ。しかも、精度がハンパじゃない…!)
キョン「…なら、逆にそれを突いてやるさ。頼むぜ、ナゾっち!」

キレイハナ「はなはなー!」

351 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22:38:17.36 ID:p6QC81Qo

中河「はっはっは!何を出すかと思えば、キレイハナだと?
    笑わせてくれるぜ。エビワラー、ほのおのパンチだ!」
エビ「りゃあっ!」
タッタッタ…

キョン(頼むぞ…こいつはタイミングが命だ、バレたらもう、二度目はない…!)

キキッ
中河「捉えたぜ!いけっ!」
キョン「今だ!ナゾっち、ねむりごなを撒けッ!」
ハナ「はなー!」

ブワァッ

エビ「りゃ!?りゃ……....。。。zzzZZZ」バタッ

352 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 23:34:24.30 ID:p6QC81Qo

中河「な、何だと!?」
キョン「ナゾっちをただの可愛いくさポケモンだと思ったのが間違いさ。
     いくぞ!はなびらのまいっ!」
ハナ「はなー♪」
サクサクサクッ!
キョン「眠ってる相手なら、攻撃を避けられることもねえ!
    とどめだ!喜緑さんプレゼンツ、メガドレイン!」

ハナ「はぁなー!」
ギュワワワワワ…

中河「くぅーっ!ここまで虚仮にされて黙っていられるか!
    戻れ、エビワラー!そして…お前が頼りだ!カイリキー!」
カイリキー「ぐわぉーっ!」

353 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 00:53:59.70 ID:ltD9jd6o

キョン「よし、よくやったナゾっち!交代だ!
     パワー勝負ならこいつしかいねぇ、ケンタくん!君に決めた!」
ケン「ぶおおおっ!」
中河「フン、かくとうタイプ最強の攻撃翌力を誇るカイリキーに、ノーマルタイプか!」
キョン「その油断しがちな所がお前の欠点だな!ケンタくん、とっしんだ!」
ケン「ぶぉーっ!」
ドッドッドッドッドッドッド

中河「ふん、その程度の突進など!カイリキー、正面から受け止めろ!」
カイ「ゴオッ!」

ガシッ グググググググ…

キョン「マジかよ…!4本の腕のうち…2本だけでケンタくんのとっしんを受け止めやがった!」

354 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 00:55:22.02 ID:ltD9jd6o

中河「ふん、カイリキーのわざは腕が2本でも繰り出せるものばかりだ!
    いけ、カイリキー!クロスチョップ!」
カイ「しゃあっ!」
ズガンッ!
ケン「ぶふっ…ぶおおっ!」
キョン「くっ、絶対に押し負けるな!がんばれ、ケンタくん!」

キョン(その時、あの戦いの時にあの女が発した言葉を思い出す。
    『より高度なわざの習得、経験を積むことによる研鑽―』
    …そうだ、どうせ捕まえられているのなら!)

中河「とどめだ!ちきゅうなg…」

キョン「ケンタくん、今だーッ!

    はかいこうせん!」

355 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 01:20:32.32 ID:ltD9jd6o

ドガガガガガガガッ!

キョン(ケンタくんが至近距離から放った金色の光線が、カイリキーのどてっ腹に直撃する。
    そのままカイリキーは吹き飛ばされ、その大きすぎる反動でケンタくんがその場に崩折れた…!)

中河「そ、そんな…まさか!」
カイ「ぐっ…がぁっ…」 ドシンッ

キョン「…け、ケンタくん…?」
ケン「はぁっ…はぁっ…ぶもぉぉぉぉっ!」

中河「…うちの三人衆を打ち負かすとは。やるな、キョン!
   堂々と、勝ち名乗りを上げろ!」
キョン「マジか…や、やった…やったぜ!ちくしょうッ!
   ショックバッヂ!ゲットだぜ!」
カメ「ぜっぜににー!」

356 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 01:21:35.94 ID:ltD9jd6o

キョン(ガラにもなく勝利の余韻に浸って自失しちまった俺を、フラフラのケンタくんが角でつつく。
    俺はすまんと照れ笑いしながら、ケンタくんをボールに戻した。
    …ゼニちゃんが笑ってる。ちくしょう、何だろうな、このやけにめでたい気分は!)

中河「ほれ、こいつを持っていけ。バッヂと…うちの奥義のわざマシンだ」
キョン「ああ、ありがとう…さて、ハルヒを待たせるのも悪い、戻るか…」


ハルヒ「たりゃーっ!とりゃーっ!
     何よあんたたち!全然腰が入ってないわ、蹴りはこうやって撃つの!」

キョン(…まさかの光景が広がっていた。
    ハルヒがタンバジムの門下生を、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ…
    中河が、俺に負けた瞬間よりも唖然としていたのは言うまでもなかった)

357 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 01:23:00.97 ID:ltD9jd6o

ザババババババババ
ハクリュー「りゅー」
キョン「…タンバジム全員から、最敬礼でお見送りされる女の子、か…」
ハルヒ「何よ、あいつらが弱いのがいけないのよ!大体ね、今の男は軟弱なのよ!……」

キョン(ハルヒが何やら後ろで叫んでいるが、正直言って俺の頭にはほとんど入ってこない。
    必死だった。勝つために策略を巡らし、最後に閃きが生まれる。
    その感覚が…俺を、初めて感じる充足感に誘っていたのだ)

ハルヒ「…ちょっとキョン、人の話聞いてるの!?」
キョン「あ、ああ、悪い。…全然」
ハルヒ「…。たりゃーっ!」

キョン(ハルヒ、怒りの鉄拳は俺の頭頂部に炸裂。
    そのまま俺は海に落ち、ゼニちゃんと一緒にアサギまで遠泳するハメになりましたとさ)

カメ「ぜにぜに♪」ザババババババババ
キョン「くそっ!ゼニちゃん、俺を置いて行かないでーっ!」ジャブジャブジャブ

108 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/07/12(土) 22:02:16.43 ID:z/8EFQW60

安価でいいかな
本編なら本編、サイドストーリーなら読んでみたい既出キャラの名前で
>>111

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:11:57.59 ID:/IzIFPOL0

古泉

「はは、あなたのそんな顔がまた見れるのでしたら、死んでも生き返りそうです。
 …では!」

にっこりと微笑んだトキワのリーダー…イツキは、
今にも下手な口笛でも吹きそうなほど気軽な様子で、下に降りていった。
振り返ることもなく、いつもの目を細める笑みを浮かべて。

致死率が限りなく十割に近い戦場へと、彼は降りていった。

287 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:49:18.55 ID:9rZhix2o

「やれやれ…ま、高火力、洞窟での機動力、戦闘経験…
 どれを取っても、今の僕より直接戦闘向けの人材はいないですよね」
一人ごちながら、イツキは第三階層を歩き続ける。
流石に懐中電灯のような自らの位置を知らしめるような道具は使えない。視界は暗視ゴーグルに頼るしかない。
いざ、会話が通じずに戦闘になった場合、どうして視界を確保するべきか。
…いや、そもそも「戦闘」をさせてもらえるかすら、疑問だ。

そんなこと思う彼に向かって、どこからともなくかけられた声があった。

『…誰だ』

「名乗るほどのものではありません。ちょっとあなたの動向を探りに来た、人間の代表ですよ」
『…その話を信じろというのか』
「ま、無理ですよね。ええと、僕には戦って勝てる要素なんてほとんどないんですが。
 それだけじゃあやっぱり、信じろって言っても無理ですか」

288 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:50:50.96 ID:9rZhix2o

『…お互いに武器を掲げたまま、交渉しようなどとは片腹痛い』
「そうですね。では、これで少しは信じていただけませんか」
そう言ってイツキは、腰につけていたモンスターボールを全て地面に落とす。
その行動に、謎の声の様子が微妙に揺れたのを、イツキは聞き逃さなかった。
『…何のつもりだ』
「こういうつもりですよ。武器はなし、こちらは丸腰であなたはいつでも僕を狙える。
 この条件ではダメですか?」
『…聞く価値はある。それ以上は許さん』
「それは光栄です」
おどけたように一礼し、イツキは話を始めた。

「ええと、まず単刀直入に申し上げたいことが、二つだけあります」
『聞こう』
「まず一つ目。これはあなたを生み出した、さる可愛いお嬢さんからの伝言です。
 【ごめんなさい。恨むならあたしを恨んでください。でも、他の人をこれ以上巻き込むのはやめてください】
 …以上です」
『前言撤回だ、聞く価値もなかった。…次を言え』

289 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:52:05.31 ID:9rZhix2o

「では、二つ目にして最後のお話です。あなた、僕らのもとへ来る気はありませんか?」
『…何だと?』
「あなたが願っているのは何です?世界の破滅ですか?それとも復讐ですか?
 …違いますね。あなたの復讐はとっくに、グレン島で果たされている」
『…』
「あなたが何に絶望し、あのような暴挙に及んだのかはわかりません。
 …ですが、あなたの行動を観測した結果、僕はこう考えているのですよ」
『…』

「何もやりたいことが、ない。…違いますか?」

290 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:53:01.03 ID:9rZhix2o

『…面白いことを言うな、お前は』
「お気に触りましたか?それでしたら僕は平に謝らせて頂きたいものです」
『フン、いいだろう。俺の話をしてやろう。
 俺は、生み出されるために、生み出された存在なのだ。
 俺の命の目的は、俺が生まれた時点で消失した』
「…なるほど」
『それから先は唯の余暇だ。思いつくことを、思いつくままやらされた。
 やりたいことなど、一つもなかった』
「…そうですか」

『そしてある日、それにすら飽きたのだ』

「…だから、壊した、と?」
『そうなるな』

291 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:55:03.33 ID:9rZhix2o

「…なるほど、わかりました。では、こういうのは如何でしょう」
『何だ』
「先ほどの提案の続きですよ。僕らの元に来るか、来ないかという話の続きです。
 あなたの心を満足させるのに、どうやら世界征服程度では役不足のようです」
『…くだらん野望だな』
「ええ、まさしく下らない野望です。ですが、追いかけている間は浪漫を感じられますよ。
 夢と言い換えてもいいでしょう。…あなたには、その"夢"がないようです」
『…』
「だったら、こういうのは如何でしょう?
 壊すのでもなく、創るのでもなく。
 あなたを生み出した全てのものが、どう生きるのかを観測しては」
『…観測だと?』
「観察、調査、探りあい、と言ってもいいでしょう。
 とにかく、あなたの力や存在に対して、意味をつけることを優先すべきです。
 あなたはそれを、親から教わる権利がある」

292 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:56:19.91 ID:9rZhix2o

『…俺には親などいない。身体と遺伝子を構成する素材となったものは、元からただの死骸だ』
「ええ。ですが、その死骸を拾ったのは誰か、ご存知ですか?
 それを研究所に送り、それを分析し、最終的に"あなた"を作り上げたのは誰でしょう?」
『…』
「あなたはまだ、何も知らない。知らなさ過ぎるんです。
 もっと、絶望する前に知ってもいいことがあるはずです」
『…具体的に、どうする』
「あなたを、あなたの"元"になった死骸が見つかった町へと送って差し上げます」
『…』
「そこで、じっくり観測してください。人間が何を考え、どう変化するかを」

『…下らん、と言ったらどうする』

「それでしたら仕方ありません。交渉は決裂です。
 僕達には責任があるんです。あなたを生み出した、親としての責任が。
 …それを果たすだけですよ」

293 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:57:03.49 ID:9rZhix2o

『殺されてやろうとでもいうのか』
「それは勘弁願いたいですね。まだ僕も、死んでみたくはありませんし」
『では、俺を[ピーーー]のか』
「それも親として躊躇しますね。
 自分のつくった作品を、気に入らないからと壊す行為はものにだけ認められた行為です。
 命あるものに、それはどうでしょうか」
『甘っちょろいヒューマニズム、という奴か』
「…まぁ、涙を飲んでそれを行うのも、親の持つ権利ですよ。
 責任さえ取れるのでしたらね。
 …で、どうです。まだ、何もやる気はおきませんか」

『…少し、考えさせろ』

「あまり時間がないのですよ。おそらくあと10分ほどで、痺れを切らせた人間が約6名。
 ここに全存在をかけて、特攻してくると思いますよ」

294 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15:58:22.25 ID:9rZhix2o

『やれやれだな』
「まったく困ったものです。いや、最初からこう理知的に会話が進むとわかっていれば、
 僕ももっと余裕をもった時間指定をしたのですが」

『…屋敷を潰した時のことだ』

「は…」
『最高の気分と、最低の気分を同時に味わった。
 自分の持つ力に打ち震えると同時に、恐怖も感じた
 今まで俺という存在を埋めていたものが、如何に脆くて、大きかったか。
 つくづく思い知らされた』
「…そういうものかもしれません」

『いいだろう。お前の提案に、乗ってやる』

295 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 16:00:18.62 ID:9rZhix2o

「…それは、どういう意味でしょう」
『お前達と言う親から、何がしかの学ぶものがあるとは今の俺には思えない。
 …だが、そう断じるには早計かもしれない。お前の言ったとおりだ。
 俺はまだ、何も知らないに等しい』
「…」
『俺を親元へと送る、その手段は何だ』

古泉は、汗ばんだ手をそっと懐に伸ばした。

「これです」
『モンスターボール、か。改造が施してあるようだが』
「これは、マスターボールというものですよ。ポケモンの遺伝子を持つものであれば、
 必ずこの中に収納できるという理想の元、作り上げられたものの試作品です」
『ふむ』
「強引にゲットされても、あなたのテレパシーの能力と、そのほかの能力があれば観測は可能でしょう。
 それに屋敷を破壊するよりは、これを故障させるほうが容易いはずです」

『紙で施した封、というわけか。面白い』

「では?」
『やれ』

296 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 16:02:04.25 ID:9rZhix2o

---------------

「…29分経過。…覚悟は出来た?朝倉さん」
「ええ。最初から、それがなくてここへ来られると思って?」
「…」
「やあ、君も来たのか。…入り口の封鎖は?」
「解いた。今は少しでも戦闘能力を上げるべき」
「…皆、かっこいいなぁ。僕なんかとは志が違う」
三者三様に、それぞれ別種の覚悟を固めた様子を見やる。
無表情の長門。悲壮な笑顔の朝倉。口元は笑みつつ、顔が笑っていない国木田。

…後、10秒。
3人の身体に緊張が走った、その時である。

「やあ、皆さん。どうも」

イツキの能天気な笑顔が、下からひょっこりと顔を出した。

297 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 16:04:36.05 ID:9rZhix2o

その後、ミュウツーを捕らえたマスターボールは新川博士の研究所に送られることとなり、
ジムの営業は翌日から滞りなく行われる運びとなった。

ポケモンを、バトルではなく話術で捕らえたトレーナー。
誰も知らない、話したとしても一笑に付されること請け合いの、御伽噺のようなエピソード。

「(僕が何とかしなければ、確実に世界は崩壊していたでしょうね。…困ったものです)」

その当時トキワジムリーダーであり、裏でロケット団総帥を勤めていた、
古泉イツキのある一晩の、伝説である。

141 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/07/13(日) 00:23:13.65 ID:PGrzqXOo0

こんなもんだろうか…

これ書いてる途中で下痢が来たなんてネタとしか思えん

365 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:10:46.04 ID:0xM55Pgo

ハルヒ「キョン!牧場があるわよ!」
キョン「おお?何だありゃ、カントーではあんなもん見かけなかったよな」
ハルヒ「そうね。さっすが、ジョウトは違うわ」
カメ「ぜにー」

キョン「で、これは何だ?」
ハルヒ「ミルタンクのお乳、モーモーミルクですって。そこで売ってたわ」
キョン「ふむ。で、味はどうなんだ…?」
ハルヒ「んくっ、んくっ…あら?コクがあるのにさっぱりした喉越し!美味しいわね」
キョン「ほほう。そんなに美味いなら一口くれないか?」
ハルヒ「…え!?あ、あぁあ、ええ、い、いいわよ!?は、はい…」
キョン「ありがとよ。…ん、美味い!」

ハルヒ(キョ、キョンがあたしと間接ちゅー…よね、これ…も、もう!///)

キョン「ゼニちゃんも飲んでみろ、美味いぞ」
カメ「ぜに!?ぜ、ぜに…」(コクッ
キョン「美味いだろ?」
カメ「ぜに!」

カメ(ぜ、ぜに…ぜにぜに〜…///)

366 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:12:07.79 ID:0xM55Pgo

キョン(で、俺は何故かハルヒに殴られたわけだが。
    そんなこんなで、俺達が次についたのはエンジュシティという街だ)

ハルヒ「風情のある街ね」
キョン「道路が碁盤目だ、って話は聞いてたけどな。こりゃあ、上から見るとさぞ綺麗だろうな」
ハルヒ「…ひこうポケモン、早く欲しいわね」
キョン「焦ってもしょうがないさ。いつか手に入るチャンスが来たら、その時に頑張ろうぜ」
ハルヒ「そうね。うん!…それじゃ、まずジムに行きましょうか」

キョン「観光は?しないのか?」

ハルヒ「え、え?」
キョン「折角屈指の観光名所に来たんだぜ?ジム戦だけじゃ、あんまり情緒がなくはないか」
ハルヒ(な、何…?あのキョンが、誘ってくれてる…?)
ハルヒ「…キョ、キョンがそういうなら…仕方ないわね」
カメ「ぜにぜにー!」

367 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:13:08.73 ID:0xM55Pgo

----------------

ハルヒ「この塔は…焼失して、立ち入り禁止みたいね」
キョン「流石に倒壊が怖いな。忍び込もうだなんて言うなよ」
ハルヒ「い、言わないわよ!」

----------------

キョン「寺を見て回ると落ち着くな」
ハルヒ「そうねぇ…じじむさいけど、たまにはいいわね」
キョン「あ、この仏像、ちょっとゼニちゃんに似てるな」
カメ「ぜに!?ぜ、ぜにぜにぜに!」ポカポカ

----------------

キョン「歌舞練場、か。ハルヒ、ちょっとここ観て行かないか」
ハルヒ「え、そ、そうね。…和服、好きなの?キョン」
キョン「和服よりは浴衣がいいな。いや、イメージの話だが」
ハルヒ「そう…」

ハルヒ(メモメモ)
カメ(ぜにぜに)

368 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:14:04.45 ID:0xM55Pgo

----------------

ハルヒ「…何だか、今日は疲れたわね」
キョン「暑い中、色々見て回ったせいかな。…俺には確実に遠泳の疲労もあるが」
ハルヒ「そうね。じゃあいいわ、今日はポケモンセンターで一泊しましょ」
キョン「さんせー」
カメ「ぜにー」

(エンジュポケモンセンター)
ざわ… ざわ…
ハルヒ「…あの場所、異常に人口密度が高いわね」
キョン「本当だ。何かのイベントか?」
ハルヒ「実に興味深いわ!ちょっと行って来る!」
キョン「お、おい!?」

369 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:14:22.77 ID:0xM55Pgo

キョン「ハルヒは本当にお祭り好きだな…」
カメ「ぜーに」
キョン「うんうん、ゼニちゃんはいつも俺と一緒だもんなー」
カメ「ぜにー!」
キョン「…しかし今日は本当に疲れたぜ」

ハルヒ「…ただいま」
キョン「おう、お帰り。何だった?」
ハルヒ「くだらないわ。何かのコンピューターゲームの勝ち抜き戦をやってたの」
キョン「コンピューターゲーム…?」
ハルヒ「宇宙艦隊がレーザーをピコピコ撃ち合ってたわね」
キョン「へー…」

370 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:17:13.43 ID:0xM55Pgo

キョン(で、翌日)

キョン「エンジュジムに到着…したが、どうしたんだ?ここは」
ハルヒ「小山のような人だかりね。今日は何かのイベントかしら」
キョン「まさか。ジムだぞここは」

「押さないで下さい!ソフトはまだ十分にあります!」

キョン「…何か売ってるらしいな」
ハルヒ「…客を見るに、コアな層をターゲットにしたもののように思えるわ」
キョン「…同感」
「押さないでくださーい!」

ハルヒ「ラチがあかないわね。…たのもーっ!たのもーっ!」
「お前、列の順番を抜かすつもりか!」「マナーのなってない女子ハケーン」
「可愛いからって、何でも許されると思ってる手合いでござるよ」
「全く、女子の風上にも置けない奴にゃりん!」

ハルヒ「…」
キョン「…ま、あれだ。…ドンマイ」
ハルヒ「…このあたしを怒らせた代償は…高くつくわよ…!」

ゾクッ…!

キョン「な、なぁゼニちゃん?ハルヒから、何かオーラが立ち昇ってるように見えるのは…
    俺の気のせい…だよな?そうだよな…?」
カメ「ぜ…ぜにぜにぶるぶる…」

371 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:18:15.96 ID:0xM55Pgo

キョン(…更に、30分後)

ハルヒ「ようやく人波が途絶えたわ…征くわよ!キョン!」
キョン「待て!今何か物騒な単語出た!ハルヒさん!待って!」

「やあ、いらっしゃい!君もこれ、買いに来たのかい?
 全く困っちゃうな、僕の「The Day of Sa…」
ハルヒ「やかましい!そんなものに興味はないの!」
「おや、失敬だな。君は、今エンジュで最新流行のこのゲームを知らないのかい?」
ハルヒ「…ゲーム…ですって…?まさか、さっきの人波は…」
「そうさ!僕のゲームを求める、ファンの皆だよ!」

ハルヒ「…ジム戦を申し込むわ」
「ほほう!久しぶりの挑戦者さんだ、これは僕も腕が鳴るね」
ハルヒ「…ブツブツブツブツ」

キョン(ダメだ…今のハルヒは、何者にも止められない…!)

372 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:19:11.54 ID:0xM55Pgo

(エンジュジム・闘技場)
「改めて名乗ろう。僕の名前h」
ハルヒ「興味ないわ。…ポケモンを出しなさい」
「…。そうかい。よし、この女に最高の悪夢を見せてやれ、ゲンガー!」
ゲンガー「ガーッ!」

ハルヒ「…全く、可哀相にね」
「何のことだい?君の使うポケモンが、かい?」
ハルヒ「ピカチュウ。最初からクライマックスで逝くわよ、いいわね?
     …答えは聞いてないわ!」
ピカ「ぴか…!」
「よし、行け、ゲンガー!ナイトヘッ」


ハルヒ「ピカチュウ! ボ  ル  テ  ッ  カ  ー  !  !  」

373 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:20:01.11 ID:0xM55Pgo

キョン(…圧巻だった。何がハルヒとピカチュウをあそこまで猛り狂わせたのか。
     その原因を俺は知っている。…怒り、さ)


「負けたよ。完全にうちの負けだ。潔く認める。すまない。謝る。勘弁して欲しい。この通りだ。
 キミたちを甘く見ていた。間違っていた。完敗もいいところだった」

ハルヒ「さ、貰うもんもらったらあたしはとっとと帰りたいの。…ほら」
「は、はい!これがファントムバッヂでございます!」
ハルヒ「…前略、ゲットしたわ。さ、帰りましょキョン」

キョン(ハルヒに引きずられるようにして俺は出口へ向かう。…これじゃああまりにも彼が不憫だ。
     だから最後に、俺とゼニちゃんは彼に向かって、一声だけかけた)

キョン「…いつかきっといいことありますよー」
カメ「ぜにー」

375 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:50:32.66 ID:0xM55Pgo

キョン(エンジュジムを早々に後にした俺達は、次なる目的地、チョウジタウンへ向かうことにしたわけだが…)

ハルヒ「ねえキョン。…また、トンネルね」
キョン「…洞窟やトンネルというと、嫌な思い出しか浮かばないわけだが」
ハルヒ「…ま、また途中で居眠りしないでしょうね」
キョン「するか!」
ハルヒ「どうかしら!ほら、手ぇ繋いであげるから、さっさと行くわよ!」
キョン「ちょ、おい、ハルヒ!?」
ハルヒ「ピカチュウ!フラッシュをお願い!」
ピカ「ぴかっ!」

カメ「ぜにぜに」

376 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:52:03.34 ID:0xM55Pgo

キョン(ハルヒがどういうつもりで俺の手を取ったのかはわからん。
    余計な手間を背負い込みたくなかっただけかもしれんし、
    俺を世話の焼ける弟扱いすることで、先ほどの気晴らしにでもしているのかもしれん。
    …でも、その俺より小さい手を握っているのは、存外悪い気分ではなかった)

カメ「ぜにぜに…」
ピカ「ぴか?」
カメ「ぜ、ぜにっ?ぜ、ぜにぜに!」(ブンブン
ピカ「ぴかちゅ」
カメ「…」
ピカ「…ぴかぴか。ぴかちゅ」(なでなで
カメ「…ぜに〜!」(ひしっ
ピカ「ぴ、ぴか!?」

ハルヒ「…あんたたち、何してんの?」
キョン「何かよくわからんが、相通じるものがあったんだろうよ」

377 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 20:59:18.59 ID:0xM55Pgo

ハルヒ「案外短いトンネルだったわね」
キョン「枝道に入らなかったからだろうな」
ハルヒ「ま、そんなところに行かなくても、あたしならざっとこんなもんよ!」
キョン「…拾ったものは交番に届けましょうね」
カメ「ぜにぜに」
ハルヒ「さ、チョウジタウンまでもうひと踏ん張り!いくわよ、キョン!」
キョン「お、おう…」

キョン(…意外だった。離し忘れたのか、それともまだ俺が寝るとでも思っているのか。
     ハルヒは、洞窟の前で繋いだ手を握ったまま、俺をチョウジタウンまでぐいぐいと引っ張っていった。
     …何と言うか、その。悪くないですね、こういうのも)

378 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:01:48.56 ID:0xM55Pgo

----------------

キョン「到着。ここがチョウジタウンか…」
ハルヒ「エンジュとは違った意味で風情があるわね」
キョン「町の北にはいかりの湖、ってとこがある。東にはこおりの抜け道、か…」
ハルヒ「いかりの湖、ってあれでしょ?ジョウトいち広い湖って聞いたことあるわ」
キョン「湖畔は観光地としても知られているな」
ハルヒ「へえ…」
カメ「ぜにぜに…」
キョン「ま、何はともあれ。まずはジムに行ってみるか」
ハルヒ「そうね。エンジュで溜まった鬱憤はここでぶつけてやるわ!」
キョン「お前、まだ足りてなかったのかよ…恐ろしい奴」
カメ「…ぜに」

379 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:02:56.03 ID:0xM55Pgo

(チョウジジム)
ハルヒ「たのもーっ!」
キョン「…ってうわ!何だこのジム!?」
ハルヒ「キョン、すごいわ!室内に雪が積もってる!」
キョン「ゲ、ゲレンデが室内に出来上がってるとは…今は夏だぜ!?」
ブルッ
キョン「は、ハルヒさん…寒くないんすか」
ハルヒ「え?そりゃ、肩丸出しだし…ちょっとは」
キョン「…長袖、とかは?」
ハルヒ「ないわ」
キョン「俺もパーカーしか持ってきてないんだが」

ハルヒ「…で、やさしいキョンはそれをあたしに着せてくれる、と」

キョン「横暴だ!」
カメ「…」(ぽむぽむ

380 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:07:27.68 ID:0xM55Pgo

シャーッ キュッ
「やあ。ジムに御用の方かな」
ハルヒ「あ、はい!ジム戦をお願いしたいんですけど!」
キョン「…さ、寒いんで出来れば手短にやりたいんですが」
「あはは、この時期にここを訪れる人は皆そう言うね。
 大丈夫さ、バトルで身体を動かしていればすぐに暖かくなるよ」
キョン「そ、そうっすかね…」
ハルヒ「そうよキョン。男なんだから、根性見せなさい!」

ケイイチ「申し遅れたね。僕の名前は多丸ケイイチ。
      チョウジジムのリーダーを務めています」

381 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:08:11.58 ID:0xM55Pgo

ケイイチ「君達は二人連れ?バッヂは二人とも必要なのかな?」
ハルヒ「あ。あたしたちカントーのトレーナーだから、バッヂは特に必要ではないの」
ケイイチ「そうなのかい。…ははあ、武者修行の旅という奴か」
キョン「そのようなものです」
ケイイチ「…ん?もしや、君達の名前はハルヒくんと、キョンくんかい?」
キョン「…ええ、そうですが。どうしてそれを?」
ケイイチ「ああ。大したことではないんだ。ちょっとした先行情報でね」
ハルヒ「…よくわからないけど、あたし達有名なの?」

ケイイチ「そりゃもう。僕らの間ではちょっとしたものだよ」

キョン(僕"ら"、ね…)
キョン「ええと、このジムのバトルの形式は…」
ケイイチ「ああ。このゲレンデを丸々使って、バトルしてもらうよ」

382 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:13:49.83 ID:0xM55Pgo

ケイイチ「ユタカ!ちょっと来てくれないか」
キョン「ユタカ…?」
ケイイチ「ああ、僕の弟さ。僕が留守の時は、代理リーダーを勤めているものだ」

シャーッ
ユタカ「呼んだかい、兄さん」
ケイイチ「ああ。噂のお二人が来られた。ダブルバトルの準備にかかってくれないか」
ユタカ「あの二人かい!了解したよ」

ハルヒ「(…どうなってるの?)」
キョン「(さあ…俺達そんなに目立つかね?)」
カメ「(ぜに…?)」

383 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:14:16.55 ID:0xM55Pgo

キョン「ハルヒ。作戦なんだがな…ゲレンデっていうからには、やはり坂の頂上付近が有利だと思う。
    下から上に登るよりは、上から下に降りるほうがラクだしな」
ハルヒ「言われるまでもないわ!…問題は、どう上まで登るか、ね」
キョン「脇にちゃんとリフトはあるが…そんなもんに悠長に乗ってたら、あっというまに狙い撃ちだろうな」
ハルヒ「…こういうのはどうかしら?」
ヒソヒソヒソ
キョン「…なるほど。…ま、やってみる価値はありそうだな」
ハルヒ「OK。ケイイチさーん、準備出来たわよー!」

ケイイチ「ようし。では!チョウジジムのゲレンデの恐ろしさを」
ユタカ「とっくと味わってもらうよ!」

384 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:18:43.60 ID:0xM55Pgo

ハルヒ「行きなさい、ピカチュウ!」
キョン「頼むぜ、ケンタくん!」
ピカ「ぴかぁ!」
ケン「ぶもーっ!」

ケイイチ「いい姿勢だね。さあ行け、デリバード!」
ユタカ「さあ、頼んだよジュゴン!」

ゴソゴソ
ユタカ「…ん?君達一体何をしてるんだい?」
ハルヒ「見ればわかるでしょ?ケンタくんの背中に皆して乗っかってるのよ。…んしょ」
ピカ「ぴかー」

キョン「よし、ケンタくん!頂上へ向かって全速前進だ!」
ケン「ぶもも!」

385 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:19:30.20 ID:0xM55Pgo

ケイイチ「なるほど!先に地の利を確保しようってことか、こいつは恐れ入った!」
ユタカ「…じゃあ、妨害工作を仕掛けるしかないかな」
ケイイチ「そのようだ。デリバード!プレゼント攻撃を、彼らの進路前方に思いっきり投げろ!」
デリバード「でり!」

ヒューン

ハルヒ「あら?キョン、包装された箱がこっちに飛んでくるわよ」
キョン「何?…何だありゃ」

ポスッ

ハルヒ「…落ちたわね」
キョン「プレゼントボックスにしちゃあ、妙だが…」

ズガガガガガーンッ!

キョン「…ばっ」
ハルヒ「爆弾ですって!?」

386 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:20:34.84 ID:0xM55Pgo

ケイイチ「そう、爆弾さ。そして、その爆発の効果は目くらましだけじゃない」
ユタカ「今日降雪機で積もらせた新雪を、押し流して雪崩にする効果もあるんだ!」

ズザザザザザザ

キョン(やべぇ!俺達の進路上の雪が…正確にこちらへ流されてきてる!)
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!マズいわよ、どんどん下に流されてるわ!」
キョン「くっ!ケンタくん、横に方向転換だ!このまま押されるのはマズい!」
ケン「ぶ、ぶも!」

ドザザザザザザザザザッ

キョン「あ、アブねぇ…」
ハルヒ「やっぱり、向こうの方が場慣れしてるわね。ヘタに小細工しても、看破されちゃうわ…!」
キョン「…ち!もう随分向こうが距離を詰めて来てる!」

ユタカ「さ、この距離ならもういけるよ。ジュゴン、れいとうビームだ!」

387 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:30:41.87 ID:0xM55Pgo

ジュゴン「すーっ…ごぉんっ!」

ビュワァァァァァ

ケン「ご、ごふぅっ…!?」
キョン「ケンタくん!くぅっ…皮膚が凍傷寸前だっぜ!戻れ!」
ハルヒ「キョン、どうするのよ!」
キョン「仕方ないさ。小細工抜きだ、氷には炎!いけ、コンたん!」
コン「こぉーんっ!」

ユタカ「おっと、そいつは困るな。もう一度れいとうビームだ!」
ジュ「ごんっ!」
ビュワァァァァァ
キョン「迎撃だ!コンたん、かえんほうしゃ!」
コン「ケェーンッ!」
ゴォォォォォォッ!

388 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:31:44.02 ID:0xM55Pgo

ユタカ「…く、まずい!炎が相手では押し負け…くっ!」
ゴォォォォォォッ!
ジュ「ごっ、ごぉぉっ!」バタバタ
ユタカ「身体にやけど…これはもう無理だ。仕方ない、戻れ!」
キョン「よしっ!」

ハルヒ「こっちも負けないわよ!見た目が鳥のあんたには、さぞ効果があるでしょうね!
     ピカチュウ!10まんボルトでデリバードをやっちゃいなさい!」
ピカ「ぴぃぃ…かぁっ!」
バリバリバリバリバリッ!

デリ「ぎゅああっ!で…でりぃ…」バタッ
ケイイチ「な、…一撃!?」
ハルヒ「見た目が可愛いからって舐めないでよ。あたしのピカチュウは凄いんだから!」
ピカ「ぴっか!」

389 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:41:18.49 ID:0xM55Pgo

ケイイチ「…仕方がありません。ユタカ、こいつらのコンビネーションを見せるぞ」
ユタカ「了解した。さ、いけ!」

ケイイチ・ユタカ「「イノムー!」」

イノs「「…ムー」」

キョン「何だか鈍そうなのが2匹も出てきたぜ」
ハルヒ「じゃあ、一匹ずつ片付ければいいの!ピカチュウ!かみなりよ!」
ピカ「ピカァァァッ!」
ゴゴゴ… ズガァァァンッ!
…プスプス

イノs「「むーん?」」

ハルヒ「…げ、効いてない!?」
キョン「まさか!じめんタイプを持ってるのか、奴ら?」

390 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:42:37.72 ID:0xM55Pgo

ユタカ「気付いたようだね。イノムー!こなゆき!」
ケイイチ「こちらはこごえるかぜです。このへんの雪を舞い上げるんだ!」

イノs「「むー…!」」

キョン「どわっ!な、何だ、きつい風が…!」
ハルヒ「ふわっ…さ、寒…」
キョン「お、おい!?」
コン「こ…こん…」
ピカ「…ぴか」
キョン「お前ら!しっかりしろ!」

ケイイチ「キュウコンもピカチュウも、冬季は冬眠して凌ぐ種族です。
      この突発的な氷点下の世界に、身体がついてこなくなるんですよ!」

キョン「コンたん!おい、しっかりしろ!火だ、火を吐いて身体を温めろ!」
コン「こ…こんっ」

391 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:44:38.38 ID:0xM55Pgo

ピカ「…ぴぃ…」
ハルヒ「これはまずいわ…ピカチュウ!戻りなさい!」
キョン「くっ…雪が凄まじくて、もうケイイチさん達も見えやしねえぞ!」

ハルヒ(どうする…タイプの相性じゃあたしのポケモンはどれも有利にならない…
     でも、何も出来ずに終われない…!)

キョン「! ハルヒ!雪崩だ!」
ハルヒ「え?」
キョン「俺達も雪崩を起こすんだよ!
    …爆弾で表面の新雪だけ、なんてチャチなもんじゃねえ。根こそぎだ!」
ハルヒ「…!わかったわ!いけっ!」

ケイイチ「そろそろとどめといこうか!この猛吹雪です、その場から一歩も動けないはずです」
ユタカ「イノムー!先ほどの場所に…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ケイイチ「な、何だ!?」
ユタカ「地面が揺れ…し、しまった!」

392 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:45:16.31 ID:0xM55Pgo

ハルヒ「ダグトリオ!マグニチュード、最大震度よ!」
ダグ「だぐっ!」
キョン「コンたん、ひのこだ!俺達が凍りついたらおしまいだぞ!」
コン「こんっ!」

ドドドドドドドドドドドドド

ユタカ「な、雪崩!?」
ケイイチ「…マグニチュード!その手がありましたね」
ユタカ「し、しかしこの規模では!彼らも巻き添えを食わない保証はない!
    いくらかえんほうしゃがあるからって、無茶だ!」

キョン「…まずダグトリオに横穴を掘らせたのが、アイデア賞もんだよな」
ハルヒ「雪山登山の本のおかげよ!傾斜に向かって掘った穴には、雪崩が入り込まないわ」
キョン「…しかしこれ、ポケモンバトルって言えるかなぁ」

393 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:46:40.49 ID:0xM55Pgo

キョン(…その後、音が収まってからダグトリオ謹製、即席避難穴から這い出た俺達は、ひどいものを見ることになった。
    ズルズルになったゲレンデ、下で伸びている多丸さん兄弟とイノムー。
    …如何にしてか、あの雪崩を切り抜けたのは流石としか言い様がないが、
    どうやら完全に疲労困憊して立てないらしい)

キョン「あのぅ…すいません、大丈夫ですか?」
ケイイチ「…うーん…。は、はは…やるじゃないか…」
ハルヒ「大丈夫なの!?ごめんね、ついやりすぎちゃって…」
ユタカ「…イノムーが雪崩を出来る限り防いでくれましたから。おかげで骨も折れずに済みましたよ」
ケイイチ「さすが…新しい我々のボスですね…」

キョン・ハルヒ「「…ボス?」」

394 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:48:00.97 ID:0xM55Pgo

キョン(ケイイチさんは、ぽつぽつと話してくれた。
    自分はSOS団の人間であり、SOS団技術開発局ジョウト支部長でもある、と。
    リーダーとしての活動は、その新技術を如何なく試験するためのものらしい)
ケイイチ「はは…うむむ、このゲレンデを作ったのも趣味だけじゃなく、実験の一環でね」
キョン「はぁ…」

キョン(…趣味人間、という言葉がふと頭に浮かんだ。
    いやぁ、ここまで突き詰められるなら、上等じゃないかね)

ケイイチ「じゃ、はいこれ…。アイスバッヂ、だよ」
キョン「あ、どうも。ありがとうございます。…ゲットだぜ」
ハルヒ「…で、キョン」
キョン「わかってる…今から俺もやるよ」
カメ「ぜにぜに!」

キョン(勿論、俺達は今から雪崩で埋まった出入り口を雪かきして発掘するのだ。
    この寒さのも忘れるほど、身体を使う作業になること請け合いだっぜ。
    …誰か外からも掘ってくれねぇかなぁ)

221 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/13(日) 13:53:19.67 ID:PGrzqXOo0

リハビリ兼ねて外伝やってもいいかな

多分めちゃくちゃ短いけど

225 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/13(日) 14:12:25.25 ID:PGrzqXOo0

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|
         レ!小l●    ● 从 |、i|    やあっ!キョン君キョン君
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |


 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
:.:.:.:.:.:.ト:.:.:∧:.:|、:.:.∧:.:.:.:.l
:.:.:.:.:.:.l_V_ヽ! V___.レ|:.:.l
ィ:.:.:.:.| -‐‐  ‐- |:.l/  -‐
.(`i.:.:l     |   l.:.|   ‐-
 Yl.:.:|      '  l:.:.l   、   おやちゅるやさん、お久しぶり
  l ヽ!、  -‐  /∨   ヽ
 /    \  /
「`ー-   _T
¨: :ー-: ._ ヽ
: : : : : : : : : ̄:ヽ

226 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/13(日) 14:13:52.34 ID:PGrzqXOo0

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{`ヽ   ノ リ| l │ i|
         レ!小l●    ● 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ ジョウト編での出番はまだかな?
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

227 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/13(日) 14:14:32.93 ID:PGrzqXOo0

  /.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:ィi.:,、.:.ヽ       /
 /イ.:.:.:.:i|:/__,V'、|l_j:.:.:.l     l
  lr:l:.:.l -ー   -、 レヘ!     l  そ う
  l l:.|    |  |:l       |  れ ん
  `ーi;|    '  ,N    ー='  無
    | `ー  ̄ , '        |  理
  ,,rへ、_ ` 〔´__           l
/l :ヽ、 ゙7'r'Yヽ、゙ー、      ヽ
: : |: : : ヽ/、;:;;;}イ: :ヽ: \       `.
.: :.>': : ヽ/::::| .l: :<: : ヽ

228 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/13(日) 14:15:00.32 ID:PGrzqXOo0

         , -‐ ´ ̄   ̄ ̄`ヽ、
.       /             丶
        / /     _
.       / / /.// " ̄ `ヾ、 ヽ     ',
     / / ,' 〃       ヽハ     l
     Vl  l _斗'´     `ヽ、l从│    l
       |  ! /リ        j N | 、   l   にょろ〜ん
      ヽ小l ●     ●  イ l| }   |
.         lハl⊃       ⊂⊃| |ノ    |
.         | 人   r_,、_y     | |    l |
          j|  >'う  __, r<l ││ ││
       / | レ'  /:::_j_  / / ,/、│   l |
.      / ,リ /   ∧f三ミ/  / //l j   | │
.      ,' / l/  〃!l|`¨7 /ル/  V   | │
     l./ |{ヘ_ノト、|:l|M/// /    l_  | |

229 名前: ◆UuZF2thJYM [] 投稿日:2008/07/13(日) 14:15:38.42 ID:PGrzqXOo0

こんなのしか頭に浮かばない状態なんだ…orz

396 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:06:18.57 ID:0xM55Pgo

----------------

キョン(健全男子なら、誰しも一度はハーレムというものに憧れるものである。
    いや、ハーレムじゃなくてもいい。とにかく、夢のようなシチュエーションを妄想し、
    いつか叶えるという決意を明日への活力にするのが真っ当な男子の行いだろう。

    そう思っていたが、まさかそんな夢が努力もなしにいきなり叶ったらどうする。

    俺は今、その夢が叶ってしまったことで非常に混乱している。
    何?何が起きたかちゃんと説明しろ?…いや、まだこれが夢か現か俺自身わからんのだ。

    普通に考えて、ありえんだろ?

    目が覚めたら、隣に幼馴染が寝ていました――、なんて)

397 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:06:49.94 ID:0xM55Pgo

キョン(…オーケイ、状況を振り返ってみよう。
    昨日はチョウジジムでの遭難からようやくのことで脱出を果たし、
    そのままこおりの抜け道へと移動。
    寒さに震え氷に足を滑らせる俺を尻目に、ハルヒの奴は大笑いしながらずんずん進んで行きやがった。
    で、フスベシティに着いた頃にはもういい時間で、その日はポケモンセンターの宿泊施設に直行。
    …勿論、この時点で俺とハルヒが泊まったのは別々の部屋だ。そうだったはずだ。

    で、ハルヒ。何で起きたら俺の隣にお前さんがいるんだ?)

398 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:08:15.02 ID:0xM55Pgo

キョン(俺は辺りをそっと見回してみる。
    …部屋に特に変わったところはない。昨日と同じ内装の部屋だ。
    足元には、ゼニちゃんとピカチュウが仲良く寄り添って寝てる。

    …で、俺の荷物一式がない。あるのはハルヒのバッグだ。
    あ、いや、見てないぞ?バッグからはみ出てる白と水色のしましまなんて見てないぞ?

    …つまり、俺は。

    寝ている間にハルヒ様のお部屋に忍び込み、あーんなことやこーんなことを)

キョン「(してねぇ!)ッ!」

ハルヒ「んぅ〜…?…ん〜、く〜…」

キョン(…危ないところだった!このまま起きれば、何を言われるかわかったもんじゃねぇ!
    と、とりあえず、ここを出るのが先決だ…!)

399 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:09:20.33 ID:0xM55Pgo

キョン(しかし、だ!この思わず口から転び出た魂の叫びを耳にしたのは、
    ハルヒだけではなく…!)

カメ「…ぅに。…くぁ〜。ぜに!」
キョン「(うわぁぁぁぁっ!ぜ、ゼニちゃん!おはよ…じゃない!しーっ!)」
ピカ「…ぷぃ。…ぴ〜。ぴかちゅ!」
キョン「(ぐ、グッモーニンピカチュウ!だから、しーっ…!)」
カメ「…ぜに?」(ニヤ
ピカ「…ぴか?」(ニヤ

カメ・ピカ「「…ぴ、ぴかぜにぴかぜにー!」」
キョン「(わぁぁぁぁっ!)」

ハルヒ「…う〜。何よ、あんたたち…まだ早いわ…よ…?」

キョン「…や、やあハルヒ…ぐっもーにん…?」

キョン(…決定。今日は厄日になりそうだ)

400 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:10:07.03 ID:0xM55Pgo

キョン(口によだれの後が残るハルヒ様は、怒髪天を突く勢いで俺を部屋の外に蹴りだした。
    こうして、俺の初めてのモーニングコーヒー計画はくそみそな結果に…
    いや、そもそも計画すら立ててない。俺は無実だ。完全にイノセンスだ!

    こうして俺は、とぼとぼと自分の部屋の扉の前に戻ってきた。
    …鍵が開いてる)

キョン「…そういうことか…!」

キョン(周りにいるものが必ず死ぬと言われる名探偵もかくや、という勢いで俺は真相を看破した。
     間違いない。犯人は…ハルヒの部屋の中にいるあいつだ!)

401 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:10:46.40 ID:0xM55Pgo

キョン(俺はハルヒの部屋にとって返して、扉を激しくノックした…!)

キョン「ハルヒ!すまん!開けてくれ!」
ハルヒ「自分から夜這いに来ておいていい度胸ね!また蹴り飛ばされたいわけ!?」
キョン「そうじゃない!ゼニちゃんだ!頼むからゼニちゃんだけ、こちらへ寄越してくれ!」
ハルヒ「変態をご主人様に持って、ゼニちゃん泣いてるわ!ほら!」

カメ「ぜーにに♪」

キョン「そりゃ泣いてんじゃねえ!鳴いてるだけだ!いいから頼む!
    ゼニちゃんに言うことがあるんだよ!」

402 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:11:30.57 ID:0xM55Pgo

キョン(ハルヒはしぶしぶ部屋のドアを少しだけ開けて、ゼニちゃんを外に出してくれた。
    ありがたい!これがハルヒの誤解を解くきっかけになれば…!)

キョン「…なあ、ゼニちゃん?」
カメ「ぜ、ぜに?」(ニコッ
キョン「…俺に何か言うことがあるよな?」
カメ「ぜ、ぜにぜに」(フルフル
キョン「…ナゾっちと、ピカチュウか?共犯者は」
カメ「ぜにっ!?」(ガビーン
キョン「やっぱりか。…しかしいいリアクションだなぁ。俺でも惚れ惚れしちまうぜ。
    そういえば、コガネシティはお笑いにうるさい街でなぁ。こんないいリアクションする子なら、
    どこの芸能事務所も喉から手を出して欲しがるかもなぁ。…で、どうする?」

カメ「ぜ、ぜにっ…」orz

403 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:12:18.56 ID:0xM55Pgo

キョン(真相はこうだ。
    夜半に寝入った俺を確認し、こっそりモンスターボールからナゾっちを召喚。
    そしてねむりごなで俺を更に前後不覚にした後、ナゾっちにはボールの中へご退場していただく。
    そのまま部屋の鍵を中から開け、俺を背負い、引きずってハルヒの部屋の前まで引きずって行った。
    おそらく事前に合図でも決めてあったのだろう。中からピカチュウがドアを開け、そのまま俺達を招き入れた。

    で、俺を二人がかりでベッドの上に持ち上げて、
    足元で疲れて眠ってしまった、というわけだ…)

キョン「最近ハルヒがピカチュウを抱いて寝てることを知ったからこそ、出来た芸当だな。
    ゼニちゃん…恐ろしい子…!」
カメ「ぜにっ♪」(テヘッ

キョン「テヘッ、じゃありません!今すぐハルヒに釈明してこないと、
    コガネのサーカスでお別れだぞ!」
カメ「ぜ、ぜにぜにに〜!」(エグエグ

404 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:13:13.41 ID:0xM55Pgo

キョン(…で、結局)

ハルヒ「話は全部部屋の中で聞かせてもらったわ。…蹴っちゃってごめん」
キョン「…で、これをゼニちゃんが書いた、って?」

キョン(ハルヒが渡してくれたメモ翌用紙をもう一度覗き込む。
    イワークがのたくったような乱雑な筆跡だが、
    そこには確かに『ごめんなさい』と書かれていた…)

ハルヒ「…きっと、淋しかったのよゼニちゃんは。最近、ずっとバトルも出番がなかったし」
キョン「そうか…。そうだな、あいつはいい子だからな…」

キョン(気を引こうとしてやったことだと思う。
    まさかゼニちゃんが俺を本気でハメようだなんて、思うわけがない)

カメ「ぜにー…」

405 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:13:48.79 ID:0xM55Pgo

キョン「ゼニちゃん」
カメ「ぜに…?」
キョン「もうしない、って約束できるな?」
カメ「ぜに」(コク

キョン「ならよし!許すから、もうめそめそしなくていいぞ」

ヒョイッ
カメ「ぜ、ぜに…?」
キョン「そういえば最近あんまり構ってやれてなかったもんな。そーれ、よしよしよし」
ぽふぽふぽふ
カメ「ぜ、ぜに///」
キョン「そうかそうか、よしよし」


ハルヒ(…あ、あら?…何か、前より仲がよくなってるような…む〜…ばか)

2 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 21:44:03.58 ID:GTpHwTMo

【これまでの大雑把なあらすじ】

ある晴れた日のこと、突然の思いつきでポケモンマスターを目指すことに決めたマサラタウンの涼宮ハルヒ。
この世界でも相変わらず巻き込まれ型の俺、キョンは成り行きで彼女と二人旅。
道中悪人を改心させてSOS団を結成したり、新しい友達を作ったり。
だが、セキエイのポケモンリーグでボコボコにされた俺達は、
ジョウトのジムへと武者修行の旅に出るのであった!

3 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 21:45:48.24 ID:GTpHwTMo

−登場人物紹介−

●涼宮ハルヒ(ポケモントレーナー兼SOS団団長)

・ピカチュウ♀
・ニドリーナ♀
・ダグトリオ♂
・ハクリュー♂

ツンデレ少女。ノリと勢い、根拠なき自信とポケモンへの愛情でカントージム制覇。
自らが傷つけた経験のあるピカチュウを筆頭に、バランス良く臨機応変にポケモンを繰り出す。
他の女の子にデレデレし、カメールにばかり構うキョンにやきもきする毎日。

●キョン(ポケモントレーナー)

・カメール♀(ゼニちゃん)
・キレイハナ♀(ナゾっち)
・キュウコン♀(コンたん)
・ケンタロス♂(ケンタくん)
・ミュウツー

常識ある少年。何故かハルヒの旅に巻き込まれつつも、自身もトレーナーとしてカントー制覇。
ゼニちゃんと名づけたゼニガメ→カメールが最愛のパートナー。
ミュウツーとはよき理解者同士であるが、今までバトルに出したことは一度もない。

◆獲得バッヂ カントージムコンプリート・スチール・ショック・ファントム・アイス
※現在地 フスベシティ

419 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:05:06.11 ID:R.j5u/.o

ガチャ

「お帰りなさいませ、ご主人様」

バタン

キョン「…ハルヒ。今日の俺は疲れてるらしい。ポケモンセンターに帰ろう」
ハルヒ「何よ?意気込んでジムの扉を開けた割に、随分弱気じゃない」
カメ「ぜにー?」

キョン(そうだ、きっと俺は疲れてるんだ。
    朝起きたらハルヒが隣に寝ていてゼニちゃんが大騒ぎしてそれからそれから)

ハルヒ「キョン。まずは落ち着くのよ。素数を数えなさい」
キョン「…すまん。ブツブツブツ…」
ハルヒ「じゃ、あたしがいくわ。―たーのもーっ!」

ガチャ

「お帰りなさいませ、お嬢様」

バタン

ハルヒ「…キョン。あたしも色々あって疲れてるみたいだわ。ポケモンセンターに帰りましょ。
     2…3…5…7…11…」

420 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:15:27.19 ID:R.j5u/.o

ガチャ
「あの」

キョン「え!?み、見間違いじゃない!?」
ハルヒ「そ、そんな!嘘よ、だってここはポケモンジムのはずよ!?」
「相違御座いません。ここは長き伝統と格式を誇るドラゴン使いの殿堂、フスベジムでございます」
キョン「じゃ、じゃあ何で…」

ハルヒ「ジムの皆がメイド服を着てるのよ!?」

「あ、それは当方の趣味でございますので、お気になさらないで下さいませ」
キョン・ハルヒ「趣味!?」

森「申し遅れました。わたし、フスベジムでリーダーを務めております、森ソノウです。
  本日は、よろしくお願い致します」

キョン(そういってその女性は、恭しく45°の角度でお辞儀をした。
    …もし今日の朝のワイドショーを見たら、俺には女難の相でも出てたんじゃないだろうか)

421 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:26:27.53 ID:R.j5u/.o

----------------

(フスベジム・闘技場)
キョン「え!?じゃああなたも…」
森「左様で御座います。旧ロケット団のジョウト地方支部の幹部を勤めております。
  本日は、新たなる盟主であらせられる涼宮様とそのお連れ様がお見えになられると連絡を受け、
  失礼のないようにと、総員が正装で出迎えるよう通達を致しました」
ハルヒ「はぁ…」

キョン(女性はクラシカルな紺色でロングのワンピースに白のエプロンドレス、頭にはカチューシャ。
    男性は三つ揃えの燕尾服に蝶ネクタイ…ときた。
    これが正装、ねえ…)

ハルヒ「(…キョン)」
キョン「(何だ)」
ハルヒ「(前々から思ってたんだけどね)」
キョン「(…ああ、お前もようやく自覚したか)」

ハルヒ「(SOS団って、変人の集まりなのかしら)」

キョン(そりゃトップがお前じゃまともな奴が集まるわけがねえだろ、と口に出しかけたが、
    空気が空気なので俺は自重する。…迂闊なことを口にしたら刺されそうだ)

423 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:37:58.50 ID:R.j5u/.o

森「聞けば、お二人は武者修行のために各ジムを行脚なされておられるとか」
キョン「あ、はい。その通りです」
ハルヒ「古泉君から聞いたのかしら」
森「ふふ。古泉はそれはそれは楽しそうにお二人のことをお話しておりましたよ。
  あんな似合いの二人は滅多にいないと」
キョン・ハルヒ「「はぁっ!?」」
森「あら。口が滑りましたわ、お忘れくださいませ」
ハルヒ「…な、なんか調子狂うわ」
キョン「あの!俺達、ここでバトルをしたいのですが」

森「バトル…で御座いますか?
  あら、お二人にはバトルではなく、修行を積んでいただく方がよろしいかと思っておりましたが…」

ハルヒ「修行?」

425 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:52:29.11 ID:R.j5u/.o

キョン「修行、というと…一体何を修行するんです?」
森「お二人が数々のバトルをジョウトで繰り広げてきたのは、わたしもリーダーの端くれで御座いますので伺っております。
  しかしお二人の戦い方を伺いましたところ、失礼ですがあなた方双方に欠落している要素があるように思えてならないのです」
ハルヒ「…」
キョン「…教えてください。何ですか、それ」

森「決定的な力、です。
  あなた方のバトルは、機転や知略で相手を負かすパターンがとても多かったようです。
  ですが…それは逆に、小細工を弄する戦い方や勝利のためのパターンを構築する、という点で非常に危険です。
  何故なら、それを撃ち破る圧倒的なパワーの前に、知略は力を示しませんから」

キョン(――脳裏に、あの苦々しい敗北が蘇る。
    決定的な力、か。…確かにパワーを互角に出来なきゃ、知略はそもそも成立しない。
    例えばかげぶんしんを何度重ねても、相手から重い一撃が入れば…)

キョン「策士、策に溺れる…その前に」
森「そうです。正攻法でも勝つ、そのための力。
  お二人には、それをここで身につけて頂きたいのです」

426 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 22:04:17.05 ID:R.j5u/.o

ハルヒ「話は飲み込めたわ」
キョン「…何だ、お前にしちゃえらい素直だな」
ハルヒ「わかってはいたのよ。…あたし達、多分正面からガチンコするようなバトルだったら、
    きっとセキチクやグレンのジムは抜けられなかったと思うの。
    トキワジム…古泉君を相手になんかしたら、けちょんけちょんのパーだわ」
キョン「…」

キョン(そうだ。…いざとなったらミュウツー、だなんて甘い考えが俺のどこかになかったか?
    四天王を前に、ミュウツーさえ出せばどうにかなる、でも出さない、お前達は助かったな…なんて、
    甘っちょろいことを考えていたことはなかったか?
    目の前の敗北を、受け入れたくなくて…!)

キョン「ゼニちゃん」
カメ「ぜに?」
キョン「…今まですまなかった」
カメ「…ぜ、ぜに??」
キョン「この修行、一緒に乗り越えてくれるか?小細工だけじゃない、ガチンコの強さを求める修行。
    今まで可愛がるだけで、お前達と本気で強さを求めようとしなかった俺だが…許してくれるか」

カメ「ぜに!」

427 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 22:12:40.46 ID:R.j5u/.o

ハルヒ「ピカチュウ」
ピカ『ぴか?』
ハルヒ「あたしたち、一度怒りに任せて戦ったことがあったの、覚えてるかしら?
     うん、あのヲタクを相手にしたときのことよ」
ピカ『…ぴかちゅ』
ハルヒ「あの時以来、あなたにボルテッカーを使わせたことはないわ。
     あなたへの反動や、破壊力が怖かったのよ。…トキワの森を思い出して」
ピカ『…ちゅう』
ハルヒ「本当はね、あの時怒りなんかどっかにいってたの。あなたがボロボロになって、
     それでも勝ち名乗りをあげたとき、ああよかった、って思った。
     あなたが必死であたしの信頼に応えてくれたのに、あたしは全然別のことを心配してたの」
ピカ『ピカピカ!』

ハルヒ「だから!あんたたちはもっとあたしに信頼される必要があるわ!
    この修行を乗り越えて、あたしの信頼に応えられる強さを身につけなさい!
    いいわね!?」

ピカ『ぴかちゅう!』

428 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 22:18:40.22 ID:R.j5u/.o

森「決まりましたね。では、どうぞ闘技場の奥へお越しください」

キョン(森さんは更に奥…いや、ジムの裏口へと俺達を連れてきた。
    そこからなみのりで更に奥へ。…そこには洞窟が口を開けていた)

森「ここは、『竜の穴』と称されるポケモントレーナーの修行場です。
  お二人にはSOS団総力をあげて作り上げました、特別訓練メニューをご用意致しております。
  では、覚悟が出来ましたらどうぞ中へ」

ハルヒ「キョン。まさかここまで来て、逃げ出したりするようなことはないでしょうね」
キョン「はっ、俺にだってチンケだがプライドがあるんだぜ。
    …頭でっかち、って遠まわしに言われて、黙ってるようじゃ男が廃るぜ」
ハルヒ「よく言ったわ!じゃあ、乗り込むわよ!」

437 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 23:41:51.91 ID:R.j5u/.o

----------------

森「ではまず、この滝であなたのカメールとハクリューに滝登りをして頂きます」

キョン(その言葉を皮切りに、俺達は過酷な特訓を強いられることになった。
    …では、濃すぎる内容の連続で記憶が曖昧3cmな俺が、この修行のダイジェストシーンをお送りしよう)

----------------

ハルヒ「ニドリーナを?」
森「左様で御座います。より戦略性を高めるためにも、進化を軽んじることは許されません」
ハルヒ「確かにニドリーナは最終的にニドクインまで育てるつもりだけど…このまま育てて進化するんじゃないの?」
森「違います。…鍵は、あの方が握っておられます」

キョン「…え、お、俺?」

----------------

森「ピカチュウ、カメールを進化させるつもりはない。…了解いたしました」
キョン「含むところがありそうですね」
森「単純なパワーでしたら、それは進化した方が上なのはご理解頂けていると思いますので」
キョン「…まぁ、これは俺達のエゴでもあるんですけどね」
森「その厳しい道を理解した上で歩まれるおつもりでしたら、わたしには何も言うことはありません」
キョン「勿論、彼らだけが得られる力が目的でもあるんですけどね」

森「…ふふ。なるほど」

438 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 23:56:07.62 ID:R.j5u/.o

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森「はかいこうせんを軽々しく乱発するのは、お勧め出来ない愚策です」
キョン「…ですか」
森「一撃で倒れなかった場合、外れた場合、更に相手に後続が居る場合…
  様々なパターンがありますが、やはり攻撃後の硬直は痛手です。
  通常の攻撃とし用いるには、むしろ…」

キョン「なるほど」
森「そして、タイプ別の相性を考慮して、こうしたわざマシンも多数用意しております」
キョン「…マジでこれ、使っていいんですか?」
森「古泉からの心ばかりの品で御座いますので」

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ハルヒ「ダグトリオのことでちょっといいかしら?」
森「はい。如何なさいましたか?」
ハルヒ「じめん系の攻撃だけじゃ、ひこうタイプを持つ相手に不利でしょ?何か対策を立てたいのよ」
森「なるほど。では、こういうものもございますよ」
ハルヒ「…ふむふむ」
森「いっそ、こういう方向で攻めるのも悪くないかと思います」
ハルヒ「なるほどね!これは凄いわ!」

439 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 00:00:44.83 ID:kfFSitgo

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森「古から、キュウコン千年、カメックス万年と申します。
  この二つのポケモンがそう呼ばれているのは、何も長寿であるからという理由だけではありません」
キョン「はあ」
森「潜在的に秘めている神秘の力。それを使いこなせるようになれば、
  天候を自在に変えることすら可能であると言われております」
キョン「マジですか!?」
森「そうした神秘の力を引き出すことは、私どもの専売特許ですよ?
  ドラゴンポケモンというものは、そうした力の塊でございますから」
キョン「そ、それはカメールのままでも使えたりは…」

森「勿論。わたしを誰だと思っておりますか?
  卑しくもSOS団の幹部を務めておりますのは、伊達でも酔狂でもございません」

キョン(妖しく笑った森さんの笑顔には、裏打ちされた凄みがあった。
    …いやぁ、ガチンコを挑まなくて、正解だったかもな)

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ハルヒ「暇そうじゃない」
キョン「あぁ…あいつら全員、今頃みっちりしごかれてるだろうからな」
ハルヒ「じゃあ、あたし達も特訓しましょ!あの子達の誠意に応えなきゃダメよ!」
キョン「ああ。…そうだな、指示だけ出して休んでるなんて、あいつらがどう思うか。
    俺達も何かしなくちゃ、顔向け出来ねぇな」
ハルヒ「はあ、こっちに来て!」

----------------

ハルヒ「――カバディカバディカバディ!」
キョン「何でカバディ!?」
ハルヒ「カオスになった時のお約束よ!」
キョン「何のマンガの話だ!!」

440 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 00:09:02.81 ID:kfFSitgo

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キョン(――で、俺がハルヒと共に叫びつかれて大の字になってた時)

ハルヒ「…あ!見てキョン、ハクリューとゼニちゃんが滝を登りきるわよ!!」
キョン「何!?」

キョン(あの大海原を疾走していたふたりが、今更にその上を行く難所を制覇する。
    そして、二匹が同時にその滝を登りきった瞬間、それは起こった…!)

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー

ハルヒ「ハクリューが…光に包まれてる…!進化だわ!」

パァァァァァァァッ

おめでとう!ハクリューは カイリューに しんかした!


森「やりましたね」
ハルヒ「森さん!やったわ、遂に最終進化系よ!」
森「古くからこの滝を登りきったポケモンには、新たなる力が宿ると言い伝えられております。
  …いえ、この滝の力だけではありませんね。お二人がいつも訓練なされていた積み重ねが、
  この滝というフィールドで爆発したに過ぎないのでしょう」
キョン「ゼニちゃーん!!やったな!!」

カメ「ぜ、ぜにっ!ぜにぃ〜…」

キョン「…何?降りられない?」
カメ「ぜにぃぃぃ…」(えぐえぐ

442 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 00:22:21.25 ID:kfFSitgo

キョン(結局、そのままその場で飛翔を始めたカイリューがゼニちゃんに力強く
    『りゅー!』と吠え、その声にゼニちゃんがカイリューの背に飛び乗り、
    めでたくここまで安全に降りてくることが出来たわけで)

カメ「ぜにーvvV」(ぴょ〜ん
キョン「おわっ!はは、よく頑張ったぞゼニちゃん!」
ハルヒ「カイリューもよくやったわ!格好よくなったわね、惚れ惚れしちゃうわ!」
カイリュー「りゅーっ!」

森「ふふ。…思い出しますね、わたしもこうして喜んだ時があったなぁ」

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森「失礼致します」
キョン「あ、はい。何でしょう」
森「実はこれをお渡しするように古泉から頼まれておりまして」
キョン「手紙…ですか?俺に?」
森「いえ。…その、何と言いますか。あなたのポケモン宛、と言えばわかると」

キョン(…ミュウツー宛だって?)

キョン「おい。…出てきて読むか?」
ミュウツー『その必要はない。私はここからでも内容を読める…が、ここから出る必要が生じた』
キョン「じゃあ、俺が出せばいいのか?」
ミュウツー『私の意思で出ようとすれば、このボールが破壊される。お前に任せる』
キョン「壊されちゃたまらん。そらよ、っと」

パァァァァァァッ

ミュウツー「…久々の、外の空気だ」

443 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 00:32:00.05 ID:kfFSitgo

キョン「お前宛の手紙、読んでもいいのか?」
ミュウツー「その必要はない。ただ、お前達のポケモンを揉んでやれ、と。
       そう諫言されただけだ」
キョン「…は?」

ミュウツー「安心しろ、流石に八対一とはいえ、まだこちらが勝っているという自覚はある。
       あいつらの知らない戦い方を、とくとその目に焼き付けてやろう…!」

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キョン「済んだのか」
ミュウツー「…あぁ。あいつらもやるようになった」
キョン「ほう。天下のミュウツー様にそう言わせたんなら、あいつらも相当だぜ」
ミュウツー「ただ、全員これ以上は何もやれない状態だ。…ポケモンセンターに運ぶことを勧める」
キョン「それを先に言え、阿呆!」

----------------

キョン(そんな日々が、一週間ほど続いた。
    ミュウツーも連日出ずっぱりで、ゼニちゃん達の相手を勤めているらしい。
    …そういえば、ずっと一緒にいるにも関わらず、そうしたコミュニケーションはこれまで全くと言っていいほどなかった。
    ミュウツーがその力を自ら抑えてまでこうしているのは、何故なんだろう。
    たまらなくその手紙とやらを読んでみたいが、そいつは出来ない。

    どうせ読んだら、ミュウツーにバレちまうだろうからな)

444 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 00:43:38.89 ID:kfFSitgo

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森「長い間、お疲れ様でした」
ハルヒ「とんでもないわ。こんなに長い期間、こっちに付きあわせちゃって」
キョン「そうですよ。…あいつら、表情が変わった」
ハルヒ「そうね。何ていうか、自信に満ちてるわ」
キョン「俺達がこいつらで勝てないんじゃ、きっとそれは俺達のせいですよ」
森「その通りですよ。ですが、きっとこれからもお二人はトレーナーとして成長なさいます。
  この子達との信頼を忘れず、ここで得た力に過信せずに、頑張ってください」
ハルヒ「まっかせなさい!」

森「では。…必要ないでしょうが、旅のお守りです。どうぞお持ちください」

ハルヒ「これって…バッヂ?」
森「ライジングバッヂです。お二人には、それを持つ資格が御座います」
ハルヒ「ありがたく受け取っておくわ!ライジングバッヂ、ゲットよ!」
ピカ『ピッピカ!』
キョン「それでは!」
カメ「ぜにぜに!」
ハルヒ「古泉君によろしくね!」


森「…それでは、いってらっしゃいませ!ご主人様」

466 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 00:58:47.32 ID:IQnxIK2o

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キョン「さて、次の目的地は…ここから南に下ってヨシノシティを経由、
    その先のキキョウシティだな」
ハルヒ「ワカバタウンってところは?」
キョン「そこにはジムはねぇな、カントーにつながる水道とポケモンの研究所があるだけさ。
    特に観光する場所もないし、スルーでいいと思うんだが」
ハルヒ「そうね、それじゃ山道を降りて、ヨシノシティへ行きましょう!」

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テクテクテクテク
ハルヒ「…」
テクテクテク
キョン「…」

ハルヒ「…キョン、疲れた」
キョン「そうだな。少し休むか…」
カメ「ぜに…」

467 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 01:07:28.54 ID:IQnxIK2o

ハルヒ「この山道、どこまで続くのよ…」
キョン「下り道っても、限度があるよな…岩山が邪魔して全く先が見えん」
カメ「ぜににー…」
ハルヒ「ああっ、こういうの本当ダメだわ!古泉君はどこ!車を呼びなさい!」
キョン「落ち着けって。こんなところに来るほど、古泉は暇じゃないっての」

カメ「ぜにーん!」(ピカーン

キョン「…ん、どうしたゼニちゃん。頭に電球なんか浮かべて」
カメ「ぜにっ、ぜにぜにぜに!」
キョン「おお、なるほど。カイリューで空を飛んで、先がどうなってるのか見るのか!
    そいつは名案だな、すごいぞゼニちゃん!」
カメ「ぜっにに〜♪」
ハルヒ「なるほど!いけっ、カイリュー!」
ポフン
リュー「りゅーっ!」

よじよじよじ
ハルヒ「よし!カイリュー、そらをとぶのよ!まっすぐ上に飛んでホバリングして頂戴」
リュー「りゅー」

468 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 01:11:37.01 ID:IQnxIK2o

キョン「おーい、どうだハルヒ。先に東西を走る道はあるのか?」
ハルヒ「えーっとね…あ、あった、あったわ!でもまだかなり先ね」
キョン「そうか、とりあえず道は間違えてないんだな。よし、休憩したらこのまま行くぞ」
カメ「ぜにー!」

ミュウツー『…おい』
キョン「ん、何だ?お前も外に出たいか?」
ミュウツー『そういうわけではない』
キョン「じゃあ何だ?腹でも減ったのか」

ミュウツー『どうしてこのままカイリューに乗って飛んでいく、という選択肢がないのだ』

キョン「…」
カメ「…」

キョン「…おーいハルヒ、ちょっと降りてきてくれ。作戦会議だ」

469 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 01:17:47.19 ID:IQnxIK2o

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バッサバッサバッサバッサ

ハルヒ「ひゃっほう!快適な空の旅ね!」
キョン「い、いやこれは…相当怖いもんがあるな」
カメ「ぜ…ぜにぃ…」
ハルヒ「何言ってるのよ、しっかり捕まってればカイリューなら平気よ!」
リュー「りゅー!」

ミュウツー『これはついでの話だ』
キョン「何だ!今忙しいから急ぎじゃないなら後にしてくれ!」
ミュウツー『私も「そらをとぶ」は使えるぞ』

キョン「…」
ミュウツー『…』
キョン「…じゃあ何か?今まで俺達が徒歩で歩いてきたのって」
ミュウツー『健脚になっただろう』
キョン「チクショウ!次はお前に乗ってくからな、覚悟しとけよ!」
ミュウツー『覚えておこう』

カメ「…ぜにぜに」(ふるふる


キョン(キキョウシティへの道のりは、そんな感じで空を一直線の旅となった…。
    ミュウツー、頼むからそういう大事なことはもっと早く教えてくれよ)

485 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 19:34:54.10 ID:8BsRgoAo

----------------

(キキョウシティ・ポケモンセンター)

ゼエ…ゼエ…ハア…ハア…
ハルヒ「…あんたたち、だらしないわねぇ」
キョン「ほ…ほっといてくれ…」
カメ「ぜ…に…」

キョン(16時間で地球を一周するというカイリューの最高飛行速度を舐めていた。
    しかしまさかハルヒが躊躇なく『やりなさい!』と言い出すとはなぁ。
    おかげでそれをカイリューか認識した直後、俺達はキキョウシティに着いていた。
    …あんなもん、ちゃんと防護服とヘルメットつけて、座席に五点式シートベルトを着けても無理だっての!)

キョン「…大体、何でお前は平気なんだ!」
カメ「ぜに…」
ハルヒ「え、だってカイリューが手加減してくれたからじゃないの。
     あれじゃあまだまだ、ジェットコースターってところね」
キョン「…お前、絶叫マシン好きだもんなぁ…はぁ…」

ハルヒ「仕方ないわね、あんた達はここで休んでなさい。キキョウジムはあたしだけで行ってくるわ」

486 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 19:41:08.78 ID:8BsRgoAo

キョン「…すまん。何とか立てそうだったら、後から行くぜ…」
ハルヒ「あんまり無理しないのよ。ったく、キョンはだらしないわねぇ。いきましょ、ピカチュウ」
ピカ『ぴかー』

キョン(未だかつてこれほど強く意識したことはない。
    ハルヒ…、お前、バケモンか?)

----------------

ハルヒ「そういえば、キョンと離れて行動するのも久しぶりね」
ピカ『ちゅー?』
ハルヒ「ば、ばかっ!淋しくなんかないわよ、このバカピカ!」
ピカ『ぴかぁー?』
ハルヒ「うるさい!黙りなさい!この子ったら、誰に似たのよ…」

487 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 19:49:44.97 ID:8BsRgoAo

(キキョウシティ・ポケモンジム)
ハルヒ「たのもぉーっ!」
「はぁーい。いらっしゃいなのね」
ハルヒ「キキョウシティジムに挑戦に来たわ!リーダーはあなたかしら?」
「そうよ。あたしがここを預かるリーダーなの」
ハルヒ「(女の子のリーダー…ミヨキチちゃん以来ね。キョンが来なくて正解だったわ)」
「何か言ったかしら?」
ハルヒ「あ、ううん!何でもないわ、独り言よ。うん」

阪中「面白い人。あ、あたしの名前は阪中って言うのね。
   今日は楽しくバトルしましょうね」

ハルヒ「望むところよ!」
ピカ『ぴかー!』

488 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 19:58:02.95 ID:8BsRgoAo

阪中「あ、ごめんなさい。あなたのお名前は?」
ハルヒ「あ、ハルヒよ、涼宮ハルヒ。忘れててごめんなさい」
阪中「あー。さっき、フスベジムから連絡があった涼宮さんなのね。
   何でも、ライジングバッヂまで手に入れられた凄腕のトレーナーさんだとか」
ハルヒ「それほどでもないけどね!」
ピカ『ちゅー』
阪中「…あら?そういえば二人連れ、って聞いたような気がするんだけど、
   お連れの方は?どうしたのかしら」
ハルヒ「…。諸事情で休養中よ」
阪中「そうなのね。わかったわ、じゃあ涼宮さんお一人のお相手でよろしいのね?
   それなら、どうぞ奥へいらしてください」
ハルヒ「あ、はい。わかったわ」

ハルヒ(…隣にキョンがいないと、何かやりにくいわね)

489 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 20:10:38.54 ID:8BsRgoAo

----------------

(闘技場)

阪中「ルールは3対3、先に手持ちのポケモンが3匹なくなったほうの負けなのね!
   それで構わないかしら?」
ハルヒ「OKよ!」
ピカ『ピカー!』
阪中「うん、フスベジムで特訓を受けたトレーナーさんに手加減なんかいらないのね。
   いくのね、オニドリル!」

オニドリル「キュルルルッ!」

ハルヒ「キョンから貰ったつきのいし、そのパワーを浴びたあなたならいけるわ!
    ぶちかましなさいっ、ニドクインッ!」

ニドクイン「ニドォッ!」

490 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 20:22:49.43 ID:8BsRgoAo

阪中「ニドクイン!涼宮さん、面白いポケモンを使うのね!」
ハルヒ「面白いポケモン?どういうことかしら」
阪中「ニドクインは多彩なわざを覚えるから、どんな相手なのか一見して計りにくいのね!
   逆に言えば、どんな相手にも対応するだけの素地はあるポケモンと言えるのよ」
ハルヒ「え?そうなの?」
阪中「へ?」

ハルヒ(ぜ、全然知らなかった…)
阪中(も、もしかして…涼宮さんって、天然…?)

阪中「…あ、えーと。オニドリル!ドリルくちばしなのね!」
オニ「きゅいぃぃぃっ!」
ドギュルルルル
ニド「ぎゃうっ!」
ハルヒ「あ、ちょ、ちょっと!不意打ちは卑怯よ!
    お返しよニドクイン、メガトンパンチ!」
ニド「ニドッ!」
バッチィィィィン

阪中「あ、ご、ごめんね涼宮さん。てっきり、そういうつもりで使ってるのかって…」
ハルヒ「あ、ううん、こっちこそわざわざ教えてもらって…」

オニ「…おに?」
ニド「…にど」

491 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 20:39:23.01 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「あ、ニ、ニドクイン!今のうちにどくどくよっ!」
阪中「あ、それは困るのね!オニドリル、そらをとぶっ!」
オニ「きゅー!」
ヒュウゥッ
ニド「に、ニドッ!」
ハルヒ「上空に逃げられたわね…迎撃態勢に入りなさい、ニドクイン!」

阪中「オニドリルの直滑降は止められないのね!さあ、いくのよ!」
オニ「キュウウウウッ!」
ビュウウウウウッ

ハルヒ「今よ!一直線に降りてきた所へ反撃を仕掛けるの!
     全力で飛び上がって、そのまま『のしかかり』!」
ニド「ニド!」
ビョンッ

493 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 20:49:23.35 ID:8BsRgoAo

阪中「甘いのね涼宮さん。お互い地に足をつけた平地での二次元バトルなら、それもありかもしれない。
   だけど、オニドリルは空を飛んでいるのね!

   反転、急上昇よ!オニドリル!」
オニ「キュウッ!」
ブワッ
ハルヒ「なッ!?と、止まりなさいニドクイン!」
ニド「に、にどっ!?」
ズシャァァァン

阪中「攻撃の後の無防備な背中が丸見えなのね!
   突っ込むのよ!オニドリル!」
オニ「キュウウウウッ!」

ビュウウウウッ ズシャァッ

ニド「ぐう…にど…」
ズシィィン
ハルヒ「くっ…よくやったわ、戻りなさいニドクイン!」

494 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 21:02:30.68 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「ひこうポケモン…なら相手に不足はないわ。
    思いっきり弱点を突いてあげる!ピカチュウ、いくわよっ!」
ピカ「ピカーッ!」
阪中「! ピ、ピカチュウですって!?」
ハルヒ「そうよ!先手必勝、10まんボルトよピカチュウ!」
ピカ「ピカァッ!」

バリバリバリバリバリッ!!

阪中「オニドリル!ああっ…戻って!」
ハルヒ「流石ねピカチュウ!その調子でガンガン行きなさい!」
ピカ「ピッ!」
阪中「ピカチュウがあんなに強力だなんて想定してなかったのね…エアームド!お願い!」

エアームド「ギュイイイインッ!」

496 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 21:14:51.04 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「何こいつ!?こんなひこうポケモンがいたの!?」
阪中「ミヨキチちゃんから交換してもらったエアームド、はがねタイプのとりポケモンなのね!
   でんきタイプは克服していないけど、頑丈さだけならピカイチよ!」
エア「ギュンッ!」
ピカ「ぴ…ピカッ!」
ハルヒ「相手にとって不足なしね!ピカチュウ、かみなりよっ!」
ピカ「ピィィィ…カァッ!」

ドグッシャァァァァ

エア「ギュウッ…ガアッ!」
阪中「うぅっ…まだいけるわね!?エアームド、はがねのつばさっ!」
エア「ギュッ!」

キィィンッ

ピカ「ピカッ!?」ドンッ
ハルヒ「ピカチュウ!?…な、切り傷が…」
阪中「あんまり使いたくないんだけど…エアームドの翼はそのへんの包丁より鋭いのね!
   ピカチュウみたいな小さいポケモンじゃ、致命傷になりかねないの、出来れば退いて欲しいの…」

497 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 21:23:33.22 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「…ピカチュウ?」
ピカ「ピカッ!」
ハルヒ「…わかったわ。大丈夫、あなたを引っ込めたりしないわよ。
    もうあれを喰らわない戦い方をすれば、いけるわ!」
阪中「…ば、馬鹿な真似はよして!ヘタして動脈が切れたりしたら、
   そのままポケモンセンターに行っても間に合わないのね!」

ハルヒ「あんた、甘い、って言われたことないかしら?」

阪中「…え?」
ハルヒ「バトル中に人のポケモンの心配なんて、よっぽど余裕なのかしら?
    そんな隙を見逃せるほど、あたしは甘くもないし慢心もしてないのよ!」
ピカ「ピカァァァァ…」ブゥゥゥン
ハルヒ「さあ、かげぶんしんしたピカチュウ、どれが本物か見分けられるかしら?」
阪中「え?え?ええっ!?」

ハルヒ「全員、こうそくいどうっ!」
ピカ「「「「ぴかぁっ!」」」」

498 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 21:31:26.26 ID:8BsRgoAo

ピカ1「ピカッ!」
ピカ2「ピカカー!」
エア「ギュ、ギュウッ!?」

ハルヒ「思った通りね!はがねタイプはその重さで、近距離での素早い動きに対応しきれない!
    ピカチュウ!でんじはで更にエアームドの動きを奪いなさい!」
ピカ「カァッ!」
ビビビビビビッ
阪中「エアームド!…っく、今でんじはを放った子よ!その子にみだれづきっ!」
エア「ギュンッ!」
ズババババババッ!!


ハルヒ「はずれよ」


ピカ「ピカ…」
エア「ギュ!?」
ハルヒ「とどめよ!ピカチュウ、でんじほう!!」
ピカ「ピィカッ、チュウゥゥゥゥゥッ!!」

グワッシャァァァァァァンッ!!

499 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 21:40:22.40 ID:8BsRgoAo

阪中「もういいわ!戻って、エアームド!」
シュルルルル…

阪中「…すごいのね、涼宮さん。エアームドまで、簡単に退けちゃったのね」
ハルヒ「当たり前よ!あたしはチャンピオンになる女よ!」
ピカ「ぴか!」
阪中「…こっちも最後の手段、なのね」

ビュオオオオオオオオ

ハルヒ(な…突風…!?)
ピカ「ぴ…!?」(ぞわっ)
ハルヒ「ど、どうしたのピカチュウ!?」
ハルヒ(背筋の毛が…逆立ってる!?)

阪中「ジム戦でこの子を使うのは、あなたとのバトルが初めてなのね」
ハルヒ「…」
阪中「森さんに言われたの。手抜きをしたら失礼だから、準備をしておきなさいって。
   …こういう意味だったのね、やっとわかった」


阪中「いきなさい! サ ン ダ ー !」


サンダー「ギャァァァス!」

500 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 21:53:14.36 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「な、え、嘘!?」
ピカ「ぴ、ぴか…!」
阪中「…残念なのね涼宮さん。この子はイカヅチのカミ、と呼称される伝説のとりポケモン。
   あたしが育てているポケモンの中でも、最高の力を持っているの」
ハルヒ「…お、おじけづいちゃダメよピカチュウ!大丈夫よ、いけるわ!」
ピカ「…」
ハルヒ「…ピカチュウ!?」

ガクガクガクガクガク

阪中「同じでんきポケモン同士、わかるのね。
   そうなの。格の差どころじゃない、頂点に立つポケモンの威圧感はこれほどのものなのよ」
ハルヒ「ピカチュウ!しっかりするの!伝説なんてこけおどしよ!」
ピカ「…ぴ、ぴっ…!」

阪中「…引かないのね?なら、いくわ」

501 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 22:12:43.79 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「う、動くのよピカチュウ!動いて、隙を見つけるの!」
ピカ「…ピカ!」
シュッシュッシュッ

阪中「その程度のスピードじゃ…サンダーにとっては止まってるも同然だよ。
   サンダー!スピードスター!」
サン「シャアアッ!」

ズガガガガガガッ!!

ハルヒ「ピカチュウ!」
ピカ「ぴ、ピカッ!」
阪中「そこっ!でんきショック!!」

ドグッシャァァァァ

ピカ「ピキャーッ!?」
ハルヒ「ちょ、えぇっ!?こんな、でんきショックのくせに、こんな威力…!?」
阪中「あなたのピカチュウのかみなり、くらいなのね。…さあ、最後よ」
ピカ「ぴ…ぴか…!」

阪中「はがねのつばさ」

ジャキィィンッ…

ハルヒ「そんな…ピカチュウ!ピカチュウーッ!」
ピカ「…ヵ…チュゥ…」

パタン

502 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 22:32:41.25 ID:8BsRgoAo

阪中「さあ、これで残りは1対1なのね。
   そちらの最後のポケモンは何?」
ハルヒ「…」
阪中「勿論、ここでギブアップしてもいいんだよ?
   ウイングバッヂ、いらないんでしょ?だったら、無意味に続ける必要なんてない。
   早くピカチュウをポケモンセンターに連れて行ってあげてほしいのは、あたしも一緒なの」
ハルヒ「……が」
阪中「…涼宮さん?」

ハルヒ「……れが、ギブアップするですって?」

阪中「…!」

ハルヒ「なめんじゃないわよ!ピカチュウはね、ピカチュウはね!!
    あたしにそんなこと、絶対望んでないわ!
    負けるのが怖いんじゃない、逃げ出すのが怖いのよ!
    最後まで足掻いて、そして勝つのがあたし達の美学よ!
    頼んだわよ!カイリュー!!」
パァァァァァッ
リュー「リュウゥゥゥッ!!」

阪中(ま、まだ諦めないのね…こんな人、初めてなの…!)

505 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 22:45:50.99 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「カイリュー!こうそくいどうでサンダーを撹乱よ!」
リュー「リュウッ!」
ブワァァァァァッ
阪中「…は、速い!!」
ハルヒ「あったりまえよ!カイリューは16時間…だっけ?で世界を一周するのよ!」
阪中「サ、サンダー!こっちもこうそくいどうで相手を追うの!!」
サン「ギャオッ!」
シュアァァァァァッ

リュー(…!)
サン(――!)

ハルヒ「…そこよっ!たたきつける攻撃ッ!」
リュー「リュッ!」
サン「ギャ!?」
ヒュウゥゥゥ ズッガァァァンッ
阪中「う、嘘!?」
ハルヒ「トレーナーの指示がなきゃ、ポケモンは動けないわよ!
    あなた、高速戦闘でちゃんとサンダーに指示を出したこと、ないでしょ?」
阪中「あっ…!」

ハルヒ(…まぁ、あたしもこんな速い動きに指示出すの、初めてだけど。
    ここはハッタリをかますところよ!)

506 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 22:59:14.22 ID:8BsRgoAo

サン「ギャォォッ!!」
リュー「りゅ!?」
ハルヒ「うわ、立ち直りが早いわね。流石伝説のポケモンだけあるわ!
    カイリュー、もう一度こうそくいどうで隙を伺うわよ!」
リュー「リュー!」
ブワァァァァァッ

阪中(…確かにあたしの反射神経じゃ、涼宮さんの指示よりも遅れを取るの。
   それなら…こうすればいいのね!)

阪中「サンダー!でんきショックを自分を中心に球状に展開!
   それにカイリューがかかったら、即座にドリルくちばしを仕掛けるのね!!」
サン「ギャァァス!!」
ブワァァァァァン
バヂバヂバヂバヂッ!!

ハルヒ(考えたわね、これでは向こうの不得手そうなインファイトは無理だわ)
ハルヒ「動きを止めない!でんきショックにかからないコースで動き続けるの!」
リュー「りゅっ!」

507 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 23:16:19.39 ID:8BsRgoAo

阪中「…涼宮さん、このままでいいの?」
ハルヒ「え?」
阪中「サンダー!そのままでんきショックを維持したまま、こうそくいどうよ!」
サン「ギャオッ!」
ハルヒ「え!?」

リュー「!」

バリバリバリバリッ!!

リュー「リューッ!」
サン「ギャーッ!」
ドギュゥゥゥゥゥッ!!
リュー「ギャアアッ!」

ハルヒ「カイリュー!…くうう、あのままの態勢のまま動けるなんて…!」
阪中「あたしもちょっとびっくりなのね。さあサンダー、このままカイリューにとどめを…」


キョン「ハルヒ!がんばれ!!」
カメ「ぜに!!」

508 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 23:25:21.03 ID:8BsRgoAo

ハルヒ「え…?」
阪中「あれ?観客席に…人?」

キョン「大丈夫だハルヒ!お前のカイリューを信じろ!」
カメ「ぜーにぜにー!」

ハルヒ「…遅いのよアホキョン!」
阪中「え?え??」
ハルヒ「…カイリュー!でんきショックに構わず、サンダーの本体目掛けて全力でアタックよ!!」
リュー「リュゥゥゥッ!」

バリバリバリバリバリ!!

リュー「りゅ…リュウウッ!」
サン「ギャ…ギャ!?」

ハルヒ「あの特訓を思い出すの!森さんに教わった必殺の一撃を、伝説のポケモンにぶちかましなさい!!

    カイリュー!!しんそく!!」

リュー「リュウッ!」
バチバチバチッ…バァァァンッ!!

キョン「やった!サンダーの巡らしていた電気の膜が、ブチ破れたぜ!!」
ハルヒ「いっけぇぇぇぇっ!!」

ズッガァァァァァンッ!!

509 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 23:32:51.78 ID:8BsRgoAo

サン「ギャオオオオオッッ…」

ドサッ

ハルヒ「…え、嘘」
阪中「…。サンダー、戻って頂戴!」
シュルルルル…
阪中「…参ったのね。サンダーまでやられるなんて、全然予想してなかった。
   涼宮さん、あなた…すごいのね」
ハルヒ「…ほんと?ほんとにやったの?伝説のポケモンを?」
阪中「もちろんよ」(コクッ

ハルヒ「…」(へなへなへな

キョン「お、おーい!ハルヒ、しっかりしろー!」
カメ「ぜにー!?」

キョン(俺達は観客席から、闘技場まで大急ぎで駆け下りた。
    ハルヒは…呆然として、その場にへたりこんでいた。カイリューをしまうのも忘れて)

510 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 23:44:44.62 ID:8BsRgoAo

キョン「おい、おい、ハルヒ!」
ハルヒ「…」
キョン「ダメだ、本気でどっかに意識が飛んでるぞ」
カメ「ぜにー…」
阪中「あ、あのー…大丈夫ですか?涼宮さん?」
ハルヒ「…」
阪中「あのう…こういう場合、どうすればいいんでしょうね…?」
キョン「あ、すぐ立ち直らせますんで。あー…ハルヒ、すまん」

キョン(俺はハルヒの正面に回って、びっくりしたまま固まってる顔を覗き込む。
    そして、おもむろに俺はハルヒのほっぺたを両側から摘んだ)

ぎゅむむむむ
ハルヒ「ちょ…、いた、いたいいたいっ!な、何すんのよバカキョン!」
キョン「わ、ばか!」

キョン(突然の痛みに我に帰ったアホハルヒは、そのままもつれた足で俺に特攻。
    そして攻撃した俺は勿論、自分の態勢も抑えられないまま、二人して同じ方向に倒れて…
    あー…こっから後は思い出したくねぇ。ていうか、言いたくねぇ)

カメ「ぜにぜに、ぜににー。ぜにぜに!ぜに///」
キョン(ちょ、こらゼニちゃん!黙って!内緒にしといて!!…あ、取り乱してすまん。
    とにかく、ゼニちゃん語をわかっちまう奴はこの話は忘れてくれ…)

512 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 23:54:36.85 ID:8BsRgoAo

----------------

(30分後、キキョウジム入り口)

阪中「…落ち着かれました?」
キョン「あ、はぁ…まぁ、そこそこ」
ハルヒ「…」
キョン「えーと…こいつは多分この調子なんで、バッヂとか頂けますか?」
阪中「あ、そうなのね。えと、はい、これです」
キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「…ウイングバッヂ、ゲットしたわ」
キョン「…はい。あ、じゃ、俺達はこのへんで」
阪中「はぁい。またお越しくださいなのね」

----------------

キョン「さて、こっぴどくやられたみたいだな…。ポケモンセンターn」
ハルヒ「キョン!」
キョン「おわ!…な、何だよ」

ハルヒ「さ、さっきのはノーカンよ!事故だったんだから!
    だ、大体あんな態勢でつねりに来たあんたが悪いのよ!そうよ、バカキョン!エロキョン!」

キョン「…すまん」
ハルヒ「…わ、わかってればいいのよ。もう忘れるから、二度とこの話はなしよ!」
キョン(…そっちから話し出したくせに、というツッコミは心の中に仕舞い込んだ。
    ハルヒは真っ赤な顔のまま、そっぽを向いてずんずん先に歩き始めてるし。
    はあ…やれやれ、これは些か失敗だったな…)

カメ「…ぜにぜに」(ふるふる

520 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 01:58:01.34 ID:LyEjRw.o

(――夜になると、わっちは目覚める。
 修行、と称して日々馬鹿馬鹿しい行いに明け暮れる坊主も、
 昼間にこの塔を好き勝手に遊び回るポケモン共も、
 夜になれば、おとなしくこの場を明け渡しんす。

 この塔の柱として死んだ偉大なポケモンの御霊に惹かれ、
 いつしかわっちらのような存在が、この場所には無数に集まった。
 わっちらが元々何だったのか、覚えてるものなどおりはせん。
 それでよい。過去など呪いのようなもの、覚えておったらキリがない。
 ただ気がついたらここにおった。それで充分、今を謳歌するには足りる。

 人はわっちを、ゴーストポケモンと呼ぶ)

(――くくく、さても愚かな人間達が、今宵も塔へとやってきた。
 どのようにからかってやろうかの――)

キョン「…おいハルヒ、肝試ししたら本当に機嫌直すんだろうな」
ハルヒ「一応、約束だからね!ほら、今日は仕込みなしなんだから、ちゃんとエスコートするのよ?」
カメ「ぜにー」
キョン「…妙ちきりんな衣装が、今回はなくて嬉しいよ」

521 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 02:05:17.88 ID:LyEjRw.o

(――どうやら女の尻に敷かれた軟弱男と、どこにでもいる馬鹿な女じゃの。
 脅かして楽しむのもよいが、これではこやつ等を楽しませるばかりじゃ。
 ――おや。彼奴ら、ポケモントレーナーかの。腰にボールが下がっとる。
 これは、全員眠らせて夢を頂く、という乙な愉しみもありかもしれぬな)

キョン「…本当にこの中央の柱って、マダツボミの体なのかね」
ハルヒ「そんな大きなポケモン、昔はいたのかもしれないじゃない。
    今、これの半分の大きさのでももし居たら、テレビや新聞が放っておかないわよ」
キョン「だよなぁ。…じゃ、上へ行ってみますか」

(くくく、まぁ今は楽しめ楽しめ。わっちはのんびりとぬし等で遊ばせて貰うからの)

522 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 02:13:53.47 ID:LyEjRw.o

ギシ… ギシ… ギシ…
ハルヒ「…キョン」
キョン「何だよ」
ハルヒ「気のせいかもしれないけど…さっきから上っても上っても同じ階に来てない、あたし達」
キョン「馬鹿な。ちゃんと上ってるぞ。昔の建物だから、同じような内装になってるんだよ」
ハルヒ「そうかしら…」
ギシ… ギシ… ギシ…

(――おや、女の方は勘付いたかの。油断ならぬ油断ならぬ。
 さて…そろそろ幻覚でお互いを遮断してみようかの)

キョン・ハルヒ「「!?」」
キョン「お、おいハルヒ!?お前どこ行ったんだ!?」
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!あんた、何あたしを脅かそうとしてるのよ!そうはいかないわよ!?」
カメ「ぜに?ぜーにに?」

(くくく、傍におるのに見えはせぬ、触れられもせぬ。
 さいみんじゅつ、というものはこうして化かされた阿呆を見て楽しむものよ。
 ああ、足元の亀が二人を起こしかねんの。…眠ってもらうとしよう)

カメ「ぜっ!?…ぜ……」パタン

523 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 02:23:22.89 ID:LyEjRw.o

(くくく、このまま踊る阿呆を見るのも一興じゃが…いささか腹が減ったの。
 さて、こやつらの夢を頂いてみようか――)

ハルヒ「キョン!キョ…ん…?」クタン
キョン「ハルヒー!はる……ひ?」ドスッ

(おやおや、仲良く折り重なって寝ずともよかろうに。仲の良い二人じゃの。
 さてと…どれどれ、足元の亀の方から味をみてみようかの――)


(くくく…他愛もない、可愛らしい夢じゃの。
 人間になってこの男と添い遂げたい、とは。
 その可愛らしさが故――極上の美味じゃ。
 じゃが、全てしゃぶり尽くすのは些か可哀相じゃの。同類の誼じゃ、味見で勘弁してやりんす)


カメ「ぜ……ぜに……」ゴロゴロ

524 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 02:38:50.26 ID:LyEjRw.o

(さて…女の方はどうかの?
 この年頃の女じゃ、きっと甘い甘い恋愛の夢でも見とるんじゃろ――)
スゥッ…


「――の人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら――」
「――られたっ!キョン、なんか腹立つわよ、このゲーム――」
「――なりたいわね。北高にそんな人がいる――」
「――考えていたら思いついたわ。面白いことは待っててもやってこないんだって――」


(な…何じゃこれは…!?夢、…いや、これは――記憶!?)


「あたりまえでしょ!――それは、あたしの団なんだからっ!」


(う…。何じゃ、味わえもせぬ、しかもこれ以上見ると…何かが…!)

ザザザザザザ

(――ぐぅ…。何もせずに脱するとは…不覚を取ったかの…)

525 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 02:49:00.72 ID:LyEjRw.o

(気を取り直して、男の方じゃ。…先ほどの口直しに、おいしく頂いてやるとするかの――)

『…そこまでにしろ』
「!?」
『わかるな?…お前がやっていること、そして、踏み込んでいるものの正体』
「…お前は…」
『一介のポケモンだ。この男にただ飼い殺されている、哀れな操り人形の一匹だ』
「…お前のような力を持つものが、何故」
『愚問だ。面白い、ただそれだけに過ぎん』
「…」
『貴様もこのような場所に縛られず、もっと様々なものを見てみたらよいのだ』
「…ふん。主はその男に縛られとる身じゃろ。何を偉そうな口をきいておるのかや」

『俺はこいつらと、最期まで旅をしたい。…それだけの話だ。
 貴様はこのうら寂しい塔で、最期を迎えるのが望みなのか』

「…」
『孤独を埋めることはどこにいても可能だ。例えそれが、腰のベルトの上でもな』
「面白い奴じゃな、主」
『そう言われたのは初めてだな』
「わっちも、仲間内では酔狂で通っておる。…そうじゃな、興味は湧いたやも知れぬ」

ゴースト「起きや。そこの三人」

526 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 02:55:32.56 ID:LyEjRw.o

ハルヒ「…ぉが?」
カメ「…ぜに…?」
キョン「う…な、ハルヒ!?」
ハルヒ「…な、何してんのよこのエロキョン!死刑よ、死刑!!」
キョン「待て!おい、何で俺達こんなところで寝てるんだよ!?」

ゴースト「わっちのさいみんじゅつじゃよ。面白いの、主ら」

カメ「ぜにっ!?」
ハルヒ「!」
キョン「ゴ、ゴースト!?しかもこいつ…喋れるのか!?」
ゴースト「長う漂っておるとの、主らの言葉くらいは朝飯前じゃよ。
     先刻はいきなり無礼な真似をしてすまんの」
ハルヒ「…礼儀正しいじゃないの」
ゴースト「躾がよかったものでの」
キョン「何でもいい、何か用かよお前は」


ゴースト「そこの男よ。わっちを捕獲してはくれんかや?」

527 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 03:03:18.50 ID:LyEjRw.o

----------------

キョン「手持ちが満タンになっちまったな」
ハルヒ「何よ!キョンなんかに負けてられないわ、あたしも早く何か捕まえないと!」
キョン「はは、まぁ焦るなって」
ハルヒ「うるさい!エロキョンのくせに!」
キョン「そりゃこいつの所為だろうが!」
ハルヒ「問答無用よ!ジムでの狼藉と今回のコレ、合わせ技一本で有罪だわ!」
カメ「ぜにに〜…」
キョン「ゼニちゃんまで…そんな目で見ないでくれ…!
    くそっ!ゴースト、お前のあだ名はゴスりんだ!そうでも呼ばないと気がすまん!」
ゴス『可愛らしい名じゃの。ありがたく頂戴しておくぞ』
キョン「ちくしょー!!」

ゴス『(――くくく、これはこれで面白い旅になりそうじゃな?)』
ミュウツー『(……)』

543 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 20:32:31.49 ID:44orrJUo

キョン「…何だって?もういっぺん頼む」
ハルヒ「だから、レアポケモンよレアポケモン!ここの掲示板に書いてあったの!」
キョン「…ああ、そうかよ…目撃情報、って奴か…?」
ハルヒ「そんなもんじゃないわ。どうやらその子、このへんの野生のポケモンを無闇に倒して回ってるんだそうよ」
キョン「…何だよそれ…そんな凶暴な奴が…こんなとこにいるのかよ…」

ハルヒ「…それにしても、あんたが高所恐怖症だなんてね」
キョン「…柵も紐もなしに…空なんか飛べるかよ…」
カメ「ぜに…」

キョン(俺達は、キキョウシティからヒワダタウンへ空を飛んで向かっていたところだ。
    首尾よくミュウツーの背中に捕まったのはいいものの、UFOのような軌跡を描くミュウツーの飛行は、
    カイリューの背中以上に俺の心臓には優しくなく…。

    よって、俺はたまたま途中で見かけたポケモンセンターへの不時着を必死で嘆願し、
    そして今は全身全霊で地面のありがたみを享受しているという訳だ。
    …ハルヒ?あいつは俺の回復を待っている間、カイリューで空を飛ぼうとしてたかもな。
    掲示板でこんな情報を見つけなけりゃ、きっと今頃はそうしてたに違いない)

546 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 21:03:25.93 ID:44orrJUo

ハルヒ「さ、キリキリ立って。そのポケモンとやらを探しに行くわよキョン。
    うまく行けば、その凶暴な奴をゲット出来るかもしれないわ」
キョン「やっぱりそれが狙いかよ…」

ゴス『ほう?面白そうなことに首を突っ込もうとしておるの。
   キョンや、ちとわっちをここから出してくりゃれ』
キョン「へ?」
ゴス『いいから早う』
キョン「わ、わかった」
ポンッ
ゴス「ふーむ…。わっちの感覚では、その噂ほどのツワモノの気配は感じぬがの。
   ミュウツーの旦那よ、主はどう思うかや」
ミュウツー『…俺も感じない。眠っているな』
ゴス「ふむ。そうなるといよいよわっちの出番かの。
   それ、モクモクのポン、と」

ボワッ

キョン「な…!」
ハルヒ「ご、ゴスりん、あなた…!」

ゴス「うん?ああ、言っておらんかったかの?
   霊とはすなわち、化かすものよ。それはすなわち、何の姿でも取れるということ。
   理屈は昔、塔に住んどったへんしんポケモンから学んだのじゃがの。くくく、どうかや?」

キョン(目の前に…ゴスりんの声で笑う、どうみても人間の女性が一人立っていた。
    これは俗に『へんしん』と呼ばれるわざだ、と後でミュウツーが教えてくれたのだが、
    その時の俺達はただただ唖然呆然とするしかなかった)

547 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 21:25:42.02 ID:44orrJUo

キョン「…おいこらミュウツー。まさかとは思うがお前も…」
ミュウツー『出来る』
キョン「…了解だ。しかし面白いわざがあるんだな」
ミュウツー『面白い?何故だ?』
キョン「色々と応用の効きそうなわざじゃねえか。それに俺は二十面相のファンなんだよ」
ミュウツー『ほう』

ゴス「人の姿を取っておれば、そのポケモンの捜索に出ても余計な軋轢は生むまいよ。
   ポケモンがポケモンにいきなり攻撃することはあるが、人へいきなり、ということはほとんどないからの」
ハルヒ「そうなの?」
ゴス「それをするのはよほどの阿呆じゃよ。
   人に仇を為せば、必ずや報復がある。その累はその地域の同じ種族にも及ぶ。
   昔ならともかく、今の時代に人間をいきなり襲うのはポケモンにとって全くメリットがない。
   共存の道を歩んでおる生物同士がいがみ合うこともあるまい?
   それくらいのことはどんなものでも知っておるじゃろうよ」
ハルヒ「へえ…。ポケモンのアンタから、そういうことを聞くのは何だか新鮮だわ」
ゴス「無駄に長く生きておるからの。旦那はわっち以上の強い力を持っておるが、
   見て来た時代や、そこから得た世間知はわっちには及ばん。
   何かポケモンについて教えて欲しくば言うてみるといい」

キョン「コホン。とにかく!これで三手にわかれて捜索出来る、ってこったな」
ハルヒ「そうね。ゴスりん、頼んだわよ」
ゴス「くくく。まぁ、任せてもらおうかの」

550 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 22:05:30.63 ID:44orrJUo

ハルヒ「あたしはあっち、遺跡の方を探してみるわ!」
ゴス「ふむ。ではわっちはこちらの水辺の方を探してみるかの」
キョン「あ、じゃあ俺はこっちの森の方へ行くぜ」

----------------

ハルヒ「あやしいポケモンは、あやしい場所にいるものよ!
    あいつらったら、わかってないわね」
ピカ『ぴかー』
ハルヒ「見てなさいキョン。手持ちを6匹にする早さは確かに負けたけど、
    こっちは質で勝負よ!さあ、出てらっしゃいポケモンちゃん!」
ピカ『ぴっか…』

----------------

ゴス「ふぅむ…寝ておるポケモンの気配が多いのはこちら、だったんじゃがの。
   流石になかなか本命には当たらぬな。…可愛らしく寝ておるメリープやウパーばかりじゃ。

   しかし、妙な話じゃ…」

----------------

キョン「ゼニちゃん」
カメ「ぜに?」
キョン「すまんが俺はこの木陰で休憩する」
カメ「ぜ、ぜにっ!?」
キョン「…すまん、正直さっきの空の旅が足に来てるんだ。ハルヒには内緒で頼むぜ」
カメ「ぜにぜに…」(ふるふる

551 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 22:33:01.43 ID:44orrJUo

----------------

ハルヒ「…?あそこに変な色の大きな岩があるわね」
ピカ『ぴかちゅー』
ハルヒ「そうね、確かに怪しいわ。そうっと近づいてみましょ…」

コソコソ

ハルヒ(…あれ?何…これ。う、動いてる!?)

----------------

ゴス「…さて、そろそろ本気で探すかの…」
ブワッ
ゴス(寝ておりながらもその姿を隠す、彼奴ならそうして過ごすじゃろ。
   じゃから、隠れておる痕跡、それ自体を探せば…おった)
スゥッ…
ゴス「常に疾風の如く走るそなたも、たまには休むのじゃな」

「…」

----------------

キョン「...zzZZ」
カメ「...zzZZ」

552 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 22:48:25.63 ID:44orrJUo

----------------

ハルヒ「ぴ、ピカチュウ!出てきなさい!」
ポフン
ピカ「ピカ!」
ハルヒ「あの大きなの、一体何かしら…少しだけ、上下に動いてるんだけど…」
ピカ「ぴか?」
ハルヒ「一周してみましょうか」
スタスタスタ

ハルヒ「ひっ」
ピカ「ぴっ!?」

ハルヒ「顔!これ、顔があるわ!ポケモンよ!!」

----------------

ゴス「おや、起こしてしもうたかの?久方ぶりじゃな」
「…」
ゴス「そなたかえ?ここで何やら他のポケモン共とやりあったというのは」
「…」
ゴス「違う?そうか、それは邪魔をしてすまんかったの。
   いや、このあたりで騒ぎになっておるようでの。
   今のわっちのあるじ殿が、それを解決しようと動いておるのじゃ」
「…」
ゴス「人に飼われ始めたのではありんせんよ。面白そうじゃから、自主的にの。
   ボールを破る手段を教えてくれるものもおるし、さほど不自由というわけでもない。
   これはこれで、いいもんじゃよ」

554 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 23:01:01.97 ID:44orrJUo

----------------

「…。…ごん?」
ピカ「ぴっ!」
ハルヒ「お、起きた!?」

カビゴン「…ごぉん?…...zzzZZ」

ハルヒ「…ね、寝てるわ…」
ピカ「ぴか…」

カビ「…ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!」
ビリビリビリビリビリビリッ

ハルヒ「きゃあっ!?」
ピカ「ぴか!?」
ハルヒ「な、何今の!?寝言!?」

----------------

キョン「…ん?」
カメ「ぜに…?」
キョン「いや、今なんか大きな音がしたような…気のせいか」
カメ「ぜに…」

----------------

ゴス「ははあ…なるほど、そういうことかや」
「…」
ゴス「確かにの。あやつが人里におるだけで、普通はてんてこ舞いというもんじゃ。
   それがそのような理由で留まり続けたとあっては、噂になるのも仕方ないの」
「…」
ゴス「すまぬの。睡眠の邪魔をしたばかりか、このような話まで聞かせてもろうた。
   これは借りにしておいても構わぬかの」
「…」
ゴス「行くのかや?無用な心配じゃが、礼儀として言っておくぞ。『気をつけてな』」

スイクン「…ッ!」
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダ

555 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 23:18:52.31 ID:44orrJUo

----------------

ィィィィィィン…
ハルヒ「もしかして周りのポケモンが倒されたのって…このいびきのせい!?」
ピカ「ピ…か…」
ハルヒ「耳…キーンって来るわね、これ…ピカチュウ?聴こえる?」
ピカ「ピカ?ぴか?」
ハルヒ「…ダメか。これでトレーナーは全員、引き返すハメになったのね。
    周りに何もいなかった理由、わかったわ…」

ハルヒ「上等よ!」

----------------

ゴス「…!この声…向こうかや!」

----------------

キョン「...zzZZ」
カメ「...zzZZ」

556 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 23:38:02.69 ID:44orrJUo

----------------

ハルヒ(…ピカチュウはもう無理ね、このままじゃ戦えないわ。
    でも、あたしの手持ちじゃ聴覚の鋭い子しかいない…つまり、返り討ちは決まったようなもんね。
    さっきの声を聞いて、キョンとゴスりんが気付いてくれれば…!)
ハルヒ「ピカチュウ!戻りなさい!」
シュルルルルル…

カビ「…?…ごん?」

ハルヒ「!」(お、起きた!?)

----------------

タッタッタッタッタッタ
ゴス(ええい!人の姿をしておると、移動に時間を食う!)

----------------

キョン「…」(ムクッ
カメ「…ぜに?」
キョン「…いや、さっきの音みたいなの、本当に気のせいだったのか、ってな…」
カメ「ぜに〜…?」
キョン「ちょっと、嫌な予感がするんだ」

559 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 23:55:02.96 ID:44orrJUo

----------------

ハルヒ「…あ、アンタね!何で寄って来る奴をやっつけようとするの!」
カビ「ごん?」
ハルヒ「皆迷惑してるのよ!あんたもそれくらいわかるでしょう!?」
カビ「…ごーん」
ハルヒ「あ、あくびしてんじゃないわよ!」

「…ぶい?」

ハルヒ「!? な、何でこんな時に…!逃げなさい!早く!!」
「ぶいー」
ハルヒ「だ、ダメよこっちへ来ちゃ!」
カビ「ごん?」(くるっ
ハルヒ「…!」

560 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 00:12:10.45 ID:X6pdppUo

ガバッ
ハルヒ「ダメ!やめなさい!」
「ぶ、ぶい!?」
カビ「…ご〜ん?」
ハルヒ「大丈夫よ、あなたの耳はちゃんと塞いであげるから!
    さあ、来るなら来なさい!この肥満体!!」

ゴス「…地面にうずくまって、何をしておるのかや?」

ハルヒ「!」
ゴス「全く…ジョウト地方でカビゴンとは珍しいの」
ハルヒ「カビゴン?」
ゴス「その巨体の名前じゃよ。
   で、主がその下にかくまっておる…そう、そいつじゃ。出してくりゃれ」
ハルヒ「え、ええ…」

「…ぶ、ぶい」

ゴス「そやつがどうやら、今回の諸悪の根源じゃな」

561 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 00:24:26.50 ID:X6pdppUo

ハルヒ「へ?この小さくてかわいい子が?」
ゴス「そうじゃよ。…ほれ、肥満児。そこをどきんす」
カビ「ごん」
ドスッ

ハルヒ「これ…」
ゴス「こやつの巣穴じゃ。説明が欲しいかや?」
ハルヒ「…そうね、欲しいわ。ちょっと察せないから」

----------------

キョン「こっちの方角だっけか…?」
カメ「ぜにぜに」

562 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 00:50:01.19 ID:X6pdppUo

----------------

ゴス「又聞きの話になるが、それでもよいかや?」
ハルヒ「いいわ。お願い」
ゴス「うむ。その二匹はの、このあたりに原生しておる種族ではないんじゃ。
   はぐれもの、と言うのが一番近いかの。
   果たしてどういう経緯でこの二匹がここに来ることになったのかは知りんせん。
   ま、そやつらに聞き質せばよいのじゃがな。

   で、じゃ。あたりに馴染みのないポケモンに、常について回る問題があるんじゃがの。
   それが何かわかるかや」

ハルヒ「…巣?」

ゴス「そうじゃ。単純に巣というよりは縄張り、テリトリー、などという方が近いかの。
   棲家だけではない。ここは安全である、と思える場所が必要になってくるんじゃ。
   それを得るため、たまたま出会ったこの二匹が、手を組んだわけじゃよ」

563 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 01:02:21.64 ID:X6pdppUo

ゴス「この肥満児は極度のものぐさでの。
   食事さえあるならどこにいてもいい、というくらいに頑丈なんじゃが、
   自分で食事を得る努力は極力しとうない。
   で、こやつじゃ。見ての通り、小さく華奢で仲間もおらんこやつは、
   安全に暮らせる棲家を何より望んでおった。
   そこで、二人はこういう協定を結んだのじゃ。

   棲家の安全を確保することと、食料の調達をすること。
   お互いの長所を生かした、生きていくための協定じゃよ」
ハルヒ「こんな子が、そんなことをしてたの…」
ゴス「先ほどそやつが出てきたのは、こっちじゃろ?」
ハルヒ「どうしてわかるの!?」
ゴス「向こうに果物が投げ出されておるからの。
   くくく、ここまで長く放置しておいても誰も手出しに来んとは、そなたら相当恐れられておるの?」

カビ「…ごん?」
イーブイ「…ぶい」

564 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 01:35:30.78 ID:X6pdppUo

ゴス「まぁ、そういう話じゃ。
   こやつらの生活も安定してきておるようじゃし、
   以後棲み分けもなされていって、野生のポケモンの被害は減るじゃろ。
   放っておけば問題ない。…それがわっちの結論じゃ」
ハルヒ「…なるほどね。ポケモンの視点ではそういう話になるのね」
ゴス「というと、主の視点では何か気がかりがあるのかや?」
ハルヒ「掲示板に同じく書いてあったわ。

    『食料品窃盗事件多発・注意』ってね」

ゴス「…待ちや。それは本当かや?」
ハルヒ「本当よ。ポケモン襲撃事件の方が大きく貼り出されていたけど、
    結局犯人は同じだった、ってわけね」
ゴス「…そうなるとマズいの。
   今はよいが、そなたらの前に遠からず人間が粛清に現れることになるぞ」
ブイ「ぶいっ!?」
ハルヒ「やっぱりそうなるかしら」
ゴス「じゃろうの。やはり自らの生活を脅かすものには、何らかの対処をするのが普通じゃ。
   このあたりのポケモンがとった方法は『無視』。…じゃが、人間にその理屈が通用するものかや?」
ハルヒ「…しないでしょうね、おそらく」

567 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 02:04:26.93 ID:X6pdppUo

キョン「…ゲットする、ってわけにはいかないのか?」
ハルヒ「キョン!」
キョン「遅くなってすまん、話は途中から聞かせてもらったぜ。
    そいつらがここにいる以上、あらゆる意味で問題は解決しない。
    カビゴンだけ退散すれば、イーブイはここを追われる。
    イーブイがいなくなれば、腹をすかせたカビゴンが人里に下りる。
    そしてこのまま二匹が残れば…誰かがイーブイか、カビゴンをどうにかしちまう」
ゴス「状況は芳しくないの。じゃが、いいのかや?」
キョン「いいさ。トレーナーのポケモンへは、食事の補助がセンターでつく。
    前に一度、タマムシシティで大飯を食らってるカビゴンを見かけたことがあるぜ」
ゴス「ほう。いい制度が最近はあるのじゃな。
   わっちもまともに食える体なら、たらふく頂いてみたいところじゃ」

ハルヒ「そうね。あんた達、うちに来なさい。
    うちはご飯も寝床もちゃんとあるわよ。その代わり、あなた達の仕事がちょっと変わるけど」

カビ「ごーん…?」
ブイ「ぶいぶい?」
ハルヒ「うちでのお仕事はあたしに愛でられることと、ポケモンリーグ制覇の手伝いよ!
    文句があるわけないわよね?」

カビ「ごーん」
ブイ「ぶ、ぶい…?」
ハルヒ「何よ、文句なら後で聞くからさっさとゲットされなさい!」
シュルルルッ パァァァン

568 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 02:16:56.40 ID:X6pdppUo

----------------

ハルヒ「ふふふ…」
キョン「何だ、気持ち悪いな」
ハルヒ「ついに!あたしも!6匹揃えたわよ!
    これでもう、手持ちの差で遅れはとらないわ!」
キョン「がんばって育てなきゃな。今度もう一度フスベに行ってみるか?」
ハルヒ「そうね、考えてみるわ」
カメ「ぜ、ぜにに…ぜにに〜…」(ブルブル
キョン「…修行、嫌なのか?」
カメ「ぜに…」(コク

ハルヒ「とにかく!カビゴン、イーブイ、ダブルでゲットよ!」
ピカ『ぴっかか!』

キョン(しかしまぁ、こんなに珍しいポケモンが二匹もまとまっているなんてな。
    こいつの強運ぶりを久しぶりに実感したぜ)

578 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 21:25:25.61 ID:Jqcrrcso

----------------

キョン(ポケモンゲット騒動の後、
    つながりの洞窟を無事に通り抜けた俺達は今、ヒワダタウンに来ている。
    だが、そこで俺達を待っていたのは意外な事実と、意外な人物で…)

ハルヒ「留守ぅ?」
キョン「ヒワダタウンのジムリーダーが?」

古泉「ええ。僕が聞いたところによると、ポケモンリーグ四天王に欠員が出来たようでして。
   その穴を埋めるため、急遽ヒワダジムリーダーがリーグに招聘されたということです」

ハルヒ「じゃ、じゃあ今ヒワダジムはどうなってるの?誰もいないの!?」
古泉「現在はジムトレーナーの方が代理で試験をなされているそうです。
   どうやら、ポケモンに関するクイズを出しているようですね」
ハルヒ「クイズ?それは面白そうね!」
キョン「お、おい!ちょっと待てハルヒ!」
タッタッタッタッタ

古泉「相変わらず元気のよい方ですね」
キョン「少しはおとなしくしてくれってんだ。こっちの身がもたん」
カメ「ぜにー」
古泉「お察し申し上げます」

579 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 21:34:35.34 ID:Jqcrrcso

古泉「では、僕たちも涼宮さんを追いかけましょうか」
キョン「ああ、そうだな…」

----------------

(ヒワダタウン・市街)

古泉「森さんの方から連絡を頂いています。フスベの修行は如何でした?」
キョン「ああ。充実してたように思うぜ」
古泉「それは何よりです。僕のチケットがお役に立っているようで」
キョン「ああ…」

キョン(そういえば、こんな離れた場所にいるのも、そもそもはこいつの差し金だったっけな。
    ふとそのあたりの時間軸に思いを馳せた俺は、先ほどの話に感じた引っかかりを思い出した)

キョン「…四天王に欠員が出た、ってのはどういうことだ?」
古泉「どういうこと、とは?」
キョン「四天王、ってどういうシステムで交代してるんだ?俺はよく知らなくてな」
古泉「ああ…。そのへんのことは僕にもよくは。ただ、メンバーの後任は世襲や指名制のようですね。
   僕の組織も入り込めない、ある意味鉄壁の密室なんですよ。ポケモンリーグというところは」
キョン「ほう…」

581 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 22:14:17.41 ID:Jqcrrcso

古泉「僕自身が指名されればいいのですが。どうも、警戒されているようですね」
キョン「SOS団か?」
古泉「まさしく。ジムリーダーが持つには分不相応な規模だ、というのが向こうの見解のようですね。
   実力は評価されているようなのですがね。全く困ったものです」
キョン「ってことは…このヒワダのジムリーダーは、相当の使い手だったのか?」
古泉「ええ。森さん、阪中さんもリーグから一目置かれる存在ですが、彼女は際立っていましたよ」

キョン(…意外な言葉だった。伝説のとりポケモンを所有しているキキョウの阪中、
    そして俺達への修行すらこなすほどの使い手、森さん。
    その彼女らを差し置き、古泉をして『際立っていた』と言わせしめるヒワダジムリーダー。

    一体、どんな人物だったのだろう。非常に気になるところだ)

古泉「おや?ご存じないのですか、彼女のことを」
キョン「彼女?そのリーダーは女なのか?」
古泉「ええ」
キョン「悪いがさっぱりだな。女だってことも今知ったくらいだ」
古泉「そうですか。いえ、僕はてっきりお聞きになっているものかと」
キョン「誰にだ?」
古泉「いえ、やめにしましょう。お楽しみを奪ってしまうことになりそうですので」

キョン(古泉が持って回った喋りをするのはこれが初めてではない。
    …だが、何だろうな。妙に口をつぐむのが早かったように感じたのは気のせいだろうか?)

582 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 22:53:08.69 ID:Jqcrrcso

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(ヒワダジム)
『――の中身は、【しねしねこうせん】である。○か×か?』
ハルヒ「×よ!」
『正解です!』
ハルヒ「よっしゃあ!」
ピカ『ぴっかー!』

キョン(歩いてきた俺達が辿り着いてみると、
    予想通り、ハルヒがバラエティ番組のセットのような回答者席で息巻いていた。
    出題者席にいるメガネの男の子の方を睨みつけながら、その顔はニヤニヤしっぱなしだ。
    …子どもか、あいつは)

古泉「いやぁ、破竹の勢いで正答しているようですね、涼宮さんは」
キョン「あんな大人気ないのと仲間だと思われたくねえぞ、俺は」
古泉「もともとああいう方でしょう。今更ではありませんか」
キョン「そうは言うがな。いい加減あいつも成長を覚えるべきだぜ」
古泉「成長ですか?」
キョン「ああ、そうだ」
古泉「僕の目には、涼宮さんの成長も著しいように感じられますがね。
   カントーで初めて出会った時、ジョウトに旅立たれた時、そして今。
   あの方はいつも、前よりも素敵な女性になられているように思います」
キョン「…まるでハルヒに気があるような言い方だな」

古泉「なるほど。言われてみれば、そうであるのかもしれません」

583 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:11:09.25 ID:Jqcrrcso

キョン「…は?」
古泉「あ、いえいえ。言葉のアヤのようなものです」
キョン「好きなのか?あいつのこと」
古泉「嫌いなわけはないでしょう。僕がこの地位に満足しているのは、彼女の人柄に因るところは大です」
キョン「いや、そういう意味じゃねえって」
古泉「そうですね…。いや、どうでしょう?僕にもよくわかりません。はは」

ハルヒ「あ、キョーン!古泉君も!見てなさい、パーフェクトでここを突破してやるわ!」

キョン(そうして叫ぶハルヒに向かって手を振る古泉を見ているうちに、何だか名状し難い気持ちが湧いてきた。
    ハルヒのような奇天烈な女に、長く付き合いながらあるレベル以上に好意を持つような奴。
    そんな男を俺は今まで見たことがなかった。
    いや、気軽に近寄ってきたような奴はハルヒが手ずから撃退していたから、ということもあるのだが。

    古泉がもし、ハルヒに本気だとしたら。
    俺はどうするべきなんだ?)

ゴス『(何やら悩んでおるようじゃの)』
ミュウツー『(…何だ、次は遣り手婆の真似でもしようというのか)』
ゴス『(野暮を言うものではありんせん)』

584 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:26:35.82 ID:Jqcrrcso

ゴス『主、ぬしよ』
キョン「おわっ!?」
古泉「おや、どうされました?」
キョン「何でもねえ!あっち向いてろ」
古泉「それは失礼しました」

キョン「(…何だ)」
ゴス『どうするのかや?あの男はわっちが今まで見た中でも、上の中には入るいい男じゃぞ』
キョン「(だから何だってんだ)」
ゴス『もしあのお嬢ちゃんが冷静にそなたらを見比べて、ぬし、勝てると思うかや』
キョン「(何で俺が比較の対象になるんだよ!)」
ゴス『何かと身近におるものと比べてしまうのは女の性じゃよ。ふむ、顔立ち、性格、肩書き。…ふう』
キョン「(ため息ついてんじゃねえ!)」
ミュウツー『…からかうのはその辺にしておけ』
ゴス『はいはい。そうじゃの、ちゃんとぬしにもいいところがある。それを忘れぬことじゃ』
キョン「二度と喋るな!」
古泉「は、はい?」
キョン「あ、いや。すまん。何でもない」
古泉「はあ」

キョン(げんなりした顔を俺がそっと持ち上げると、
    喜色満面のハルヒが出題者席のハカセくんからバッヂを貰うところだった。
    …ああ、突破したのか。おめでとう、ハルヒ)

古泉「おめでとうございます、涼宮さん」

キョン(…先を越された俺を、ボールの中でニヤニヤ見ている視線を約1、感じる。
    そんな俺に一瞥をくれた後、恒例の勝ち名乗りをあげるハルヒ。

    …何か、しっくりしない)

586 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:39:13.49 ID:Jqcrrcso

----------------

古泉「さて、残すジムはいよいよ、コガネジムだけです」
ハルヒ「長い道のりだったわね。カントーなんか三日で終わった気がしたのに、
    ジョウトは何だかすごく時間がかかってるように感じるわ」
古泉「それは気のせいでしょう」
キョン「間違いなく気のせいだ」
カメ「ぜにー」
ハルヒ「な、何よあんたたち!」
キョン「古泉。次のジムはどういうところなんだ」
古泉「女性だけで運営されている、ノーマルポケモン主体のジムですね」
キョン「ほう!それは楽しみじゃねえか。
    勿論送っていってくれるんだろ?ポケモンで空の旅はもうこりごりなんだよ」
古泉「言われるまでもありません」
ハルヒ「こらぁっ!あたし抜きで話を進めるなっ!」
カメ「ぜにぜに」

キョン(いつものハルヒだ。こういじれば、こう反応する。
    つんけんしながらも寂しがり屋なところなんか、いつまでも変わらない。
    以前にミュウツーも言っていたが、本当にハルヒは変化しているんだろうか?
    何故だかそんな気を俺は感じない。ずっとこいつは、こんな感じだったように思う。
    そう、ずっと。いつもこいつは、涼宮ハルヒのままで…)

パコン
キョン「いてっ!」
ハルヒ「何をよそ見してるの!あたしが話してるんだからちゃんと聞きなさい!」
キョン「あ、ああ。すまん」

587 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:44:14.22 ID:Jqcrrcso

古泉「では、どうぞこちらに」
ハルヒ「クルマで移動も久しぶりね、キョン!」
キョン「ああ…」
ハルヒ「…?」
カメ「ぜにーっ!」
キョン「…あ、こらゼニちゃん!シートの上でツメを立てちゃダメだ!」
カメ「ぜーににーっ」
キョン「うむ、そうそう。…だから、みずでっぽうもあわも禁止!」
カメ「ぜにー…」
キョン「ふう…」
ハルヒ「…キョン?」
キョン「あ、すまん。何だ、ハルヒ」
ハルヒ「…ううん。何でもないわ」

古泉「では!いざ、コガネシティへ!」

ブロロロロ…

595 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 22:42:08.86 ID:cOjZFmYo

--------------

ハルヒ「キョン!着いたわよ!」
キョン「…え?あぁ、ここがコガネシティか」
ハルヒ「ヤマブキといい勝負の大きな街ね!いろんな建物があるわよ」
古泉「では、こちらのデパート前でよろしいでしょうか?」
ハルヒ「あ、お願いね」

キョン(あのままクルマに揺られ、俺達はコガネの中心部まで乗せてもらった。
    車の中でハルヒは、休憩なしでジョウトでの武勇伝を大幅に尾ひれをつけて古泉に語っていた。
    古泉はただただニコニコして聞いており、ゼニちゃんは退屈して舟をこいでいた。
    そしてその話が終わったのが丁度、今だ)

古泉「では、僕はラジオの収録に行かなくてはならないので。失礼します」
ブロロロロロ…

キョン「デパートね…。最後の挑戦の前に、きっちり準備しておこうってことか」
ハルヒ「それもあるけどね。あんた、忘れてんじゃないでしょうね?
    あたし達の最終目標は、ここのジムじゃないのよ?その先も見据えての準備よ」
キョン「あぁ。なるほどな」
ハルヒ「…キョン?」
キョン「ん?」
ハルヒ「どうかしたの?あんた、変よ」
キョン「は?どこもおかしくなんかないぞ」
ハルヒ「嘘よ、絶対おかしい。ヒワダからずっとそわそわしてるっていうか、心ここにあらず、っていうか…」
キョン「んなこたねえよ!ほら、行くぞ!」
ハルヒ「あっ…」

597 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 22:50:26.00 ID:cOjZFmYo

キョン(何だ?俺はそんなに妙な素振りだったのか?
    古泉のアホタレが。あいつはいつもそうだ。思わせぶりなことを喋るだけ喋って、
    肝心なことはいつも語りやがらねえ。偉そうな顔してんじゃねえ、と腹の底から思うぜ。
    とにかく!ハルヒには絶対気取らないようにしねぇと…)

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!そんなに引っ張らないでよ!痛いでしょ!」
キョン「え?あ…」
ハルヒ「…ねえ。本当にどうしたの?言ってみなさいよ、言うだけならタダよ」
キョン「…何でもねえ!じゃあな、2時間後に入り口前で集合だ。ゼニちゃん、行くぞ」
グイッ
カメ「ぜっ、ぜに!?ぜにに〜〜っ……」
タッタッタッタ…

ハルヒ「……。何よ、バカ」

598 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 23:01:10.62 ID:cOjZFmYo

--------------

(屋上、レストコーナー)

カメ「(ジュゥゥゥ〜…)」
キョン「……ふぅ」
カメ「(チュポン) …ぜ〜に?」
キョン「ん〜…?あ〜。そうか、心配かけちまったか」
カメ「ぜに〜」
キョン「何でも…いや。ゼニちゃんには言ってもいいかもな……」
カメ「ぜに。ぜにぜに」
キョン「……古泉との話、聞いてたろ?あいつがハルヒを好きなのかどうとか、って奴」
カメ「ぜに(コクン)」
キョン「あれ聞いてな、何かこう、モヤモヤしちまってて」
カメ「……。ぜに」
キョン「いや、古泉の気持ちがはっきりしないのがイライラするとか、そういうことなのかもしれん。
    でもな、何かこう…男に好かれてるハルヒ、ってのを見たことがなくてな」
カメ「ぜに…」
キョン「……ゼニちゃんにはちょっとわかんないかね」
カメ「ぜに(フルフルフル)」
キョン「わかるって?」
カメ「ぜに。ぜにぜに、ぜにぜにに〜」

キョン「…焦ってる?俺が?」

カメ「ぜに(コクン)」

599 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 23:14:54.65 ID:cOjZFmYo

カメ「ぜに、ぜにぜにに〜、ぜにぜにぜに。ぜにに、ぜににっに、ぜに〜」
(ゴス「わっちが訳してやりんす。
   『ご主人、今までハルヒちゃんがこんなに思われてるところなんて、見たことないでしょ?
   だから、自分以外にそんな人がいることに気がついて、焦ってるんじゃないかな』」)
キョン「う…。いや、確かに、何か安心しきってたような…。
    あいつがあんな奴に惚れられる、とか…想定外だったかもな…」
カメ「ぜに〜。ぜにに、ぜにぜ〜にに、ぜにぜにぜに」
(ゴス「『でしょ〜。だから、何となく自分のポジションとかどう思われてるのとか、気になっちゃってさ』」)
キョン「……。返す言葉もねえな。さすがゼニちゃんだ」
カメ「ぜにぜに。…ぜに、ぜにぜに〜に、ぜにぜに?」
(ゴス「『よかった。…ねえ、折角だから、言ってもいい?』」)
キョン「ん?サイコソーダのおかわりか?」

カメ「ぜにぜに。(フルフル)

   ぜに、ぜにぜにーに、ぜにぜに」

(ゴス「うっ…こ、これも訳すのかや…?
   …コホン。『違うよ(フルフル)。ボク、ご主人のこと、だいすき』」)

600 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 23:25:40.86 ID:cOjZFmYo

キョン「…え?」
カメ「…ぜ、ぜにぜにぜに…。ぜに、ぜにぜにっ」
(ゴス「お、おのれ…!『…は、恥ずかしいけど…。ボク、好きなのっ』」)
キョン「…俺を?ゼニちゃんが?」
カメ「ぜに」(コクッ)
(ゴス「『うん』」)
キョン「……。そ、そうだったのか……。あ、いや、」
カメ「ぜにぜにに。ぜにに、ぜにぜにに〜、ぜにに〜ぜに」
(ゴス「『言わないで。ご主人、ハルヒちゃんのこと、好きなんでしょ』」)
キョン「……ああ」
カメ「ぜに。ぜにぜにぜに、ぜにに〜ぜに!ぜにぜにに、ぜにぜにに」
(ゴス「『うん。それならもう、シャキっとしよ!心配してるよ、ハルヒちゃん』」)
キョン「……もうちょっとだけ、こうしてていいか?」
カメ「…ぜに〜。ぜにぜにに〜」
(ゴス「『…もう〜。しょうがないな』」)

601 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 23:38:14.26 ID:cOjZFmYo

(ゴス「…ち、ちょっと頭痛がしてきた…休ませて貰うぞ」)

キョン「…ゼニちゃん」
カメ「ぜに?」
キョン「ありがとな」
カメ「ぜにに」
キョン「…それと、ごめん」
カメ「……。ぜにっ」
キョン「ゼニちゃんは大事なパートナーだ。俺、ゼニちゃんのことが好きだ。
    でもな…やっぱり、ハルヒがいるところとゼニちゃんのいるところ、違うんだ」
カメ「ぜに」(コクン)
キョン「ゼニちゃんの気持ちには応えられない。…つらくなったら、ワガママ言っていい。
    だから、ゼニちゃんがいていい、って思ってる間は、ずっとこのままでいたい。…ダメか?」
カメ「ぜにっ!」(コクコク)
キョン「……本当に、ごめんな……」
カメ「ぜに。ぜにぜににっ。ぜに…ぜにに…っ ひっく…」

キョン(一人と一匹が揃って声を殺して泣いてるのを、周りの人間が何事かと見つめていた。

    …ゼニちゃんの気持ちを知った。今まで知らなかった気持ちを知った。
    ゼニちゃんが教えてくれた俺のかっこ悪い心が、無性に悔しかった。
    ゼニちゃんにだって出来たことを、俺がどうして出来ないんだ、と。
    悔しかった。ただただ申し訳なく、切なく、そして。

    俺は、決心した)

602 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/12(火) 23:53:01.32 ID:cOjZFmYo

--------------

(同刻、わざマシン売り場)
ハルヒ「…ねえ、ピカチュウ」
ピカ「ぴか?」
ハルヒ「あのアホ、何なの?あたしが心配してやってるっていうのにさ…もうっ」
ピカ「ぴか〜…」
ハルヒ「あ、カビゴンにはこれ、いいかな……はぁ〜……」
ピカ「…ぴかぴか」(クイクイ)
ハルヒ「…ん。どうしたの」
ピカ「ぴかちゅ。ぴかぴか」
ハルヒ「…そうね。何かこう、乗り気にならないわ。座って休みましょうか」
ピカ「ぴかー」


ハルヒ「…ねえ。ピカチュウ」
ピカ「ぴか?」
ハルヒ「あんた、キョンのことどう思う?」
ピカ「ぴかぴ?」
ハルヒ「だからさぁ…。普段ボーっとしてるけど、やる時は結構やるし、
    いつもムスっとしてるのに、バトルに勝ったりした時なんか子どもみたいに喜ぶし。
    あいつはいつもそうよ。さっきだって、勝手に怒ってどっか行っちゃってさ。
    何考えてるかわかんないし、でもわかりやすいし、……あ〜、言っててよくわかんないわ。
    とにかく、そういうの見ててどう思うか、ってことよ」
ピカ「ぴ〜…。ぴか、ぴかぴか?」
ハルヒ「あたしは……」

603 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 00:07:10.95 ID:8arPNnYo

ハルヒ「…羨ましいのよ」
ピカ「ぴかぴか?」
ハルヒ「…あたしね、キョンがよくわからないの。
    真面目なのか不真面目なのか、楽しいのかつまんないのか。
    あたしは一緒にいて、すごく楽しいの。ホントよ。
    カントーでもここでも、あいつがいなかったらきっとつまんなかったの。
    だから最初、無理やり引っ張って来たのよ。

    …でも、さっきみたいに怒ってるあいつ見てるとさ。
    楽しいの、あたしだけなのかしら、って思うのよ」
ピカ「ぴか…ぴかぴ」
ハルヒ「そうね。悩んでるんなら言ってくれればいいのに。水臭いじゃない、そんなの。
    あたしって、そんなに頼りにならないのかしら…」
ピカ「ぴっ!ぴかぴか、ぴかちゅー!」
ハルヒ「…ありがと。…ピカチュウ。あたしって、嫌なやつかしら」
ピカ「ぴか?」
ハルヒ「ううん。いいの、何でもないわ」

604 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 00:21:02.48 ID:8arPNnYo

ハルヒ「…なんか、あんた相手だと何でも喋っちゃうわね。
    ほら。こないだの夜に言ったこと、覚えてる?『キョンが好き』って。
    カッコ悪いわよね。今のままでいい、今のままずっと旅がしたい。
    そんな風に思ってるから、こういう風に嫌われちゃうのかな。
    ねえピカチュウ。…あたし、どうしよう」
ピカ「……」
ハルヒ「…嫌われたくない。キョンと一緒がいい。
    でも、だったらどうすればいいの?ずっとこのままいたい、って思っても、
    もうすぐ旅は終わる。あたし達は終わらせるために旅をしてるの。
    ポケモンリーグに行って、勝っても負けても旅はおしまい。
    このままキョンが怒ってて、気まずいまま旅が終わっちゃう?
    ……嫌だ。嫌だよピカチュウ……」
ピカ「……ぴか」

ハルヒ「キョンの声が聞きたい。キョンとふざけてたい。
    もっと一緒にいたいの。友達のままでいい、このままでいいの。
    ねえ。どうしたらいいのよ……」


ピカ「……ぴかぴか、ぴかちゅー」
ハルヒ「……。そうね。決めたわ」

606 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 00:31:34.74 ID:8arPNnYo

--------------

(デパート入り口)

ハルヒ「…キョン」
キョン「お。…何だ、随分早いじゃねえか」
ハルヒ「か、買うものがなかったのよ。そっちこそ早過ぎるんじゃないの」
キョン「俺は…あぁ、いや。俺も何も目ぼしいものがなかったんだよ」
ハルヒ「そう」
キョン「……」
ハルヒ「……」

キョン・ハルヒ「「あのな(ね)」」

キョン「あ、すまん。何だ」
ハルヒ「あ、うん。いいからキョンから先に言って」
キョン「いや、俺はいいから。先に言ってくれ」
ハルヒ「何よ。遠慮なんかしなくていいから、さっさと言いなさい!」
キョン「いや、何でもない用事なら先に言ってくれ。頼む」
ハルヒ「あたしのは…うん。大事な話だからキョン、先に言って」
キョン「……ん〜」
ハルヒ「……ほら。言いなさいよ」

607 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 00:43:16.62 ID:8arPNnYo

キョン「…あぁ。さっきは怒鳴ってすまなかった」
ハルヒ「…うん。もう気にしてないから、いいわよ」
キョン「…で、だな。何で逃げたか、話さないといけない…んだよな」
ハルヒ「当たり前でしょ!?悩み事があるなら、言ってほしいわよ。
    あたし達、ずっと一緒にいた友達じゃないの!」

キョン(…と、友達…かよ…)

キョン「えー…とな。…あ〜、言いにくいんだが、その、ヒワダでな。
    古泉の奴が、お前のことを好きかもしれない、みたいな話をしてだな…」
ハルヒ「は?」
キョン「んで……その。ずっと悩んでたんだがな……」
ハルヒ「…もういいわ」
キョン「え?」
ハルヒ「聞きたくない、って言ってんの!ほら、行くわよ!コガネのジムに!」
キョン「ちょ、ちょっと待て!まだ最後まで話してないだろが!」
ハルヒ「聞きたくないの!」
キョン「じゃ、じゃあお前の話は!?何かあるんだろ!?」
ハルヒ「そんなこと言った覚えはないわ!聞き間違いよ、アホ!!」
キョン「なっ……」
ハルヒ「先に行くわよ!さっさとついて来なさい!」
キョン「ま、待てよおい!」

ハルヒ・キョン((どうしてこうなるのよ(んだ)!?))

カメ・ピカ「「ぴかぜに…orz」」

608 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 00:44:54.43 ID:8arPNnYo

コガネ・序章でした
今日は寝ます

明日でジョウト地方は最後にしたい

612 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 14:47:07.15 ID:8arPNnYo

--------------

(コガネジム・入り口)
キョン「……」
ハルヒ「……」

キョン(…あれから凄まじく気まずい。
    ハルヒは勝手にカッカしてるし、俺は決死の覚悟を挫かれて不満が顔に出てるはずだ。
    下ではゼニちゃんがおろおろして、誰も何も喋らん。はぁ…やれやれ)

「あら?挑戦者の方ですか?」
キョン「あ。はい、そうです」
「男女の二人連れなんて珍しいわね」
「お二人で一緒に挑戦でいいのよね?」
キョン「え?」
ハルヒ「へ?」
「あら?あたし達のところは、基本的にダブルバトルで試験をしてるのよ」
「ほらぁ、やっぱり表にちゃんと書いておかないとわかんないって」
「そうね、今度看板を発注しておこうか」
キョン「あ、あの…?リーダーは一体、どちら様で?」

ミユキ「あ、それも知らなかったんだ?ごめんね、やかましくて」
タカコ「あたし達全員、ここのリーダー役を務めているの」
ミズキ「こっちから順にミユキ、タカコ、マイよ。わたしはミズキ」
マイ「四人揃って、『ENOZ』ってバンドもやってるの」

ENOZ「「「「よろしく!」」」」

キョン「はぁ…」
カメ「ぜ、ぜにぜに〜」

613 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 14:59:52.16 ID:8arPNnYo

マイ「じゃ、今日はだれがいく?」
ミユキ「じゃんけんで勝った人二人でいいでしょ」
タカコ「えー、あたしこないだからそれでずっと出てないのよ」
ミユキ「あ、そうだっけ?」
ミズキ「いいわよ、わたしは2回連続で出てるからパスで」
マイ「じゃ、あたしとミユキでじゃんけんして、勝った方とタカコでいいかな」
ミユキ「わかった、せーの、じゃんけん…」

キョン「……」
ハルヒ「…何よ」
キョン「いや。何でもねえよ」

キョン(何でもない、ってことはない。
    こういう空気のジムが初めてで、なんとなく溶け込みにくい印象を受けただけだ。
    だが、そんな軽口ですら、今のハルヒに対して叩く気になれない)

マイ「勝ったぁ!じゃ、あたしとタカコのコンビね」
ミユキ「ちぇー。ま、精々がんばってねーだ」
タカコ「すいません、お待たせしました。さ、奥へどうぞ」
キョン「…はい」
ハルヒ「わかったわ」

カメ「…ぜに〜」

614 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 15:41:38.14 ID:8arPNnYo

--------------

(闘技場)
マイ「よろしくお願いします!ミルタンク、ゴー!」
タカコ「おねがいしま〜す。ラッキー、頼んだわよ!」
キョン「ゼニちゃん!いけっ!」
ハルヒ「ピカチュウ、あなたに決めたわっ!」

キョン(ムシャクシャした気持ちは、こういうことで晴らせばいいさ。
    とにかく滅茶苦茶に暴れてやりたい。その時の俺はそんな気分だった)

キョン「先手必勝だ!ゼニちゃん、ハイドロポンプ!」
ハルヒ「ピカチュウ、かみなりっ!」
ピカ・カメ「「ぴかぜにっ!」」

ズッシャァァァァァン

タカコ「ラッキー!大丈夫!?」
ラッキー「…、らっきー!」
マイ「流石ね、あの程度じゃラッキーの耐久力は削りきれないか」
キョン「な!?」
タカコ「たまごうみよ!回復したら、まるくなるっ!」
マイ「ミルタンク、あなたもまるくなる、よ!コンビネーションの準備!」
ミルタンク「みるーっ!」

615 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 16:38:26.79 ID:8arPNnYo

ハルヒ「ピカチュウ!一発でダメなら連発よ!押せ押せでいきなさい!」
ピカ「ぴか!」
キョン「ゼニちゃん!とにかく攻めろ、コンビネーションとやらの準備が整う前に倒すんだ!」
カメ「ぜっ、ぜにっ!」

タカコ「単純なやり方ね」
マイ「そんなやり方で、今まで戦ってきたのかしら?」
タカコ「いくわよ!二人まとめて、」
マイ「ころがる攻撃っ!」

ラキ・ミル「「りゃーっ!」」

ゴロゴロゴロゴロゴロ…!

ピカ「ぴっ!?」
カメ「ぜ、ぜにっ!?」

ゴンッ

カメ「ぜ、ぜにに…」
ピカ「ぴかちゅー!」

マイ「まだまだ!ターンして連続攻撃!!」
ミル「ミルーッ!」

616 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 16:48:51.62 ID:8arPNnYo

キョン「よ、避けろゼニちゃん!」
カメ「ぜ、ぜにーっ!」
ダッダッダッダ
ゴロゴロゴロゴロッ
ミル「ミルーッ!」

ズガンッ

カメ「ぜにーっ!?」
キョン「くっ!」
マイ「逃がさないわよ!ここまでの回転で加わった勢い、全てぶつけてあげるわ!」
ズガンッ
ピカ「ピカーッ!」
ハルヒ「ピカチュウ!」
タカコ「一方向からなら横によければいい。でも、二匹が相手だと勝手が違うわよ!」
ハルヒ「と、とにかく避けながら攻撃するのよ!かみなりっ!」
ピカ「ぴかっ!」
ズッシャァァァァァン
ハルヒ「はずれた!?」
タカコ「回転しながら高速移動しているこの子達を狙い打つのは至難の業よ!
    それに、こんな攻撃程度で止まったりするほど、ヤワな子じゃない!」
ラキ「らっきぃぃぃっ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド

マイ・タカコ「「とどめよ!」」

617 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:03:58.19 ID:8arPNnYo

キョン(高速回転した二匹が、倒れこんでいるゼニちゃんとピカチュウを完全に捉えている。
    これはヤバい、ヤバすぎる!立ってくれ!と俺が叫ぼうとしたその瞬間だった…!)

ハルヒ「!?(ブルッ)」

キョン(ハルヒが、背筋に氷水を流し込まれたように大きく震えた。
    そしてそれを俺が視界の端に映したその瞬間、である)

キョン「お、おい!?どうした!?」

カメ「ぜ…ぜにっ」(くたん
ピカ「ぴか…?」(くてん

キョン「ゼニちゃん!?おい、どうした!!」

ミル「みっ…!?」(バタン
ラキ「らぁっ……」(ゴロン

マイ「ちょ、ちょっと!?どうしたの!?」
タカコ「ミルタンク!?ちょっと、ラッキーも!どうして攻撃をやめちゃうのよ!?」

キョン(様子がおかしいのはゼニちゃん達だけじゃなかった。
    相手の二匹も急に失速し、そのまま地面に倒れ伏せている。
    そして俺がゼニちゃんのところに駆け寄ろうと手すりを乗り越えた瞬間、である)

バァンッ
ミユキ「大変よ!バトルは中止、すぐに来て!」

キョン(今までなかった想像を絶する異常事態の、これが幕開けだった)

621 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 21:28:10.73 ID:8arPNnYo

--------------

キョン(俺はゼニちゃんを抱え、ハルヒはぐったりしたピカチュウをボールに戻し、
    闘技場からエントランスに走った。
    そこにはENOZが全員そろってテレビの速報に釘付けになっており、
    その画面の中では、アナウンサーが焦りを隠せない口調でこう喋っていた)

『――繰り返しお伝えします。ジョウト地方一円に広がる原因不明のポケモンの疾患に対して、
 政府は生物兵器によるテロの可能性、または食事に異物が混入された可能性があるとして、
 食物、水道、換気に充分注意するよう呼びかけております。
 なお、この症状の発生原因については現在不明であり――』

キョン「何だ…何だこりゃ!?」

キョン(俺が声を上げたのは、テレビのVTRに対してだ。
    人が飼っているポケモン、野生のポケモンが画面の中で皆ぐったりとし、
    中には昏睡状態に陥っているように見えるものすら確認できた)

ハルヒ「キョン。落ち着きなさい。落ち着くの!」
キョン「落ち着いていられるかよ!どういうことだこりゃ!?」
ハルヒ「わかんないわよ!でも、ゼニちゃんが、」
キョン「あ…」

カメ「ぜ…ぜにに…」

623 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 21:35:17.30 ID:8arPNnYo

キョン「何?…眠い?眠い、って言ったのか?」
カメ「…」(コクン)
キョン「他には?気持ち悪いとか、吐き気とか、頭が痛いとか、ないのか?」
カメ「ぜに…」(フルフル)
キョン「そうか。…ハルヒ、ピカチュウは?」
ハルヒ「…ピカチュウ?…ピカチュウ!こら!大丈夫!?」
キョン「おい!?ナゾっち、コンたん!しっかりしろ!」
ナゾ・コン「「……」」

ミュウツー『…出せ!ここから!』

キョン「!あ、ああ!」
ポフン
ミュウツー「はぁっ!」

ミュィィィィィィン

キョン(一瞬の耳鳴りの後、腕の中のゼニちゃんが平静を取り戻した。
    今まで必死で睡魔と戦っている様子だったのが、先ほどと同じく覚醒状態にあるようだ。
    ボールの中のナゾっち達も、何かをこらえている様子だった先ほどと違い、
    いつもと同じく落ち着いた様子になった)

キョン「何をしたんだ?」
ミュウツー「バリアーだ。何が原因なのかはわからないが、少なくとも細菌の類ではないようだな。
      とりあえずこのベンチの周囲に球状に展開したバリアーが、これの原因を遮断出来ているらしい」

タカコ「ちょ…ちょっと。ぽ、ポケモンが…喋った!?」

キョン「…あ、えっと」

624 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 21:50:55.54 ID:8arPNnYo

キョン「…というわけで」
ミズキ「はぁ…。そんなポケモンがいるのねぇ」
ハルヒ「大丈夫よ。見た目はいかついけど、悪い子じゃないの」
キョン「少なくとも、バリアーを張ったのは自衛のためでもあるんでしょうけど」
ミュウツー「細菌が原因なら、バリアー内部を滅菌するつもりでいたのだがな」
キョン「あ、そ。…ちょっと待て、お前そんなことも出来るのかよ」
ミュウツー「ウイルス程度なら一匹単位で把握できる。原子は流石に無理だがな」
キョン「本当に何でもアリだな、お前…」

『続報です!今回の症例について続報が入りました!』

キョン(皆が一斉にテレビの方を向く。俺達はとりあえずこの症状から免れたが、
    外では依然、この状態が広がっているのだ)

『ただ今入りました情報によりますと、一部の建築物や地下道、またはトンネル内におきまして、
 現在広がっている疾患の発症は認められないという情報が入りました。
 え?はい!続報です、また、そうした地域に移動したところ、症状の回復も認められたようです!
 現在確認を急いでいますが、こうした限定地域におきまして――』

ミュウツー「…なるほど」
キョン「何だ?何かわかったのか?」

625 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 21:54:51.19 ID:8arPNnYo

ミュウツー「この話からわかったことは、人口建造物内において発症しない可能性があるということだな。
      そうした場所と屋外とで違う条件。光、音響、空気流…」
ハルヒ「そうか!」
キョン「何だ!?」

ハルヒ「屋内にいたあたし達にも影響があった、ってことは光じゃないわ。
    空気流は外部と遮断されていたからこれもなし。
    ということは、可能性としてあるのは音波か電波よ!」

ミュウツー「その通りだ」
ハルヒ「ミュウツー、あんた超音波は?」
ミュウツー「ゴーストのあいつほどではないが、そこそこには聴こえる。
      だが、果たしてこのような症状を引き起こせるかどうかはわからん」
ハルヒ「うーん…」

Prrrr Prrrr

キョン「ん?…あ、俺のポケギアか。 …はい?」
古泉『古泉です』

626 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 22:05:07.85 ID:8arPNnYo

キョン「古泉か!おい、お前今ラジオ塔だろ!?大丈夫なのか!?」
古泉『ご心配頂いて恐縮の至りです。…ですがすいません、僕の方は全滅です』
キョン「何てこった…!」
古泉『今皆様はどちらに?』
キョン「コガネジムだ、ハルヒとリーダーの皆も一緒だ」
古泉『そうですか。…そちらにラジオはありますか?』
ハルヒ「あたしのポケギアにラジオカードが入ってるわよ」
キョン「だ、そうだ」
古泉『すいませんが、すぐにFMコガネに合わせて下さいませんか』
キョン「何だ?今はお前の生放送を聴いてる場合じゃないんだ」

古泉『お願いします!大事なことなんです!』

キョン「…! おい、ハルヒ!」
ハルヒ「うん!」
ミュウツー「…バリアーの外に出ろ。通信音波帯は通せるが、放送音波帯は無理だ」
ハルヒ「わかったわ!」

『――で―――て、私――団は――』

ハルヒ「…え?」
キョン「ハルヒ!音を大きくしてくれ!」
ハルヒ「あ、うん」

『―ガネラジオ塔を占拠した。繰り返す。コガネラジオ塔は、私達ロケット団が占拠した』

627 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 22:14:51.54 ID:8arPNnYo

キョン「な――」

キョン(絶句した。ロケット団、だって?
    それは前回の旅の初っ端、ハルヒとミュウツーがぶっ潰した古泉の組織で、
    そして今はSOS団、と名乗っているはずの――!)

キョン「おい古泉!どういうことだ!」
古泉『お聞きの通りです。ロケ…いえ、SOS団ジョウト支部の一部が蜂起したんです。
   ちょうど、僕がこの施設を訪れた瞬間を見計らっての計画的なものです』
キョン「どういうことだ!?」
古泉『うちの組織も一枚岩ではなかった、ということです。
   現在の運営はぬるい、昔の強硬な、何者も恐れない姿勢を取り戻せ!
   …彼らの言い分はこうです』
キョン「何だと!?多丸さんは?森さんは!?」
古泉『彼らは僕と同じ穏健派です。…ですが、彼らの部下に強硬派の手が入っていたようです。
   一番、持ち出されてはマズいものを、彼らは今現在手に入れてしまっています』
キョン「それは何だ!?」

古泉『ある音楽データと、放送施設の二つです』

628 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 22:27:59.91 ID:8arPNnYo

『――今現在ポケモン達に起こっている現象は、病気でもなければ、攻撃でもない。
 私達が行っている実験であり、また警告である――』

古泉『【電磁波過敏症】という言葉をご存知ですか?』
キョン「悪いが知らん!手短に話せ」
古泉『失礼。要するに、ある種の電磁波が体に悪影響を及ぼす、という説です。
   鉄塔のそばで生活すると体調を崩す、携帯電話が脳に影響を及ぼす。
   こうした俗説は多々ありますが、僕たちの組織では既に発見しているんです。

   ポケモンは、電波の影響でその生態に様々な影響が与えられるという事実を』

キョン「…おい、じゃあまさか」
古泉『その通りです。現在コガネシティ一帯に広がっている疾患は、
   ラジオ塔を占拠したうちのものが流していることが原因なんです。
   ある電波帯にある音源を載せて放送していること、それだけで』
キョン「何てこった…」

ハルヒ「…ちょっと。古泉君!」
古泉『はい!』
ハルヒ「あなた、今どうしてるの!」
古泉『申し訳ありません。十数分前にこの電波にやられてポケモンが無力化し、
   今は放送局の地下に監禁されています』
ハルヒ「自分の部下でしょう!何をやってるのよ!」
古泉『面目ありません。相手は武装していまして、手が出せませんでした』

ハルヒ「…武装?」

629 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 22:47:06.03 ID:8arPNnYo

古泉『僕が見たものは戦闘服一式、特殊警棒、テーサー。
   うちの特殊部隊のものがそのまま流用されていました』
ハルヒ「じゃ…うかつに踏み込むと」
古泉『やめてください!非常に危険です。装備がそれだけである可能性はありません。
   誰もポケモンを使用できないという前提があって、こうして準備していたとしか思えません』
ハルヒ「そうね。その通りだわ」
古泉『…ですが、僕の通信機器はまだ没収されていません。チャンスはあります』
ハルヒ「いつ?どういうチャンス!?」
古泉『現在、放送を受けて警察やうちの穏健派が周囲に展開を開始しているようです。
   ですが、彼らは警察といった外のものと取引する気はないのです。あくまで組織内の変革を求めている。
   こうした惨状を止めるために僕が折れるのを待っている。組織全体に対する世間の信用も落とす。
   それだけが目的の短絡的な反抗であり、犯行です。
   警察が介入すれば、更に何らかの敵対的行動を取る、と脅しをかけていることも容易に推測出来ます。
   ですから、一時的に交渉の目が僕以外に向いているうちに、脅しをかけられる根拠を排除して頂ければよいのです』
ハルヒ「…つまりどういうことよ?」

古泉『僕が死ぬか、相手が武器をなくし、折れるかのどちらかです』

ハルヒ・キョン「「!?」」
古泉『とは言いましても、この事件を起こした責任は僕にあります。
   死んでお詫びを、では世間が納得しないはずです。
   今回の事件を起こした強硬派のリーダーを捕らえ、音楽データを破棄する。
   それが、僕の考える一番理想的な解決方法です』

630 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 23:00:30.92 ID:8arPNnYo

キョン「それで?俺達に何で連絡を取ったんだ?」
古泉『あなた達なら解決に導いてくれる、と思ったのですよ。
   特に涼宮さん。あなたにお願いしたいのです』
ハルヒ「へ?あたし?」
古泉『あなたは現在、名前だけとはいえうちの団長なのです。
   有名無実、腑抜けとなじる声が強硬派から寄せられていた、という事実もあります。
   …ここはひとつ、団長の器を団員全員に知らしめるチャンス、と考えて頂けませんか』
ハルヒ「…何ですって?」
キョン「おい!」
ハルヒ「冗談じゃないわ!部下にそんなマヌケがいるなんてっ!
    全然わかってないのね、このあたしの偉大さを!」
キョン「馬鹿野郎!炊きつけてどうするんだ!」
古泉『深刻なお願いです。ミュウツーを持っているあなたたちなら、と』
キョン「…!」
ミュウツー「…過大評価が過ぎるようだが、人間」
古泉『おや、おられたのですか』
ミュウツー「これが、お前の言う『学ぶべきこと』、か?」
古泉『いえ。ただの不始末の押し付けです』
ミュウツー「はっきりというな。そんなつまらないことに乗れと?」

古泉『つまらないですか?』
ミュウツー「…何?」

古泉『これは、あなたの力を100%発揮出来るチャンスではないでしょうか。
   いつも押さえつけている、あなたの力を』

631 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 23:04:57.84 ID:8arPNnYo

ミュウツー「…詭弁だな」
古泉『そうですね。そうかもしれません。ですが、本音です』

ミュウツー「…フン」
キョン「…もしもし?とにかくだな、どういう作戦で――」

古泉『(ガンッ)』

キョン「…おい?古泉!?どうした!?」

『(ツー…ツー…ツー…)』

キョン「…切れちまったぞ」
ハルヒ「今、ガン、って音がしたわよね」
キョン「…まさか!バレたのか!?」
ハルヒ「可能性は高いわ」
キョン「…作戦立案、急ぐぞハルヒ!どうにかして、あいつを助けるんだ!」
ハルヒ「…キョン」
キョン「何だよ」

ハルヒ「やっと、いつもの顔になったじゃない」

キョン「は?」
ハルヒ「何でもないわよ!ねえ、あなた達も一緒に――」

632 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 23:09:33.74 ID:8arPNnYo

--------------

(新コガネ駅・リニアモーターカー乗降車ホーム)

「……フーディン、平気?……そう」

(古泉イツキからの連絡が途絶えた。事態は切迫している)

(他のカントーリーダーは間に合わない。間に合っても、これでは私以外に動けない)


長門「急ぐべき。目的地、コガネラジオ塔」

633 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/13(水) 23:11:32.64 ID:8arPNnYo

コガネ・破章でした

うん!今日で終わらなかったね!
明日から盆の墓巡りに旅立つので、次回の投下は少し遅くなります

649 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 14:01:42.80 ID:MYabK1go

--------------

ドスッ
「おい。いい加減に起きろ」

古泉「…む。…ああ、テーザーですか。僕を眠らせたのは」

「そろそろ色よい返事を聞かせて欲しいぜ、ボス。
 あんたの頭脳や人脈は惜しい。今からでももう一度、あの頃に立ち戻ってくれないか」
古泉「言ったはずです。僕はこのように平和的に世界を掌握する方を選んだのですよ」
「その選択をし続ければ、この街のポケモンが長く苦しむことになるぞ」
古泉「それはどうでしょう」
「強がる必要はないぜ、ボス。あの兄弟が作ったのは、『ねむり』状態にする音源だけじゃないってことは、
 あんたが一番よく知ってるだろうに」
古泉「…」
「まぁ、ここのモニターでずっと街が苦しむ様子を見てるんだな。気が変わったら呼んでくれや。
 …ああ、こいつは頂いておくぜ」
古泉「僕のポケギアを見逃すなんて、僕の教育がしっかりしてなかったとしか言い様がありませんね」
「かっかっか、いずれにせよ致命的な失敗にはならなかった。結果オーライって奴だ。じゃあ、またな」
バタン

古泉(『致命的な失敗にはならなかった』…ですか。
   残念ですね。僕は既にそれで、爆弾の導火線に火をつけてしまいましたよ)

650 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 14:14:35.09 ID:MYabK1go

ガチャ
「監視カメラは?」
「異常ありません」
「定時連絡」
「予定通りに」
「電波は?」
「依然、『ねむり』音源が基地局、支局から放送されています」
「そうか。…古泉は折れない。予定通り、30分後に音源を変更する」
「了解しました」
「全く。こういうことをするために、ああした兵器を開発していたのだろうに…」

ビーッ! ビーッ! ビーッ!

「何だ!?」
「支局でトラブル発生。放送電波が停止しました!」
「何! 原因の究明に出せる人員は!?」
「休憩中の巡回要員だけです!」
「すぐに出せ!くそっ、何があった!」

651 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 14:22:35.62 ID:MYabK1go

--------------

ブスブスブスブス…
ピカ「ぴかちゅー」
ハルヒ「グッジョブ、ピカチュウ!さ、次の放送塔は?」
ミュウツー「もう一基、エンジュシティ方面にあるな」
ハルヒ「カイリュー!ひとっとび、頼むわよ!」
カイリュー「りゅー!」

キョン「…なぁ」
ミュウツー「何だ」
キョン「これ、器物損壊とか公共物破壊とかにあたるんじゃないか」
ミュウツー「だろうな」
キョン「…まあ、これで電波が一時的に停止するなら…いや、でも…」
ミュウツー「何をブツブツ言っている? 早く行くぞ、バリアーなしでは依然危険なのだからな」
キョン「…やれやれ」

キョン(俺達はまず、ピカチュウの『かみなり』で放送塔の発電機を沈黙させている。
    この動きがラジオ塔に伝われば、現場は必ず不測の事態に向けて動く。

    悪いが、まずその隙を突かせて貰う)

652 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 14:50:07.82 ID:MYabK1go

--------------

「現場からの連絡は!」
「依然ありません!市内の混乱により、現場への到着が遅れている模様です!」
「くそっ…!定時連絡は!」
「通常通りに来ています」
「監視カメラは?」
「異常ありんせん」
「周辺に不審者は」
「見当たりません!」
「よし。ここを攻撃されるわけにはいかん。気を引き締めてかかれ!」
「「「了解!」」」

「…くくく」
「どうした」
「いえ。何でもありんせん」

653 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 15:04:32.08 ID:MYabK1go

--------------

古泉(…騒ぎが大きくなってきましたね。涼宮さん達、一体何をしているんでしょうか。
   街の様子は…ほう。一部地域で症状が回復…ですか。なるほど)

カチャカチャ…カチャ

古泉(いい感じです。外に注意が向けば、内部に目が向かなくなる。
   そこを即座に突いて来る。典型的なゲリラ戦法です)

カチャカチャ…カチン

古泉(相互に連絡を取り合った…ということはないでしょうね。
   いずれにせよ、こんなに早く来てくれるとは)

ガチャ

古泉「お待ちしてましたよ、長門さん」
長門「……」(コク

654 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 15:10:53.55 ID:MYabK1go

長門「状況がわからない」
古泉「僕の団の一部が、クーデターを起こしてこのラジオ塔を占拠。
   現在街でポケモンが強制的に『ねむり』状態にさせられているのは、
   このラジオ塔から発されている電波の影響です」
長門「理解した」
古泉「あなたのポケモンは?」
長門「問題ない。ボールの周囲に不可視波長遮断フィールドを展開済み。
   ボールから出れば、後は各自でどうにかする」
古泉「相変わらず素晴らしい超能力の冴えですね」
長門「……現在、この建物内では混乱が起きている」
古泉「おそらく涼宮さん達のおかげでしょう。支局の放送塔がひとつ、沈黙しているようです」
長門「……え?」

長門(あの二人も……いる?)

古泉「何か?」
長門「何でもない。状況は把握した、あなたをここから脱出させる」

655 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 15:26:24.94 ID:MYabK1go

--------------

「もう一つの支局も放送停止だと!?」
「は、はい!」
「外出した者に連絡、そちらの確認、可能なら復旧も急ぐように伝えろ!」
「はっ!」
「付近の哨戒は!」
「異常ありません!」
「定時連絡!」
「通常通りです!」
「監視カメラに異常は!」
「ありんせん」
「よし、交代の時間だ。休憩していた者が出払っているので、このまま哨戒任務にあたれ」
「了解でありんす」
タッタッタッタ…


「…!異常発生! 古泉の姿が部屋から消えています!」
「何だと!?」
「…遡って10分前、素性不明の女と脱出しています!」
「先刻のカメラ担当者を呼べ!」
「…ダメです!連絡がつきません!」

656 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/18(月) 15:35:02.23 ID:MYabK1go

「ふう、ちょろいものじゃ。…っとと、この体のままではいかんの」

スウッ… バタッ

ゴス「すまんの。聴こえてはおらんじゃろうが、一応謝っておくぞ。
   それからの、ぬしの体、少々血圧が高いぞ。食事には充分気をつけることじゃ」

ゴス(さて…次に取り付くのはどれにするか…
   先ほど見ておった通路には、あの二人連れが倒したものが転がっておろうが…。
   …ふむ、先にあやつらと接触しておいたほうが無難かの)

ゴス「さて、そうと決まれば… …ッ、あたた… いかんの、早く電波を止めぬと」

ブワッ

671 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 21:04:03.62 ID:JybHetEo

--------------

長門「フーディンもそう長くはもたない。急いで」
古泉「すいませんね…。先ほど、ポケモンも取り上げられてしまいまして」
長門「後で聞く。走って」
古泉「はい。…よし、この先のはずです!」

--------------

ゴス「ふうむ?第一スタジオ…かや?…うむ、人型を取っておいたほうがよかろうの…」

--------------

「古泉の行方は!」
「ダメです!監視カメラには映りません!」
「哨戒要員からの連絡、ありません…!」
「ええい!第一スタジオに来るぞ、連絡しておけ!」
「はっ!」

--------------

キョン「…なあおい、本当にそこから行く気か?」
ハルヒ「当たり前よ。ゴスりんのかく乱が失敗していたらどうする気よ」
キョン「しかしなぁ…」
カメ「ぜにー」
ハルヒ「いいからほら!ちゃっちゃと進むわよ!」

673 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 21:14:11.66 ID:JybHetEo

--------------
(第一スタジオ)

ガァンッ!
古泉「放送を止めろ!」
長門「止めなければ強制排除する」

「来たぞ!古泉だ!」
「よし!手はずどおりにやれ!」
「ハッ!」

ズゴンッ

古泉「手榴弾!?」
長門「違う。これは」

モクモクモクモク

長門「煙幕。……化学薬品の臭いがする」
古泉「催涙弾です!長門さん、伏せてください!」
長門「フーディン伏せて。……5人いた」
古泉「5人……!」

「マスクは機能しているか」
「異常ありません!」
「よし。これより古泉の確保に移る!」

674 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 21:28:21.88 ID:JybHetEo

古泉「入り口へ退避します!」
長門「やむを得ない」

ダッダッダッダ バタンッ

古泉「すぐにここを離れましょう。ここにいることは既に連絡されていると思いますが」
長門「しかし、放送の停止も優先課題」
古泉「くっ……。……長門さん?」
長門「何」
古泉「フーディンは……?」


長門「……あ」


フー「フーッ…!」
「いません!ポケモンだけが残っています!」
「やむをえん。テーザーで捕らえろ!」

675 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 21:35:35.32 ID:JybHetEo

フー「フーッディン!」
ガンッ
「がっ!」
「構うな一匹だ、テーザーだ!テーザーで制圧しろ!」
「ハッ!」

バシュッ ズバババババッ

フー「フゥーッ!!……うっ」
バタン

「よし!古泉を追うぞ!」

『つれないのぅ』

「…ぬ?誰だ!」
「お、女の声…!?」
「馬鹿な、ここには俺達しかいn」

『ここじゃよ、ここ』スッ

「「「……ひぃぃぃぃっ!!??」」」

676 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 21:45:07.67 ID:JybHetEo

バシュッ! バシュッ! バシュッ!

カシャン…

『ごめんよ。わっちゴーストじゃから、こういうものは当たらんのじゃ』
「「「ひあぁぁぁぁぁっ!!」」」
『それよりほれ、放送しておる機材はどれかや?』
「「「ひゃ、ひゃあっ、ひゃっ」」」バタバタン

ゴス「何じゃ、皆バケモノでも見たように気絶しおって。…あぁ、そうか」

ゴソゴソゴソ

ゴス「……うん、これで止まったの。おーい、入ってくるがよい」

ガチャ

古泉「ひっ!?」
長門「!?」

ポワン

ゴス「わっちじゃよ、わっち。…あたた、頼むからやけどなおしを塗ってくりゃれ」
古泉「あなたは…彼の」
ゴス「いいから早う…!」
古泉「は、はい!」

677 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 21:52:51.23 ID:JybHetEo

--------------

古泉「最初からやけど状態で…!」
ゴス「そう。あの電波で強制的に眠らされてしまうなら、先に状態異常になればいいんじゃ。
   かといって、凍ってしまえば動けぬし、麻痺してしまえばいざというときに不安が残る。
   そこで、コンたんに頼んでの」
長門「無茶にもほどがある」
ゴス「そう言うてくれるな、娘。おかげであの電波の中、わっちはなんとか動けたわ。
   時折くらくらしたがの。痛うてすぐに目が覚めたわ」
古泉「…ありました!音源です!」
長門「すぐに破壊して」
ゴス「わっちが握りつぶしてくれよう。…うりゃっ!」

バキッ

ゴス「んむ、すっきりした」
古泉「…しかし、音源がこれだけとは限りません。コピーがあるかも…」
長門「あるとして、可能性のある場所は」
古泉「さて…」

スッ
長門「……誰か来た」
ゴス「……そのようじゃな」

690 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 20:22:27.08 ID:8puqB8Mo

--------------

「第一スタジオからの応答…完全に途絶えました…」
「……」
「…ボス?」
「プランC。第三スタジオへ指令を出せ」
「……本気ですか!?」
「古泉はもはやどうあっても説得に応じない。
 我々で理想のロケット団を取り戻すために出来ることは、既にこれしか残されていないのだ」
「しかし!」

「命令を復唱しろ!プランC実行、即時行動に移れ!」

「……プランC発動!
 哨戒要員は直ちに退去せよ!繰り返す!――」

--------------

692 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 20:34:21.51 ID:8puqB8Mo

古泉「僕のモンスターボール……」
ゴス「よかったの。ほれ、皆ぬしの顔が見れて喜んでおるぞ」
長門「あなたの顔も笑っている」
古泉「よしてください。ありがとうございます、涼宮さん。おかげで僕もひと暴れ出来そうです」

ハルヒ「よしてよもう。たまたま途中で見つけただけなんだから」
キョン「ま、これは事実だな。あんなところから入らなきゃ、わかりゃしねえ」

古泉「そういえば随分服が汚れておられるようですが…」
長門「顔や手もどろんこ」
キョン「進入経路の確保に、ちょいと手間がかかってね……」

--------------

(数十分前)

ドシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ

キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「何よ!」
キョン「いくら…なんでも…こんなに遠くから掘らなくてもいいだろ!?」
ハルヒ「近くだと見つかるかもでしょ!いいから早く指示を出して!」
キョン「くそっ!ミュウツー!穴が崩落しないようにバリヤーを」
ミュウツー「している」
キョン「…。ケンタくん!岩が出たらすぐにはかいこうせんだぞ!」
ケン「ぶももー!」
ハルヒ「ダグトリオ!大急ぎで掘るのよ、じゃないと死刑だから!」
ダグ「だぐー!」

693 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 20:39:53.17 ID:8puqB8Mo

キョン(ラジオ塔に地下階層があることを知った俺達だが、
    地下道からの進入口は見張られているだろう、というハルヒ先生の弁に則り、
    別の侵入経路を製作している土木作業班がここに1名と3匹。
    …ハルヒ?俺達の後ろで、『超監督』の腕章つけてふんぞり返ってるぜ)

ガツンッ

ダグ「だぐー!」
ハルヒ「着いた?…この壁がそうなの?」

コンコン

ハルヒ「確かにコンクリートみたいね…。ミュウツー?」
ミュウツー「…間違いない。測量が完璧なら、ここはラジオ塔の真下だ」
ハルヒ「あなたの測量が間違っている可能性は?」
ミュウツー「ゼロだ」
ハルヒ「よし。キョン!頼んだわ!」
キョン「へいへい。…ケンタくん!いけっ!」
ケン「ぶももー!」

ドガガガガガガガッ!

694 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 20:48:03.84 ID:8puqB8Mo

--------------

コンコン

「…ん?」
「音…がしたな。壁を叩くような」
「さっきから変じゃないか?トンネル工事の音がどんどん近づいてきてるようだったし」
「まさか、ここに間違ってトンネル掘ったとか?」
「どんなアホな業者を雇ってるんだよ。…ん?」
「どうした」
「『頼んだわ』…って何だ?女の声がしたような…」
「は?」

ドガガガガガガガッ!
ズッガァァァァァァンッ

「「どあぁぁーっ!?」」ガンッ

ヒョイ
ハルヒ「あれ?誰か倒れてるわよ」
キョン「…もしかして、蜂起したロケット団!?」
ハルヒ「こいつらが?…こら、起きなさいよ!」
キョン「ガシガシ蹴るなよ。…まずは拘束してからだ」

695 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 21:02:46.85 ID:8puqB8Mo

--------------

キョン「すると、ここでは古泉のボールを保管していて」
ハルヒ「あんたたちは、見張り任務をいいことにここで思いっきりサボっていたと」
キョン「呆れた奴らだな」
ハルヒ「全くよ!…さ、知ってることはキリキリ吐きなさい!」
「「ひっ…!」」

キョン(ハルヒがまた二人を締め上げ始めたのをいいことに、俺はミュウツーの傍へ寄った)

キョン「おい」
ミュウツー「何だ?」
キョン「電波妨害はまだ止まっていないのか?」
ミュウツー「そのようだ」
キョン「…ゴスりんは失敗したのか?」
ミュウツー「…気配は感じない。ただ、誰かに取り付いている可能性はある」
キョン「そうか……」

ハルヒ「わかったわ!音源を放送しているのは第一スタジオ。さ、行くわよ!」
ダッダッダッダッダ

キョン「ちょ、おい待て!行くぞ!」
ミュウツー「ああ」
タタタタタ

「「ち、ちょっと!?俺達このまま!?」」

696 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 21:28:45.50 ID:8puqB8Mo

--------------

キョン「で、勇んで飛び出たものの第一スタジオの場所がわからなかったから、
    仕方なく館内案内板見て、その際に見張りに見つかってミュウツーが黙らせた」
長門「少しはスネークを見習うべき」
キョン「で、喜んでエレベーターに乗ったら出口で見張りと鉢合わせたから、
    またミュウツーに黙れせようとしたらハルヒがとび蹴りをかました」
古泉「よくよく無茶な方です」
キョン「で、走ってここに来たらお前らがいたってわけだ」
ゴス「なるほどのぅ」
キョン「…そこに倒れてるのは誰がやったんだ?ユキか?」
ゴス「わっちじゃよ。失礼にもわっちの顔を見るなり卒倒しての」
キョン「火傷してた顔みりゃ、そりゃ誰でもビビるだろ…」
ゴス「そういえばぬしも最初はビビっておったの」
ハルヒ「お化け屋敷でアルバイトしたら、きっと話題になるわよ」
ゴス「本物のお化けがお化け屋敷で働くのは、本末転倒じゃと思うんじゃが…」

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

「哨戒要員はただちに退避しろ!繰り返す、哨戒要員は直ちに――」
ハルヒ「何?まさか逃げる気!?」
古泉「それはないはずですが…」
キョン「だが、現に退避するようにと放送してるじゃないか」
長門「ロケット団の占拠行動マニュアルを思い出してほしい」

古泉「…まさか!」

697 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 21:56:16.29 ID:8puqB8Mo

キョン「何だ!」
古泉「目的達成が困難である場合、
   撤退と同時に出来る限り敵対勢力の消去を行うプランがあるのです。
   …この場合、施設の爆破などが相当でしょう」
キョン「な!?」
古泉「僕が彼らにかどわかされる可能性をもし彼らがないものとした場合、
   充分に考えられます。ここまでの僕の行動から、彼らがそう判断した可能性は高い。
   …すぐにこの場を離れなくては!」

長門「爆発物は発見されていない」

古泉「…え?」
長門「あなたを助けに行くまでにビル内の主要な区画に爆発物がないかどうかは調査済み。
   その結果、爆発物の設置は行われていないことがわかった」
古泉「あなたの調査なら間違いはないでしょう。…では一体…」
ハルヒ「ちょっと待ってよ。相手は自爆覚悟でメンバーを退避させようとしてるんでしょ!?
    じゃあ、キョン!あそこにあの仕掛けを打ったのは…」
キョン「…まずいな。何をする気か知らないが…」

--------------

(ラジオ塔・入り口)

「な、なんだこいつは!」
「出口を塞いでいる!?くっ…動かん!」
「テーザーは待て!余計に動かなくなる可能性が…!」

カビ「...zzzZZ」

698 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 22:15:49.78 ID:8puqB8Mo

ピンポンパンポーン
『古泉』
古泉「!」
『既に状況は理解しているな。我々はプランCを発動させた』
古泉「C!?」
『現在施設内で任務を遂行しているのは俺だけだ。
 …今回はラジオ塔と放送音源の両方を手にしている。当然の判断だ』
古泉「皆さん急いで!」
キョン「何だ!?爆発するってのか!?」
古泉「早く!」

『既に地下の第三スタジオにて準備は整っているはずだ。
 我々が手にしているのは「ねむり」音源だけではないと、言っておかなかったかな』

ハルヒ「…!」
古泉「ぐぅっ…!」
長門「まさか」
ミュウツー「…」
キョン「他の音源だと!?」

『「こんらん」音源と進化促進音源。…さて、どのような地獄絵図が見られるだろうな、古泉?』

704 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 20:21:34.26 ID:YiXoqgQo

古泉「爆弾をセットしていなかったのはそういうわけか!」
『少なくともこの塔を崩すには、貴様のポケモンが全て暴れだせば足りる。
 そこに貴様の仲間もいるようだが、彼らのポケモンも協力してくれれば更に難度は下がる』
ハルヒ「そんなことはさせないわ!」
『フン、何か吠えているようだな。では、そろそろモニターとスピーカーの前からは失礼させて頂く。
 部下に指示を出さねばならないのでね』

ブツッ…

キョン「どうする!?」
ハルヒ「どうするって…バリアーの中に入れば大丈夫でしょ?」
キョン「あ、そうか…」
古泉「問題はそれだけではありませんよ!?もしこの電波が街中に流れれば…!」
長門「コガネ湾でギャラドスが大量発生する危険がある」
キョン「!」
カメ「ぜ、ぜににっ!」
キョン「あっ…!ピジョットやオニドリルも…!」
ハルヒ「むしポケモンが大量に発生したり…するの!?」
古泉「未曾有の事態ですよ!」

ミュウツー「…」

705 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 20:37:24.85 ID:YiXoqgQo

ミュウツー「…地下へ急げ」
キョン「何?」
ミュウツー「急げと言った!俺がどうにかする!」
キョン「…おう!いくぞハルヒ!地下だ!」
ハルヒ「え、えぇっ!?」

ミュウツー「全力を出せるかもしれない、と言っていたな」
古泉「…はい」
ミュウツー「全く役不足だ。この程度ではとても全力は出せないな」
古泉「そうですか。では、適当に」
ミュウツー「もとよりそのつもりだ」

シュッ

長門「テレポーテーション。行き先は塔の上空、…私も出る」
古泉「お願いします。僕は涼宮さん達を追いましょう」
長門「任せた」

タッタッタッタッタ

長門(あのポケモンは……あの時彼が捕獲したもののはず。
   興味がある)

シュッ…

706 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 21:12:35.64 ID:YiXoqgQo

--------------

シュッ

長門「何をする気?」
ミュウツー「電波というものはどういうものか知っているか」
長門「電磁波の一種。特に波長が長いものを指す」
ミュウツー「『波』というのが肝だ。ここまで言えばわかるな」
長門「……。把握した」

ミュウツー「今からここに出てくる電波を、完璧にジャミングする」

--------------

キョン「エレベーター…くそっ!下に降りてやがる!」
古泉「先ほど彼らの避難に使われたんです!非常階段は…反対側です!」
ハルヒ「まどろっこしいわ!」
ガタンッ
ハルヒ「こっから出るわよ!」
古泉「窓ですよ!?」
キョン「避難用具もねえじゃねえか!」

パァァァァン

リュー「りゅー!?」
ハルヒ「飛び降りるのよ!カイリューが受け止めてくれるわ!」

バッ

キョン「ちょ、待て!」

708 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 21:45:58.33 ID:YiXoqgQo

--------------

ミュウツー「奴ら、飛び降りたな」
長門「え!?」
ミュウツー「取り乱すな、カイリューが出ている。間違いなく受け止める」
長門「……取り乱してなどいない。私はいつもどおり」
ミュウツー「顔が赤いぞ」
長門「気のせい」
ミュウツー「…うむ、三人とも入り口まで下り立ったか」
長門「……」(ホッ

ミュウツー「もっと素直に生きるといいと思うぞ」
長門「何のことかわからない」

--------------

キョン「……何とか生きてた……」
ハルヒ「くぉら、カビゴン!もういいから起きなさい!」
カビ「…。ごん?」
ハルヒ「まどろっこしいわね!戻れ、カビゴン!」

シュルルルルル…

「消えたぞ!」
「早く逃げるんだ!」

ハルヒ「邪魔よあんたたち!どきなさい!」

ドガッ! バキッ! ガスッ!

「「「ギャーーーッ!」」」 キラン

709 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 22:01:42.65 ID:YiXoqgQo

--------------

長門「飛ばされて星になるとは非常識にも程がある」
ミュウツー「あの女はそういう女だ」

「やなかんじぃぃぃー!」 キランッ

長門「また一人飛んでいった」
ミュウツー「…あの女はそういう女だ」

--------------

ハルヒ「地下への階段は!?」
キョン「こっちだろ!」
古泉「急がないと…!」

--------------

「よし。始めろ」
「……」
「どうした。やれ」
「…は」

710 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 22:23:00.55 ID:YiXoqgQo

--------------

ミュウツー「!」(ビリッ
長門「フォローする」
ミュイィィィィィィ
ミュウツー「…っ…。コンマ数秒遅れた…」
長門「可視範囲内に影響は出ていない。あせらずにいくべき」
ミュウツー「よし…!」
ィィィィィィィィィィィィ

ミュウツー(これは…思ったよりも厄介な作業になってきたぞ…!)

--------------

ブイ『びっ!?』
ハルヒ「え!?どうしたのよ!?」
ブイ『びっ…ぶいーっ!』

タカタタン ダッダンダッタンダッダンダッダー

ハルヒ「え、ちょっと!どうしたのよ!?」

パァァァァァァァッ

古泉「進化電波の妨害が…一瞬、間に合わなかったようです。
   遺伝子的に不安定な状態のイーブイは、わずかな刺激でも進化してしまったのでしょう…」
キョン「イーブイが…」
ハルヒ「進化しちゃった…」

ブラッキー「ぶら?」

711 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 22:37:06.53 ID:YiXoqgQo

--------------

「状況は!」
「…街の様子に変化はありません」
「何故だ!放送は正常に行われているのか!?」
「そのはずです」
「では一体…!」

「…!ここで飛んでいるのは何だ!」

「は?」
「ポケモンの足が見えたぞ!こいつが原因だ!」

--------------

ハルヒ「第三スタジオは!?」
キョン「この奥だ!」
古泉「ここは僕が。いけっ!サイドン!」

サイドン「ドォォォォォォンッ!!!」

--------------

ミュウツー「……」
長門(……。先ほどから一言も発していない)

ツゥッ…

長門(……汗?このポケモンが……?)
ミュウツー「…っ……」

713 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 22:50:54.77 ID:YiXoqgQo

--------------

「排除してこい!こいつさえ落とせば後はどうにでもなる!」
「出来ません!」
「何だと!?」
「自分は確かにポケモンを利用しての世界征服には賛同しました!
 しかし、罪のないポケモンを殺してまで…!」
「口答えをするな、この甘ったれが!」

ガァァンッ!!

「誰だ!」
キョン「騎兵隊の登場だぜ!」
カメ「ぜにっ!」
ハルヒ「放送を止めなさい。でないと」
古泉「僕とこいつがが黙っていません」
サイ「ぐるるるる…!」
「くっ…」
古泉「おや。後ろの君は」
「今すぐ放送を停止します!手荒なことはやめてください」
古泉「ありがとうございます」

カチッ

714 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 22:54:13.77 ID:YiXoqgQo

--------------

ミュウツー「っ…がぁっ…ッ!」
クラッ
長門「まさか…自分へ直接向けられた電波には、干渉出来ていない…!?」
ミュウツー「…ぁぁァアっ!」

フッ

ミュウツー「っ……」(ガクッ
ヒュゥゥゥゥ

長門「気を失った!?フーディン!!」
フー「フ!」
シュッ


長門(駄目。このタイミングではテレポートでも……)


ドンッ ドサッ…

ミュウツー「――――」

749 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/10/11(土) 22:22:22.00 ID:uK342OM0

--------------

キョン「……」
ハルヒ「……」
ミクル「……あのぅ……確かにミュウツーは、お預かりしました……」
キョン「あぁ……ありがとうございます、朝比奈さん」
カメ「ぜに〜」
ミクル「えっと、はい……」

キョン(そう言って、静かに面を伏せる朝比奈さん。
    隣に座っただんまりのハルヒは、落ち着かない様子で壁をねめつけている。
    ここは――カントー、グレンタウンのポケモン研究施設だ。
    今回は何故俺達がここにいるか、というところから始めるべきかな)

750 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/10/11(土) 22:29:31.79 ID:uK342OM0

--------------

キョン(数時間前、ジョウトのコガネシティ。
    俺達は大通りに倒れ伏したミュウツーを囲み、茫然としていた。
    危機は去った。くだらない陰謀は潰え、いよいよ俺達はポケモンリーグに挑むのだ。
    …そのつもり、だった)

キョン「その矢先になんだよおい。……ミュウツー。ミュウツー!」
ユキ「……ボールに収容して」
キョン「だが!」
ユキ「早く」
キョン「      」

パンッ

キョン(こんがらがった何かを叫びだそうとしたその瞬間、俺は思いっきり横っ面を張られた。
    …手を真っ赤に腫らしていたのは、超絶に凄みのある目つきのハルヒだった)
ハルヒ「落ち着きなさい。……ボールに仕舞って、ポケモンセンターに行くの」
キョン「……あ、ああ」
キョン(気圧されそうになりつつも、俺は急いでボールにミュウツーを戻す。
    そうだ。急げ!早く治療しないと!)

752 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 22:36:51.09 ID:uK342OM0

(コガネ・ポケモンセンター)
古泉「……治せないとは、どういうことですか」
「あの……申し訳ございません。なにしろ、前例のないことでして……」
キョン「前例!?そんなものいらねぇ、あいつをリフレッシュするだけでいいんだ!」
「い、今からご説明させていただきますので」

キョン(ジョーイさんの合図で、ハピナスが部屋の照明を絞る。
    そして俺達の前に現れたのは、レントゲン写真のような半透明の写真だった。
    CTスキャン写真…ってやつか?)

「皆様がお連れになった、ミュウツーというポケモンですが……
 わたくし共のところには、このポケモンの生態に関するデータ、通常時の生体の情報、
 並びにに今回の症状である『こんらん状態の多重掛け』という症状。
 これら全てにおいて、何もデータがございません」
キョン「だ、だが!普通の治療を施してみたんですか!?」
「はい。ですが……全く受け付けられず……」

ダンッ

キョン(たてた音に自分で驚いた。
    本当に無意識のうちに…俺は、壁を拳でぶん殴っていたらしい)

754 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 22:49:37.50 ID:uK342OM0

古泉「落ち着いてください……!」
キョン「古泉。お前はいい、黙ってろ。
    データがない。だから治療できない。……そうですよね。
    あいつはハイブリッドだから。世界に一匹しかいないから。
    ……はは。……くそぉぉっ!!」

キョン(叩いた。何度も何度も叩いた。
    もう古泉は止めない。ハルヒもユキも止めない。ただただ、沈痛な表情で黙り込むだけだ。
    俺がこんなことをしても何の解決にもならない。そんなことはわかってる!
    俺が痛むことでミュウツーが救われるのか?否。全くのノーだ。
    叩き付け続けた拳は血が滲み、真っ赤に腫れ上がっていた。痛い。神経に響く。
    痛い。どこが?拳が。痛い。頭が。胸が。心が。痛い痛い痛い。
    頬が熱い。目頭が燃えるようで何も見えない。俺は。俺は。俺は。

    何だ。

    俺は、泣いてるのか。

    何かを堪えているようなハルヒと目が合う。
    ハルヒも……目頭に涙を溜めている。
    何だよ。お前に泣いてる顔なんか似合わないって……。

    ……ふと、誰かが泣いてる姿を思い出す。あれはどこで、誰だっけ……。

    その自覚と痛みが、ようやく激昂した俺の脳を醒ました)

キョン「……朝比奈さんだ」

755 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 22:55:10.44 ID:uK342OM0

キョン「すいません!電話かけても大丈夫ですか!」
「はっ、はいっ!この部屋を出て、廊下で…」
ハルヒ「ちょ、キョン!?どうしたのよ!」

キョン(返事をしている場合ではない。
    俺は廊下に飛び出し、ポケギアを通話画面に切り替える!
    グレンの朝比奈さん。ミュウツーの生みの親、育ての親代わりである彼女。
    ボタンを押す指が焦る。発信音がもどかしい。早く出てくれ朝比奈さん!)

とぅるるるる とぅるるるる
ガチャ

ミクル『はぁい、ミクルです。どうもこんに…』
キョン「すいません、緊急事態なんです!今どちらですか!」
ミクル『ふぇ、い、今はグレンのポケモンセンターで、』
キョン「そこにいてください!今、そちらのポケモンセンターにミュウツーを送ります!」
ミクル『え、えぇっ!?ど、どうし、』
キョン「ミュウツーが諸事情で重体なんです!治療出来るのはあなただけかもしれないんだ!」
ミクル『えっ……!?』
キョン「すいません、ちょっと電話このままにしといてください!」

キョン(俺は急いで廊下から扉を開け、室内に向かって早口で声をかけた)

756 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 23:06:00.43 ID:uK342OM0

キョン「ジョーイさん!ミュウツーをボールに入れて、他のポケモンセンターに送れますか!?」
「え、あ、可能ですっ!でも、受け取りはご本人様でないといけない決まりで」
キョン「一刻を争うんです!グレンのポケモン研究所なら、こいつのデータがある!
    もしかしたら、治療が間に合うかもしれないんです!」
「わ、わかりました!すぐに向こうに送ります、こちらからも緊急を告げて、特別に受け渡しさせます!」
キョン「ありがとうございます!…朝比奈さん!」
ミクル『は、はい!えっと、ミュウツーを受け取ればいいんですね」
キョン「そうです!すいません、今から症状について詳しく説明してもらいますから!」

キョン(そう言って、俺はジョーイさんを手招きし、ポケギアを渡した。
    ジョーイさんは電話口で、ミュウツーの症状について詳しく説明を始める。
    それはすぐ、何やら専門用語や数値が飛び交う、よくわからない話になっていた。

    それを確認した俺は、ぽかんとしている三人と一匹を振り返った)

キョン「行くぞ、皆」
カメ「ぜ、ぜにに!?」
キョン「カントーだ。カントーに帰る。……その足でグレンタウンに行くぞ」
ユキ「……そう」
ハルヒ「あんた……」
キョン「あ……。いや、お前は残っててもいいぞ。ジム戦の決着、まだだしな」
ハルヒ「行くわよ!行くに決まってるでしょ!ミュウツーはもともとあたしのモンよっ!?」
古泉「アサギの高速艇では遅すぎますね。少々お待ちを」

キョン(古泉が急いで廊下に出て行く。どうやら電話をかけるらしい。
    ハルヒは先ほどの自失状態からはすっかり脱却し、怒ったような顔でこちらを睨んでいた)

757 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 23:13:25.18 ID:uK342OM0

ハルヒ「キョン」
キョン「何だよ」
ハルヒ「なかなかの処置ね。壁を殴りだした時は正気を疑ったけど」
キョン「……うるさい」
ハルヒ「助けるわよ、ミュウツー」
キョン「言われなくても、だぜ」
ハルヒ「よしっ!」

キョン(やっとハルヒがいつものように笑った。
    ジョーイさんがポケギアを持って部屋に駆け戻ってくる。
    その後ろに、いつものニヤけ面に戻りかけている古泉が立っていた)

「今ミュウツーを転送しました。すぐに研究所に搬送するそうです。
 あ、落ち着かれましたら一度グレンのポケモンセンターに寄って下さいね。
 いくつかの手続きを飛ばしましたので、事後承諾の形ですが書類を書いていただくことになるので…」
キョン「あ、わかりました」
古泉「皆さん、今電話でリニアのチケットを取りました。
   30分後の便ですので、急いで出発しましょう」
ユキ「了解した」
ハルヒ「行くわよ!」

758 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 23:24:33.41 ID:uK342OM0

(新コガネ駅・リニアモーターカー乗降車ホーム)

キョン(タクシーを捕まえ、超特急でついたリニア駅。
    移動中、古泉は何やら色々な番号に電話をかけまくっており、
    ユキは黙り込んで本も広げず、まるで人形のようにおとなしかった。
    ハルヒはハルヒで、心配そうな顔や怒ったような顔をひっきりなしに表に出しては、
    慌てて無表情を装おうとして、また変な顔になる…といった百面相状態。

    俺はそれらを横目に、コガネのジムに電話を一本入れた。
    事件は解決し、急用が出来て今からカントーに帰る旨を伝えるためにな。

    駅に着いた俺達はバタバタと予約したチケット(なんとグリーン車だ)を受け取り、
    慌しくホームに向かって息を切らせながら突っ走った。
    そしてもうすぐホームに電車が入ってくる、そんな時だった――)

「「「「涼宮さ〜んっ!!」」」」

キョン(俺達と同じく息を切らせた美人が四人、こちらへ向かって走ってくる。
    ああ、彼女達も来てくれたのか。そんな思いで俺はそちらを見やった)

ハルヒ「えっ?あ、あなたたち……」

マイ「はぁっ…!よかった、間に合ったぁ〜…」
ミズキ「挨拶だけでも!と思って、急いで来たんです」

キョン(コガネジム四人娘、ENOZ。
    そんなに慌てて来なくてもよかったのに。つい苦笑してしまう)

759 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 23:39:56.05 ID:uK342OM0

ミユキ「それだけじゃないんですけどね」
ハルヒ・キョン「「え?」」

キョン(ミユキさんがほら、と促すと、ごそごそと鞄を探っていたタカコさんが、
    これ、と俺達に何かを差し出した)

タカコ「レギュラーバッヂ。あたしたちの気持ちだから」
ハルヒ「え、え、でも、あたしたちまだ、勝ってないし…」
キョン「ジム戦はまだ、預かり勝負だったはずですよね」

マイ「いいのよ」
ミユキ「このコガネの街を守るために戦ってくれた。
    それだけで、あなたたちはこのバッヂを持つ資格があるわよ」
ミズキ「しかも、守り抜いてくれたってんじゃあねえ。
    あたし達、ジムリーダーの看板下ろさなきゃいけないかしら」
タカコ「ほら。遠慮しないで貰ってってよ、邪魔になるもんじゃなし。
    納得がいかないなら、また暇な時にジョウトに来てよ」
ミユキ「そうそう。あたしとも勝負してほしいしー」
マイ「勝負は勝負で、またいずれつけましょうよ。
   それまで、このバッヂを預かっててくれればいいんだから」

キョン(女性四人が、さあさあ!…と俺達にバッヂを押しやる。
    俺とハルヒは顔を見合わせて、それから遠慮がちにバッヂを手にした。
    その瞬間、グッ!…っと四人が親指を立ててこっちを見てくる。
    何だ、この展開)

760 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/11(土) 23:54:57.02 ID:uK342OM0

『まもなく、XX時XX分発、ヤマブキ行きの列車が発車します――』

マイ「あ、もう発車かぁ」
ミユキ「じゃあ!またコガネに来てねー!」
タカコ「ポケモンリーグ、負けないでね!」
ミズキ「オトモダチも一緒にねー!」

キョン(姦しい四人組に手を振り、俺達は車内に駆け込む。
    ドアが閉まる前に席につかないと、あいつらが心配するからな。
    しかしこれで、どんな形であるとはいえ――)

ハルヒ「ジョウトジム、完全制覇…?」
キョン「みたいだな」
ハルヒ「そっか……」

キョン(そのまま神妙な顔で席に着くハルヒに、古泉がどうしました、と声をかける。
    ちょっとね、と実にハルヒらしくない曖昧な返事を返し、奴は窓の外へ視線をうつす。
    そんなハルヒを見て、俺の方に視線を向けてくる古泉に、俺は首をすくめてみせた。

    わかんねーよ、こいつが思ってることなんざ)

761 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/12(日) 00:02:47.76 ID:prlW.Co0

--------------

キョン(ヤマブキシティに着いた俺たちは、すぐにグレンタウンに移動した。
    そして研究所にて朝比奈さんに会い、今に至る……)

キョン「ミュウツーの治療を引き受けていただいて、本当にありがとうございます」
ミクル「えっと…はい。あの、そのことでお話があるんです」
キョン「何でしょう」

キョン(朝比奈さんは、おどおどと視線を泳がせながら、慎重に言葉を選んでいた。
    そして、意を決したように俺たちに語り出したのだ…)

ミクル「確かにここには、ミュウツーのデータはあります」
キョン「はい」
ミクル「ですが…。ミュウツーが以前、研究所を破壊したのは覚えておられますか?」
キョン「…あ」
ミクル「そうなんです。確かに破壊を免れていたミュウツーの生態データはあります。
    しかし、それが治療に応用できるほどの内容かどうか…保証はできません」
キョン「わかりました…。しかし、現状でここ以上の処置をできる場所はないはずなんです。
    よろしくお願いします」
ミクル「ええ、それはもう…。あたしたちのベストを尽くさせてもらいます」

762 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/12(日) 00:04:16.55 ID:prlW.Co0

--------------

キョン(――ミュウツーの治療が始まって三日が経った。
    容態は悪化こそしないものの、以前好転の兆しもない。
    俺達はまんじりともせず、状況を見守って――)

ハルヒ「ほら、声が出てないわよ!イチ、ニ、イチ、ニ!」
キョン「い…いち、に、いち……」
カメ「ぜに、に、ぜに、に……」

キョン(――るわけでもなく、『時間は無駄には出来ないわ!』という鬼軍曹のもと、
    何故か毎日グレン島の海岸をランニングさせられている。

    そうそう、この三日の間に古泉はヤマブキに戻っている。
    「終戦処理を任せてきたので、そろそろ僕の仕事が溜まっているはずです」とか言っていた。

    ユキはただ、何を言い出すでもなくここに残っている。
    ……ジムリーダーの仕事はどうしているんだ、と一度問い詰めたのだが、
    「へいき」といつもの無表情で一言だけ返した後、読書に戻ってしまった。

    朝比奈さんは、研究所に通い詰めだ。
    ミュウツーの好転反応が出るまでは…と仰っておられた。ありがたいにも程がある。

    俺達はポケモンセンターで始末書のようなものを書かされ、出来ることがもうない。
    ……しかしだからって、何で砂浜ランニングなんだ。
    こいつ、意外に昔の熱血マンガとか好きなんだろうか?)

763 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/12(日) 00:06:06.14 ID:prlW.Co0

ハルヒ「イチ、ニ……ねえ!キョン!」
キョン「ぜぇ…はぁ…何だ…?」
ハルヒ「バッヂ!全部集まったわね!」
キョン「あー?…あぁ!そうだな!」

キョン(走りながら大声で俺に声をかけるハルヒ。
    答える俺は、もう息が乱れて大声を出すとかなりつらいってのにな)

ハルヒ「いけるかな!ポケモンリーグ!」
キョン「そりゃ…行くだけならカイリューで一発だろうよ!」
ハルヒ「違うわよ!ポケモンリーグ!制覇できるかしら!」
キョン「んあ…?それもアレだが…ミュウツーも気になるからな…」
ハルヒ「でも、あんたミュウツーをバトルに使わないんでしょ?」
キョン「あ〜…」

キョン(言われてみれば…そりゃそうだ。
    あいつがいないことによる俺の戦力ダウンは、全く無い……)

キョン「でもなぁ……やっぱ、それとこれとは、別だからな……」
ハルヒ「……そっか。あんたは気持ちの整理がつくまで、バトル出来ないわよね」

キョン(意外だった。この口ぶりは、ハルヒ自身は既に気持ちを切り替えているということなのか?
    確かに俺自身がそばにいても、何の役にも立たない。

    俺は、俺の自己満足のためにここにいるのか?)

キョン「…すまん。もうちょっと待ってくれるか」
ハルヒ「あんまりボヤボヤしてたら、あたし一人で行っちゃうけどね。ま、今は待ってあげるわよ」

キョン(――そろそろ考えないといけない。
    俺は、前に進むべきか、もう少しここにいるべきなのか)

764 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/12(日) 00:08:49.11 ID:prlW.Co0

>‎○もうすこしここにいる
 ○ポケモンリーグにちょうせんする

安価レス番+3

767 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2008/10/12(日) 00:22:22.07 ID:iSSeyrco

ちょうせんする

768 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/10/12(日) 00:24:21.33 ID:prlW.Co0

遅れましたがお久しぶりです

まだネット環境が戻らないので
友人宅のPCを拝借しての投稿になりました

>>767の「ちょうせんする」で、VIPにて最終章書きます

3 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:44:39.08 ID:LwuWIC0j0

酉忘れてました

【これまでの大雑把なあらすじ】

ある晴れた日のこと、突然の思いつきでポケモンマスターを目指すことに決めたマサラタウンの涼宮ハルヒ。
この世界でも相変わらず巻き込まれ型の俺、キョンは成り行きで彼女と二人旅。
道中悪人を改心させてSOS団を結成したり、新しい友達を作ったり。
さて、ジョウトでの武者修行も終わったことだ、
いよいよセキエイのポケモンリーグにリベンジだぜ。

4 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:51:04.73 ID:LwuWIC0j0

−登場人物紹介−

●涼宮ハルヒ(ポケモントレーナー兼SOS団団長)

・ピカチュウ♀
・ニドリーナ♀
・ダグトリオ♂
・カイリュー♂
・カビゴン♂
・イーブイ♀

ツンデレ少女。ノリと勢い、根拠なき自信とポケモンへの愛情でカントージム制覇。
自らが傷つけた経験のあるピカチュウを筆頭に、バランス良く臨機応変にポケモンを繰り出す。
他の女の子にデレデレし、カメールにばかり構うキョンにやきもきする毎日。

●キョン(ポケモントレーナー)

・カメール♀(ゼニちゃん)
・キレイハナ♀(ナゾっち)
・キュウコン♀(コンたん)
・ケンタロス♂(ケンタくん)
・ゴースト♀(ゴスりん)
・ミュウツー

常識ある少年。何故かハルヒの旅に巻き込まれつつも、自身もトレーナーとしてカントー制覇。
ゼニちゃんと名づけたゼニガメ→カメールが最愛のパートナー。
ミュウツーとはよき理解者同士であるが、今までバトルに出したことは一度もない。

5 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:55:43.27 ID:LwuWIC0j0

その他人物

○古泉イツキ

元ロケット団団長、現SOS団副団長。
トキワジムリーダーを勤める有能な男。

○長門ユキ
ヤマブキジムリーダー。
相棒はキョンに進化させてもらったフーディン。

○朝比奈ミクル
グレンジムリーダー代行、ポケモン研究者。
ミュウツーの治療にかかりっきり。

○ミュウツー
ハルヒの最初のパートナー。
紆余曲折を経てキョンの手持ちに加わるが、現在意識不明の重態。

6 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:58:43.14 ID:LwuWIC0j0

・質問等ありましたらお気軽にドゾー
・まとめたい方がおられましたら出来れば一言お願いします
・外伝が多いですが、仕様です
・書き溜め分を消化中はおよそ3分間隔で投下しますが、
 ストックがなくなったらペースダウンすると思われます
 予めご了承ください

では、次スレから本編です

7 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:01:35.64 ID:LwuWIC0j0

ミクル「えぇっ?もう行かれてしまうんですか…?」
ハルヒ「そうよ。あたし達がここで待ってても、何の役にも立てないし」
キョン「ミュウツーは朝比奈さんにお願いしても構いませんか。
    俺達がチャンピオンになるのが先か、あいつが目を覚ますのが先かはわかりませんけど」
ミクル「そんな…。ええ、ミュウツーの治療は勿論ですけど。
    でも、そばに居ることだって大事なことじゃないかと思いますよ…?」
キョン「…朝比奈さん。俺達はそういう関係じゃないんですよ。
    確かに普通のポケモンならそうでしょう。
    飼い主であり、パートナーであるポケモンを他人に任せて自分は別行動なんて、
    愛情がないと思われてもしょうがないです。

    だが、こいつは違う。
    俺達にとってこいつは、愛玩するペットでも、頼りになる相棒でもない。
    憎まれ口を叩き合う、ライバルにしてマブダチなんですよ」

9 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:05:05.85 ID:LwuWIC0j0

キョン(そう、これが俺の出した結論だった。
    俺達がここでまんじりと待っていても、こいつはしおらしく感動の復活なんかしない。
    むしろ、「何でここに居る」くらいの憎まれ口を叩いてツンデレフラグを立てるのが関の山だ。

    だったら、心配してやる必要なんかない。
    こいつの復活を確信して、俺達は俺達の道を突き進んでいればいいんだ。
    そういう信頼こそ、俺達には相応しいのさ。

    そのような話を、俺は訥々と朝比奈さんに語った)

ミクル「…そうですか。わかりました」
ハルヒ「でもね、やっぱりここを離れる前に顔だけは見ておこうと思ったのよ」
キョン「一方的にですが、やっぱり挨拶くらいは」
ミクル「ええ!それはもう、よろしくお願いします!」

11 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:10:55.51 ID:LwuWIC0j0

(メディカルルーム)
キョン(昨日も訪れたベッドのような容器。
    外気や光を遮断する覆いに遮られ、チューブや電極がのたくり絡まるその中で、
    ミュウツーは今日も…目を閉じて眠っているようだ。
    その横では、心電図の緑色の波形と電子音がミュウツーの生存を主張している。
    規則正しくピ、ピ、となる音は、いつもささやかながら俺達を安堵させてくれた。
    今は紫色の冴え冴えとした瞳を見ることは出来ないし、
    小憎らしい、知ったような口ぶりでの会話も行われることはない。

    だから、俺はノックのつもりでそのガラスの覆いをコンコン、と叩いた)

キョン「おい。俺達はそろそろ行くぞ。
    お前の目が覚める頃には俺達はリーグチャンピオンになってるから、そのつもりでいろ。
    いい場面が見れなくて残念だったらすまんね。
    これに懲りたら、あんなスタンドプレーはもう金輪際やめろよ」
ハルヒ「キョン!あたしにも喋らせなさいよ!」
キョン「ん、おう」

キョン(ハルヒにせっつかれて、俺はベッドの横から一歩だけ下がる。
    曰く、あたしがチャンピオンになったらアンタは以後あたしをチャンピオン様と呼んで奉れ、だの、
    その後はポケモン図鑑を全部埋める予定だから、アンタは捕獲のための手足になんなさいよね、だの、
    まぁ相変わらずのハルヒ節に、俺は思わず苦笑いだ。
    その次にゼニちゃんもてしてし、とベッドを叩き、ぜにぜに、と喋りかけていた)

12 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:14:51.52 ID:LwuWIC0j0

キョン「……お前はいいのか?」
ゴス『わっち?うむ、わっちがこうした挨拶をすると、何かフラグがたちそうでの』
キョン「……ああ、なるほど。いわゆる一つの死フラ、って奴か」
ゴス『縁起を担いで、こうして無言で別れるのも一つの道じゃからの』
キョン「無言なぁ……」

キョン(俺達がこうして語りかけた言葉が、あいつに聞こえているのかどうかはわからん。
    ただ、性格の悪いあいつのことだから、きっと聞こえているに違いない。そうに決まってる。
    ……そう、思い込んでいたいんだろうな、俺も。わかってるさ。

    多分これでこいつは、今回の俺達の旅からリタイアだ。

    ただ、生きていれば『次』はきっとある。
    だから今は出来るだけさっぱりと別れて、遠くから復帰を祈ることにするのさ)

キョン「……では、そろそろ失礼します」
ミクル「はい。……あたしも、ここで頑張りますから」
ハルヒ「頼んだわよミクルちゃん。絶対にこいつを起こさないと、後で罰ゲームよ」
ミクル「はいっ!」
キョン(そんな会話を繰り広げるハルヒと朝比奈さんが、ドアを開けて後ろを振り向かずに出て行く。
    ゼニちゃんは一度だけ振り返り、そしてすぐに廊下へと駆け出して行った。
    ……俺は。うん、そうだな)

13 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:18:54.25 ID:LwuWIC0j0

キョン「……おい。俺の6番目のポケットはいつでも空けてるぜ。
    さっさと戻ってこねーと座りが悪いだろ、終わるまでにはさっさと起きてろよ」

キョン(後ろを振り向かず、これだけを言い捨てて出て行く。


    ……廊下に、朝比奈さんが立っていた。


    ……何故にここにおられるんで?)

ミクル「ええっと……。その、戸締りの確認を……」

キョン(ぐあ。俺超恥ずかしい奴。
    俺はポーカーフェイスを意識しながら、超足早に出口へと向かったのだった、まる)

14 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:24:05.74 ID:LwuWIC0j0

(ポケモン研究所前)
ユキ「気をつけて」
ハルヒ「うん!ユキもね、あんまりジムを留守にするんじゃないわよ!」
ユキ「わかった」
キョン「ユキ、もう心配しなくても大丈夫だ。チャンピオンになったらすぐに報告するぜ」
ユキ「吉報を待っている」

キョン(どうやら俺達を心配して留まってくれていたらしいユキに、俺達は出発の挨拶を交わした。
    ユキはいつもの無表情ながら、その瞳がドライアイスから雪解け水くらいまでに温まっているように見える。
    あいつの、最大の柔らかい表情という奴なのではないだろうか)

ユキ「ねえ」
キョン「何だ?」
ユキ「また、ヤマブキにきてくれる?」
ハルヒ「モチのロンよ。チャンピオンになったら一緒に馬鹿騒ぎしましょ!」
キョン「応援しててくれるんだろ?だったら絶対にお礼に行くさ」
ユキ「……ありがとう」

16 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:28:36.22 ID:LwuWIC0j0

ハルヒ「よっしゃあ!カイリュー、いくわよ!」
カイ「りゅーっ!」
ハルヒ「目指すはセキエイ!振り落とさない程度になるべく速くね!わかった?」
カイ「りゅっ!」
キョン「じゃあ失礼をばして相席を」
ハルヒ「落ちるんじゃないわよ?さ、ゼニちゃんも乗って!」
カメ「ぜにーっ!」

ハルヒ「出発!しんこうっ!」
カメ「ぜっぜにー!」
カイ「りゅー!」

ブワッ

キョン(大きく屈んで一度羽ばたいたとみるや、強靭な足で地面をストローク、
    一気に大ジャンプして、その勢いのまま翼で風を捉える。
    そしてカイリューはグレン上空を一度旋回した後、北北西に進路を取った)

ハルヒ「あ!このコースだとマサラの上を通るわねっ!」
キョン「そうだな!そういや、今回一度も戻ってねーが、家族や博士はどーしてるかね!」
ハルヒ「きっとあたし達の勝利報告をわくわくして待ってくれてるわよ!」

キョン(耳を塞ぐ強烈な追い風のおかげで、自然に俺達の会話も大声になってしまう。
    つーか、下手したら風圧で口と頬がどうにかなっちまいそうだ)

17 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:34:44.69 ID:LwuWIC0j0

ハルヒ「おおーいっ!!!」
キョン「ん!何だ!」
ハルヒ「下ー!ほら、新川研究所ー!」
キョン「おおっ!おおーい!!」

キョン(俺達ははしゃいだ。今までにないくらい、ガキみたいに大声を張り上げた。
    これからのバトルに対するプレッシャー?
    置いていったミュウツーに引かれる後ろ髪?
    そんなものを振り切ろうとしているための空元気、それも勿論あるかもしれんが。

    何て言えばいいんだろう。

    もうすぐ終わる旅をハルヒが惜しんで、思いっきり誤魔化しているような。
    そんな馬鹿げた想像、いや、妄想が俺の頭の中にふと浮かんだんだ。

    だから、あんなことを言い出しちまったのかもしれん)

キョン「おいハルヒ!」
ハルヒ「何よ!」
キョン「チャンピオンになった後!ポケモン図鑑を埋める旅がしたいとか言ってただろ!」
ハルヒ「え?うん、ミュウツーに喋ったこと?やだ、聞いてたの?」

キョン「それ、俺も一緒に行くぞ!」

18 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:38:29.59 ID:LwuWIC0j0

ハルヒ「……。は、はぁぁっ!?」
キョン「嫌かー!?」
ハルヒ「なな、何で来るのよあんたが!あ、あたしを一人にさせるのがそんなに不安!?」
キョン「不安だね!」
ハルヒ「何で!!」
キョン「お前の奇矯な振舞いを戒める奴がいなかったら、とてもポケモンなんて集まらないぜ!
    それにな!」
ハルヒ「それに何よ!!」


キョン「俺の知らないところで、お前に惚れたとか抜かす奴が出てきたら困るからだよ!!」


キョン(勢いに任せてここまで言っちまったんだよ。おい、おいおい、誰だ10kmくらいドン引きした奴は。
    案の定、ハルヒの奴は絶句。……オーケイ現実だ、冷静と理知の神様、バッド・ジョブ。
    情熱と興奮の神様、せめてもう少しだけ。そんなことを思った矢先だった)

ハルヒ「……あんたまさか」
キョン「な、何だ?」
ハルヒ「知ってたの……?古泉君の、あれ……」
キョン「アレ?何だそりゃ」


ハルヒ「……告白」

19 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:44:52.50 ID:LwuWIC0j0

キョン「……ちょっと待て、何だそれは」
ハルヒ「……え、その話じゃないの?」
キョン「ねえよ!寝耳に目薬垂らされたくらいに初耳だ!そりゃいつの話だ!?」
ハルヒ「ジョウトに行く前、マサラタウンで引きこもりやってた時」
キョン「あんにゃろぉぉぉぉぉ!!!」

キョン(何が『団長の様子伺い』だ、あのニヤケスマイル野郎め!
    傷心に漬け込むような真似をするような奴だとは思ってもみなかったぜ…。
    と、俺が一人でカッカしていると、ハルヒが違うの、と声をかけてきた)

ハルヒ「違うのよ、古泉君はそんな風に言ったわけじゃないの。
    ただ――

    『今のあなたはかつて僕が好きだった涼宮さんとは変わってしまったようです。
    非常に……残念です。それでは、失礼致します』

    こんな風に言ってね、古泉君は帰っちゃったの。
    で、あんたがあのチケットを持ってきてくれて、それで古泉君に電話をしたのよ。
    その電話口で、好きだって言われたの」
キョン「……そうか」
ハルヒ「……断っちゃったわ。気持ちは嬉しかったけど、あたしはそんな風には思えないもの。
    昔のあたしなら、試しに付き合ってもいいかなと思ったかもしれないわよ。
    でも、今は……ううん、今もそんな気にはなれないわ」

20 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:48:49.81 ID:LwuWIC0j0

キョン「……俺はな、ヒワダであいつがお前に好意を持ってることを初めて聞かされたんだよ。
    ただ、既に告白までしてやがるとは全く知らなかった。そこはエクスキューズさせてくれ」
ハルヒ「うん。さっきのリアクション、思いっきり素だったもんね」
キョン「……そこでな、ずっとモヤモヤしてたんだよ、俺は」

キョン(誰か他の男に好かれてるお前が想像できなかった、という言葉は胸に留めておく。
    そしておそらく、それにまつわる何かに俺が嫉妬していたことも。
    そんな風に口ごもる俺を、ハルヒはじっと見つめている。
    その視線をふっとそらすと、短くハルヒは言った)

ハルヒ「着いたわ」
キョン「え、お。…ホントだ、もうセキエイか」
ハルヒ「カイリュー!入り口前に下りてちょうだい」
カイ「りゅー」

バサッ バサッ ストッ

キョン「ハルヒ」
ハルヒ「あんたの主張は聞いたわ。うん、あくまで聞いただけよ、それだけ。
    それからあたしがどうすんのかまで、あんたに決められたくないわよ」

22 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:55:04.98 ID:LwuWIC0j0

キョン「ようし。なら言っとくぞ。ハルヒ、ちょっとこっち向け」
ハルヒ「……な、何よっ……」

キョン(若干の戸惑い……いや、怯えか?
    ハルヒがそんな弱気そうな表情を浮かべながら、こっちをそっと伺う。
    ……いいのか?こんな状態で言ってしまっていいのか?)

ハルヒ「……そんな理由じゃ嫌だ。キョンがあたしについて来るのに、
    『あたしの素行や男関係が気になる』なんて理由じゃ、絶対嫌よっ!」

キョン(……オーケイ。はっきりした言葉じゃなきゃ伝わらねえ、か。
    全く、俺は何でこんな奴を好きになっちまったんだ?
    ……そりゃ、こいつがこんな奴だったから、に決まってるな)


キョン「『俺はお前のことが好きだ。だから一緒に旅したい』。
    ……これが、俺の気持ちだ」

24 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:03:40.04 ID:LwuWIC0j0

キョン(……あぁ、今までハルヒに会ったことのある奴が今のこいつを見たら、
    即座に眼科か精神科の扉を叩きに全力疾走するんだろうな。

    ハルヒだぞ?あの天上天下唯我独尊女、この世はあたしのためにある、が座右の銘、
    怖いもの知らずで無鉄砲で、口を開けば悪態ばかり、弱みなどこれっぽっちも見せやしない。
    そんな完全超人のこいつ、涼宮ハルヒが。

    俺の胸に、くしゃくしゃの顔して飛び込んで来るってどういうことだよオイ)

ハルヒ「ばかっ!ばかきょんっ……!そういう大事なことをねっ…、こんな時に言う!?
    アホ!バカ!だからあんたはダメなのよっ……!全然ダメだわっ……!」

キョン(胸元をがしがし叩きながら、嗚咽混じりにそう言われても説得力が皆無だ。
    ただ、どうしたもんかね。引き剥がしにかかるべきなのか、抱きしめるべきなのか。
    混乱している俺に、真っ赤な顔のハルヒがキッとこちらを見上げてきた)

ハルヒ「旅の間、あんたはずっと雑用よ」
キョン「今までそうじゃなかったのかよ」
ハルヒ「モンスターボール代も全部あんた持ち」
キョン「チャンピオンになれればそんなもん心配いらん」
ハルヒ「コガネの時みたいな別行動も、ないと思っておきなさい」
キョン「まぁ、寝る時くらいだな、離れるのは」
ハルヒ「今度からは寝る時も一緒よ」
キョン「……へ?」

26 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:14:36.14 ID:LwuWIC0j0

キョン(言うだけ言って、そのままハルヒは俺の胸にぐいぐいと顔を押し当ててくる。
    ……いや、腕を後ろに回して俺をギュウギュウに締め上げてきやがる。痛ぇ。
    いや、違う、これはそういうハルヒのいつもの俺に対する鉄拳制裁ではなくて)

ハルヒ「………に…てくれる?」
キョン「なんだって?」
ハルヒ「一緒にいてくれる?」
キョン「……あぁ」
ハルヒ「しあわせにしてくれる?」
キョン「努力する」
ハルヒ「約束、して。今。ここで」
キョン「…ハルヒ。約束だ。何にでも誓ってやる」

ハルヒ「じゃあ早く、あんたもあたしを抱きしめなさい!!」

27 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:22:16.76 ID:LwuWIC0j0

キョン(おずおずと手を回す俺。しがみついたまま離れないハルヒ。
    そうやって、ぎこちなく抱き合って見つめあった俺達。
    ……さっきから、ゼニちゃんとカイリューが気を利かせて後ろを向いててくれるのがありがたい。
    そうやって、俺達の顔のある一部分が重なろうとした、まさにその瞬間だった)

パンパンパン…

キョン「な、」
ハルヒ「へ、」

キョン(無味乾燥な、いかにも茶番を見せつけられて興醒めだよ、といったような拍手。
    それは、ポケモンリーグの扉の前からこちらに送られてきていた)

「これは伝説に残る名場面だな。ポケモンリーグの門前でいきなり告白とは。
 どういう経緯があったのかは知らないが、随分と君達の仲は進展しているようだな」
キョン「お前は…ッ!」

キョン(フラッシュバックする、屈辱のあの一日。
    そう、ケンタくんを一撃で殴り飛ばしたポケモンを操っていたのは、奴……!!)

藤原「久しぶりだな負け犬諸君。四天王の僕達に、性懲りもなく挑みに来たか」

28 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:24:22.94 ID:LwuWIC0j0

キョン(ハルヒが慌てて俺からバッと離れ、藤原に対してガルルと威嚇するような表情を見せる。
    俺も同じだ。奴を睨みつけ、低く啖呵を切ってやった)

キョン「残念だが今日は勝ちに来たぜ。ダブルバトルでな」
藤原「そうか。勿論大歓迎だ、奥へ来るがいい。
   そこの女共々、相手になってやるさ」

キョン(言い置いて、奴は建物の中に入っていく。
    見事にその場の雰囲気を壊された俺達は、ムスっと顔を見合わせた)

ハルヒ「キョン」
キョン「わかってる」
ハルヒ「続きは、勝ってからにしましょ」
キョン「おう。ゼニちゃん、待たせたな。行くぜ」
カメ「ぜにー!」

キョン(お互いの気持ちは、今確認できた。……それ以上、何を望む?
    俺達は拳骨をぶつけて、お互いの闘志を確認しあう。
    ……藤原は致命的なミスを犯した。
    先ほどまでの甘い雰囲気のまま挑んでも、きっと俺達は敗退していたに違いない。

    それが今はどうだ?お互いに先ほどの邪魔に対する怒りで、最初からクライマックスだぜ?

    その送った塩、万倍にして返してやる。これは既に決定事項だ)

34 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:54:44.13 ID:LwuWIC0j0

藤原「――ああ、意外に早いリベンジだった。僕の想定ではもう少しへこまかせたと思ったんだがな」
「想定なんてものに意味はないですよ。彼らは来た。それが事実ですもの」
藤原「とにかくだ。ここで奴らを追い返せるか、追い返せないか。
   規定事項を覆さなくては、僕達の存在意義はない」
「規定事項、なんてものをあたしは信じていませんけど。
 とにかく最善を尽くしましょう。それがあたし達に出来る仕事なんですから」

藤原「……来たぞ」

ハルヒ「たのもぉっ!!」
キョン「リベンジマッチだ!!この間までの俺達と思うな!!」
カメ「ゼニニーッ!!」

藤原「負け犬は遠吠えだけは勇ましいと言うが。やれやれだな、橘よ」
橘「そうですね。あ、垂れた能書きはバトルで見せてくださいね、お二人とも」

ハルヒ「キョン!!何かムカつくわよ、あいつら!」

35 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:03:13.72 ID:LwuWIC0j0

藤原「どれだけマシになったというのか。いけ、カイリキー」
パァァァァ
カイリキー「ごぉっ!」
橘「どうせまた、凍らされて手も足も出せないダルマさんにされるんです。
  いきなさい、パルシェン」
パァァァァ
パルシェン「ぱるぅっ!!」

キョン(あいつらだ!
    俺達はあいつら一匹ずつに、コテンパンにのされた。
    ……俺達が持っている先行情報はそれだけ。だったらどうする?

    決まってる。まずはその情報を、最大限に生かすんだ!!)

キョン「ゴスりん!頼むぜ!!」
ハルヒ「カビゴン!!一発かましてやんなさい!!」
パァァァァ
ゴス「わっちが一番手かや?まぁ、それなりにやらせてもらうかの」
カビ「...zzZZ」

ハルヒ「こぉらぁ!カビゴン、起きなさい!!」
キョン「……おい、大丈夫か?」

39 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:13:21.55 ID:LwuWIC0j0

藤原「戦う前に状態異常も治して来なかったというのか。くだらない。
   いけ、カイリキー。そのまま気絶させてしまえ」
カイ「ゴォォォォッ!!」
ダッダッダッダッダ
キョン「おい!ハルヒ!さっさと起こせ!!」
ハルヒ「……!」

橘「余所見してるなんて、余裕ですね。
  パルシェン!先制のふぶき!」

ビュアアアアアア

ゴス「…ほう。これは中々に厳しい吹雪じゃの。
   フィールド中に雪片が舞い、まるで視界が利かぬ」
キョン「ああ!氷漬けにされないように注意しろよ!」
ゴス「舐めるでないわ。奴らとて、ゴーストポケモン相手に視界を塞ぐ愚策は理解しておるはず。
   ……ならばどうするか、考えればわかろう?」

藤原「カイリキー。カビゴンにじごくぐるまだ」
カイ「ガッ!!」
ハルヒ「カビゴン!!『ねごと』!」
カビ「...zzzZZ ごぉん…」

ズムッ

藤原「…ほう」
ハルヒ「残念ねぇ。『まもる』が発動したわ、先制攻撃は不発よ」

41 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:22:29.29 ID:LwuWIC0j0

橘「パルシェン。向こうがふぶきに乗じて攻撃してくるわ。
  フィールドの視界を奪ったように見せかけながら、常に注意を怠ってはダメよ」
パル「ぱるっ……!」
橘「ふぶきの勢いを弱めてもダメです。ほら、雪の量が少なくなっていますよ」
パル「ぱ、ぱるっ!」

橘(普通、これだけの隙を見せれば既に仕掛けてきてもおかしくないはず。
  以前の押せ押せの攻勢を見せられた相手だからこそ、先手の攻撃を焦るはず)

ゴス「……というのが相手の思考。ならば、ここでわっちが取るべき手は一つじゃな」
キョン「ああ。……あやしいひかり!」
ゴス「心得た!」

ギュワァァァァン

橘「来た!……光が弱い……?……しまった!!」

カイ「ぐ、ごぁぁっ!?」
藤原「ゴーストもこちらへの攻撃に参加だと…!?」
キョン「そういうこった!けっ、目が眩んで何も見えてねえようだな!」
ハルヒ「今よ!こら起きろカビゴン!!のしかかりっ!」

カビ「……ごぉん」

ズシン……

44 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:33:35.53 ID:LwuWIC0j0

ハルヒ「カビゴンの460kgプレスよ!いくらカイリキーでもひとたまりも……」
ググググググ…
ハルヒ「嘘!?こんらんしてるのに、手でのしかかりを持ち上げてる!?」
藤原「それくらいの鍛錬は積ませている。フン、すぐに押し返してみせるさ」

ゴス「わっちがおらなんだらな」

藤原「!?」
ゴス「ええと、押さえとる腕を狙うよりも支えとる足がこの場合の要じゃな。
   よいしょっと」

カクッ

カイ「ゴアァオ!?」
藤原「何だと!?」

ズゥゥゥゥゥゥゥン…

ゴス「お化けが人を驚かすのによく使うじゃろ?ヒザかっくん。
   わっち自身はのしかかられても堪えぬしの」

藤原「ふざけた真似を……!戻れ!カイリキー!」
キョン「よっしゃ!!先制パンチは決まったぜ!!」

46 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:47:53.39 ID:LwuWIC0j0

橘「れいとうビーム!!」
ゴス「っ!」
バッ
ビャァァァン…

橘「よくも無視してくれましたね…!!パルシェン!連射よ、相手を動かし続けて1対1に持ち込むの!」
パル「パッ!パッ!」
ビュッ!! ビュッ!! ビュッ!!
ゴス「おっ?はっ、おっと」
ヒュッ ヒュッ ヒュッ
ゴス「まるで固定砲台じゃな!近づく隙がないではないか」
キョン「こんなもん、カビゴンののろい動きじゃかわせねえぞ!?」

ハルヒ「カビゴン!下がりなさい、ピカチュウと交代!!」
カビ「ごん…」
シュルルルルル… パァァァァァ

ピカ「ピッカー!」

藤原「パルシェンにでんきポケモンは当たらせない。いけ!カポエラー!」

パァァァァァ

カポエラー「クァァッ!」

48 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:58:45.54 ID:LwuWIC0j0

ハルヒ「ピカチュウ!こうそくいどうよ、カポエラーを振り切りなさい!」
ピカ「ピッカ!」

シュッ シュッ ビュッ

カポ「――カッ!」
藤原「いい判断だ。こちらもこうそくいどう……決めろ!こうそくスピン!!」
カポ「クァァァッ!!」

ギュァァァァン ドガッ

ピカ「ピカッ!?」
ハルヒ「ピカチュウ!」
藤原「高速戦闘のエキスパートを振り切れると思うな。スピードスター!」
カポ「カッ!カッ!」
ビュンッ
ピカ「ぴぎゃっ!」
藤原「パルシェンのところには行かせられん。このまま俺達とやってもらう!」

ゴス「……むぅ、わっちはわっちでやるしかないか……!」

51 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:10:43.02 ID:LwuWIC0j0

ゴス「といっても、この攻勢は厳しいの…おっと!」
ヒュッ ビャァン
橘「埒が明かないわ。パルシェン、なみのり!」
パル「パルッ!」

ドドドドドドド…

ゴス「ちっ!奴ら、点ではなくて面で攻めてきおった!」
キョン「ゴスりん!肉は切らせてやれ、これは避けられねぇ!!」
ゴス「…なるほどの!」
ザァァァァァァン!!
橘「完全に捉えた!よくやったわ、パルシェン!」
パル「ぱるっ!」

ゴス「…確かに影は捉えたの。三下の若造にしてはようやったわ」

ユラッ
パル「パッ!?」
ゴス「動けぬじゃろ?背後にわっちが立った、じゃが即応はさせぬよ?
   先ほどやったのはわっちのみがわり。おかげで空腹でしょうがないわ」
パル「……!」

ゴス「振り向くな。その瞬間、わっちはお前を 食 い 散 ら す 」

54 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:19:04.45 ID:LwuWIC0j0

橘「な、何をやっているのパルシェン!そんなのはハッタリよ、攻撃なさい!
  この至近距離なら絶対に外さないわ!」
キョン「やれやれ。四天王さんに講釈垂れなきゃいけないのか?」
橘「何ですって!?」
ゴス「先ほどまで、わっちが無様に逃げまわっとるだけかと思うておったかよ?
   それならぬしの目は節穴じゃな、銀紙でも張っておったほうが見栄えがよいぞ」
橘「…。…!」
キョン「その通り。動きそのものが、さいみんじゅつだったのさ。
    その暗示は、『振り向けば、爆睡』ってところか?」
ゴス「さっすが。…さて?これでもハッタリかと思うかや?」
橘「……そんな高等技術、この間までひよっこだったポケモントレーナーが使えるわけがない!
  パルシェン!そのまま避けられないふぶきをお見舞……」

ゴス「愚かなことよ」

パル「……(ゴンッ) ...zzZZZ」
橘「!!!」
ゴス「そやつは確かにひよっこよ。じゃが、わっちまでそうと思われては困るな。
   幾星霜の年月を経てきた老獪なわっちが、このような赤子にも等しいものを術中に落とすなど…

   朝飯前よりはるか以前、起きる前に瞼を開けるよりも容易なことじゃ」

橘「ひッ…!!」
ゴス「脅しが過ぎたかの。フン、では、食い散らかさせてもらおうかの」
キョン「よし。ゴスりん… ゆ め く い ! 」
ゴス「 心 得 た 」

55 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:26:27.10 ID:LwuWIC0j0

ピカ「ぴっか!」
バリバリバリバリッ!!
藤原「みきりだ、カポエラー!」
カポ「クァッ!」
シャッ
ハルヒ「あーっ、もう!また避けられた!
    一体どうなってんのよ、こいつっ!」

藤原「直接攻撃をすれば、こうそくスピンで弾き返す。
   しかし、遠距離攻撃ならば見切って避ければいいだけの話だ」
カポ「カポーッ!」
藤原「足止めをするなら、それだけのことで事足りる。
   …フン、向こうもなみのりを使ったな。チェックメイトというやつだろう」

ハルヒ「…かげぶんしんよ、ピカチュウ!」
ピカ「ぴっか!」

藤原「…まだ足掻くか。それならこちらから向こうのなみのりに巻き込んでやろう。
   カポエラー、トリプルキック!」
カポ「カッ!」

58 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:37:40.41 ID:LwuWIC0j0

ビュビュビュッ!!
シャッ シャッ シャッ

藤原「ほう!全て避けたのは褒めてやる。だが!そこはこうそくスピンの射程内だ!」
ハルヒ「ふん。そんなのはわかってんのよ!今よピカチュウ!」

ピカ「ピィィィィ…カァァァァァッ!!」

藤原「!」
カポ「!?」

ハルヒ「ボルテッカーよ!最大電力、必殺の電撃タックルをぶちかますのよピカチュウ!」
藤原「しまっ…」

ドグッシャァァァァァン!!

カポ「かっ…かぁ…」(ドウッ
藤原「電撃を纏ったタックルだと…そんなものは前代未聞だ」
ハルヒ「タックルはブチあたるだけが能じゃないのよっ!
    あたし達の邪魔をした怒り、たっぷり思い知ったかしら?」
ピカ「ピカ!」
藤原「…フン。戻れ!カポエラー!」
ハルヒ「今よ!ゴスりんの支援に…って、あら?」

ゴス「……遅かったの。わっちはもう、腹いっぱいじゃ」

59 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:51:36.08 ID:LwuWIC0j0

ハルヒ「何よ!片付けられたんなら、あんなに焦って攻撃しなくてもよかったじゃないの!」
キョン「……いや、こっちはもう、『完全に』終わったぜ」
ハルヒ「…は?」

橘「……」(ガクガクガクガクガク

キョン「パルシェンを倒した後、ジュゴン、ルージュラを続けざまにゆめくいでKOしてな。
    それも執拗に、ねっとりと脅し文句を聞かせながら。
    それで……、まぁ、向こうはまだポケモンが残ってるんだが、ギブアップ宣言を……」
ハルヒ「は……はぁぁぁっ!?」

藤原「橘!?おい、どうした!?四天王の矜持はどこへやった!?」
橘「夢……夢が……あっはははは……」(ツゥーッ…
藤原「…!?(な…涙!?)」
橘「もう……やめようよ……勝てないよ、涼宮さんにはさ……」
藤原「……くっ!ならば、俺一人だけでも……!

   いけっ!ハッサム!!」

パァァァァァ

ハッサム「ハッ、サム!」
キョン「…な、何だ!?」
ハルヒ「いよいよ向こうの切り札が来たわね!褌締めてかかんなさい!」

63 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 23:04:26.14 ID:LwuWIC0j0

藤原「ハッサム……全て任せる。お前の全てを使って切り刻め!!」
ハッサム「ハッ!」

ジャキィィィン!!

キョン「何だこりゃ?」
ゴス「いかん、つるぎのまいじゃ!急がぬと手痛く傷を負うぞ!」
キョン「なっ…ゴスりん!さいみんじゅつだ!!」
ゴス「すまん…今からでは間に合わぬぞ」
キョン「何だと!?」

ハッサム「ハァッ!」
ザァァン
ゴス「ぐぅっ!?」

藤原「メタルクロー、相変わらずの切れ味だな」
キョン「ゴスりんが斬られた!?なんつぅわざだ!!」
ゴス「ほぅ……?世間は広い…の…。まさかわっちを…かはっ…」
キョン「無理をするな!戻れ、ゴスりん!」
ゴス「それには及ばぬ。……こやつの始末は、わっちにしか出来ぬよ」

65 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 23:13:40.62 ID:LwuWIC0j0

ゴス「念のためじゃ。ピカチュウ共々、ハルヒのポケモンは下がっとれ」
ハルヒ「…いいの?」
ゴス「巻き添えを食らわす恐れもあるんじゃ。…急げ!」
ハルヒ「わかったわ、戻って!ピカチュウ!」
シュルルルルル…

ジャキィィィン!!
ジャキィィィン!!

ハッサム「…ッサム!!」
ゴス「…フン。やる気、いや、殺る気満々、といったところかの。
   さぁ来や。わっちもこれは滅多にやらぬが、場合が場合じゃ。
   …むぅぅんっ」
ハッサム「シャァァァァァッ!!!」

キョン(ただ立ち尽くすだけのゴスりんに向かって、
    ハッサムがカポエラーを超える高速で突っ込んでくる!
    そしてその爪が無防備なゴスりんに向かって喰い込んだ、まさにその時)

ハッサム「ガァッ!!?」

キョン(……ハッサムの動きが、そのフレームで静止をかけたビデオのように停止した)

66 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 23:23:16.31 ID:LwuWIC0j0

ゴス「…フン。わっちの影をそちらが踏み、またこちらはぬしを呼び込んだ。
   そしてぬしはその爪で狙い通りわっちを切り裂き、そしてわっちは……」

トサッ

キョン(言い終わる前に、ゴスりんはその場に倒れる。
    そしてそれに呼応するように、ハッサムも倒れた。
    俺は何がなんだかわからん。ハルヒも同じだ、ぽかんと口をあけてその様子を見ている。
    ……その沈黙を破ったのは、藤原だった)
藤原「……みちづれ、とはな」
キョン「みちづれ?」
藤原「ゴーストポケモンが倒れる時、相手の活力を全て奪う。
   自己犠牲型の呪いだ。ハッサムの抜きん出た強さが仇になったようだな……」

キョン(そう言ったきり藤原は、軽く俯いて黙り込む。
    ……しまった、ということはゴスりんはせんとうふのうか!)

キョン「も、戻れゴスりん!!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと大丈夫なの!?」
キョン(センサーで様子を伺う。どうやらみちづれといっても、絶命に至るようなものではないらしい。
    後で回復してやるからな、すまんがしばらく待っててくれ。ありがとう、ゴスりん)

68 名前: ◆UuZF2thJYM [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 23:36:03.95 ID:LwuWIC0j0

藤原「……フン。どうやら垂れた能書きは、まんざら誇張ではなかったらしいな。
   行くがいい。奥で残りの四天王の二人が待っている」
橘「負けた……のね。精々、がんばればいいじゃない……あはは……」
ハルヒ「…ありがとう。行くわ」

キョン(ハルヒはそれだけ言って、奥へ行く道へと足を向ける。
    いつものような喜びもはしゃぎも、どうしたことか感じられない。
    俺も慌ててハルヒの後を追った)

キョン「おい。どうした、嫌におとなしいな」
ハルヒ「…だって、まだ半分も過ぎていないのよ。こんなところで緊張の糸を切っちゃダメよ。
    次の相手は、何を仕掛けてくるのかすらわからないのよ」
キョン「…。そうだったな。すまん、行くぞ」
ハルヒ「うん」

----------------

藤原「…大丈夫か」
橘「…ええ。……規定事項、なのかしらね」
藤原「ベストは尽くした。それで負けたのは俺達の力不足だ」
橘「でも……やっぱり、これはそういう物語なのよ」
藤原「言うな。例え俺達がただの駒に過ぎないとしてもだ。
   それがこれだけの反抗を見せた、終末を遅延させた。
   胸を張れ。俺達は無力じゃなかった」

橘「…あはは。……さあ、帰り支度をしなくっちゃ」

827 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 10:20:21.15 ID:/kFQ7vko

----------------

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

(………………………………)

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

(………………………………)

828 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 10:28:12.94 ID:/kFQ7vko

----------------

「ああ。わかった、よろしく。……連絡が来たよ。藤原達は突破されたってさ」
「――――」
「しかしキョンは凄いね。こんなに早く僕達の出番が来るなんてさ」
「――――――――」
「ああ。……いくよ」

829 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 10:40:49.82 ID:/kFQ7vko

お昼から再開します
残りレス数は100程度を予定

834 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 15:33:36.27 ID:/kFQ7vko

----------------

ギィィィィィィィ…

キョン(最初に戦ったアイスリンクのような部屋から、
    岩場のような空間、墓石のオブジェがある部屋を通り抜け。
    …俺達は、ようやく次なる相手を見つけたらしい)

「遅かったじゃないか。連絡が来てからここまで、しばらく待ってしまったよ」

キョン(岩をくりぬいて作った、洞窟のような一室。
    壁際のかがり火以外に照明のない部屋の奥から投げつけられた、若い女の声。
    ……若い女の声?いや、この声はどこかで……)

「何をきょろきょろしているんだいキョン。ここだここだ」

キョン(そういって、そいつは暗くてまだ目のなれない俺にもわかるように手を大きく振った。
    おいおい、キョンだなんて随分親しげに呼んでくれるな。
    そう思って見やると、そこにいたのは

    ……嘘だろ?何でお前がここにいるんだ?)

「やあキョン。随分と久しぶりだ」
キョン「佐々木……?」

835 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 16:05:02.21 ID:/kFQ7vko

キョン「っておいちょっと待て!お前が四天王!?」
佐々木「そうなんだよ。世の中、驚くべきことは多いがこれは驚嘆という部類だな。
    僕のような一般人が、このような大役を拝命するなんてね」
キョン「随分と他人事のような口ぶりだな」
佐々木「そうかい。くくく、まぁある意味、僕にとっては他人事ではあるのかもしれないな。
    本来ならお客様にはお茶でもお出しするべきなんだろうけど、何か飲むかい?」
キョン「気遣いは結構」
佐々木「そうかい」

ハルヒ「…キョン。この子知り合い?」

キョン(ハルヒは向こうの顔と俺の顔をためつすがめつしつつ、そっと俺に尋ねる。
    おや。忘れてしまったんだろうか、ハルヒにしては珍しい)

キョン「佐々木だよ。中学まで同じ学校だった」
ハルヒ「……え?……あ、そ、そうだったっけ」

キョン(なおも首をかしげるハルヒと呆れ顔の俺を、何やら含みのありそうな笑顔で見つめる佐々木。
    佐々木のことを、どうやらハルヒは本気で忘れてしまっているらしい。実に珍事だ)

佐々木「……なるほど。キョンにとってのターニングポイントはここか。
     いや、これは光栄。僕のようなものに、望外の大役を背負わせてくれていたなんて」

836 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 16:15:22.33 ID:/kFQ7vko

佐々木「まぁ、僕が同級生だったかどうかなんて、どうでもいいことじゃないか。
    君たちが来た理由はひとつ。僕らを突破して現チャンピオンに挑戦すること。
    そうじゃないのかい?涼宮ハルヒさん、そしてキョン」
キョン「…お、おう。その通りだな」
ハルヒ「あれ?こっちが申し込んだのはダブルバトルよ。もう一人の四天王はどこ?」

佐々木「さっきからここにいるよ。ほら」

キョン(佐々木が横を向いて片手で指し示した先、本当に佐々木の真横に位置する場所。

    そこに突然、女が一人現れた)

「――――」
ハルヒ・キョン「「!?」」
佐々木「紹介するよ。彼女は周防九曜さん。
    ちょっと存在感は薄いが、バトルの実力は折り紙つきだ」
キョン「いや、存在感が薄いって……!」

キョン(いなかったはずだ。佐々木の横には誰一人。
    しかし厳然として、その人影は霧散することなくそこにあるのだ…!)

837 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 16:24:42.73 ID:/kFQ7vko

佐々木「さ、そちらもポケモンを出したまえ。
    僕らもこれでなかなか忙しい。先制攻撃するにやぶさかではないよ」
周防「――――」
キョン「ここで顔見知りとやりあえるなら、むしろやりやすいってもんだ!
    まずはお前だ、いけっ!ケンタくん!!」
パァァァァァ
ケン「ブモォォォッ!!」
ハルヒ「ようし!ダグトリオ、いきなさいっ!!」
パァァァァァ
ダグ「ダグッ!!」

佐々木「うん。でんきポケモンはいないね、安心した。ギャラドス!!」
パァァァァァ
ギャラドス「ギャァァァァッ!!」
周防「――――。――ええ、行って――――」
パァァァァァ
ゲンガー「ゲン……」

839 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 17:42:14.88 ID:/kFQ7vko

キョン「……ハルヒ、ゲンガーに注意しろよ。ゴスりんの進化系だ、きっと強力なわざを使ってくる」
ハルヒ「わかったわ。ダグトリオ!!じわれで一撃必殺ッ!!」
キョン「っておいー!」
ダグ「ダグダグッ!」

ズゴゴゴゴゴゴ

周防「――――。――とても――数の多い――ポケモンね――」
ゲン「…ゲェン……」

ヒュッ

キョン「ほれみろ!あっさり避けられてるじゃねえか!」
ハルヒ「ちっ。ダグトリオ、じしん攻撃っ!!」

佐々木「させないよ」

バッシャァァァァン

ダグ「だ、だぐぐっ!?」
佐々木「失礼ながらそちらのポケモンの方が相性がいいようだ。
    ギャラドス、連撃で攻め立てろ。ハイドロポンプ発射だ」
ギャラ「ギャオオオッ!」

バシュンッ! バシュンッ!

840 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 18:17:52.05 ID:/kFQ7vko

キョン「くっ!ケンタくん、ダグトリオを援護しろ!すてみタックルだ!」
ケン「ブモッ!」
ズドドドドッ ドォォォォン
佐々木「へえ。まぁ、ケンタロスとゲンガーでは相性が悪いからね。
    …ギャラドス、ケンタロスには構うな!ダグトリオを追い詰めろ!」
ギャラ「ギャオゥッ!」
ハルヒ「ダグトリオ!!あなをほるで逃げなさい!!」
ダグ「ダッ、ダグッ!!」

ザッザッザッザ

佐々木「ふうん?でも、ギャラドスにはじめんわざは効かない。
    次に顔を出した瞬間に狙い撃ちだよ」

キョン「俺のことを忘れてるんじゃねえか?
    ケンタくん!!かみなりだ!!!」
佐々木「え!?」
ケン「ブモモーッ!!」

ドグッシャァァァァァ

キョン「惜しい!外れたか」
佐々木「ケンタロスにかみなり!?意外なところを突いてくるね」
キョン「フスベジムで教えてもらったのさ、属性に逆行しても覚えた方がいいわざもあるってな」
佐々木「へえ。……まぁ、これで隙は作れたかな」

周防「―――あなたの瞳は――とても――綺麗ね――」
ゲン「…………ガッ!!」

841 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 18:43:26.71 ID:/kFQ7vko

ギャァァァァァンッ

キョン「な、何!?どうしたケンタくん!?」
ケン「ぶ…ぶも…!?」
周防「――――。―――綺麗なまま―――さようなら―――」
佐々木「のろい。ケンタロスの体力が、今凄まじい勢いで削られているはずさ」
キョン「な!?」
周防「――――。―――左―――4歩――」
ゲン「……」(コクッ
トッテッテッテ

グワァァァァンッ

ダグ「だぐっ!?」
ハルヒ「避けられた!?こんなギリギリでッ!?」
周防「―――ナイト――ヘッド―――」
ゲン「ガッ…!」

ヒュオォォォォォォ

ダグ「だ、だだっ!?」
ハルヒ「ダグトリオッ!?くっ、ここで倒れちゃダメ!戻りなさい!!」
シュルルルルル

843 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 19:25:01.37 ID:/kFQ7vko

キョン「くっ!ケンタくん、ギャラドスを追い詰めろ!のろいで削りきられる前にッ!」
ケン「ぶっ…ブモモッ!」

ドグッシャァァァァ

佐々木「おっとっと!ギャラドス!大丈夫か!?」
ギャラ「…ッ。グァッ!」
佐々木「よし。タイプ一致わざでないことが幸いしたか。
    涼宮さんのピカチュウだったら危なかったかもしれないな」

ハルヒ「カイリュー!でんじほうッ!!」

ズシャシャシャシャシャシャーッ!!

佐々木「なん…だって…!?」
ハルヒ「でんきわざがピカチュウの専売特許だと思ったら大間違いよ!
    カイリュー!ダグトリオの仇よ、二匹まとめて相手してやんなさい!」
カイ「リュゥゥゥゥッ!!」
佐々木「流石だね。ギャラドス、戻れ!
    目には目を、だ。カイリュー!いけっ!」

カイ(佐)「リュウウウッ!!」

キョン「な!?二体目!?」
ハルヒ「……上ッ等じゃない……!!」

844 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 19:55:03.10 ID:/kFQ7vko

ケン「ぶ……も……」
キョン「くっ……ケンタくん!よくやった、戻れ!」
シュルルルル
キョン「ここ一番で頼れるのはやっぱりお前しかいないな!
    いけっ、ゼニちゃん!とにかくゲンガーに惑わされるな!
    カイリューなら心配すんな、絶対にハルヒが押さえ込んでくれるッ!」
カメ「ゼニーッ!」

周防「――――甲羅が―――すべすべ―――」
ゲン「……」

ハルヒ「たたきつける攻撃ッ!」
佐々木「そらをとぶッ!」
カイ「リャアアッ!」
カイ(佐)「リュウウッ!」
ガンッ ガツッ グワシッ
佐々木「驚きだね。そちらも伊達に育ててはいないということかな」
ハルヒ「あったりまえよ!こちとら毎日砂浜を走ってきてんのよ!」

845 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 21:44:10.31 ID:/kFQ7vko

佐々木「僕はね、こいつのパワー、スピード、全てに自信を持ってる。
    まるでこいつが倒れるところなんて想像できないくらいにね」
ハルヒ「じゃあ、現実という形できっちり目の前に示してあげるわよ!」
佐々木「どうかな―。先ほどから、僕のカイリューの先手を許してばかりいるようだけど」
ハルヒ「っっさい!!」

カイ(佐)「リュッ!」
ゴォォォォッ
カイ「り、りゅ!?」
カイ(佐)「リュウッ!!」
ズガンッ
カイ「りゃっ…!」

ハルヒ「ちぃっ…一旦バック!距離を取るのよカイリュー!」
佐々木「逃がすな!一気に畳み掛けるんだ!スピードで勝っているぞ!」


キョン「のろいをかける隙を与えちゃダメだ!バブルこうせんを拡散させて動きを捉えろ!」
カメ「ゼニニーッ!」
ビュワァァァァァ
周防「――――右に二歩、1.5秒後に78cmのジャンプ――」
ゲン「……」
タタッ ヒュッ
キョン「くっ!連射だ!」
周防「――――バックステップ――――かがり火まで下がって―――」
ゲン「……」
タタタタタッ

キョン「追い詰めたぜ!いけっ、ゼニちゃん!」

846 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 22:31:22.27 ID:/kFQ7vko

カメ「ゼニニー!」
ビュワァァァァァ

周防「―――――影と――光で―――雲散霧消――」
カメ「ぜにっ!?」

フゥッ…

キョン「な!?しまった、かがり火が!!」
カメ「ぜ、ぜにっ!!」
キョン(バブルこうせんが火を消してしまった。そしてそこから生まれた闇が、影が、
    相手のゲンガーの姿を…隠した!!)
キョン「やばい!こっちだ、一旦戻ってくるんだゼニちゃん!
    相手が見えない以上、どうしようもねぇ!!」
カメ「ぜっ、ぜにーっ!」

周防「―――光あれば―――影が出来る。
   ――――どちらも――――同じ、もの―――」

キョン「……ぜ、ゼニちゃん……?」
カメ「「ぜに?」」

周防「――へんしん―――メタモン―――」

キョン(あんにゃろう!灯りが消えたと同時に、ポケモンチェンジしてやがった!
    しかも、これは……メタモンだと!?)
キョン「…片っ方はニセモノってことかよ!!」
カメ「ぜ、ぜに!?」「ぜ、ぜにに!?」

キョン(……ど、どっちだ!?これはどっちが本物だ!?)

848 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 23:05:29.04 ID:/kFQ7vko

ハルヒ「くぅっ!振り切るのよ!」
佐々木「いいぞ。追い詰めるんだ」

カイ「りゅううううっっっ!!」
カイ(佐)「リュウウウウッ!」

佐々木「無様だね。同じカイリュー使いとして君のカイリューに同情を禁じえないよ。
    ドラゴンは誇り高い生き物だよ。そんなカイリューに逃走を命じるだけでも哀れだ」
ハルヒ「勝つための戦略的撤退よ!あたしの好きな言葉を教えてあげるわ!
    勝てば官軍、終わりよければ全てよし!」
佐々木「美学ってものがないよ。もっとスマートに勝負しないかい?
    そんな泥縄的な戦いは性に合わない」
ハルヒ「おあいにく様ね、そっちに合わせてやろうなんて気はこっちには全くないのよ!」

佐々木「…そこだ!ふみつけ!」
カイ(佐)「リュウッ!」
ズゴッ
カイ「リュー!」
ズガンッ

佐々木「みっともなく地面に叩きつけられたね。制空権を取られたドラゴン、か。
    悪いが、この勝負は僕たちが頂いた。とどめだ、カイリュー!」
ハルヒ「悪いけどね、こっちは足腰をしっかり鍛えたドラゴンなのよ!
    カウンターパンチよ!しっかり踏ん張んなさい、カイリュー!」

ハルヒ・佐々木「「はかいこうせん!!!」」

849 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/28(火) 23:33:16.70 ID:/kFQ7vko

キョン「……次の質問。ゼニちゃんが好きなのはどっちのジュース?」
カメ「「ぜに!」」(ビッ
キョン「……はいあたり。正解は右手のサイコソーダでした。…ちっくしょう!!」
周防「――――――」
キョン「おい、いい加減にしろ!これじゃバトルにならないだろうが!」
周防「――――――」
キョン「……ええい!みずでっぽう!!」
カメ「「ゼニニー!」」

キョン(お互いがお互いへとみずでっぽうを飛ばしあい、空中で勢いが相殺される。
    …さっきからそればかりなのだ。まるで鏡を相手にしているようなイライラ感だぜ。
    タックルさせればお互いにダメージがあるのだろうか?しかしそれでは最悪相討ちだ……!)

キョン「ええい!こうなりゃ仕方ねえ!ゼニちゃん、相手にすてm」

ズッガァァァァァァァァァァンッ!!

キョン(その大音響に思わず振り返った俺のほんのすぐ後ろにあったのは、
    クレーターのようにえぐれた地面と、岩をすっとばして大穴の開いた天井。
    …そして、その破壊の中心にいる二匹のドラゴンだった)

ハルヒ「踏ん張れ!先にもう一撃当てた方の勝ちよ!」
佐々木「よくやった!さあ、そのままとどめを!」

キョン(その光景を見た俺は、ようやくこの状況を打開する策を思いつく。
    佐々木のカイリューをよく抑えてくれたハルヒのカイリューには申し訳ないが……。
    おいしいところ、頂くぜ!)

キョン「ゼニちゃん!『相手のカイリュー』にハイドロポンプだっ!!」

850 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/29(水) 00:07:38.08 ID:l1Wzbu.o

キョン(ゼニちゃんは躊躇わず、すぐにハイドロポンプを発射する。
    俺にはあまり微細な違いはわからないが、ゼニちゃんの目から見ればどちらがどちらか、
    そんなことくらいは一目瞭然だ。

    それは勿論メタモンとて同じこと!こちらと同じ、自分の相方も同然の相手だ!
    だからターゲッティングする、自分の『相手』に!
    そしてその瞬間、躊躇する!

    本当にゼニちゃんを演じるなら、『自分の相方』に攻撃しなければならないからだ!

    そしてその一瞬の隙は、俺にとって本物を見分けるに充分ッ!!)

キョン「かかったぜ!」
メタモン「ぜ…ぜにっ!!」

キョン(自分の正体を看破されたと悟ってからの相手の反応も早い。
    すぐにへんしんを解き、反動で動けないカイリュー(佐)をトレース、変身。
    そしてゼニちゃんに向かって、襲い掛かってきやがった!)

キョン「れいとうビームだっ!」
カメ「ゼニィ!」
メタ「リュッ!?」

キョン(狙い通り!ゼニちゃんではカイリューの相手は出来ない、そう印象付けていた。
    本当は本物のカイリューに向かって張ったブラフだったが、この際問題ない!
    狙い通り、ドラゴンの最大の弱点を突けたぜ!!)

メタ「り、りゅううっ!!」
周防「――――おかしい―――こんな棋譜は有り得ない―――」

851 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/29(水) 00:46:18.78 ID:l1Wzbu.o

ハルヒ「ちょっとぉ!キョン、あんた何てことすんのよ!!
    折角決着が着きそうだったのに!!このアホ!バカ!」
キョン「すす、すまん!こっちのバトルにケリをつけるためにだな、」
ハルヒ「はぁっ!?あんた生意気ぶっこいてんじゃないわよ、
     こっちに半畳入れてタダで済むと思ってんの!?アホ、アホ、アホォッ!」
キョン「佐々木!早くカイリューを引っ込めてくれ!」
佐々木「それにはやぶさかではないけど、いいのかいこのままで」
キョン「よくねぇから言ってるんだ!!」
佐々木「彼女は根に持つタイプだよ。忘れた頃にチクチクと話題に出ることを保証するね。
    あーあ、キョンも罪作りな男だよ」
キョン「うっせぇ!…っとと、こっちもか」

シュルルルルル
周防「―――もう一度―――いきなさい―――」
パァァァァァ
ゲンガー「……」

キョン「ゼニちゃん戻れ!もう一度影に隠れられたら厄介だからな…。
    コンたんっ!君に決めたッ!」
パァァァァァ
コン「こぉぉぉぉぉんっ!!」

周防「――――。―――の―」
キョン「させるかぁっ!!コンたん、かえんほうしゃだ!!」
コン「ケェェェン!」

ゴォォォォォォォ

周防「――――っ――――。――左に駆け足―――」
キョン「どうしたぁ!指示が雑になってきてるぜ!!」

852 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/29(水) 00:59:57.49 ID:l1Wzbu.o

シュルルルル
佐々木「……ふぅ。何だか正面からついた決着……というわけではないけど。
    これはダブルバトルだからね。僕の負けだよ」
ハルヒ「〜〜〜っっっ!!納得いかないわ!もっかい勝負よ!勝負ッ!!」
佐々木「いやぁ、それはまたの機会……いや、そもそもそんなものはもう皆無か。
    そうだね、またいずれ、別の場所で、なら構わないよ」
ハルヒ「ようし。言質を取ったわよ。忘れないことね、この試合の決着は、」


佐々木「向こうの世界で」


ハルヒ「…………。は?」
佐々木「向こうの世界で、と言ったんだよ。……何だ、君自身は思い出してないのか」
ハルヒ「………何のことよ。さっきも何だか、キョンと話の食い違いがあったみたいだけど」
佐々木「うーん。気付いてないなら今はまだそのままの方が、僕はいいと思うんだけどねぇ」
ハルヒ「もったいぶるんじゃないわよ!さぁ、キリキリ吐きなさいッ!」
佐々木「そうだなぁ。うん、まぁ、いいか。えーとだね、君の今の状況から―――」


周防「―――。ナイトヘッド―――」
ゲン「ガッ!」
ヒュオォォォォォォ
キョン「押し負けるな!コンたんっ、だいもんじだ!!」
コン「ケェェェンッ!」
ゴォォォォォォォッ!!
ゲン「ガッ!?」
キョン「よっしゃぁ!ゴーストポケモンにも炎は通じるらしいな!!」

853 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/29(水) 01:41:05.62 ID:l1Wzbu.o

周防「――――囲まれた―――」
キョン「いいぞ、ほのおのうずで退路を断った!とどめだぜコンたんっ!」

----------------

佐々木「―――これで僕から言えることは全てだ」
ハルヒ「…………」
佐々木「ショックかい?」
ハルヒ「…………。嘘ね、そんな話。今の沈黙は呆れてただけよ」
佐々木「そういうことは、その表情を元に戻してから言うべきだね」
ハルヒ「っ!」
佐々木「嘘だよ。むしろ、ポーカーフェイスを被られて僕には読み取れなかったけど」
ハルヒ「あんた…っ」
佐々木「ただ、色々と思い当たることもあったんだろうね。いいさ、吟味するといい。
    キョンと周防さんのバトルに、決着が着くまでさ」

----------------

周防「―――シャドーボール―――」
キョン「だいもんじッ!!」

ズッカァァァンッ!!

ゲン「ガァッ……」
コン「……コォォォンッ!!」
キョン「よっしゃぁぁぁぁっ!!」
周防「――――――――」

854 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/10/29(水) 01:44:13.40 ID:l1Wzbu.o

----------------

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

(………………………………)

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

(………………………………)

ピッ…ピッ……ピッ……ピッ……

(……………………。………)

870 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/24(月) 22:12:47.61 ID:Xpet71.o

----------------

キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「……あ。や、やったわね」
キョン「おう!いよいよチャンピオンに挑戦だな!」
ハルヒ「うん……」
カメ「……ぜに?」
ハルヒ「え、あ、うん!!ほら、シャキっとしなさいよキョン!!」
キョン「あ?ああ」

キョン(何だろう。奴の顔に何か普段と違うものが浮かんでいるのがわかる。
    動揺。戸惑い。……いや、憂い?そうだ、いつか見たような、あの顔。

    ……いつか?いつかっていつだ、俺。……わからん。いつだっけ)

カメ「ぜににーにー?」
キョン「あ、いや。ゼニちゃんもご苦労さん。もうひと踏ん張りだぜ」
カメ「ぜにっ!」
ハルヒ「うん。その顔よキョン、その顔。気合入れなきゃ勝てないわよ!!」
キョン「お前こそ。気合入れてけよ、何か目に力が入ってねぇぞ」
ハルヒ「っ。あ、あんたねぇ!随分偉そうなこと言うようになったじゃない」

キョン(――よく、わからん。
    奇妙な感覚がある。名状しがたい何かが、こんなことをしてる場合じゃない、と叫んでいる。
    こんなのんきなことを考えてる場合か、考えるべきことはもっと他にあるだろう?
    そんな風に俺はさっきから、背中をもう一人の自分にせっつかれているような気がしているんだ.

    ――ハルヒは?どうなのだろう)

873 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/24(月) 23:16:43.14 ID:Xpet71.o

キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「ん?」
キョン「話がある」
ハルヒ「マジな顔しちゃって、何?話ならチャンピオンを倒してからでもさ」

キョン(ハルヒは振り向いた顔をすぐに前に振り戻す。
    ――確信した。こいつは、何かに気付いてる。俺の知らない何かに気付いてる。
    こいつは、いつもそうだ。自分に都合の悪い話はギリギリまで流そうとする奴なんだ。

    何か?こいつは、自分にとって都合の悪いことを、

    俺に、

    隠そうとしてる?)

キョン「……ちょっと待て!」
ハルヒ「え。え」
キョン「何を隠してる!?おい、ハルヒ!」
ハルヒ「え、ちょ、キョ」

佐々木「おいおいキョン。そんなに二人の仲を見せつけないでくれないかな」

キョン(……気がつくと俺は、ハルヒの肩を掴んで思いっきり揺さぶっていた。
    ……すまん、と謝りつつ、俺は掴んだ手を離す。
    そして俺を怯えたような目で見るハルヒ、何やら冷めた目の佐々木。
    ……ああ、周防とかいう奴は遠くで何かぶつぶつ呟いてる。なんだありゃ)

874 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 00:39:30.64 ID:TAvwBd2o

キョン「佐々木」
佐々木「なんだいキョン」
キョン「お前は――」
佐々木「ああ。僕は間違いなく君が知っている、君が記憶している『佐々木』と同一人物だ。
    同じクラスに通い、同じ塾にも通った。あの時は自転車の相乗りをありがとう。
    いやなに、何を改まってと思うかもしれないが、キチンと礼を言ってなかったのだからね。
    …これで証明になるだろうか」

キョン「――じゃあ、その先は」

佐々木「……」
キョン「なあ、教えてくれ。お前、どこへ消えたんだ。
    あのマサラタウンで暮らしていたのなら、今こうしていることはおかしいんだ。辻褄が合わない。
    ハルヒがお前を覚えていない、なんてことはありえないんだ」
佐々木「そうだね」
キョン「いや、そもそも……」

ハルヒ「マサラタウンに、中学校も塾もないわよ」

佐々木「……」
キョン「……」
ハルヒ「ずっと引っかかってたのよ。そんなものはない、だけどその言葉の意味はわかる。
    そんな建物、カントーでもジョウトでも一度も見かけなかったのに」

876 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 01:08:06.98 ID:TAvwBd2o

ハルヒ「……ねえキョン。あたしが中学校にいる時、あんたどこにいたの」
キョン「俺は……俺も、中学に、いた」
ハルヒ「ねえ、それどこの中学?」
キョン「……」
ハルヒ「質問を変えるわ。あんた、あたしの幼馴染よね」
キョン「……」

ハルヒ「……これでわかった。キョン、ごめん」

キョン「ごめんって……」
ハルヒ「いいの。許さなくていい。ただ、これはあたしのせいなのよ、多分」
キョン「何のことだよ……?」
佐々木「そっか。わかってくれたんだ」
ハルヒ「仕方ないでしょ!?わかんなかったのよ、こんな齟齬があったら、最初から…ッ」
キョン「待て待て待て。話が全く見えん。……佐々木、お前、何を知ってるんだ」
佐々木「色々だよ。全部は知らない、知っているはずもない」
キョン「教えろ」

佐々木「……いいかい涼宮さん。彼にも話して」
ハルヒ「……」

キョン(ハルヒはそのまま、ふいっと顔を背けた。
    それを佐々木は婉曲な肯定と受け取ったのだろう、苦笑してこちらに向き直った)

佐々木「キョン。最初に質問するよ」
キョン「何だよ……」

佐々木「ポケモンが人間に服従するシステムが開発される前に、何故人間が滅びなかったか。
    疑問に思ったことはないかい」

877 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 01:37:19.84 ID:TAvwBd2o

キョン(佐々木が何を言おうとしているのか、咄嗟に飲み込めない。
    ポケモンはボールで捕獲する。当たり前すぎる世界のルール。
    ポケモンにはポケモンで立ち向かう。人間では太刀打ちできない力を持っているから。
    ……つまり、ポケモンを捕まえるすべをもたない人間は、ポケモンには敵わない。

    これは一体、何を意味するのか)

佐々木「驚くべきことに、ポケモンが数百万年前からいる証拠はあるんだそうだよ。
    同じく人間は猿から進化した生き物。これは知っているよね。
    ……で、その猿という生き物は一体どこにいるんだい?

    そして生物的になんら物理法則以上の能力を持たない僕達ヒトが、
    超常的な力を有するポケモンを抑え、この地球の生物の頂点に立っている事実。
    ヒトが科学の力を利用出来るようになったのは、ほんの数百年前のことだよ?
    それまで圧倒的に生物的に弱い存在だったはずなんだ、ヒトは。

    そのヒトがこれだけ長きに渡る文化の形跡を残し、これだけの繁栄を勝ち得ている。
    それは何故だと思う、キョン」
キョン「……ヒトとポケモンは有史以来共存してきた。俺はそう教わった」
佐々木「甘いよキョン」

キョン(佐々木はあっさりと俺の言葉を否定する。文字通り、ばっさりだ)

佐々木「考えてごらんよキョン。僕の言葉がそのまま君に通じたのがいい証拠じゃないか。
    僕はポケモンに『超常の力』がある、と言ったんだ。……この意味をよく考えてみよう。
    日常のこと、当たり前じゃないか。君のゼニガメが水を操ることも、
    涼宮さんのピカチュウが電撃を大量に放射できるのも。
    それを『超常』と認識するのは、『それは普通の生物以上である』という認識が働いてこそだ。

    君は一体、何と対照させて君のポケモンを『超常』と認識したんだ?」

878 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 01:51:28.98 ID:TAvwBd2o

キョン「……それは」
佐々木「わかるよ。今頭の中には、無数の『普通の』生物が思い浮かんでいるはずだ。
    その姿を、この世界で一度も見たこともない生物が」
キョン「……」
佐々木「だが、その認識こそが大事なんだ、キョン。
    ポケモンは僕達の『普通』から大きくはみ出た生物だ。
    そして、人間がそこに共存している。ボールという唯一にして絶対の対抗手段を持ってね。

    そして、ここからはそれに基づく僕の推理だ。そのつもりで聞いてほしい」

キョン(佐々木がいつになく真面目な顔をしている。
    俺は、袋小路に陥った自分の思考を一度停止させる。
    どんな爆弾でもかかってこいってんだ。それくらいの自棄っぱちな考え方で。

    そして佐々木が落としたのは、弾頭が核物質で出来ているような奴だった)


佐々木「この世界は自然に出来た世界じゃない。
    予め何もかも都合のいいものが用意された、遊園地のような場所なんだ。

    そして、そこに僕たちは組み込まれてしまったんだよ、まるで劇画の登場人物のようにね。

    そしてそれを起こしたのは他でもない。
    君の隣にいる、涼宮さんだよ」

879 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 02:50:53.58 ID:TAvwBd2o

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古泉「たまにはこうしたゲームもよいかと思いまして」
キョン「ゲームボーイかよ!また懐かしいものを持ってきやがったな」
古泉「僕の家に家族で遊べるよう二台ありましてね。
   どれにします?テト○ス、ド○ターマリ○などが手っ取り早いと思いますが」
キョン「カセットまで2個ずつあるのかよ……」
古泉「勿論、通信ケーブルもありますよ」
みくる「あのぅ……これ、何ですかぁ?」
キョン「ゲームの一種ですよ朝比奈さん。ちょっと昔のですけど」
みくる「ふぇぇ〜……。あっ、液晶が白黒なんですねぇ」
長門「……」(トットット
キョン「なんだ長門、お前も触ってみたいのか?」
長門「興味がある」

ハルヒ「みんなー!遅れてごっめーん!岡部の奴がなかなか離してくれなくって……あら?
    へえ、随分懐かしいもの見てるじゃない。これどうしたの?」

キョン「古泉の奴が持ってきたんだよ。たまにはいいだろ」
古泉「おや、涼宮さんもこういうもので遊ばれるんですか?」
ハルヒ「んー、まぁ暇潰し程度ねえ。あたしが持ってるソフトってそんなに多くないし」
キョン「ほー。お前はてっきりこういうものに興味がないのかと思ってたがな」
ハルヒ「そんなことないわよ。小学生の頃はこういうの持ってるのってステータスだったじゃない」
長門「……」
古泉「なるほど、言われてみればそうですね。僕もこれのおかげで、随分友人が出来たものです」
キョン「まあ、俺も何だかんだで持ってるがな。やっぱり俺が小学生の頃一番熱かったのは……」



キョン・ハルヒ「「ポケモン」」「だな」「よね!」

880 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 03:39:25.95 ID:TAvwBd2o

----------------

キョン「え、な、これって――」
キョン(強烈な記憶の揺り返しによって転げそうになる足へ、俺は力を込めてなんとか踏ん張る。
    北高。文芸部室。SOS団。古泉。朝比奈さん。長門。
    閉鎖空間。タイムトラベル。情報統合思念体。――そして、ハルヒ)

----------------

古泉「ポケモンですか。僕も持ってますよ、初期生産の赤バージョンです」
キョン「俺は通販で買った青バージョンだぜ」
ハルヒ「あたしはピカチュウバージョンよ」
みくる「み、皆さん持ってらっしゃるんですかぁ……。そのぅ、あたしは持ってないんです」
長門「私も」
古泉「おや。よろしければ僕のカセットをお貸ししますよ」
ハルヒ「そうね、案外みくるちゃんなんかハマっちゃうかも」
キョン「いやいや、長門がゲームに本気になった時が一番の恐怖だぜ」
ハルヒ「まだセーブデータ残ってるかしら。キョンのポケモンと対戦してみたいわね」
キョン「ほう。俺にポケモンで勝つ気でいやがるのかよダンチョーサマは」
ハルヒ「平団員が結構な口を利くじゃない。いいわ、乗ってあげる。明日、あんたのカセット持ってきなさい!」
キョン「上等だ!」

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キョン「……おい、まさか」
佐々木「ああ、やっぱりか。橘さんから聞かされていた涼宮さんのトンデモパワー、
    発動するきっかけがあったんだね?」

キョン「……あった、かもしれん」

881 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/25(火) 04:03:23.40 ID:TAvwBd2o

キョン(その日家に帰って、いつものようにメシ食って風呂入って、寝て。
    変わらないいつもの俺の行動。そして、そこから先の記憶は、ない。
    不思議とこの世界の記憶ならある。いくらでも遡れる。
    それこそ子どもの頃から、旅に出たきっかけまで。

    今ならわかる。この世界の記憶こそが――でっちあげだ。
    あたかも覚めたら忘れる、夢の中の勝手な設定のような――)

キョン「……ひとつ聞かせろ、佐々木」
佐々木「何かな」
キョン「お前、最初ッから気付いてたのか?」
佐々木「とんでもないよ。僕など最初はこの四天王の地位に胡坐をかいていた、
    生意気な小娘でしかなかったさ。当然、君との中学生期の思い出も忘却の彼方だった。
    思い出したのは、チャンピオンの言葉によって、徐々にね」
キョン「チャンピオン……だと?」
佐々木「彼女がヒワダタウンからこちらにやって来た時のことだよ。
    それまで僕は、与えられた駒の役割に何ら疑問など持ってなかった。

    彼女こそ、この世界に対して最初に疑問を持った人物。

    ……そして、先代のチャンピオンをチャンピオンという役割からはじき出した人さ。
    会いに行くだけの価値はあるんじゃないかな、キョン達には」
ハルヒ「……キョン」
キョン「ん」
ハルヒ「本当なの?ここが、つくられた世界だって」
キョン「多分、間違いねぇ」
ハルヒ「じゃあ、それって」
キョン「それより、お前のことだ。……思い出せないのか、何も」
ハルヒ「……。これだけあんた達の会話が一致してる、口裏を合わせた様子もない。
    だったら、まさか、とは思うわよ。……ドッキリだったら死刑モンよ」

890 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/26(水) 23:55:29.73 ID:bDpPY2go

キョン(傍らのゼニちゃんへ目をやる。
    …どうやら、俺達が話していたことは半分も理解していないらしい。
    ただただ、わけがわからないなりに不安ではあるようで、こちらをじっと見つめてきた。
    俺は思いついて腰のボールをコンコンと叩き、そっと語りかけてみる)

キョン「おい。お前はどうなんだ、そんな自覚はあるのか」
ゴス『……やかましいの。そんな自覚があったら、こんな偉そうな顔はしておらぬわ』
キョン「だよな」

キョン(やはりだ。予め『こちらの世界のいきもの』として生み出されたゴスりんには、
    向こうの世界の記憶など存在しないのだから、世界を疑問になど思えるはずもない。
    ……ああ、段々自覚が出てきた。ジムリーダーとか、まんま北高関係者じゃねえか。
    そういや喜緑さんや森さんもいたな。よくもまあと言わざるを得ないだろ、こりゃあ)
    要するにだ――)

キョン「やれやれ」

キョン(――としか、言い様がねえんだな。
    ハルヒ。お前は、みんなと遊んでみたかっただけなんだよな。
    この、ポケットモンスターの世界で――)

ハルヒ「……ねえ、キョン」
キョン「何だよ」
ハルヒ「キョンはっ、どうしたいのよ」
キョン「へ?」
キョン(何を素っ頓狂なことを言い出したのかと思った。
    だがハルヒは――あのハルヒがだぞ、今にも泣き出しそうな顔で、こう言うのだ)

ハルヒ「あの約束、もう、取り消し……?」

891 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/27(木) 00:32:23.96 ID:zgXnv1oo

キョン「約束って……好きだから一緒にずっと旅する、って奴か」
ハルヒ「……」(コクッ
キョン「気持ちは変わってない。俺自身はそうしたいと、まだ思ってるぜ」
ハルヒ「そう……なの?」
キョン「あぁ。ずっと一緒だ、それは変わらん。
    向こうの世界からの腐れ縁だ、こうなりゃどこまででも付き合うぜ。
    ……っておい、ハルヒ?」

ハルヒ「(グスッ)キョン。キョンッ!」

キョン(おいおいおいハルヒさん。
    何ですか、俺の胸に飛び込んできて、俺を抱きしめて。
    いいんですかー、佐々木さんこっち見てますよー、何かニヤニヤ笑ってますよー。

    え?周防?まだ何かブツブツ言ってるな。…もうあれは放っておくことにする)

佐々木「あっははは。参った。こりゃ僕の完敗だな。
    向こうの世界での決着なんてシナリオ、軽く吹っ飛ばしてくれそうなほどの絆だね」
キョン「向こうの……世界、だと?」

佐々木「うん。この世界はある条件を満たすと、消え去ってしまう可能性がある」

キョン「ッ!?」
佐々木「その場合、おそらく僕らは向こうの世界に戻ってしまうんだろう。
    この『異世界』での貴重な経験も、僕が覚えていられるかどうかは疑問だな」
キョン「そう……なのか……?」
佐々木「でも、どうするんだいキョン。君たちはもう、この世界にだって充分順応しているんだ。
    彼女との約束を反故にして、あっちに戻りたいなんてことを君は望まないんじゃないか?
    少なくとも僕の知っている君の性格では、そうじゃないかと思うんだが」

892 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/27(木) 01:08:35.35 ID:zgXnv1oo

キョン(しばし黙考する俺。
    別に異世界といえど、家族や友人と別離したわけでもない。
    住む場所や認識は違えど、同じ人間が丸ごとこちらにいるのだから当然だ。

    だが、もし元の世界に戻ればゼニちゃんはどうなる。ミュウツーは?
    ……ええい、どうしたいんだ俺は。このままでいいのか?

    いい、と思う自分と、ダメだ、と思う自分が確実に存在する。
    ぶっちゃけた話、異世界人としての俺がこの世界に埋没することは可能だろう。
    ただ、ここは間違いなく異郷なんだ。俺にだって、故郷を想う気持ちくらいはあるぜ。
    しかし、振り捨てるには相当の躊躇いを覚えるほどのものを、俺はこちらで得てしまってるんだ。
    ……こんな、でも、だけど、と逆接するばかりの俺の思考を、ハルヒは敏感に察してしまったらしい)

ハルヒ「キョン……本当に、ごめんなさい」
キョン「謝るな!」

キョン(ビクッ、とハルヒが震えたのが、抱きつかれているからすぐに伝わる。
    ええい、何をやってるんだ俺は。ここはよ、こうだろ!?)



ギュッ



ハルヒ「えぅっ…?」
キョン「お前は悪くない。何一つ悪くなんかねえんだ。
    チャンピオンのところに行ってみよう。ここでこうしててもどうにもならん」
ハルヒ「でっ……でもキョンっ……!」
キョン「約束は絶対守る。だから、一緒に行こう。な、ハルヒ……!」

893 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/27(木) 01:31:05.51 ID:zgXnv1oo

佐々木「キョン」
キョン「ん」
佐々木「また会おう。どこで会うかはわからないが。
    一応申し添えておくと、僕らはこの世界も案外気に入ってる。
    どっちか選べ、と言われてもどっちも好きだ、としか言えないね。
    だから、気にすることなく好きにやってくれ。四天王を代表して、それだけ言っておくよ」
キョン「……サンキュー」
佐々木「ユアウェルカム」

キョン「いくぞ」
ハルヒ「うん」

キョン(俺達は手をつなぐ。
    今までにないくらい、ぎゅっとつなぐ。
    指を絡め、手のひらを合わせ、お互いの震えを感じながら、強く、強く。

    そして、ゆっくりと歩き出したんだ。
    この旅の終着点である、ポケモンリーグの最深部へ――)



----------------

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

(……………。………………む)

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

(ここは…………どこだ…………?)

897 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/11/30(日) 20:19:14.94 ID:YIzx16Io

----------------

とぅるるるるる ピッ

「はいよっ。……ふむふむ、あい、オッケー!いっやー、長々と説明、あんがとっ!
 佐々木さんってばこういうこと、四天王で一番向いてるよねっ!」
佐々木『比べる対象が何気にひどいですよ、チャンピオン』
「え?あっはっは、そうかいっ?そんなことをいうキミも大概ひどいんじゃないっかな?
 あ、で、キョンくん達は今こっちに来てると。あいあい、りょーかい!」
佐々木『……彼らを、どうするつもりなんですか?』
「ん?いやー、じっつはまだなぁんにも考えてないんだっ!
 ま、なるようになるんじゃないかなっ?ここに来たときもそうだったし!」
佐々木『そうですか。じゃ、私達は一応これで』
「うんっ、お疲れ様っ!後は任せて、ゆっくり休んでて頂戴なっ!」
佐々木『では、失礼します』

ピッ

「ん〜。まぁ、早すぎもせず遅すぎもせず、ってとこかなっ。
 ハルにゃんの快進撃にしてみたら、その途中のアクシデントが余計だったにょろねっ。
 いやー、やっぱりこういう計算は苦手だっ!」

ゴトンッ ギィィィィィ…

「おっ! おぉーいっ!こっちこっちー!」

899 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/30(日) 20:43:37.31 ID:YIzx16Io

----------------

キョン(チャンピオンってのは、一体誰がやってんだろう。
    今までのルール的に、元の世界で俺達の周りにいて、今まで登場しなかった人物ってことだろ?
    ……大体満遍なく出会っているような気がするが、気のせいだろうか。

    よくわからないものを相手にする不安が、俺を若干緊張させる。
    そしてその緊張がいつの間にか、握ったハルヒの手に力を入れさせていたらしい。
    キョン、と少しつらそうにかけられたハルヒの声で、俺はようやくそれに気付いた。
    すまん、と返し、俺は握った手の力を緩める。

    ――そしてようやく、遠くに見えていたどでかい観音開きの扉に辿りつく。
    その扉は、俺達の心の機微なんか知ったこっちゃないよ、とでも言わんばかりに、
    目の前に立った瞬間に開きだした。自動扉だったらしい。

    そして、開いた先にはコロシアム様の広大な空間が広がっており、

    ハルヒの次くらいには印象的な、あの方がたった一人で待ち構えていた!)


鶴屋「おっ! おぉーいっ!こっちこっちー!」


キョン「鶴屋さん……」
鶴屋「おぉっ!?あたしのことがわかるのかいっ、キョンくんっ!?
   随分久しぶりだっ、いやぁ懐かしいっ!元気してたかいっ?」
キョン「え、ええ、まぁ。…ハルヒ?」
ハルヒ「初めまして…じゃないのよね」
鶴屋「うーん?ハルにゃんは忘れちゃってるのか。まぁ仕方ないやねっ!」

900 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/30(日) 21:25:24.63 ID:YIzx16Io

ハルヒ「仕方……ない?」
鶴屋「あぁ、いいのいいの。キョンくん、めがっさ久しぶりなとこあれなんだけど、
   今の状況はどれくらい把握してるのかなっ?」
キョン「え?ええとですね」

キョン(ハルヒのバケモンパワーのせいで、ポケモンの世界が出来上がったこと。
    そして、そんな世界で冒険したいとハルヒは願い、自らこの世界に移動したこと。
    んで、ハルヒの身の回りの人間が、その際に巻き添えをくらったこと。

    こんなもんだろうか?)

キョン「こんなところでしょうか」
鶴屋「うん、まぁそんな感じっ。いやー、あたしも全部が全部説明できるわけじゃないからねっ。
   ハルにゃんってこんなパワー持ってたんだね。いやぁ、たまげたっ!」
キョン「……あんなこと言われてるが、どうだ、ハルヒ」
ハルヒ「……うーん」

キョン(やっぱりな。ハルヒ自体には全く、自覚も記憶もないわけでな。
    これが一体どう転がって、こんな状態になったって鶴屋さんはわかったんだ?)

キョン「説明、してもらえませんか?」
鶴屋「うーん。いいけど、ちょっと長くなるよ?いや、かなりかなっ?」
キョン「構いません」
ハルヒ「あたしからもお願い。……自覚がないのが、一番気持ち悪いわ」

鶴屋「おっけーおっけー。じゃ、三ヶ月くらい前の話からかな――」

901 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/30(日) 22:42:19.96 ID:YIzx16Io

----------------

キョン(そこからの鶴屋さんのお話をまとめるとこうだ。
    ヒワダタウンリーダーとしてこの世界に存在していた鶴屋さん。
    その彼女が抱いた疑問は、佐々木が説明してくれたものと同一だった。

    「ポケモンはどうして人間を滅ぼさなかったのか?」
    「ボールが開発されてなかったら、今の世の中はどうなっているだろう?」

    その程度の、些細な疑問だった、らしい。

    だが、その思索で止まらなかったのが鶴屋さんだ。
    自分の足でこの世界の『過去』を調べ、矛盾する証拠を次々と発掘、発見。
    この世界に人間が現れたのは、本当にごく最近なのではないか、という仮定は、
    いつしか鶴屋さんの中ではっきりとした輪郭を形成し始める。

    そして、今から約二ヶ月前。俺達が冒険を始めるよりも、更に前のことだ。
    鶴屋さんは、その検証の一環としてグレン島に赴いた。

    そこで出会った方に、鶴屋さんは衝撃を受けたのだという)

鶴屋「みくる、あんた何してんのっ、って声かけちゃったんだよ。
   自分で自分にびっくりさ!だって、この世界では初対面の人間なんだからねっ」

キョン(要するに俺が佐々木に出会って起きたようなことが、鶴屋さんにも起こったらしい。
    それが、グレンの研究所にいた朝比奈さんだったわけだ)

902 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/30(日) 23:37:50.00 ID:YIzx16Io

鶴屋「あたしはまず自分の正気を疑ったね。
   でも、後からわかったんだよ。世界のあちこちに、見覚えのある人がいるんだ。
   みくるを思い出したら後は芋蔓だったねっ!ジムリーダーは皆、見たことある人だったし。
   で、まさかと思ってポケモンリーグに乗り込んでみたんだよ。そしたらね――」

キョン(何と、チャンピオンを務めていたのは北高の生徒会長だったらしい。
    そして、その生徒会長の挙動が、鶴屋さんに会った瞬間におかしくなったのだという。
    ……そう、思い出したのだ。あの会長氏も、元の世界のことを。
    そして、ようやく共通の認識を持てる仲間を発見した鶴屋さんに、会長はこう告げたのだという。

    「元の世界に戻る方法を探す」、と)

ハルヒ「何それ!?」
鶴屋「文字通りの意味っさ。会長くんは、職務放棄してその方法を探るのに必死になってるんだよ。
   そして、これまでに得た仮説なんだけどね。……ハルにゃん、よっく聞いてね」

キョン(あの鶴屋さんが。一瞬だけとはいえ、言葉を濁した。
    よほど話しにくいことなんだろうか。ハルヒも空気を読んで、神妙に鶴屋さんの言葉を待った)

鶴屋「この世界がゲームを元にしたものである、ってことは現状間違いないんだ。
   で、ゲームを終わらせるなら、ハルにゃんならどうする?」
ハルヒ「そりゃ……電源を切るわよ、当然じゃない」
鶴屋「その通りっ。で、現状このゲームに電源スイッチらしきものは見当たらない。
   じゃあ、このゲームのハードを担当しているのは何かなっ?」
キョン「まさか、」



ハルヒ「あたし――?」

906 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/11/30(日) 23:57:55.03 ID:YIzx16Io

キョン(得心がいく。
    あの閉鎖空間とやらを作り出していた前科を知っていたから、余計理解が早い。
    要するに、この世界の創造から維持まで、全部ハルヒのわけのわからん力に拠っているのなら、
    ハルヒ自身が、このゲーム世界の基幹、核となっていることは疑いようもない。

    そして俺は思い出した。
    ……そして出来れば、それを思い出したくなかったことを同時に思い出した。

    一度、閉鎖空間に二人っきりで閉じ込められた、あの記憶をだ。
    なんてこったチクショウ、お前に学習能力はないのかよ、ハルヒ)

ハルヒ「要するに、あたし自身がゲームのハードなら」
鶴屋「ハルにゃんが死んじゃったら、あたし達全員がおしまいってことさっ。
   これからはさっ、豆腐のカドにも細心の注意を払ってほしいにょろよっ?」
ハルヒ「えっと……うん。気をつけるわ」
キョン(何か素直だな、今のこいつ。
    いや、そんなことよりもだ、あの時と同じ現象がマクラになってるなら、だ)
キョン「ハルヒが戻りたいと願えば、元の世界に帰れるかもしれない、ってことか」
鶴屋「うーん。その可能性はあるね。所謂、リセットボタンって奴に相当するのかなっ」
ハルヒ「で、でも。あたし、全然そのことを覚えてないのよ!?
    あんたたちが言う『元の世界』っていうものとこの世界、比べようがないじゃない!
    それなのに、戻りたいなんて……無理よ、絶対無理」

鶴屋「そっか。うん、そりゃそうだっ。
   ……で、それとは別に、仮説その二があるんだけど、話していいかなっ?」

キョン(元の世界でこの部分を担当していたあの男のニヤケスマイル顔が、
    この状況と重なって何となく思い出された。
    ……あいつ、こういう時にしか役に立たなかった奴なのにな。この世界じゃ大活躍だったじゃねーか。
    横にそれた思考を振り払い、鶴屋さんのお話を促す。どうぞ、お願いします)

907 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/01(月) 00:22:49.52 ID:YJUo1GIo

鶴屋「ゲームを終わらせる方法。電源を切る、リセットボタンを押す。
   それだけじゃないにょろよ、一番平和的な終わらせ方があるじゃないかっ」
キョン「え。えっと、」
ハルヒ「……エンディングを見る、ってこと?」
鶴屋「その通りっ!」

キョン(鶴屋さんは指パッチンまでして、その考えを全肯定された。
    いやいや、実に何というか、こういう時まで変わらないこの方を見ていると、
    実に心の中に安心感が漂ってくるような気がするんだが、気のせいかね?)

鶴屋「ポケットモンスターの世界で、エンディングと目されている行動はふたつ。
   ひとつ!チャンピオンを倒すことっ!ふたつ!全てのポケモンを捕獲することっ!
   で、そこであたし達の推論は止まっちゃったってわけなのさっ」
キョン「それは――そうでしょう。誰が、それを達成すればいいのか。そして、」
ハルヒ「どちらがそのエンディングに相当するのか、わからない――」
鶴屋「そういうことさっ」

キョン(ため息をつく。
    問題のひとつ目は簡単だ。この物語の主人公が、こいつを除いて他にいるか?
    だが、二つ目は。これは難問だぜ)

キョン「……スタッフロールが流れるのがエンディングなら、話は簡単だ。
    鶴屋さんを倒してしまえば、この世界は終わっちまう。
    だけど、さっきの約束がある。二人で、世界中のポケモンを集めて回ろう、って奴だ。
    それが果たされた時が終了条件、って考え方も出来る」
ハルヒ「ちょっと……ちょっと待ちなさいよ!!」

キョン(ハルヒが急に俺に詰め寄る。そして、泣きそうな顔で、こう叫んだ)

ハルヒ「なんでっ……世界を終わらせる方向で考えてるのよっ!!」

908 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/01(月) 01:04:42.22 ID:YJUo1GIo

キョン「逆だ、ハルヒ」
ハルヒ「はぁっ!?」
キョン「終わる条件を知っておかなきゃ、維持することが出来ないだろうが。
    どっちの方向に進むにせよ、条件はちゃんと知っておくに越したことはないだろ。
    さっきの約束、守れなくなっちまったらどうすんだよ」
ハルヒ「……それは……やだ」
キョン「な。冷静に考えようぜ」
ハルヒ「うん……」

キョン(こう言い含めたところで、別に名案が浮かぶわけでもない。
    こういう時、俺はつくづく自分の凡人さ加減に気付かされてしまうぜ。
    結局、鶴屋さんたちが試行錯誤と深謀遠慮の果てに辿りついた結論からは、
    1cmも前進していない自信がある。くそ)
鶴屋「あー。ところでさ、キョンくん達」
キョン「なんでしょう」
鶴屋「ここまで来て、この話を聞かせてから言うのもなんだけどさっ。
   あたしとバトル、するのっ?しないのっ?」
キョン「それは……。もう少し、待っていただけますか」
鶴屋「いいよっ。でも、あんまり待たされると困るんだっ。
   実は、さっきから新手の挑戦者が来てる、っていうんでさ」
キョン「新手?」
キョン(何か、妙な予感がした。
    ……俺の妙な予感はすごいぞ。この世界で、一度たりとも外れたことがない。
    そしてそれは、激震を伴って俺にまた当たったぜ、おめでとさんと告げてきたんだ)

ズガァァァァァァァンッ!!

ミュウツー「何を愚図愚図している。それが俺を6番目に据えた男のやることか?」

キョン(観音扉をぶっ飛ばして、まさかのあいつ、復活。…マジで?)

917 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/12/02(火) 22:40:52.62 ID:IRNEs4wo

ハルヒ「み…」
キョン「ミュウツー!?」
カメ「ぜににっ!?」

ミュウツー「涼宮ハルヒ。お前の目標は何だった」

ハルヒ「はぁっ…?」
ミュウツー「ポケモンマスターを目指す、という名目で私が引っ張り出されたのだと思っていたが。
      それが少し離れていただけでこの体たらくか。不甲斐ない人間だな、お前は。
      旅に出た当初から成長したと思ったのは、俺の買いかぶりだったようだ」
ハルヒ「でもっ……あんたたちが、消えちゃうかもしれないのよっ!?」
ミュウツー「ほう。目的のための犠牲を厭うのか。律儀と言うよりも愚直と言うに相応しいな。
      目的を達成するためだけに、この世界を創り上げた者がそれを口にするなど、」
ハルヒ「やめてぇぇぇっ!!!」
キョン「おい!言いすぎだ」
ミュウツー「フン。グレンで意識を取り戻し、こんなところまで来てみたが。
      これではとんだ無駄足だったな」

キョン「――お前、それ以上喋るな」

キョン(どうしたってんだ?ミュウツーが怒るでもなく、苛立つでもなく、
    こんな風に言葉の暴力でハルヒをチクチクと刺すなんてことが、あるのかよ?
    何がどうなっているのか、さっぱり……)

鶴屋「ああ、キミだねっ?ポケモンなのにポケモンリーグに単身乗り込もうとしてたって子!
   いやー、受付の子が焦ってたんだよっ?主人が危ない、って何も聞こうとしなかったって」

キョン「……は?」
カメ「……ぜに?」

919 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/02(火) 23:10:35.87 ID:IRNEs4wo

ミュウツー「そのような事実はない」
鶴屋「いや、でもさ?」
ミュウツー「ないと言った。二度言わせるな」
鶴屋「んー、そっかいそっかい!ま、どっちでもいいやねっ!
   キョンくん、この子、キミのポケモンなんだって?」
キョン「あ、はぁ」
鶴屋「ポケモンは主人に似るって言うけど、いやー、大したもんだっ!
   あっはっは、ワルモノになってくれるなんて、いい奴じゃないかっ!」
キョン「はぁ……?」
カメ「ぜにっ……ぜににっ」(ニヤニヤ
ミュウツー「うるさい黙れこれ以上何か言うと本気で帰るぞ」
キョン「いや、帰らなくていいから」
カメ「ぜににっ」

キョン(よくわからんが、こいつの先ほどの罵詈雑言は計算づくだったのか?
    ハルヒは頭を抱えてへたりこんでしまったが。いや、現実を突きつけられて絶望したのか?

    慰めることは、まず無理だ。かける言葉がない。
    ならば、俺に出来ることは――)

キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……ひっ。……えぅっ、なによっ……」

キョン(――ハルヒ。泣かなくてもいいんだ、大丈夫だから。
    わかんないか?俺も、ゼニちゃんも、ミュウツーも、巻き込まれた皆も。

    誰も、怒ってなんか、いないんだぜ)


ギュッ…

920 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/02(火) 23:28:29.99 ID:IRNEs4wo

キョン「ハルヒ」
ハルヒ「な、(ヒック)なによっ……。き、キョンだって、あっ、あたしのことっ……!」
キョン「怒ってない」
ハルヒ「へぅ……っ?」
キョン「恨んでもない。嫌いにもならない。呆れは……ちょっとしたかもしれん」
ハルヒ「きょ、キョ……」
キョン「大丈夫。誰も怒ってない。恨んでない。ハルヒのこと嫌いにもなってない。
    大丈夫。大丈夫だ」

キョン(抱きしめる。ぽんぽん、と優し目に背中を叩いてやる。
    言葉にした以上の気持ちを、そっと、そっと伝えるために。これが今の俺に出来る精一杯。
    ミュウツーが怒ったのは、お前がガラにもなくウジウジしてたからさ。それだけなんだよ。
    ハルヒ。お前は自分が許せなくなってるのかもしれないな。この旅で随分勉強したもんな。

    だからな、もういいんだ。
    お前に、全部任せるから――。

    やがて。
    嗚咽を漏らし、俺の腕の中にすっぽり包まれるがままだった小さな、本当に小さな女の子は、
    体を震わせていたすすり泣きを、止めた。
    そして、そっと後ろを振り向き、じっと待ってくれていたあの方に告げた)

ハルヒ「鶴屋さん」
鶴屋「うんっ」

ハルヒ「決めたわ。今、ここで、ケリをつけましょう」

鶴屋「ん!言っとくけど、あたしは結末に関係なく手加減なしだよ?
   二人まとめて、かかってこいっ!あっはっは!」

921 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/02(火) 23:39:09.90 ID:IRNEs4wo

キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「決めたわ。ここが、あたしのつくった世界なら!
    消えるも消えないも、全っ部あたしが責任取るわ!
    文句言う奴がいたら、ちゃんとごめんって謝ってやるわよ!!
    夢があるの。ポケモンマスターに、あたしはずっとなりたかったっ!!
    世界と引き換え?上等よっ!あたしは絶対、負けないわっ!!」
キョン「おっしゃ!腹ぁ括ったんなら、俺も括るぞ!
    絶対、絶対にハルヒとの約束を守ってやる!
    だから、今ここで負けられねぇんだ!ゼニちゃん!」
カメ「ぜにっ!」
キョン「俺達、最高のパートナーだぜ!ミュウツー!」
ミュウツー「……」
キョン「最後の最後になるかもしれねぇ。お前の本気、俺に見せてみやがれぇっ!」
ミュウツー「フン。そのつもりなく、ここに来たとでも?」(ゴォッ



ハルヒ・キョン「「いけっ!!あたしの(俺の)仲間たちッ!!」」



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922 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/02(火) 23:40:24.40 ID:IRNEs4wo

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923 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/02(火) 23:51:32.28 ID:IRNEs4wo

なぁハルヒ。

今回のこいつは、いい夢だったぜ。
お前プレゼンツの不思議にしては、今までで一番出来がよかったと思うね――。

散々見慣れた、自室の天井が瞼に落ちてくる。
カーテン越しの明かりが薄暗い。枕元を確認すると、まだ目覚ましが鳴るには早い時間だ。
この時期、この暖かな布団を朝早くから引き剥がそうなんて、そんな野暮が出来るものか。
俺は寝返りをうち、もう少し夢の余韻を楽しもうと――

体が固まった。
俺、こんなもん買った記憶はねえぞ。
聖ニコラスがよい子の寝室を訪れるには、まだまだ一月ほど早いと思うんだが。

布団から手を出す。触れる。その、プラスチックの冷たい手触り。
剥き身で放り出されたその本体に刺さっているソフトを、俺は大急ぎで確認する。



『ポケットモンスター金銀 シルバーバージョン』



……一体、これは。

924 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/03(水) 00:04:07.63 ID:z6H2xoEo

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キョン(日が昇り、そしてもうすぐその仕事を終えようという時刻。
    いつもの文芸部の部室に集まった、いつものメンバー。
    今日の団活は、先日宣言されたポケモンバトルだぜ)

ハルヒ「よーし!皆、それぞれポケモン用意してきたわねっ!?」
みくる「はぁい。古泉君に借りた赤バージョンで、頑張って育てたんですよ」
長門「同じく。今日を楽しみにしていた」
古泉「ふふ。僕は昔のデータが残っていましたからね、それで戦わせていただきます」

キョン(珍しく全員がやる気を見せている中、俺も鞄からゲームボーイを取り出す。
    それは今朝、何故か枕元に転がっていたゲームボーイカラーだ。
    そして、挿しているソフトは――)

ハルヒ「あらキョン!金銀バージョンで参戦しようっての?」
キョン「ああ。一応こっちも持ってきてみたんだ」
古泉「おや、困りましたね。僕は旧バージョンしか持っていないのですよ」
みくる「あ、あたしも…そのぅ、古泉くんからの借り物なので……」
長門「同じく」

ハルヒ「丁度いいわ!」

キョン(何となく、予感があった。
    俺がこれを持っているということは、きっと、あいつも――)

ハルヒ「ジャーーンッ!ゴールドバージョンよっ!」

925 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/03(水) 00:21:00.52 ID:z6H2xoEo

キョン(朝比奈さんが、なんだか眩しいものを見るような目つきでハルヒの手元を見ている。
    長門もだ。いつものつや消しブラックの瞳が、オニキスのごとき輝きを見せている。
    古泉の野郎はいつもどおりのスマイル顔だ。ちったぁ感動してみやがれ)

ハルヒ「そうね、とりあえず予選でも開いて団員を篩いにかけようかと思ってたけど、
    とりあえず練習試合も悪くないわね。
    さ、キョン!とっとと通信ケーブルを挿しなさいっ!!」
キョン「ん。了解」
ハルヒ「よし、じゃあ、っと」

カチッ ピョリーン

キョン(懐かしい起動音。そして始まる、ポケットモンスターの世界。
    言われるままにセーブしていた位置からポケモンセンターへと移動を開始した俺だが、
    ふと、ハルヒにカマをかけてみたくなったんだ。
    それくらいはいいだろう、古泉?閉鎖空間なんて出来やしないと思うぜ?)

キョン「なあハルヒ」
ハルヒ「なぁに」
キョン「お前のそのカセット、251匹全部集まってるだろ」
ハルヒ「へっ?」

キョン(ハルヒがキョトンとした目でこちらを見上げてくる。
    その顔が呆然から驚愕に変わり、そして一瞬で平静を取り戻すのを俺は確かに見た。
    なぁるほど。やっぱりな)

キョン「別に何となくだ、気にするな。凝り性のお前なら、それくらいやりかねんからな」
ハルヒ「あ……何だ、そういうことね」

キョン(勿論、こいつはただのハッタリだ。だから、確信出来た)

926 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/03(水) 00:33:14.35 ID:z6H2xoEo

ハルヒ「ねえ、キョン」
キョン「何だよ」
ハルヒ「あんたの手持ち、まさかカメールとミュウツーがいないでしょうね」
キョン「……いたら、どうかしたか?」
ハルヒ「ふーん?ううん、別に何でも」
キョン(さて。どうやらハルヒさんも疑っているようだし、どうしようかね。

    勿論、このカートリッジにはいるんだ。
    「ゼニちゃん」ってあだ名のカメールと、
    デフォルトネームのミュウツーがな。
    今朝確かめたことだ、間違いない。

    敢えてこいつらを出すか、引っ込めるか?
    うーん、実に悩むところだ。こいつら、うちの主力部隊だしな……)

キョン「ハルヒよ」
ハルヒ「何よ」
キョン「今日のバトルが終わっても、またポケモンしようぜ」
ハルヒ「へ?」

キョン(約束、しちまったからな。
    ずっとお前と一緒にいるって。

    その約束を果たし、チャンピオンになった俺達が次に行ったポケモン図鑑制覇の旅、
    今度こそ、俺はなかったことにするつもりはないぜ。

    そうと決めた俺は、ベストメンバーで通信待機状態に入る。
    夢の世界の話は、古泉の目を盗んで、二人でゆっくりすることにしよう――)

                                           -FIN-

927 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/12/03(水) 00:36:05.67 ID:z6H2xoEo

出来た!全部出来た!あたしが今書きたいこと全て!!



ということで、これで第二部もおしまいになります。
長々とお付き合いくださり、皆様本当にありがとうございました!

930 名前: ◆UuZF2thJYM[] 投稿日:2008/12/03(水) 01:37:23.74 ID:z6H2xoEo

>>928
>>929
長い間ありがとうございました。

うん、略したところのプロットもあったんだけどね!
もうスレが残ってないし、次に書きたいものも書けないしね!

938 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2008/12/03(水) 18:46:00.15 ID:5BrJdboo

乙!でもその言い方だとちょこっと第3部があるかな?
掲示板いるなら用意しますよ

940 名前: ◆UuZF2thJYM[sage] 投稿日:2008/12/04(木) 18:07:24.82 ID:CGFtR5w0

怒濤の乙ラッシュに俺感激

>>938
いや、全部書く事がいいとも思えないし
想像の余地分ってことでそこは空白にします
※そこ=鶴屋さん戦とか旅のその後とか

今はとにかく他の話を書きたい…



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