キョン「今日はエイプリルフールだから、長門に嘘をついてみよう」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:つかさ「お姉ちゃんその歯ブラシ捨てるの?」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 03:04:17.78 ID:mDxL3UWY0

  ―部室―

キョン「なぁ、長門」

長門「……何?」

キョン「突然で済まないんだが、俺の恋人になってくれないか?」

   (まぁ、断れるだろうが……)

    ピピピピッ

長門「……その要求を受諾することは出来ない。私は一カ月程前から
古泉一樹と恋人関係を結んでいる」

キョン「そーかそーか、古泉と……ってええええええ!??」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 03:15:25.15 ID:mDxL3UWY0

長門「そう。貴方は気づいていなかったの?」

キョン「あ、ああ……ごめんな、長門。いきなりこんなこと言っちまって……(なんでだろう、古泉と
長門が付き合ってるって知って、すごくモヤモヤする……カマドウマ退治の時なんて、古泉に長門と
付き合っちまえなんて言ってたぐらいなのn)」

「嘘」

………………ハイ?

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 03:24:21.01 ID:mDxL3UWY0

キョン「……」

長門「……」

キョン「あ、あのー、長門さん?どこからどこまでが嘘なんでしょうか?」

長門「私が『古泉一樹と恋人関係を結んでいる』という所まで」

キョン「……本当に?」

長門「本当」

キョン「そ、そうなのか……(よかったぁ……ってなんで俺はホッとしているんだろう)」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 03:36:36.40 ID:mDxL3UWY0

キョン「あれ?だけど長門はなんでそんな嘘「私が言わなくても分かるはず」」

………あ、あれ?もしかして長門怒ってるのか?

長門「私は……正確には私のこのインタフェースの肉体は、脳波の微弱な揺れ、
些細な仕草等を勝手に判別して、人が本当のことを言っているのかどうかが分かる。
………嫌でも、どうしても分かってしまう」

キョン「長門…?」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 03:48:11.20 ID:mDxL3UWY0

長門「貴方から見て私は、万能な存在なのかも知れない。しかし、だからこそ、常人では感知する
が出来ない、……言い換えれば、知りたくもないもの、見たくないもの等を、私の体はやすやす感知
してしまう」

長門「だから、あまりそういうことは言わないでほしい。貴方の言葉を不快と思いたくはない。……すまない、
こんなことを言うつもりはなかった。忘れてほしい」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 04:01:03.64 ID:mDxL3UWY0

そう呟き、長門は寂しそうな顔をしながらうつむいた。

……俺は何をしているんだ?毎度毎度世話になっている長門につまらない
冗談なんか言って、結局長門を不快にさせただけだ。
 改変世界を体験して、これからはなるだけ長門に苦労をかけさせないように
しようと決めたんじゃなかったのか?結局俺は何も分かってない。
 長門の表情が少し分かるようになっただけじゃないか!

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 06:28:34.61 ID:mDxL3UWY0

長門は、俺なんかじゃ到底理解し難い人間の負の感情をため込み続けているんだろうか。

あの小さな身体で、蓄積された狂気が溢れてこないように必死で堪えているのだろうか?

キョン「長門、何か……何か俺に出来ることはないか?」

実際、俺なんかにこんなことを言う資格なんて無いのだろう。
 いつもいつも長門に苦労をかけて、改変世界を否定して、そして
超能力者でも未来人でも………ましてや神様でもないちっぽけな俺には。
 だけど、長門が辛いのならそれを差し引いてもお釣りがくるくらい、
幸せを享受してもいいじゃないか。
 そう思っていると、突然長門が口を開いた。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 06:43:45.31 ID:mDxL3UWY0

長門「なら……手を繋いでほしい」

 長門はそう言いながら、いつものように無表情で俺を見つめてきた。

キョン「えっと…そんなことでいいのか?」

長門「いい。何故かはわからないが、私は今そうしてみたいと感じている」

 ……なんだか拍子抜けしちまったな。
 長門のストレスが解消されるんだったら、サンドバッグになってもいいって覚悟で
聞いたんだがな…。
 そう思いながら、おれは長門の小さくて雪のように白い手を包み込むように、
しっかりと握りしめた。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 06:55:00.14 ID:mDxL3UWY0

長門「………」

キョン「え〜と、どうだ?長門」

俺と長門が手を繋いで結構時間が経つんだが、長門は何も言わず、ただただ
繋いでいる手をジッと見つめている。
 その顔は、長門の表情を読むこと(だけ)に長けている俺にすら分からなかった。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 07:08:54.09 ID:mDxL3UWY0

 しかし、長門の手を握るなんて、『改変世界』から帰ってきた時以来だな。
 あの時の長門の手は本当に冷たくて冷たくて、俺の手の体温で少しだけ温かく
なっていたのが、今でも印象に残ってるなぁ……

キョン「…………」

キョン「…………」ボフンッ

な、なんか昔のこと思い出したら、恥ずかしくなってきた……。
 なんでだ?前はそんなことなかったのに……。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 07:23:57.46 ID:mDxL3UWY0

だ、大体今日の俺は何かがおかしい。
 長門の発言に一喜一憂したり、長門の手を握ってドキドキしたり……。
まぁ、事の始まりは俺自身のせいなんだが……これじゃあまるで

    ピピピピッ………ピピピッ

 長門「……こし……くで」

 キョン「え?……あ…な、何?」

 長門「もう少し近くで」

 長門「貴方を感じてみたくなった」

     ガシッ

 そう言うと、長門は急に俺に抱きついてきた

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 08:05:27.34 ID:mDxL3UWY0

キョン「な、長門!?なんでいきなり……」

長門「………」

 長門は黙ったまま小さい体を目一杯使って、俺をギュッと抱きしめてくる。
やばい!手を握っていたときとは比べ物にならないくらいにドキドキしてくる。
 でもそれ以上に、今胸の中から猛烈に噴き出してくる感情の正体に気づき、
ただただ唖然としていた。
 俺は本当に馬鹿野郎だ。
 今さら長門のことを、どう思っていたのかに気づくなんて……。
 しかも無自覚の嘘告白の後に気づくとか最悪過ぎる…
 頼む長門、この気持ちに気づかないでk

    ピピピピッピピッ……ピピピッ

長門「安心してほしい。貴方が今抱いている感情がどういったものであるのか、
私にはよく理解できていない。これはとても驚くべきこと」

 ホッ……

長門「しかし、私は貴方が抱いている感情にとても興味を持って
いる。だから、もし貴方が良ければ……」

 そして長門は今の俺にとって拷問レベルの苦行を言い渡した。







23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 08:17:49.14 ID:mDxL3UWY0

長門「お昼休みの時間帯に、こうして密着する時間を数十分欲しい。これも
自立進化を遂げる為、許可をお願いする。」

 うん、それ、無理ィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!

  ブツンッ

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 08:43:43.14 ID:mDxL3UWY0

  ――キョン 自宅――

AM 0:47 4/2

「ハァー……全然眠れねぇ…」

 目を閉じると長門に抱きしめられている時と、部室を出る時の長門の呟きを
思い出してしまい、寝ようにも眠れなくなってしまう。

 「お昼休み……部室で待っている」

 ハァ、というか女の子に抱きしめられて気絶しちまうなんて、
  …………あああああああ!!!明日どんな顔で長門に会えば
いいんだよ!?




 

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/02(金) 08:59:42.00 ID:mDxL3UWY0

 まぁ、あれだ!明日は昼休みまでに谷口と国木田にアドバイスでも
もらうことにしよう。
 多分……いや絶対にからかわれるだろうけど、もう形振りかまってなんかいられない。

 ……今度は俺の本当の気持ちを、長門に理解してほしいから。

 キョン「もしもし?あ!すまん谷口、寝てたか?明日ちょっと聞いてほしい
ことがあってさ、うん、もちろん国木田も一緒に。えぇ?……はいはい、何でも
おごってやるよ。………へ?馬鹿!今日はもう二日だ!」



  おしまい



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