キョン「鬼退治?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 16:59:35.18 ID:Q23knMQ40

長門「まーさかりかーついだきーんた…」

キョン「それはクマ」

長門「クマー」

古泉「ある日の暮方の事である。一人の下人が…」

キョン「それは羅生門」

古泉「よくご存じで」

朝比奈「えっと、え〜っと…」

朝比奈「あっ、むか…」

キョン「今日のお話は桃太郎です」

朝比奈「…あーぅ…」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:07:30.06 ID:Q23knMQ40

昔々、あるところにおじいさんとおかあさんがいました。

おじいさんは山へ、おかあさんは川へと向かいます。

森「よいっしょっと」

どんぶらこっこ どっこいしょ
どんぶらこっこ どっこいしょ

すると川上から大きなモモが流れてきました。

森「まぁ…大きなモモ」じゅるり

森「波っ!」スパッ

一瞬です。モモは真っ二つに裂け、さらに6つにはじけ飛びました。

森「おじいさんには悪いんだけど、おいしそうな桃だしここでいただいてい

きましょう」

森「あれ?」

古泉「」ブルブル

なんということでしょう。桃の中には男の子が入っていたのです。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:12:55.10 ID:Q23knMQ40

一方のおじいさんはというと

新川「波っ!」スパッ

新川「でぃや!」ザンッ

新川「ぬりゃああぁぁ!!」ジャキィン

ガキッ

新川「ぬ?」ギチギチ

「あぶないっさねー」

新川(なんじゃ?この竹、輝いておるの…)

新川「狐狸物の怪の類か!」スパッ

鶴屋「よっ!」ノ

なんということでしょう。竹の上を切ると、中には小さな小刀を携えた小さ

な女の子が入っていたのです。


古泉「それは竹取物語では?」

キョン「黙って聞いてろ」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:19:55.11 ID:Q23knMQ40

二人はあわてて家に帰ります。

【川からの帰り道】


森「おいしいですわね」もっちゃもっちゃ トコトコ

古泉「」ぶるぶる トコトコ


【山からの帰り道】


新川「ほうほう、コリン星が消滅したのか」ザッザッ

鶴屋「そうにょろ、フリーザ様最強っさ」チョン

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:24:42.27 ID:Q23knMQ40

家に着くと、ちょうど二人が鉢合わせになりました。

新川「おやその子は?」

森「川から流れてきましたの」ゲプッ

古泉「」プルプル

男の子は震えています。

森「そっちの子は?」

鶴屋「やっ!」ノ

女の子は新川の肩の上から手を挙げてあいさつをしました。

新川「輝る竹の中から出てきたんだ」

こうして4人は一緒に暮らすことになりました。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:33:37.05 ID:Q23knMQ40

男の子と女の子はすくすくと成長し、イケ面男子と超絶美人へと成長していきました。

女の子は都でも名の知れた美人となり、金持ちどもが日ごとに押し寄せてきていました。

イケメソ「火鼠の皮衣でございます」

鶴屋「え〜ほんとうかな〜?」

イケメソ「見てください。火で炙ろうとも焦げ目すらつきませぬ」

鶴屋「ちょっと貸してみるっさ」バッシャバッシャ

イケメソ「?」

イケメソ「姫、何を?」

鶴屋「もう一度、それを着て火に入ってみるといいっさ」

イケメソ「ならばもう一度ご覧にいれましょう」バッ

イケメソ「はっ!」ゴウッ ボッ!!

イケメソ「ぢーーー!!!」

鶴屋「あはははははははは!!!」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:39:08.77 ID:Q23knMQ40

一方のイケ面男子はというと

古泉「おじいさん、おかあさん」

古泉「鬼退治に行ってきたいと思います」

都を騒がせている鬼どもを退治するため、一人ちまちまと準備を整えて旅に出る準備をしていました。

古泉「おかあさんはきび団子を」

古泉「おじいさんは日本一と書いたは…」

新川「おぉ、鬼退治か?それならもういいぞ」

古泉「…はい?」

森「先日、機関からの命令でおじいさんと一緒に殺ってきちゃったから行かなくていいわ」

古泉「…マジですか」

一人ちまちまと準備を終える間に、おじいさんとおばあさんが鬼を退治していました。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 17:54:31.39 ID:Q23knMQ40

そうして約数カ月が経過します。

相も変わらず毎日のように、ひっきりなしに男どもは屋敷に押し寄せてきます。

ニマイメ「南の国より取り寄せた「龍の頸の五色の玉」です」

鶴屋「ビー玉だね」ポイッ

ニマイメ「あぁ」アセアセ

シャチョウ「「燕の子安貝」だ。これで俺の嫁に…」

鶴屋「単なる貝じゃまいか」ポイッ

シャチョウ「クッ…」

鶴屋「あ〜つまんない」

その頃、イケ面は

古泉「あ〜、僕って何しとけばいいんでしょうねー」ヒラヒラ

古泉「あ〜ちょうちょだ〜」トテトテ

古泉「わ〜い」トテテテ…

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 18:05:21.05 ID:Q23knMQ40

そして時は流れ、来るべき日がやってきました。

鶴屋「おじいさん、おかあさん」

鶴屋「一樹」

鶴屋「ついに来るべき日がやってきました」

鶴屋「明日私はこの家を去ります」

鶴屋「私は大丈夫ですから」ニコッ

新川「何をいっとる!!私たちが守って見せる!」

森「そうです!あんなやつらにあなたを渡したりしません!」

鶴屋「私がいなくなれば皆さんに迷惑をかけずに済みます」

鶴屋「どうかこのわがままは…」

古泉「ブーッブーッ」カシャカシャ

鶴屋「」ニコニコ グシャバキッ

古泉「あーん!」シクシク

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 18:16:08.46 ID:Q23knMQ40

次の日、ついにそれはあらわれました。
宵も明けぬ内から、青白く発光した巨大な鬼の肩に乗った小さな鬼は言い放ちました。

長門「姫を迎えに来た」

長門「おとなしく渡すがよい」

神人「うごおおぉぉぉ!!」

屋敷を囲む、姫を我が物にしようとする男たちは弓を構えて矢を放ちます。
しかしそれもむなしく、鬼の体に刺さることなく地面へ突き刺さっていきました。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 18:26:29.50 ID:Q23knMQ40

長門「わが君主は姫を嫁を我が物にせんことを願っている」

長門「おとなしく引き渡すがよい」

森「行くわよ新川!」パリパリッ

新川「ぬかるな森!」バチバチッ

ヒュン

赤い球体となったおじさんとおかあさんが青白い鬼に向かって飛んでいきます。
一瞬です。鬼の腕が 足が 肩が その身が二つの球体によって切り刻まれていきます。

長門「”$%Y&’F」

しかし、肩に乗っている鬼が怪しげな呪文を唱えると、鬼はすぐさま元通りに戻ってしまいました。
青白い鬼の反撃です。振り下ろされた手が、おじいさんを直撃します。

ズドゴォ!

新川「くっ…」

森「新川!!」

一瞬の隙を鬼は見逃しませんでした。今度は平手でおかあさんははたき落されます。

ボグシャッ!

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 18:37:11.56 ID:Q23knMQ40

森「うぅ…」

鶴屋「おかあさん!」

血まみれになったおかあさん。それをみて駆け寄る姫

鶴屋「おかあさん!」

森「逃げて…早く!」ゴポッ

おかあさんが必死に、口から血をこぼしながら懸命に伝えている中でのこと。
青白い鬼は姫をつかみ上げました。

鶴屋「放せぇ!!」バキッ

一瞬でしたが、鬼の手が開いて姫が落ちそうになりました。しかし、ナイスキャッチ。
鬼はそのまま姫を再びつかむと空高くに掲げました。

長門「なんという馬鹿力」

長門「でも無駄」

長門「T$Y$TWFC…」カクッ

なんということでしょう。小さな鬼が呪文を唱えて数秒後に姫の意識がなくなりました。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 18:49:00.85 ID:Q23knMQ40

殲滅―――。

無残に負けた者たちは、亡骸とともに屋敷に残っていました。

ただ一人を除いて。

長門「これで姫を連れて帰ればみっしょんこんぷりーと」

長門「・・・」

長門「なに?」

古泉「…ばーぶ」

イケ面は地面に座り込んでその戦況後をただ見ていました。
血まみれのおじいさんとおかあさんの姿を見ながら…

長門「…そう」

長門「私は鬼ヶ島へと帰る」

長門「でわ」ズシーン ズシーン…

古泉「…うお…」じわっ

古泉「うおおおおおぉぉぉ!!!」

イケ面は叫びます。流れる涙は叫び声とともに掻き消えていきました。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 18:56:40.57 ID:Q23knMQ40

長門「ユニーク」

古泉「あれ?おじいさんとおかあさんが鬼退治をしたのでは?」

キョン「それは都の鬼だろ。だれも鬼ヶ島なんていってねぇよ」

古泉「うわぁ…」

朝比奈「都の鬼退治といえば一寸法師ですね〜」

キョン「朝比奈さん」

朝比奈「はい?」

キョン「黙っててください」

朝比奈「…はい」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:05:18.57 ID:Q23knMQ40

新川「全治一週間だそうだ」

森「私は捻挫ですんでよかったわぁ」

翌日、元気になったおじいさんとおかあさんは今日も張り切って身体を動か

していました。

新川「ててっ…さすがに親指の骨にひびが入っていると痛いな」

森「私も、右手の小指がちょっといたいです」

古泉「…えーと、お二人とも」

新川・森「ん?」

古泉「姉さんを助けに行かなくていいんですか?」

イケ面はもう旅立ちの準備をしていました。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:16:51.13 ID:Q23knMQ40

新川「いや、すぐにでも行きたいがこのままでは二の舞いになるだろう」

森「いったん策を練っていくのが常識でしょう?」

古泉「しかし!!時は一刻をあらそうんですよ!?」

森「仕方ないわね、それならあなたが先陣を切っていってきなさい」

古泉「え?」

新川「多少心もとないが、死んだところでストーリーには支障はきたさないだろう。行ってきなさい」

古泉「え?」

古泉「…え?」


古泉「…マジっすかー」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:26:16.76 ID:Q23knMQ40

ということで、一人鬼ヶ島に行くことになったイケ面こと古泉一樹は
おじいさんとおばあさんからもらった『名刀・はかた』と『きびだんごX』を持ち旅に出かけた。
ここから鬼ヶ島まで14.5km
一人ではやはりさびしい古泉君は仲間を探すことにしました。

古泉「しかし鬼退治に行くのに人間じゃなくて動物を従えるってどうなんでしょうね」

古泉「犬、猿、雉…」

古泉「どう考えても鬼なんかに太刀打ちできないでしょう…」

古泉「どうせなら新川さん森さんが付いてきてくれれば最高でしたが…」

古泉「田丸さんたちか…」

古泉「最悪、涼宮さんや彼がいいですね…」

「こーいずみさんこいずみさん お腰につけたきびだんご 一つ私にくださいな」

との声が後方89m付近から聞こえてきました。
そして追いついた声の主に向かって一言。

古泉「…よりにもよってあなたですか」



谷口「ん?なんだよ」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:35:19.54 ID:Q23knMQ40

古泉「悪いんですが、犬の着ぐるみを来た不審者には用はないんで」

谷口「いっとくが、この先に仲間になる奴は2人しかいねぇぞ」

古泉「…マジですか」

古泉「強制ですね…」

谷口「そういうなって!なかよくやろうや!」

古泉「…はぁ」

ということで犬が仲間になりました。

そして500メートルほど歩くと再びあの歌が聞こえてきます。

「こーいずみさんこいずみさん お腰につけたきびだんご 一つ私にくださ

いな」

今度は前方56メートル先からです。

古泉「…えぇ〜、うそぉ…」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:44:11.08 ID:Q23knMQ40

谷口「よっ」

谷口「うっす」

古泉「なんであなたが二人もいるんですか!!!」

谷口「まぁそういうなって」

谷口「仲間もあと一人しかいないんだから気楽に行こうぜ!」

古泉「マジですかぁ〜?」

谷口「よろしくぅ」

谷口「こっちこそな!」

古泉「はぁ…」

そして猿も仲間になりました。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:49:44.88 ID:Q23knMQ40

バラバラバラバラ…

「こーいずみよこいずみよ 腰につけたきびだんご 一つ俺によこしなさい」

古泉「ん?」

高らかに声をあげ、颯爽と舞い降りるは最後の一匹、もとい一羽である雉である。
大きく広げたパラシュートが地面に着地すると、背中につけていたそれをはずして古泉ら一行のもとに姿を現す。

古泉「え〜…」

藤原「…」

古泉「恰好がものすごくシュールです」

藤原「黙れ」ゲシッ

古泉「イテッ」

そして3匹が仲間になりました。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 19:56:49.68 ID:Q23knMQ40

一人と三人はタクシーに乗り込み、フェリーへと向かいます。
途中渋滞があって1時間ほど遅れてしまったようでしたが、なんとかフェリーまでたどり着きました。

運転手「3000円ね」

藤原「谷口まかせたぞ」

古泉「それじゃ、先にフェリーに乗っておきますので」

谷口「え?」

谷口「俺?」

運転手「お客さ〜ん?まさか払えないなんてことないですよねぇ…」

W谷口「…」

そしてフェリーは出航する。鬼ヶ島へと…

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:00:28.46 ID:Q23knMQ40

古泉「なんか車とかフェリーとか、近代的なものが出てきましたね」

キョン「なんだお前、銀魂見てねぇのかコラ」

古泉「いや、あちらは昔話じゃないですし、普通の世界とも…」

キョン「近藤とか沖田とか、有名人ずらっとでてんだろうが」

キョン「空気よめコラ」

長門「KY」

古泉「…」

朝比奈「えっと…」

キョン「しゃべらなくていいですよ」

朝比奈「…ひゃい」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:07:18.17 ID:Q23knMQ40

古泉「いよいよ鬼ヶ島…」

藤原「フム。嫌にデカイな、この扉」

藤原「普通の力ならあかんだろう」

古泉「どうします?」

藤原「頭を使え」ピンポーン

インターホン『はーい』

藤原「来客だ、あけてくれ」

インターホン『あ、はい。んしょっと、ちょっと待ってくださいね』

キィ…

朝比奈「はーい」

藤原「…こんなところに扉があったのか」

古泉「どうもすみません」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:13:55.24 ID:Q23knMQ40

古泉「姉さんを返してもらいにきました。おとなしくしてください」チャキッ

古泉は刀を抜き、かまえます。雉は腕を組んだまま動きません。

朝比奈「ひゃああああぁぁぁ!!か、刀もってますぅぅ!!」

古泉「うるさいですよ!僕は姉さんを返してもらえればそれでいいんです」

古泉「さぁ、ボスのところに案内してもらいましょうか」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:24:07.74 ID:Q23knMQ40

ボス家につくまで、一人と一人は辺りを見回します。

橘「ねぇ、あれ見てください…」ざわざわ

佐々木「うわっ…あれって…」ざわざわ

鬼ヶ島――。
名前とは打って変わってのかなりの明るい賑やかな町である。
あちこちでクレープを食べている女子高生や、音楽に乗りながら踊っているダンサーなどがそこらじゅうにいました。
そんな中で鬼に刀を突き付けながら町の中を歩く三人は、たちまち注目の的になっていました。
ボスの家に着くと、二人は唖然としました。
なんとういうお屋敷でしょう。あの青白い鬼が十人は住めそうなほど巨大な建物がそこにありました。

古泉「これはこれは…」

朝比奈「あのぉ…刀なんとかしてもらえましぇんかぁ?」

古泉「まずは姉さんを助けてからです」チャキッ

朝比奈「ひえ〜ん」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:31:33.53 ID:Q23knMQ40

ピーンポーン

インターフォン『はーい』

朝比奈「えーっと…朝比奈ですぅ」

朝比奈「ご主人様に会いたいとおっしゃる方々がぁ…」

インターフォン『用件は何?』

朝比奈「えーっとぉ…」チラッ

古泉「」ボソボソッ

朝比奈「なんでも昔からの友人らしくてぇ…」

朝比奈「久しぶりに通りがかったから来たそうですぅ」

インターフォン『ふーん』

インターフォン『とりあえず扉あけるわ』

ガラガラ

扉が開けられたと同時に鬼を押しのけて一人と一人が中へと突入する。
鬼は唖然とその二人を見つめていましたとさ。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:40:46.57 ID:Q23knMQ40

藤原「人質はよかったのか?」

古泉「扉があけば何とかなります」

古泉「あとは姉さんを助け出すだけです」

藤原「やれやれ。お前はもう少し落ち着いて行動すべきだな」

古泉「それはどういう意味ですか?」

藤原「これだけ広い屋敷だぞ?警備も並大抵じゃないだろう」

古泉「そんなことは百も承知です」

古泉「避けようとしても、どうせ戦いにはなりますよ」

古泉「ならば最初から戦っていても一緒でしょう」

藤原「…アホめ」


「あら?侵入者?」

「面白そうね…あんたたち、行ってきなさい」

「はっ!」シュンッ

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:48:04.87 ID:Q23knMQ40

一人と一人が走ると大きな広場につきました。

古泉「まだまだみたいですね」

藤原「しかし妙だな。ここまで誰とも出会わんというのは…」

古泉「確かに…」

古泉「もしやこれは罠かもしれませんね…」

アナウンス『その通り!』

その広場にアナウンスが鳴り響きます。

アナウンス『あんたたち、一体何しに来たの?』

古泉「姫を返してもらうためにました!」チャキッ

古泉「おとなしく姫を返してもらいましょう!!」

誰もいないはずの広場で刀を構える古泉。その横で悠然と腕組をする藤原。



そして港で働く二人の谷口。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 20:55:11.35 ID:Q23knMQ40

アナウンス『鶴屋姫を?そうねぇ…返してあげないこともないけど』

アナウンス『そいつらに勝ってからね!』

ゴゴゴゴゴッ…。

地面が盛り上がったと思うと、突如あの青白い鬼が現れました。

藤原「デカイな」

ドゴォ!

古泉「ふっ…藤原さぁん!!」

アナウンス『さっ、戦闘開始よ!』

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:01:00.85 ID:Q23knMQ40

藤原「って、もう始まってるのか」ヒョコッ

古泉「なんだ、助かってるんですか」

藤原「残念そうだな」

古泉「なんでですか。いまはこっちに集中してください」

藤原「そうだな」

二人が見据える先には巨大な鬼が両手をあげて二人に襲いかかろうとしているところでした。
鬼の一撃!しかし、その攻撃は二人をとらえることはできませんでした。

藤原「おい、どうするんだ?」

古泉「任せておいてください」ヴン

藤原「おぉ、球体化か」

古泉は赤球となって鬼へと立ち向かいます。手や足、肩や胸といったところが次々と切り落とされて行きました。

古泉(前回はあの小さな鬼がいたことで復活していましたが、今回はこの鬼だけですから大丈夫でしょう…)

ズシャッ

鬼が音を立てて倒れ、消えていきます。そしてそれはまるで雪のように白い粒となって宙を舞い、とけるように消えて行きました。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:07:19.67 ID:Q23knMQ40

藤原「やるじゃないか」

古泉「ふふっ、ほめても何も出ませんよ」

藤原「しかし次はどうする?」

アナウンス『あーあ、まさかあっさりやられちゃうなんてね…』

アナウンス『まぁいいわ!次は簡単にはいかないわよ!』

アナウンス『さぁ行きなさい!4人とも!』

トコトコ

軽い足取りとともに現れた4人の鬼。一人はあの白青い鬼の肩に乗っていた

鬼でした。

長門「帰るがいい」

古泉「断わります」

古泉「姫を返してくださればすぐにでも帰りますが…」

古泉「ここまで来てただで帰れるわけがないでしょう」チャキッ

長門「そう」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:14:27.00 ID:Q23knMQ40

4人の鬼は一人と一人を見据えながら続けました。

朝倉「ねー、早く終わらせちゃわない?」

と、ナイフをちらつかせながら鬼が言います。

喜緑「神にお祈りする時間くらいあげましょう」

と、わかめのような髪型の鬼が言います。

九曜「―――わかめ」

と、もう一人の昆布のような髪型の鬼が言います。

ジャキィン!

そのセリフとともに戦闘がはじまりました。わかめとこんぶによる乱戦です。

喜緑「あら、昆布さん。お口が過ぎますことよ」

九曜「―――ふえる―――!?」

こんぶが何か言いかけた瞬間に、身体が吹き飛び壁へと激突します。
壁はまるで大砲でも命中したように音を立てて崩れ落ちました。
「わかめ」という最初の会話からここまで4秒。

九曜「―――…」

喜緑「この程度じゃないでしょう?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:24:37.01 ID:Q23knMQ40

古泉「…」

古泉「藤原さん」

藤原「なんだ?」

古泉「さっきは僕が行ったので、この4人はお任せしますよ」

その光景を見て、古泉は苦笑しながら言いました。

藤原「フッ」

藤原「俺の脚を見てみろ」

ガクガクブルブル

なんということでしょう。雉の脚は震度5の地震に見舞われたかの如く震えていました。

古泉「ふふっ、あなたもですか」

古泉の脚も震えていました。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:34:27.68 ID:Q23knMQ40

古泉「しかしこのままでは先に進めません」

古泉「ここはあなたがおとりになるべきです」

藤原「それなら俺がその姫とやらを助けに行ってやる」

藤原「安心して散ってこい」

そんな一人と一人の会話をよそに、二人の鬼が一瞬で距離を詰めて攻撃を仕掛けます。

ガキィン!

バキッ

金属音と打撃音がこだましました。ナイフを刀で受けた古泉と、拳を腕でブロックした藤原が二人をにらみます。

朝倉「なかなかの反応ね」

長門「…」

ザッ――。距離をいったんとる二人に、古泉と藤原は構えをとりました。

古泉「…強いですよ」チャキッ

藤原「ぬかるんじゃないぞ」グッ

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:39:25.32 ID:Q23knMQ40

ガキィン! バキッ! スパッ! グシャッ!

古泉「なかなかやりますね」

朝倉「ふふっ、頬から血を流しながらでも余裕ね」

藤原「やれやれ、この格好は動きづらくてかなわないな」

長門「そろそろ勝負を決める」

朝倉「そうね」

長門・朝倉「σ#$TFaet43e$#)OΘ…」

古泉「!!」

藤原「なんだ?」

古泉「藤原さん!気をつけて!きますよ!」

藤原「なにが…!!」ドッゴォ!!

雉が壁にたたきつけられました。呪文を唱えてわずか2秒での出来事です。
雉は地面に落ちると力なく倒れました。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:43:39.25 ID:Q23knMQ40

古泉「またです…か!」ガキィン

名刀『はかた』にひびが入りました。ナイフです。鬼のナイフがはかたに食い込んだのです。

朝倉「あぁあああぁぁ!!」ギギギッ

古泉「まずい!」

急いでナイフを滑らせ、刃が折れるのを防ぐ古泉。
しかし鬼の切り返しの攻撃は早く、ナイフが古泉の腋をとらえていました。

長門「私も忘れてもらっては困る」

素手の鬼も古泉の背後をとらえていました。

絶体絶命の古泉に、命はあるのだろうか!

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:47:16.16 ID:Q23knMQ40

古泉「あるんですか?」

キョン「さぁな」

長門「ない」

キョン「そうかもな」

朝比奈「大丈夫ですよ」

キョン「まぁ超展開ってわけじゃないと思うが、大丈夫だろ」

朝比奈「わぁ…」

キョン「あ、黙っててくださいよ朝比奈さんは」

朝比奈「え〜…」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:52:08.15 ID:Q23knMQ40

グシャッ! ズブッ!

長門「なっ」

朝倉「うそっ」

古泉「まさか!?」

三人は驚いて目を疑いました。鬼の二人の攻撃は古泉には届かなかったのです。

谷口「谷口流奥義」
谷口「絶対領域・WA」

そう、犬と猿です。犬と猿の腹部にナイフと拳が突き刺さったのです。

谷口「ぐぶふぅ!」ゴポッ

谷口「ごはぁ!!」ゲロゲロッ

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 21:56:59.73 ID:Q23knMQ40

突然の犬と猿の出現に驚いた二人はいったん距離を置きます。
そして距離を保った二人。
犬と猿は血とゲロを吐きながらその鬼を見据えます。

谷口「たった二人で俺たちを…ごフッ」

谷口「あ…相手にしようなんてな…ぶふっ…」

古泉「虫の息じゃないですか」

そのとおり。犬と猿は青い顔をしていました。

谷口「俺たちにはまだ奥の手が…」ゴポゴポ

谷口「残ってるんだよ」ミシミシッ

古泉「…やすまれたほうがいいのでは?」

谷口「古泉さん、あれを俺に!」

谷口「そう、早く!!」

古泉「…あれ?」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:02:12.57 ID:Q23knMQ40

一方のわかめとコンブの戦争は

わかめ「足元がお留守ですよ」ジャキィン

こんぶ「―――罠」ガキィン

こんぶ「―――くらえ」ズォォオ!

わかめ「あまいです!」ヒュォッ!

すごい戦いを繰り広げていました。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:07:27.85 ID:Q23knMQ40

長門「情報操作がきかない…」

朝倉「まさかこんなやつに…」

空中で体制を整える二人は色々なことを考えながら全身を膨らませた半裸の男

を見てつぶやきます。

谷口「古泉さん」

谷口「先をいそいでください」

W谷口「ここは俺らにまかせて!」

そういって見事な肉体で壁を作る二人は古泉を送り出した。

古泉「お願いします!」ダッ

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:13:08.27 ID:Q23knMQ40

古泉は急ぎます。

走ります。

看板『この先、ぼすのやしろ』

池です。

なんで屋敷の中に池が?

脱ぎます。

泳ぎます。

島です。

上陸します。

目の前には社がありました。

看板『ぼすのへや』

古泉「頼もう!!」ガラッ

赤フンで古泉は刀を構えます。

古泉「姫を返してもらいます!!」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:20:27.58 ID:Q23knMQ40

「あら、あなた一人で来たの?」

「はじめまして」

「と言いたいところだけど、さようならも言っておくわ」

カーテン越しに影のみが映し出されるその姿。明らかに女性のものだった。

古泉「でぇい!!」

カーテンを切り裂くと、目の前に座っていたのは女性でした。

ハルヒ「残念ね、普通に来てくれたらよかったのに」

古泉「御託はいいので、はやく姫を返してください」チャキッ

刀をのど元にあて、脅すように古泉はいいます。

ハルヒ「あら?いいの?」

古泉「え?」

ハルヒ「ふふっ」パチン

ズシャッ――。

古泉「なにっ!?」

古泉が取り押さえられます。なんということでしょう。そこにいたのは…

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:25:12.28 ID:Q23knMQ40

藤原「御苦労」

古泉「藤原…さん…」

そう、雉です。雉は裏切り者だったのです。

ハルヒ「縛っといて」

藤原「言われなくともそうするつもりだ」

縛られ、古泉は壁に放り投げられます。

藤原「ふぅ…もういいだろ」

雉は着ぐるみを脱ぎ、部屋の隅にあった椅子に座ります。

古泉「始めからグルだったんですね」

古泉はにらみます。しかし、雉…こと藤原は面倒くさそうに答えます。

藤原「交換条件を出されてな。見逃す代わりにこちらに着かないかと」

古泉「寝返ったのですね…」

ドサッ――。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:30:00.96 ID:Q23knMQ40

古泉「谷口さん!?」

谷口「」

谷口「」

なんということでしょう。干からびた犬と猿が部屋に放り投げ込まれました。

長門「突然干からびた」

朝倉「きっと副作用ね」

犬と猿はなにも言いません。まさに干物状態です。

ハルヒ「あれ?あとの二人は?」

長門「乱戦中」


広場

わかめ「いい加減にしなさい!」ドゴォ!ウジャウジャ…

こんぶ「―――増えるな」ギュン!ズゥン…

わかめ「そちらこそ!大きくならないでください!」ベキィ!

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:36:59.85 ID:Q23knMQ40

ハルヒ「さて…姫を返せってのはさっき聞いたけど」

ハルヒ「あんたそれ本気でいってんの?」

古泉「当り前です!無理やり連れて行かれた姉さんを!」

古泉「助けに来たにきまってるじゃないですか…」

古泉はにらみながら言います。すると鬼の大将は古泉に近づいて言いました。

ハルヒ「じゃあ会ってみる?」

古泉「え?」

そういって鬼は古泉を連れて奥の間へと移動しました。そこで見た光景は…

鶴屋「あははっ!さぁ!かかってくるっさ!」

バキッ ドカッ

鬼と戦う姫の姿がありました。姫はうれしそうに、表情明るく過ごしていました。

古泉「…」

唖然とする古泉。飄々とした態度の藤原。笑顔の大将。


そして干からびたままの谷口たち…

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:41:44.89 ID:Q23knMQ40

古泉「姉さん!」

鶴屋「ん?」

鶴屋「おー!一樹くんじゃまいか!」バキッ

たったったっ

鶴屋「よっ、元気かい?」

古泉「元気かい?じゃないです!」

古泉「早く帰りましょう!おじいさんやおかあさんも待ってますし!!」

鶴屋「そのことなんだけどねぇ…」

姫は言いました。自分が連れてこられ、新しい環境が自分に合っているものであったこと。
そして先程、おじいさんとおばあさんに手紙を書いて出したこと…
古泉は唖然として、無言のままその場で灰になっていました。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:47:46.13 ID:Q23knMQ40

キョン「そうして、桃太郎は銃刀法違反および猥褻物陳列罪で警察に突き出され」

キョン「姫は鬼が島で末永く幸せに暮らしましたとさ」

古泉「青白い巨大な鬼と小さな鬼のタッグは殺人罪適応なのでは?」

キョン「便利な能力があるだろ」

キョン「なっ、長門」

長門「情報操作は得意」

古泉「そうですか…」

長門「次は金太郎と一寸法師のコラボを要求する」

キョン「金太郎は話をしらんからなぁ…」

古泉「吾輩は猫であると羅生門のコラボというのはどうでしょう?」

キョン「どんな物語になるんだよ」

朝比奈「えーと、じゃあ白雪姫…」

キョン「…フッ」

朝比奈「なんで鼻でわらうんですかぁ…」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:50:39.75 ID:Q23knMQ40

ハルヒ「へい!おまちぃ!」

ハルヒ「って、何よみんな集まって何話してたの?」

キョン「文芸部活動だな。創作小説を話し合っていたわけだ」

ハルヒ「へぇ、おもしろそうね!」

ハルヒ「じゃあみんなで物語考えるわよ!」

古泉「ははっ、おもしろそうですね」

長門「…」ペラッ

朝比奈「お茶いれますねぇ」トテトテ

キョン「今日も平和だなぁ…」


終わり

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/23(水) 22:53:21.85 ID:Q23knMQ40

途中支援してくれてた人はまだ見てくれているのだろうか…
一人でさみしかったんだぜ…見てくれた人乙です。



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