長門「……好きだから」


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20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:00:39.29 ID:C2Q5sBnu0

PM 4:22 文芸部室

キョン「生徒会から呼び出し?」

長門「……うん」

キョン「何だろうな…一体」

長門「……部員が少ないから…廃部…とか…」

キョン「まさか…4月5月なら兎も角、今になって…」

長門「……」

キョン「…そんな不安そうな顔するな、俺も一緒に行くから」

長門「…!」

長門「……ありがとう」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:08:20.35 ID:C2Q5sBnu0

PM 4:38 生徒会室

キョン「…無期限休部…」

長門「……そんな」

生徒会長「そうだ」

キョン「…部員が…2人しかいないからっすか」

生徒会長「…それもある…が、しかし何より」

生徒会長「文芸部には部としての活動をしている様には思えん」

長門「……!」

生徒会長「そもそも部員が長門有希くん、君1人になってしまった時点でとるべき
措置だったわけだが」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:19:21.91 ID:C2Q5sBnu0

生徒会長「まあ特に問題があるわけでもなく、部費の請求は全く無かったので
こちらとしても気にはしなかったのだが…」

生徒会長「やはりこのような機能してない、いわば幽霊部を認めるわけにはいかないのだ」

キョン「突然そんな事を言われても困る!今までほったらかしにしておいて
この時期にいきなり言い出すなんてフェアじゃねえだろ」

生徒会長「口を慎みたまえ、こちらにももちろん責任はあるが、それをいい事に
ダラダラと機能していない部に留まっていた君達にも責任はあるだろう」

キョン「何だと…!!」

長門「…やめて……!」

キョン「!!長門…」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:28:43.50 ID:C2Q5sBnu0

生徒会長「…だが私も鬼というわけではない」

キョン「!」

生徒会長「部員についてはともかく…文芸部が文芸部としてまともに活動していれば、
そもそも文句などないのだからな」

生徒会長「問題視されているのは、何一つ活動していないというところにある」

キョン「…つまり休部以外に何か案があるって事か」

生徒会長「条件だ…文芸部として、早急に活動をしたまえ」

生徒会長「そうすれば休部の執行は一時取り下げ、部の存続を認めよう」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:34:57.22 ID:C2Q5sBnu0

長門「…活動…」

キョン「具体的に何をすればいいってんだ」

生徒会長「機関誌を作ることだ…文芸部はたとえ部員不足に悩まされたとしても、
毎年一冊は発行していたようだ、目に見える活動として一番分かりやすいだろう」

キョン「機関誌…」

生徒会長「内容に関しては関知しないが…本来の部の活動人数である、
最低5人分の作品を載せる事だ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:41:08.08 ID:C2Q5sBnu0

長門「…」

生徒会長「そして一週間後の今日までにその機関誌を100部用意し、
その後に廊下の渡りテーブルに無人で放置し、3日以内に
全部数をはく事、これが条件だ」

キョン「…(厳しいな…)」

生徒会長「コレが今できる最大の譲歩だと思って貰おう」

キョン「くっ…」

長門「……わ、分かりました…」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:45:53.86 ID:C2Q5sBnu0

生徒会長「…喜緑くん、例の物を」

喜緑「はい」

スッ

キョン「これは…?」

生徒会長「昔の文芸部が作成した会誌だ…参考にしたまえ」

喜緑「どうぞ」

長門「…どうも…」

生徒会長「せいぜい頑張りたまえ」

キョン「…(くそ…)」

長門「…し、失礼します…」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 13:50:37.52 ID:C2Q5sBnu0

PM 5:15 文芸部室

キョン「くそ…偉そうに」

長門「でも…確かに、文芸部らしい活動は…してなかったし…」

キョン「…まあ、それもそうなんだが」

キョン「…仕方ない、1週間以内になんとかするしかないか」

長門「…」コク

キョン「とりあえず、あと3人なんとかしねーと…」

長門「…私は…朝倉さんに頼んでみる…」

キョン「そっか…俺もツテに頼んでみるさ」

長門「………うん」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 14:00:25.19 ID:C2Q5sBnu0

PM 8:39 長門宅

朝倉「そう…大変な事になっちゃったわね…」

長門「…だから…協力してほしいの…」

朝倉「もちろん!長門さんの頼みならお手伝いするわよ」

長門「…ありがとう…!」

朝倉「それにしても休部だなんて…」

長門「…うん……」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 14:03:51.26 ID:C2Q5sBnu0

長門「…」

朝倉「…」

長門「…し」

朝倉「?」

長門「もし…そんな事になったら…」

ポロッ

朝倉「!」

長門「彼と…一緒に居られなくなっちゃう…」ポロポロ

朝倉「長門さん…」

長門「…そんなの嫌……」ポロポロ

朝倉「泣かないで…そんな事にはさせないから!!」

長門「…」ポロポロ

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 14:12:42.64 ID:C2Q5sBnu0

翌日PM 4:13 文芸部室

キョン「お前なんか目赤くないか?」

長門「!…そ…そう…?」

キョン「寝不足か?身体は大事にしろよ」

長門「………うん」

朝倉「(…この男一発殴りたい)」

朝倉「…で、貴方も誰かに頼んだんでしょうね?」

キョン「まあ一応な」

ガチャ

国木田「こんにちは」

谷口「よーう!!待たせたなキョン!!」

朝倉「(やっぱりか)」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 14:21:04.05 ID:C2Q5sBnu0

朝倉「…で、貴方達2人ってわけ」

谷口「当然よ!!大の親友の頼みとあっちゃ断れないだろ!!」

キョン「(ウザい…といいたい所だが事情が事情だからな)」

谷口「ところでキョン、ホントに2週間の間コーヒー奢ってくれるんだろうな?」

朝倉「何が大の親友の頼みよ」

長門「…あ…あの…そこまでして…?」ボソボソ

キョン「あ?ああ、俺だってここにこれなくなるのは辛いしな」ボソボソ

長門「……ありがとう」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 14:33:27.64 ID:C2Q5sBnu0

国木田「で、何か書くんでしょ?」

朝倉「それなんだけど…私と長門さんでクジを作ったから、引いて出たジャンルを
書くことにしましょう」

キョン「ふうん…ちなみにジャンルはどんなのがあるんだ?」

朝倉「それは引いてのお楽しみ…って事で」

谷口「面白そうじゃねーか」

長門「…」

朝倉「じゃあ…せーので引きましょう」

「「「「「せーの」」」」」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 14:39:38.83 ID:C2Q5sBnu0

キョン「ミステリーだと?あんまり読んだ事はないんだがな…」

谷口「日常エッセイ…パッとしないもん引いちまったなあ…」

国木田「SFかぁ…最近読んだのはどんなのだっけ」

朝倉「私のは冒険小説…あれ…って事は」




『恋愛小説』



長門「……………」プルプル

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:35:09.75 ID:C2Q5sBnu0

PM 8:36 キョン宅 自室

キョン「ミステリーか…全然読んだ事無いが、まあ2時間モノのサスペンスでも
参考にして…」

キョン「(長門は恋愛小説…どんなの書くんだろうな)」

…………………………………

朝倉「恋愛小説ねぇ…」

長門「恥ずかしくて書けない…」

朝倉「そんなの誰でもそう言うわよ」

長門「どう書いたらいいのか…」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:38:51.99 ID:C2Q5sBnu0

朝倉「ねえ…こういうのはどう?」

長門「?」

朝倉「貴方がキョン君に対して想ってる事を書くってのは」

長門「!?…そ、そんなの…」カァァァァ

朝倉「貴女キョン君の事好きなんでしょ?」

長門「そんなはっきり言わないで……っ!」カァァァァ

朝倉「…嫌いだっけ?」

長門「………………………好き」ポツリ

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:46:48.63 ID:C2Q5sBnu0

朝倉「例えば、登場人物の設定とかは変えて、貴女のキョン君に対する想いを
重ねて書く…って具合に」

長門「そんな…恥ずかしい…」カァァァァ

朝倉「う〜ん…いい案だと思うんだけどなぁ…」

長門「…」

朝倉「少なくとも、そこらの恋愛小説を真似て書くよりかはよっぽど
いい作品が出来ると思うけど?」

長門「…そう?」

朝倉「まあ、無理強いはしないわ…何を書くかは貴女の自由だから」

長門「…」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:51:53.30 ID:C2Q5sBnu0

翌日 PM 12:49 北高教室 昼休み

キョン「…で、皆まだ手はつけてないと」

谷口「昨日の今日じゃねーか」

国木田「っていっても1週間しかないんだけどね」ペラ

キョン「国木田、その本は?」

国木田「前に読んだ事のあるSF小説なんだけど…いまいちイメージがつかめなくて」

谷口「SFならいいぜ、俺なんて日常エッセイだぜ?そんなフワッとしたもん
どう書きゃいいんだよ」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:54:23.77 ID:C2Q5sBnu0

キョン「日常で思ったこと書けばいいんだろ」

谷口「日常ねぇ…」

国木田「難しく考える事ないんじゃない?」

谷口「うん…!そうだ!!」

キョン「名案でも浮かんだか」

谷口「俺が他校の女子と合コンしたりなんだったら付き合ったりっていうのを
書いたらどうだ!?」

キョン「却下だ」

谷口「速っ!!」

国木田「それはただの自慢でしょ」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:57:03.69 ID:C2Q5sBnu0

PM 4:55 文芸部室

キョン「うむむむ…」

長門「…」チラッ

キョン「むむ…」

長門「…」チラッ

キョン「…」

長門「…」チラッ

キョン「…何だ長門?」

長門「!!」ドキッ

長門「な、なんでもない…」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 15:59:37.60 ID:C2Q5sBnu0

キョン「?そうか…」

長門「…」ドキドキ



朝倉『貴方がキョン君に対して想ってる事を書くってのは』



長門「…〜〜!!」カァァァァ

キョン「(…なんだ?キョロキョロしたり赤くなったり)」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:08:53.18 ID:C2Q5sBnu0

キョン「…なぁ、長門」

長門「!!…な、何?」

キョン「頑張ろうぜ」

長門「…え?」

キョン「正直、生徒会長のやり方にはいまだ納得してないが…まあ言ってる事は間違ってない」

キョン「ここで文芸部の活動を示さないといけねーんだ」

長門「…」コク

キョン「ここに来れなくなるのも寂しいからな…」

キョン「だから…ここで上手い事やって、立派な会誌を作ろうぜ!」

長門「!…は、はい」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:14:32.21 ID:C2Q5sBnu0

PM 7:46 長門宅

朝倉「…で、結局それで行くの?」

長門「……うん」

長門「……ここで書けなかったら…」

長門「文芸部も無くなっちゃうし…」

長門「…そしたら…彼ともいられなくなるし…」

長門「だから…終わってから…後悔は…したくない」

朝倉「…そう…偉いわね」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:21:11.54 ID:C2Q5sBnu0

翌日 PM 4:38 文芸部室

キョン「う〜ん…」カリ…カリ…

キョン「違うか…」ゴシゴシ

長門「…」カリカリカリカリ

『その少女は、いつも1人だった』

『引っ込み思案な性格が災いして、友人も殆どおらず、毎日日が暮れるまで
本を読んでいた』

『ふと、窓の外を見る』

『そこには、泥だらけになりながら走り回る少年達』

『幸せそうに愛を語らう恋人達…』

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:23:56.58 ID:C2Q5sBnu0

『そのどれもが、少女にとっては憧れだった…』

『しかしその少女は憧れるだけで人の輪に入ろうとは決してしなかった』

『少女は

キョン「長門、ちょっと見せてくれよ」ヒョイ

長門「!!」ビクッ

キョン「ちょっとでいいからさ」

長門「ダメ…絶対…!!」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:27:37.80 ID:C2Q5sBnu0

キョン「…」

長門「…」

キョン「…」サッ

長門「!」サッ

キョン「…」ササッ

長門「…!!」ササッ

キョン「どうしてもダメか?」

長門「ダメ…!!」



谷口「入ろうとしたら何イチャついてんだあいつら!」

国木田「急ぎじゃないしお邪魔っぽいし明日にしようよ」



小説の稚拙さにはツッコまない方向で

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:30:54.12 ID:C2Q5sBnu0

PM 8:57

キョン「長門がああも頑なになるとは…」

キョン「…まあいいか」

キョン「さて俺も書くか…」



妹「…」ジー


キョン「ふおう!?いつからいた!!」

妹「さっきからだよー」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:34:40.23 ID:C2Q5sBnu0

妹「さっきからだよー」

妹「それより何書いてるのー?」

キョン「…これは文芸部の活動で小説をだな…」

妹「…」キュピーン

妹「見せて!」

キョン「ダメだ!」

妹「いいじゃーん」ガバッ!

キョン「ぬああ!やめろおおおお!!」

キョン「(スマン長門!俺も恥かしかったああ!!)」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:39:16.41 ID:C2Q5sBnu0

翌日 AM8:14

キョン「…で、首尾はどうだ」

国木田「僕はまあそこそこ」

谷口「オレはダメだ…」

キョン「やっぱりか」

国木田「だから日常で起こった気になる事を書けばいいんだよ」

谷口「3日前にメアド交換した女の子からメールが来ない」

キョン「それは却下」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:44:30.57 ID:C2Q5sBnu0

PM 5:36 文芸部室

キョン「…」カリカリ

長門「…」カリカリ

長門「…けほっけほっ」

キョン「?長門…風邪か?」

長門「あ…朝起きてから少し…けほっ」

キョン「そうか…」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:48:24.97 ID:C2Q5sBnu0

キョン「どれ…」ピトッ

長門「!!」ドキッ

キョン「う〜ん…少し熱があるんじゃないか」

長門「…そ…そう…?」ドキドキ

キョン「早く帰ってゆっくりした方がいいんじゃないか?」

長門「…でも、休んでる暇は…ないから」

キョン「まあ…そうかもしれんが…」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 16:53:20.07 ID:C2Q5sBnu0

PM 10:37 長門宅

長門「けほっ…げほっげほっ」

朝倉「長門さん…ちょっと横になった方がいいんじゃない?」

長門「へいき…げほっげほっ」

朝倉「どう見ても平気じゃないでしょ!」

長門「でも…」

朝倉「ここで無理したら余計酷くなるだけよ!」

朝倉「今日はもう寝なさい!」

長門「……けほっ……うん」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 17:04:09.36 ID:C2Q5sBnu0

翌日 13:02 北高教室

国木田「はい、短編SF小説だよ」

キョン「できたのか…早いな」

国木田「って言ったって明後日には印刷でしょ?」

キョン「まあそうなんだが…とにかく、サンキューな国木田」

谷口「国木田ぁ…俺の分も書いてくれ…」

キョン「お前はどの位進んだんだ…?」

谷口「…20%くらい」

キョン「おい頼むぜ…」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 17:08:41.49 ID:C2Q5sBnu0

谷口「…そういえば長門、大丈夫か?」

キョン「?」

谷口「さっき擦れ違ったが、なんかスゲー咳してたぞ」

キョン「えっ…」

国木田「風邪なのかな?」

キョン「…そういえば朝倉が」


朝倉『長門さん、ちょっと無理してるみたいなの…』



キョン「長門…」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 17:12:39.94 ID:C2Q5sBnu0

PM 4:52

スタスタ

キョン「やれやれ…すっかり遅くなっちまった…」

キョン「(さて…美術部に頼んだ表紙イラストもどーにか完成しそうだし…)」

キョン「(印刷用の紙も準備できたし…)」

キョン「(あとは書き終えるだけなんだがなあ…)」

キョン「(…長門も気になるしな)」

キョン「(無理してなきゃいいけどな)」

  ガチャ

キョン「うぃ〜っす……!?」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/17(木) 17:15:34.56 ID:C2Q5sBnu0

長門「う…げほっげほっ」

長門「…うぅ…」ピク

キョン「(長門…なんで…倒れて…)」

キョン「…ッ!!」

キョン「おい長門!!しっかりしろ!!」

キョン「長門!!」

長門「…あ……けほっ、げほっげほっ」

キョン「大丈夫か!?おい、長門!!」

キョン「しっかりしろ!!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 09:57:13.75 ID:cnrPSr2M0

PM 5:19 保健室

保健室

長門「げほっ…けほっ…」(ベッドで寝ている)

保険医「典型的な風邪ですね」

キョン「そうっすか…」

保険医「まあ倒れたというのは穏やかじゃないし…保護者の方に
連絡したいんだけど」

キョン「あ……コイツ1人暮らしなんです」

保険医「そう…だったら少し落ち着かせて、病院に連れて行きましょう」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:01:41.08 ID:cnrPSr2M0

保険医「それにしても…可愛い彼女が体の具合悪いって言うのに貴方は気付かなかったの?」

キョン「あ…いや、別に俺達付き合ってるとかじゃ…」

保険医「本来ならそんな短期間でここまで酷くはならないんだけど、
彼女、どうみても体が丈夫には見えないでしょ?」

キョン「……」

保険医「多分無理して身体を動かしたから、抵抗力が弱まったのね」

キョン「…(長門)」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:07:11.07 ID:cnrPSr2M0

保険医『私はちょっと用事があるから、彼女の側についててあげなさい』



キョン「長門…」

長門「…けほっけほっ…………あっ」

キョン「!気がついたか…」

長門「…ここは」

キョン「保健室だ、…お前部室で倒れてたんだぞ」

長門「あ、…ごめんなさい…けほっ」

キョン「何で謝るんだ、全く…」

キョン「…」

キョン「…お前、大分無理してたんだな」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:13:57.57 ID:cnrPSr2M0

長門「…そんな事…けほっ」

キョン「…無理してるだろ」

長門「…けほっ」

キョン「文芸部のために躍起になるのはわかるが、体壊しちゃ意味無いだろ」

長門「…違う」

キョン「?」

長門「…わ、私は…けほっ…貴方と…」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:17:20.04 ID:cnrPSr2M0

朝倉「長門さん!!」ガラガラ

長門「!!」

キョン「朝倉…」

朝倉「倒れたって聞いたけど…大丈夫なの!?」

長門「…うん…けほっけほっ」

朝倉「ああ…全然大丈夫じゃないじゃないの…」

朝倉「貴方…何でもっと速く連絡くれないのよ!」

キョン「…スマン、長門を連れてきたりするのが精一杯で…」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:24:24.84 ID:cnrPSr2M0

朝倉「大体貴方が付いていながらなんでこうなるのよ!!」

キョン「…長門が倒れた時は一緒に居なかった」

朝倉「言い訳するっていうの!?」

キョン「そんなつもりじゃ…!!」

長門「やめて…!…けほっけほっ」

朝倉「長門さん!!」

長門「彼は…悪くないから…けほっ」

キョン「…」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:29:18.97 ID:cnrPSr2M0

キョン「いや…確かに肝心な時に側に居なかった俺も悪い」

長門「…!」

キョン「悪かったな長門…」

長門「…そんな…けほっけほっ」

キョン「…朝倉、長門を頼むぞ」

朝倉「あ…貴方は?」

キョン「長門にはお前がついてれば充分だ…俺は会誌でやらなきゃいけない
仕事があるからな」

長門「ま、待って…けほっ」

キョン「じゃあ、お大事にな」

ガラガラ

長門「…あ…」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:34:24.79 ID:cnrPSr2M0

PM 7:18 キョン宅 自室

キョン「…」


キョン『長門!!しっかりしろ!!』

長門『…けほっけほっ』


キョン「(俺がついてないといけなかった…)」

キョン「…くそっ」


妹「キョンくーん、ごはんだよー」

キョン「今行くー」

キョン「…」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:38:19.76 ID:cnrPSr2M0

PM 10:37 長門宅

長門「…」スー…スー…

朝倉「(お医者様には当分安静にしなさい、って言われちゃったし)」

朝倉「(当分学校はお休みね)」

朝倉「(つまりこのままだと…長門さんの小説も載せられないから…)」

朝倉「(文芸部は…)」

朝倉「…」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:43:14.19 ID:cnrPSr2M0

翌朝 AM8:25 北高教室

朝倉「昨日は…ごめんなさい」

キョン「朝倉…」

朝倉「長門さんが倒れたって訊いて、動転しちゃって…」

キョン「いや、いいんだ…お前のいうとおりだったし」

朝倉「…でも」

キョン「それより、長門はどうなんだ?医者に連れてったんだろ?」

朝倉「…安静にしなさいだって」

キョン「そうか…」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 10:57:37.06 ID:cnrPSr2M0

PM 12:43 北高教室

谷口「なあキョン、長門は大丈夫なのか?」

キョン「あ〜…一応大丈夫なようだ」

国木田「それならいいんだけど」

キョン「…(もし長門の分の小説が準備できなかったら…)」

キョン「(イコール文芸部の休部決定だ…)」

キョン「(そうなったら…あいつはどう思うか…)」

キョン「…」

キョン「(とりあえず仕事は全部やっちまわないと)」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 11:09:07.69 ID:cnrPSr2M0

PM 1:38 長門宅

長門「けほっけほっ」カリカリ

長門「…」カリカリ



『少女はその少年と一緒に居られる事を心から幸せに思った』

『少年と居るだけでそれまでの生活ががらりと変わったように感じた』

『だから「好き」などとは決して言えなかった』

『恥ずかしくて口には出せなかったし、それ以上に』

『少年が自分を受け入れてくれない事が怖かったからだ』


長門「……けほっ」カリカリ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 11:11:35.39 ID:cnrPSr2M0

PM 4:39 長門宅

ガチャ

朝倉「長門さ〜ん…起きてるかしら」

「げほっ、げほっげほっ…」

朝倉「!」

朝倉「長門さん!!」ガラッ

長門「うぅ…げほっ」

朝倉「長門さん!大丈夫!?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 11:14:30.52 ID:cnrPSr2M0

数時間後…

朝倉「ダメじゃないの、ゆっくり寝てなきゃ」

長門「けほっ…でも…私の分は終わってな…げほっげほっ」

朝倉「だからって!余計にこじらせちゃダメでしょ!」

長門「けほっ、けほっ…でも、これが間に合わないと…」

長門「文芸部は…けほっ」

朝倉「…」

朝倉「…長門さん」

長門「…?」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 11:22:10.19 ID:cnrPSr2M0

朝倉「文芸部は…あきらめない?」

長門「!?」

朝倉「正直こんな事言いたく無かったけど…」

朝倉「でも、貴女の体の方が大事だと思うの」

長門「…そんな…げほっ」

朝倉「文芸部の代わりに貴女が余計悪くなったら…キョン君だって
喜ばないと思うわ」

長門「…」

朝倉「どのみち〆切は明日だし…」

朝倉「私も、貴女が無理するのはもう見たくないのよ」

長門「…」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/18(金) 11:42:27.64 ID:cnrPSr2M0

じゃあ言う













読んでくれる人どころか
「やめろ」って人しか居ないだろうし
正直、創作意欲はとうに0なのでここでやめる
後は俺を叩くなりスレを落とすなり好きにしてくれ
さようならー



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