キョン「おいハルヒ!」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:梨花「ボクが安価メールをするのですよ、にぱー☆」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:32:14.15 ID:zqidhBK70

 俺(キョン)は、振り向いたハルヒの顔面に拳を叩きこんだ。
「ブババボォ!」
 ハルヒが鼻から血を出しながら、悲鳴をあげた。
「どうだ、俺のパンチ力は。戦うか?」
 俺は尋ねたが、ハルヒは何も答えない。ただただ鼻血が未だ止まっていない鼻を押さえながら、鼻血と混じって赤くなった涙を流し続けるのみだ。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:34:08.95 ID:zqidhBK70

 俺はそこで理解した。俺は、とんでもなく大変なことをしてしまっているのではないか、と。
「は、ハルヒ!」
 俺は慌ててハルヒの傍らへとしゃがみこんだ。そしてポケットティッシュを取り出して、ハルヒの鼻に押し付ける。背中も撫でてやった。
 だけどもハルヒは泣きやんではくれない。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:35:46.03 ID:zqidhBK70

「ハルヒ、大丈夫か。ハルヒ!」
 俺は何度もハルヒに声をかけた。
 するとハルヒは涙で潤む目で俺を見ながら「痛い」と一言呟いた。
 俺は怒りで体が千切れそうになった。爆発的怒り、これはとんでもない無謀さを俺に与えた。
「長門ぉ!!!!」
 俺は立ち上がり、本を読んでいた長門の胸倉をつかんだ。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:37:16.48 ID:zqidhBK70

 普段は感情を見せない長門だが、このときばかりはその顔に少々の驚きが混じっていたように思う。
 俺は、だがしかしそんなことお構いなしに怒った。怒らざる、おえなかった。
「お前、なんでハルヒをあんな目にあわす!!」
 俺が長門の鼻先三センチの距離で怒鳴ると、長門は首を横に振った。
 その目はどこまでも純粋で、俺はそれが許せなかった。
 ハルヒをあんな目にあわせておいて、自分は何も悪くない。そういう長門の態度が許せなかったんだ。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:38:48.72 ID:zqidhBK70

「貴様、許さんぞ!」
 長門を地面にたたきつけた。
「貴方は今おかしい」
 床に倒れながら、長門が俺にそう言う。だけどもどう考えてもおかしいのは長門の方だった。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:40:13.06 ID:zqidhBK70

 俺は長門の腹めがけて足を振り下ろした。宇宙人でもボディはやわらかく、長門は眼を見開きビクンと震えた。
「キョン!やめてぇ!やめてぇ!」
 俺の腰にハルヒがまとわりつく。俺のシャツが鼻血で赤くなっていた。
「くそが!」
 俺は後ろ回し蹴りで、ハルヒの頭を打ちぬいた。ハルヒは「ギャン!」という悲鳴をあげながら吹き飛び、本棚に頭をぶつけて気絶した。
 これで邪魔者はいない。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:42:02.28 ID:zqidhBK70

「長門、まだだぞ!ハルヒの痛みは、こんなもんじゃぁない!」
 俺は長門のスカートを強引に脱がせた。顔を赤くした長門がひたすらに抵抗したが、俺はその度に長門の腹を蹴り抵抗を抑えた。
 スカートを脱がした長門は、必死に上着でパンツを隠そうとしていた。長門のパンツは水色だった。
「長門、恥ずかしいか?でもな、ハルヒはもっと痛かったんだぞ!お前に殴られて、もっと痛かったんだぞ!」
 俺は長門に怒鳴った。長門は泣きながら「わからないわからない」とつぶやいていた。所詮は宇宙人、人の心は分らぬのか。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:43:37.94 ID:zqidhBK70

 俺は「せいや!」と長門を抱き上げた。そして長机の上に長門の体をうつ伏せに放る。
「無様だな、長門」
 俺は長門の尻の谷間に顔を近づけ、埋めた。臭いを嗅ぎまくる。
「うおおおおお!!」
 俺はその感触に、まるで野に咲く一輪の花が踏まれていく様を覚えた。
 耳に聞こえるのは泣き声。これは長門の泣き声だ。
 風が、吹いた気がした。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:45:15.21 ID:zqidhBK70

「長門!泣いているのか!」
 俺は尻から顔を離して、長門に尋ねた。答えは聞かずともわかる。長門は泣いていたのだから。
「お前にもようやく人の心がわかったんだな!」
 俺はそれを確認し、長門がハルヒに行った卑劣な行為を許してやることにした。
 長門のパンツを尻の半ばまでズラし、顔を真っ赤にしている長門に「とんだ変態だな」と呟いてやった。
 長門、この痛みを忘れるな。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:46:37.27 ID:zqidhBK70

「こ、これは!」
 ドアの方から声がした。見ると、朝比奈さんがいた。
 俺は朝比奈さんの視線を辿った。
 そこには、鼻血を流して気絶しているハルヒ。
 俺は脳内が燃え上がるのを感じた。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:47:25.41 ID:zqidhBK70

「朝比奈さん!なんで!なんでハルヒをこんな目に!」
 俺は軽く泣きながらキレた。
「ふふ、キョン君。私にとってね、邪魔だったんですよ、涼宮さんは」
 朝比奈さんは笑いながら答える。そしてファイテングポーズをとり「戦いましょう」と俺を誘う。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:48:38.42 ID:zqidhBK70

「いいですよ、今日こそ決着をつけましょう!」
 俺は長門のパンツを尻が完全に見えるまで下げた。長門が「いや」と悲鳴をあげる。
 そして、俺は走りながら拳を繰り出す【突撃拳】を繰り出した。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:49:48.07 ID:zqidhBK70

「キョン君、やっぱりあなたは性格の通り、素直でまっすぐなひと。故に、扱いやすい」
 朝比奈さんは、手を扇風機みたく回転させた。なんだあの構えは?
「これが未来ですよ」
 言われた瞬間、俺の体は宙を舞った。朝比奈さんの未来拳法は、圧倒的防御力で俺を弾き飛ばす。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:52:41.36 ID:zqidhBK70

「加えて、未来には攻撃力は必要ありません。自然の現象で勝ちます」
「ぐああああああああ!!!!」
 俺は重力に逆らえず、部室のてっぺんから床へと落ちていく。
 防御したならば、あとは自然の力で相手を倒す。これが朝比奈さんの未来拳法。
「なるほど、自分から手を加えたがらない、手を汚したらがらない!善人気取りの未来人らしい技だ!」
 俺は落ちながら叫んだ。朝比奈さんは涎をまき散らしながら「だからこそ、私たちは食い損ねない!くたばれ、凡人!」と叫んだ。
 やれやれ、だ。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:55:12.84 ID:zqidhBK70

 俺達現代人は、自分の手が汚れようとも、自分の手で道を切り開く。
「それができない!そんなあんたらがハルヒに手をあげたこと、俺は許さない!」
 俺は重力の力を逆に利用してやった。落下地点を朝比奈さんのところへ修正!
 必殺のとび蹴り「ヘルアンダークラッシャー」を炸裂させる。魔界の扉、開かれたり!

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:57:20.47 ID:zqidhBK70

「キョンくんやめてええええ!」
「無駄だぁ!」
 俺は朝比奈さんを蹴りぬけた。そして呪力を込めながら印を切る。【破・禅・夙・世・律】!
「ナムさん!」
 俺が力を込めると、朝比奈さんは口から血しぶきを吐きながら気絶した。
「ふう、厳しい戦いだった・・・」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 04:59:27.16 ID:zqidhBK70

「ですが、まだ終わっていませんよ?」
 この気配、長門か!
 俺は声のした方向を見た。そこには、長門の尻に頬擦りしている古泉がいた。
「ふふふ、気持ちいいです、おいしいです」
「古泉、お前!」
 俺はあたりを見回した。倒れている朝比奈さん、鼻血を流し気絶しているハルヒ、古泉の責めに涙を流しながら耐える長門。
 SOS団が、辱められていた!

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:04:10.09 ID:zqidhBK70

 俺はとび蹴りをした。しかし古泉は「はぁ!」と赤いバスターを俺にむけ発射する。
「馬鹿な!格闘戦じゃないだと!?」
 俺は驚き、古泉の赤いバスターをモロに受けてしまった。
 電気の味がする威力!
「ぐわああああああああああ!」
 吹き飛び、部室中に木霊する俺の悲鳴。
 古泉はそんな俺の様を見て「無様ですね、貴方の戦術論ではそこが限界でしょう」と呟く。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:09:00.62 ID:zqidhBK70

「く、お前!誇りまで失っちまったのかよ!」
 俺は口元を拭いながら古泉に問う。
 古泉応えて曰く「誇りだけじゃ、何も得はできないんですよ」
 長門のうなじを舐めまわしている古泉は、何処までも真面目だった。
 本当に、俺はコイツを倒さないといけないのか。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:11:52.17 ID:zqidhBK70

「古泉、どうして!俺たちは友達だったじゃないか!」
「えぇ、そのとおりです。でも、僕は所詮は組織の人間。逆らうことはできない、逆らえば僕はクビに、貴方達はもっと惨い最後を迎えることになります」
 古泉は涙を流した。古泉は、そしてその場で一回転ターンをした。
「だから、せめて僕の手で、安らかにと思ったんです!」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:14:40.94 ID:zqidhBK70

「古泉!」
 俺は怒鳴った。俺の拳は泣いていた。友の心に、泣いていた!
「おまえは間違っている!それを教えてやる!」
 俺は再び古泉に向かっていく。その足取りは今までの比ではない!
 誇りと友情が、男を強くする!行け、キョン!取り戻せ!

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:17:10.26 ID:zqidhBK70

「何度無駄だと言えば分るんです!」
 古泉が反撃しようとした。俺はそれを見て、加速する。俺の能力、ダッシュ力!
「なんと!加速した!」
 古泉、お前の能力は確かに強い。だけども技のタイミングが一定すぎ、それを利用すればお前の懐に入ることは実は容易いんだ。
 俺知ってる、お前の友達、なんだから!
 そして気づけ、古泉!

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:18:39.73 ID:zqidhBK70

「古泉、俺の拳がお前に教えたる!SOS団は、組織なんかに負けない!」
「…ッ!」
 俺は古泉に蹴りを放った。
 インパクトの瞬間、SOS団の魂が古泉の体内に入魂される。
「古泉、耐えろ!そして見ろ!お前の目に映る、SOS団っていう力を!」
「うおおおおおおおおお!!これがビジョン!!!SOS、ビジョン!!!」
 光が一瞬、俺達を優しく抱いた。
 それで、俺たちの戦いは終わったのだ。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:24:48.18 ID:zqidhBK70

「古泉、わかっただろ?お前一人で抱え込むから、無理になるんだ。SOS団には俺たちがいる、もっと頼れ!」
 全てが終わった地で、俺は古泉にそう語りかけた。
 そこは潮の香りが支配する。世界は、俺達を邪険には扱わないのだ。
「はい、そうですね。僕は、もっと頼るべきだったのかもしれない」
 古泉も海水パンツをはきながら、そう呟く。その表情はどこまでも穏やか。
 古泉と俺は顔を見合せて「ガハハ」と笑った。そう、これが友情。男同士の、南蛮風。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:27:02.71 ID:zqidhBK70

「古泉君、私の力も貸すわ!」
「私もですぅ」
 ハルヒと朝比奈さんもガッツポーズをした。
 ウインクするハルヒを見て、俺は思わず「こいつ、調子の良い」と笑ってしまった。
 だが、それでこそハルヒだ。俺はハルヒを殴った。また鼻血を出しながら、ハルヒは泣いた。
 朝比奈さんはアサリの味噌汁を作っていた。当然、赤味噌だ。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:30:06.76 ID:zqidhBK70

「…私もがんばる」
 長門がそう言った。古泉は長門の上着を脱がしながら「ありがとうございます」と言った。
 長門は照れながら「風が気持ちいいい!」と言った。
 たしかに、ここの風は気持ちいい。浜辺の香り。
 俺達SOS団の部室は、やっぱり俺たちの居場所で。
 だからこそ俺たちは!
 風が、笑った。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:35:04.52 ID:zqidhBK70

「キョン!私たちも戦うときがきたのね!」
「あぁ、そうだ!今度の敵は強いぞ!」
 古泉が、空へと手を掲げた。
「そうだ!我々の戦いはこれからでしょう!ヒアウィゴゥ!!!」
 SOS団の戦いはこれからなのだ。負けはしない、俺達の友情は!
 俺達は夕陽を見ながら、その意味を噛みしめたのだ!

 インフィニティ・エンド
 完

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 05:38:37.71 ID:zqidhBK70

作者です。
最近、飼ってた犬が死んでしまったのでその悲しみを打ちきるために書きました。
きっと犬も笑ってる方が好きだったはずだから。
こんなオナニーにつきあってくれてありがとう。
今日は犬のお墓にいってきます。俺はもう大丈夫だ。

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 08:56:42.19 ID:zqidhBK70

「貴様を敵性と判断、情報連結する!」
 長門が突然SOS団の団活中にそんなことを叫んだものだから、俺(キョン)は、春の風に残る羞恥心に微笑みながらも驚いた。
 どうしたのいうのだろうか。俺は長門に目を向ける。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 08:58:27.60 ID:zqidhBK70

 長門はハルヒを指さしていた。対するハルヒは口をポカーンとあけたまま、放心している。
「有希、なにをそんなに怒ってるの…」
「怒ってます」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:00:09.83 ID:zqidhBK70

 会話がかみ合ってませんね、ふふ。古泉が逆立ちをしながら笑っていた。古泉にとって逆立ちはライフワークらしい。
 以前、俺は「そんな逆立ちばかりしてて、頭に血が上らないのかい?」と尋ねたことがある。
 すると古泉は「ダルマがこけた様を見たことがありますか?」と笑った。俺はなるほどな、と思いつつ紅茶を飲んだものだ。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:01:09.06 ID:zqidhBK70

 話が逸れたが、なんせ長門はハルヒに対して怒りを感じているらしい。
 長門はハルヒの胸倉をつかみ「おらぁ!」と拳を振り上げている。
 それを見たハルヒは「痛いのやだぁ」と泣き出してしまった。
 やれやれ、ここが止め時かな。理由もわからずに他人の時の刻みを止めてしまうのは、俺としてはあまり納得できたことではないが、仕方ない。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:02:46.26 ID:zqidhBK70

 そういえば、朝比奈さんはどうしているのだろう。
 見ると、朝比奈さんはハルヒと長門の喧嘩なんかとは全く無縁そうに、春の日差しに照らされて眠っていた。
 俺はそれを見てクスリと笑い「眠り姫、少し騒がしくなるかもしれませんが、お許しください」と朝比奈さんの額にキスをした。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:03:50.29 ID:zqidhBK70

 そして今にもハルヒを殴らんとする長門の腕を掴んだ。
「やめるんだ、長門。俺は理由はわからないが、美しい花が汚らしく枯れるのを易々と見逃すほど愚かではない」
 俺の言葉に、長門は「でもこいつが!」とハルヒを指さした。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:05:12.12 ID:zqidhBK70

 ハルヒは涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら「ふええふええ」と泣いている。
 やれやれ、綺麗な顔が台無しだぜ?
 俺はポケットからシルクのハンケチーフを取り出し、ハルヒの顔を拭ってやった。

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:06:38.56 ID:zqidhBK70

「キョン、有希が!有希が!」
「オーケイ、少し落ち着いてお話すれば分かり合える。俺の目を見て。そこに映ってるお前の顔が笑顔になるまで」
 俺はハルヒの頬を撫でてやった。途端、ハルヒという名の、ヒマワリ咲いた。
 川のせせらぎの音が聞こえる。

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:08:57.20 ID:zqidhBK70

 俺は長門に向きなおった。
「長門、どうしてハルヒに対してあんな刺々しいほどの怒りを?」
 尋ねると、長門は「涼宮ハルヒは、私の頭を撫でまわした」と答える。
 ふむ、と顎に手を当てると思い浮かぶ。ハルヒが笑顔で長門の頭を撫でまわす様が。
 確かに、確かにそのようなことはあった。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:11:04.91 ID:zqidhBK70

「それが、嫌だったのか?」
 俺の問いに、長門が頷く。
「だそうだ、ハルヒ」
「有希、頭撫でられるの嫌だったのね…ごめんね…」
 ハルヒが素直に謝る。
 こういうところ、ハルヒのこういうところが美しい。清流のような心。俺はいつだってハルヒの中で水遊びしたいと思ってる。
 俺はハルヒの頭を撫でてやった。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:13:34.74 ID:zqidhBK70

「わかった、今後は気をつけてほしい」
 長門も納得したようだ。が、俺は長門に厳しい視線を向けた。
「だけども、長門」
 長門が「なに?」と視線を俺に寄越す。
「嫌だったのは分かるが、いきなり手をあげようとしたのはいただけない」
 俺は人差し指で、長門の唇にチョンと触れた。
「俺たちには言葉がある、心を伝えられる。だから長門、言葉を恐れるな」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:14:50.57 ID:zqidhBK70

 そうして、長門を抱きしめた。この小さな体の中、今までどれほどの言葉が埋没されてきたのか。それはちょっとした財宝だ。
 でも、宝はみんなで分け合おう。確かに財宝は減るが、その分きっと長門の周りに花が咲く。笑顔の花が、咲くからさ。
「…ッ」
 長門が小さく涙を流した。
 俺は指でその涙の粒を払ってやった。ダイヤモンド以上の美しさのそれを、すこし勿体無いとも思った。

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:17:14.32 ID:zqidhBK70

「長門、無口な女の子。だけども伝えておくれよ、お前の心を、おれたちに」
 俺が言うと、ハルヒも「私ももっと有希とお話したいわ!」と叫んだ。古泉も「逆立ちのコツを、一緒に語りあいましょう」と笑顔で言う。
 朝比奈さんにいたっては寝言で「長門、好きだ」なんて言ってる。まったくこの人は、とんだ眠りの王女様だ。俺は苦笑いした。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/20(土) 09:19:33.01 ID:zqidhBK70

「だから、な? 長門、俺の手を握ってごらん」
 小さな手が俺の手をギュッと握る。その上にハルヒの手、更に古泉の足、朝比奈さんの頬が載っていく。
「あったかいだろ、これが言葉さ」
 長門、優しい女の子。君の心のハーモニーを、もっともっと聞かせてほしいから。
「俺たちは、仲間だ」
「……そう」
 かすかに、長門が笑った気がした。
 花の香りで、満ちている。

 ここはSOS団。柔らかな暖かさで満ちている世界。
 どうぞ、あなたもご一緒に。

 完



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