鶴屋「足なんかで感じちゃうのかいっ?」


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11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 01:26:43.44 ID:L2CJ6i0UP

「おやぁ……何か透明なのが出て来てるねぇ……」
 自分の足の先で脈打つ、「それ」の先から滲み出てきた透明な液体を見て、鶴屋さんは目尻
を下げ軽く口を開いたまま行為を続ける。
 彼女のストッキング越しに伝わる足の感触に、俺はただ暴発しないようにと堪えるしかでき
ないでいた。
「キョンくんは足なんかで感じちゃうのかいっ? ねえねえどうなのさっ」
 鶴屋さんの煽るようなその声ですら、今の俺には興奮を加速させる燃料でしかない訳で――
この非現実的で意味不明な状況に俺が陥っている理由を説明するには、30分ほど前に時間を
遡る必要がある。
 面倒だから遡らなくていいって? 悪いがその意見は却下だ。
 なんせ今の俺は、一瞬でも我慢を解けばその場で欲望をぶちまけてしまう様な状態な訳で、
少しでも冷静さを取り戻す事が急務である、はい回想オン。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 01:36:38.41 ID:L2CJ6i0UP

「――うぇ」
「おいキョン。何だよ変な声出しやがって、多少味が変でもここは大人しく美味しいって顔を
してる所だろ?」
 うるさい、黙れ。
 そんな事はお前に言われるまでもなく解ってるさ。
 俺は隣に座る谷口に視線だけで文句を言って、口の中にある違和感の元を取り出した。
 文化祭当日――鶴屋さんと朝比奈さんのクラスによる喫茶店へとやってきた俺と国木田、後
他一名は、眩いばかりの極上ウェイトレスをその眼に焼き付けた後、食玩についてきたおまけ
的立場の焼きそばを食べていた。
 早すぎる客の回転にあおられ、美味いんだかなんなんだか解らない焼きそばを口に詰め込ん
でいる最中、俺はその違和感と遭遇した。
 口の中にある、本能が食べてはいけないと訴えかけるこの感触は……やっぱりか。
 一度は俺の口中に入ったものの、そのまま消化器官へと進む事無く吐き出されたのは、小さ
な紙の塊だった。
「うぉっ……お、おい何だよそれ?」
 見て解らないか。
「紙切れ、というよりメモかな? 多分だけど」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 01:46:38.54 ID:L2CJ6i0UP

 国木田の言う通り、それは四つ折りになったメモの様だった。
 調理中に紛れ込んだんだろうが……まあ、気にしたら負けだと思ってる。
 せっかく麗しいお姿の朝比奈さんと鶴屋さんを見て気分がいい所なんだ、どうせなら気分が
いいままでいたい。
 俺は皿の上に戻された紙片を――まあ多少汚れてもいいか――そのまま自分のポケットにで
も入れてしまおうと手を伸ばしたんだが……。
 背後から伸びてきた手が皿の上にあったメモをさらっていき、俺がその手を追いかけて顔を
上げると、
「大当たりー! どんどんどんどんっ! おっめでとさーん! いっやーキョンくんツイてる
ねぇ〜お姉さんびっくりだっ!」
 ハイテンションの鶴屋さんがそこに居た。
 教室中の視線を一身に集めておいて、それをまるで気にしていないらしい鶴屋さん。彼女の
手によって俺の唾液も付着しているであろうメモが開かれ、そこには――
「ぱんぱかぱーん! なんとぉ! キョンくんには文化祭の後に、このお店の後片付け参加権
が贈られますっ! おめでとぉ!」
 それ、おめでとうなんですか。そうですか。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 02:02:11.50 ID:L2CJ6i0UP

「わー、凄いねキョン。うらやましいなぁ」
 国木田、少しくらいは演技しろ。
「な、なあ。俺が代わってやろうか? なあマジで」
 谷口、お前は少し本音を隠せ。
「じゃあ文化祭が終わったら待ってるからさっ! ちゃんと来てくれないと泣いちゃうからね?」
 鶴屋さん、泣きまねもお上手ですね。
「あれ、わかっちゃいますか?」
 わかっちゃいます。
 そんな鶴屋さんとのやりとりの後、俺達は喫茶店を後にした。
 ――その後、体育館でのんびり休もうかと企んだ俺は……まあ結果としてそれどころではな
くなったりしたのはまあいいとしようか。
 やれやれ……昨日は徹夜だっただけあってそろそろ寝ないときついな。
 午後から降りだした雨も小降りになったみたいだし、さてそろそろ帰……あ。
 荷物を取りに校舎へと歩いていた俺が見たのは、雨に濡れた喫茶店「どんぐり」の案内看板
だった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 02:16:39.83 ID:L2CJ6i0UP

「あれ、キョンくん? どうしたのかなっ」
 ど、どうしたかなって……えっと。
 俺が喫茶店に戻った時、広い教室の中には鶴屋さんだけが残っていた。
 まだ例のウェイトレス姿のままでいる彼女は、テーブルの一つに座ってのんびりと紅茶を飲
んでいる所らしい。
「まあまあせっかく来たんだから座って座って? お姉さんの向かいの席、空いてますよ?」
 音もなく立ち上がったと思えば、もう気がついた時には鶴屋さんは俺の背後に立っていて、
そのまま椅子に座らされた俺の前に紅茶が差し出されるまで――この間、10秒。
 対面の席に座り、何事も無かったみたいに紅茶を口に運ぶ鶴屋さんに、俺はただ苦笑いを浮
かべていた。
 ――なんていうか、ハルヒと似てる様でどこか違う先輩だよな。鶴屋さんって。
「んゅ? ……いやん、そんなに見つめられたらどっきどきだねぇ……。もしかして、お姉さ
んこれから口説かれちゃうのかなぁ……どうしよう」
 鶴屋さん、あんまりからかわないでくださいね?
 そんな色っぽい声を出されると色々と大変なんですよ、この年代の男子は。
「俺はお店の後片付けを手伝いに来たんです。まだ、閉店じゃないんですか?」
 見た感じ、お客さんの姿は無いようですが……でも何で店員さんまで居ないんだろう?
 ――というか、朝比奈さんの姿が見えない。
「え? ……あ、ごめん……本当に手伝いに来てくれたの?」
 へっ?
 つ、鶴屋さん? どうしたんですか急に泣きそうな顔をして。
「あれは冗談のつもりだったにょろ……。片付けは明日やるから、今日はもうみんな帰っちゃ
ったのさ。キョンくん、ご、ごめんね?」
 ああ、そうだったんですか。
 別にいいですよ。じゃあ、明日また顔を出しますね。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 02:31:43.21 ID:L2CJ6i0UP

「ちょぉっと待ったー!」
 は、はい?
「ねえねえ、もう帰っちゃうのかな?」
 それは、まあ。
 今日は片付けが無いなら俺が居ても仕方ないですし、鶴屋さんの休憩を邪魔しちゃ悪いです
から。
 後ついでに、徹夜明けで眠いってのもあります。
「え〜こんな人気のない教室に一人置いていっちゃうのかぃ?」
 あの、まだ廊下に人気もありますし、グランドでも撤収作業で騒がしいくらいだと思うんで
すが……。
「あ、そっか。これじゃあ気が散っちゃうよね」
 なるほど、とでも言いたげな顔で鶴屋さんは頷くと、テーブルに俺を残したまま教室の出口
へと向かって――あの、鶴屋さん?
 カシャ
 何が「そっか」なのかの説明も無いまま、鶴屋さんは当たり前の様に教室の扉に鍵をかけて
いく。その時の鶴屋さんの表情を、俺はどこかで見た事がある気がするんだが……。
 教室への侵入経路を封鎖し終えた鶴屋さんは、妙に嬉しそうな顔で教室の奥へとかけていく。
「――もう、キョンくんってば勘が良くて隠し事はできないねっ!」
 教室の奥、カーテンで仕切られた簡易調理室の中から出てきた鶴屋さんの手には、コンビニ
の奥にある冷蔵コーナーで見た事はあるが買った事はまだ無いアルミ缶――通俗的な名称を用
いて言えば、アルコールがあった。
 ……えっと、話の流れがいまいちよくわからないんですが。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 02:48:42.38 ID:L2CJ6i0UP

 当り前の様に俺の前に置かれる缶、缶、缶。
 唖然とする俺の対面で、鶴屋さんは何の迷いもなく缶のフタを開けている。
「じゃあ文化祭の成功を祝ってかんぱーい!」
 ちょ、ちょっと鶴屋さん?
 何普通に乾杯とか言ってるんですか?
「あ……そっか、ごめんごめん。カップがあるんだから缶のまま飲む事はないよね〜」
 そうじゃなくって、学校で飲酒なんて見つかったらどうなるか。
「え……これってもしかしていけないこと?」
 もちろんです。
 っていうか、鶴屋さんさっきから演技入ってますよね?
「どうしよ〜キョンくんに弱みを握られちゃったよぅ……。これってさ、いけない事とか無理
やり強引に強要されたりしちゃったりするのかな?」
「そんな事しませんよ」
 弱みを握ってどうのこうのなんてのは、ハルヒだけで十分です。
「しないの?」
 しません。
「ざ〜んねん。――ぷはぁ」
 ってぇ! あなた何普通にアルコール飲んでるんですかっ!?
「え〜、だってぇ〜」
 どうやら鶴屋さんはかなりお酒に弱いらしく、見ている間にも彼女の顔は赤く染まっていき、
それに比例して笑顔が増えていった。
 どうやら、笑い上戸って奴らしい。
 しかも人に構うのが楽しくて仕方ないのか、
「ほらほら、キョンくんもど〜ぞ」
 いえ、お構いなく。
 差し出されるアルコールを、俺は丁重に断り続けていた……はずだったんだ。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03:15:51.90 ID:L2CJ6i0UP

 人の眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠があり、レム睡眠時に人は夢を見るらしい。
『ふ〜……お姉さん酔っちゃったぁ』
『おおっとぉ! わわっ、キョンくん濡れなかったかな? ……ふぅ、よかった……』
『おや〜もうこんなになってるねぇ。これはちょっと欲望をもてあまし過ぎじゃないのかい?』
 脳内に響く甘い声を、緩慢な意識の中で俺は聞いていた。
『……な、何だか苦しそうっさ。……うん、これは人助け! 人助けですよ〜っと』
 ありがとうございます、鶴屋さん。
 何となく、下の方から聞こえてきた気がする鶴屋さんの声に、俺は寝ぼけたまま返事をして
いた。
『いえいえ、どういたしまし……おおう』
 下腹部の張りつめていた部分の拘束が解かれ……ん?
『あ、あ、どうしよ、起きちゃう?』
 ――あれ……鶴屋さん、俺……寝てたんですか?
 目を覚ました時、俺はテーブルの上に伏せっていて、いつの間にか俺の隣の席に座っていた
鶴屋さんは、何故か照れ笑いを浮かべていた。
 まだ真っ赤な顔をした彼女の視線は、俺の顔はテーブルの上を落ち着きなく彷徨っている。
「あ、あのさ? キョンくん」
「はい」
「……えっと、その」
 何かを言いずらそうにしている鶴屋さんは、しきりにテーブルの上を気にしている様だ。
 とはいえ、そこには空になったアルコールの缶がいくつも並んでいるだけで、特に気になる
物は何も無い。
「つまりね? これは不可抗力っさ! うん! だから……えっと。そ、そこがね? 苦しそ
うでね?」
 そこ? ……テーブルには何も無いと思いますけど。
 謎の言葉を繰り返す鶴屋さんが伝えたい事、それは――
「だ、だから……こ、ここが苦しそうだったの」
 不意に下半身を襲った快楽の前に、
「うぉっ……くっ」
 思わず俺は声をあげてしまって……。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03:32:24.16 ID:L2CJ6i0UP

 快楽の出所、それはテーブルの下から静かに伸びてきた鶴屋さんの足だった。
 何故かズボンが半脱ぎになっていて、疲れのせいなのか暴走状態だった俺のものを、鶴屋さ
んの足が優しく撫でていく。
 そのたびに俺は情けない声をあげるだけで、あまりの快楽に逃げ出す事もできなかった訳で。
「……おやぁ〜?」
 それまで弱気だった鶴屋さんの声に、再び楽しそうな気配が戻ったのを俺は感じていた。


 ――そして、状況は冒頭の流れに至るという訳だ。
 ストッキングに包まれた鶴屋さんの両足が艶めかしく動くたび、直接的な刺激による快楽だ
けではなく、スカートによって隠された彼女の足の付け根の部分が見え隠れして、視覚的にも
俺を追い込んでいる。
「キョンくんは足でされるのが好きなんで〜すかっ? どうなのかい?」
 ……ついでに言えば、この言葉責めにも興奮していなかったとは言えない。
「ね〜手の方がいい? それとも足がいいのっかな? どっちかな〜?」
 何となく、ここで返事をしてはいけない気がして……俺はただ、じっとされるがままになっ
ていた。
 ストッキング越しに感じる鶴屋さんの足の感触と、手とは違って弱い部分を強く責めてこな
いもどかしい動きに翻弄される中、
「……凄い……こんなに大きくなっちゃうんだぁ。い、痛くないのかな?」
 性の違いに興味津津な鶴屋さんは、びくびくと脈打つそれと俺の顔とを興奮した様子で見比
べている。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 04:14:56.52 ID:L2CJ6i0UP

 甘く何かをねだるような鶴屋さんの視線と、徐々に複雑さを増してきた足の動きを前に、こ
こまで我慢を続けてきたがどうやらもう限界らしい。
「つ、鶴屋さん……俺、もう」
 これ以上されたらいってしまいますよ?
 俺はそう伝えたかったんだが、
「え、もっと強くかな?」
 鶴屋さんの両足は、さらに強く俺のものを圧迫して磨りたて始めるのだった。
 新たな刺激は、僅かな痛みとそれ以上の快感となって襲い掛かってくる。
「そ、そうじゃなくってですね?」
「じゃあ早く?」
 その言葉通り、まるで自分の手でしている様な速さの上下運動が始まり、瞬く間に追い詰め
られてしまった俺は、ただ椅子にしがみついてこの快楽を堪える事しかできなかった。
 ――まずい、絶対にまずい。
 もしこのままいってしまったら、俺の正面に座っている鶴屋さんにまともにかかってしまう
事になる。
 それだけは、何としてでも避けなくてはならないのだが……。
「ねえ気持ちいい? あたしの足が気持ちいいの? ほらほらぁ?」
 巧みさを増す鶴屋さんの足から与えられる快楽が、俺にこの行為をやめさせるという選択肢
を選ばせようとしなかった。
 このまま鶴屋さんに向かって吐き出してしまいたいという欲求と、いくらなんでもそれは無
茶だという思いが俺を焦らせる。
 いきたいけどいけない。
 そんな切なさに身悶えする俺を、鶴屋さんは恍惚とした顔で見ていた。

43 名前: ◆Yafw4ex/PI [sage] 投稿日:2009/06/16(火) 04:24:15.80 ID:L2CJ6i0UP

 初めて見た鶴屋さんの大人の女性の表情に、俺の緊張は途切れ――鶴屋さんっ!
「わっ! す、凄い……こんなに?」
 下半身が吹き飛ぶ様な快楽と共に、俺は鶴屋さんに向かって全てを吐き出してしまっていた。
 ……や、やっちまった。
 勢い良く飛んだ精液のいくつかは彼女の足だけでなく、服や胸元、そしてまだ息を荒げてい
る鶴屋さんの顔にまで飛び散っている。
 自己嫌悪に浸る気持ちとは裏腹に……若いな、俺。
 白濁とした液体で彩られた鶴屋さんの淫靡な姿に、一度は力を失いかけたそれは再び力を取
り戻していく。
 徐々に角度を増していく姿を眺めながら、鶴屋さんは嬉しそうに微笑み、
「……いっぱいかかっちゃったね……後片付け、御願いしてもいいかな?」
 俺の精液にまみれた胸元を、そっと開くのだった。


 おわり



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