キョン「そうさ。俺はこんな日常を待ってたのさ」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:17:28.46 ID:IWcyZ/j+0

キョン「おう」

ハルヒ「ん、おはよ」

キョン「ちゃんと挨拶するなんて面倒臭いじゃないか」

ハルヒ「そう?こら、アンタね、寝癖くらい直してきなさいよね」ワシャワシャ

キョン「人の頭を勝手にわさつかせないで頂きたい」

ハルヒ「顔は悪くないんだから勿体無いわよ?もうっ」

キョン「ん?んー・・・・・・」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:22:49.79 ID:IWcyZ/j+0

キョン「腹がへった」

ハルヒ「早いわね」

キョン「2時限目の体育がこたえた。俺は燃費が悪いんだ」

ハルヒ「ほれ、おにぎり」

キョン「はーぁ・・・って、あん?」

ハルヒ「アクビしてないでちゃっちゃと食べちゃいなさい。次の授業始まるわよ?」

キョン「あー、うん」

ハルヒ「よし。めしあがれ」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:29:28.15 ID:IWcyZ/j+0

キョン「んあ」パクッ

ハルヒ「あ、宿題やってきた?次の化学」

キョン「ん?ああ」モグモグ

ハルヒ「ほー。感心感心。私のを見せる必要は無いようね?」

キョン(絶妙な塩加減・・・おにぎりおいしいです)モグモグ

ハルヒ「ちょっと、聞いてんの?」

キョン「いや、うまいじゃないか、これ」

ハルヒ「あら、嬉しいわね。アタシ意外と手が小さいから大きいのは握れないんだけど」

キョン「いや、早弁には丁度いい大きさだ」

ハルヒ「ふふ、おそまつさま」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:33:58.49 ID:IWcyZ/j+0

キョン「ふぅ・・・て、これお前の昼飯じゃなかったのか?」

ハルヒ「ん?キョンの早弁用に作ってきたのよ。ナイスタイミングだったわね」

キョン「・・・?」

ハルヒ「ん?なに?」

キョン「いや・・・お前、何かいい事でもあったのか?」

ハルヒ「え?なんで?」

キョン「いいや、何でもない」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:43:28.96 ID:IWcyZ/j+0

ハルヒ「やーい、怒られてやんの」

キョン「うるせーな」

ハルヒ「宿題がわからないから適当書いて提出なんて、ばかね」

キョン「へーへー」

ハルヒ「教えてあげるから、ノート出して」

キョン「ん、えっと」パラパラ

ハルヒ「ここね、ほら、これがこうなって」

キョン「・・・あれ?そんな簡単な事なのか?」

ハルヒ「そうよ。やれば出来るじゃない。キョンは馬鹿じゃないの知ってるだから」

キョン「いや、お前の教え方が良いんだよ!はっはー!これは次のテストが期待できますな・・・」

ハルヒ「ふふっ」ニコニコ

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:51:07.41 ID:IWcyZ/j+0

ハルヒ「んーっ!やっと昼休みねー」

キョン「この時期は午前中の授業がやけに長く感じるな。おい谷口国木田、飯喰おうぜ」

谷国「ういーっす」

ハルヒ「あ、一緒に学食行かない?」

キョン「・・・なんですと?」

ハルヒ「一人じゃなんとなく寂しいのよ。それに・・・まあ、自慢、とか?」

谷国「自慢て・・・・・・」

キョン「・・・悪い、お前ら。そういう訳で」

谷国「FUCK YOU」




14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:54:47.09 ID:IWcyZ/j+0

ざわ・・・
       ざわ・・・

ハルヒ「さすがに目立ってるわね」

キョン「・・・・・・」

ハルヒ「一年のクセにカップルで学食きやがって、てトコかしらね」

キョン「・・・腕を組まないでくれ」

ハルヒ「ふふっ 今日は何にしようかなっ パスタかなー」

キョン「・・・・・・腕を」

キョン「あ、焼きそばうまそう」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 10:02:54.03 ID:IWcyZ/j+0

谷国「おーおー。好き勝手やりなさる」

キョン「ういーっす」

谷口「腕を組むな腕を」

ハルヒ「いやー、めんごめんご。キョン借り出して悪かったわね」ニコニコ

谷口「嬉しそうだなー」

国木田「二人は付き合い始めたのかい?」

ハルヒ「別に?ふふっ」

キョン「おら谷口。席の主が戻ったんだ。どけ」

谷口「てめえは鬼か」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 10:09:49.93 ID:IWcyZ/j+0

キョン「んあーっと。さてさて部室に行きますか」

ハルヒ「あ、先いってて」

キョン「ん?何かあんのか?」

ハルヒ「ジュースでも買っていこうかなって。喉渇いちゃった」

キョン「・・・えっと、付き合おうか?ほら、あの、おにぎりのお返し」

ハルヒ「ふふ。らしくないわね」ニコ

キョン「お前が言うか!!」

谷口(帰ろう。家に帰ろう・・・)



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 10:18:44.64 ID:IWcyZ/j+0

古泉「と、いう訳なんですよ」

みくる「ひょえー。キョン君、戸惑っちゃうんじゃ・・・」

古泉「いえいえ、さすがの涼宮さんでも、一日でそう変わるものじゃないと思いますよ?」

みくる「そ、そうでしょうか」

古泉「んっふ。しかし驚きましたね。『いい加減、キョンに好かれたい!』なんて相談を僕にされるなんて」

みくる「そうですぅ。なんで私や長門さんじゃなくて、古泉君に相談を?」

古泉「異性からの意見が欲しかったんではないでしょうか?」

長門「くる」

古み「え」

バタン

ハルヒ「遅れてごめーん!」

長古み(腕組んでるー!!)

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 10:44:06.48 ID:IWcyZ/j+0

みくる「ひ、ひょえ〜」バタン

ハルヒ「ちょ、みくるちゃん!いきなりどうしたの!」

キョン「は・・・はは」

古泉「・・・」

長門「・・・」

ハルヒ「みくるちゃんどうしたのかしら・・・凄くうなされてる・・・」

古長(なんか言ってる!!)

ハルヒ「ごめん、保健室行ってくるわ!立てる?みくるちゃん」

みくる「ふえーん。ご迷惑かけてごめんなさいぃ〜」

ハルヒ「気にしなくていいのよ。ゆっくり行きましょ」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 10:54:56.07 ID:IWcyZ/j+0

キョン「えーっと・・・」

古泉「聞かなくても大体のことはわかります」

キョン「何」

古泉「実は・・・」

・・・

キョン「な、なんという・・・」

古泉「申し訳ありませんといいますか、おめでとうございます、ですかね」

キョン「hey you」

キョン「で、今回の事は未来的宇宙的超能力的なものでもなく」

キョン「ハルヒが自ら進んでやっている、という事なんだな?」

古泉「その通りです」

キョン「・・・」

長門「お茶」

古キョン「!?」

長門「朝比奈みくるの代わりに煎れてみた。おいしくできたかどうかはわからないけど」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 10:57:16.34 ID:IWcyZ/j+0

長門「おいしい?」

古泉「ええ、とっても美味しいです。ありがとうございます、長門さん」

長門「いい」

長門「・・・?」

キョン「え?ああ、美味しいよ、長門」

長門「そう・・・」

長門「よかった」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 11:07:13.52 ID:IWcyZ/j+0

古泉「で、どうすんの付き合うのお前」

キョン「いやー、ぶっちゃけ俺今彼女いるんだよねww」

長門「は?聞いてないんだけど」

古泉「嘘やんwwwwwww誰??つか見せろwww写メとかないの?」

キョン「あるけど、写り悪いからやだwwww」

長門「見せろし」

キョン「ほらw微妙っしょwwww佐々木っつーんだけどさww」

古泉「ちょ、ええwwwwwこれ10人中8人は可愛いっていうだろこれwwwえええwwww」

長門「まじ無い。帰る」

キョン「なんで怒ってんのwww授業出ろしwwwww」

古泉「次の授業出欠ないからwwww長門さんイカツイっすwwwwwwwwwww」

キョン「ちーっすwww長門、お疲れーwwwww」

長門「まじ無いんだけど!ありえなくない!?」

キョン「どっちかってーと、あるっしょwwwwwwwwwwwwwww」

SOSならだいじょーぶ おまんこ
                                 終

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/03(水) 13:49:37.31 ID:xPWNNqA0P

>>192が戻るまで保守がてら
>>37
ハルヒ「ただいま〜」

キョン「あれ、朝比奈さんはどうしたんだ?」

ハルヒ「何だか知らないけど今日はもう帰るって。……ねえ古泉君、みくるちゃん何かあったの」

古泉「とくに何も無かったと思います」

ハルヒ「そう……。あのね、みくるちゃんがあんな状態だから、今週末の不思議探索は中止にしようと思うの」

キョン(ハルヒにしてはまともな発想だな)

ハルヒ「じやぁ今日はもう解散ね。あ、キョンはちょっと残って」


202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/03(水) 13:57:31.01 ID:xPWNNqA0P

キョン「−−で、話ってなんだ?」

ハルヒ「あのね? 本当は、みくるちゃんは体調とか悪くなってないの」

キョン「……え? じゃあさっきのは」

ハルヒ「みくるちゃんにね?明日あんたと二人で遊ぶにはどうしたらいいかって相談したのよ。そしたら、わたしが体調が悪くなったふりをするから、不思議探索を中止にしたらどうかって」

キョン「……えっとつまり、お前は週末俺と遊びたいって事なのか?」

ハルヒ「うん、そうよ」

キョン「えっと……(そんなにあっさり肯定されるとこっちが照れるんだが)」

ハルヒ「もしかしてもう何か予定とかあったの?」

キョン「いや、無いが」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 14:04:27.26 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「じゃあいいのよね?」

キョン「……あ、ああ」

ハルヒ「よかった! 駅前に何時もの時間で待ち合わせでいい?」

キョン「いいが」

ハルヒ「ちゃんと来なさいよ? ……まぁ、遅れても待っててあげるけど」

キョン「(罰金じゃないだと?)」

ハルヒ「じゃあ明日ね!」

キョン「お、おいハルヒ。これは−−」

ハルヒ「マジでデートなんだからね、ちゃんとした服装できなさいよ? −−」

バタン

キョン「……いま、あいつ何て言った?」

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 14:15:16.47 ID:xPWNNqA0P

当日、駅前、公園にて

キョン「(流石のハルヒも、待ち合わせの一時間前には来てないか)」

キョン「(……こんなに早く来てたら期待してるとか思われそうだな)」

キョン「(でもまあ、遅れるよりはいいさ)」

キョン「それにしても……ハルヒはいったいどんな恰好でくるんだろうか。正直楽しみだ」

ハルヒ「ちなみに、どんな服装が似合うと思うの? みくるちゃんみたいなゴスロリ系?」

キョン「ハルヒにそれは……見てみたく無いと言えば嘘になるが、あいつは頼まれたって着ない……ってぇ! いつからそこに居た?」

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 14:23:45.69 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「あんたが来る前からよ。全然あたしに気付かないから、面白くて見てたのよ」

キョン「(迂闊だった……)」

キョン「(だが、俺がハルヒに気付かなかったのも無理はないんだ)」

ハルヒ「……何よ、じろじろ見て」

キョン「(今日のハルヒは朝比奈さんが着ていそうな白のワンピース姿で、じっとしている分にはどこかのお嬢様に見えなくもない)」

ハルヒ「似合ってないって言っていいわよ? 別に怒らないから」

キョン「い、いや、そうじゃないんだ」

キョン「(何で俺、ハルヒにドキドキしてるんだ?)」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 14:31:25.13 ID:xPWNNqA0P

キョン「えっと……ハルヒ」

ハルヒ「なに?」

キョン「……似合ってるぞ、その服」

ハルヒ「ほ、本当?! 嘘じゃないでしょうね」

キョン「あ、ああ」

ハルヒ「よかったぁ……やっぱりみくるちゃんは頼りになるわ」

キョン「? 朝比奈さんがどうかしたのか」

ハルヒ「いいのいいの何でもないのっ! さっ! 早く行きましょう!」

がしっ

キョン「ちょっ? ま! ハルヒ、手を繋いだままでいいのかよ?」

ハルヒ「何が?」

キョン「何がって……」

ハルヒ「別にいいじゃない、あたしは繋ぎたいんだもん!」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 15:02:35.70 ID:xPWNNqA0P

古泉「……どうやら、上手くいっているようですね」

みくる「よかったぁ」

長門「これからの二人の予定は」

古泉「午前中は買い物を、その後は映画を見に行くそうです」

みくる「いいなぁ……涼宮さん」

長門 「二人に気付かれてはいけない。尾行するわたしたちもカップルに擬装するべき」

古泉「なるほど、では僕と」

長門「わたしと朝比奈みくるは恋人同士という事にする」

古泉「ええっ?」

みくる「な、長門さんとですか?」

長門「後悔させない自信がある。任せて」
みくる「! ふにゃ! ……よ、よろしくお願いします」


211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 15:31:34.76 ID:xPWNNqA0P

戻ってくるまでって事でよろ
服の店
ハルヒ「ね〜」

キョン「ん?」

ハルヒ「さっきの話の続きだけど、こんな感じのゴスロリ系ってどうかな」

キョン「どうかなって」

ハルヒ「ほらこれとか、変?」

キョン「いや、似合ってるぞ?」

ハルヒ「……本当かなぁ」

キョン「ああ、俺が思ってたよりずっと似合うぞ。だが」

ハルヒ「だが?」

キョン「その、外で着るには奇抜過ぎるから……まあ、部室とかならいいんじゃないか?」

ハルヒ「ふ〜ん……じゃあ買っちゃお!」



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 15:35:48.51 ID:xPWNNqA0P



長門「あなたには女性らしいラインがはっきり出る服が似合う」

みくる「そ、そうかなぁ……これはちょっとちょっと恥ずかしいかも」

長門「なら、わたしの部屋で着れば問題無い」

みくる「ひょえっ! ……そ、それなら」

長門「下着も見て行く」

みくる「い、行きます!」

長門「こっち。はぐれないで」

がしっ

みくる「あ……長門さん」


古泉「今日はいい天気ですね」

213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 15:44:41.25 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「あんた、思ったより頭小さいのね」

キョン「暗に馬鹿だと言ってないか?」

ハルヒ「違うわよ。選べる帽子が多くていいなって」

キョン「お前の小さいだろ」

ハルヒ「あたしは、ほら。雨の時期とか膨らんじゃうから帽子選びも大変なの」

キョン「そうかい」

ハルヒ「あ〜あ、また髪の毛伸ばそうかなぁ」

キョン「どうしてだ?」

ハルヒ「人によるけど、あたしは長い方が髪がまとまりやすいのよ。……でも、似合わないかな?」

キョン「髪型の事を言ってるのなら、俺は長い髪のお前も好きだぞ……って、ハルヒ、急に顔を背けてどうした?」

ハルヒ「な、なんでもない」

キョン「ちなみに向こうの鏡でお前の顔見えてるぞ」

ハルヒ「み、見るな−!」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 15:51:01.64 ID:xPWNNqA0P

長門「お勧めはこれ」

みくる「可愛いキャミソールですね」

みくる「(ふぅ、エッチなのじゃなくて良かった)」

みくる「あの、長門さんはこの下にはどんなブラが似合うと思いますか?」

長門「下」

みくる「はい」

長門「そんな無粋な物は身につけない方がいい」

みくる「ええええっ?!

長門「待って。脱がすという行為、それもまた上質」

みくる「長門さん、今日はえっちですよぅ」



古泉「この分だと、明日も晴れるでしょうか?」

215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 16:23:47.63 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「ん〜映画までまだ少し時間があるわね」

キョン「そうみたいだな」

ハルヒ「そうだ! ちょっと喫茶店で休んでいかない?」

キョン「ああ」

ハルヒ「−−それでね? 今日見る映画なんだけど」

谷口「お、キョン。何してるんだこんな所で」

キョン「あ、谷口」

谷口「何だよ彼女連れかぁ? 後で涼宮に言い付け……げぇ?! 涼宮!」

ハルヒ「……」

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 16:29:45.52 ID:xPWNNqA0P

谷口「……はは〜ん。読めたぜ」

キョン「何がだ?」

谷口「どうせまた涼宮の命令かなんかで、無理矢理連れ回されて奢らされてるとかそんな感じだろ」

ハルヒ「……」

キョン「(ハルヒが言い返さないのも不気味だが……何だ、この不愉快な感覚は)」

谷口「キョ〜ン。そろそろお前も涼宮に言ってやれって。そんな我が儘な事ばっかりやってたら、彼氏とデートなんざ一生できないぞって」キョン「デートだ」

谷口「……へ?」

キョン「すまん、いまハルヒとデート中なんだ。話はまた今度でいいか?」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 16:37:06.56 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「……え?」

谷口「あ……そ、そうか。じゃ、じゃあまたな」

キョン「ああ」

ハルヒ「−−ちょちょっといいの? あ、あたしと……その」

キョン「デート中だって言っちまった事か」

ハルヒ「そっ、そう」

キョン「別に知られてもいいさ。それより、悪かったな」

ハルヒ「え? 何が?」

キョン「せっかくお前が我慢してたのに、俺が先に切れちまったからさ」

ハルヒ「そんな事気にしなくても……あたしは、嬉しかったし」

キョン「そうかい」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 16:45:06.83 ID:xPWNNqA0P

みくる「わぁ〜……キョンくん恰好いいなぁ」

長門「惚れ直した?」

みくる「はい。……ってななな! 何を、急に、そんな!」

長門「気にしなくていい」

みくる「え?」

長門「朝比奈みくる。わたしはあなたに、彼以上に好かれ様になってみせる」

みくる「……な、長門さん……わたしは、もうとっくに長門さんの事を……」



古泉「谷口君の気持ちが解る日が来るとは、夢にも思っていませんでしたよ」

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 16:58:54.61 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「そろそろ時間ね」

キョン「そうだな」

ハルヒ「あ、ここはあたしが払うから」

キョン「どうして? 待ち合わせは俺が後になったんだから別に払ってもいいぞ」

ハルヒ「で、でも」

キョン「ひょっとして、お前さっき谷口が言った事を気にしてるのか?」

ハルヒ「そんなわけじゃないけど……まあ、少しは」

キョン「あいつが言ってた事はまあいいとして……今日はデートなんだろ? 少しくらい恰好つけさせろって。な?」

ハルヒ「……じ、じゃあ。ご馳走様」

キョン「はい。どういたしまして」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 17:07:16.29 ID:xPWNNqA0P

みくる「うんうん。やっぱり、素直が1番ですよね」

長門「涼宮ハルヒに助言をしたのは貴女?」

みくる「はい、そうですよ。キョンくんに好きになってもらうにはどうすればいいのかって」

長門「つまり、貴女は素直になる事が恋愛における効果的な手段だと考えている」

みくる「はい」

長門「好き」

みくる「ふぇ?」

長門「大好き」

みくる「……な、長門さん。こんな人目のある所でそんな……」

長門「この世の何より貴女が好き。…………か、カレーよりも……好き」

みくる「ふにゅう……」

長門「効果は絶大だ」



古泉「あ、アンケートですか? いいですよ」

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 17:21:35.84 ID:xPWNNqA0P

映画館
ハルヒ「結構混んでるね」

キョン「そうだな。ところでハルヒ、お前が見たいって言ってたのはあれか?」

ハルヒ「……うん、実写版ヤッターマン」

キョン「まあ、何て言うか……意外だな」

ハルヒ「悪い?! ジャニーズが好きとか普通の趣味があって悪い?!」

キョン「何で怒りだすんだよ」

ハルヒ「……ううう、いいもん。キョンが嫌なら別の見るもん。……あ〜あ……ヤッターマンが居る限り」キョン「この世に悪は栄えない」

ハルヒ「!」

キョン「だろ?」

キョン「(まあ、俺は深キョンが好きなだけなんだが)」

ハルヒ「そ、そうよ! その通りよ! 何よ、あんたも解ってるじゃないのキョン!」

キョン「おお、今日1番輝いてるな」

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 17:51:33.67 ID:xPWNNqA0P

長門「待って」

みくる「はい?」

長門「ヤッターマンが居る限り、この世に悪は栄えない」

みくる「そうですよ! きいた〜愛の目覚め〜! です!」

長門「では、悪が居ない世の中でヤッターマンは何をするの」

みくる「えっと……その。実家のおもちゃ屋さん、かなぁ」

長門「それはもうヤッターマンとは言えない。そしてヤッターマンがいなければ、再び悪は栄える事になる」

みくる「む、難しいですぅ……」

長門「大丈夫。例えヤッターマンが居なくても、貴女はわたしが守ってみせる」

みくる「長門さん……」



古泉「最近お気に入りの外食……ですか。ここしばらくコンビニ弁当しか食べてないですねぇ……」

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 18:16:06.85 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「……」

キョン「まさか、当日券が売り切れとはな」

ハルヒ「そんなぁ……」

キョン「ま、待てハルヒ。泣くな? 他にも色々やってるみたいだぞ?」

ハルヒ「他にって?」

キョン「えっと――俺が謝るのもなんだがすまん、あんまり目ぼしいのが無い」

ハルヒ「はぁ……。ごめんね? せっかく付き合ってくれたのにこんな事になっちゃって」

キョン「(素直に謝られると何か調子狂うな……まあ可愛いんだが)」

キョン「気にするなって、な?」

ハルヒ「……ありがとう」

キョン「そうだ、まだヤッターマンはDVDにはなってないが……漫画喫茶か何かでDVDでも見るか?」

ハルヒ「漫画喫茶かぁ、そうね何か面白そうなのあるかもしれないし」

キョン「じゃあ決まりだな」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 18:26:37.03 ID:xPWNNqA0P

みくる「どうやら予定変更で漫画喫茶に行くみたいですね」

長門「漫画喫茶って何」

みくる「え? 長門さん知らないんですか?」

長門「知らない」

みくる「そうですね、えっと……漫画がいっぱいあるんです」

長門「それでは図書館と同じ」

みくる「そ、それだけじゃなくて……あの、古泉君って漫画喫茶って詳しいですか?」

古泉「! え、ええ。それなりに知っているつもりです」

古泉「(ようやく僕のターンですか……長かったですよ、本当に)」

長門「どんな所か教えて欲しい」

古泉「畏まりました。漫画喫茶の基本は、料金と引き換えに一定時間の間、漫画や新聞といった活字メディアが大量にある店内を自由に使える場所です」
古泉「ただ、最近はサービスも多様化してきていまして、先ほど彼が言ったようにDVDの貸し出し、ゲーム機、パソコン、マッサージチェア等も置いている店もあります」
古泉「僕のよく行くお店はシャワーやコインランドリーもあるんですよ。急な呼び出しにも対応できるので、最近はもう週に5日は通ってますね」
古泉「ここまでくればもう、店の中で生活に何の不便も……って、あの長門さん? 朝比奈さん?」

長門「……辛い事を聞いてしまった」

みくる「あ、あの! 元気出してくださいね?」

古泉「…………さて、夕飯は何にしましょうか。今日は奮発してシーチキンマヨネーズのおにぎりでも買うのもいいかもしれません」

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 18:43:33.13 ID:xPWNNqA0P

店員「いらっしゃいませ。2名様ですか?」

キョン「はい」

ハルヒ「ふ〜ん……結構店内はオシャレな感じなのね」

店員「(きょろきょろ)ご案内するお席は……カップルシートでよろしいでしょうか?」

ハルヒ「!(……こ、これってこの店員さんにはあたしたちがカップルに見えてるって事よね?)」

ハルヒ「(キョンはいったい何て答えるのかしら)」

キョン「えっと……じゃあそれでお願いします」

ハルヒ「!」

店員「では、こちらの番号札の部屋でお願いします。店内での喫煙、飲酒――」

ハルヒ「(えええっ! あ、あっさりそれでいいって? いいの? 本当にいいの?)」

キョン「――ハルヒ、おいハルヒ?」

ハルヒ「ふ、ふぁい!」

キョン「……お前、店員さんの話聞いてなかっただろ」

ハルヒ「キョ、キョンこそ。……店員さんが何て言ったのかちゃんと聞いてて返事をしたの?」

キョン「ああ」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 18:51:10.98 ID:xPWNNqA0P

長門「ここが漫画喫茶。……初めて来た場所なのに、懐かしい感じがする。何故」

みくる「本がいっぱいですからね〜」

店員「いらっしゃいませ。お席はどうされますか?」

長門「わたしと彼女でカップルシートを」

みくる「にょ! ……は、はい。それでお願いします」

店員「畏まりました、ではこちらの番号札の部屋で――」

長門「早く、待ちきれない」

みくる「焦っちゃ嫌ですよぅ」

長門「それは本当の気持ち?」

みくる「……し、知りません!//」



店員「お帰りなさいませ古泉さん。今日もナイトパックフルの安眠シートでよろしかったですか?」

古泉「はい」

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 19:19:42.99 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「せ、狭っ!」

キョン「まあ、こんなもんだろ」

ハルヒ「だって、これってラ、ラブソファーとテレビとパソコンが詰め込んであるだけの部屋じゃない!」

キョン「言ってしまえばそうだな」

ハルヒ「(こ、こんな狭い場所で二人っきりになるって……い、いいのかな? いきなりこんな事しちゃって)」

キョン「なんなら広い部屋に変えてもらうか? 確か和室みたいな広い部屋もあったと思うぞ」

ハルヒ「い、いい」

キョン「ん?」

ハルヒ「せっかく店員さんが気を利かせてくれたんだから、ここにしましょう」

キョン「わかった。じゃあ荷物を置いて色々見て来ようぜ」

ハルヒ「(確かレシートには3時間パックって書いてあったのよね。……あたし、これから3時間もこんな密室でキョンと過ごしちゃうんだ……)」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「お、お手柔らかに……」

キョン「?」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 20:01:56.29 ID:xPWNNqA0P

長門「……」

みくる「あの〜」

長門「……」

みくる「あ、あの〜」

長門「何」

みくる「漫画はあんまり一度に持ってこない方がいいと思います、重いですし」

長門「……失礼」←横山三国志全巻移送中

みくる「半分持ちますね?」

長門「ありがとう」

みくる「あ、わたしもこの漫画読んだ事あります!」

長門「どうだった」

みくる「もう最高でした〜」



古泉「布団って何でこんなに暖かいんでしょう」

239 名前:10時まではもたせねば[] 投稿日:2009/06/03(水) 20:15:16.65 ID:xPWNNqA0P

ハルヒ「DVDがあるっていってもそんなに数はないのね」

キョン「店にもよるが、ここは旧作というか名作中心みたいだな」

ハルヒ「何か面白そうなのは……と。あ、これ」

キョン「ん、ジブリか」

ハルヒ「あたし他のジブリ映画は何度も見てるのに、この紅の豚って映画ってちゃんと見たことないのよね」

キョン「それは勿体ないぞ」

ハルヒ「そうなの? ……じゃあ、これ見よっか?」

キョン「ああ」

紅の豚鑑賞中

ハルヒ「ああもう馬鹿ぁ! 空賊はそっちじゃないってば!」

キョン「いや、あれでいいんだ」

ハルヒ「そうなの?」

キョン「ああ」

ハルヒ「本当に? ……あ! 居た! 凄い!」

キョン「(俺の妹と反応が同じだな……)」

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 20:22:47.71 ID:xPWNNqA0P

長門「……」

みくる「長門さん、ジュースの御代わりはいかがですか?」

長門「欲しい」

みくる「さっきと同じメローイエローでいいですか?」

長門「いい」

みくる「――お待たせしましたぁ。はい、どうぞ」

長門「ありがとう。……もっとこっちに座っていい」

みくる「え? でもそれじゃあ長門さんが狭いんじゃぁ」

長門「いい。その方がいい」

みくる「……はい//」



古泉「耳栓……をする訳にはいきませんか。機関からの連絡が来る事もありますし」

みくる「やっ! だめですよう、もう!」

長門「よいではないか。よいではないか」

古泉「――すみません、フロントですか? 耳栓って置いて……ああ、無いですか。はい、ありがとうございました」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 20:27:58.92 ID:xPWNNqA0P

紅の豚 終了
ハルヒ「ふぅ……面白かったぁ」

キョン「だろ?」

ハルヒ「ねえキョン、結局二人はどうなったの?」

キョン「映画をちゃんと見てれば解るようになってるよ」

ハルヒ「う、嘘!?」

キョン「本当だ」

ハルヒ「じゃあもう一回最初から見ましょう」

キョン「今からだとそこまで時間は残ってないぞ?」

ハルヒ「う〜……」

キョン「(可愛い)」

キョン「……最後にフィオがそれからの事を話してるだろ? あのシーンをよ〜く見てれば解るよ」

ハルヒ「! 本当!? キョン大好き!」
紅の豚 チャプター最後から再生
ハルヒ「……」

ハルヒ「(い、今あたし勢いでとんでもない事を言っちゃったような……)」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/03(水) 20:30:19.45 ID:xPWNNqA0P

みくる「あ、そういえばわたし達ってキョンくんと涼宮さんの様子を観察する為に来たんでしたね」

長門「……忘れていた」

みくる「えっと、今二人は……」

ハルヒ「! 本当!? キョン大好き!」

みくる「えっと……」

長門「これ以上の観察は不要と判断。個人情報保護法案に違反する恐れがある」

みくる「そうですね。……じゃあ、わたし達もここでのんびりしてましょうか?」

長門「店舗内での行為は現に謹んで欲しいと注意書きに書いてあった」

みくる「そ、そうゆう意味のしましょうじゃなくてですね?」

長門「違うの」

みくる「……えっと」



古泉「眠ろうとするからいけない、そんな簡単な事も忘れていましたよ。……さて、今日はROにしましょうかリネにしましょうか」

244 名前:仕事で離れます 0時過ぎには戻ります[] 投稿日:2009/06/03(水) 20:31:48.60 ID:xPWNNqA0P

キョン「(さっきのハルヒの言葉……あれって本気なのか? いやまあ、デートに誘われている以上特別な感情が何も無いって事はないんだろうが)」

ハルヒ「(……聞かれちゃったかな? って、聞こえてるわよね。こんな近くに居るんだし)」

キョン「(これはつまりあれか? ハルヒは俺に何かしろって暗に言ってるのか?)」

キョン「(行っていいのか? いいんだな? ……ええい、ままよ!)」

ハルヒ「(どうしよう……どうしよ……あ)あ! これって!」

キョン「ど、どうしたハルヒ?」

ハルヒ「ここ、一時停止! ……ほらこれってもしかして!」

キョン「おお、よく一回で気づけたな」

ハルヒ「本当だ……よかったぁ。そっかぁ、こんなお話だったのね……」

キョン「実際、映画館で気づいた人は殆どいないと思うぞ」

ハルヒ「……ありがと、キョン」

キョン「ん?」

ハルヒ「だ〜か〜ら。……一緒に映画を見てくれて」

キョン「別にいくらでも一緒に見てやるよ。お前と映画を見るのは楽しいしな」

ハルヒ「え? 今なんて?」

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:26:41.39 ID:b+DASi5nP

じゃあ待ち時間の暇つぶしって事で
>>244
長門「そろそろ終了時間」

みくる「あ、本当ですね。じゃあキョンくん達に見つからないように先にお店を出ましょうか」

長門「そうする」

みくる「ふぅ……今日は楽しかったなぁ」

長門「わたしも」

みくる「……もうお別れの時間だって思うと、ちょっと寂しいです」

長門「そう」

長門「わたしという個体も、あなたとはもっと一緒に居たいと思っている」

みくる「長門……さん」

長門「家にくる?」

みくる「い、行きます! でも、もう夜なのにいいんですか?」

長門「いい、誘ったのはわたし。……布団は一組でいい?」

みくる「(……こく)」

古泉「(かたかた)……ふむ、肉入りで狩りは最早ありえませんか……時代は変わりましたね。βの頃が懐かしいです」

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:35:19.50 ID:b+DASi5nP

ハルヒ「……(どうしよう、何て話しかければいいんだろ)」

キョン「(我ながらいきなり変な事を口走っちまったぜ……さて、ハルヒも困ってるみたいだがどうしたもんだろうな)……ん」

キョン「あ、ハルヒ。終了時間まで後10分だ」

ハルヒ「えっ? もう3時間近くも過ぎたの?」

キョン「みたいだな」

ハルヒ「え〜早い! 早すぎよ!」

キョン「(お前にそこで本気でごねられると、時間の流れがゆっくりにされそうで怖いんだが)」

ハルヒ「せっかく楽しかったのに……もう」

キョン「とりあえず、時間が来たらすぐに出られるようにDVDとかコップを片付けようぜ」

ハルヒ「え〜」

キョン「今度また連れて来てやるから、な?」

ハルヒ「……うん」

キョン「(可愛い)」

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:39:11.55 ID:b+DASi5nP

店の外にて

キョン「結構遅くなっちまったな」

ハルヒ「うん」

キョン「(ハルヒが普通に「うん」とか言うと……何か変な気分になるぜ)」

キョン「(……いやいや待て待て、これはこいつが普段暴走していて、そのギャップに俺は萌えているだけであり)」

キョン「(って、萌えてんじゃねぇか!)」

ハルヒ「今日は……これでおしまい?」

キョン「まあ、こんな時間だしな」

ハルヒ「そっか。……うん、そうだね」

キョン「(とか言いながらハルヒはここから歩き出そうとしないのは何故だ? ……俺もだが)」



長門「どうやら今日はこれで解散に向かう模様」

みくる「……どきどきしますね」

長門「どうして」

みくる「だってほら! デートの終わりですよ? 色々ありそうじゃないですか〜」

313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:43:49.34 ID:b+DASi5nP

長門「よくわからない」

みくる「もしかしたら、もうすぐ見られるかもしれませんよ?」

長門「……」



ハルヒ「あ、あのさ」

キョン「ああ」

ハルヒ「今日は、楽しかった。その……別に宇宙人を見つけたりとか、そんな不思議とかは全然無かったけど」

ハルヒ「なんだろう。凄く、わくわくした」

キョン「そうかい」

キョン「(そいつはまぁ……えっと……。ここで俺だけ言わないのは何かずるいよな)」

キョン「……俺もだよ」

ハルヒ「えっ? ほっ本当?」

キョン「ああ」

ハルヒ「……よかったぁ」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:46:14.06 ID:b+DASi5nP

ハルヒ「あたしね? ……みくるちゃんに、自分を変える方法を相談したの」

キョン「朝比奈さんに?」

ハルヒ「そう。どうしたら素直になれるのか……って」

キョン「(それってつまり、えっと……)」

ハルヒ「大人しくして、好きな物を好きってちゃんと言って。嫌いな物は、そんなに怒らない様にする」

ハルヒ「ちょっと窮屈な感じもしたけど……うん、頑張ってみてよかった」

キョン「(なるほど、どうりで今日のハルヒは挙動がおかしかったわけか)」

キョン「(見れば確かに服装のセンスも朝比奈さんっぽいよな……谷口相手にも怒らずに我慢してたし、映画館でも理不尽に切れなかった)」

キョン「(でも……なあ、ハルヒ)」

キョン「じゃあ、今日のお前は全部演技だったって訳か」

ハルヒ「えっ! そ、そんな訳じゃ」



みくる「……ど、どうしよう。キョンくん、何だか怒ってるみたい。わたし涼宮さんに間違った事言っちゃったのかなぁ」

長門「大丈夫」

長門「ここは彼を信じて見守るべき」

316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:50:06.01 ID:b+DASi5nP

ハルヒ「あ、あのね? キョン。あたしは……その……」

キョン「……」

ハルヒ「(お、怒ってるのかな?)」

キョン「……ハルヒ、今日は楽しかったよ。そいつは本当だ」

キョン「でもな、俺は……」

キョン「(はぁ……我ながら馬鹿な事を言おうとしてるよなぁ……。でもまあ、これが本音なんだから仕方がない)」

キョン「俺は、普段のお前と一緒に居るのも楽しいぞ?」

ハルヒ「え」

キョン「好きな物でも素直に好きだって言わないし、嫌いな物は徹底的に嫌う。何て言うか普段のお前は手に負えない奴だと思ってはいるが……」

ハルヒ「お、思ってるが……?」

キョン「……まあ、嫌いじゃないというか……。そんな奴の事が、俺は……好きなのかもしれん」

ハルヒ「……そ、そう。……そうなんだ……そっかぁ」



みくる「よ、よかったぁ……よかったですぅ」

長門「信じていた」

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:52:55.66 ID:b+DASi5nP

後日談――部室にて

キョン「(しかし……何で俺はあんな事を言っちまったんだろうなぁ……)」

キョン「(せっかくハルヒが大人しくなるチャンスだったのかもしれないってのに)」

キョン「(大人しいハルヒだって、十分過ぎるくらいに可愛かった。なのに何故だ?)」

ハルヒ「みんないい? 明日の市内散策は先週出来なかった分まで取り戻すつもりで行くわよ!」

みくる「は〜い」

長門「(こく)」

ハルヒ「遅れたら罰金っ! みんなっ気合い入れなさ〜い!」

キョン「(……まあ、やっぱり俺は変わり者なのかもしれんな)」

キョン「(そう、俺は心のどこかで本気で思っちまってるんだよ)」

ハルヒ「ちょっとキョン、あんたも黙ってないでなんとか言いなさいよ?」

キョン「へいへい」

キョン「(……やっぱり、お前は演技なんかしてない方がいい顔で笑ってるな)」

キョン「そうさ。俺はこんな日常を待っていたのさ」

おしまい

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 02:55:26.92 ID:b+DASi5nP

おまけ

――漫画喫茶

古泉「おや、今日はイベントの日でしたか」

古泉「ここ最近アイテムの高騰で苦しんでいた所ですし、気合いを入れてかかりましょう」

古泉「wikiの更新はまだの様ですね……たまには僕も編集しましょうか」

古泉「まずはギルドのメンバーに声をかけてデータ取り……と、ん?」

古泉「……入店して、もう2日目……ですか」

古泉「不思議と、後悔はありませんね」

古泉「お二人が仲良くなり、閉鎖空間も生まれず僕はネトゲに没頭できる」

古泉「そうですね。僕はこんな日常を待っていたんでしょう」

色んな意味でおしまい



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