長門「ドラえもんにお願いする」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:21:40.17 ID:IvBrC15LO

ゴゴゴゴゴゴゴ――――――――――

のび太「…やっとおさまったみたいだね」

ドラえもん「最近、地震が多いよね」

のび太「なにかよくないことがおこる前ぶれだったりして」

ドラえもん「まさか」

冗談っぽく笑って返すドラえもん

のび太「ねぇドラえも――」

ドラえもん「駄目だよ」

のび太「まだなんにもいってないよ?」

ドラえもん「夏休みだから大冒険がしてみたいっていうんでしょ」

のび太「さすがドラえもん♪じゃあ―――」

ドラえもん「絶対駄目!」

のび太「ちぇーつめたいなあー」

なにひとつ変わらないいつもの光景がそこにはあった



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:24:36.16 ID:IvBrC15LO

ドラえもん「だいたいそんな大冒険がいつもいつもおきるわけないでしょ。もう!」

のび太「僕たちが知らないだけで、この世界にはまだまだ宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいるのかもしれないよ?」

ドラえもん「まさか〜」

ふたりは顔を見合わせて大笑いした

いつもの公園にやってきたドラえもんとのび太―――

のび太「誰もいないね」

ドラえもん「みんな宿題してるんじゃないの?のび太くんも遊んでばかりいないで――」

のび太「あぁーもう!わかってるよ。ちゃんと帰ったらやるから―――」

そのとき―――土管の中から二人の知らない女の子が姿を現した



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:27:59.28 ID:IvBrC15LO

長門「長門有希」

突然土管の中から現れた少女に困惑の色を浮かべるドラえもんとのび太

長門「会いたかった、ドラえもん」

ドラえもん「え〜と…どちらさまでしょうか…」

長門「協力してほしい」

ドラえもん「協力?なにを――」

ちょっと!それじゃわからないわよ有希!

またも土管の中から現れた―――その少女が言葉を続ける

ハルヒ「ちゃんと順序よく説明しないとドラえもんたちが混乱するじゃない」

少女の言葉に大混乱するドラえもんたちであった



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:32:33.82 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「紹介するわ!あたしは涼宮ハルヒ。SOS団団長よ!」

少女は次々と土管から現れる面々を指差し説明を続ける

ハルヒ「その娘は有希。SOS団一のユーティリティープレイヤーにして無口担当よ」

長門「有希と読んでほしい」

ハルヒ「そっちが古泉くん。我がSOS団の副団長にしてミステリーに精通する知性派ね」

古泉「古泉です。以後お見知りおきを」

ハルヒ「この娘はみくるちゃん。我がSOS団の萌え担当にしてお茶くみ係兼副々団長よ!どう?おっぱい大きいでしょう〜♪」

みくる「ひぃえぇぇぇ!」

嬉しそうにみくるの胸をまさぐるハルヒ。ドラえもんたちは恥ずかしくて正視できない

キョン「アホかお前は」

ハルヒ「それはSOS団の雑用係でキョン」

キョン「俺は『それ』扱いか!しかも、なんだその説明は!」

ハルヒ「これで自己紹介は済んだわね」

キョン「聞いちゃいねえ」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:37:47.70 ID:IvBrC15LO

ドラえもん「えっと…僕ドラえもんです。こっちが――」

ハルヒ「知ってるわ!のび太くんでしょ」

のび太「え、はい…なんで僕の名前を」

ハルヒ「気にしない気にしない♪」

キョン「おいハルヒ。余り混乱させるようなことはいう――」

ハルヒ「あたしたちはあなたたちの力を借りにきたの」

キョン「(やっぱり聞いちゃいねぇ)」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:42:45.25 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「それはあなたたちの世界にも関係することなの」

ドラえもん「…あなたたちの世界?…それじゃあ涼宮さんたちは」

ハルヒ「ハルヒでいいわ。そう!あたしたちはあなたたちとは違う世界からきたの」

ドラえもん「やっぱり」

ハルヒ「全然驚かないのね?さすがはドラえもんたちだわ」

のび太「なれてますから」

幾多の世界の人々と大冒険を繰り広げてきたドラえもんたちは多少の免疫がついていた

ドラえもん「それでなにを協力してほしいの」

ハルヒ「それはね――――」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:49:04.87 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「最近、こちらの世界では頻繁に地震が起こってるでしょ?」

ドラえもん「うん」

ハルヒ「あたしたちの世界でもそうなの」

長門「これ」

なにやら手に持った金属の棒をのび太たちに見せる長門

ドラえもんのび太「?」

長門「これはわたしたちの世界から持ってきたもの。わたしたちの世界には存在しえないもの」

長門「外部からわたしたちの世界に干渉する存在が確認されている。これもそのひとつ」

その金属棒は鶴屋さん所有のあの山で見つけたものだった



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 12:55:13.01 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「有希が言うにはね、それが地震を誘発させているものの正体らしいの」

長門「本来あってはならない異世界の存在。それが長期に存在し続けることは次元の歪みを生みだしかねない危険なこと」

ドラえもん「それがこの世界から有希ちゃんたちの世界に渡った――」

長門「そう」

のび太「話が全然わからないんだけど…」

ドラえもん「後で説明してあげるから。…有希ちゃんたちの世界にも地震が頻繁に起こっているって言ったよね?」

長門「そう」

みくる「何度も大きな地震が起こって怖かったでしゅ〜」

古泉「おそらくあなたの考えている通りです」

ドラえもん「そちらの世界からも同じようなものがこちらの世界に持ちこまれているんだね」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:00:17.01 ID:IvBrC15LO

長門「本来、わたしたちの世界からこちらの世界に干渉することは不可能なことだった」

ドラえもん「でも有希ちゃんたちは僕たちの世界にこうして現れているよね?」

長門「第3の情報統合思念体とでも呼ぶべきものの存在が干渉を許さなかった」

ハルヒ「有希がいうにはね、あたしたちとドラえもんたちとでそいつをやっつけちゃったらしいの」

のび太「え?でも…」

ハルヒ「記憶にないのはあたしたちも同じなの。有希を除いてね」

ドラえもん「………」

長門「信じてほしい」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:06:35.16 ID:IvBrC15LO

記憶にないものを見知らぬ人間に信じてと言われて、はいそうですかと答える人間はなかなかいないだろう

のび太「信じるよ」

キョン「!」

のび太「僕には難しい話はわからないけど有希さんが嘘をついてるとは思えない」

ドラえもん「のび太くんの言う通りだね。僕も信じるよ」

長門「…ありがとう」

いやはやただの小学生とは思えないな。さすがはのび太とドラえもんと言うべきか



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:11:51.88 ID:IvBrC15LO

長門「地震は予兆にすぎない」

ハルヒ「このまま放置しておいたらやがて、あたしたちの世界とこの世界が引き寄せあって、そして―――」

ドラえもん「質量の法則によりお互いの世界が消滅する…」

古泉「その通りです。いやはやドラえもん氏の理解の早さには驚くばかりです」

照れ笑いを浮かべているドラえもんに余り話にはついていけていない様子なのび太。俺はのび太よりだな

長門「お互いの金属棒をしかるべき場所に戻すことで世界は安定を取り戻す」

ドラえもん「僕たちに協力してほしいのはそのことなんだね」

長門は小さく頷くとドラえもんに歩みよりそっと抱きしめた

ドラえもん「わわ!!?」////

猫型ロボットを抱きしめる対ヒューマノイドインターフェース。奇妙な光景であるはずのそれは不思議と人間味に溢れてみえた



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:17:31.08 ID:IvBrC15LO

ドラえもん「のび太くんにももう一度説明してあげないといけないし時間も遅くなってきているし今日は一度解散だね」

気が付けば辺りはすっかりと夕陽が沈み夜を迎えようとしていた

ドラえもん「有希ちゃんたちは一度自分たちの世界に帰るの?」

ふるふると小さく首を振る長門

長門「次元を超えて何度もお互いの世界を渡るのは危険な行為。問題が解決するまでこちらの世界にいるほうがいい」

もちろん、俺たちが長くこちらの世界に居座り続けることも危険ではあるが、次元を超えることに比べれば格段にリスクが下がるのだと長門は言う



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:23:07.67 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「なら今日あたしたちが泊まるところを探さないといけないわね」

ドラえもん「それなら僕にまかせてよ」

テッテテー♪

ドラえもん「あべこべ世界ミラー」

ドラえもん「この鏡の中の世界を好きに使ってくれていいよ」

ハルヒ「さすがはドラえもんね♪どう?これが解決したらあたしのSOS団に入らない?」

連れて帰るつもりかよ!そもそもこいつはこちらの世界に来ることになった『理由』を忘れてるんじゃなかろうな?

ドラえもん「ハルヒちゃんたちと一緒にいるのは楽しいけど、のび太くんにはまだまだ僕が必要だからね」

のび太「そんなこといっちゃってさ〜」

笑いが起こる。なるほど、長門の言葉を疑うわけはないが、ドラえもんたちと確かに冒険をしたのだろうと実感する

お互いに今日は別れて明日への鋭気を養うことにした



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:32:16.04 ID:IvBrC15LO

―シャワールーム―

ハルヒ「〜♪やっぱり1日の疲れを癒すにはお風呂が1番よね〜♪」

今日あった出来事にご満悦なのだろうハルヒのご機嫌は最高潮だ

ハルヒ「まさかドラえもんに会えるなんて♪それに有希が宇宙人だったことにもびっくりだわ!」

ハルヒ「宇宙人が有希で未来人がドラえもん。異世界人はのび太くんね♪超能力者まで出てきちゃいそうよね♪」

ご機嫌なままシャワーを浴びるハルヒ―――

ガラガラッ

キョン「ふぅー今日は疲れた―――!!!?」

ハルヒキョン「!!!!?」

ハルヒ「このバカキョン!エロキョン!アホキョン!」

キョン「おわっ!すま―――――」

―――――――――――――――――――――

古泉「なにやら楽しそうですね」クスッ

長門「この世界では入浴中に異性がとびこんでくることが規定事項」

みくる「お約束でしゅw」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:37:08.08 ID:IvBrC15LO

のび太「今日はいろんなことがあったね」

ドラえもん「そうだね」

のび太「しずかちゃんたちに話せないのが残念だよ」

ドラえもん「仕方がないよ。世界を危険にさらす可能性は少しでも下げるべきだし」

ドラえもん「この事を知る人が少ない方が世界は安定を保つ。って有希ちゃんが言うんだから」

のび太「少し変わってるけど良い人だよね有希ちゃんは」

ドラえもん「そうだね。ハルヒちゃんたちも良い人たちだし」

のび太「明日は頑張ろうね」

ドラえもん「うん」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:41:04.08 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「みんな揃ったわね!」

のびドラ「おー!♪」

ハルヒ「では、これよりあたしたちSOS団+ドラえもんズの不思議探索を開始します」

キョン「不思議探索じゃないだろ」

ハルヒ「なによエロキョン!文句あるの」

クスクスと笑う古泉とみくるを不思議そうな顔で見つめるドラえもんとのび太

キョン「エロキョンって言うな!////それより具体的にどこを探すつもりだ」

ハルヒ「ここはドラえもんたちの世界よ?決まってるじゃない、裏山よ!」

キョン「(またなんの根拠もないことをこいつは言う)」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:47:45.12 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「理由ならあるわよ!」

キョン「(!!?…まさか心をよめるようになったんじゃあないだろうな……って、んなわけないか)」

ハルヒ「あたしたちの世界では鶴屋さんの山で見つかったわけだからこの世界では学校の裏山で見つかるはずよ!」

納得いくようないかないような理由ではあるがこいつが言うならそうなんだろう

古泉「二つの世界の関連性を考えると…ふむ、なるほど…流石は涼宮さんですね」

ホントにそう思ってんのか?古泉よ

古泉「本当ですよ」クスッ

キョン「(どいつもこいつも俺の心をよみやがる…ってまさか心をよめないのは俺だけじゃないだろうな?)」

ハルヒ「そんなわけないでしょ!あんたの考えそうなことぐらい誰だってわかるわよ」

…やれやれ



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:55:18.80 ID:IvBrC15LO

のび太たちに先導され裏山へと向かう我がSOS団とドラえもんズ

考えてみればドラえもんが堂々と歩いていても平気なんだからおかしな世界だ

ジャイアン「よぅのび太!」

のび太「!!ジャイアンとスネオ」

スネオ「どこに行くんだ?誰だよその人たちは」

ハルヒ「よくぞきいてくれました!あたしたちはSO―――むぐっ」

俺はハルヒの口を押さえて大人しくするように言う

ハルヒ「わ、わかってるわよ!内緒なんでしょ」

…わかってない。やっぱりこいつは真性のアホだ

のび太「じゃ、じゃあそういうことだから」

どういうことだと言わんばかりの顔をしたジャイアンとスネオを避けるように裏山に向かう

ジャイアン「…あやしい」

スネオ「だね」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 13:58:34.06 ID:IvBrC15LO

>>26
ありがとー
心が折れそうだけど続けます

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:03:05.12 ID:IvBrC15LO

それから歩くこと数分――俺たちは目的の裏山に辿りついた

キョン「で、どこから探すんだ?なにかわかるか長門」

長門「この山に足を踏み入れたときに、あの金属棒から発生していた粒子と同じものを観測した」

当たりなわけか。流石はハルヒというべきか

古泉「具体的にどこから発生しているかわかるのですか?」

長門「この裏山のどこかからとしか」

ハルヒ「まあ、適当に探せば見つかるわよ」

本当に見つかりそうでおそろしい

ドラえもん「ハルヒちゃんも有希ちゃんもすごいね」

ハルヒ「SOS団に入りたくなった?」

ドラえもんは愛想笑いを浮かべていた。大人だなドラえもんよ



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:09:07.82 ID:IvBrC15LO

ジャイアン「あいつらなにをしてるんだ?」

スネオ「なにかを探してるみたいだね」

ジャイアン「ひょっとしてお宝か!?」

スネオ「僕たちで先に見つけてのび太たちの鼻をあかしてやろうよ」

ジャイアン「おもしれえ」

やっぱり後をつけてきていたかジャイアンとスネオよ。まあ、あれだけ不自然な振るまいをされれば俺だって後をつけかねないが…



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:15:15.70 ID:IvBrC15LO

探しものは埋められているはずだわ!と、特にたいした理由もなさそうにハルヒはいう

ハルヒの指示する場所をドラえもんが出してくれたシャベルで俺と古泉が掘り起こす

キョン「手伝ってくれてもかまわんのだぞ」

ハルヒ「女子供にそんなことさせるつもり?」

確かに朝比奈さんやドラえもんたちにそんなことをさせるつもりはないが

お前や長門なら俺や古泉の3倍はできるだろう――――



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:26:25.67 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「労働の後に食べるお弁当はおいしいわよ」

ならお前がやれよ…とはもはやいうまい

朝比奈さんたちもそこいらの草陰をさぐり探している

ハルヒ「おっかしいわねーこんなに探しても見つからないなんて」

だからお前は探してないだろう

ハルヒ「ん?なによ?…わかったわよ。今日のシャワーは1番に使わせてあげるから」

ハルヒ「そうすれば覗かれないで済むものね」

…怒っていたのか。すまん古泉、俺のせいでお前を巻き添えにしたらしい

古泉「いえいえ、お気になさらずに」クスッ

…本当によまれてないよな?



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:34:07.36 ID:IvBrC15LO

しばらくあちこち掘りかえしてみたもののお目当てのものは見つからない

ハルヒ「そろそろ休憩してお昼にしましょう」

みくる「お疲れ様ですキョン君。お茶、入れますね」コポコポ

朝比奈さんに入れてもらったお茶を飲めば疲れなんかふきとびますよ

みくる「まあ♪お上手なんだから」

絶対心よまれてるよ!いつからだ!?まさか俺だけよめないだけで他のみんなは産まれたときからよめるとか

のび太「そんなことないよね、ドラえもん♪」

ドラえもん「うん♪」

うわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!





長門「ユニーク」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:41:49.14 ID:IvBrC15LO

ハルヒがバレンタインの日のことをドラえもんたちに話している

ハルヒ「キョンったらすっごく嬉しそうな顔してあたしたちのこと見てたのよ」

すっごく嬉しそうな顔とは今のお前のような顔のことをいうんだ

のび太「へぇ〜」ニヤニヤ

小学生のくせに大人をひやかすんじゃありません

まあ、体は疲れてはいるものの、ハルヒも長門も朝比奈さんも楽しそうで見ていて心が和む

古泉「微笑ましい限りですね」

…そういえばこいつは超能力者だったよな

古泉「本当になにもありませんよ。あなたの顔を見れば誰もがわかることです」クスッ

本当だよな?信じるぞ?信じてるぞ古泉



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:49:12.98 ID:IvBrC15LO

スネオ「なんだか楽しそうだね」

ジャイアン「ちくしょー腹減ったなぁ〜」

木陰に身をふせながらこちらを見ているジャイアンとスネオ。そうさ、覗きってのはこういうのをいうんだ。うんうん。

「たけしさん、スネオさん、こっちにお弁当があるわよ」

スネジャイ「!!!?……しずか…ちゃん?」

しずか「シィ!」

しずかは静かにするように二人をせいする…ってダジャレかよ

しずか「のび太さんたちだけで楽しそうなことをしてるなんてズルイわよね」

スネジャイ「その通りだよ」モグモグ

二人はしずかが用意してくれたらしいお弁当を食べながらそうこたえた



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:55:20.12 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「さてと…」

あらかた弁当を平らげたハルヒが口をひらく

ハルヒ「午後からの探索どうしようかしら。適当に掘ってても見つかるわけないわよね」

お前が心から願えば見つかるんだがな…てか、やっぱりただの仕返しだったのかよ

長門「ドラえもん」

ドラえもん「ながもん」

長門「友達」

ドラえもん「ET」

おい、お前ら大丈夫かー?かえってこいよー



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 14:59:04.55 ID:IvBrC15LO

スネオ「ふわあぁ〜なんだか眠たくなってきたよ…」

ジャイアン「…俺もだ………」

ぐっすりと寝入ってしまったジャイアンとスネオ

しずか「…………」

しずかだけに静かに―――ってつまらんことはもういい

ガサガサ

草陰から姿を現す謎の人影―――



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:07:04.47 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「午後の探索を再開するわよ!」

弁当を食べ終えた俺たちは再び謎の金属棒探しにとりかかる

ハルヒ「あんたや古泉くんにばかりやらせてちゃ可哀想だからあたしたちもやるわ」

長門「頑張る」

みくる「頑張りましゅ」

スコップを持った朝比奈さんが戦力になるとはとても思えないが気持ちは嬉しい

キョン「いえ、朝比奈さん。あなたにそんなことをさせるわけには」

ハルヒ「なによキョン!あたしと有希にならいいっていうの?」

少しふくれたハルヒが手に持ったシャベルを地面につきさす

カチン

ハルキョン「え?」

ハルヒが突き刺した下には探していた金属棒が埋まっていた。………最初からやってくれよ



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:21:08.11 ID:IvBrC15LO

長門「これで二つの世界は安定を取り戻す」

のび太「良かった〜」

安堵の声をあげるのび太。気が付けばあちこち泥まみれじゃないか。俺の知らないところで必死に探してくれていたらしい

みくる「これで世界は助かるんでしゅね〜良かった〜」

朝比奈さんも愛らしく喜びの声をあげる

ハルヒ「じゃあ、さっさとやっちゃいましょう」

長門「まだ…問題が残ってる」

ハルヒ「え?」

ドラえもん「…それを使った犯人だね」

今回はお前の出番はないな、古泉よ

古泉「そのようで」



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:26:33.50 ID:IvBrC15LO

>>43
なんでもないままでいてください

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:30:27.77 ID:IvBrC15LO

キョン「長門、時間の余裕はあとどれぐらいあるんだ」

長門「そう多くは残されていない。でもまだ大丈夫」

どうやらその犯人とやらを見つけない限り問題は完全には解決しないようだ

ハルヒ「けど、何者なのよ?次元の壁を越えちゃえるなんて」

のび太「ひょっとして犯人は未来からきてるんじゃ」

ドラえもん「もしそうならタイムパトロールが黙っていないからそれはないはずだよ」

犯人のあてもなく沈黙が俺たちを包みこむ



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:43:15.79 ID:IvBrC15LO

結局その日は良い考えが誰も浮かばずにお開きとなった

ドラえもん「困ったことになったね」モグモグ

のび太「ホントそうだよね」モグモグ

ママ「食べながらしゃべるのはやめなさい」

パパ「ハハハ…また二人でなにか悪巧みでもしてるのか?」

のび太「パパ、ひどいよ〜」

談笑のなりやまないいつもの平和なのび家の夕食風景だった

ジリリリリーーン!

ママ「あら?電話ね」





そうですわたしは電話でry

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:52:05.85 ID:IvBrC15LO

のび太「なんだったのママ」

ママ「しずかちゃんにたけしさんとスネオさんがまだ帰ってないからなにか知りませんかって」

時計の針は午後20時30分をさしている

帰りが遅くなり、ママに散々怒られたあとのかなり遅い夕食をとっていたのび太たちよりも帰りが遅いのはおかしなことだった

パパ「それはご家族はさぞ心配だろう」

ママ「ええ…電話越しでもハッキリとわかったわ」

のび太「ドラえもん…」

ドラえもん「…うん」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 16:05:13.91 ID:IvBrC15LO

―のび太の部屋―

のび太「ドラえもん…まさか……」

ドラえもん「…うん。タイミング的に不自然だ」

のび太「裏山に向かう途中にジャイアンたちとは会ったよね」

ドラえもん「あのあと…僕たちをつけていても不思議はない」

のび太「…そこでなにか事件にまきこまれた」

ドラえもん「僕たちが金属棒を探していたのを犯人は知っていたのかもしれない」

ドラえもん「あるいは金属棒が持ち去られればわかるようになっていたのかもしれないし」

のび太「大変だ!」

ドラえもん「有希ちゃんたちに会いにいこう!!」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 16:14:07.48 ID:IvBrC15LO

どこでもドアを使い俺たちのところに飛び込むようにやってきたドラえもんたち

ガチャ

ドラのび「有希ちゃ―――」

ハルヒ「!!!?」







ドラえもん「―――と、いうわけでして…」

ハルヒの入浴中にとびこんできたドラえもんたちは星座で説教をくらったあとに経緯を話してくれた

古泉「なるほど。それは困ったことになりましたね」

キョン「別の事故や事件にまきこまれた可能性はないのか」

長門「その可能性も否定できない。ただ三人が揃ってこのタイミングでそうなる可能性は低いと考えられる」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 16:26:08.26 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「なら犯人の目的は…」

長門「これ」

長門の手には二本の金属棒が握られている

古泉「そう考えるのが自然ですね」

みくる「そんな…」

古泉「犯人の目的が金属棒であるのならばしずかさんたちの無事は保証されるかと」

キョン「くそっ!よりにもよって、のび太たちの友達を」

ドラえもん「キョン君…」



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 16:35:03.73 ID:IvBrC15LO

長門「その仮定ならば犯人は必ずわたしたちにコンタクトをとってくるはず」

長門「ドラえもんたちは一度家に帰るべき」

ドラえもん「僕たちとコンタクトをとろうとする可能性の方が高いからだね?」

長門「そう」

キョン「待てよ、ドラえもんたちだけで大丈夫なのか」

古泉「僕が犯人なら我々よりもドラえもん氏たちを狙いますね」

キョン「…餌にするつもりか」

キョンの瞳に怒りの色が浮かぶ



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 16:49:25.03 ID:IvBrC15LO

ハルヒ「ちょっと、落ち着きなさいよキョン」

キョン「これが落ち着いてなどいられるか!」

ハルヒ「金属棒は有希が持ってるんだからあたしたちの方が危険かもしれないわよ?」

キョン「しかしだな―――」

のび太「やるよ!」

キョン「のび太…」

のび太「ジャイアンたちは僕らの大切な友達なんだ!だから…」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 17:03:49.34 ID:IvBrC15LO

のび太くんは本当に優しい人なんだ――――

ハルヒ「!?」

みくる「どうかしましたか涼宮さん?」

ハルヒ「ううん。なんでもないわみくるちゃん(今のは…)」

長門「あるいはジャイアンたちと同じように敵の手におちるかもしれない」

長門「でも必ずみんな取り返す。わたしの全てにかえても」

古泉「そういうことです」

キョン「……長門…すまない。熱くなっちまった」

長門「いい。………それがあなたの良いところ」

ハルヒ「…そうね、有希のいう通りだわ!でもね有希」

長門「…?」

ハルヒ「あなた自身も含めて全てを守りなさい」

長門「…わかった」



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 17:13:04.42 ID:IvBrC15LO

―のび太の部屋―

犯人からのコンタクトを待つべく戻ってきたドラえもんたち

ドラえもん「かっこよかったよのび太くん」

のび太「いやぁ〜」////

本当に照れくさそうなのび太

ドラえもん「本当にそう思うよ(のび太くんは凄く成長している。…僕がいなくなっても大丈夫なくらいに)」

のび太「どうしたの?ドラえもん」

ドラえもん「ううん。なんでもないよ」

おそらくは犯人も騒ぎを大きくしたくはないだろう。仕掛けてくるのは早いはず。…とは古泉くんの言葉

その言葉は正しかった



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 17:27:10.19 ID:IvBrC15LO

コンコンコン…

のび太の部屋の窓に軽いノックの音がきこえる

のび太「…きた」

恐る恐る窓を開くのび太とドラえもん

のび太「スネオ!?」

そこに姿を現したのはスネオだった

のび太「良かった!無事だったんだね」

ドラえもん「待って!」

のび太「どうしたのさドラえもん?」

ドラえもん「ここは二階だよ?のび太くん」

振り返ったのび太が見たのはタケコプターで空を飛ぶスネオの姿だった



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 17:31:38.82 ID:IvBrC15LO

のび太「スネオ…君は……」

スネオ「…仲間の命が惜しければ大人しくついてこい」

いつものスネオではなかった。恐ろしく無感情な声

ドラえもん「しずかちゃんたちは無事なんだね?」

スネオは無反応なままゆっくりとどこかへと向かい進みはじめる

のび太「いこうドラえもん」

タケコプターをつけてスネオの後を追うのび太とドラえもん



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 17:39:45.15 ID:IvBrC15LO

やがて辿りついたのは―――

ドラえもん「裏山……」

さほど驚く様子をみせないドラえもん

裏山の中程に降りたったスネオの後にのび太たちも続く

やがて――――

のび太「あれは!?」

十字架のようなものが地面に垂直に立てられている。そこに吊されているのは―――

のび太「しずかちゃん!」

しずかちゃんを救出しようとするのび太たちの前に謎の人影が立ちふさがる

「待っていたよ、ドラえもんにのび太くん…」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 17:55:25.52 ID:IvBrC15LO

―次の日―

ドラえもん「お待たせー」

いつもの空き地で俺たちと合流するドラえもん

ハルヒ「あれ?のび太くんは?」

のび太の姿はそこにはなかった

ドラえもん「のび太くんが熱を出しちゃったから寝かせてきたんだ。お陰で少しおくれちゃってごめんなさい」

丁寧におじぎしてみせるドラえもん

ハルヒ「病気なら仕方がないわ。でもひとりにして大丈夫?」

ドラえもん「ありがとうハルヒちゃん。のび太くんのことはドラミに頼んできたから大丈夫だよ」

ハルヒ「ドラミちゃんが一緒なら安心ね♪なんていってもドラえもんより優秀だし」

ドラえもん「ひどいよハルヒちゃん〜」

ごめんごめんと謝るハルヒと談笑するドラえもん。ジャイアンたちのことさえなければこれ以上ない平和な光景だ

キョン「ん?…どうかしたのか長門」

長門「なにも」

長門は無表情なままドラえもんを見つめている

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 18:12:07.33 ID:IvBrC15LO

みくる「のび太くんのお見舞いにいったほうが――」

ドラえもん「ありがとうみくるちゃん。でも万が一を考えて未来の世界に預けてきたから」

みくる「それじゃあ、お見舞いにはいけませんね…」

ドラえもん「のび太くんには必ず伝えるよ。本当にありがとうみくるちゃん」

ハルヒ「のび太くんのことはドラミちゃんにまかせておけば大丈夫よ。なんたってドラえもんの妹なんだから」

古泉「今はしずかさんたちのことを最優先に考えるべきです」

キョン「で、昨日はどうだったんだドラえもん?」

ドラえもんは静かに首を横にふってみせた



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 18:33:08.28 ID:IvBrC15LO

古泉「仕掛けてきませんでしたか。…読みが甘かったようですね」

お互いに昨日は犯人からのコンタクトのなかったことを確認しおえたあと、古泉が呟く

ドラえもん「ジャイアンたちもやっぱり行方がわからないままなんだ…」

ハルヒ「手がかりはなし…ああもう!腹が立つわね!」

ハルヒなりのジャイアンたちを心配する言葉だ。ドラえもんにもそれは伝わったようだ

ドラえもん「こちらから探すしかないのかもしれないね。もう一度―――」

長門「裏山」

ハルヒ「有希?」

長門「もう一度裏山を調べるべき」

ドラえもん「有希ちゃんのいう通りだよ。もう一度裏山へいこう」

長門とドラえもんの言葉だ。ハルヒが逆らうはずもなく一同は昨日と同じく裏山へと足を向ける



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 18:51:08.20 ID:IvBrC15LO

キョン「さて、どこから探すんだドラえもん」

ドラえもん「そうだね…とりあえず山頂を目指そうよ」

長門「………」

気のせいだろうか?いつもと変わらない無表情を浮かべている長門だが…なにかがおかしい

表情から随分と長門の意思を読み取れるようになったつもりでいたが今の長門からはなにも読み取れない

キョン「なあ、長門。やっぱりなにかあるんじゃないのか?」

長門「……なにも」

長門が俺に嘘をつくとは思えない。やはり気のせいなんだろう



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 19:00:18.78 ID:IvBrC15LO

山頂に続く道を歩いていた俺たちの前に昨日にはなかった光景が

キョン「なんだこれは」

古泉「なにかを引きずった跡のように見えますが」

道を外れ草薮の中へとそれは続いている

ドラえもん「ジャイアンたちの行方がわからなくなったのも昨日だから…」

ハルヒ「行ってみましょう!」

俺たちは周囲に十分な警戒を払いながらその道なき道を進む

辿りついたそこには場違いにもほどがある十字架がそびえ立っていた



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 19:20:55.73 ID:IvBrC15LO

みくる「しずかさん!」

朝比奈さんが無防備なままにそびえ立つそれにかけよる

ハルヒ「ちょっとみくるちゃん!罠だったらどうするの」

ハルヒにたしなめられながらもしずかちゃんの無事を安堵してみせる朝比奈さんはやはり天使の生まれ変わりではないのか…などと俺が考えていたとき――

キョン「!!」

全身に激しい痛みが走る――倒れこんだのは俺だけではなかった

俺と古泉に――――長門までもがその場に倒れ込んでいる

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:12:06.30 ID:IvBrC15LO

ドラえもん「あとはハルヒちゃんとみくるちゃんだけだね」

体が動かないまでも視線を向けたその先にはドラえもんにジャイアンとスネオが立っていた

ハルヒ「どういうことなのドラえもん!?」

ドラえもん「これは返してもらうよ」

長門から二本の金属棒を奪うドラえもん

みくる「なんで…なんでなんですか?」

朝比奈さんは困惑を隠せないでいる

ハルヒ「!!」

ドラえもんがなにかしたのだろう、ハルヒと朝比奈さんは糸の切れた人形のようにその場に崩れおちる



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:17:05.72 ID:IvBrC15LO

ドラえもん「僕は昨日まで君達と一緒にいたドラえもんじゃないんだよ」

ドラえもんがパチンと指を鳴らすとそこにのび太とドラえもんが現れた

キョン「どういうことだ?お前はドラえもんじゃないのか?」

ドラえもん「僕は正真正銘本物のドラえもんだよ」

長門「違う次元のドラえもん」

わさびドラ「よくわかったね。君達SOS団は優秀だよ」

感心したふうな声でその俺たちの知るドラえもんとは違うドラえもんは語りはじめた



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:23:06.71 ID:IvBrC15LO

わさびドラ「こことは違う次元に僕の世界は存在するんだ」

わさびドラ「その世界は消滅の危機をむかえようとしている…こののぶ代ドラのせいで!!」

ハルヒ「どういうことよ?あなたもドラえもんなんでしょ?なんでこんな―――」

わさびドラ「僕だって好きでこんなことをしているんじゃないよ!!」

わさびドラの叫んだそれは悲痛なものにきこえた



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:26:23.97 ID:IvBrC15LO

※のぶ代ドラとわさびドラの立ち位置は脳内で入れ替えてもらっても問題ありません

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:30:04.15 ID:IvBrC15LO

わさびドラ「僕たちの世界を――僕ののび太くんたちを守るにはこの世界には消えてもらうしかないんだ」

長門「お互いの世界が干渉している。のぶ代ドラの存在が強すぎてわさびドラは消滅しようとしている」

わさびドラ「その通りだよ有希ちゃん。いつそれに気づいたの?」

長門「あなたの説明から推測しただけ」

わさびドラ「優秀なんだね本当に…僕とは違って」

長門「………」

わさびドラは悲しそうな笑みを浮かべている



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:38:06.36 ID:IvBrC15LO

みくる「でも…だからって……」

ハルヒ「あたしたちの世界も…この世界も消滅させるのドラえもん…」

わさびドラ「ハルヒちゃんたちに謝る言葉はいくらあっても足りないのはわかってるよ。それでも僕は…のび太くんを守りたいんだ…」

ハルヒ「ドラえもん…」

キョン「ならこの世界ののび太はどうする?このまま消してしまうのか?」

わさびドラ「僕の世界を守ったあとに僕も壊れることにするよ…そんなことは、なんのお詫びにもならないってわかってるけど…」

長門「そうはさせない」

わさびドラ「!!?」



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:45:15.79 ID:IvBrC15LO

なにが起こったのかわからなかった。操られていたのだろうのぶ代ドラたちは正気を取り戻していた

長門が―――わさびドラを押さえ付けている

ハルヒ「キョン!大丈夫!」

ハルヒが俺の元に駆けよってくる

古泉「…どうやら長門さんのお陰のようですね」

SOS団とのぶ代ドラえもんズは体の自由を取り戻していた



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 21:54:21.16 ID:IvBrC15LO

わさびドラ「有希ちゃん君はいったい…」

長門「わたしは対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド」

わさびドラ「そうなんだ…君も僕と同じなんだね…」

長門「あなたがわたしの知るドラえもんとは違うことはわかっていた」

長門「捕まった人たちを取り戻すまであなたを泳がせる必要があった」

キョン「(そうか…だから長門は俺の問いかけに正直にこたえなかったのか)」

――敵の手に落ちても必ずみんな取り戻す―――

ハルヒ「…有希」

わさびドラ「…僕の負けだね」



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:03:13.39 ID:IvBrC15LO

わさびドラ「こんなお願いをしちゃいけないのはわかってるけど…」

わさびドラ「のび太くんたちを守って…僕はどうなってもいいから」

わさびドラは泣きじゃくっている

のぶ代ドラ「僕からもお願い!」

のび太「有希さん!僕からもお願いだよ!」

わさドラ「ドラえもん…のび太くん……」

ハルヒ「有希!あたしからもお願い!」

みくる「長門さん!」

古泉「…僕からもお願いします長門さん」

キョン「長門!!」

長門「…………」



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:10:11.04 ID:IvBrC15LO

長門「わたしは…このドラえもんを知らない……」

ジャイアン「俺たちからも頼むよ!」

スネオ「僕たちもそのドラえもんのことは知らないよ。けど…」

しずか「ドラちゃんはドラちゃんだもの!」

「ドラえもん!!!」

わさびドラ「のび太くん!?」

突如、そこに姿を現したのは大原のび太だった



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:17:58.46 ID:IvBrC15LO

大原のび太「探したよドラえもん!!」

わさびドラ「どうしてここが…」

大原のび太「君がおもいつめたのは僕たちのせいだ。ごめんよドラえもん…ごめんよ……」

大原のび太「みんなドラえもんを許してあげて!本当にとても優しい…僕の大切な友達なんだ!!」

わさびドラ「のび太くん…うっうっ…」

ハルヒ「決まりね有希」

わさびドラから離れる長門

キョン「長門…最初からそのつもりだったんだろ」

長門「わたしはドラえもんが好き」

ハルヒ「そうよ!どのドラえもんかなんて関係ないわ!みんな大切だもの!」

ハルヒ「あたしの力を使えばどうにかなるんじゃない?」

長門「!!?」



108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:26:17.35 ID:IvBrC15LO

キョン「ハルヒ…お前……」

ハルヒ「だーかーらぁー!記憶は消えてもなくならないって言ったでしょ」

長門「…………」クスッ

ハルヒ「あれ?今笑ったわよね?ねえ有希ったらー!」

長門「あなたの力を使ってわたしたちの世界とドラえもんたちの世界を改変する」

長門「…情報操作による記憶の消去が必要」

ハルヒ「かまわないわ!何度だってあたしは思い出してみせるから!」

キョン「(な?…これが涼宮ハルヒだ。我がSOS団の団長さまなんだよ…)」

古泉 クスッ

キョン「お前…絶対俺の心がよめてるだろ」

古泉「さて?」



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:34:31.39 ID:IvBrC15LO

わさびドラ「みんな本当にありがとう…ごめんなさい」

のぶ代ドラ「僕も同じ立場なら同じことをしていたかもしれないよ」

ハルヒ「はいはい、もうその話はおしまい!」

世界を改変してしまう力を持つハルヒの言葉だ。ドラえもんたちの心にも届いたことだろう

長門「ドラえもん…またいつか」

ドラドラ「うん!!」

ハルヒが力を解放する。迷いのないその力を長門が誘導して…世界は再び安定を取り戻した



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:38:09.05 ID:IvBrC15LO

のび太「ねぇドラえも――」

ドラえもん「駄目だよ」

のび太「まだなんにもいってないよ?」

ドラえもん「夏休みだから大冒険がしてみたいっていうんでしょ」

のび太「そうじゃなくてさ…僕たちずーっと一緒にいられたらいいなって」

ドラえもん「急にどうしたの?」

のび太「わかんないけど…」

ドラえもん「うふふ」

いつもとなにひとつ変わりはしない光景がそこにはあった





みくる「みくるでしゅw」

おしまい



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 22:54:56.35 ID:IvBrC15LO

見てくれた人、支援や保守をしてくれた人、ありがとうございました
これは続きのドラえもん2なので、前作もあるんでもし良かったら見てみてください
ではでは

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 23:08:19.57 ID:IvBrC15LO

>>117
他の人はどうなのかわからないですけど自分は支援はめちゃめちゃ嬉しいですw
ハルヒ「有希、なに読んでんの?」
↑ってやつです。なんか、まとめサイトに載ってたんであるはずです



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