鶴屋「


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:アスカ「料理を作るわ!」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:11:00.06 ID:vV8R5pGa0

暖かな陽気に包まれる4月の半ば、俺の姿は駅前の、SOS団が普段集合場所としている
広場にあった。

時刻は12時、駅には待ち合わせをしているのであろう若者なんかで混雑していた。

ふと、目線を上げると行きかう人の中に愛らしい笑顔で手を振る鶴屋さんをみつける。

軽く手を上げ、微笑み返すと、ちょっと照れくさそうに彼女は俯いた。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:12:50.51 ID:vV8R5pGa0

タイトルミスちゃったw

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:16:19.16 ID:vV8R5pGa0

鶴屋「いやーキョン君!待たせちゃったみたいだね」

普段見ている制服姿とは違った、新鮮味を帯びた鶴屋さんの私服に見とれてしまう。

鶴屋「・・・キョン君。あんまりジロジロ見ないで欲しいっさ。お姉さん照れてしまうにょろ」

キョン「すいません。つい見とれてしまいました。ワンピース似合ってますよ。」

素直な感想。それほど似合っている。
この人も朝比奈さんと同じ部類、何を着ても似合ってしまう人なんだろうな。

鶴屋「え・・・。は、恥ずかしいっさ。でも・・・嬉しいにょろ」

そう言って彼女は頬を淡い朱色に染め、照れくさそうに笑った。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:21:17.41 ID:vV8R5pGa0

鶴屋「キョン君。来週の日曜日暇かい?買い物に付き合って欲しいっさ」

そう誘われたのが先週の話で、丁度SOS団の不思議探索も無く、
まあ断る理由も無いわけで、OKの返事を返した。

谷口は「何でお前ばっかり!裏切り者め!」などと言っていたが、
確かにこんな方とデートできるなんて、自分が誇らしいというものだ。

結局この一週間、谷口からは非難の言葉を浴びせられるはめになった。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:26:03.26 ID:vV8R5pGa0

キョン「鶴屋さん。お昼はもう済ませましたか?」

朝食べた食パンはすでに消化されてしまい、胃が音をたて始めている。

鶴屋さん「食べてないにょろ。お腹空いたっさ」

キョン「俺もまだなんで、何処かに食べにいきましょうか。」

鶴屋さん「そうだねっ。じゃあ美味しい店があるんだけど、そこでいいかなっ」

キョン「いいですね。じゃあ行きましょう。」

そういって俺たちは歩き出した。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:33:11.33 ID:vV8R5pGa0

店員「いらっしゃいませー」

着いたのは駅から徒歩で3分、いい感じの雰囲気が漂った洋食屋であった。

鶴屋さん「ここのパスタはどれも絶品さっ。オススメはナポリタンかなっ」

キョン「よく来るんですか?」

鶴屋さん「小さいときからねっ。今じゃ常連さんかなっ」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:37:21.28 ID:vV8R5pGa0

俺は鶴屋さんオススメのナポリタン、鶴屋さんはぺペロンチーノを頼んだ。

料理が運ばれてくるまで鶴屋さんの幼い頃の話で盛り上がった。

幼い頃も活発で、よく物を壊しておじいさんに叱られたという。

想像するのは難しくないな。うん。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:45:20.47 ID:vV8R5pGa0

料理が運ばれてくる。確かに美味そうだ。腹の虫が急かしているのが分かる。

鶴・キョン「いただきまーす」

パスタをフォークに絡めて口へ運ぶ。なるほど、鶴屋さんが定期的に足を運ぶのもわかる。

いままで食べたナポリタンでベスト3に入るね。それほど美味しいナポリタンだった。

鶴屋さん「キョン君の美味しそうにょろ。一口もらいっ」

手を伸ばしてナポリタンを奪い取っていく鶴屋さん。満面の笑みを浮かべてモグモグとナポリタンを食べている。

反則的な笑みだ。男性ならこの笑みを見るだけでお腹がいっぱいだろう。

実際俺もそうだからな。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:48:55.99 ID:vV8R5pGa0

見事に過疎ってるwww

タイトルずっこけたし落とすかww

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 21:56:23.16 ID:vV8R5pGa0

じゃあもう少し頑張ってみるよ

キョン「ほら、口に付いてますよ」

鶴屋さんの口を拭ってあげると、やはり彼女は頬を赤めて俯く。

とても可愛らしい仕草に自然と笑みがこぼれた。

鶴屋さん「わ、笑わないで欲しいにょろ。・・・キョン君のいじわる」

キョン「すみません。でも、鶴屋さんが取ったんじゃないですか」

鶴屋さん「そ、それは言わないで欲しいにょろ」

キョン「はは。すいません。もっと食べますか?」

鶴屋さん「じゃあ交換するっさ」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:04:18.57 ID:vV8R5pGa0

キョン「美味しかったですね」

鶴屋さん「それは良かったにょろ。また来ようねっ」

キョン「ええ。また今度来ましょうか」

鶴屋さん「じゃあ次はあのデパートに行くっさ」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:09:46.79 ID:vV8R5pGa0

鶴屋さん「キョン君!男の人はどんなプレゼントを貰うと嬉しいのかな」

キョン「えっ・・・と」

言葉に詰まってしまう。

キョン「彼氏にプレゼントですか?」

前から気になっていた疑問、鶴屋さんほどの人ならばいてもおかしくは無い。

鶴屋さん「い、いやだなキョン君。彼氏なんていないっさ」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:16:46.20 ID:vV8R5pGa0

へえ。じゃあ誰に?

鶴屋さん「お父さんだよっ。来週誕生日なんだ」

そうなんですか。じゃあ、俺の発言一つで鶴屋さんのお父さんのプレゼントが決まってしまうわけですか。

キョン「とりあえず、一通りみて廻りましょうか」


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:19:26.21 ID:vV8R5pGa0

鶴屋さん「ねえキョン君!これめがっさ可愛くないかい?」

手には携帯電話用のストラップ。

キョン「いいですね。鶴屋さんらしいです」

鶴屋さん「うん!決めたよ。これ2つくださいっ」

結構あっさりと・・・ん?2つ?

キョン「お父さんへのプレゼントそれにするんですか?」

鶴屋さん「あ、これは違うっさ」

キョン「じゃあ誰に?」

そう尋ねると彼女は屈託のない笑顔で「内緒にょろ」と言うのであった。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:26:53.97 ID:vV8R5pGa0

結局、お父さんへのプレゼントは無難にネクタイに決まった。

鶴屋さん「じゃあ、次行こっか」

あれプレゼントは決まりましたよね。

鶴屋さん「折角のキョン君とのデートなんだし、もっと遊びたいなっ。嫌かい?」

めっそうもござません。どこまでもお付き合いしますよ。

鶴屋さん「えへへ、じゃあ・・・」

その後も鶴屋さんとのデートは続いた。なぜだかもっとこの人の笑顔を見ていたいと思った。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:34:38.47 ID:vV8R5pGa0

鶴屋さん「キョン君。今日は楽しかったよっ」

桜が咲いた公園で彼女は満面の笑みを見せた。いつか朝比奈さんと並んで歩いた公園。

未来人だと告白されたのもこの場所だったな。

キョン「俺もですよ。久々に楽しかったです」

そう言うと鶴屋さんはやはり屈託なく笑うのだった。


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:40:37.88 ID:vV8R5pGa0

キョン「鶴屋さんは向日葵のような人ですね」

すると彼女は少し頬を染めて、ほんの少し真面目な顔をして俯いてしまった。

あれ。俺なんか可笑しなこと言ったかな。想像した反応と違うぞ。

ほんの少し気まずい沈黙が訪れ、破ろうとして適当な話題を振ろうとしたとき

鶴屋さん「キョン君は向日葵の花言葉を知ってるかい?」

いえ。知らないです。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:48:39.05 ID:vV8R5pGa0

鶴屋さん「いつも貴方を見ている。そういう意味があるんさ」

素敵な花言葉ですね。

鶴屋さん「キョン君の言ったとおりかなっ」

じっと此方を見つめ言葉を紡いでいく。

鶴屋さん「私は、キョン君をいつも見ていたよ」

そのあまりに突然な出来事に言葉を失った。それはつまり。

鶴屋さん「キョン君が好きっさ」

静寂が世界を覆った。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 22:56:19.28 ID:vV8R5pGa0

鶴屋さんが俺を?why?いつから?

色々な疑問が頭を巡りただただ俯くしかなかった。

キョン「お・・・俺は・・・」

俺は彼女をどう思っているのだろうか。

確かに彼女に対して朝比奈さんや長門とは違う感情を持っている。

だがそれが恋愛感情かと問われると、わからない。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:04:44.88 ID:vV8R5pGa0

答えを見出せずに黙っていると彼女は

「冗談だよキョン君、騙されちゃったかな」と言って笑顔を作ってみせた。

鶴屋さん「またね、キョン君」

そう言うと俺の横を通って小走りで去っていってしまった。

去っていく時に見せた横顔に伝った雫に、俺は背を向けてしまった。


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:13:17.15 ID:vV8R5pGa0

一日の授業を消化し、部室へと赴く。

ドアをノックするといつもの可愛らしい声が聞こえる。

キョン「ちわー。朝比奈さんだけですか」

みくる「こんにちは、キョン君」

見慣れたコスチュームに身を包み、天使のような笑顔をふりまく朝比奈さん。

みくる「お茶煎れますね」

キョン「お願いします」


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:21:10.54 ID:vV8R5pGa0

部屋に沈黙が訪れる。あとで小泉が来たときにやろうと思い、将棋の駒を並べていると、突如沈黙が破られた。

みくる「昨日、鶴屋さんと何かありました?」

ギクリ。

な、なぜそんなことを聞くのですか?

みくる「今日、鶴屋さんお休みなんです。それでなにかあったのかなって」

鶴屋さんがお休み。もしかして昨日のこと・・・。


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:28:43.07 ID:vV8R5pGa0

昨日帰り際に見せた笑顔、デートしていたときに見せた笑顔とは違う無理やりな笑顔。そして涙。

みくる「鶴屋さん、キョン君とのデートすごく楽しみにしてたんです」

みくる「よかったら話してくれませんか。私は彼女の親友だから。心配なんです」

みくる「お願いします。キョン君」

それから昨日あったことを全て話した。一緒にパスタを食べたこと。

お父さんのプレゼントを探したこと。

突然の告白。彼女の涙。その全てを。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:34:36.62 ID:vV8R5pGa0

みくる「キョン君。貴方は鶴屋さんをどう思ってますか」

キョン「他の女子とは違う、特別な感情はもってます。でも、これが恋愛感情かと言われると、わかりません」

みくる「鶴屋さんはプレゼントを選んでいたとき、ストラップを2つ買ったと言いましたよね」

ええ。


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:43:32.80 ID:vV8R5pGa0

みくる「どうして2つなのかわかりますか?」

いいえ。

みくる「キョン君へのプレゼントですよ。でも、渡さなかった」

みくる「きっと彼女は、たとえキョン君に告白を断られても、ストラップを渡したはずです」

みくる「これからも、友達であるという証に」

みくる「でもキョン君は何も言わなかった。彼女は断られより、そのことに傷ついてしまった」

キョン「・・・。」

みくる「キョン君。今すべきことが貴方にはわかりますね」

今、すべきこと。

みくる「後は、キョン君の気持ち次第ですよ」


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/07(土) 23:51:48.65 ID:vV8R5pGa0

気づけばドアを破り、走り出していた。

朝比奈さん、ありがとうございました。気づきました、自分の本当の気持ちに。

今すべきことを。

みくる「キョン君。頑張って」

桜が咲く坂道を、息を切らせ疾走していく。

花弁は宙を舞い、街へと降り注ぐ。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/08(日) 00:02:04.18 ID:Dr2uKQBb0

鶴屋さん「はーい」

チャイムが鳴っている。誰だろう。みくるがお見舞いにきてくれたのかな。

学校には風邪だと連絡を入れてあるし、心配になって来てくれたのかな。

しかし、玄関を開けるとみくるでは無く、昨日別れた彼がいた。

息を切らせ、じっと此方を見つめてくる。

鶴屋さん「キ、キョン君?」

判っている。彼は昨日の返事を返しにきてくれたんだ。

それはきっと、私にとって聞きたくはない言葉。決別の言葉。

聞きたくはないのだけれど、聞かなければいけない。私が前に進むために。


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/08(日) 00:15:49.42 ID:Dr2uKQBb0

キョン「突然すいません。・・・少し、歩きませんか」

鶴屋さん「・・・そうだね」

以前、映画撮影を行った公園。

満開の桜道を二人は肩を並べて歩いていた。

キョン「・・・鶴屋さん」

鶴屋さん「・・・はい」


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/08(日) 00:28:27.17 ID:Dr2uKQBb0

心臓が高鳴るのを感じる。そして実感する、生きていることを。

キョン「昨日は、すいませんでした。俺・・・逃げ出してしまいました。

鶴屋さんから。自分の気持ちから。でも、もう逃げません」

キョン「俺は貴方が好きです」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/08(日) 00:35:53.68 ID:Dr2uKQBb0

何を言われたのか、一瞬わからなかった。

でも、頬を伝う暖かい感覚が全てを教えてくれた。

いけない、なんで私泣いているのだろう。嬉しいはずなのに。

鶴屋さん「・・・うぅっ・・・えぐっ・・・」

泣いてる姿なんて、彼に見られたくないのに、涙止まらないや。


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/08(日) 00:42:58.25 ID:Dr2uKQBb0

キョン「鶴屋さん」

彼はそんな私をそっと包んでくれた。暖かい。

そうだ、私がこの人を好きになった理由。

普段は素っ気ない態度をとっているが、誰よりも優しい。

そんなところが自分は大好きなんだ。

そして今、自分は大好きな人の腕の中にいる。

鶴屋さん「・・・幸せにょろ」


fin


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/08(日) 00:50:18.02 ID:Dr2uKQBb0

こんな駄文見てくださった方ありがとうございます。

ちなみにタイトルは

鶴屋「・・・幸せにょろ」です。

あーあ、なんでミスしちゃったんだろww

最後に一言

鶴屋さんは俺の嫁!



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