キョン「ハルヒはどこ行った!」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:DQN「エヴァンゲリオン面白ぇ」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:40:15.19 ID:QCa9/fJa0

俺がハルヒと結婚してすでに10年経つ。
そもそもこんなバカ女となんか結婚するつもりなんかなかったのである。
まったく…。
なぜ結婚なんかしたのだろうか。
考えるだけでいまいましい。


そう、俺はいつになく怒っている。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:41:28.19 ID:QCa9/fJa0

それはハルヒが朝飯も作らずにどこかに出かけてしまったからである。
いくら結婚して10年経つからといって、さすがにこれはないだろう。
いくらなんでも好き勝手やりすぎだ。
今日こそアイツに一言言ってやる。
そうだ。
アイツのことだ。
泣くくらい言ってやらんとわからんな。
それにな。
最近のあいつときたら、外でいったいなにをやっているのやら。
行動が怪しすぎるんだよ。
俺が仕事から帰ってくるとそわそわしだすし、この前なんか俺に隠れて電話なんかしてやがった。
まさかな。
まさかとは思うが、浮気なんかしてないだろうな。
ハルヒに限って浮気なんてな。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:42:50.35 ID:QCa9/fJa0

そんなことを考えていたら少し不安になってきた。
それよりどこに行ったんだハルヒ。
まさか俺が仕事休みなのにもかかわらず浮気相手に会いに行ったのか?
いや、いかん。
考えれば考えるほど不安は募る。
どうにかしてくれまったく。

俺はそんなことを考えながら一人、朝飯にありつく。

俺が白米に粉をかけ、このお茶漬けと称されるいかにも前時代的、インスタント的料理を製作しながら何気なくテレビをつけるとなにやら事件のニュースが映し出されていた。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:44:23.91 ID:QCa9/fJa0

事件の内容はこうだ。
なんでもテロリストが大手百貨店を占拠している。
人質数十名。
犯人は武装しており警察も踏み込めない。
ただ今ネゴシエーターが交渉の真っ最中。
といった感じだ。
一見ただの立てこもり事件だ。
最近では珍しくもなくなったテロリスト事件。
2010年を境に頻繁に起きるようになったこの手の事件は俺達一般人には無縁の話であり、テレビの中の世界だ。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:45:54.13 ID:QCa9/fJa0

まったく。
国は何をやっているんだろうか。
簡単に外国人やらを日本に入れているからこうなるんだよバカバカしい。
そもそもアメリカに手を貸したのがきっかけなんだろうなあの戦争で。
まああの頃と比べれば今の生活はあたかも未来的であって、格施設なんかも警備は厳重になっているはずだ。
もうそんな前時代的な発想では俺の理解は到底、追いつかないのだろう。
しかしながら俺には驚くべき事実が突きつけられていた。
ハルヒが人質の映像に映っていたからだ。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:47:14.63 ID:QCa9/fJa0

もちろん端っこに映り込んだ一般人の野次馬でもなければ、警察の特殊部隊の中でもない。
紛れもない<人質>として画面に映し出されていた。
俺はしばらくメシを食いながらテレビを見ていた。
これが現実逃避ってやつなのかもな。
俺はまるで他人事のように朝飯をがっついていた。
そして朝飯を食い終えるとゆっくりと立ち上がり、自室に向かう。
そしておもむろにクローゼットを開け、ハルヒが掛けておいてくれた仕事用のスーツの隣の動きやすいTシャツにジーパンとゆうありきたりな組み合わせに着替えると、全力疾走で玄関に向かった。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:49:27.44 ID:QCa9/fJa0

俺は終始無言であった。
それは他人から見れば、無表情かつ俊敏な動きであってもしくはそれに準ずる。
人間、パニックになると無表情になるもんなのかもな。
それともあまりの衝撃に表情が固まってしまったのか。
なんにせよ俺はダッシュで玄関まで行き、その扉を開けたのである。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:50:43.73 ID:QCa9/fJa0

もうすでに時刻は午前10時を過ぎていた。
外は閑散としており、人の気配は無かった。
しかしながら、俺はすでに理解していた。
玄関の扉をあけると同時に目の前に現れた少女は紛れも無い人間。
しかし人の気配はしない。
これが何を意味するかは理解出来るべきことであって、同時に懐かしさも同調する。
突然目の前に現れた少女は数十年前と変わらないショートヘアー。
それに俺の母校の制服を纏い、むかしのままの液体ヘリウムのような瞳で俺を見つめていた。
これはいくら鈍感な俺であっても気づくに値する。
コイツはいつだって俺のピンチには助けに来てくれたじゃないか。
それはハルヒがその力を失っても健在だったらしく、数十年たった今、俺の目の前に現れた。
だから俺はあえて、どうした?とか久しぶりだな!とか何の用だ?などとは言わないのである。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:52:36.70 ID:QCa9/fJa0

「アナタを迎えに来た」

そうつぶやくと彼女は何十年も会っていなかったにもかかわらず、あの時のまま会話を始めた。

「涼宮ハルヒの現状を把握している。アナタは助けに行くべき」

なぜハルヒが能力を失って、観察・保護する必要がない今、俺を助けてくれるのだろう。
しかしながら、そんなことは考えるまでもない。
それはふと視線を横にやった俺の目に映し出された2人の存在によって容易に推測できるからだ。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:54:20.12 ID:QCa9/fJa0

「やあ、お久しぶりです」

「あ、あの…キョンくん!お久しぶりですぅ」

この2人の存在によって俺の疑惑は確信へと変わる。
みなも理由は同じで、それの説明をいちいちする必要も無いのだろう。
ん?
説明が必要か?
しかたない。
では説明してやろう。
長くなるぞ。
いいか?




俺達はSOS団。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:55:34.30 ID:QCa9/fJa0

「涼宮さん…いえ、アナタのピンチだと聞いて参上いたしました」


あいかわらずのニヤケスマイルだ。
しかし当時と変わらないその顔に少しながら俺は安堵を覚えた。


「私達…その…キョンくんの力になります!」


ギョッとするほどの美人っぷりを発揮しているのは朝比奈さんで間違いないだろう。
なにより心強かったのはそれが当時の朝比奈さんではなく、朝比奈さん(大)だったからだ。
そりゃあ朝比奈さんも成長するよな。
未来人に成長なんて関係ないか。
未来から来たのなら朝比奈さん(小)でもいいわけだが。
しかしながら朝比奈さんは成長していた。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:56:47.01 ID:QCa9/fJa0

「ふふっ、当時の私を送り込んでも状況は理解出来ないもの」


たしかにおっしゃるとおり。
しかしながら、ハルヒのピンチにおそらくこの地球上で最強に位置するメンツが集まった。
これではテロリストもお気の毒様という他無い。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 15:58:18.66 ID:QCa9/fJa0

「事態は意外と深刻です」


なんだよ古泉のやつ。
ここにきて俺を不安がらせて何の得がある?


「涼宮さんはアナタを手に入れることによって、その能力を失った。それはこれ以上この世界に望む事が無いと判断したことによってです。アナタを手に入れた涼宮さんは文字通りの理想を手に入れたのです」


いったいそれが何だって言うんだ。


「しかしながらこの事態です。以前お話しましたよね?僕の能力が涼宮さんの能力の消失と共に無くなったことを」


たしかに古泉は俺とハルヒが結婚した当日、俺の目の前に現れて、自分の能力の消失を告げていった。
しかしそれがどうしたというんだ。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:03:04.17 ID:QCa9/fJa0

「僕の能力が復活しました。これがどうゆうことかアナタになら解るはずです。
涼宮さんは再びこの世界に不満を持ち始めている。ソレはすなわち、アナタの元に返れないと悟ったからです。
涼宮さんはきっとテロリストに捕まり死を覚悟してしまったのでしょう。そして再び能力が目覚めた」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:04:23.66 ID:QCa9/fJa0

おい、ちょっとまて。
ハルヒがあの胡散臭い能力に目覚めたのならわざわざお前達が来なくてもハルヒが自分でなんとかするんじゃないのか?
だってそうだろ?
あいつの能力は認めたくないが本物だ。
まったく…。
願望を実現する能力か。
メチャクチャだぜ。
そんな古泉いわく<神>のハルヒだ。
テロリストくらい何とかするだろ。
いや、それにとどまらず、テロリスト全員消しかねない。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:08:41.62 ID:QCa9/fJa0

「我々機関も当初はアナタと同じ意見でまとまっていました。
しかしながらそうはいきそうにありません。
なぜなら涼宮さんは超現実主義だからです。不思議なことが起こってほしい、奇跡が起こってほしい。
そう思う反面、そんなことは起こりうるはずがない。と思っているのでしょう。
それについては以前説明しましたよね?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:11:45.22 ID:QCa9/fJa0

そうだったな。
ハルヒはあんなとんでも性格を所持する傍ら、以外にも常識はわきまえていた。
だからこの世界はこの世界でいられる…だったな。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:13:21.34 ID:QCa9/fJa0

「その通りです。だからこそ我々が参上した。とゆうわけです」


なるほど事態はおおかた把握できた。
要するにハルヒがピンチ。
それを聞きつけたSOSメンバーが集まった。
長門はとんでも宇宙人。
古泉は得体の知れない機関に属する超能力戦隊。
朝比奈さんは心強くなった未来人。
これは当初の俺の考えとは一切かわらない。
なんにせよこいつらは俺達を助けるために集まった。
それ以外の何者でもない。
当然俺達のやることは一つだ。


「涼宮ハルヒの奪還」


そうだな長門。
お前が実のところ一番心強い。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:15:45.49 ID:QCa9/fJa0

「ならば我々は奪還屋とゆうわけですね。面白そうだ」


これは遊びじゃない。
仮にも俺の嫁の救出が目的だ。



「おや、これは失言でした」


当然だ。
このインチキスマイル野郎が。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:17:48.12 ID:QCa9/fJa0

「しかし他でもない彼女のピンチです。我々機関も総力を上げて彼女の奪還に協力いたします」


「あ…あの、私もです」


「統合思念体も彼女には生存してもらわなくてはならないと考えている」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:19:47.33 ID:QCa9/fJa0

SOS団のメンバー、しかもそのバックの連中までついてるとなりゃあ怖いもんなしだ。
俺達は事件現場に向かった。
歩いて?
いや違う。
では走って?
それもちがう。
タクシーでだ。
それを運転するのは白髪の男。
そしてその隣には女性。
なるほど全面協力だ。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:22:39.28 ID:QCa9/fJa0

現場についた俺達はまず普通ならいて当然な者達の存在が無いことに気づく。



「おや…これだけの事件なんですが…」


古泉がぼやく。
しかし古泉の疑問ももっともだ。
たしかにこれだけのテロリスト立てこもり事件だ。
周りには警察の車両が多数。
デパートを包囲している。
しかしながらあるべきもがない。
そう、マスコミがいないのだ。
なぜだ?
これほどの事件よりもっとでかい事件があるわけでもないだろうに。
まあそれはコッチとしては好都合なんだが。
マスコミがいないおかげで現場の警察も仕事がしやすいだろう。
そして俺達も。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:24:27.20 ID:QCa9/fJa0

マスコミがなぜかいない。
そんな疑問はどこかに行ってしまうくらいの爆音。
俺達の真上に突然ヘリが現れた。
そしてその中から見知った顔がのぞく。


「やっほー!ハルにゃんのピンチはアタシのピンチだからさ!マスコミは排除したよっと!」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:29:36.54 ID:QCa9/fJa0

まったくこの人は…。
こういう時に心強い。
多少発言が意味不明でもこの際関係ないさ。

しかしこれだけのメンツがそろっているにもかかわらずなぜ犯人を確保できない?
本当なら長門一人でも容易にハルヒを奪還できるだろうに。


「涼宮ハルヒを人質に取っている複数人物は人外」


何言ってんだ長門よ。
どういうわけだよ。
説明してくれ。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:32:13.50 ID:QCa9/fJa0

「私にも…情報統合思念体にも判別不能。
しかし我々統合思念体と同等、もしくはそれ以上の存在」


はあ?
長門以上だと?
そんなバカな話があるか。


「私にも理解できない」


なんなんだよ。
どういうことだ?

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:34:57.79 ID:QCa9/fJa0

「おそらく涼宮さんの作り上げた存在でしょうね」


なに言ってるんだコイツ。
ハルヒの力はテロリストに捕まった時に復活したんじゃないのか?
お前もそう言っていただろ。


「はい、そうなんですが、僕の推測によるとおそらくは涼宮さんの力はそれ以前に目覚めていた。」


なんでだよ。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:36:50.60 ID:QCa9/fJa0

「これも推測に過ぎませんが、涼宮さんはテロリストに捕まる以前になにかの懸案事項を抱えていたのではないでしょうか。
それによって不安が生じ再び能力に目覚めた。
そしてその不安は膨張し、存在しないハズのテロリストを作り上げてしまった。と言ったところでしょうか」


なんなんだよその懸案事項ってのは。


「僕もそこまでは…」


肝心なところで役にたたないやつだ。


「もうしわけありません」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:39:09.53 ID:QCa9/fJa0

まあいい。
俺達の取るべき行動はいたってシンプルだ。
相手が何だろうと関係ない。
ハルヒの奪還だ。
それ以上でもそれ以下でもない。



「あの…キョン君…その…げ、元気をだしてく…ひっ」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:48:43.89 ID:QCa9/fJa0

おや、朝比奈さん?
どうしたんですかそんなにおびえて。
ん?
俺の顔に何かついてます?


「朝比奈さんがおびえるのも無理ないですよ。いいですか?アナタの顔…まるで般若ですよ」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:50:13.11 ID:QCa9/fJa0

自分でも気づかなかった。
そうだ。
俺は今、猛烈に憤慨している。
それが顔に出てしまっているのだろう。
俺自身がそれに気づいた時、俺は建物に向かって走っていた。
古泉の止める声が聞こえたような気がしたが関係ない。
もう我慢できない。
待ってなどいられるものか。
ハルヒをかえせ。
ゆるせねえ。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:51:38.40 ID:QCa9/fJa0


と息巻いて突入してみたのが甘かった。
すでに俺の周りには自動小銃をかまえたテロリストが今にも撃ちそうに構えている。
これはまずった。
見てみろ、テロリストの男の指が引き金を引いたぞ。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:54:05.75 ID:QCa9/fJa0

しかしながら、俺はテロリスト達を無視して走り出した。
もちろん銃弾は俺めがけて発射されているのだが。
そんなことは関係ない。


なぜならその銃弾は俺にはあたらないからだ。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 16:57:55.98 ID:QCa9/fJa0

「無茶…しないで」


そう、銃弾が発射された刹那、長門が食い止めたからだ。
長門は瞬間移動的移動術で俺の眼前に立ち、そして弾を全弾はたき落とした。
俺は長門に礼をすることなく走った。
さすがの長門も苦戦しているようだが今は止まれない。

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:00:29.68 ID:QCa9/fJa0

俺が進むにつれて敵は増えていったが、古泉や朝比奈さんの助けでどうにか俺一人進むことができた。
下の階からはまだ銃撃戦の音が聞こえる。
きっと長門や古泉、それにあの臆病な朝比奈さんまでもがハルヒのために戦ってくれているに違いない。
それだけで心強い。
みんなを見捨ててここまで来たわけだが、申し訳ないとかそういう気持ちは無い。
それはみんなを信頼しているからであって相違ない。
それにアイツラもそれを望んでいるだろうしな。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:02:04.33 ID:QCa9/fJa0

「何をしているんですか!はやく…早く涼宮さんを!」


俺の背後には体のいたる箇所から流血した古泉がいた。


「ここは僕におまかせください!なあに、ここから先は一歩も通させません」


「そう」


「ま、まかせてください!」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:04:27.64 ID:QCa9/fJa0

そこには長門や朝比奈さんもいた。
しかしながら朝比奈さんも出血は多数で、長門にいたっては腕が吹き飛んじまってる。
ものすごい爆炎があたりを覆う。
さすがの長門もこのハルヒの作り出した得体の知れないヤツらには苦戦しているようだ。
うむ。この状況は俺もコイツらと一緒に戦うべきだろう。
ハルヒもそうだがコイツらが死んでしまっては意味がない。
まずは先に敵を始末してみんなで進むべきだ。
ハルヒ…もう少しまっててくれ。


「ちょ、何やってるんですか!」


俺は近くにあった鉄パイプを拾い上げ敵連中に向けた。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:08:34.09 ID:QCa9/fJa0

「キョン君!」


すいません朝比奈さん。
しかしながらアナタ達をこのまま見捨てたら後でハルヒに何を言われるか。


「…キョン君」


「まったく…アナタという人は」


古泉、お前には言われたくない。


「やれやれ…では、やりますか!」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:12:40.12 ID:QCa9/fJa0

古泉の声とともに俺たちは敵に突っ込んだ。
その瞬間、敵が俺たちに向かって小さな球体状のものを投げつけた。それは紛れも無い手榴弾だった。
あたりは爆風に包まれる。
しかし俺たちは無傷だった。たった一人を除いては。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:16:53.66 ID:QCa9/fJa0

「あ…」


朝比奈さんが弱々しく声にならない声を出す。


「そんな…」


それに続く古泉。


「気にしないで」


そう言う長門であったが、俺たちの盾となった長門はすでにもう一方の腕も吹き飛んでしまっている。
それに顔の皮膚も焼け落ちていて、下半身もどこかへ行ってしまった。
しかしそれでも無表情に敵の足に残された片方の腕の肩から肘に掛けてを使いしがみついてはなにやら呪文を唱えている。

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:19:01.50 ID:QCa9/fJa0

「はやく…」


そうつぶやく長門。


「やれやれ、僕としてはもう少しアナタと涼宮さんの幸せな生活を見ていたかったのですが」


お、おい!古泉!


「キョン君…もし私…過去の私に会うことになってもこのことは内緒ですよ?きっと怖がってしまいますから…」


ちょ、朝比奈さん!


「さよならキョン君……私…アナタのことが……ーーーー」



え?なんですか?朝比奈さん!
爆風でうまく聞こえない!
今なんて!?

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:23:31.18 ID:QCa9/fJa0

「クスっ、禁則事項です」


禁則事項…。
その言葉だけがやけにはっきりと聞こえた。
そして3人は立ち込める煙の中に消えていった。
俺はしばし呆然としていたが我に帰りみんなを助けようとした。




その時。

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:25:14.52 ID:QCa9/fJa0

ものすごい轟音とともに壁にでかでか穴があいた。
突然のことで俺はしばらく目を開けられずにいた。
そして気がづくとテロリスト連中はみな倒され、立っているのは朝比奈さん、それに長門を背負った古泉だけだった。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:26:27.99 ID:QCa9/fJa0

朝比奈さんはいったい何がおきたのだろうという表情で、古泉も同じ。
長門はいつもの無表情だ。

そしてこの爆炎の中、俺たち以外の人影がうっすらと浮かび何かつぶやいている。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:29:44.84 ID:QCa9/fJa0

「俺の忘れ物〜あの日あの時〜置き去りにした〜記憶の〜欠片〜」


そしてまた自分が入ってきた穴へと飛び込んで去っていった。
いったいなんなんだ。
それより今の声…。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:31:27.81 ID:QCa9/fJa0

「おや、なんだかわかりませんが助かったようです」


「ふえ〜」


朝比奈さんと古泉は一様に安堵の声を漏らす。
しかしながら今のって…


「きっと涼宮さんの力の影響でしょうね」


そんなバカな。
くだらん!

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:32:55.56 ID:QCa9/fJa0

「まああくまで推測の域を出ません。忘れてくださってかまいませんので」


当然だ。
意味がわからん。


「やれやれ」


しかしこれで俺たちは進むことが出来る。
もうハルヒは目の前だ。

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:37:13.31 ID:QCa9/fJa0


「おろして」


目をやると長門が古泉に背負われたままだ。
しかしながらすでに自己修復は完了していて、この中で一番マトモだ。
さあてハルヒ。まってろよ今行くからな。
見てみろ。
長門はすっかり準備完了といった感じになっているし、古泉、朝比奈さんだってこの表情だ。
悪いがテロリストさんよ。



負ける気がしねえ。



俺たちは最後の扉を開けた。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:40:57.28 ID:QCa9/fJa0

「ちょっとキョン!朝ごはん食べちゃいなさい!はやく食べないと片付けられないでしょ!」


今朝もハルヒは不機嫌である。
まったく。
あの日、俺たちが助けに行った時、あんなにわんわん泣いて俺に抱きついてきたくせによ。


「何か言った?」


おっと、ここはしらばっくれておこう。

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:43:09.70 ID:QCa9/fJa0

「ぜーったい今何か言ったわよね!」


何も言ってねえよ。


「まったくもうっ!」


やれやれ。
しかしながら俺はハルヒにどうしても聞いておかなければならない事がある。

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:45:23.75 ID:QCa9/fJa0

「なあハルヒ」


「なによ?」


「あの事件あっただろ?」


「事件のことは思い出したくないわ!あーもうっ!思い出しただけでムカツクわっ!」


「悪いな。で、その事件の日にさ、事件にあう前に何か不安なことでもあったのか?
その前になんで俺が起きるのも待たないでデパートなんか行った?」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:48:09.94 ID:QCa9/fJa0

「べっ、別にっ!」


なんだよ。


「アンタが今してるネクタイ…」


このネクタイがどうした?
ん?
んん?
まさか


「アンタが寝てる間に買いに行ったのよ。べっ別に結婚記念日とか関係ないんだからねっ!
そ、そりゃあアンタが気に入ってくれるか不安だったわよ!だからなんなのっ!ふんっ!」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:49:38.57 ID:QCa9/fJa0

そう言うとハルヒは台所に向かった。
…そんなことで。
そうだ、冒頭にも言ったが俺たちは結婚して10周年目だ。
覚えていたのか。

しかしな…。
そんなことでハルヒは悩み、そして能力を取り戻したってのか?


やれやれ。
事実とは裏を知ってしまえば実に単純なものである。


ふう…



俺は深くため息をついた。

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:50:51.24 ID:QCa9/fJa0

「キョーン!なに朝からため息ついてんのよ!辛気臭いわっ!」



俺はハルヒの声に再び大きなため息をついた。



「キョーーーン!!」



しまった、聞こえたらしい。
でもなハルヒ




俺にだってため息くらいつく権利はあるだろう。



おわり

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/18(水) 17:54:30.22 ID:QCa9/fJa0

他人が書いてるの見てて、なんだこの幼稚な文章は!と思ってたけど
いざ自分でやるとむずかしいもんだねw
はじめてだったからかなりグチャグチャだったけど読んでもらえてうれしい。



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:古泉「あは、ぬふ、ぬは、ぬほ! しゅごい 最高! 妊娠確実っ!」