桜田ジュン「SOSメイデン・・・?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:21:30.91 ID:TUFfQLMT0

ジ「はぁ・・・暇だな・・・」

アリスゲームは終了し、薔薇乙女達は自分たちが再び目覚める日まで遠くへ行ってしまった。

真紅達に後押しされ、復学した桜田ジュンは普通の生活を送っていた。

しかし・・・。

ジ「なんか・・・つまんないな・・・」

桜田ジュンはアリスゲームや薔薇乙女達と一緒にいた時間を忘れられなかった。

なんでもなかった日常生活を覆したおかしな生活。しかし彼はその時間が楽しかった。

今は、何かぽっかり抜けたかのような生活を送っていた。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:24:04.90 ID:TUFfQLMT0

巴「桜田くん?どうしたの?」

ジ「ああ、柏葉・・・あいつら今どうしてるのかなって思ってたんだ」

巴「・・・ローゼンメイデンのこと?」

ジ「そう。なんか、あいつらがいたときはうるさいって思ってたけど、いないならいないでつまんないんだよな」

巴「・・・くすっ」

ジ「なんだよ」

巴「桜田くん変わったね。昔ならそんなこと言わなかったのに」

ジ「・・・うるさいなあ」

巴「そんなこと言うと、勉強の範囲教えてあげないよ?」

ジ「僕が悪かった。だから教えてください巴様」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:27:55.11 ID:TUFfQLMT0

そんなある日、桜田ジュンの元に一通の荷物が届く。

宅「桜田さん、荷物が届いてます」

ジ「僕宛の荷物?何も注文していないと思ったけど・・・」

宅「ここにサインをお願いします」

ジ「あーはいはい・・・桜田っと」

宅「ありがとうごいざいます」

ガチャ

ジ「・・・ん?あれ、ちょっと、お金は?」

ジ「あれ・・・?さっきの宅配員はどこへ行った・・・?」

ジ「・・・まあいいか。もらい忘れた向こうが悪いんだ」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:31:09.04 ID:TUFfQLMT0

ジ「あー重い荷物だな!」

ジ「何が入ってるんだよ・・・ワレモノって」

ジ「きっと姉ちゃんが頼んだんだな。僕の名前を使って」

の「ただいま〜」

ジ「おいのり!僕の名前を勝手に使って荷物頼むなよ!」

の「え?お姉ちゃん知らないわ。通販したことないし・・・」

ジ「・・・そっか。じゃあこの荷物何かわかるか?」

の「大きい箱ねぇ。送り主は・・・書いてないわよ?」

ジ「なんか怪しくなってきたな」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:34:12.94 ID:TUFfQLMT0

ジ「爆弾が入っていたりして」

の「えええ!!こ、怖いわぁジュンく〜ん!」

ジ「抱きつくな馬鹿のり!冗談に決まってんだろ!」

ジ「とりあえず、開けてみるか」

の「だ、大丈夫なの?」

ジ「僕の家に爆弾なんか送りつけてくるやつなんていないだろ。宛先はここだし、親父達が送ってきたかもしれないじゃないか」

バリッ

の「う〜ん、そうねぇ・・・あら?」

ピラッ

の「納品書・・・?ねえジュンくん、『SOS』って何かしら?」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:38:34.55 ID:TUFfQLMT0

ジ「は・・・?『SOS』?助けろってことか?」

の「あ、ごめん。その後ろに『寸』って書いてあった」

ジ「『SOS寸』?まったくもって意味わからないよ。ちょっと貸してみろ」

ジ「ん・・・?『寸』じゃなくて『団』じゃないのかコレ?」

の「えー?あ、ホントだね」

ジ「まったく、目悪くなったんじゃないか?」

ビリッ

ジ「こ、これは・・・!」

の「真紅ちゃん達と同じ鞄・・・!」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:42:19.20 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・!さっきの納品書!」

の「え?これ?」

ジ「・・・な、なんだこれ・・・」

ジ「サイン書くところに『まきますか まきませんか』って書いてある・・・」

ジ「まさかコレは・・・ローゼンメイデン!?」

の「て、てことは、この鞄には真紅ちゃんが?」

ジ「こんなにも早くアリスゲームが始まるなんてな・・・」

ジ「でもこの中が真紅かどうかはわからないぞ・・・」

ジ「・・・」

ジ「開けるぞ」

の「う、うん・・・」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:47:22.28 ID:TUFfQLMT0

ガチャ

ジ「・・・?」

の「これは、どちら様?」

ジ「黒髪の・・・セーラー服?新手のローゼンメイデンか?」

の「ジュンくん、これってダッt」

ジ「そんなわけ無いだろ!!」

ジ「今までとは全然違うデザインだな・・・どちらかというと現代風のドールだ」

ぐっ

ジ「・・・重さも大きさもあいつらと変わらないな」

の「かわいいお人形さんねぇ」

ジ「ん?腕のこれなんだ・・・腕章?『団長』って書いてあるぞ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 11:57:51.27 ID:TUFfQLMT0

ジ「団長って・・・そういえば納品書に『SOS団』って書いてあったな」

の「ジュンくん、このお人形すごいわよぉ?」

の「ほら、パンツはいてる!」

ジ「ブッ!!そんなもの見せんな!!」

の「そっか、真紅ちゃん達で見慣れちゃったもんね」

ジ「いやあいつらはパンツじゃなくてドロワーズ・・・って何言ってるんだよ!」

ジ「人形ってことは、こいつらにもネジが・・・鞄の底にあった」

ジ「巻くべきか・・・また変な生活を送ることになりそうだな・・・」

ジ「(でも、平穏な生活にも飽きたし、だまされたと思って・・・)」

キリキリキリ・・・

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:32:50.67 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・」

の「動かないわねぇ?」

ジ「おかしいな・・・巻きが足りなかったのか?」

ジ「もう一回・・・」

パチン!!

ジ「いてっ!」

?「気安く私に触らないでちょうだい!」

の「う、動いた!」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:37:31.43 ID:TUFfQLMT0

ジ「な、なんて気の強いやつだ・・・」

?「あなた?私のネジを巻いたの?」

ジ「あ、そ、そうだよ」

?「ふーん・・・頼りない感じね。まぁいいわ。部員にしてあげるわ」

ジ「ぶ、部員?」

?「そうよ、あなたはSOS団の団員に選ばれたのよ?感謝しなさい!」

ジ「ちょ、ちょっと待てよ!何勝手に言ってるんだよ!」

?「何?この団長に逆らう気?」

の「まぁまぁ、真紅ちゃんが戻ってきたみたい」

ジ「真紅より質悪いぞこいつ・・・」

?「こいつじゃない!あたしは『涼宮ハルヒ』って名前があるのよ!」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:40:15.15 ID:TUFfQLMT0

ジ「す、すずみや?」

ハ「そうよ、あたしのことは『団長様』か『涼宮様』って言いなさい」

ジ「なんでお前に様付けしなきゃいけないんだよ」

ペチンッ

ジ「いだぁぁ!!地味にスネを蹴るな!」

ハ「しつけの悪い団員ね!あなたは永久に雑用ね」

ジ「こ、このやろう・・・」

の「ジュンくん大丈夫?」

ハ「ん?あなた、いいキャラ持ってるわね」

の「え?」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:44:29.58 ID:TUFfQLMT0

ハ「メガネ、巨乳、ドジっ子!これほど萌え要素を持った人はそうそういないわ!」

の「え、そ、それほどでもぉ」

ジ「何照れてるんだよ」

ハ「決めた!あなたもSOS団に入りなさい!あなたはSOS団の萌え要員よ!」

の「ジュンくん、お姉ちゃんもSOS団に入っちゃったぁ」

ジ「ご自由に・・・」

prrrrr・・・

の「あら?電話・・・」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:49:30.06 ID:TUFfQLMT0

の「はい桜田です〜・・・え、巴ちゃん?」

ジ「!」

の「うん、ちょっと待っててね。ジュンくん、巴ちゃんから」

ジ「なんだ?」

ハ「巴って誰よ?あんたの彼女?」

ジ「ち、違うよ!」

ハ「やっぱりね。あんたみたいな貧相な人間に彼女なんてできるわけないしね」

ジ「こいつ・・・」

ジ「もしもし、なんだ?・・・え?か、柏葉のところにもか・・・」

ジ「あぁ、わかった・・・うん・・・それじゃ」

の「どうしたの?」

ジ「・・・柏葉のところにもこいつと同じ人形が来てるらしい」

ハ「こいつじゃない!『団長様』って言いなさい!!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:53:27.37 ID:TUFfQLMT0

ハ「聞いてるのあんた!?」

ジ「僕は桜田ジュンだ。おまえも僕を名前で呼べば呼んでやる」

ハ「雑用のくせに生意気ね・・・!」

ジ「ところで、お前達はなんの用でここにいるんだ?」

ハ「知らないわよ。気付いたらここに居たわ」

ジ「なんだよそれ・・・記憶喪失か?」

ハ「んー・・・あたしが何者かとかそういうのは覚えてるんだけど」

ハ「なんでここにいるかはわからないわ」

ジ「ふーん・・・で、お前以外にも仲間はいるのか?」

ハ「もちろんよ!優秀なSOS団員がね!」

ジ「(となると、柏葉のところに来たのもこの『SOS団』の仲間か)」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 12:56:48.00 ID:TUFfQLMT0

ピンポーン

の「はぁ〜い!」

の「あら、巴ちゃん、いらっしゃい」

巴「おじゃまします」

ハ「これが巴ってやつね?」

巴「・・・!桜田くん、これってやっぱり・・・」

ジ「アリスゲームの再来というかなんというか・・・面倒なことになったのは変わらないな」

巴「・・・でてきて」

?「きゃっ!ひ、ひえぇぇ・・・みなさん大きいですぅ」

ハ「み、みくるちゃん!?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:01:10.58 ID:TUFfQLMT0

み「ぴぃ!?す、涼宮さん!」

ハ「みくるちゃんじゃない!なんでそんなに小さくなってるの!?」

み「涼宮さんも小さくなってるんです・・・」

ハ「え?そういえばそうね・・・体の大きい家庭ねって思ってたけど」

ジ「そんなわけないだろ・・・」

み「涼宮さん、ここ、どこですか?なんで私こんなところにいるんですか?」

ハ「落ち着きなさいみくるちゃん!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:03:22.59 ID:TUFfQLMT0

ジ「柏葉、こいつは・・・」

巴「最初は私を見てすごいおびえてた」

巴「名前は『朝比奈みくる』って言ってた」

ジ「『SOS団』ってやつか?」

巴「うん。桜田くんの方は?」

ジ「その『SOS団』の団長の『涼宮ハルヒ』だとさ」

ガンッ!

ジ「─っ!!」

ハ「軽々しく呼び捨てしないでちょうだい!」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:06:06.42 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・ごらんの通りすごいわがままなやつだ」

巴「真紅ちゃんにそっくりね」

ジ「わがままなところはな」

ハ「しゃべっていたらのどが渇いたわね。みくるちゃん!お茶!」

み「でも、この体じゃお茶を入れられないですぅ」

ハ「それもそうね。じゃあ仕方がないわ。ジュン!お茶をいれなさい!」

ジ「・・・何もここまでそっくりじゃなくても・・・」

巴「くすっ」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:10:36.23 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・ほらよ」

ハ「何コレ紅茶じゃない」

ジ「文句あるなら飲むな」

ハ「ふん!まずかったら承知しないわよ!」

ハ「・・・なにこれ」

み「おいしいですぅ」

ハ「あんた、見かけによらず紅茶いれるの上手じゃない」

ジ「まぁな。鍛えられたから」

巴「ごめんね桜田くん。私までおじゃまになって・・・」

ジ「気にするな。2杯いれるも3杯いれるも変わらないし」

の「また腕が上がったわね、ジュンくん」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:16:11.98 ID:TUFfQLMT0

ごそごそ

ジ「・・・?なんか音がした」

の「物置かしら?」

ジ「・・・物置か・・・まさかな」

ジ「おいハルヒ、『SOS団』って言うのは全部で何人だ?」

ハ「あんた、下の名前で呼ぶんじゃないわよ!」

ハ「それにあんた中学生ぐらいでしょ!?こっちは高校生なのよ!!」

ハ「敬語を使いなさい敬語を!」

ジ「・・・」

ハ「え?あんた何襟をつかんで・・・ちょっ、離しなさい!高い高い!!」

ジ「何か言いましたか?」

ハ「あああああたしが悪かったから!おろして!高い怖い!!」

み「ひええ・・・」

オロオロ

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:18:39.84 ID:TUFfQLMT0

ハ「はぁ・・・はぁ・・あんた覚えておきなさいよ」

ジ「・・・」

スッ

ハ「ひい!ななななんでもないわ!さ、さっきの質問ね!?5人よ5人!」

巴「今ここに2人いるからあと3人・・・」

ジ「元々ミーディアムだった人のところに来てるようだな」

ジ「とりあえず、物置が気になる。行ってみよう」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:26:54.23 ID:TUFfQLMT0

ガラガラ

?「・・・」

ジ「なんかこっちをじーっと見てるな・・・」

巴「向こうから動き出すようにも見えない」

ジ「!!か、柏葉!顔が・・・」

巴「え?あ・・・ご、ごめん・・・」

ハ「有希?有希なのね!?」

有「・・・涼宮ハルヒと朝比奈みくるを確認・・・」

ジ「こ、こっちに来た!」

ハ「ジュン、有希は『SOS団』の仲間よ!」

ジ「そうか・・・」

有「・・・よろしく」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:30:25.12 ID:TUFfQLMT0

有「有希、一応紹介してあげるわ。このメガネが」

有「桜田ジュン・・・そして隣が柏葉巴。もう一人のメガネが桜田のり」

ジ「な!ぼ、僕たちを知ってるのか!?」

有「ミーディアムから話を聞いた・・・」

ハ「ミーディアム?焼き加減?」

ジ「お前らも契約するのか?」

有「・・・する必要は、無い。ただ、この世界で生きて行くには力が必要」

有「私は最初に呼び出された人間と契約をしただけ・・・」

み「あ、あの〜、契約ってなんですか?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:35:49.95 ID:TUFfQLMT0

有「・・・指」

ハ「指?」

み「あ、あれ!?いつのまにか指輪をしてます!」

有「人間はこの指輪に口づけすることによって、私たちと契約することができる」

有「契約者となった人間はミーディアムと呼ばれ、私たちの力の媒体となる」

ハ「ち、力って?」

有「私たちは何もしなくても生活を送ることができる。けど、今からだが少し重いはず」

ハ「確かに、いつもより蹴りにキレがなかったわね」

有「それは私たちがドールとなったことにより普段の力が奪われたから」

有「でも、人間と契約すればその人間からエネルギーをもらうことができる」

ハ「へ、へえ・・・なんだか難しいわね」

み「どうやって契約するんですか?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:38:54.89 ID:TUFfQLMT0

有「朝比奈みくる、先ほど言った・・・」

み「ふぇ?あ、えーと・・・なんでしたっけ?」

有「人の話はちゃんと聞くべき」

み「ひえぇぇ、す、すみましぇん・・・」

ハ「指輪に口づけねぇ・・・仕方がないわ」

ハ「ジュン、あたしと契約しなさい!逆らったら死刑よ!」

                    ─  完  ─

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:41:31.56 ID:TUFfQLMT0

ハ「ちょっと!何よ『完』って!!」

ジ「いや、面倒だし・・・」

ハ「これじゃあたしが普段通りの生活ができなくなるじゃないの!」

ジ「今のままでもいいんだろ?えーと・・・」

有「長門でいい」

ジ「あ、あぁ。長門もああ言ってるし」

ハ「よくないわ!力が戻らないとあんたをボッコボコにできないじゃない!」

ジ「僕がボコボコになるのなら絶対に力を貸さない」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:44:34.24 ID:TUFfQLMT0

み「え、えーと柏葉さん、力を貸していただけませんか?」

巴「はい、いいですよ」

み「あ、ありがとうございます!」

巴「・・・」

み「・・・」

み「(なんか、長門さんにそっくりな気がする・・・)」

ハ「ほら!みくるちゃんだって契約してるのよ!あたしとも契約しなさい!」

ジ「えー・・・別に前みたいに命の危機が訪れてるわけじゃないし・・・」

ハ「前だかなんだか知らないけど、早くしなさい!」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:47:25.12 ID:TUFfQLMT0

の「じゃあ、お姉ちゃんと契約する?」

ハ「え?・・・うーん・・・あなたじゃちょっと頼りない気がするわ」

の「あらぁ、残念」

ジ「長門は誰と契約したんだ?」

有「それは・・・言えない・・・」

ハ「それにしても有希、あなたなかなかいい格好してるじゃない」

み「そういえばさっき物置が暗くて気付きませんでしたけど、メイド服着てますね」

巴「・・・桜田くん、彼女のミーディアムって・・・」

ジ「・・・ああ、絶対あの人だ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:50:48.70 ID:TUFfQLMT0

ぴんぽーん

の「今日は来客が多いわね。はぁ〜い」

草「おじゃましまーす!」

ジ「みっちゃんさん・・・」

有「・・・!」

ビクビク

草「あ、やっぱりここだったのねユキリン!」

ハ「ゆ、ユキリン!?」

有「・・・」

み「あの長門さんがふるえている・・・」

草「ダメじゃない、お着替えしている途中で逃げちゃ」

ジ「この人の前ではどんなヤツもおもちゃか・・・」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:54:32.48 ID:TUFfQLMT0

有「涼宮ハルヒ・・・助けて」

ハ「いやー、有希のメイド姿ってのも新鮮ね!」

有「!!あ、朝比奈みk」

み「長門さん可愛いです〜」

有「・・・四面楚歌・・・」

草「ん?ユキリン、この子達もしかして仲間?」

有「・・・!!」

有「そう・・・私よりもコスプレ慣れしている・・・私よりも彼女達の方が似合う」

ハ「ゆ、有希!?」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:57:55.87 ID:TUFfQLMT0

草「それはいい情報ね。じゃ、お着替えしましょうか」

ハ「は、離しなさい!」

み「ぴぃー!!結局ここでもコスプレされるんですかー!?」

ジ「・・・」

ハ「ジ、ジュン!そんなところ立ってないで助けなさい!」

草「ひひひよいではないかよいではないか」

ハ「し、視線が定まってない・・・!ジュン!この人ヤバイわ!」

ジ「百も承知だよ」

ハ「キャー!上着を脱がさないで!ジュン!見ないで!あっち向いてなさい!」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:02:03.19 ID:TUFfQLMT0

ハ「・・・」

ジ「ぷぷっ・・・に、似合ってるぞ・・・」

ハ「笑うな殺すわよ」

み「なんだかんだでメイド服が落ち着く私がいます・・・」

巴「大丈夫、かわいいから」

み「あ、ありがとうござます!」

草「いやー、いいわね!カナ用の衣装捨てようかと思ってたけどいい使い道ができたわ!」

ジ「みっちゃんさん、こいつらのこと聞いてますか?」

草「んー、ユキリンからある程度の事は聞いたわよ」

草「あのね、ユキリン達はね・・・」

有「!!草笛みつ・・・それ以上先は言ってはならない・・・」

草「・・・わかったわ。それじゃ、その代わり次はこの衣装を・・・」

有「これからが本当の地獄・・・」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:08:57.81 ID:TUFfQLMT0

ハ「はぁ・・・はぁ・・・何よあの人・・・人をおもちゃみたいに・・・」

ジ「前のドールも同じ目にあっていたからな」

ハ「・・・ねえ、あなたさっきから『前の』って言ってるけど、どういうことなの?」

ジ「お前らに似たような人形が、前にも家に着たんだよ」

ハ「へえ、どうなったの?」

ジ「・・・理不尽な戦いをするだけして、決着の付かないままどっかいったよ」

ハ「どっかって・・・どこ?」

ジ「さあ・・・日本のどっかかもしれないし、海外かもしれない・・・」

ハ「会えないの?」

ジ「・・・次に会えるのは、数十年後だろうな」

ハ「そう、遠いところを旅してるのね」

ジ「あぁ・・・」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:15:16.94 ID:TUFfQLMT0

ハ「・・・げ、元気だしなさいよ!」

ハ「数十年後だったら、また会えるかもしれないじゃない!」

ジ「・・・そうだな」

ハ「だから、今は今!楽しく生きなきゃ損だわ!」

ジ「そうかもな・・・ありがとう」

ハ「あ、あたしはあんたが暗いとテンション下がるから慰めてやったのよ!」」

ハ「勘違いしないでね!!」

ジ「わかったよ」

ハ「ならいいわ。契約しなさい」

ジ「それは断る」

ハ「な・・・!」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:19:07.13 ID:TUFfQLMT0

ハ「人が下手にでてれば・・・!」

ジ「あれで下手に出ていたつもりだったのか?」

ハ「いいわ、無理矢理にでも指輪にキスさせてやるわ!」

ジ「おいやめろ!来るな!」

ハ「待ちなさい!!」

み「二人とも、中良さそうです」

草「ホント。お姉さん嫉妬しちゃうわあ」

巴「・・・」

イライラ

み「ん?なんか知らないけどムカムカしてきた・・・なんだろう?」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:23:25.90 ID:TUFfQLMT0

─某時計店─

元「かぁぁぁぁじゅきいぃぃぃ!!」

?「おじいさん、落ちついてください!僕は『かずき』じゃなくて『いつき』です!」

マ「まあおじいさんったら・・・」

古「いやマツさんも関心してないで止めてくださいよ!」

元「かじゅきぃ・・・こんなにたくましくなって・・・下半身が」

古「マツさん、この方病院に連れて行った方がよろしいのでは?」

マ「あらあらおじいさんたら」

古「(この一家・・・ダメだ)」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:29:07.64 ID:TUFfQLMT0

古「(きっと僕以外の『SOS団』の人たちも来てるはず・・・)」

古「(みんなを探さなきゃここにきた理由もみつからない・・・)」

元「どうしたかずき、黙って」

古「僕は『いつき』です」

元「まあ感じが一緒だから別にかまわないじゃろ」

古「かまいますよ。あなたが『かずき』と呼ぶたびにトリップ起こしてたんじゃ身が持ちません」

マ「おじいさんは久しぶりに家族ができてみたいでうれしいんですよ」

古「(この家に住んでいた孫が『かずき』という名前で、交通事故でなくなったそうだ)」

古「(以前僕と同じ大きさの・・・人形がいたらしいが・・・)」

古「ローゼンメイデン・・・いったいなんでしょう・・・?」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:37:48.76 ID:TUFfQLMT0

─某 病院─

め「〜♪」

?「うまいな、めぐは」

め「ありがとう」

?「聞くのは誠に失礼なことかもしれないが、何年この病院にいるんだ?」

め「・・・もうわからないわ。ずーっと、ここにいる」

?「そうか、聞いてわるかったな」

め「ううん、いいの。話してるだけでも楽しいし」

?「そうか。そりゃ俺も光栄だな」

め「ねえ、あなたは・・・空を飛べる?」

?「無理だな。俺は普通の人間・・・もとい今は人形だが」

?「空を飛べるとなれば鳥になるか虫になるか天使になるかだな。ひとりで飛ぶならヘリコプターを用意してもらうかな」」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:42:50.21 ID:TUFfQLMT0

め「冗談よ・・・でも、私は前に見たわ」

?「空飛ぶ人間を・・・か?」

め「いいえ、あなたと同じ人形で、空を飛ぶ天使さんを」

?「(おいおい、メルヘンチックな思考してるじゃないか)」

?「その空を飛ぶ人形は、どこへ飛んでいった?」

め「・・・遠い国へ、行ったわ」

?「!!・・・すまん、身もふたもないことを聞いて」

め「ふふ、すぐに謝るのね、あなた」

?「謝るのがクセのようなもんだ。あと俺のことは名前で呼んでくれっていっただろ?」

め「そうだったわ・・・えーと、あだ名しか覚えてないわ、キョンくん」

キ「全く、俺を知るヤツはどうして本名を覚えてくれないのかね」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:51:36.42 ID:TUFfQLMT0

め「キョンくんって不思議ね」

キ「そりゃこんな人形体型したやつが居れば不思議だろう」

め「そうじゃなくて、なんだかとっても懐かしい感じがするの」

キ「そうかい?俺は全く感じないがな」

め「キョンくんにも、お友達っているんでしょ?」

キ「失敬だな。俺にも友達ぐらいいるぞ。変なやつばかりだけど」

め「そうなの?」

キ「わがまま道まっしぐらな元気娘と、不思議クール宇宙人と、天然ドジッ子未来人、赤玉イケメン超能力者」

め「とても楽しそうなメンバーね」

キ「こっちはそいつらに振り回されっぱなしなんだ。やれやれ」

め「でも、私はそうやってはしゃぐことできないから、うらやましいな・・・」

キ「・・・」

キ「うそつけ。さっき聞いた話だと心臓の病気はとっくに無くなったんだろ?」

め「ばれた?」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 15:01:15.04 ID:TUFfQLMT0

キ「お涙ちょうだいとはいかないな。さっき余裕で話していたじゃないか」

め「だって、なんかシリアスな雰囲気だったんだもん」

キ「残念ながらこれでも物覚えはいいもんでね」

め「手術後の検査入院とはいえ、つまらないんだもん」

キ「まあ大人しくしてるんだな。病気が再発したら大変だろ?」

め「心配してくれるの?」

キ「心配しない方がおかしいだろ?」

め「・・・え?」

キ「いくら他人でも人の命なんだからそうそう無くしたくはないだろ?」

め「・・・ねえキョンくんって鈍感って言われたことある?」

キ「何回かある。どうしてだ?」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 15:05:24.42 ID:TUFfQLMT0

め「あーあ、暇だなぁ」

キ「結果はもうすぐでるんだろ?我慢しろよ」

コンコン

キ「やべっ」

め「隠れて」

キ「ふ、布団の中!?」

め「急いで!」

キ「お、おう・・・」

モゾモゾ

看「めぐちゃん、検査終わったよー」

め「あ、ありがとうございます」

看「経過は順調だから心配しなくていいわよ。また来月来てもらえるかな?」

め「は、はい」

看「ところでめぐちゃん、さっき誰かとお話してた?声が聞こえたんだけど」

め「き、気のせいじゃないですか?テレビの音とか・・・」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 15:11:09.24 ID:TUFfQLMT0

看「・・・まあいいわ。それじゃ、また後で来ますね」

め「は、はい」

・・・バタン

め「・・・ふぅ」

キ「よっと・・・」

め「ごめんね、大丈夫だった?」

キ「お、おう」

キ「(言えない・・・いい匂いだったなんて絶対言えない)」

め「昨日検査のためにお風呂入ってなかったから、臭かったかな?」

キ「そ、そんなことないぜ!むしろフローラルな・・・はっ!!」

め「・・・ふふっ」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 15:15:29.87 ID:TUFfQLMT0

め「ありがとうございました」

看「それじゃあねめぐちゃん、気をつけて」

キ『・・・おい、どこへ行くんだ?』

め『ちょっと、下手に話しかけないで!キョンくんは鞄の中にいるんだから!』

キ『す、すまん・・・』

め『暇は人がいないからいいけど・・・これからあるおうちへ行くの』

キ『自宅じゃないのか?』

め『家にいたってつまらないわ。どうせ両親ともでかけてるし』

キ『そういえばお前検査入院だってのに、誰も迎えに来なかったな』

め『・・・』

キ『(まずった、地雷だったか?)』

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 15:52:00.88 ID:TUFfQLMT0

キ『あーそのなんだ・・・すまん』

め『私一人で行けるって言ってたからいいのよ』

め『それに、両親は私のことをきっと邪魔だって思ってる』

キ『・・・?』

め『私が入院してる間も、パパとママはけんかしてた・・・私のせいで』

キ『・・・なぁ、めぐ』

キ『俺が言うのも変なんだけどさ、子どもを愛していない両親なんていないと思うぜ?』

キ『けんかしていたのは事実かもしれないけどさ、それって気にかけてもらってるってことだろ』

キ『まだ、『子ども』でいるうちは幸せじゃないか』

キ『その関係を直すのも、壊すのもめぐ次第だと思うぜ?』

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:01:02.95 ID:TUFfQLMT0

め『・・・』

キ『まあ、壊したがるヤツはいないか』

キ『とにかくさ、まずは両親とちゃんと話をだな・・・』

め『・・・』

ポロポロ

キ『ってあー!!泣くな泣くな!俺が言いすぎた!!悪い!』

め「違うの・・・私、今までそんなこと言われたことなかったから・・・」

め「ずっと入院してて、相談できる友達も仲間もいなかったから・・・」

め「うれしくて・・・うっ・・・」

キ『・・・』

キ『その、なんだ。俺であれば相談にのってやるぞ』

め「・・・ありがとう、キョンさん」

キ『(始めて人の役にたった気がするぜ)』

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:04:30.68 ID:TUFfQLMT0

キ『それで、お前の行く家ってのはどこだ?』

め『うろ覚えなんだけどね。私と同じ元ミーディアムがいる家よ』

キ『ミーディアムか・・・』

キ『(こんな奇妙なことが起こってるんだ。きっとそこにあいつらもいるはずだ)』

キ『(長門あたりに説明してもらわないと困る)』

め『あ、ここだ』

キ『立派な一軒家だな』

ピンポーン

め「こんにちはー」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 16:12:14.38 ID:TUFfQLMT0

の「本当にお客が多いわね、今日は」

ジ「・・・まあ、どうせこいつらがらみだろうけどな」

ハ「ちゃんと名前でいいなさい!」

ジ「全く、結局こいつと契約するとは思わなかった」

ハ「大人しくキスすればよかったのよ!」

み「ふぇぇ・・涼宮さんそれじゃ大胆発言・・・」

ハ「・・・訂正よ!『指輪に』キスすればよかったのよ!!」

草「赤くなったハルヒちゃんも可愛いぃぃぃ!!」

ハ「ちょっと!やめっ・・・熱っ!ほっぺが熱いからあぁぁぁ!!」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:18:50.95 ID:TUFfQLMT0

あれ?sageてない・・・・。

の「は〜い・・・あら?」

め「こんにちは」

の「こんにちは・・・ジュンくんのお友達?」

め「はい。柿崎めぐって言います」

の「ちょっと待ってね?ジュンくーん!」

ジ「なんだよのり・・・な!」

め「久しぶり、ジュンくん」

ジ「めぐ!?お前病院は!?」

め「とっくに退院したわ。今日は用事があって来たの」

ジ「あ、そ、そうか・・・まあ、上がっていk」

ジ「(しまった、リビングにはあいつらがいるんだった!!)」

め「おじゃまします」

ジ「あーちちちちちょっとまって!」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:24:39.93 ID:TUFfQLMT0

め「どうしたの?」

ジ「リビングちょっと汚くてさ!ぼ、僕の部屋に来いよ!」

?『いきなり女の子を部屋に誘うとは、感心しないな』

ジ「!?な、だ、誰!?」

め「ちょっと、キョンくん!」

キ「しまった、うっかり・・・」

ジ「何!?めぐにも来てたのか!?」

め「にもって・・・ジュンくんのところにも?」

ジ「あぁ・・・『SOS団』がな」

キ「本当か少年!?ちょっと案内してくれないか!」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:30:03.00 ID:TUFfQLMT0

ハ「キョン!?あんたもいたのね!?」

キ「お前らも、拾われたのか?」

ハ「拾われた!?私はこの家に荷物として届いてたのよ」

み「わたしは巴さんのおうちの倉庫で眠ってましたぁ」

有「・・・お店で売られていたのを草笛みつが購入した」

キ「そうか・・・病院のゴミ箱に捨てられていたのは俺だけだったのか」

ジ「・・・一気に賑やかになったな」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:38:01.67 ID:TUFfQLMT0

ハ「とりあえず、これで『SOS団』がそろったわけね!」

ジ「なあ、お前達がさっきから言ってる『SOS団』ってなんだ?」

ハ「『世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団』、略して『SOS団』よ!」

ジ「ださ・・・」

ハ「ぬゎんですってぇ!?あんたあたしの付けた名前に文句あるっての!?」

ジ「何かの英単語の頭文字かと思ったら、日本語じゃないか」

ハ「わかりやすければいいのよ!」

ジ「それで、なんの団なんだ?」

ハ「宇宙人や未来人、超能力者なんかを捜して一緒に遊ぶのよ!」

ジ「はぁ・・・非現実的だな」

キ「それを言えば、人形になって動いている俺たちも非現実的だがな」

ジ「そりゃ、そうだけど・・・」

ハ「キョン、あいつもあんたと同じ雑用だから、仲良くしなさい」

キ「・・・お互い苦労するな」

ジ「少なくとも僕は認めてないからな」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:40:24.54 ID:TUFfQLMT0

ハ「さて!『SOS団』も集まったことだし!」

キ「だし?」

ハ「・・・」

み「・・・」

有「・・・」

ジ「・・・」

巴「・・・」

の「・・・」

草「・・・」

め「・・・」

ハ「・・・ご飯にしましょ!」

ジ「待て」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:45:33.96 ID:TUFfQLMT0

ハ「お腹が空いちゃ何もできないわ!」

ジ「お前ら何もしてないじゃないか」

の「人数分の材料あるかしら」

ジ「お前も作ろうとするなよ!」

の「んー、ちょっとお肉足りないかも・・・ジュンくん、買い物してきてくれない?」

ジ「作る気満々なんだな・・・わかったよ」

の「荷物多くなるかもしれないから気をつけてね」

め「ジュンくん、手伝おうか?」

ジ「え、大丈夫か?」

め「ちょっとぐらいの荷物なら大丈夫よ」

巴「・・・私も手伝うわ、桜田くん」

ジ「柏葉もか、悪いな」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:51:55.76 ID:TUFfQLMT0

め「・・・」

ちらっ

巴「・・・」

ちらっ

ジ「じゃあ、行ってくるよ」

の「車に気をつけてね」

ハ「ジュン!飛びっきりにいい肉を買ってきなさい!」

ジ「予算の範囲内で買うから安心しろ」

キ「・・・へ、あのジュンとか言う少年、モテモテだな」

キ「両手に花か。うらやましいな」

み「(自分のことを棚に上げて?)」

有「(鈍すぎる・・・一個体として彼の心理状態に非情に興味がある)」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16:57:04.72 ID:TUFfQLMT0

巴「(彼女は誰?桜田くんに妙に親しかったけど)」

巴「(会話から察するに、前のアリスゲームのミーディアム)」

巴「(私の知らない間に、桜田くんは次々といろんな女性にあっている・・・)」

巴「(敵は・・・多い・・・!)」

め「(彼女は・・・ジュンくんの何かしら)」

め「(雰囲気的に彼女じゃないとは思うけど)」

め「(他にジュンくんとのつながりがあるとすれば・・・ミーディアム?)」

め「(でも、誰のミーディアムかしら?)」

ジ「(なんか、後ろからすごい寒気がするな。風強いからかな?)」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:02:51.50 ID:TUFfQLMT0

ジ「まずは・・・挽肉か」

巴「合い挽き肉ね・・・のりさんは花丸ハンバーグを作るみたいだから30:70の割合ね」

ジ「へえ、僕はよくわからないから柏葉に任せるよ」

巴「うん」

巴「(私はのりさんの元で何回も料理を見てきた。もはや桜田くんのお嫁さんと同じ)」

巴「(こんなどこの馬の骨だかわからない女より私の方が優れている・・・!)」

め「じゃあ私たちは残りの食材を買いましょう」

ジ「そうだな」

巴「え?」

ジ「それじゃ、八百屋に行ってるよ。野菜なら僕でもわかるからな」

め「お先ね、巴さん」

巴「・・・」

肉「お嬢ちゃん、お肉買うの?買わないの?」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:10:25.71 ID:TUFfQLMT0

め「(とんだ抜け駆けしてくるのね、彼女)」

め「(でも彼女がその気なら、私だってがんばるわ)」

め「(水銀燈がよく持ってきた週刊誌に載ってた恋愛テクを使えばイチコロね)」

ジ「すいません、ニンジン2本とタマネギ1袋、それとピーマンを5個」

八「あいよー」

め「・・・」

め「(よく考えたら八百屋へ買い物はデートじゃないわ・・・しかもジュンくん仕切ってるし)」

め「(ここから恋愛テクにもっていくのは至難の業・・・)」

ジ「こんなもんだな。めぐ、行くぞ」

め「う、うん・・・」

ジ「どうした?疲れたか?」

め「ううん、なんでもない・・・」

ジ「・・・やっぱり体力落ちてるか。ほら」

め「え?」

ジ「・・・おんぶだよ」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:16:58.86 ID:TUFfQLMT0

巴「あ、さくらd」

ジ「遅くなって悪い」

巴「あ、あの・・・桜田くん・・・うしろ・・・」

ジ「ああ、めぐが疲れたっていうからおんぶしてるんだ」

め「ごめんね。入院が長すぎて体力回復し切れてなかったみたいなの」

め「(もちろん嘘だけどね)」

巴「(そうか、彼女は入院していたのね。病人相手に戦うなんて、私らしくなかった・・・)」

ジ「柏葉も肉買えたのか?なら行こうぜ」

巴「あ、うん」

め「・・・」

巴「?」

め「(ニヤリ)」

巴「!!」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:22:47.42 ID:TUFfQLMT0

ジ「ただいま」

ハ「遅い!罰金!」

ジ「なんでだよ」

ハ「あら?あんたなんで女をおんぶしてるのよ!」

ジ「疲れたみたいだからな」

ハ「ふーん、案外優しいところもあるのね」

ハ「でも、エッチなことしようとしてたんでしょ!」

ジ「決めつけるな!僕はそんな男じゃない!」

ハ「どうだか」

ジ「また持ち上げるぞ」

ハ「!!・・ま、まあ認めてあげるわよ!あんたは偉いってね!」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:27:40.17 ID:TUFfQLMT0

の「巴ちゃん、重くなかった?大丈夫?」

巴「ええ、大丈夫です」

ジ「めぐ、そこのソファで休んでろ」

め「ええ、そうするわ」

み「めぐさん、大丈夫ですか?」

め「大丈夫です。本当は疲れていませんもの」

み「ええ?」

め「ふふっ、内緒ですけど、ジュンくんにちょっと甘えちゃった」

み「は、はああ・・・めぐさんって策士ですね」

め「それほどでも♪」

キ「(やれやれ、女同士の会話ってのは怖いな)」

有「・・・」

キ「どうした長門寄りかかってきて。疲れたならあのソファーにでも座ってろ」

有「・・・そうする・・・」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:34:06.63 ID:TUFfQLMT0

の「〜♪」

キ「えらくご機嫌だな、お前の姉さんは」

ジ「まあ料理の腕はいいからな。あと久しぶりに大勢で食卓囲むからはりきってるんだろ」

キ「なあ、めぐからも聞いたんだが、ローゼンメイデンってのはなんだ?」

有「私も気になる」

ジ「・・・大昔に、ローゼンって人形師が作った人形で、その人形に命を吹き込んで戦わせてるんだよ」

キ「なんでそんなことをするんだ?」

ジ「ローゼンは完璧な人形『アリス』を目指していたんだが、生涯ずっと作れなかったらしいんだ」

ジ「それで、自身が作った最高傑作の『ローゼンメイデン』を戦わせて、戦い抜いた者を『アリス』にしようってしたらしいんだ」

キ「・・・悲しいな、そのローゼンというやつは」

有「姉妹同士が戦う・・・私も、その苦しみがわかる」

ジ「『ローゼンメイデン』全部が好戦的ってわけじゃない。殆どのヤツが戦いがらなかった」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:42:59.48 ID:TUFfQLMT0

ジ「『戦わなくてもアリスになれる方法』・・・みんな考えていたよ」

ジ「でも結局は、戦うことしかできなかったんだ・・・」

キ「・・・そうか、まあ戦うことが最短経路だったんだろうな」

有「『アリス』の定義とは?」

ジ「たしか、『どんな花よりも気高く、どんな宝石よりも無垢で、一点の穢れも無い、至高の美しさを持った究極の少女』だったかな」

キ「ずいぶん高いハードルだな。それを戦い抜いて決めるのか?なんか道理と違わないか?」

ジ「そう、戦うことで『アリス』を目指すなんて、間違っている」

キ「そいつらは、どのくらい戦ってるんだ?」

ジ「同じ姉妹が同時に目覚めれば戦い・・・『アリスゲーム』が始まる」

ジ「もう何百年と続いているらしいんだ」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:47:33.04 ID:TUFfQLMT0

キ「気の長いお話で・・・」

ジ「そして今『ローゼンメイデン』は次の戦いのために、深い眠りについたんだ」

キ「そうか、大変だったんだな」

有「・・・彼女たちとの別れは・・・つらくなかった・・・?」

ジ「・・・最初は、賑やかな奴らがいなくなって清々した、と思ってた」

ジ「でも、居なくなるとやっぱり寂しいもんだ・・・」

ジ「寂しい生活になったと思ってたよ」

有「・・・」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 17:55:40.48 ID:TUFfQLMT0

の「ご飯ができたわよぉ」

ハ「よし!早速持ってきなさい!」

キ「馬鹿、作ってもらったんだ。自分で運べ」

ハ「そんなこと言ったって、この体じゃ運べないわよ!」

キ「・・・それもそうだな」

の「いいのよぉ?お姉ちゃん達が運ぶから!」

み「す、すみませぇん・・・」

ジ「ほらよ」

ハ「遅い!あたしには一番に置きなさい!」

ジ「何様だよまったく・・・」

め「わぁ、これが花丸ハンバーグ?」

草「ごめんねのりちゃん、私の分まで」

の「気にしなくていいんですよぉ。多い人数の方がおいしいですから!」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 18:01:29.01 ID:TUFfQLMT0

皆「いただきます」

ハ「!!何コレうまい!」

み「上に乗ってるお花の目玉焼きが可愛いですねえ」

有「うまい・・・もぐもぐ・・・」

キ「驚いた。そんじょそこらの店のハンバーグよりうまいぞ」

の「みんな褒めすぎよぉ」

め「おいしい・・・あんまりお肉得意じゃなかったけど、そんなに油っぽくんないから食べられる」

草「うまーい!のりちゃん私のお嫁にならない?」

ジ「どうぞどうぞ」

巴「桜田くん、私も手伝ったの。どう?おいしい?」

ジ「あ、うん。うまいよ」

巴「(もっといいリアクションが欲しかったなぁ・・・)」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 18:09:05.82 ID:TUFfQLMT0

ハ「おかわり!」

キ「ハルヒ、遠慮しろ」

の「きにしなくていいのよ?おかわりたくさんあるから」

み「のりさんお料理上手なんですねえ。今おいくつなんですか?」

ジ「ん?高校2年生」

キ「俺たちの一個上の先輩だったのか」

ハ「みくるちゃんと同い年ね!」

み「・・・?あ、そうですね!ええ!」

ジ「お前達高校生だったのか?」

ハ「元はね!あ、そういえばなんで私たち人形になってるのかしら」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 18:14:24.27 ID:TUFfQLMT0

ハ「ん?ちょっとまって・・・なんか思い出せそう・・・」

有「・・・」

有「涼宮ハルヒ」

ハ「何有希!?私今一生懸命思い出そうと・・・」

有「おかわりがきた・・・」

ハ「え?あホント。思い出すのは後でいいわ!先に食べましょう」

ジ「・・・?」

キ「まったく・・・あーほら口にソースつけて・・・」

の「まあ、キョンくんは優しいのねぇ」

草「まるでラブラブのカップルみたいね!」

キ「!!ここここんなヤツとカップルに見えるのか!?」

ハ「ああああなたたち目がおかしいんじゃない!?メガネ交換してもらった方がいいわ!」


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 18:22:27.77 ID:TUFfQLMT0

ハ「ごちそうさま!さ、お風呂よ!」

ジ「早っ!ていうかお前達風呂入るのか?」

ハ「はぁ?何言ってんのよ!一日の最後をしめるのはお風呂よ!?」

ジ「そうじゃなくて、浴槽につかれるのか?」

ハ「あたりm・・・そっか、体が小さかったわね」

の「お姉ちゃんが入れてあげようか?」

ハ「え?」

の「大丈夫よぉ、お姉ちゃん小さいときのジュンくんと一緒にお風呂はいったから」

ハ「だ、大丈夫よ!一人でやれるわ!」

ジ「不安だな・・・」

ハ「じゃ!行ってくるわ!」

タッタッタッ・・・

ジ「はぁ・・・僕はパソコンでもしているか」

ガシッ

有「話がある・・・みんなにも」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 18:29:33.75 ID:TUFfQLMT0

有「なぜ私たちが小さくなったか・・・」

キ「・・・涼宮ハルヒの力か?」

有「それもある」

キ「『も』?他にも要因があるのか?」

有「・・・涼宮ハルヒは普段の生活に不満を持っていた」

有「いつまでたっても不思議が起こらないと」

有「そして同時期に、同じように普段の生活に不満をもつ人がいた」

ジ「・・・」

有「桜田ジュン・・・あなた・・・」

み「それじゃ、涼宮さんとジュンくんの気が同調したってことですか?」

有「そう。本来であれば涼宮ハルヒの方が強い力を持つ」

有「故に、ここにいる彼たちが、私たちのいる世界に呼ばれるはずだった」

有「しかし、桜田ジュンの『ローゼンメイデン』に対する思いの方が強かった」

有「だから、私たちが逆にこっちに呼ばれた・・・そして『ローゼンメイデン』の代わりとなった」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 19:23:45.74 ID:TUFfQLMT0

ジ「ちょっと待てよ!どういうことだか意味がわからない」

ジ「僕がお前達を呼んだってどういうことだ!?ハルヒはなんなんだ!?」

キ「落ち着け!」

有「私から説明する必要がある・・・」

有「よく聞いて。私たちと涼宮ハルヒは・・・」



ジ「ハルヒが神?お前ら本当にそう思っているのか?」

キ「俺だって信じたくない。でも実際にそうなんだ」

ジ「そのことはあいつは知ってるのか?」

有「涼宮ハルヒには教えていない。教えれば莫大な情報フレアが発生し、世界が崩壊すると思われる」

ジ「・・・それは、僕たちの世界もそうなのか?」

有「おそらく・・・」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 19:31:19.64 ID:TUFfQLMT0

有「今の涼宮ハルヒには、『なぜここにいるのか』も知られてはならない」

ジ「そんな無茶な!」

有「普段通りの生活であれば彼女は疑問に思わないはず」

ジ「おかしいだろ?普通に自分が小さくなれば異変に気付くだろ」

有「彼女は日々変化を求めている。今回の事変に関して情報統合思念体も突然のことでとまどっている」

有「ただ、この世界に飛ばされたショックで彼女の記憶があやふやになっている」

有「不幸中の幸い。しばらくは彼女に強いショックがない限り大丈夫なはず」

キ「自分たちの世界よりもハードだな」

ジ「・・・これから僕たちはどうすればいいんだ?」

有「わからない。情報統合思念体も今は明確な判断を出せない」

み「私も未来と連絡が取れません・・・」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 19:36:30.11 ID:TUFfQLMT0

キ「長門、お前の力ではなんともできないのか?」

有「この世界では私の能力も制限されている」

キ「そうか・・・」

有「ただし、大事な能力だけは残っている」

キ「情報操作か?」

有「大食い・・・」

キ「そんな能力捨ててしまえ!」

『キャアアアアア!!!』

ジ「!?」

有「涼宮ハルヒの声・・・」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 19:42:47.25 ID:TUFfQLMT0

ジ「なんだ!?どうした!」

ガラッ

ハ「い、今鏡・・・ってギャアアアア!!!」

ジ「!?」

ハ「馬鹿!お風呂に入ってくるな変態!!」

ジ「え、あ、ごめん!!」

バタン

ハ「のぞき!?あんたガキのくせにませてるわね!」

ジ「お前が叫んだから来てやったんだろ!」

ハ「うら若き乙女の肌を見るなんて最低ね!」

ジ「あーもう!勝手に言ってろ!!」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 19:48:28.64 ID:TUFfQLMT0

キ「お。おかえり」

み「なにかあったんですか?」

ジ「しらないよ!心配して言ったら変態扱いしやがって!」

キ「それは不運だったな」

ジ「・・・お前達は心配しないのか?」

キ「ん?心配は心配さ。でも、いち早くお前さんが行ったもんだから」

キ「それに、長門に心配ないって言われたしな」

有「涼宮ハルヒは浴槽の中で足をつっただけ・・・」

ジ「そ、そうだったのか・・・」

ジ「(ん?でもあいつ『鏡』とか言ってたような・・・)」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 19:59:18.06 ID:TUFfQLMT0

ハ「・・・」

キ「よぉハルヒ」

ジ「あの・・・」

ハ「・・・変態」

ジ「!!」

ジ「ふん!可愛くないやつだな・・・のり!僕はもう寝る!」

の「あ、おやすみ、ジュンくん」

ハ「のり!私も寝るわ!部屋案内して!」

キ「俺たちも、退散するか」

め「そうね。それでは、のりさん」

巴「私も帰ります。さようなら」

草「さあユキリン!帰って写真撮影の続きよ!」

有「・・・私はまだ帰りたくn」

草「まだ56着残ってるんだから!行くわよ!」

有「このミーディアム・・・涼宮ハルヒより恐ろしいものを持っている気がする・・・」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:07:10.99 ID:TUFfQLMT0

コンコン

ジ「・・・姉ちゃん?」

ガチャ・・・

ハ「・・・」

ジ「ハルヒ・・・」

ハ「さ、さっきは悪かったわね・・・」

ジ「・・・僕も勝手に入ったんだ」

ハ「パソコンやってるのね。暗い性格なはずだわ」

ジ「おまえ・・・!」

トスッ

ジ「そこ僕のベッドだぞ・・・何で寝てるんだよ」

ハ「しょうがないじゃない!寝る布団がここしかないんだから!」

ジ「・・・え?」

ハ「のりに『明日朝練で早く起きなきゃいけないからジュンくんの部屋を使って』って言われたから・・・」

ジ「・・・はぁ」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:13:35.17 ID:TUFfQLMT0

ジ「そういえばお前、さっき風呂で『鏡』って言ってたな。なんだ?」

ハ「・・・さっき『鏡』から誰かが覗いてたのよ」

ジ「『鏡』から・・・?」

ジ「(『鏡といえば、ローゼンメイデン達が移動手段に使ってたな)』

ジ「(もしかして・・・nのフィールドに誰かいるのか?)」

ジ「ど、どんなヤツだった?」

ハ「あたしも一瞬しか見てないから・・・でも、長い髪の女だと思うわ」

ジ「(長い髪・・・水銀燈?翠星石?それとも・・・真紅?)』

ハ「何か思い当たるものでもあるの?」

ジ「・・・いや、無い」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:19:38.81 ID:TUFfQLMT0

ハ「そう・・・あんたの家悪霊でもいるんじゃない?」

ジ「・・・呪いの人形ならいたけどな」

ハ「なんか言った?」

ジ「何でもない。僕は勉強があるから、先に寝てろよ」

ハ「ちょ、ちょっと待ちなさい!あんたどこで寝るのよ?」

ジ「僕は下のソファにでも寝るよ」

ハ「それじゃあんた風邪ひいちゃうじゃない!」

ジ「今の時期ならそんなに寒くないから大丈夫だよ」

ハ「・・・仕方がないわね!私のベッド半分使っていいわよ!」

ハ「ただし!変なことしたら死刑だからね!」

ジ「・・・はいはい」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:27:40.75 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・ここでx=3を当てはめて・・・」

ハ「・・・」

ジ「ん?ここは・・・えーと・・・」

ハ「この数式を変えて、こう代入するのよ」

ジ「あ、そうか・・・」

ハ「全く、これぐらい理解しなさいよ!学校行ってるんでしょ!?」

ジ「・・・この間復学したばかりだから、勉強遅れてるんだ」

ハ「え・・・?」

ジ「数ヶ月間引きこもってたんだ。いじめでね」

ジ「かっこわるいだろ?僕の趣味を馬鹿にされて、学校が嫌になって・・・」

ハ「・・・」

ジ「でも、僕はまた復学できるようになったんだ。あいつらのおかげで」

ハ「あいつらって?」

ジ「・・・強い絆を持った、仲間だ」

ハ「・・・そう」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:31:51.43 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・よし、終わった」

ハ「お疲れ様。まああたしが教えたんだから当然よね」

ジ「・・・」

ハ「な、なによ」

ジ「ありがとう」

ハ「!!」

ジ「じゃ、遅いし寝るか」

ハ「そ、そうね・・・変なことしないでよ!」

ジ「しないから安心しろ」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:36:21.46 ID:TUFfQLMT0

─ 某時計店 ─

元「かずきぃぃ・・・Zzz」

古「はぁ・・・はぁ・・・やっと解放された・・・」

古「さて、仲間を見つけないといけませんね」

古「とはいえ、どこに行けばいいのか・・・」

古「なんとか長門さんと連絡が取れればうまくいけるのですが」

古「・・・よし、この世界なら超能力を使える!」

古「がんばって探してみますか・・・ふんもっふ!」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:42:23.97 ID:TUFfQLMT0

古「・・・いやはや、やはり町一つを回るのは無理なようです」

古「ここは一度作戦を練り直しますか」

古「・・・公園ですか、ここで休みましょう」

ドスッ

古「ふぅ。これじゃ一晩かかっても探せそうになさそうだ・・・」

古「・・・外は寒いですね。トイレ・・・」

たったったっ・・・

古「・・・ふんふふんふーん♪」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:46:48.90 ID:TUFfQLMT0

古「いやーすっきりしました」

古「最近は神人との戦いでろくにトイレにいけませんでしたからねー」

キュッキュッ ジャー・・・

古「・・・ん?」

古「さっき鏡に誰かが・・・」

くるっ

古「・・・誰もいませんね」

古「気のせいでしたk」

?『・・・古泉くん・・・』

古「ホアアアア!!!かかかか鏡にひひひひ人がががが!!」

古「新手の神人ですか!?ぼぼぼ僕はひるみませんよ!?」

古「食らえぇぇ!!超能力!超能力!!」

?『ま・・・待って・・・!』

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:53:27.20 ID:TUFfQLMT0

古「僕は幽霊なんて信じてない!信じてないから消えろぉ!!」

?『話を聞けって言ってるのよ!』

古「・・・?」

?『全く、鏡を壊されたらまたチャンスが逃げちゃうじゃない』

スゥーッ

古「あ、あなたは・・・!」

?「久しぶりね、古泉くん」

古「なぜあなたがここに!」

?「ふふっ・・・どこから話しましょうか?」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 20:57:57.83 ID:TUFfQLMT0

ジ「・・・ん・・・」

むくっ

ジ「朝か・・・ふああっ・・・」

ジ「・・・いない・・・昨日のは夢だったのか・・・?」

ぎしっ

ジ「・・・学校行くか・・・」

ジ「宿題・・・ん?この問題は・・・やっぱり夢じゃなかったのか?」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:01:50.74 ID:TUFfQLMT0

ジ「おはよう・・・って言っても誰もいないけど」

ハ「遅い!もっと早く起きなさい!」

ジ「うわ!本当にいた!」

ハ「何よ人を化け物のように」

ジ「起きていたなら起こせばいいのに・・・」

ハ「・・・あんたの寝顔見てたら起こすにも起こせなかったのよ」

ジ「どういうことだ?」

ハ「いいから!のりが朝食作っていってくれたんだから、食べなさい!」

ジ「ああもうわかったよ!朝から怒鳴るな」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:06:06.24 ID:TUFfQLMT0

ジ「じゃあ僕は学校に行ってくるから、どっか行くなよ!」

ハ「どこかに行くほどあたしも暇じゃないのよ!」

ジ「・・・じゃあ行ってくる」

ハ「あっと、待ちなさい!」

ジ「ん?なんだよ」

ハ「・・・いじめなんかにめげないで、勉強がんばりなさい!」

ジ「!」

ハ「あたしも変わってるかもしれないけど、あたしはあたし!あんたもあんたなんだから!」

ジ「・・・」

ハ「自分が楽しければそれでいいのよ!」

ジ「・・・そうだな。行ってきます」

ハ「いってらっしゃい!」

ハ「・・・こうやって見送りするのも、久しぶりだな・・・」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:14:03.34 ID:TUFfQLMT0

キ「めぐ、お前学校は?」

め「私は入院が長かったから、学校には行ってないの」

め「今は通信制の学校だから、自宅でお勉強よ」

キ「そうか、大変だな」

め「ねえ、キョンくんは高校生でしょ?この問題わかる?」

キ「あー、すまん。俺は頭がよくないんだ。睡眠のことだったらなんでも聞いてくれ」

め「ふふっ、なにそれ」

コンコン

め「ん?」

キ「有希か」

有「草笛みつはようやく会社へ向かった・・・今から3時間前までずっとコスプレをされていた・・・」

キ「珍しいな、長門が憔悴しきるなんて」

有「彼女の体力は測りしれない・・・私を持ってしてもわからない・・・」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:19:17.30 ID:TUFfQLMT0

キ「それで、どうしてここへ来たんだ?」

有「昨日のことがひっかかる」

キ「昨日?」

有「涼宮ハルヒは入浴を行っていたとき、彼女は叫んだ」

有「あのとき私は涼宮ハルヒは足が吊ったと言った」

キ「あ、ああそうだな」

有「しかし彼女の入浴が終わった後、彼女は明日吊った素振りをみせなかった」

有「何者かが私の情報をすり替えた・・・」

キ「何者かって、誰だよ?お前みたいなやつに対抗できるやつなんて・・・」

有「・・・いるとすれば、私と同等の存在。もしくはそれに匹敵する能力の持ち主」

キ「・・・まさか・・・」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:27:53.80 ID:TUFfQLMT0

古「見つけましたよ」

キ「古泉!!」

め「え?また『SOS団』?」

古「いやいや、お久しぶりです、キョンくん」

キ「顔が近い。おまえどこにいたんだ?」

古「ちょっと、ボケの激しいおじいさんに捕まっていました」

め「キョンくん、この人は?」

古「おや、初めましてお嬢さん。僕は『古泉一樹』です。よろしく」

め「『SOS団』って全員で何人いるの、キョンくん?」

古「・・・」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:34:18.35 ID:TUFfQLMT0

キ「それで、なんの用だ、古泉」

古「んふ、ひとまず用事があるのは長門さんの方です」

有「・・・」

古「この世界からの脱出方法、です」

有「!!」

キ「な、出られるのかここから!」

古「ええ、ですが一つ難がありまして」

有「待った」

古「なんでしょう?」

有「あなたはどうやってこの世界のことを知った。私たち以外の者には接触してないはず」

古「・・・とある人から情報提供してもらいました」

有「誰?」

古「・・・でてきていいですよ」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 21:41:37.97 ID:TUFfQLMT0

?「久しぶりね、長門さん」

キ「なあ!!朝倉!?」

涼「どうも、キョンくん」

有「朝倉涼子・・・なぜここに」

涼「長い間情報統合思念体と連絡が取れなかったんでしょ?」

涼「ようやく解決の糸口が見つかったんだけど、伝える術が無いから私が再構築されたわけ」

古「びっくりしましたよ。鏡を媒体としてこの世界に来たんですから」

め「鏡を通って・・・?」

め「nのフィールドってものかしら?」

涼「・・・そう、ここの世界の人はそう呼ぶのね?」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:50:28.87 ID:TUFfQLMT0

キ「『nのフィールド』ってのは難だ?」

涼「ここの世界・・・いや、『ローゼンメイデン』って言うのかしら」

涼「彼女たちは移動手段や戦う場所としてそのフィールドを使用しているの」

キ「閉鎖空間みたいなものか・・・?」

涼「んー、それとはちょっと違うわ。でも」

涼「そのnのフィールドは無数の世界とつながっているらしいの」

有「その無数の世界のなかに、私たちの世界もあると・・・」

涼「そう思うわ。そうすれば長門さん達がここに飛ばされたのも納得できるでしょ?」

キ「つ、つまりはここから出れるんだろ!?」

涼「そう、簡単にいけば・・・ね?」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 21:56:18.98 ID:TUFfQLMT0

有「どういうこと」

涼「・・・ここでは若干だけど、涼宮ハルヒの力が現れている」

涼「この世界が楽しいと思えば、彼女はここにとどまることになるわ」

古「つまり、彼女にはここで未練を残してもらいたくないんですよ」

キ「・・・難しい話だな」

古「涼宮さんに簡単に諦めろっていうのが難しい話ですからね」

有「・・・やはり、彼に協力を求めるしかない」

キ「彼って・・・桜田ジュンのことか?」

有「私たちを呼んだのは彼・・・彼ならできるかもしれない」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:01:17.14 ID:TUFfQLMT0

ジ「ただいまー」

ジ「・・・あれ?」

ハ「すー・・・」

ジ「なんだ、寝てたのか・・・まったく」

ジ「・・・こいつらも、いずれは元の世界に戻るのか・・・」

ジ「そうなると、僕はまた元のつまらない日常に・・・」

コンコン

ジ「ん?・・・お前達は・・・」

有「失礼する。大事な話がある」

ジ「・・・なんだ」

有「・・・あなたの部屋に」


157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:05:06.60 ID:TUFfQLMT0

>>155 朝だと朝比奈みくるとかぶるので。

ジ「なんだ話って」

有「私たちが元の世界に戻る手段が見つかった」

ジ「ほ、本当か!?」

有「あなた達が使う『nのフィールド』を利用する」

ジ「そ、そうか。そういえばあそこはいろんなところに行けるんだったな」

ジ「でも、お前達ローゼンメイデンでも無いのに行けるのか?」

有「先ほど私と同じヒューマノイドインターフェイスが到着した」

有「彼女はそのnのフィールドに突入する能力を備えている。問題ない」

ジ「そうか、なら、よかったな」

有「・・・」

ジ「ん?なんだよ」

有「あなたはそれでいいの?」

ジ「!」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:08:39.83 ID:TUFfQLMT0

有「あなたは平穏な日常から解放するために私たちを呼んだ」

有「でも、私たちが戻ればあなたはまた普段の生活になる」

有「彼らは元の世界に戻りたがっている。私個人も」

ジ「・・・構わないよ」

ジ「もともと、望んでいたのは僕みたいだからな・・・迷惑かけたのはこっちだ」

ジ「お互い違う世界の人間なんだ。元の世界に戻った方がお互い幸せなんだろ?」

有「・・・」

ジ「まあ、やっぱり普通じゃない生活ってのは楽しい。けど、その楽しさを今度は僕が見つけないと」

ジ「いつまでも前に出なければ、ハルヒに笑われるからな・・・」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:11:09.05 ID:TUFfQLMT0

有「・・・あなたの気持ちは理解した」

ジ「いつ帰るんだ?」

有「早めの方がいい。その前に、ミーディアムとの別れをすませなければならない」

ジ「そうだな・・・僕もしなきゃな」

有「それでは、明日の午前中に」

ジ「・・・わかった」

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:14:23.49 ID:TUFfQLMT0

み「巴さん、私元の世界に戻ることになりました」

巴「・・・そう、よかったですね」

み「ふえぇ・・・巴さんと別れるのは辛いです」

巴「別れは辛いけど、出会いがあればいつかは別れがあるの」

み「巴しゃん・・・ぐすっ」

巴「泣かないでください・・・私も・・・悲しくなるから・・・っ」



め「そう、戻るのね」

キ「ああ、世話になったな」

め「それはお互い様よ」

キ「・・・そうだ、めぐ」

め「ん?」

キ「ジュンとは、がんばれよ」

め「!!」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:16:18.41 ID:TUFfQLMT0

め「な、なんのこと?」

キ「ジュンってやつが好きなんだろ?」

め「べ、別に私は・・・」

キ「俺さ、自分の恋愛には疎いんだけど、他人の恋愛には気付くんだわ」

め「・・・不便な性格ね」

キ「まあな」

め「あなたも、ハルヒさんとがんばってね」

キ「おい、なんでそこでハルヒの名前がでてくるんだ?」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:18:32.12 ID:TUFfQLMT0

古「短い間でしたが、お世話になりました」

元「・・・そうか。行くのかかずき」

古「『いつき』です」

マ「少しの間だったけど楽しかったわ。また会えたらいいわね」

古「・・・そうですね。そのときはまた時計を見せてください」

元「おやすいご用だ。私がまだ現役だったらな」

古「芝崎さん・・・」

元「かずきのためにはまだ死ねんわい」

古「『いつき』です」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:20:28.33 ID:TUFfQLMT0

草「そうかー、ユキリン行っちゃうんだ」

有「・・・世話になった」

草「またこのコスプレ衣装引っ込めないとなあ」

有「・・・あの、さいg」

草「せっかく最後なんだから、まだ着てない以上あるからさっさと撮りましょ!」

有「!!」

草「最初はコレね!次はコレ!あーコレも捨てがたいわあ!」

有「(早く帰りたい・・・)」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:22:18.66 ID:TUFfQLMT0

ハ「・・・」

ジ「・・・どうした。夕飯全く手を付けてないじゃないか」

ハ「そんな気分じゃないの」

ジ「・・・そうか・・・」

ハ「・・・ねえ、お願いがあるんだけど・・・」

ジ「なんだ?」

ハ「・・・今夜、もう一度一緒に寝てくれない?」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 22:24:04.90 ID:TUFfQLMT0

ジ「どうしたんだ急に」

ハ「・・・ごめん、寂しくなって」

ジ「おいおい、お前らしく無いな」

ハ「聞いてたの、あの話・・・」

ジ「あの話って・・・」

ハ「帰れるって話」

ジ「!!」

ハ「やっぱり、ここは夢の中なのね」

ジ「・・・そうだな、ここは夢の中だ」

ハ「・・・夢から覚めれば、ジュンともお別れね」

ジ「・・・そうだな」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 22:37:28.71 ID:pmaer//wO

ハ「あなたは、目の前から好きな人が消えたら、どう思う?」

ジ「そりゃ、悲しむな」

ハ「・・・そう」

ジ「・・・」

ハ「・・・あたし、楽しかった」

ジ「え?」

ハ「なんにもないつまらない日常だったけど、たまたまジュンに会えて、たまたま一緒の布団で寝て・・・」

ハ「短い期間だったけど、すごい充実した気がした」

ジ「・・・」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 22:41:28.55 ID:pmaer//wO

ハ「ジュンはどうだったの?」

ジ「・・・僕も楽しかったよ」

ジ「ハルヒのおかげで、つまらない日常が楽しくなった」

ジ「もっと、前向きに行けるようになったかな」

ジ「でもまあ、ハルヒ達が居なくなるのは寂しくなるけどな」

ジ「でも、いつまでも甘えていられないよな」

ハ「・・・そうね・・・」

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 22:46:29.27 ID:pmaer//wO

ハ「・・・」

ぎゅっ

ジ「お、おい・・・」

ハ「しばらくこのままにさせて・・・」

ジ「・・・」

ハ「・・・ぐすっ」

ジ「泣いてるのか?」

ハ「あ、あたしが泣くわけないじゃない・・・!」

ジ「僕は、おまえと別れるのは辛いけど、泣かない」

ジ「泣いたら弱虫の頃の僕に戻りそうだから・・・」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 22:52:06.94 ID:pmaer//wO

ハ「そう・・・強いのね、あなた」
ジ「誰かさんに鍛えられたから」

ハ「誰のことよ・・・ふふっ」

ジ「はっはっは・・・」

─ 翌朝 ─

有「涼宮ハルヒ、伝えなければいけないことがある」

ハ「わかってるわよ、帰るんでしょ?」

有「!!」

ハ「とはいっても、夢から覚めるだけだろうけど」

有「・・・そう」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 22:54:00.64 ID:pmaer//wO

ハ「で、どうやっていくの?」

有「この鏡の中を通っていく・・・」

ハ「鏡・・・そういえば、昨日見たあの鏡の影はなんだったのかしら」

涼「(ぎくっ)」

ハ「そうえば涼子、あんたなんでいるの?」

涼「ここは夢だから。私が現れても不思議じゃないでしょ?」

ハ「うーん・・・それもそうねえ・・・」

涼「(ほっ)」

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 22:58:08.87 ID:pmaer//wO

ハ「それじゃ、出発するわよ!」

み「巴さん、お元気で・・・」

キ「それじゃあな、めぐ」

古「柴崎さん、お元気で」

有「草笛みつ・・・あなたは忘れない・・・いや、忘れる」

ジ「・・・ハルヒ!」

ハ「・・・なによ」

ジ「これ、持ってけ」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 23:00:59.08 ID:pmaer//wO

ハ「これは?」

ジ「時間なくて小さいのしかできなかったけど・・・」

ハ「ハンカチ・・・?」

ジ「僕は、裁縫しか能がないから」

ハ「・・・そう、受け取ってあげるわ」

ジ「大事にしろよ」

ハ「ええ、きっと大事にするわ」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 23:03:12.79 ID:pmaer//wO

涼「それじゃ、行くわよ」

キィィィィン・・・

ハ「それじゃみんな、楽しかったわ!また会いましょう!」

キィィィン・・・フッ

ジ「行ったな・・・」

ジ「またつまらない日常が始まるけど、そう毎日ハプニングはないよな」

ジ「・・・自分は自分、か」

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 23:04:35.11 ID:pmaer//wO

涼「あともう少しよ」

ハ「・・・ん?」

ハ「(あそこに、誰かいる・・・?)」

?『・・・ジュンの相手をしてくれて、ありがとう。感謝するのだわ』

ハ「(何か聞こえた・・・?)」

涼「さ、開けるわ。目を閉じて」

ハ「(まって、あそこに赤い服を着た女の子が・・・・!)」

パアァァ・・・!

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 23:09:33.13 ID:pmaer//wO

ハ「・・・ん」

ハ「あたしの部屋・・・」

ハ「ふああ・・・なんか長い夢を見ていた気分ね・・・」

ハ「ん?何かしらこのハンカチ」

ハ「こんなハンカチ持ってたかしら・・・」

ハ「・・・でもなんだろう、すごい懐かしい感じがする・・・」

ぽろっ

ハ「・・・あれ?何で泣いてるんだろうあたし・・・」

ハ「・・・今度の日曜、このハンカチに似合う服でも買ってこようかな・・・」

─  完  ─

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 23:15:19.01 ID:pmaer//wO

アク禁くらったときは死のうかと思った。

でもクライマックス間近だったからやめるにやめられなかった。

今は終わってほっとしている。

長々と(12時間)お付き合いありがとうございました。

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/08(日) 23:21:39.84 ID:pmaer//wO

明日五時半起きだからもう寝る。



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