キョン「どうも俺は、長門を好きなったみたいだ」


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5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[e] 投稿日:2008/10/08(水) 02:10:14.47 ID:0rHlAW9SO

キョン「どうやら長門のことが好きになったみたいだ。俺は」
長門「…」ニヤリ

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[e] 投稿日:2008/10/08(水) 02:11:21.31 ID:0rHlAW9SO

長門「…」ニヤリ
ハルヒ「もう一度言ってみなさい」
キョン「長門が好きだ、だから交際をしている」
ハルヒ「ダメよ!団員が恋愛なんて認めないわ!バカキョンなんてもってのほかよ!」
俺が長門を好きになってなにがおかしいんだ?ハルヒよ

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[e] 投稿日:2008/10/08(水) 02:24:36.69 ID:0rHlAW9SO

ハルヒ「もう一度言ってみなさい」
キョン「長門が好きだ、だから交際をしている」
長門「問題ない」
ハルヒ「ダメよ!団員が恋愛なんて認めないわ!バカキョンなんてもってのほかよ!」
俺が長門を好きになってなにがおかしいんだ?ハルヒよ?

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 02:39:13.18 ID:0rHlAW9SO

ハルヒ「どうして有希なの?」
そんなこと言われてもわからん、そもそも何故ハルヒに反対されなきゃならん?
ハルヒ「毎週不思議探検に行って、夏休みもいっぱい遊んだし、なんであたしじゃなくて有希なの!」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 02:42:08.88 ID:0rHlAW9SO

これはこれは、愉快痛快な団長様だな。相変わらず俺の意見は無視ってことか?
古泉(実に興味深い)
ハルヒ「うるさい!」
古泉「」


気にするな古泉、いつものことだ。
ハルヒ「有希も有希よ、バカキョンに言いくるめられてるだけでしょ?!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 02:53:52.52 ID:0rHlAW9SO

長門「…私は」
ハルヒ「そうよ、有希!バカキョンに教えてやりなさい!」
長門「だまれ、ぶっこぉすぞ」
ハルヒ「え、ゆ、有希?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:05:33.98 ID:0rHlAW9SO

ハルヒ「…有希、本当なの?」


長門「私は私の意思で」
長門「キョンと交際をしたいと思った」
長門「あなたを観察する任務よりも」
長門「苦しむかれを救いたいと思った」


ハルヒ「う、嘘よ、ねぇみくるちゃん!有希はバカキョンに騙されてるって言ってやって!」
みくる「あぅあぅwww言ってもわからぬバカでしゅwww」
いいんですよ朝比奈さん、無理しなくて。
俺はこのことに関しては譲る気はこれっぽっちもないんだ。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:06:29.86 ID:0rHlAW9SO

いいか、ハルヒ。聞けよ。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:11:30.95 ID:0rHlAW9SO

俺が約束の時間内に来ても大金を奢らせられた。
知ってるか、長門や朝比奈さん、古泉たちは不思議探検の後で自分の飲食代を払ってくれた。俺がいいって言ってもだ。
ハルヒ「嘘よ、あんた普通に奢ってくれたじゃない…」
何言ってるんだ?
難癖つけて俺に金を出させたよな?
そうだよ、おまえの中じゃ俺に奢らせるのが普通だったんだ。
俺が塾をサボって新聞配達して稼いだ貯金をまるで自分の金のように思っていたのさ。
俺はハルヒの財布じゃないし、貢ぐ君になったつもりもない。
朝比奈さんは渋々メイド服を着たし、古泉はただのイエスマンだ。
逆らったら俺の立場になるからな。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:14:00.62 ID:0rHlAW9SO

映画撮影の時だってそうだ。
俺たちは商店街に後で謝りに行ったんだ。電気屋のおじさんは快く許してくれた。

ハルヒ「そんな、だったらどうして黙ってたの…?」
言ってたら映画制作やめたか?やめないよな、全身全霊かけた大作なんだよな?
ハルヒ「…」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:16:13.46 ID:0rHlAW9SO

他にもあるな、そうだな。
鶴屋さんの私有地の裏山に行ったときだ。
はしゃぐ誰かが怪我したりしないように密かにガードがついていたって知っていたか?
ハルヒ「ウソ…あそこは私有地だから安全って…」
朝比奈さんが鶴屋さんに頼み込んで就いてもらったんだよ。
みくる「危なっかしくて見てられなかったんでしゅwww」
ハルヒ「…知らなかった…」
そうだよな、言ったところで行くのを止めたりしないよな?

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:20:43.84 ID:0rHlAW9SO

古泉(変ですね、閉鎖空間が発生しない…)
長門「…」ペラ

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:27:26.21 ID:0rHlAW9SO

野球大会もそうだ。
あんな急拵えの、ド素人の俺達にやられた野球チームの苦労がわかるか?
それまで努力したものをお前は踏みにじったわけだ?
ハルヒ「あれは、みんなが頑張ったから逆転しt」
あんなこと素人にできるか?後半裏から手回ししたんだよ、ハルヒ様の機嫌を損ねないようにな。
野球チームは一試合でも勝てたから良いって納得してくれたけどな。
バット代は古泉が自腹を切った。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:32:17.50 ID:0rHlAW9SO

みんな、つらかったんだ。
俺はいいさ。
でもな、来る日も来る日もおまえの機嫌取りをさせられる朝比奈さんや長門の苦労がわかるか?
古泉がイエスマンだった心労が少しは理解できるか?
楽しいことばかりをお前は味わっていたみたいだけど、俺たちは苦痛ばかり味わっていたんだ。
ハルヒ「…そんな…」
どうやら、何一つ知らなかったんだな。
がっかりしたよ。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:37:19.87 ID:0rHlAW9SO

なあ、ハルヒ。人ってのは辛いばかりじゃ駄目になるんだよ。

限界なんだ。
もう、耐えられないんだ。
ハルヒ「キョン」

もうおそい。
未来は変わったんだ。
それでも。
俺は長門を選んだ。
たとえそれが世界を壊す結果に繋がったとしても。俺は俺を助けてくれた皆を、長門を選んだ。

キョン「ごめんな、ハルヒ。俺は長門を好きになったんだ」
ハルヒ「…」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 03:56:54.18 ID:0rHlAW9SO

俺は思いの丈をハルヒにぶつけた。
他にも言わねばならないことはたくさんある。
けれど、俺は言えなかった。
ハルヒが気がつかなければそれらの糾弾には何の意味もないのだ。

古泉は表情から微笑みを消し、
長門は本を捲る手を止め、
朝比奈さんはおろおろしたまま
ハルヒを見つめている。

ハルヒはがっくりとうなだれたまま身動ぎ一つしない。

急すぎたのだろうか。
言い過ぎてしまったのだろうか?
静かすぎて逆に怖くなってきたんだが。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 04:13:49.60 ID:0rHlAW9SO

ハルヒ「楽しかった。でも、それはみんなが創ってくれたことだったのね。みんなが、苦しんでいたなんて知らなかった…」
俯いたまま、ハルヒはかすれた声で言った。
ハルヒ「ごめんなさい、謝ってもすむことじゃないけど、でも、どうすればいいのかわからな」
長門「もういい」パタン
ハルヒ「…え」
長門「謝罪は聞き秋田」
古泉「涼宮さん、顔を上げて、落ち着いてください」
みくる(メwwwシwwwウwwwマwwwでしゅwww)

古泉の今までの態度は演技だと思っていたが、もしかして地だったのか?
本当はいいやつなんだな

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 04:18:39.19 ID:0rHlAW9SO

長門「あなたがしなければならないことは二つ」
ハルヒ「それをすれば、みんな許してくれるのね!」
長門「そう、とても簡単なこと。猿でもできる」
ハルヒ「わかったわ、何でもする!」
長門「まず、一つ、これから私が言うことに反対したり、後で不満に思わないで欲しい」
ハルヒ「当たり前よ、有希!約束するわ!」
長門「ありがとう」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 04:32:18.51 ID:0rHlAW9SO

長門「二つ目。これも簡単。一つ目よりも楽」
ハルヒ「…ゴクリ」

長門「私とキョンの交際を認めて欲しい」

ハルヒ「もちろんよ!何でもするって……」
あっ、とハルヒが言葉を止めた。
ハルヒ「それは…」
長門「言質は取った。一つ目の約束を守って欲しい」
それは普段の長門からはあり得ない子供のような手段だった。けれど、俺たちの中で一番に苦労している長門にとっては最大級の譲歩に違いない。
長門「約束、した」
ハルヒ「…」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 04:47:13.64 ID:0rHlAW9SO

ハルヒ「あたしは、ひどいことをみんなにしてきた」
みくる(ひどウィッシュ)
ハルヒ「有希とキョンの交際を認める…」
ハルヒ「それだけで許されることじゃないわ」
顔を上げたハルヒの目は涙で濡れていたが、死んではいなかった。
何かを掴んだ目をしていた。
ハルヒ「私には団長として、SOS団員の交際を認める義務があると共に、交際を支援する義務があるわ!」
長門「ありがとう」
ハルヒ「そして、団員の苦しみを背負う責務も、あるはずよ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 04:59:47.01 ID:0rHlAW9SO

ハルヒ「こんなこと、頼める立場じゃないのはわかっているつもりよ」
古泉「涼宮さん?」
ハルヒ「でも…あたしには皆が必要なの!SOS団に、いて欲しいの!」
長門「…」
あぁ、それはよくわかってる。
ここにはハルヒが探し求めていたものがギッシリと詰まっているんだからな。

古泉、お前はハルヒを許すのか?
古泉「涼宮さん…これから何かをする時は今日の事を思い出してください。僕はそれだけです。辛いことばかりでしたが、みなさんと過ごす日々は充実していました」
長門は、ハルヒを許すのか?
長門「問題ない」
だろうな。

ハルヒ「キョン…あんたにも苦労をかけてしまったわ…ごめんなさい」
ハルヒ「キョンが有希を好きでも、私はキョンの後ろの席にいたいの」

俺の答えは決まっている。

ハルヒ、

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 05:05:20.29 ID:0rHlAW9SO

〜数日後〜公園
結果から言えば、世界が無くなることもなかったし、SOS団が無くなることもなかった。
ハルヒは相変わらず傍若無人振りだったが、以前のように突き進むことはなくなった。
無茶なことをしなくなったSOS団は生徒会に認められ、来学期には同好会から部に昇格することが決まった。

「ありがとう、キョンくん」

女の人の声だ。
俺はこの人を知っている。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 05:19:14.94 ID:0rHlAW9SO

約一週間前。
ハルヒの我が儘ぶりに頭を痛めていた俺の所に朝比奈(大)さんがやって来た。

このまま涼宮ハルヒを放置しておくと、ハルヒの能力は我が儘に比例して強大化し、やがて世界がハルヒの無茶なことで滅亡すると。
それを止められるのは今。
ハルヒの我が儘エネルギーと、俺たちの苦労エネルギーが共に頂点に達している今しかないと。
古泉の機関にも、長門の親玉にもどうにもできない苦労エネルギーをぶつけ、相殺してハルヒの能力を沈静化させる…!
もし、失敗していたらどうするつもりだったんですか?
「わたしも苦労していたもの、失敗させなかったわ。でも、キョンくんが上手くやってくれた」
こっちはヒヤヒヤもんでしたよ、いつハルヒが爆発するかわからなかったんだからな。
「本当に助かったわ」
頬に柔らかい感触。
その正体を確かめようとした時には、既に彼女の姿は無かった。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 05:25:45.12 ID:0rHlAW9SO

長門「…」ギュウ
キョン「ひひゃい」
長門「問題ない」ゴシゴシ

あぁ、勿体ない…と思ったことは内緒にしておこう。

さて、これからどうする?
長門「図書館に行きたい」
この場所から出掛けるなら、それが一番か。
キョン「よし、行こう」

ありきたりだけど、毎日が穏やかで。
閉鎖空間がどうのとか、悩む必要の無いこれから。

俺は長門と一緒に歩いていこうと決意を固めた。


おわり

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/08(水) 05:46:25.86 ID:0rHlAW9SO

深夜の保守支援お疲れさまでした。

>56で終わりです。

たまにはSOS団員がブチ切れたっていいじゃないというネタを思い付いたので書いてみました。
初めてに近い状態での書き込みだったのでさるさんとか食らわなくて助かりました。



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