古泉「約束、ですか……」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:アスカ「ホワイトデーよ!?なんで何も用意してないのよ!!」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 10:48:37.65 ID:Yfb52ebMO

今日もまた、ハルヒ主催の不思議探索がある。しかし今日は何故か行く気にはならない、無断で休めば電話、もしくは俺の家に突撃してくるだろう。
しかたない、とりあえず電話をするしかないな……
そんな事を呟きつつ、渋々電話をかけた。
……これが悪夢の始まりだった。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 10:56:29.66 ID:Yfb52ebMO

「あ、ハルヒか?今日は行けそうにないんだ、悪いが休むぞ」

まぁ、このくらいで諦める訳もなく、我等が団長は朝とは思えないほどの音量で俺に言葉を返した。

「はぁ!?何いってんの?あんたが来なくて、みんな困ってるのよ!さっさと来なさい!」

「…別に俺がいなくたっていいだろ?だって……」

切れた、怒鳴り散らされると思っていたがこれは予想外だ。
その時は楽観的に考えていたが、このあと最悪の事態が起こった。その事を知ったのは古泉から電話があった後の事だった…

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 11:02:53.14 ID:Yfb52ebMO

プルルル

電話がなっている、古泉からだ。閉鎖空間の発生を知らせにかけてきたんだろう。
やれやれ、少し俺も大人げなかったか…

「もしもし」

「おはようございます。涼宮さんに何をいったんですか?何も言わず帰ってしまってかなり険悪なムードだったんですよ?閉鎖空間が発生しなかったからよかったものの…」

閉鎖空間が発生しない。この言葉には少し驚いた、てっきり閉鎖空間関連の事を言われると思ったんだがな…

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 11:09:51.14 ID:Yfb52ebMO

そして、ハルヒに謝りに行くという結論でこの電話は終わった。
謝りに、か……多少の罪悪感が俺を襲っていた。俺はこの罪悪感を掃うべく、ハルヒの元へ歩いた。
 しかし家に行ってもいない、電話してもでない。
相当、怒ってるようだ…しかたない、せめてメールでもしておくか。
その時だった、また古泉から電話が掛かってきた。
嫌な予感がするぜ…

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 11:18:39.68 ID:Yfb52ebMO

「どうしたんだ?」

「とんでもない事態になりました。世界崩壊…までとはいきませんが、あるいはそうなる場合もある。そのくらい大変な事態です。」

回りくどい、さっさと用件を言え、元は俺がいけないだが…

「僕の超能力の事はご存知ですよね?涼宮さんの作った閉鎖空間に侵入し、精神を安定させる能力…しかしですね、今の僕…いえ、機関全員と言ってもいいでしょう。我々は閉鎖空間に侵入することが出来なくなってしまったのです。」

…覚えがある、しかし『あの時』は古泉はかろうじて侵入することが出来たし、なによりあそこには俺と、ハルヒがいた。

「もうわかっているかと思いますが緊急事態です。以前とは違うところをご説明しますのでよく聞いて下さい」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 11:28:30.14 ID:Yfb52ebMO

「まず、侵入が完全に拒否されていること、次に、あなたと涼宮さんがまだこの世界にいる事、最後に我々の超能力でこの閉鎖空間に気付かなかった事。ということです。」

「ならなんで、今はその閉鎖空間が存在している事を知ってるんだ?超能力がきかないなら不可能なハズだ」

「長門さんのお力を借りています。このことに気付いたのも長門さんが最初です」

また長門に迷惑をかけてしまったみたいだな…すまん長門、
こんな事を思う暇があるなら俺にも出来る事をするまでだ

「では、涼宮さんを探しだしてください。僕は貴方ならきっと何とか出来ると思っています。僕は長門と共に閉鎖空間に侵入し、神人を討ちます」

こんな時に俺は……ええい!悩んでいても仕方ない!俺の巻いた種だ!とりあえずハルヒをさがそう。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 11:35:45.18 ID:Yfb52ebMO

くそっ!メールしても返って来ない、電話もしかり…
迷惑承知で朝比奈さんにも手伝ってもらうしかないか…すみません朝比奈さん


「あ、キョン君!涼宮さん見つかりましたかぁ?」

あぁ…すみません朝比奈さん、まだ見つかってないんですよ…迷惑かけてすみません。

「いつもわたしばっかり助けてもらってますからね、これくらいしないと!」

ありがとうございます朝比奈さん、今じゃなかったら抱きしめたい…って俺!くだらん妄想はやめろ!

「とりあえず手分けしてハルヒを探しましょう。とりあえずあいつが行きそうなところからでお願いします」

「わかりましたぁ、がんばりましょう!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 11:42:59.12 ID:Yfb52ebMO

とりあえず走った。あいつが行きそうな場所?どこだ、どこにある?部室か?…あぁ!悩んでもわからん!
俺は探しに探しまわり疲労困憊だった。踏み切りにさしかかるところにあいつはいた。

「ハ…ハルヒ!」

俺の叫びも虚しく、電車の音に掻き消されハルヒは線路の向こう側へと歩いていってしまった。
まだ、電車が行ってからでも間に合う。ガクガク震える足に鞭を打ち、全力でハルヒの元へ走った…

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 11:49:11.68 ID:Yfb52ebMO

「はぁはぁ…は…はるひ……!」

やっとハルヒに追い付く、正直この場で吐いてしまうくらい気持ち悪くなっている。

「なにしに来たの…?」

やはりハルヒは怒っていた、しかし怒りの表情にどこか悲しげな感じもした。

「す…まなかった、まさかそんなに−−−」

俺は目眩で倒れそうになりフラフラと車道に出てしまった。
運が悪かった…後ろにはトラック、脚は動かず頭が回らない
俺は−−−

キキーーー!!!

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 11:58:24.50 ID:Yfb52ebMO

−−−死んだ、死とは呆気ないものだな、しかもハルヒのめのまえで、最悪だな…すまんな古泉、長門、朝比奈さん、そしてハルヒ……
ハルヒが………ん?

「このバカキョン!私の前で死にに来たの!?そうだったら許さないわよ!」

生きていた、ハルヒがいなかったら確実に死んでいた…そう思うと、体が恐怖し、動かなくなっていた。

「すまんハルヒ、お前に迷惑をかけたな…」

ハルヒが泣いている?俺の服が涙と泥で汚れていたがこの時ハルヒがとても小さく見えた。このまま離したくない−−
そこで俺は気を失った。気付いたのは深夜0時、家にいた。妹が俺の横で寝ている。看病してくれていたようだ。
今日はいろんな人に迷惑をかけた、明日謝りに行かなきゃな………そして俺はまた眠りについた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 12:05:58.98 ID:Yfb52ebMO

翌日、朝1番でメールを確認した。
朝比奈さん、古泉、そしてハルヒからメールが届いていた。
とりあえずメールを返信し、俺は妹と母に礼を言った。
古泉からは電話をして欲しいと書かれてたため、俺は電話をした。どう謝ればいいのか…俺はそれだけを考えていた。
しかし最初の言葉は古泉が俺に対して謝罪をした。何故だ?謝るべきは俺の筈だろう?

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 12:37:51.19 ID:Yfb52ebMO

「……すみません、僕と一緒に行って欲しい場所があるんですが…」

なにやら真剣な声だな、気持ち悪いと言ってはいけなくらい真面目な感じがする。
昨日の礼もあることだ、ついていくか…

「ありがとうございます。場所は−−」

長門のマンション?珍しいな古泉が長門のマンションに行くなんて、長門にも礼をせねばならんからな、一石二鳥だ。俺はOKの二文字で返答した。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 13:10:42.15 ID:Yfb52ebMO

俺が長門のマンションに着くまえに古泉は来ていた。なにやら重々しい空気を感じられる。
謝るに謝れんようなそんな感じだ。

「昨日はお疲れ様です。昨日の今日で悪いんですが、少し覚悟を決めていただきたいんです」

覚悟?なんの覚悟だ?まさか世界が崩壊していて、新たな世界になっちまったんじゃないんだろうな?
恐る恐る俺は古泉から話しを聞いた。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 15:08:15.94 ID:Yfb52ebMO

「……とりあえず中に入っていただけませんか?」

俺は古泉に着いて行った。そこは見慣れたはずのマンションだったが、なぜか嫌な気分だ、まるで来てはいけなかったような…

「着きましたよ。…これから貴方が見るものは…そうですね、とりあえず受け入れて下さい。」

古泉がドアを開ける。インターホンで確認くらいはしてほしかったが、そんな余裕はないのだろう、そして俺は長門の部屋に入り驚愕した。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 15:29:11.61 ID:Yfb52ebMO

………そこには長門がいた。座ってこちらを見ているが生気が感じられない。
触っていいのか悩んだが触ってみることにした。
…冷たい

「長門?…おい、冗談ならやめてくれ!長門!」

いくら揺さぶっても話しかけても返事は無い。本当に…死んだ……のか?なんでだ?……
おい古泉、なんで黙ってるんだ…なんか言えよ………おい!

「……長門さんは−−」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 15:53:05.35 ID:Yfb52ebMO

古泉は話し続けていたが俺の頭には入らなかった。俺は自分の責任すら忘れてただ怒っていた。なにに?わからない、とにかく腹がたった、はらわたが煮え繰り返るとはこのことか…

「−−つまり、長門さんは意識を飛ばし閉鎖空間の内側に入り僕達の手助けをしてくれたのです…」

ふざけるな…そんな事に長門の命は使われたのか?なんでだ…くそっ…
…俺はなにを言ってるんだ…辛いのは古泉だって同じのはずだ…………だが、俺は理性を保てずに古泉に怒鳴っていた。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 16:42:43.16 ID:Yfb52ebMO

これは言ってはいけない言葉だったのかもしれない、しかし、俺はそこまで理性を保っていられなかった。

「…お前、長門を助けるって言ったじゃねぇか!なんだよ…あれは嘘だったのか!?………」

途中で、意識がちゃんと覚醒した。
…すまん。
もう遅かった何もかも、俺は誰も助ける事が出来ず、自分の責任を勝手になすりつけて…

「約束、ですか……」

そう言った古泉は長門のマンションから出ていってしまった。
……なんだよコレは、意味がわかんねぇよ!俺のせいで…俺のせいで長門が………
俺は長門をずっと抱き抱えていた。泣きながらでも伝わる長門の冷たさ。そして、長門が残していた暖かさ……

「………長門………………………」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 16:59:24.84 ID:Yfb52ebMO

………何分長門の部屋にいたんだろうか?時間の感覚がさっぱりわからない、いくら長門の傍にいようと長門は生き返らない…
そんな事は知っているさ、でも傍にいたかった。いくらでも謝りたい。
電話がなった…古泉からだった

「どうしたんだ……?」

「明日、貴方に確認したいことがあります。呼び出してばかりで申し訳ありませんが、○×公園に夜の9時に来て下さい」

俺は了解し、電話を切った。力無く倒れている長門を布団に運び、涙を堪え、長門のマンションを後にした。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 20:02:29.42 ID:Yfb52ebMO

夕飯も喉を通らず、家族を心配させてしまった。
なにやってんだ俺…
もちろん、寝る事もままならず、そのまま朝になりテレビをつけた。
………とくに注目する番組は無く、そのままつけっぱなしにして、呆けていた。
時間が遅く感じる。止まっているんじゃないかと勘違いするくらい…いや、俺にとっては止まっているのかもしれない。
どうせなら、どうせとまるなら…あの時を止めたい。
「……10時か」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 20:58:50.63 ID:Yfb52ebMO

「……?なんだ………?」

「……」

「………長門!おい長門!」

「……来てはいけない」

「…え?−−−−−−」


ガタッ

「寝ていたのか…」

酷い夢だった…死んだ筈の長門がそこにいた。また、思い出してしまう…あの長門の冷たさ…
やはり涙を堪えきれない、そのまま泣き崩れ、寝てしまった。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 21:05:52.59 ID:Yfb52ebMO

−−気付いたらもう夜の8時、そろそろ古泉との待ち合わせ場所に行かなければならない、妹達が夕飯だと言っていたがそんな時間はない、俺は待ち合わせ場所へと急いだ。


「8時40分か…以外と余ったな…」

古泉が来るで暇を潰そうと携帯を開いた、そして数分後古泉が到着した。

「お待たせしてすみません」

「いや…」

返答すらままならなかった、最低だな。
こんなに自分が小さいと初めて感じた…用件とは何だ?と言おうとした時、古泉は話し始めた。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 21:12:56.80 ID:Yfb52ebMO

「前にも、言いましたが僕は超能力者です。そして、まだ貴方に言っていない能力があります。それを今からご説明させていただきます」

こんな時でも回りくどいな、だが不思議と聞いていたい気分だった。

「冷静に聞いてください。実はその能力はもう既に使用しています。もうひとつの僕の能力、ちなみにこれは機関の中でも僕しか使えないシロモノなんですよ。」

古泉がふと笑ったが、いつにもまして輝いて見えた。能力より古泉の顔に目が行くほどだった。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 21:31:57.67 ID:Yfb52ebMO

「僕は涼宮ハルヒによって失われた『モノ』を復元できる能力があります」

…俺は耳を疑った、復元?
てことは長門が生き返るのか…?
俺の頭の中でいろいろな事が巡る。考えるよりもう体が動いていた。他の人が見れば気持ちさぞ気持ち悪いだろう、だがその時の俺はそんなことどうでもよかった。
ただ、泣きながら古泉に抱き着いていた。

「ふふ、これで約束は果たせましたよね?」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:43:38.76 ID:Yfb52ebMO

その時、古泉の体が少し薄くなったように感じた。
少し、また少し、薄くなり人間でもわかる程になっていた。

「命の重さはとてつもなく重いです。それを扱うならば、それ相応の代価…この場合は代償でしょうか? それらを支払わなくてはなりません。」

理解するまでに時間は掛からなかった。そう、古泉は自分の命と引き換えに長門を蘇生しようとしている。
…なんでだよ、それじゃ意味ないだろ!?お前がいなきゃ約束なんて意味をもたないだろ!?
もう俺は、人が死ぬのを見たくない…なのになんで…

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:51:25.13 ID:Yfb52ebMO

「最後の僕のわがままです。貴方との約束を裏切りたくない」

「……古泉、俺を殴ってくれ、頼む。本気で頼む」

殴られても罪なんて消える訳がない。今、俺は殴られたかった。俺が悪いと言ってほしかった。

「手を出して下さい。僕は貴方を殴りたくない。それより握手を求めたいですね。親友として」

古泉は透明に近い手を差し延べてきた。俺の前に
暖かい…

「青春ですね。僕はSOS団に入って本当によかった。さぁ、そろそろ時間です。」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:54:58.15 ID:Yfb52ebMO

「また、会える日まで…」

そう言い残し、古泉は消えた。もう俺の手に温もりは感じられない。
古泉が残したモノそれはとてつもなく大きく大切なモノだった。今、俺がやるべき事はただひとつ。
長門に会いにいくことだ。待っててくれよ……

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:59:33.34 ID:Yfb52ebMO

−−マンションに着き、インターホンをおした。

ピンポン

「……入って」

この声は幾度となく聞いた長門の声、古泉は本当に…
…………そんな事は考えたくない。俺はまた皆でSOS団で一緒にいたい。長門に聞く、それしか俺にはなかった。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 23:08:12.39 ID:Yfb52ebMO

「長門…」

「あなたが聞きたい事は把握している。しかしそれは出来ない。」

出来ない…?長門が嘘を言うハズが無い、だが嘘であってほしかった。

「…………」

「死と生はこの世界においてループしている。何かが死ねば、何かが生まれる。その逆もしかり。わたしにはどうする事も出来ない。死の螺旋には思念体ですら抗う事は出来ない」

長門に出来ない…だが俺は古泉に会いたい。会って話しがしたい。俺は無力だ…

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 23:18:29.11 ID:Yfb52ebMO

「なあ長門、頼む。頼むから−−」

バシッ

何が起きたのかわからなくなった。俺は長門に叩かれていた。あの時のケリよりも重く痛かった。

「………」

いつも無表情の長門が少し変化していた。怒りか、悲しみかはわからない。しかし長門の表情は確実に違った。

「すまない」

謝って、落ち着いた。 だが落ち着いた事でふと閃いた。長門か朝比奈さんなら、時間を戻せるんじゃないかと…

「………恐らくあなたは、時間の巻き戻しについて考えている。わたしもそうするつもりだった。だがその時間は涼宮ハルヒによって切断されている。」

微かな希望が一つ消えた…そうだよな、俺に考えつく事なんか長門ならとっくにわかるよな…

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 23:24:56.66 ID:Yfb52ebMO

長い沈黙状態になった。それを破ったのはまさかの長門だった

「……わたしには出来なくても、あなたになら出来るかもしれない」

言葉を疑った。長門に無理で俺に出来る?なんだそれは?

「涼宮ハルヒの鍵であるあなたしか出来ない、その方法は不明、だがあなたなら出来る。わたしはそう思う」

まるで生きる希望を得た人間の如く飛び上がり、俺はハルヒをどうすればいいか考えた。
直接話す?いや、これじゃあ世界が崩壊するかもしれん
なら、どうする?……考えろ俺!

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 23:29:04.15 ID:Yfb52ebMO

…これが答えかわからない。しかし今、これをしなければ、その時間はもう取り戻せないと確信した。
俺は、ハルヒが閉じた時間を開く方法にでるしかない。
体はハルヒの元に走っていた…

「……古泉一樹、あなたはまだこの世界にいるべき…………」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/27(土) 23:34:58.03 ID:Yfb52ebMO

−俺はハルヒの玄関で呼び鈴をならしていた。夜中…?関係ない、こんな事で親友を失いたくないからな
玄関からでてきたのは今にも寝てしまいそうなハルヒだった

「…誰よこんな遅くに、…キョン?どうしたのよ?」

どうすればいいのか迷った俺は土下座をし、謝っていた。近所迷惑なくらいデカイ声で

「ちょっとうるさいわよキョン!もうとっくに許してるわよ!」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 23:43:18.89 ID:Yfb52ebMO

完全に許している訳じゃない筈だ、そうなら時間を切断なんかする意味がない。
俺がしなければいけないこと……
……
………
…………

「ハルヒ、お前の言ってた意味がようやく分かった…SOS団は欠けちゃいけない…言葉がうまくまとめられないがそう言う意味だったんだよな?あの時の言葉は」

ハルヒの表情が変わっていた。呆れ顔だったが、少し笑っていた。

「いまさらね、本当は最初から気付いててほしかったわ!全く…駄目な団員を持つと苦労するわ」

途中からハルヒは笑顔だった。
携帯が振動している。長門からだ、内容は
「時空の切断は解除された」
これだけ書いてあった

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 23:50:51.13 ID:Yfb52ebMO

「ハルヒ、ありがとな、お前が団長でよかった」

そう言い残し俺はまた長門の元へ走り出した−−−
少しハルヒの顔が朱くなっていたのが可愛かったのは秘密だな


「長門!」

「準備は完了している。朝比奈みくるにも支援を要請したから素早く準備ができた。彼女に御礼を言ってほしい」

まさか朝比奈さんまで手伝ってくれるとは、あぁ!涙なんてなければいいんだがな…
小さい寝息をたててる朝比奈さんに一礼をし、俺は今を変える過去に旅だった。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 00:00:15.43 ID:rtIsohq6O

−−
−−−

「おはようございます。」

古泉?…あぁ、俺は世界を変えて、それで………
俺は実体のある?ん、言い方が変だな、とりあえず古泉の手を掴み起き上がった。

「今度こそ勝手に消えるなよ」

「ええもちろんです。ではそれが今からの約束にしましょう。僕は守ります。守ってみせます」


そこに朝比奈さんと長門が手を伸ばして来た

「うぅ……古泉くん………よかったです本当によかったです……」

「……わたしも」

今ここで手をつなぐのは間違ってるな、ハルヒがいない

「みんな、ハルヒを呼んでから部室で、」

古泉と朝比奈さんはニコッと笑い、長門はコクッと頷いた。これにハルヒのテンションが加われば、SOS団は復活だな

「じゃあ、また文芸部室に」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/28(日) 00:01:24.07 ID:rtIsohq6O

いろいろはしょっちゃったけど終わりです。見てくれた人、ありがとうございました!



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