朝日の昇る頃に


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4 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 22:50:55.59 ID:ex6Ed2pe0

朝日の昇る頃に・後編


バタンッ

ドアをけり破るように開ける。

圭一「鷹野!」

梨花「見つけたのです」

鷹野「!?」

俺と梨花ちゃんは小此木を倒した後、先へと進み
とうとう鷹野のいる部屋へとやってきた。

5 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 22:51:57.97 ID:ex6Ed2pe0

鷹野は俺達がここまで来たことにかなり驚いてたらしく、
座っていたイスから跳ね上がるように立ち上がり俺達を見る。

鷹野「あ、あなたたち!?どうやって来たの!
山狗…小此木は!?」

圭一「へっ。あんたの部下の山狗、全然たいしたこと無かったぜ」

鷹野「うそ…山狗が、こんな子供に、やられたって言うの…?」

圭一「俺達部活メンバーを見くびったな」

鷹野「くっ…!」

6 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 22:52:37.42 ID:ex6Ed2pe0

鷹野は咄嗟に後ろ手に隠していた拳銃を俺達に向ける。

圭一「無駄だ!」


ドシュッ


鷹野「きゃっ!?」

瞬時に雹を生成し奴の拳銃めがけて発射した。
拳銃ははじかれ床に落ちる。

圭一「悪あがきは無駄だぜ…?」

8 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 22:55:48.14 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「…」

圭一「へへっ」

梨花「鷹野…」

鷹野「…こんなことをして、あなたたちの目的はなに?」

圭一「もうわかってんだろ?」

鷹野「…なによ」

圭一「お前の計画をぶっ壊しにきたんだよ!」

9 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 22:57:23.36 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「私の…計画を…やっぱり」

梨花「…」

圭一「今日でお前の計画はおしまいだぜ」

鷹野「…なぜ」

梨花「…?」

鷹野「…なぜ、私の計画を止めようとするの?」

11 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 22:59:06.74 ID:ex6Ed2pe0

圭一「はぁ!?何言ってやがる!てめぇの馬鹿みたいな計画は…!」

梨花「圭一、落ち着いて」

圭一「…梨花ちゃん」

梨花「…鷹野、あなたの計画は能力者を
   軍事的・政治的に利用するというものよね」

鷹野「…なによそれ、どういうことよ」

鷹野はきょとんとした顔で梨花を見返す。

12 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:00:00.03 ID:ex6Ed2pe0

圭一「しらばっくれんじゃねぇよ!能力者を研究するために
   いままで何人も拉致して実験してきたんだろ!?」

鷹野「じ、実験って!あなたたち何か誤解してるわ!」

この野郎、この後に及んで認めないつもりか。

梨花「…じゃあ、沙都子を拉致したのは何故ですか」

鷹野「拉致?沙都子ちゃんがL4を発症したから保護しただけよ」

圭一「入江先生に保護されてる沙都子を拉致したって聞いたぞ」

鷹野「入江先生が?…」

圭一「どうなんだよ?」

鷹野「そんなことしてないわ!」

14 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:03:04.08 ID:ex6Ed2pe0

圭一「だまされるか!ちゃんと大石さんが調べてわかってるんだ!」

鷹野「大石…あの興宮の警察?」

圭一「ああ」

鷹野「あ、あなたたちが何を言っているのか…わからないわ」

鷹野は俺の言うことが心底理解できないという顔をしている。

15 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:03:50.66 ID:ex6Ed2pe0

梨花「鷹野…率直に聞くわ」

鷹野「何よ…」

梨花「あなたの言っている計画ってなに?」


鷹野「…雛見沢症候を、根絶させる計画よ」

16 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:06:36.68 ID:ex6Ed2pe0

圭一「根絶だと…?」

鷹野「雛見沢症候群患者を治療し、
   この世から雛見沢症候群を失くす…」

圭一「嘘だっ!!」

鷹野「嘘じゃないわ!」

17 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:10:26.28 ID:ex6Ed2pe0

圭一「てめぇ…じゃあこれはどういうことだよ!」

俺は大石さんから預かった鷹野がどこかに送信していたと見られる、
例の能力者利用計画のファックスを見せた。

鷹野「…なによその紙切れ」

圭一「てめぇがどっかに送ったファックスだ。
   能力者を利用することについてのな」

鷹野「…あなた達、それを誰から?」

圭一「入江先生だよ。あんたがこのファックスを
   処理し忘れたのを入江先生が持ってきたんだ」

18 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:13:06.27 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「…なるほど、そういうこと」

圭一「さぁ、認めるか」

鷹野「…あなた達、騙されてるわ」

圭一「…はぁ?」

梨花「…」

鷹野「私は能力者利用計画なんて企んでもいないし、
   そんなファックス初めて見たわ」

圭一「…なんだと」

19 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:16:08.09 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「私は雛見沢症候群を推進なんて死んでもしないわ。
   ましてや能力者を利用ですって…!?
   頭おかしいんじゃないかしら」

圭一「……?」

…どうなってるんだよ。
だんだんわからなくなってきたぞ?

俺達は鷹野が沙都子を自分の研究に使われると聞き、
能力者を利用するという極悪な計画を企てているらしいから
それを止めようとここまで来たんだよな…?

だが鷹野の様子はなんなんだ?
俺は人が嘘をついているかいないかをすぐ見破れる特技なんか
もっちゃいないが、俺には鷹野が嘘を言っているようにはみえない…。

21 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:19:49.41 ID:ex6Ed2pe0

梨花「私達が言ったことは身に憶えがないのね?」

鷹野「さっきからそう言っているでしょう」

圭一「…梨花ちゃん、どう思う」

梨花「わからないけど…
   鷹野の様子から見ると嘘をついているようにはみえないわ…」

圭一「ああ、俺もだ…」

22 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:20:48.38 ID:ex6Ed2pe0

梨花「…鷹野、あなたが雛見沢症候群を根絶するために
   活動していたという証拠はないの」

鷹野「…あいにくとここはただの控え室だから
   今は持ってないわよ。私の部屋にいけばあるけどね…」

圭一「行かせるわけにはいかない」

鷹野「じゃあどうしろっていうのよ」

梨花「…他に、示せるものはありませんか」

鷹野「そんなもの、ここにはないわ」

23 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:22:26.44 ID:ex6Ed2pe0

圭一「てめぇ、やっぱり嘘をついてるな?」

鷹野「違うっていってるでしょ…」

圭一「ラチがあかねぇ。
   一発殴ってでも本当の事を言わせてやる」

梨花「け、圭一ちょっと!?」

鷹野「…はぁ、恩を仇で返すとはまさにこのことね」

圭一「あ?」

24 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:23:42.40 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「あなたも私のお世話になったというのに」

圭一「…どういう事だよ」

鷹野「あら、口が滑っちゃったわ。忘れてちょうだい」

圭一「てめぇ、そこまで言われて引き下がると思うか?」

鷹野「…聞いたらあなたは後悔するかもしれないわよ」

25 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:25:48.23 ID:ex6Ed2pe0

圭一「聞かせろよ」

鷹野「そう、あとから怒らないでよね」

圭一「ああ」

鷹野「それじゃ教えてあげるわ」

圭一「…俺がアンタの世話になったってどういうことだよ」

鷹野「…私は二年前、苦労の末に雛見沢症候群の治療薬を開発した」

圭一「治療薬?」

26 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:26:24.89 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「ええ。それは自分で言うのもなんだけど、画期的な発明だった。
   まさに奇跡とも言える確立で生まれた薬」

圭一「…どんなものなんだ」

鷹野「老年期の高熱による死を回避でき、、
   L3の場合暴走症候も抑えることができるわ」

圭一「…そんな薬が?」

鷹野「更に、時間をかける必要はあるけど、
   L4以上のレベルの患者をL2まで戻すこともできる」

27 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:28:17.89 ID:ex6Ed2pe0

梨花「ほ、本当なのですか!?」

鷹野「ええ。雛見沢症候群を完治するまでには至っていないけどね。
   だから能力だけは残ってしまう」

まさかあの雛見沢症候群の発症を抑える薬ができるなんて…。

鷹野「沙都子ちゃんには既に投与しているわ。
   以前の元気な状態に戻るには時間がかかるけどね」

梨花「そんな薬が作られていたなんて…」

鷹野「まだ運用されてはいないわ。
   なにしろつい二年前にできたばかりだから。
   試用実験の機会もあまりないし」

28 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:29:45.30 ID:ex6Ed2pe0

圭一「…その薬が本当だったとして、俺がアンタに恩があるってのはどういうことだ。
   まさか俺がその薬に世話になったってのかよ?
   俺はそんな薬見たことも無いぜ」

鷹野「それはそうでしょうね…」

鷹野のやつ、何が言いたいんだ?

鷹野「前原君、あなたが最初に雛見沢村に来たのはいつ?」

圭一「なんだ急に…一ヶ月ほど前だ」

鷹野「いいえ違うわ」

圭一「なに?」


鷹野「あなたが最初に雛見沢に来たのは二年前よ」

30 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:35:09.87 ID:ex6Ed2pe0

圭一「はぁ?何言ってやがる。俺は二年前は東京にいた。
   そうだよな、梨花ちゃん」

梨花「…ええ。私が圭一を初めて見たのは一ヶ月前よ」

鷹野「それは前原君の記憶が能力によって替えられているからよ」

圭一「…記憶が、替えられている?」

鷹野「ええ。あなたに…過去を振り返らず生きてもらうためにね」

31 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:35:59.18 ID:ex6Ed2pe0

圭一「…過去…?」

鷹野「あなたは二年前、東京でL5を発症したのよ」

圭一「な、なんだと…?」

鷹野「詳しい理由は聞いてないけど重度のストレスを感じていたあなたは
   末期症状を引き起こしたの」

梨花「圭一がL5…」

32 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:38:20.37 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「そして東京で数人の被害者を出した後、
   あなたは私達"東京"機関に保護された」

圭一「そんな馬鹿な…」

ちょっと待てよ…俺が本当はL5になって…被害者?
なんだよそれ…うそだろ…意味わかんねぇ…。

鷹野「その後私が治療薬を開発したことで、
   あなたはこの入江診療所へ移送され治療薬を投薬したのよ」

圭一「…う、うそだ」

34 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:39:19.85 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「そこから二年、あなたは見事L2まで戻ったわ。
   そして記憶も改竄してもらいあなたの新しい生活が始まったのよ」

圭一「嘘だっ!!」

鷹野「真実よ。…梨花ちゃん、あなたはここへ来る前に
   沙都子ちゃんがいるL4以上の患者用フロアへ行ったわね」

梨花「…ええ」

鷹野「そのとき見なかった?ネームプレートに前原圭一と書いてあった病室を。
   まだ片付けてなかったから残ってたはずだけど」

35 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:41:54.50 ID:ex6Ed2pe0

梨花「…見たわ」

圭一「…嘘だろ、梨花ちゃん…」

梨花「…悟史の病室の隣の病室に、圭一の名前があったわ」

圭一「そんな…」

鷹野「約二年間そこで眠らされていた。そして一ヶ月前にそこで目を覚ました後、
   入江先生によって辛い記憶を替えられて、あなたは今ここにいるのよ」

圭一「俺が…うそ、だよ…うそだ…」

36 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:44:10.69 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「感謝しなさい。あなたは私のおかげで
   知るはずのなかった真実の過去を知ることができたのよ」

圭一「うそだ…うそだ……」

梨花「圭一…」

鷹野「…それじゃ今度は私が質問したいんだけど、いいかしら」

梨花「…なによ」


鷹野「あなたたちをそそのかした張本人はだれ?」

37 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:46:21.28 ID:ex6Ed2pe0

梨花「…」

鷹野「どうやらあなた達は私が能力者利用計画なんていうありもしない妄想を
   抱いていて、それを止めようとしてここまで来たのよね」

梨花「…ええ」

鷹野「そんな馬鹿げた計画を私が抱いていると
   言いふらしたのは誰なの」

梨花「……いり


??「おやおや、まだお取り込み中でしたか」

38 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:48:25.89 ID:ex6Ed2pe0

***


私と圭一が入ってきたドアから突然闖入してきたのは、
私が彼の名前を口に出そうとしていた人物だった。

入江「もうとっくにカタはついてると思ってましたよ」

梨花「入江!」

鷹野「…これはこれは入江先生、こんな所まで来て、どうしたのかしら?」

入江「事の結末を見届けようと来たんですがね…
   来るのがちょっと早かったみたいですね」

39 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:50:33.63 ID:ex6Ed2pe0

圭一「い、入江…先生?」

圭一が入江がいることに気づく。

入江「おや前原君どうしました?顔色が悪いですよ」

圭一「…俺が、L5になって、ここに二年もいたなんて…嘘ですよね?」

入江「…なんの話です?」

圭一は入江にしがみつき必死で訴える。

圭一「お、俺が東京でL5を発症したから、ここに入院してたって…
   そして入江先生に記憶能力でを替えてもらったって!」

入江「…」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:51:17.44 ID:ex6Ed2pe0

圭一「入江先生は能力を持ってないっていってましたもんね!!?
   やっぱり鷹野の嘘ですよね!?」


入江「…うるさいなぁ」


ダンッ


鷹野「!?」

梨花「圭一ぃ!」

41 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:53:59.42 ID:ex6Ed2pe0

圭一は入江が懐から出した拳銃で至近距離から頭を打ち抜かれ、
その場に崩れた。弾丸が貫通した穴から血液が流れ出てくる。


な、なによこれ…嘘でしょ、圭一……
こんな、あっけなく……


入江「…彼はここまでよく働いてくれましたし、
   せめて痛くないように殺すくらいはしてあげないとね」

42 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:54:46.88 ID:ex6Ed2pe0

鷹野「あ、あなた…どういうつもりよ!」

入江「どうもこうも…彼はもう用済みですから」

鷹野「用済みって…あなた…」

43 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:56:37.59 ID:ex6Ed2pe0

入江「鷹野さん、あなたの研究データ見せてもらいましたよ。
   私に黙って随分と進んで研究されてましたね」

鷹野「…最近あなたの様子がおかしかったからよ」

入江「そうでしたか?」

鷹野「研究が終わっても一人でこそこそ何かしてるし、
   東京機関ではないところと連絡を取り合ってるのも知ってるわ」

入江「ほう…」

鷹野「そしてこの子達をたぶらかしたのもあなただったとはね」

44 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/11(木) 23:58:42.96 ID:ex6Ed2pe0

入江「たぶらかしたとは酷いですねぇ。
   まぁ利用させてもらいました」

梨花「…入江、あなた!」

鷹野「入江先生、あなたの目的はなんなの」

入江「そうですねぇ…。鷹野さん、
   あなたは雛見沢症候群の根絶に邁進してますよね」

鷹野「ええ。雛見沢症候群を完全に失くすことが私の願いよ」

46 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:00:17.00 ID:nyi9MI8O0

入江「そうなってもらっては私は困るんですよねぇ…。
   この自然がもたらした偉大な奇跡、
   雛見沢症候群を失くすなんてマネはね」

鷹野「…もしかしてあなたの目的は、
   この子達が言っていた能力者利用計画?」

入江はにやりとわらい、話を続ける。

入江「能力をもつことで只の人間は何倍、何十倍も価値あるものに変わります。
   まさしく雛見沢症候群は神に与えられた宝です。
   これを利用しない手は無いですよ」

鷹野「…」

47 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:01:26.82 ID:nyi9MI8O0

入江「あなたも見たでしょう?防諜部隊とはいえただの学生に
   山狗がいいようにやられていたのを」

鷹野「…あなたの妄想を私にかぶせてこの子達をけしかけたってわけね」

入江「鷹野さんの存在は私にとって邪魔でしかないんですよね。
   こちらの貴重な戦力を消費するのも避けたかったので
   彼らに協力してもらいましたよ。
   いやぁ、予想以上に頑張ってくれました」

鷹野「…この外道」

48 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:02:48.93 ID:nyi9MI8O0

入江「そうだ鷹野さん、あなたも私達の同志となりませんか?
   鷹野さんほどの優秀な研究員ならよろこんで迎えますよ」

鷹野「死んでもごめんよ」

入江「そうですか…残念ですねぇ」

鷹野「でもあなたの計画は残念ながら続かないわ」

入江「何故です?」

鷹野「…こんなことをして、東京機関が黙ってないわよ」

49 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:05:19.41 ID:nyi9MI8O0

入江「ああ、それなら心配いりません。
   機関にはあなたが反旗を翻したことになっています」

鷹野「な、なんですって!?」

入江「流石に東京と敵対するのは私としても避けたいところなんでね。
   もっと機関の内部の同志を増やしてからです。
   ですから今回の犯人は鷹野さんと子供達ということになってます」

鷹野「そ、そんな…」

入江「そして私と地元警察が華麗に悪を葬ったということにね」

50 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:08:05.08 ID:nyi9MI8O0

鷹野「警察…?」

入江「やはり警察とは頼りになるものですね。引き込んで正解でしたよ」

梨花「もしかして大石も!?」

入江「彼も私の計画に賛同してもらっていますよ。
   いやぁ、先日の隔離室での芝居は疲れました」


??「そうでしたねぇ。んっふっふっふ」

51 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:11:39.83 ID:nyi9MI8O0

ドアから大石が含み笑いをしながらぬぅっと入ってくる。

梨花「大石!?」

入江「大石さん、ご苦労様です。
   園崎家はどうでした?」

大石「だいぶ暴れてきましたよ。
   もう鷹野の護衛どころじゃないでしょうな」

鷹野「…園崎からの援軍が来ないと思ったら、
   そういうことだったのね」

52 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:12:58.75 ID:nyi9MI8O0

入江「さぁ、時間も押してますし、もうお話はおわりです」

鷹野「…」

入江「鷹野さん、あなたのような優秀な人材を
   殺すことになるとは残念ですよ」

入江は圭一の頭を撃ちぬいた銃で鷹野を狙う。

鷹野「ふっ…」

入江「?」

53 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:13:41.60 ID:nyi9MI8O0

鷹野「…私とおじいちゃんの夢を壊した罪、地獄で謝罪しなさい!」


ダンッ


鷹野は懐に隠し持っていた銃をすばやく抜き入江に向かって発砲した。
銃弾は入江の頭に向かって飛んでいく。

しかし銃弾は入江の前で"止まっていた"。
まるで固定されているように。

大石「西部劇のような早撃ち、かっこよかったですねぇ。
   相当訓練されてますね。ですが残念」

54 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:14:58.85 ID:nyi9MI8O0

入江「どうもです大石さん。…鷹野さん、すぐ一二三さんの
   元へ送って差し上げます」


ダンッ


入江が撃った銃弾は鷹野の胸を貫く。

梨花「鷹野!」

鷹野「……ぐふっ……」

鷹野は仰向けに倒れる。
もう助からないだろう。

55 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:18:39.83 ID:nyi9MI8O0

大石「入江先生、ご苦労様です。これで終わりましたね」

入江「ええ。邪魔者は消えました」

大石「早速祝杯をあげましょう。んっふっふっふ」

入江「そうですね」


大石「…彼女はどうするんです?」

57 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:19:14.83 ID:nyi9MI8O0

大石が私を指差し入江に尋ねる。

梨花「…っ」

入江「うーん、彼女も処理すべきなんですが…
   彼女は珍しい能力をもっているんですよねぇ。
   ぜひ研究に使いたいんですよ」

大石「そうですか。それじゃどっかに眠らせて保管しときましょう」

梨花「…」

58 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:21:41.95 ID:nyi9MI8O0

入江「ええ。お願いします
   外の死体はどうなってます?」

大石「今富竹さんが処理してますよ」

梨花「!?と、富竹もあんたたちの仲間なの!?」

入江「…彼は貴重な東京内部の協力者なんです」
梨花「そんな…それじゃあ、沙都子と詩音はどうなったのよ!?」

大石「ああ、診療所の入り口に転がってたなぁ」

59 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:22:33.25 ID:nyi9MI8O0

梨花「うそ……そんな…」

入江「ああ、そういえば竜宮さんの遺体はとっておいてほしいんですが、
   間に合いますかね。彼女も珍しい能力を持っていて………」


大石「あーどうですかねぇ…もう処理されて……かも…………」


入江「………そうで……では………ましょう…」


大石「…………………は……」


梨花「………」


もう、いやだ…。

60 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:25:10.20 ID:nyi9MI8O0

***

…。

助手「それでは、はじめます」

入江「ええ。よろしくおねがいします」

…ここは?

…まぶしい。

目がくらむほどのまぶしさ。

辺りを見ると緑色の服を着て手袋を付けた人達に囲まれている。
そして自分は仰向けに寝かされて…。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:25:46.95 ID:nyi9MI8O0

手足を動かそうとしたがまったく動かない。

胴体も固定されているようで、私が動かせるのは目と指と口くらいしかない。

助手「本当に、麻酔なしでやるんですか?」

入江「ええ。能力は自己防衛本能の一種ですからね。
   麻酔無しのほうがいいんです」

助手「わかりました…」

そして一人が刃物を私の目の前にかざす。

63 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:27:08.54 ID:nyi9MI8O0

ああ、そうか。

やっと思い出した。


私はいつもここで死んでいる。

私を刺すように照らす眩い無影灯。
テレビでみるようなメスなどの道具。

囲まれて私の体を切り刻まれていくんだ。
あの診療所での一件の後私は入江の研究所へ連れて行かれたんだ。

今日までずっと眠らされていた。
そして、とうとう解剖される時が来たんだ。

64 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:29:03.91 ID:nyi9MI8O0

入江「それじゃあ古手さんはお願いします。
   私は隣の竜宮さんの執刀をしなければいけないので」

助手「任せてください」

入江は私を一目見るとニヤッと笑ってこの手術室を出て行く。

65 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:29:42.41 ID:nyi9MI8O0

羽入は、いるかしら…。


梨花「(羽入、いる?)」


羽入「(ここにいますです)」

羽入は入江が出て行ったドアをすり抜け私の元へ駆けてくる。

梨花「(どこ行ってたの?)」

羽入「(レナのところに)」

梨花「(そう)」

66 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:31:01.00 ID:nyi9MI8O0

羽入「(レナはまだ意識があったのです)」

梨花「(死んでなかったのね。よかった…
    いや、どっちにしろ同じか)」

羽入「(…梨花、そろそろ能力を使いましょう)」

梨花「(時を戻す、能力?)」

羽入「(はい。でないとそろそろ梨花が死んでしまいます)」

梨花「(……)」

羽入「(梨花?)」

67 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:32:17.28 ID:nyi9MI8O0

梨花「(…もう、いいわ)」

羽入「(…え?)」

梨花「(もう、今回で終わりにする)」

羽入「(梨花!?なにを言ってるんですか!?)」

梨花「(今回は、とてもいい方向に進んでいったわ。
    圭一という頼もしい存在が現れ、私を殺す犯人も判明した)」

68 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:33:05.76 ID:nyi9MI8O0

羽入「(そうです!とても惜しかったです!
    次回は入江の記憶は無いかもしれませんが!
    やる価値はあります!)」

梨花「(…今回のようないい世界、もう滅多に来ないわ)」

羽入「(梨花…)」

梨花「(だから、ごめん。このまま死なせて)」

羽入「(……そんな…)」

梨花「(私からの、最後のお願いよ)」

69 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:34:31.74 ID:nyi9MI8O0

羽入「(…本当に?)」

梨花「(…ええ)」

羽入「(…)」

梨花「(羽入?)」

羽入「(…梨花の馬鹿…)」

梨花「(…)」

羽入「(…梨花の弱虫!根性無し!もう知らないのです!!)」

羽入は入ってきたドアをすり抜け出て行った。

70 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:35:32.25 ID:nyi9MI8O0

梨花「羽入、ごめんね…」


助手「では、はじめます」

私の血が通ったうす桃色のおなかに無機質な銀色の
刃物が当てられる。

それをスッっと引くとうす桃色のキャンバスに赤い線が浮かび上がる。
これも何度も見てきた光景。

71 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:37:49.03 ID:nyi9MI8O0

いつもなら痛みに苦しむところだが、今、痛みは感じない。
ただ繰り返してきた死の運命から解き放たれた、
開放感だけが私を包んでいる。

今まで必ず殺されてきた幾多の世界。
それに今日、私は終止符を打った。

こんな形で終わりにするのは残念といえば残念だが、
私の精神はもう完全に磨り減っていた。

72 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:39:06.23 ID:nyi9MI8O0

もう、次の世界へ行ってもきっと私は何をする気にもならないと思う。

だから、これでいいのよ。

これほど心地よい気分になったのは久しぶりだ。

このまま眠ればきっといい夢が見れそうだ…


キャンバスが赤一面に染まる頃、私の意識は遠くなっていった…。


朝日の昇る頃に・後編 終

73 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:40:40.55 ID:nyi9MI8O0

前原圭一の憂鬱・完


ここまで見てくださった方、本当にありがとうございました。
これで 前原圭一の憂鬱〜朝日の昇る頃に は終了です

76 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:49:07.71 ID:nyi9MI8O0

この後、お疲れ様会があります。

79 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:53:01.96 ID:nyi9MI8O0

エンジェルモートにて


レナ「皆さん、お疲れ様でした!
   これで「前原圭一の憂鬱〜朝日の昇る頃に」は終了です!」

圭一「やっと終わったー!」

梨花「ここまで長かったのです、みー」

大石「んっふっふっふ。長かったですねぇ」

富竹「ほんとですねぇ」

魅音「あ、すいません私コーラ!さ、早速乾杯しよ!音頭は誰?」

沙都子「魅音さん空気呼んでくださいまし」

赤坂「大人集はビールでいいですか?」

知恵「あ、私カレーで」

圭一「飲みものじゃねえし」

80 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:53:44.52 ID:nyi9MI8O0

富田「あ、じゃあ僕もカレーで」

岡村「僕も」

梨花「キャラ作ろうとすんななのです☆」

羽入「ちなみに二人は台詞ここだけです」

81 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:54:24.10 ID:nyi9MI8O0

レナ「…えっと、じゃあレナが音頭をとるね」

入江「そ、そうですね。収集がつかなくなる前に乾杯しましょう」

レナ「はい。…えーそれでは、みなさん、グラスを持ってください。
   朝日の昇る頃にが無事終了したということで、皆様、かんぱーい!!」

一同「「「「「かんぱーい!!」」」」」


大石「いやぁ、やぁっと終わりましたねぇ」

鷹野「明日からオフですわね。何をしようかしら」

圭一「それにしても打ち上げでエンジェルモートを貸切とは…」

魅音「これも園崎の力さ!」

圭一「…そういや詩音は?」

魅音「…あそこ」

圭一「あ、働いてる…」

84 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:55:24.46 ID:nyi9MI8O0

レナ「みなさん自由に食べてたり飲んだりしてるところ申し訳ないですが、
   今回の話について色々聞いてみたいと思います」

魅音「そのまえにー、なんでレナが司会なのさ。おじさんもやるー」

圭一「お前ちょっと黙ってろ」

レナ「…それでは、まず私達部活メンバーから聞いてみましょうか。
   圭一くん、今回の朝日の昇る頃に、はどうでした?」

圭一「どうもこうも、なんだよあの終わりかたは!
   バッドエンドじゃないか!」

魅音「そうだよねぇ。入江せんせにいいように使われて、
   あげく私達全員殺されるし」

梨花「納得いかない読者もたくさんいるような気がするのです」

85 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:57:40.25 ID:nyi9MI8O0

沙都子「でも、梨花が最後に運命から逃れられたという点では
    ハッピーエンドではございませんこと?」

富竹「いや、あれは運命から逃れられたというより、
   運命に屈したというほうが正しいんじゃないかな」

鷹野「そうね。夏を乗り越えることをあきらめた、
   羽入ちゃんの言うとおり根性無しな終わり方…」

魅音「っていうか私達みんな本編よりかなり人間的に弱いよね」

レナ「確かに、梨花ちゃんは今言ってた通りだし、
   圭一君なんか死に様が…」

圭一「あれはひどすぎるだろ…」

86 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:58:17.83 ID:nyi9MI8O0

沙都子「レナさんはすぐ強硬に走りますし」

リナ「ほんとよー。痛かったわ、あれ」

レナ「当ててないですよ(汗」

魅音「まぁ私くらいかな。まともだったのは」

梨花「みんなボクをボロクソに言ってひどいのです…」

沙都子「あの終わり方じゃ、しょうがありませんわ」

87 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:59:00.86 ID:nyi9MI8O0

レナ「それでは今度はアダルトチームに聞いてみたいと思います。
   では黒幕と勘違いされた鷹野さん、どうでした?」

鷹野「私黒幕なのに最後しかほとんど出番なかったのよねぇ…」

富竹「ま、まぁ黒幕だし!あまり表に顔を出すのもね、
   ダメなんじゃないかと僕は思うよ」

鷹野「…いいわねジロウさんは。スタンドで大活躍ですもの」

富竹「い、いやぁ、あははは!」

入江「私が本当の黒幕だったわけですが、かなり悪い奴になってましたねぇ」

大石「ええ。悪役もはまってましたよ?入江先生」

赤坂「僕はあの園崎家討ち入りのシーンで活躍させてもらいましたので
   満足ですね」

88 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 00:59:33.04 ID:nyi9MI8O0

レナ「あのシーンですね。
   …そういえば茜さん…あとおばあちゃんと葛西さんが来てないのかな、かな」

魅音「ああ、三人は早速旅行に行っちゃったよ。熱海だっけ」

圭一「金持ちはいーな」

魅音「そのかわりゲストを呼んだんだって。後から来ると思うよ」

89 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:01:14.03 ID:nyi9MI8O0

レナ「それにしてもみんな自分の役どころに色々思いが違うんですね」

圭一「まぁ活躍した人、しなかった人色々いたからなぁ」

レナ「それじゃあ今回の"朝日が昇る頃に"に置いて満足だった人、
   挙手をお願いします」

圭一「うーん…」

梨花「みぃ…」

レナ「えーっと、手が挙がってるのは、
   富竹さん、監督、大石さん、赤坂さんの四人ですね」

詩音「あ、私も挙げます」

魅音「詩音!手伝い終わったの!?」

詩音「ええ。ぱっぱと終わらせちゃいました」

魅音「くっそ…」

91 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:02:01.81 ID:nyi9MI8O0

レナ「それでは挙手した方々の感想を聞いてみましょう」

富竹「さっき鷹野さんにも言われたけど活躍できたからね」

入江「真の黒幕、それだけで満足です」

大石「とりあえずたくさん出れましたよ」

赤坂「僕も活躍できましたから」

詩音「私もでーす」

レナ「なるほど。みなさんお話の中で活躍したという方が多いようですね。
   ちなみに私も満足です」

魅音「えっと…さっきから挙手してるんだけど…」

92 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:02:59.40 ID:nyi9MI8O0

レナ「それじゃあ次に不満がある方、挙手をお願いします。
   …えーっと、圭一くん、梨花ちゃん、沙都子ちゃんに知恵先生、
   あと富なんとかくんに岡なんとかくんですね」

圭一「最後まではよかったんだが…主人公であのやられ方は納得いかねぇ」

梨花「私、人に頼ってばかりのダメ子じゃない…最後もなんだかんだであきらめてるし
   あれじゃ読者に嫌われるわね…」

沙都子「他の部活メンバーの皆様方はあんなに活躍してるというのに
    私だけ早々と戦線離脱とはどういうことですの!?」

圭一「いいじゃねぇか。単独シナリオあったし」

沙都子「圭一さんなんかほとんど出てるくせになにが不満なんですの!」

圭一「いくら出れても終わりがあれじゃ納得いかねぇんだよ!」

93 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:04:00.70 ID:nyi9MI8O0

知恵「ぜいたくですねぇ…」

圭一「…知恵先生」

知恵「みんな能力で活躍してるっていうのに、私なんか内緒話するときだけ、
   しかも能力だけ…」

沙都子「せ、せんせい…」

知恵「しかも私の能力が明らかになるのが、
   物語名中ではなく登場人物紹介のときですよ!!
   活躍も全然してないし、どういうことですか…」

圭一「…確かに、今回最もかわいそうな人かもしれん」

沙都子「すいません店員さん、
    カレーひとつ…いや、三つお願いします」

95 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:05:30.40 ID:nyi9MI8O0

レナ「さあみなさん、宴も酣になってきたところですが、
   そろそろ締めさせていただきたいと思います」

圭一「なんだよ、もう終わりか?」

沙都子「随分早いですわね」

レナ「私達はこの後も食べたりできるから大丈夫だよ」
梨花「それにしても、なんだか名残惜しいのです」

入江「そうですねぇ…」

富竹「そういえば、続編はあるのかい?」

鷹野「この終わり方だと、あってもいいような気がするけど」

97 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:06:44.41 ID:nyi9MI8O0

魅音「でも梨花ちゃんは能力を使わず死んじゃってるし、
   無理なんじゃないの?」

知恵「私はこれで終わりっていうのも悪くないと思いますよ」
圭一「えぇー!?あんな終わり方のどこが悪くないっていうんですか。
   俺は納得いかないっす」

知恵「人間は一人ではそこまで強くなれない人が多いのですよ。
   あきらめることもありますよ」


圭一「でも真犯人もやっとわかったんだぜ!
   ループ後に覚えてるかはわからないけどさ!」

98 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:07:35.97 ID:nyi9MI8O0

魅音「…つまり、いくら宝くじの当選番号がわかってても
   それを買うお金が無かったら一等は当たらないって事ね」


圭一「……そうか……………………?……なんかよくわからなかったぞ」

沙都子「今の例えが理解できませんでしてよ」

梨花「ちょっと魅音はだまっててくださいなのです」


魅音「……ひっく……」

レナ「魅ぃちゃん泣いてるー。かぁいいかぁいい」

沙都子「あーら、本泣きじゃあありませんか」

梨花「とっても面白いのです」

99 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:08:39.06 ID:nyi9MI8O0

詩音「……」

魅音「せ、せんせぇ…みんなが……」

知恵「…つまり古手さんのやる気がなくなったのなら、
   いくら犯人がわかっていても駄目だってことよ」

圭一「なるほど」

赤坂「それで、次回作はあるのかな?レナちゃんは知ってる?」

レナ「うーんと、もちろんこの続きの話も考えてあるんだけど…」

富竹「へぇあるんだ」

レナ「でもこれで終わりでもいいかなと思って…
   もし次回作完成したとしてもいつになるかわからないし」

100 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:09:30.39 ID:nyi9MI8O0

圭一「…とりあえずやるかやらないのかはっきりしろよ」

レナ「うん、…やりたいです」

レナ「それじゃ予定はまだ決まってないけど、
   出来次第立てるという方向でいかせていただきたいと思います。
   みなさま、よろしくお願いします」

梨花「最初からそう言えなのです」


レナ「それではみなさん、そろそろお開きの時間となりました。
   最後にちょっとだけひぐらしとは別のお話でお別れしたいと思います」

102 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:10:29.78 ID:nyi9MI8O0

圭一「…お?貸切のはずだよな?誰か来たぞ」

魅音「ああ、あの人たちかな?ゲストは」

沙都子「なにやらジョジョを知らない人はごめんなさいと
    言わないといけない気がしますわ」

圭一「ああ、俺もだ」


ナランチャ「この店だよ!キレイなおばさんが
      飲んだり食ったりしていいって言ったのは!」

フーゴ「勝手に招待受けやがって…ブチャラティがお怒りだぞ」

ブチャラティ「…」

ナランチャ「ま、まぁとにかく入ってみようぜ!」

103 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:11:23.25 ID:nyi9MI8O0

店員「あ、すいません。本日貸切でして…」

ジョルノ「…」

アバッキオ「…」

ミスタ「…」

ナランチャ「いや、招待されたんだけど…」

店員「ええっと、…パッショーネ御一行様でございますか?」

ナランチャ「そうです」

店員「失礼しました。お席へどうぞ」

104 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:12:09.76 ID:nyi9MI8O0

ナランチャ「よかった。おーし、座ろう!」

フーゴ「…ナランチャ」

ナランチャ「ん?…ふぐぉ!」

フーゴ「なんだこの店は…店員もふざけたかっこだし、なによりファミレスじゃあないか…
    それに予約でパッショーネってなに俺達の組織の名前出してんだこのド低脳がァー!!」

ナランチャ「…でもブチャラティ達もう席すわってるぜ」

フーゴ「なに!?」

ブチャラティ「…ふむ、ジョルノ。もう決めたか」

ジョルノ「そうですね…決まりました」

アバッキオ「紅茶があるな…」

ミスタ「ちょ、おまえら落ち着け!No.5!出てくんな!」

フーゴ「…俺達も座ろう」

ナランチャ「ああ」

105 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:12:44.74 ID:nyi9MI8O0

***

圭一「な、なんだあいつら…」
レナ「ど、どうする?こっち呼ぶ?」
富竹「とりあえず、様子を見て決めよう…」

***

106 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:13:22.70 ID:nyi9MI8O0

ブチャラティ「よし、ボタンを押せ」

アバッキオ「ポチ」

フーゴ「え!?ちょ、ちょっと待って!まだ決まってないです!」

ナランチャ「ブチャラティ早すぎるぜ!」

ブチャラティ「決断に迷っているやつにギャングが務まると思うか?」

フーゴ「す、すみません」

ブチャラティ「ジョルノは決まっているか?俺は決まっている」

ジョルノ「はい」

店員「ご注文をお伺いします」

107 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:14:15.19 ID:nyi9MI8O0

フーゴ「えっと、じゃあアイスコーヒーで…」

ナランチャ「お、俺も…」

アバッキオ「ホットレモンティー。濃いめ」

ジョルノ「モッツァレラチーズとバジルのトマトソースパスタ」

ミスタ「たこ焼き。4つ入れんなよ!6ついれろよ!」


ブチャラティ「俺は……なに!?これもあるのか!?…迷うな…」


フーゴ「…」

ナランチャ「…」

ブチャラティ「…ジャンボチョコレートパフェ一つ」

108 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:14:50.81 ID:nyi9MI8O0

店員「それでご注文を確認させていただきます。
   アイスコーヒーがふたつと…」

ジョルノ「同じことを二回言うのは無駄なんだ無駄無駄無駄……」

店員「…し、しばらくお待ちください」


***

圭一「…やっぱ変だなあいつら」
レナ「っていうかジョジョ知らない人は全然面白くないんじゃないかな、かな」
沙都子「…レナさんがなにを言ってるのかわかりませんわ」
富竹「…あ、メニューが来たみたいだよ」

***

109 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:15:45.39 ID:nyi9MI8O0

店員「お待たせしました。アイスコーヒー二つとホットレモンティーと
   パスタとたこ焼き、ジャンボチョコレートパフェです」

フーゴ「一度にこんなに持ってくるとは…できる」

ブチャラティ「それじゃみんな、心して食え」

ナランチャ「くっそ、俺も食いもんにすりゃよかったぜ…」

ミスタ「…ん?…おあ!?」

フーゴ「どうしたんですミスタ!?」

ミスタ「お、俺のたこ焼き、4つだ…4つ入ってる…
    これは俺に死ねってことかよぉ!!」

フーゴ「落ち着いてください。あなたのピストルズ達が2個食べています」

ミスタ「…おまえら、どうせなら3個食え!」

110 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:16:37.84 ID:nyi9MI8O0

ナランチャ「…あれ、アバッキオもう紅茶飲んだのかよ?カップ空だ」

アバッキオ「これから特製レモンティーが入るんだよ」

ナランチャ「…は?」

ブチャラティ「…よし、ジョルノ、やれ」

ジョルノ「ゴールド・エクスペリエンスッ!…
     店員さん。パスタの中にゴキブリが入ってます」

店員「ええ!?」

ナランチャ「それは今お前がスタンドで…」

ブチャラティ「黙ってろド低脳!」

ナランチャ「…」

111 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:17:30.77 ID:nyi9MI8O0

店員「も、もうしわけございません!すぐお取替えさせていただきます!」

ブチャラティ「…アンタ、ギャングにこんなマネしてその程度で許してもらえると
       思ってんのかい?」

店員「…は、はぁ。どうすればよろしいでしょうか」

アバッキオ「えーっと、田中さんだっけ?」

店員「吉本です」

アバッキオ「まぁ立ち話もなんだから茶でも飲みながら話そうや」

店員「え、いや、あの…」

ナランチャ「あれ、空のカップにまたレモンティーが入ってる。
      …まさか」

2 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:55:59.87 ID:nyi9MI8O0

ジョルノ「……気づいたときの顔が見物ですね」

ブチャラティ「……この瞬間がたまらんな」


フーゴ「いかん!それはアバ茶だ!飲むな!!」


ジョルノ「フーゴ!あなたって人は!」

ブチャラティ「すっこんでろ毒野朗!」

フーゴ「…」

***

3 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:56:30.99 ID:nyi9MI8O0

圭一「……関わらないほうがよさそうだな」

レナ「こんなにジョジョしてよかったのかな、かな」

沙都子「意味がわからなかった人、本当にもうしわけございませんわ」

梨花「にぱ〜☆」

圭一「ってか俺達のお疲れ様会なのにあいつら出しすぎだろ」

レナ「レナに言われても…」

魅音「彼らのことは放っておこう」

4 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 01:57:37.65 ID:nyi9MI8O0

レナ「ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
   お疲れ様会もここで終わりです。
   次回はいつ会えるかわかりませんが、またよろしくお願いします。
   それではまた〜♪」

6 名前: ◆7LsipGI0Aw (catv?)[] 投稿日:2008/09/12(金) 02:01:24.23 ID:nyi9MI8O0

これを読んでくれた方、本当にありがとうございました。
キラ速様、あなたのおかげでたくさんの人の目に触れる機会を得ることが出来ました。
ありがとうございました。

これで朝日の昇る頃に〜前原圭一の憂鬱〜は終わりです。
皆様、ほんとうにありがとうございました。
それでは失礼します。



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