世にも奇妙ならき☆すた


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415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 21:36:42.55 ID:g9SjOfz40

かいちゃったぜww

――――夜の学校には、一人で居てはいけない。
    夜の学校には、何かが居るから。
    夜の学校では、それに気づいてはいけない。
    たとえ、それに気付いたとしても。
    たとえ、声を掛けられたとしても。
    絶対に、後ろを振り返ってはいけない。

    もしも振り返ってしまったならば……

 私はディスプレイから目をそらした。嫌なもの見ちゃったな。
 それでも明日はチアの最終練習だから、それなりに遅くまで残らなくちゃならないし。
「おねえちゃん、今日一緒に寝てくれないかな?」
 私はおねえちゃんの部屋に向かった。
 あっ、パソコン消さなくちゃ。


 インターネット、インターネット、インターネット、インターネット、インターネット、インターネット、インターネット
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 いんたーねっと 小早川ゆたか

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 21:37:42.48 ID:g9SjOfz40

 次の日のこと。
「昨日ね、ネットサーフィンしてたら嫌なもの見ちゃったっスよ。夜の学校に一人で居てはいけないーみたいな文だったんスよ」
「あっ、もしかしたら私もそれみたかも。……振り返ってはいけない、ってやつだよね?」
「そうそう、それっス! 今日は遅くまで残らなくちゃならないから怖いっスよね?」
「私もそれを見て怖くなって、おねえちゃんと一緒に寝たんだー」
 田村さんは少し真面目な顔をして言う。
「……でもさー、あの話の出所がこの学校ってホントなんすかね?」
「そうなの? 私、怖くって最後までみてないんだ」
「えっ!最後まで見てないっすか? ヤバいっすよ!」
 そこで予鈴が鳴った。
「えっ、何かあったの?」
「あー、もう授業なんで後で話すっスよ」
 田村さんは自分の席に帰って行った。
「……あの後なにかあったのかな?」
 私はみなみちゃんに話しかけた。
「大丈夫だよ……ゆたか。おばけなんていないよ」
「うん。まあ、そうだよね」


 その後はなんだか忙しくって、授業後も田村さんとは話せないまま放課後になり、そして練習が終わった。
 練習自体は問題なく終わり、明日の本番を残すだけとなる。
 私は少々はしゃぎ過ぎたのかもしれない。少し具合が悪い。息が苦しい。
 でも、みなみちゃんやおねえちゃんに心配をかけるのが嫌なのでだまっておく。
「じゃあゆたか、着替えに行こうか?」
 私は返事をして一年の教室に向かった。
 着替えをしていると、不意に目眩がして。私は膝をつく。
 私に気づいたみなみちゃんが駆け寄ってきた。
「ゆたか大丈夫?」
「……大丈夫だよ。ちょっと、疲れちゃったの……かな?」

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 21:39:20.55 ID:g9SjOfz40

「つらそうだよ」
 自分でも思う、息を切らしながら喋っているので説得力がないよね。
「少し待ってて。保健室から水と薬を持って来るから」
 申し訳なさがあったけど、私は頷く。
「……ごめんね、みなみちゃん」
「構わない」
 みなみちゃんは教室から走り去った。私はもう一度ごめんね、と呟いた。
 教室で一人になった私は色々な事に思いを巡らす。明日は成功すればいいな、とか。
 ……夜の学校で一人になってはいけない、とか。
 思い出すと怖くなってきた。馬鹿だな、私。
 みなみちゃんも言ってくれたじゃないか。お化けなんていないって。
 でもやっぱり一人でいるのは怖い。

――――コッ

 私の後ろで物音がした。
 この教室には私しか居なかったはず。……気の、せいだよね。

――――コツ
      コツ

 もう一度、音がした。これは靴の音だ。誰か入って来たんだ。振り向かなくちゃ。
 ……でも、なんで声を掛けてこないの?
 私は思い出す。(振り向いてはいけない)
 まさか、だよね? そんな訳ないよね

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/09(水) 21:40:40.47 ID:g9SjOfz40

――――コツ
      コツ
      コツ
      コツ

 私は勇気を振り絞って声を出す。
「誰……なの?」
 返事がない。返事がない。怖い。怖い。
 …………ふーっ、ふーっ…………
 今は、私の荒い息しか聞こえない。そうだよ、気の……せいだよね。
 …………ふーっ、ふーっ…………
 息しか聞こえない。よし、決めた、振り向こ

――――ダンダンダンダンダン
      ダンダンダンダンダン

 荒い靴音は、確実に私の後ろで聞こえた。
「ひぃっ。誰!? 誰なの!?」
 私の問いには、誰も答えない。
 そして。ばつん、という音がして、電気が消えた。教室は深い闇に包まれる。
 怖いよ。おねえちゃん助けて。怖い。みなみちゃん助けて。怖いよ。怖いよ。

――――ひた、ひた。

 音は私の後ろから、私の直ぐ後ろから聞こえた。
 はーっ……はーーーっ……
「みなみちゃん……おねえちゃん」
 助けて、助けて。私は助けを求めるしか出来なかった。

――――ひた、ひた、ひた、ひた、ひた。

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 21:41:36.04 ID:g9SjOfz40

 後ろに……居る。
 やだよ、やだよ。たすけて、たすけて、たすけて、たすけて。私はずっと願った。
 そしてどれくらい時間がたったのだろうか。ぶうん。という音がして消えていた電気がついた。
 ……電気がついた。助かったの、かな?
「ゆたか」
 と、背中からみなみちゃんの声がした。
 私は安心して振り向くと。

 深い闇があった。
「ふりむいちゃだめ」


「ゆたか、薬もってきたよ。……あれ、いない。トイレにでも行ったのかな?」


世にも
奇妙な
らき☆すた

白石「インターネット、便利ですよね。しかし見てはいけない事も中にはあるでしょう。
でも大丈夫。最後まで見れば解決策が……あれ、おかしいな。動かない」 

423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 21:49:47.63 ID:g9SjOfz40

一昔前の世にも奇妙な物語っぽく不条理な感じにしてみた



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