ハルヒ「キョン! ……頭撫でなさいよ……」


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345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:23:34.50 ID:2LziBv6TO

じゃあ二人して酒飲むシュチュエーションで

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:09:08.93 ID:uAy2WN3V0

>>345のお題で適当に書いてみた。


 白々と空が明けていくには、まだ時間がある。
カランカランと、氷がグラスを叩く音が響く。
こいつと、こんな風に過ごす夜は、いつだって永い。
 店内は、流れ出るデューク・エリントンの旋律に、
そして、各々が握る酒に、勝手に酔いしれる。
俺達もまた例外では無い。
俺は白ワインを。
涼宮ハルヒは、昔からよくウィスキーを好んで飲んでいた。
今宵もまた、ハルヒはウィスキーで喉を潤す。俺はその横顔を眺めるでもなく、見ていた。


 「お酒はもう飲まないって、決めてたんじゃなかったのか?」
俺は黙々とチーズ・クラッカーを摘むハルヒに問う。
するとハルヒは言う。
 「二十歳になったんだもの。
ウィスキー飲んでて、誰かに文句を言われる筋合いは無いわ」
酒のせいか、ハルヒの頬は少し紅潮していた。
 「確かに、それもそうだな」
俺はハルヒの台詞に、嫌に納得してしまったのだ。

363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:09:55.93 ID:uAy2WN3V0

 「お前は男でも作らないのか?ハルヒ」
俺がそう言うと、ハルヒは何か考え事をしながら、「男?」と、呟いた。
ハルヒは言う。
 「そういえば、高校時代は彼氏作ろうなんて考えもしなかったなぁ、私」と。
 「お前は宇宙人だかエスパーだかを、三年間捜し求めてたもんなぁ」
 「ほんとね、結局、なんにも見つからなかったし」
 「後悔してるのか?」
 「別に」
ハルヒは微笑みを浮かべながら最後にこう呟いた。


 「あれはあれで、結構楽しかったしね」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:12:18.61 ID:uAy2WN3V0

 「またみんなで集まりたいな」
 「みくるちゃんも有希も古泉くんも、忙しそうだしね」
 「なかなか予定も合わないな」
 「そうね」
 「相変わらず暇人は俺達だけってことか」
 「私は暇じゃないわよ?あんたが私とどうしても飲みたいっていうから、付き合ってあげてるのに」
 「バカ言うんじゃねぇよ。今日はお前が誘ってきたんだろ?」
 「あんたはどうせ休日は暇なんだろーなぁと思ってね。
寂しそうに部屋に篭ってるあんたを想像したら、可哀想すぎて、私、無意識にあんたに電話してたわ。」
 「……つまりお前も暇だったんじゃねぇかよ」
 「今日はたまたま、ね」
 「俺だって、今日はたまたまだよ」
 「んじゃ、そういうことにしといてあげる」
 「相変わらず、可愛くない奴だ。お前は」
 「これでも大学じゃミスグランプリに選ばれたんだよ?私」
 「審査員に目がついてなかったんじゃねぇの?」
 「審査員はみーんな、あんたと違ってイケメンばっかりだったわよ?」
 「はいはい。悪かったね。俺はハンサムじゃなくて」
 「あんたくらいのレベルの男が、私にはちょうど良いって事よ。多分」


ハルヒはそう言うと、グラスを丁寧に洗っているマスターを呼びつけてから、俺と同じ白ワインを頼んだ。

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:13:00.90 ID:uAy2WN3V0

 「まだまだ付き合ってもらうからね」
と、ハルヒは言う。

 「それはこっちの台詞だ」
 「安心しなさいキョン、あんたは自分で思ってるより、結構、イイ男なんだから」
 「……そりゃ、どうも」
 「ま、それでもミスグランプリの私には釣り合わないけどね♪」

そう言うとハルヒは、すっかり出来上がっているのか、頬を真っ赤に染め、俺の肩に寄りかかってくる。
俺の目線からチラリと見える胸元も、すっかりと赤くなっていた。俺は目を逸らす。いかんいかん。
さすがの俺も酒に酔った状態だと、こいつに何かしてしまうかもわからないのだ。
ハルヒは俺の目線に気づいたのか、
 「エロキョンっ。どこ見てんのよ?」と、実に楽しそうに笑いながら、俺をからかってくる。

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:14:58.11 ID:uAy2WN3V0

 「やっぱりあんたは私には釣り合わないわねー?エロいし、平凡だし」
 「そうかもな」
俺はいさぎよく認める。
 「まあそれでも、無駄に優しいし、
なんだかんだ言って、面倒臭いことに付き合ってくれるし、
文句言うながらも私の隣にいてくれるし、
なんだかんだ言ってあんたは私にベタ惚れしてるんだもんね〜?
ね〜?キョン♪」
と言いながら、ハルヒは俺の顔を覗き込む。
くそ。
何時の間にこんなに可愛くなったんだコイツは。
まあ昔からそこそこ可愛かったのは否定しないが、
不覚にもドキッとしてしまった自分を葬ってしまいたい衝動に駆られる。

 「予定が合わなくても、何があったとしても、私達だけはずーっと一緒なんだからねっ?」
そう言いながらハルヒは俺の腕に抱きついてくる。
俺の腕に柔らかい胸が当たってるが、そんなことを一々指摘するとまた何か文句を言われそうなので、
今はこの感触を楽しむとしようかな?うん、そうしよう。

 「大好きだよ。キョン」
店内だというのに、ハルヒは目を瞑り、俺にキスを求めてくる。

さてさて、
ほんじゃ、まぁ今夜は、こいつと同じ大学に行かなかった自分を、
久しぶりに、憎んでやるとしようかな。

368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:16:11.55 ID:uAy2WN3V0

終わり
酒を飲んでドンチャン騒ぎしてるハルヒも良いけど
なんとなく冷静にお酒と音楽とキョンを楽しんでるハルヒも可愛いなと思って書いた
反省はしてない



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