かがみ「みさお?久しぶり〜、アンタ今何やってんの?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:01:39.61 ID:1NBg+wxO0

みさお「ニートだってヴァ」
かがみ「ワーロースーwwwwww」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:08:24.46 ID:1NBg+wxO0

みさお「今日はamazonから荷物が届くぜー」
配達員「こんにちわー、amazonさんからお荷物預かってまーす」
みさお「はーい」

みさお「んっ………あ、あはっ、このバイブ……ひぁっ!!!気持ち良いッ………」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:10:14.46 ID:1NBg+wxO0

かがみ「つかさが失踪して今日で二年目です」
こなた「ほーん」
かがみ「何処言っちゃったんだろ………私の大事な大事な妹なのに」
こなた「………」
かがみ「うぬ?どうなされたこなた殿」
こなた「もしかしたら"つかさ"と言う存在はアナタの空想上の存在なのでは無いのでしょうか?」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:11:56.78 ID:1NBg+wxO0

かがみ「なん………だと………?」
こなた「まぁ、もののたとえだよ」
かがみ「貴様ッ!!!我が妹を侮辱すると例え忠義を誓った仲であろうと容赦はせんぞ!!」
こなた「まぁまぁ落ち着きなさいな、私たちももう三十路なんだから」
かがみ「くっ………」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:18:17.75 ID:1NBg+wxO0

こなた「ボーっとしてて危なっかしい子だったけど、あの子も大人なんだから心配しなくても平気だよ」
かがみ「そんなこと言ったって………」
こなた「っていうかかがみ仕事は良いの?」
かがみ「有給とったのよ、あの子が心配だから」
こなた「ふーん」
かがみ「それにしてもみんな変わったわね」
こなた「ん?」
かがみ「アンタがオタクやめるなんて思っても無かったわよ」
こなた「あはは〜、私だってもう大人さぁ。まぁお父さんは別として………いつまでもバカやってられるもんじゃないね」
かがみ「お父さん、様態まだ良くならないの?」
こなた「ん?………あー………しょうがないね、歳には勝てないよ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:22:02.99 ID:1NBg+wxO0

こなた「そんな事より、旦那さん置いて来ちゃって良いの〜?あなた居なくて寂しがってるんじゃないの?」
かがみ「ああ、アレのこと?平気平気」
こなた「うわ〜、きっついね〜相変わらず」
かがみ「アンタねぇ私の旦那よ?妻を縛り付けるような旦那だったら結婚しないっての」
こなた「まぁかがみらしいって言えばかがみらしいね」
かがみ「………そう言や、アンタはずっと独り身で居るつもり?」
こなた「あっはは、どうだろうね〜」
かがみ「………ったく、そう言うところはまだアンタらしいわ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:26:23.50 ID:1NBg+wxO0

みさお「気持ちよかった〜!………ん?電話?………知らない番号だ」
みさお「もしもしー?」
つかさ「……もしもし?」
みさお「どなたですかー?」
つかさ「………あ、あの………柊です」
みさお「………え?かがみ?じゃないよな?」
つかさ「………はい」
みさお「つかさ!?………どうしんだー?すっごい久しぶりだなー」
つかさ「うん………」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:29:39.13 ID:1NBg+wxO0

みさお「え?かがみ?………あぁ、昨日電話でちょっと話したけど」
つかさ「お姉ちゃん、元気だった?」
みさお「おかしなこと聞くんだなーつかさー。一体どうしたんだってヴァ?」
つかさ「………」
みさお「………?………かがみなら、いつも通りだったぞ」
つかさ「………そう」
みさお「何かつかさ元気無いな?………どうしたんだってヴァ?」
つかさ「………ううん、何でも無いの………それじゃあね」
みさお「は?………おいつかさー!」

みさお「切れちった………何だッたんだ?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:35:29.28 ID:1NBg+wxO0

かがみ「それじゃあ私、もう帰るわね」
こなた「嘘、もう帰るの?泊まってっても良いんだよ?」
かがみ「悪いわね、他にも行かなきゃならないとこがあんのよ」
こなた「………つかさのこと?………それなら」
かがみ「違うわよ、ちょっとみさおのことでね」
こなた「え?あの人どうかしたの?」
かがみ「あいつ、今何もやってないで部屋に籠もりっきりなのよ」
こなた「うわ、本当?」
かがみ「えぇ………行ってやんないとね」
こなた「………優しいね」
かがみ「ったく、どうしてこうも私の周りには心配かけさせる奴等ばっかなんだろうね?」
こなた「………」
かがみ「アンタもよ、さっさと結婚して身を固めなさいよ?」
こなた「………うん」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:36:53.10 ID:1NBg+wxO0

かがみ「みさおー」
みさお「ん?………かがみ?」
かがみ「来てやったわよ」
みさお「………」
かがみ「ったくアンタは………取りあえず、上がらして貰って良い?」
みさお「うん………」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:42:45.09 ID:1NBg+wxO0

かがみ「どうして仕事やめちゃったの?………」
みさお「なーんかなぁ、あーいうの駄目だー」
かがみ「あんたねぇ、そんなこと言ってこんなとこにずっと籠もってるつもり?」
みさお「結構これでも快適なんだってヴァ」
かがみ「あのねぇ………取りあえずさぁ、何か始めないとよ………このままじゃ駄目だってことくらい分かってるでしょ?」
みさお「そりゃそうは思ってるけど………」
かがみ「なら、何で始めないの!とにかく明日から動きなさいよ!?分かった!?」
みさお「うー………分かったってヴァ」
かがみ「明日は私も一緒に何か職ないか探してあげるから」
みさお「………」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 21:46:58.42 ID:1NBg+wxO0

みさお「そう言えばかがみー、最近妹と会ってないのかー?」
かがみ「え?………何で?どうして知ってるの?」
みさお「今日つかさから電話来たんだってヴァ」
かがみ「嘘ッ!?!?」
みさお「本当だってヴァー」
かがみ「つかさ何か言ってた!?」
みさお「うわっ、そうせがむなってヴァ!!柊は元気か、って聞いてきただけだってヴァ!」
かがみ「他には!?」
みさお「そ、それだけだってヴァ!!!」
かがみ「………つかさ………」
みさお「何かあったのか?………つかさ、元気無さそうだった」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 22:13:09.67 ID:1NBg+wxO0

かがみ「あの子………私には一切連絡よこさないで………どう言うつもりなのよッ!!」
みさお「だから一体どうしたんだってヴぁ!姉妹喧嘩でもしたのか?」
かがみ「あの子と私は喧嘩なんてしないわよ………何があったのか知りたいのはこっちの方………」
みさお「つかさって、大学に行ってもあの家にずっと暮らしてるんだったよな?」
かがみ「ええ。私は家を出て一人暮らししたけど、あの子はずっと鷲宮の家で暮らしてた」
みさお「………」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 22:25:52.91 ID:1NBg+wxO0

みさお「最後に会ったのはいつ頃なんだ?」
かがみ「二年前、親族のお葬式で会ってからそれっきり……」
みさお「親戚の誰か?」
かがみ「ええ。………でも確かに、あの時もちょっと様子おかしかったような……」
みさお「おかしかった?」
かがみ「お葬式だから、そりゃ明るいわけ無いんだけど………なんか思い詰めてるような」
みさお「うーん………でもさ、平気なんじゃないのか?」
かがみ「どうしてそう言えるのよ?」
みさお「いや、今日だって私のとこに電話してきたわけだしさ、柊の思い過ごしなんじゃないのか?」
かがみ「でも!鷲宮の家にも一回も帰って無いのよ!?お父さんもお母さんも心配してる!」
みさお「うーん………」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 23:24:31.08 ID:1NBg+wxO0

みさお「何か家に帰れない理由があるんじゃねーのか?」
かがみ「………理由って何よ?」
みさお「さぁ………それは私には分からないけど………」
かがみ「………もう、この話は良いわよ………つかさの心配してくれてありがとね………」
みさお「え?………そんなこと無いってヴぁ」
かがみ「アンタはアンタの心配しないとね。明日出かけるんだから、それに備えて今日はもう寝よっか」
みさお「お、おぉ………」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 23:33:08.24 ID:1NBg+wxO0

こなた「あれ?………もしかして、あの………すみません」
みゆき「はい?………あっ!」
こなた「やっぱり………久しぶりだね、みゆきさん」
みゆき「泉さんですか!?お久しぶりですね」
こなた「随分長い間あってなかったね、五年前、かがみの結婚式で顔を合わせただけだもんね?」
みゆき「ええ、本当にお懐かしいです………」
こなた「どう?最近?」
みゆき「お陰様でなんとかやってます」
こなた「みゆきさんなら大丈夫そうだね、あはは」
みゆき「泉さんの方はどうですか?お変わりなく?」
こなた「うん、ふつーに暮らしてるよ………そうだみゆきさん、もしかして今、時間空いてたりする?」
みゆき「え?………はい、今日は仕事関係の用事はもう済ませたので」
こなた「それならさ、どこかでお茶でもしない?私も久々に話したいんだ」
みゆき「ええ、もちろんご一緒させて貰います」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 23:42:37.77 ID:1NBg+wxO0

みゆき「本当………あの頃が懐かしいですね」
こなた「あっと言う間だよね、時間が経つのなんてさ」
みゆき「ええ………本当に………」
こなた「みゆきさん、子供、今何歳?」
みゆき「もう7歳になりますよ」
こなた「あはは、本当あっと言う間だ」
みゆき「毎日見てるようでも、少し目を離した隙にすぐ大きくなってしまいますよ」
こなた「そんなもんだよね、子供なんて………ま、私はそうじゃなかったんだろうけど!あはは!」
みゆき「うふふ………そんなことありませんよ。泉さんのお父さんも、きっと私みたいに思ったんだと思います」
こなた「そっかな………」
みゆき「えぇ、もちろんです。………あの、お父さんの様態は?」
こなた「相変わらずだよ。でもまぁ、大丈夫。あのお父さんのことだから」
みゆき「………きっと、すぐに良くなりますよ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 23:48:17.39 ID:1NBg+wxO0

みゆき「そうだ、柊さん達はお元気でしょうか?」
こなた「ん?………」
みゆき「あの………どうかしました?………」
こなた「いや………ちょっとね………つかさがさ………」
みゆき「つかささん、何かあったんですか?」
こなた「まぁ………ちょっと今、行方が分からなくてね………つかさ」
みゆき「え!?………行方が?」
こなた「二年前、突然」
みゆき「………」
こなた「今、かがみが探してるんだけどさ」
みゆき「知りませんでした………」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 23:57:28.02 ID:1NBg+wxO0

みゆき「つかささんは、確か警官になられたんですよね?」
こなた「うん。警察服着たつかさ見た時はびっくりしたなぁ、あのぼんやりした子が警察だもん」
みゆき「何か事件に巻き込まれたんでしょうか………」
こなた「どうなんだろうね………でも、あの子、交通安全課だったし、それは無いんじゃない?」
みゆき「………」
こなた「よりによってゆい姉さんが居た課に所属だもんなぁ、世の中何が起きるか分からないもんだよね」
みゆき「ええ………」
こなた「私達はさ………」
みゆき「………?」
こなた「あの頃より、幸せになれたのかなぁ………」
みゆき「………」
こなた「………」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 00:04:19.28 ID:dQSaAbwO0

みゆき「それは………難しい質問ですね………」
こなた「………」
みゆき「でも、大丈夫です。きっと泉さんのお父さんだって良くなりますし、つかささんも見つかりますよ」
こなた「………うん」
みゆき「何か困ったことがあったら、いつでも連絡してください」
こなた「あはは、みゆきさんもね」
みゆき「ええ」
こなた「あ、そう言えばみゆきさん」
みゆき「はい?」
こなた「子供、虫歯には気をつけてるの?」
みゆき「うふふ、しっかり教育してます」
こなた「あははっ!!」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 00:10:50.72 ID:dQSaAbwO0

つかさ「ただいまんこ」
かがみ「おかえりんご」


                              お・わ・り

よい子はハミガキして糞して寝ろ!!!

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 00:26:10.94 ID:dQSaAbwO0

          Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
          /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
         / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
         / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
    ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
蔓延る期待、こだまする新入生の笑い声、咲き乱れる人々の笑顔、希望とやる気に満ちあふれた新年度………

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 01:42:20.45 ID:dQSaAbwO0

ははっ、ワロス
後は任せた、俺はもうチンチンシコシコしてくる

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 11:52:06.20 ID:dQSaAbwO0

みさお「柊〜………ちょっと疲れたってヴぁ」
かがみ「ん?………そうね………もう8時か………今日はこれくらいにしとこっか?」
みさお「おぉ〜………」
かがみ「あれ?………気づいたらこんなとこ居たんだ」
みさお「お?高校じゃねぇかー!なっつかしいなー!」
かがみ「あ、ちょっとみさお!勝手に入ったらまずいってー!」
みさお「へへっ、平気だってヴぁー!!柊もこいよー!」
かがみ「もー………ったく………今日はどの部も部活やってないみたいね。警備員とか居ないのかしら?」
みさお「平気だってヴぁー………ん?………おい柊、あそこ、あのクラスだけ電気ついてるぞ?」
かがみ「本当だ………職員室の電気も切れてるのに………誰かいるのかな」
みさお「んー………遠いからよくみえねぇけど………一人くらいしかいないような………」
かがみ「ふーん………」
みさお「入れるかな?」
かがみ「ちょっとやめときなさいよ、マジ捕まるわよ」
みさお「へっへー、いいじゃねぇかよー、こんなのもう出来っこねぇんだし」
かがみ「ちょっとマジで行くの!?」
みさお「はやくー!ちゃっちゃか動けばすぐ終わるってヴぁー!」
かがも「ったく………見つかっても知んないからね」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 12:08:45.99 ID:dQSaAbwO0

みさお「へっへっへー、何だか肝試しみたいだなー」
かがみ「ちょっと静かにしなさいよ、見つかっちゃうって」
みさお「良いじゃねぇかよー、どうせこんなこともう出来やしないんだし」
かがみ「アンタねぇ………そんなこと言ったって」
みさお「………おいかがみ、ほら、あの教室だぜ」
かがみ「廊下の電気も消えてるのにあそこだけって………何か怖いわね」
みさお「ちょっと覗いてみる」
かがみ「あ、ちょっと!見つからないようにしなさいよ!」
みさお「………」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 19:40:45.87 ID:dQSaAbwO0

一人学校に残り、ふと過去の生徒達を思い出す。
教師を何十年やってきて、出会ってきた生徒はもう何百人となるだろうか。
その中でも特に印象に残ってる生徒。
あの子達のことは今でも強く記憶に残ってる、きっとこれから先も忘れることは無いだろう。
あの子達はもう、あの頃の私の歳を超えたくらいの歳になったんだろう。
時間の流れは嫌なもんだけど、こればっかりはいくら足掻いても逆らえない。
十年以上も前、この教室であの子達の担任を持てて、そのことを私は感謝している。
陳腐な表現になるけれど、あの子達は本当に全員が個性的だった。
あの子達は今でもあの時の用に笑って暮らせているのだろうか………
ま、少なくとも、誰も死んじゃいないだろう、元気に暮らせればそれで何より。
教壇に立って目を閉じると、あの時の記憶がより鮮明に蘇る。
最近私は過去にふけりやすい気がするな、歳のせいだろうか。
もう行かなきゃな。過去にふけるのも良いけれど、私はちゃんと今を見て行かなきゃならないから。
教室を出ようと教壇から離れると、一人の女性が驚いた顔をしてこちらの様子を伺っていた。


「うあっ!びっくりした………あの、もしかして、黒井先生?」
「誰です?こんな時間に勝手に校舎入られちゃ困ります」
「あ、日下部です!3-Cの生徒だった………」
「え?………日下部?………」
「ちょっと、誰と話してんのよアンタ………って、黒井先生!」
「柊!………っと、姉ちゃんの方か」
「びっくりしたぁ、先生、まだここの教師だったんですね」
「あー、思い出した、そっかそっか、アンタら二人とも3-Cだった生徒やな」
「えへへ、お久しぶりです」
「どうしたんや?こんな時間に勝手に校舎入って?警備員さんに見つかったら大変やったで」
「えへへ………ちょっと懐かしくて………」
「まぁええわ、ウチもこれから帰るとこだし、ちょっと着いてきぃや」

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 20:34:57.28 ID:dQSaAbwO0

黒井「偉い懐かしいなぁ、柊はもう結婚したんやっけ?」
かがみ「あ、はい………五年前に」
黒井「そっか、んで、日下部は?」
みさお「え?えーっと………それなりに………あはは」
黒井「そっか……まぁ元気な姿が見られて私もうれしいわ」
かがみ「………」
黒井「柊、つかさはどうしてるんや?」
かがみ「え?………」
黒井「警官なったってのは聞いたんやけど、今でも元気なんか?」
かがみ「………それが」
黒井「ん?………どうした?何かあったんか?」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 20:48:08.98 ID:dQSaAbwO0

黒井「失踪って………それ、ホンマか!?」
かがみ「はい………」
黒井「そんな………何か事件に巻き込まれたんか?」
かがみ「いや………全く分からないんです………突然消えちゃって………」
黒井「………あの子がなぁ」
かがみ「………」
黒井「何かボケーっとしてて危なっかしい子やな〜とは思うとったけど………」
かがみ「………はい」
黒井「ホンマに心当たりとか全く無いんか?行方不明になる前に何か言っとったか?」
かがみ「何も」
みさお「あ、あぁ、でも私の携帯に丁度一昨日電話かかってきました。柊は元気か、って」
黒井「それホンマなん?」
みさお「は、はい………」
黒井「かがみの方に何か会えない理由でもあるんやろか?」
かがみ「え?私に?」
黒井「なんで日下部にかがみの様子聞かなあかんの?直接本人に会えば良いだけの話やん」
かがみ「そんなこと無いです!つかさは私と会えないような理由なんて無いです!」
黒井「い、いや、物の例えやって。………まぁ、とにかく本人の声は聞けたんやし、そのうちひょっこり戻ってくるんとちゃう?」
かがみ「………」
黒井「そんな心配いらへんて、あの子のことや、きっとすっとぼけたような顔して帰ってくるに決まってる」
かがみ「でも………今までこんなことなかったし………」
黒井「姉ちゃんのお前が心配する気持ちも分からんこともないけどな、あの子ももう大人やで?心配いらへんて。元担任の私が言うんやから、ちったぁ信用せぇ!………な?柊?」
かがみ「はい………」

288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 18:51:21.05 ID:5ioIn6IQ0

かがみ「もう真っ暗ね」
みさお「結構ふらついたしなー」
かがみ「今日 日下部の家泊まってもいい?」
みさお「別にいいけどよー ベットはあたしだから柊はソファーな」
かがみ「かまわないわよ」

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:03:50.81 ID:5ioIn6IQ0

かがみ「おじゃまします」
みさお「汚い部屋だけどまぁくつろいでくれよな」
かがみ「ほんとに汚いから困る」
みさお「うぅ・・・やっぱ柊はひでぇよな」
かがみ「あはは冗談よ冗談」
みさお「汚いのは事実なだけにあんまり冗談とも・・・」
かがみ「でもこういう部屋ってなんかいろいろと物色したくなるわね」
みさお「やめろよー?柊 カップめんでいいかー?」
かがみ「うん ありがと」
みさお「ってー物色すんなー 散らかすなよー?」
かがみ「元から散らかってるけどねー・・・って おぉーなつかしい」
みさお「おー?どしたどした?」
かがみ「卒業アルバムあるじゃない」
みさお「おぉ そんなところに!」
かがみ「私どこにしまってたっけなぁ っと」

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:20:28.14 ID:5ioIn6IQ0

かがみ「この写真の日下部 ひどい寝癖ね」
みさお「う〜 そういう柊こそこっちの半目じゃんよ」
かがみ「えぇ!?そんな写真あったっけ!?」
みさお「・・・」
かがみ「ん?どうしたの?」
みさお「いや〜 あたしの移ってる写真はどの写真もあやのが一緒なんだな〜って」
かがみ「あんたたちいつも一緒にいたもんね」
みさお「最近会ってないなぁ・・・」
かがみ「・・・最近は連絡取ってるの?」
みさお「2,3ヶ月に一回くらい電話してるってヴぁ」
かがみ「あんたの両親はそのこと知ってるの?」
みさお「いんや それはさすがに無理だぜ」
かがみ「そう・・・あやのもあんたのお兄さんも無理してないといいけど」
みさお「大丈夫だよ 兄貴はバカだけどあやののことは本当に大事にしてるからさ」

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:50:50.81 ID:5ioIn6IQ0

みさお「うちの親とあやのの親がくだらないことで揉めてなきゃ兄貴達は本当に幸せだったろうにな・・・」
かがみ「・・・」
みさお「まっ こんなこと言ってもいまさらだけどなー」
かがみ「峰岸はさ」
みさお「ん?」
かがみ「あんたが仕事やめて引きこもってること知ってるの?」
みさお「・・・いや知らせてないってヴぁ」
かがみ「でしょうね あんたがこんなことになってるって知ったら真っ先に飛んできそうだもん」
みさお「うん・・・あやののことだからさ たぶん戻って会いにきてくれると思うんだよな」
かがみ「峰岸は本当のお人よしさんだもんね」
みさお「・・・でも電話聞いてる限りじゃ今は兄貴達は二人なんとかうまくやってるみたいだからさ こっちには戻ってこないほうがいいんだよ」
みさお「親同士で喧嘩してるときのあやのは本当につらそうだったし・・・戻ってきたらまたあの時みたいに嫌な空気になるんだ」
かがみ「・・・」
みさお「二人がうまくいってるのにあたしのせいであやの達が不幸になるくらいならあたしが電話で「あたしもうまくいってる」って嘘ついたほうがいいんだよ」
かがみ「日下部・・・」
みさお「まぁ仕事やめたなんてカッコ悪いことわざわざ言いたくないしな!」
かがみ「っておい そこが本音か」

303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 20:12:25.60 ID:5ioIn6IQ0

みさお「お 次は黒井先生のクラスか〜」
かがみ「一度も私たちの担任に当たらなかったわね〜」
みさお「おお!ちびっこだ なつかしいなー 最近どうしてんのかな〜?」
かがみ(つかさ・・・)
みさお「柊?どした?」
かがみ「え・・・あぁ うん」
みさお「大丈夫か?」
かがみ「なんでもないわよ」

みさお「っておお!?カップ麵が!?」
かがみ「うわ・・・」
みさお「いっぱいあるからどんどん食べてくれ」
かがみ「伸びちゃっただけでしょうが」

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:26:53.05 ID:5ioIn6IQ0

かがみ「うわ・・・ なんか変にお腹いっぱいなんだけど・・・」
みさお「なんか今日は疲れたってヴぁ そろそろ寝るか〜」
かがみ「うぅ〜 んじゃソファー借りるわね」
みさお「電気消すぞー?」
かがみ「はいよー」


みさお「・・・」
かがみ「・・・」
みさお「・・・」
かがみ「まだおきてる?」
みさお「んー・・・」
かがみ「峰岸と電話してるって言ってたわよね」
みさお「んー・・・」
かがみ「たぶんさー」
みさお「んー・・・」
かがみ「峰岸気づいてるでしょ」
みさお「んー・・・?」
かがみ「あんたが嘘ついてること」
みさお「・・・?」
かがみ「あんたも知ってると思うけど峰岸ってカン鋭いでしょ それにあんたは結構わかりやすいしね」
みさお「・・・」
あやの「あの子の性格だから無理に問いだしたりはしないでしょうけど・・・」
みさお「・・・」
かがみ「じゃおやすみ」
みさお「・・・」

みさお「あやの・・・」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 23:48:47.60 ID:5ioIn6IQ0

かがみ「はい わかりました 明日ですね ありがとうございます」

みさお「んん・・・柊?どした?」
かがみ「おはよう もうお昼の12時よ」
みさお「それはよくあることだってヴぁ それより今なんか言った?」
かがみ「あんたね・・・いままで一体どういう生活を・・・まぁいいわ さっき電話で明日からバイト来いってさ」
みさお「バイト・・・」
かがみ「そう バイト」
みさお「うぅ〜」
かがみまずは働く意欲を持ちなさいよ 私たち今年で30になるんだしこのくらいの年代の人は普通のパートでいるでしょ」
みさお「・・・」
かがみ「ニート脱出のためにはまずはやる気が大事なのよやる気が わかった?」
みさお「ヴぁ・・・」
かがみ「じゃぁあたしはそろそろ帰るわね 明日から頑張りなさいよ」
みさお「・・・」

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 02:43:43.39 ID:usWVELOB0

かがみ「ただいま〜」
みき「あら かがみじゃない 帰ってくるなら連絡してくれてたらご飯用意してたのに」
かがみ「ごめんごめん ちょっと近くに来たから顔見せようと思ってね」
みき「まぁ顔見せに来てくれるのはうれしいけどねぇ」
かがみ「・・・ねぇ つかさからは?」
みき「・・・」
かがみ「そう」
みき「ほんと・・・ちょっと前まではあの子はベタベタ甘えてきたのにね・・・」
かがみ「・・・」

かがみ「この家も静かになっちゃったな・・・ 姉さんたちも結婚して出ていっちゃったし ってそれは私もか」
みき「お母さんは子供たちが幸せならそれでいいのよ」
かがみ「うん・・・」
みき「ダンナさんとはうまくいってるの?」
かがみ「相変わらずかな あの人ったら仕事ばっかりでほとんど帰ってこないし・・・残業で早朝に帰ってきたときは疲れててすぐ寝ちゃうし・・・私も仕事があるから一緒にいる時間なんてほとんどないかな」
みき「そう でも時間が合わないのはかがみが結婚するときに「仕事は続けたい」って言って認めてくれたんでしょ」
かがみ「そうだけど・・・週に一日くらい休暇とってくれたらいいのに・・・」
みき「まぁダンナさんは今一番働く時期だからねぇ 早く落ち着くといいわね」
かがみ「うん・・・」

かがみ「ん 電話誰からだろ こなたか もしもし?どうしたの?」
こなた『やふー 今どうしてるのかな〜って 』
かがみ「今 自宅にいるわよ」
こなた『そーなのかーってアレー?帰ってないの?だんなさん怒るんじゃないの〜?』
かがみ「ふん 知らないわよあんな奴」
こなた『かがみんは相変わらず冷たいね〜』

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 02:51:11.09 ID:usWVELOB0

みさお「あー そろそろバイトかぁ・・・」
みさお「・・・」
みさお「はぁ・・・」
みさお「んん!!」
みさお「うえぇ・・・」
みさお「・・・」
みさお「はぁ・・・」

370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 02:59:57.48 ID:usWVELOB0

みさお「ん?電話だ・・・柊か もしもし」
かがみ『おーっす 今日バイトどうだった?』
みさお「あー・・・どうって・・・ まぁ普通だったってヴぁ」
かがみ『・・・』
みさお「ひ、柊?」
かがみ『おいおい・・・あんたもしかして・・・』
みさお「な、なんだってヴぁ・・・」
かがみ『はぁ・・・あきれた 今日バイト行ってないんでしょ?』
みさお「う・・・」
かがみ『あんたは声でわかるのよ ったく 今からちょっといい?』
みさお「別にかまわないけど・・・」
かがみ『んー じゃ行くから』

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 03:30:23.88 ID:usWVELOB0

かがみ「日下部?あがるわよー?」
みさお「うぅ」
かがみ「あんたねぇ・・・で?どうして行かなかったの?」
みさお「・・・」
かがみ「『今日は行けない』ってことバイト先に連絡はした?」
みさお「・・・」
かがみ「ちなみにあんたに黙秘権はない」
みさお「してないってヴぁ・・・」
かがみ「やっぱり・・・どうしてすっぽかしたの?」
みさお「・・・いや〜 なんていうかあーいうの駄目だー」
かがみ「・・・」
みさお「じゃ・・・なくて 寝坊しちゃったんだよ うっかりしててさっ ははっ・・・」
かがみ「・・・」
みさお「・・・」
かがみ「あんた昔から嘘ついてごまかすときは相手の顔見ないのよね」
みさお「・・・」
かがみ「なにかあったの?」
みさお「ごめん・・・」
かがみ「別に怒ってるわけじゃないからさ 話してくれないと解らないわよ」

374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 03:43:34.95 ID:usWVELOB0

かがみ「別にわたしはあんたを悪いようにしようとしてるわけじゃないからさ」
みさお「うん・・・」
かがみ「・・・」
みさお「・・・」
かがみ「ったく・・・ん?日下部の携帯鳴ってるわよ」

みさお「ん・・・」
かがみ「誰?」
みさお「これ・・・前につかさからかかって来た番号だ・・・」
かがみ「うそ!?ちょっと!!」
みさお「うん 途中で電話替わるな」
かがみ「う、うん」
みさお「もしもし・・・?」
『・・・』
みさお「つかさか?」

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 04:20:39.75 ID:usWVELOB0

『元気そうだね みさおちゃん』
みさお「───!?」
『あれ?聞こえてるかい?みさおty・・・』 ピッ
かがみ「え?ちょっと!?」
みさお「・・・」
かがみ「何やってんのよ電話切っちゃっt 日下部!?あんた大丈夫!?顔真っ青よ!?」
みさお「な、なんで・・・あいつが・・・」
かがみ「どうしたの!?つかさがどうしたの?」
みさお「なんで・・・うおえっ!!げほっ・・・!ごほっ・・・!」
かがみ「日下部!?日下部!?」

387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 04:42:43.31 ID:usWVELOB0

かがみ「これ お水」
みさお「・・・」
かがみ「落ち着いた?」
みさお「柊・・・ごめん・・・」
かがみ「謝らなくていいわよ・・・一体どうしたのよ?」
みさお「電話切っちゃってごめん・・・」
かがみ「謝らなくていいって・・・」
みさお「・・・」
かがみ「電話 つかさじゃなかったの?」
みさお「つかさじゃなかった・・・」
かがみ「そっ・・・か」
みさお「・・・」
かがみ「一体誰からだったの?」
みさお「・・・」
かがみ「もう・・・どうしたのよ」
みさお「前の会社にいたやつ・・・」
かがみ「はぁ?」
みさお「・・・」
かがみ「えっと・・・?だったらなんでさっき・・・」
みさお「わたしな」
かがみ「ん?」
みさお「前に会社辞める前に虐められてたんだ」

391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 05:10:32.92 ID:usWVELOB0

かがみ「嘘!?あんたが??」
みさお「・・・」
かがみ「え・・・?いやだってあんたってどっちかっていうと周りから好かれるタイプというか・・・」
みさお「なんというか・・・困ったやつに好かれ過ぎちゃったというか・・・」
かがみ「・・・」



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