キョン「うわあ……。」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:10:51.79 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「さあ! みくるちゃん! お着替えしましょうねー!」

キョン「うわあ……。」

ハルヒ「なによキョン。」

キョン「ハルヒ……それ、なんだ?」

ハルヒ「みくるちゃん。」

キョン「俺にはただの人形にしか見えないんだが……。」

ハルヒ「だから、みくるちゃんよ。」

キョン「よく見ると朝比奈さんに似ているような気もするが、どう見ても人形だろ。」

ハルヒ「だから、みくるちゃんでしょ。あんた、さっきからなに変なこと言ってんのよ。」

キョン(お前が言うな!)

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:11:29.05 ID:n7Ge/XxH0

――放課後


ハルヒ「あたしはちょっと用があるから、あんたはみくるちゃんをつれて先に部室に行って。」

キョン(俺にこの薔薇乙女並のサイズの人形を持って校内をうろつけと……?)

ハルヒ「みくるちゃんに傷ひとつでもつけたら承知しないんだから!」

キョン「……わ、わかった。」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:12:09.49 ID:n7Ge/XxH0

――廊下


生徒A「キモーイ!」

生徒B「人形遊びが許されるのはローゼンメイデンの世界だけだよねー!」


キョン(ああああああああ!! 明日から俺、変態決定!!!)


キョン(それにしてもこの人形、朝比奈さんにそっくりだな……。)


カタカタ……


キョン(今、人形が動いたような……。)

キョン(き、気のせいだよな……。)

キョン(あまりにもリアルな人形だからビビっちまったぜ。)

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:13:32.00 ID:n7Ge/XxH0

――部室


キョン「長門……と、古泉だけか。朝比奈さんは……?」

長門「まだ来てない。」


キョン(よかった……。こんな本人そっくりのリアルな人形を持っているところを見られたら、変態扱いされるところだったぜ。)

キョン(いや、すでに廊下ですれ違ったやつらには変態扱いされているか……。)


長門「……それはなに?」

古泉「人形……ですか? まさか、あなたにこんな趣味があったとは……。」

キョン「違う! ハルヒに部室に持って行けと命令されただけで、断じて俺の趣味ではないぞ!」

古泉「いいんですよ。趣味は人それぞれですから。」

長門「ユニーク。」

キョン「だから、違う!」

古泉「そうだ。今日はボードゲームではなく、あなたの大好きなアリスゲームでもしましょうか。」

キョン「好きじゃねーよ! 誤解したあげくに勝手に決めつけるな!」

長門「アリスゲームってなに?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:14:04.85 ID:n7Ge/XxH0

古泉「と、まあ、冗談はこのくらいにしておきましょう。」

キョン(冗談でよかった……。本当によかった。)

長門「アリスゲームってなに?」

キョン「長門、もうこれ以上その話題に触れないでくれ……。」

長門「わかった。」

古泉「それにしても、本当にリアルな人形ですね。まるで(あなたの好きなローゼンメイデンのような)生き人形のようです。」

キョン「今、小声で何かよけいなことを言わなかったか?」

古泉「いいえ。ただ(あなたの大好きなローゼンメイデンのような)生き人形のようだと述べただけですが。」

キョン「やっぱりなんかよけいなことを言ってるだろ。しかも、さっきよりグレードアップしてる気がする。」

古泉「いやだなあ。なにも言っていませんよ。」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 02:15:00.54 ID:n7Ge/XxH0

長門「古泉一樹の言っていることは本当。」

古泉「彼がローゼンメイデンが好きすぎて、その登場キャラクターになりきったあげくに、学校にドールを持ち込んだ変態だということがですか?」

キョン「やっぱり余計なことを言ってんじゃねーか! しかも、今、さらに余計なことをプラスしまくっただろ。」


長門「違う。この人形には生命反応がある。」

キョン「はぁ?」

古泉「どういうことです?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 02:17:58.45 ID:n7Ge/XxH0

カタカタカタ……


キョン「うわっ! 人形が動いた!」

古泉「薔薇乙女シリーズが実在していたとは……。」


人形?「ち、ちがいますぅ〜。」


キョン「しゃ、しゃべった!?」

古泉「まさか、これほどとは……。先ほどは、なりきりだなんて言ってしまってすいませんでした。
   あなたは正真正銘のマスターだったのですね。口調からして、これは第3ドールの翠星石でしょうか。
   では、今日からあなたのあだ名ははキョンくんではなく、ジュンくんですね。改めてよろしくお願いします。ジュンくん。」

長門「あなたは黙って。」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 02:19:26.26 ID:n7Ge/XxH0

人形?「あ、あの、あ、あたしです。朝比奈みくるです。」

キョン「あ、朝比奈さん!?」

古泉「何故、そのような姿に? ジュンくんの趣味ですか?」

キョン「古泉、お前は黙ってろ。」

古泉「……。」

キョン「で、どういうことですか朝比奈さん?」

みくる「わからないんです。朝起きたら、突然こんな姿になっていて……。」

キョン「もしかして、またハルヒのせいなのか?」

長門「97.36%は涼宮ハルヒの影響。」

キョン「中途半端な数字だな。残りの数パーセントはなんd……。」

古泉「わかりました! チビ人間くんが部室に置き忘れたローゼンメイデンのコミックスを読んだ涼宮さんが、
    自分も動く人形がほしいと願ったというわけですね。つまり、2.64%はあなたのせいだと長門さんは言いたいわけです。」

長門「違う。」

キョン「お前はローゼンメイデンから離れろ。変な呼び方をするのもやめろ。」

古泉「ちょっとしたジョークなのだわ。」

キョン「黙れ。」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 02:20:34.58 ID:n7Ge/XxH0

長門「忘れ物をしたのはあなたではなく、あなたの友人。」

キョン「忘れ物ってことは、WAWAWAの方か。クソッ! あの恋のミノル伝説め……!」

みくる「あ、あたし、どうなっちゃうんですかー?」

長門「落ち着いて。」

古泉「そうです。まだ朝比奈さんが完全に人形に改変されたという状況ではありませんし、
    またちょっとしたことがきっかけで他の団員まで涼宮さんに人形に変えられてしまう可能性もあります。」

キョン「そうだな。しかし、これからどうすりゃいいんだ?」

古泉「そうですね……。混乱やアリスゲームを避けるために、朝比奈さんには僕たち以外の人の前では人形のふりをしてもらったほうがいいでしょう。」

みくる「は、はい……。」

キョン「その案には賛成だが、いいかげんにローゼンネタはやめろ。」

古泉「うにゅーなのー。」

キョン(谷口よりも古泉に腹が立ってきた……。)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 02:21:22.08 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「お待たせー!」


キョン(古泉がしつこくローゼンネタをひっぱったせいで、なにも決まらないうちにハルヒが来ちまった。)

古泉(とりあえず、今はは静観するだけにしておきましょう。妙な行動は起こさないでくださいよ。)

キョン(お前がな。)


みくる(お人形のふり……お人形のふり……。)

長門(動かないで。右腕が0.012mm動いた。)

みくる(ふえぇ……。こんなの無理ですぅー。)

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 02:22:24.11 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「なによあんた達、元気ないわね。」

古泉「い、いえ……、ところで、涼宮さん、その大荷物は一体?」

ハルヒ「これはミシンよ! 見てわからない?」

キョン「ミシン? なんでまたいきなりそんなものを持ってきたんだ?」

ハルヒ「なんでって、決まってるじゃない! みくるちゃんの服を作るのよ!」

みくる(ふえぇっ!?)

キョン「なに言ってんだ? さらに訳がわからん……。」

ハルヒ「ほんっと、キョンは物わかりが悪いわねー。」

キョン「お前が変なだけで、俺は普通だ。それに、そのミシンはどこから持ってきたんだ?」

ハルヒ「うっさいわねー! 手芸部の子がくれたのよ! 文句ある?」

キョン(奪ってきたの間違いだろ……。)

ハルヒ「今はひとつしかないけど、残りのミシンも後で届くわ。」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:23:04.89 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「デザインもちゃんと作ってきたし、みくるちゃんのお洋服を作りましょう! さあ、古泉くん! ちゃっちゃと作ってちょうだい!」

古泉「え? 僕がですか……?」

ハルヒ「そうよ! SOS団一のハンクラーの古泉くんなら、こんなの3秒でできるわよね!」

キョン「ほー。お前、手芸もできるのか。」

古泉「し、しかし、デザインだけでは無理ですよ……。せめてサイズがわからなければ……。それに、材料もありませんし。」

ハルヒ「そうだったわね! あたしとしたことが、うっかりしていたわ。」

みくる(!?)

ハルヒ「有希、みくるちゃんのスリーサイズを測るわよ! 脱がせるから手伝って!」

長門「わかった。」

みくる(うぅ……助けて……。)


古泉「我々男性陣は、出ていった方がよさそうですね。」

キョン(すいません朝比奈さん。)

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:24:15.82 ID:n7Ge/XxH0

――廊下


古泉「困りました。」

キョン「いきなり顔が近い! 困るのはこっちだ!」

古泉「いつの間にか、僕は涼宮さんの中で“謎の転校生”から“謎のハンクラー転校生”になっているようです。」

キョン「属性が増えてよかったじゃないか。」

古泉「そういうことではなくですね……。あなたは、家庭科の授業以外でミシンに触れたことがあるのですか?」

キョン「ない……。まさか、お前も?」

古泉「それに、あの機能性を全く無視したデザインの服が普通の高校生に作れるとは思えません。」

キョン「確かに、あれはプロでもないと作れそうにないな。」

古泉「ええ。それに、僕がハンクラーではないとばれたら、涼宮さんはひどく失望してしまうでしょうね。そうなってしまったら僕は良くて薔薇乙女、最悪の場合はファービー化の可能性も……。」

キョン「薔薇乙女はないわ。」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:24:51.91 ID:n7Ge/XxH0

古泉「と、いうわけで、今から機関の手芸が得意な方に頼んで、特訓してきます。
   あ、決して、逃げるという訳じゃないですよ。逃げるんじゃないですからね? 絶対ですよ?」

キョン「いや、お前、どう見ても逃げる気満々だろ?」

古泉「逃げるだなんて人聞きの悪い。」

キョン「走り去りながら言うな。」

古泉「涼宮さんには材料の調達に行ったとかなんか適当なことを言ってごまかしておいてください。涼宮さんの件は任せましたからねー。」

キョン「おい、待て! 俺を一人にするな!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:25:23.43 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「やっと終わったわー! って、古泉くんは?」

キョン「サボリ。」

ハルヒ「なによそれ! 古泉くんは明日会ったら、人間ミシンの刑よ!」


キョン(古泉の野郎……めんどくさいことを俺に全部押しつけて逃げた罰を受けやがれ。)

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:26:05.71 ID:n7Ge/XxH0

――翌日


古泉「ひどいじゃないですか。裏切りましたね。」

キョン(チッ! 生きてやがったか……。)

みくる「古泉くん、大丈夫ですかぁ〜? 全体的にボロボロだけど、特に手がひどいことになってます〜。」

古泉「いえ、これは昨日の特訓による傷なので心配いりません。」

キョン「特訓ってマジだったのか。」

古泉「マジです。何度も指を針で痛めながら頑張りました。まあ、あなたには信じていただけなかったようですが……。」

キョン「すまん古泉。」

長門「……。(手芸本読み中)」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:27:05.76 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「みんな揃ってるわね! 今日こそみくるちゃんのお洋服を完成させるわよ!」

キョン「ちょっと待て。いきなり完成って、今日1日でか? まだ型紙もなにも作ってないし、どう考えても無理だろ。」

古泉「わかりました。お任せください。」

キョン「お、おい……。」

ハルヒ「さすが古泉くんね。あんたも少しは見習いなさい。」


キョン(あんなにあっさり了解して大丈夫なのかよ……。)

古泉(ええ。特訓のおかげで洋裁・和裁にビーズアクセサリー作り、レース編みに編み物、シルバーアクセサリー作りやトンボ玉づくりまでりとあらゆるハンクラの技術を習得しましたから。)

キョン(関係なさそうなのも混じってないか?)

古泉(涼宮さんが望むのなら、これも仕事のうちです。それに……。)

長門(わたしもいる。)

みくる(くしゃみしたい……。でも、がまんしなきゃ……。)

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:28:00.48 ID:n7Ge/XxH0

――帰り道


古泉「さすがに1日では無理でしたね……。」

キョン「作ってるそばからハルヒがデザインを変えていくからな。」

古泉「でも、涼宮さんが満足しているようなのでよかったです。」


ハルヒ「新しいお洋服たのしみね! みくるちゃん!」

みくる(ひゃあ! いきなり私の首を振らないでください〜!)

ハルヒ「あ! UFOだわ! みくるちゃんにも見せてあげる。」

みくる(えっ! えっ!?)

ハルヒ「ほら、高いたかーい!」

みくる(お、おろしてくださ〜い!)

長門「あれはただのビニール袋。」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:28:26.81 ID:n7Ge/XxH0

――休日


ハルヒ「遅い! 罰金!」

キョン「うっ……。」

ハルヒ「全く、キョンには困ったものだわ。ね、みくるちゃん。」

みくる「……。」

キョン(人形を堂々と持ち歩くな。周りの視線がいたい。)

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:29:36.55 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「さあ! 今日も世の中のかわいいドール服を探すわよ!」

キョン「は? 今日は不思議は探さなくていいのか?」

ハルヒ「あんたこそなに言ってんのよ。今日は“素敵なドールライフを大いに盛り上げるため涼宮ハルヒの団”、略してSOS団恒例のドール探索をするって言ったじゃない。」

長門・みくる・古泉「!?」

キョン「ちょっと待て。そんなの恒例どころか初耳だし、団名をいきなり変えるな。SOSって“世界を大いに盛り上げるため涼宮ハルヒの団”の略じゃなかったのか?」

ハルヒ「はあ? なによそれ、悪趣味な団名ね。」

キョン「お前が決めたんだろ。」

ハルヒ「ああもう! 変なことばかり言うバカキョンは無視して班分けするわよ! 方法はいつも通りつまようじのくじ引きね。」


キョン(この班わけは本当にいつも通りだな。)

古泉(目的は変化しているようですが、基本的な行動は変わっていないようですね。)

長門(つまようじの数もいつもと同じ。)

みくる(えぇ! あたし、お人形なのにどうやって引いたらいいんですか?)

ハルヒ「みくるちゃんの分はいつも通りあたしが引くわ。」

みくる(よかった……。)

キョン(ハルヒ、これはいつも通りじゃないだろ。)

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:30:23.73 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「じゃあ、古泉くんから引いて。」


古泉「僕は無印です。」

長門「無印。」

キョン「俺は当たり。」

ハルヒ「あたしは無印で、みくるちゃんは当たりね。」

キョン「嘘だろ……。」


キョン(朝比奈さんには申し訳ないが、大の男が人形を持って外をうろつくのはきつすぎる……。)

ハルヒ「いい? みくるちゃんに傷のひとつでもつけたら承知しないんだから! わかった!?」

キョン(周りからの視線で俺の心がすでに傷だらけだ……。)


長門・古泉「……。」

キョン(あいつらもなんであんな離れた位置にいるんだ。他人のふりをするのはやめてくれ。さらに傷つく……。)

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:31:09.41 ID:n7Ge/XxH0

子供A「ママー! いっこく堂がいるよー!」

子供B「あれwwwwwwwwwwwwwwww声がwwwwwwwwwwwww遅れて聞こえてくるるよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


みくる「キョンくん……ごめんなさい。あたしのせいで……。」

キョン「いえ、いいんです。」


子供C「ママ、いっこく堂! いっこく堂!」

母親「しー! 見ちゃいけません!」

子供B「声遅らせろよwwwwwwww声wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


みくる「本当にごめんなさい……。」

キョン「謝らないでください。朝比奈さんは被害者なんですから。」


子供B「普通に喋るなwwwwwwwwwwwwww早く声を遅らせろwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

子供D「師匠(笑) ブーちゃん(笑) ジョージ(笑) スカーレット(笑)」


キョン(とはいったものの、さすがにこれは泣きそうだぜ……。)

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:31:40.02 ID:n7Ge/XxH0

キョン「ん? あの店はなんだ?」

みくる「お人形を持った人が入っていきましたね。」


キョン(まさか、人形を持って町中をうろつく変態が俺以外にもいたとは……。)

キョン(しかし、あの店に行けば、朝比奈さんを元に戻す手がかりがあるかもしれないな。)


キョン「行ってみましょう。」

みくる「はい。」


子供A「あ! いっこく堂が逃げた!」

子供B「ちょっwwwwwwwww逃げんなwwwwwwwwwwwww声遅らせろwwwwwwwwwwwwwww」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:32:03.67 ID:n7Ge/XxH0

――店の中


みくる「小さなお洋服がいっぱいですね。」

キョン「ここは人形用の服の専門店だったのか。」


キョン(手がかりになるようなものはなさそうだな。でも……)


みくる「かわいい……。あたしもこんなの着てみたいな。」


キョン(朝比奈さんがこんなに楽しそうな顔をしているのは、人形になって以来はじめてかもしれない。)

キョン(もう少しこの店を見ていこう。)

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:32:43.35 ID:n7Ge/XxH0

みくる「じー……。」

キョン「その服が気になるんですか?」

みくる「でも、あなたしなんかにこんなかわいい服……。」

キョン「大丈夫です。きっと似合いますよ。俺が保証します。」

みくる「で、でも……。」

キョン「朝比奈さんに着こなせない服なんてありません。」

みくる「うふふ、キョンくんったら。」


最初は人形を持って歩くことに抵抗があった俺だが、店内を見て回るうちにそれも薄れていった。
店内には人形を持った人間が多かったと言うこともあるが、純粋に朝比奈さんとのデートを楽しんでいたというのもあるかもしれない。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:33:06.09 ID:n7Ge/XxH0

みくる「キョンくん、あの棚なんですけど……。」

キョン「あの棚の上を見たいんですね。ちょっと持ち上げますけどいいですか?」

みくる「はい! ……って、すいません。他の人の前では喋っちゃだめだったのに、あたしったらつい興奮して……。」

キョン「大丈夫ですよ。他の客も気にしてないようですし、それに……。」


老人「カズキィ……カズキィ……。」

青い服の人形「マスター……。」


キョン(俺もあの老人のように、人形に声を吹き替えて会話をしてる変態だと思われてるんだろうしな……。)

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:34:23.13 ID:n7Ge/XxH0

店内をじっくり見た後、俺たちは近くの公園のベンチで休むことにした。
さすがに外に出ると、周りの視線が痛いが、気にしないでおこう。今はただ、知り合いに見つからないことを祈るばかりだ。

キョン「すいません。結局、1着も買えませんでしたね。」

みくる「そ、そんな、キョンくんが悪いんじゃないんです。お人形の服があんなに高いなんてあたしも知らなかったから……。」

キョン「お詫びと言ってはなんですが、これを受け取ってくれませんか?」

みくる「え……、この髪飾りをあたしにですか……?」

キョン「はい。俺が勝手に選んだものなんで、朝比奈さんの趣味にあわないかもしれませんが……。」

みくる「そんなことないです! とってもかわいいです!」


老人「カズキカワイイイイイィ!!!!!!!」

青い服の人形「マスター……。」


みくる「これ、つけてみてもいいですか?」

キョン「もちろんです。」

みくる(……う、腕が短くてつけれない……!)

キョン「……俺がつけます。」

みくる「は、はい……すいません……。」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:35:15.06 ID:n7Ge/XxH0

みくる「どうですか?」

キョン「似合っていますよ。」


老人「うちのカズキは球体間接かわいい!」

青い服の人形「……。」


みくる「キョンくん、今日はありがとうござます。」

キョン「いいえ。」

みくる「学校以外におでかけするのはお人形になってから初めてで、今日はとても心配だったんですけど……。キョンくんのおかげですごく楽しかったです。」

キョン「そう言っていただけて光栄です。」

みくる「それに今日はずっとキョンくんとふたりきりだったし……。」

キョン「朝比奈さん?」

みくる「……あ、あの、その……、この髪飾り、宝物にしますね。」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:36:41.49 ID:n7Ge/XxH0

それからすぐにハルヒから集合がかかり、俺たちはいつもの集合場所へ走ることとなった。


ハルヒ「遅い!」

キョン「こっちは朝比奈さんを抱えながら走ってきたんだぞ。これでも十分急いだ方だ。」

ハルヒ「ふーん、どうだか。それにあんた、手ぶらってどういうことよ! こっちは大漁だったのよ!」


ハルヒが指さす先には、随分大きな荷物を抱えた長門と古泉が立っていた。


みくる(キョンくんのフォローをしたいのにしゃべれないなんて……。)

ハルヒ「みくるちゃん?」

みくる(はひぃ! もしかして、涼宮さんに今の声が漏れて……。)

ハルヒ「この髪飾りはなにかしら?」

キョン「それは俺が朝比奈さんにプレゼントしてさしあげた。」

みくる(よかった。声のことじゃなくて……。)

ハルヒ「ふーん。けっこうかわいいじゃない。あんたにしては上出来ね。」

キョン「そ、そうか? お前がそんなことを言うなんて珍しいな。」

ハルヒ「みくるちゃんも気に入ってるみたいだし。ね、みくるちゃん?」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:37:29.72 ID:n7Ge/XxH0

その日、ハルヒはやけに上機嫌で帰って行った。

そんなハルヒを見て、古泉が、


古泉「ありがとうございます。これでしばらく僕も平和に暮らせそうです。」


と、これまた上機嫌で話しかけてきたが、正直言って、顔が近すぎて気色悪いだけだった。

だが、朝比奈さんが嬉しそうな顔をしていたのは、俺の勘違いじゃないことを祈る。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:37:56.92 ID:n7Ge/XxH0

朝比奈さんが人形になって以来、朝比奈さんを部室までお運びするのは俺の役目になってた。
相変わらず周囲の目は冷たいが、朝比奈さんのためなら耐えてみせるぜ……。


みくる「キョンくん、その袋はなんですか?」

キョン「部室についてからのお楽しみです。」

みくる「うふふ、楽しみにしてますね。」


谷口「キョンのやつ、日に日に腹話術をマスターしていくな。」

国木田「いっこく堂に弟子入りしたって聞いたけど本当かな?」

谷口「今度、声が遅れて聞こえてくるってやつやってもらおうぜ!」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:38:28.28 ID:n7Ge/XxH0

――部室


キョン「まだ長門しか来てないのか。」

長門「……。」

みくる「キョンくん、その袋の中身、見てもいいですか?」

キョン「はい。俺が開けるので、朝比奈さんはそこにいてください。」


長門「……。」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:39:00.28 ID:n7Ge/XxH0

みくる「これは、食器ですか? ちょっと小さいけど……。」

キョン「妹が小さい頃に使ってた人形用の食器です。他にも調理器具みたいのや雑貨も持ってきました。」

みくる「どれもあたしにぴったりの大きさですね。さっそく使ってみようかな。」


古泉「遅れてすいません。」

キョン「よう。」

古泉「……おや、どうやらあなたに先を越されてしまったようですね。」

キョン「?」

古泉「僕も、機関の知り合いから娘さんが昔使ってたというドールハウスや人形用の家具を持って来たんです。」

キョン(古泉のやつ、随分でかいのを持ってきたな。サイズ的に負けたような気がする……。)


長門「……。」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:39:39.87 ID:n7Ge/XxH0

古泉が持ってきたドールハウスは朝比奈さんには小さすぎて会わなかったが、家具はぴったりだった。
小さな椅子に座り、小さなカップでお茶を飲む朝比奈さんは思わず頭をなでて差し上げたくなるほどのかわいらしさだった。


みくる(長門さん?)

みくる(さっきまでいつもの場所で本を読んでたのに、いつの間にこんなに近くに……。)

みくる(どうしよう……。)


キョン「どうした長門?」

長門「いい?」

キョン「いい……ってなんのことだ?」


今の「いい」を肯定と受け取ったらしい長門は、いきなり朝比奈さんに腕を伸ばし……、


そして、恐る恐るといった感じで頭をなでる。

長門の意外な行動に、俺も、朝比奈さんも、あの古泉さえもが固まった。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:40:21.76 ID:n7Ge/XxH0

キョン「……えーと、どうだ長門、朝比奈さんはかわいいか?」

長門「……頭部のメンテナンスが必要。」


そう言うと長門は、朝比奈さんを両手で抱き上げ、
膝の上に乗せて、ブラシで髪の毛をとかしはじめた。


長門「……。」

みくる「……。」


朝比奈さんは困惑している。


長門「……これ。」

キョン「その髪飾りをつけたいのか。」

みくる「キョンくんがくれたやつですね。」

長門「これがあなたに一番似合う。」

みくる「長門さん……。」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:41:13.01 ID:n7Ge/XxH0

長門が朝比奈さんを離さないので、俺と古泉は完全に蚊帳の外になってしまった。


キョン「あの2人があんなに仲良く遊ぶなんて意外な展開だな……。」

古泉「ええ。特に、先ほどの長門さんの行動には驚かされました。」

キョン「お前、固まってたもんな……。」


古泉の長ったらしい言い訳を無視し、幼い少女のように人形遊びをする長門を見る。


長門「データ解析の結果、このスカートが朝比奈みくるに最も似合うことが判明。」

みくる「ほ、本当ですか〜? あたしもこのスカートは気に入ってて……。」


キョン「まあ、実年齢を考えたら相応の遊びなのかもな……。」

古泉「ふふ、そうかもしれませんね。……そうだ、僕たちも仲良く遊びませんか?」

キョン「仲良くはしたくないが、ゲームにはつきあってやる。」

古泉「今日は囲碁にしましょう。」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:41:43.80 ID:n7Ge/XxH0

――数時間後


古泉「どうやら今回も僕の負けのようですね。」

キョン(もう8連勝目か。それにしてもハルヒのやつ、今日はやけに遅いな……。)


みくる「あ、長門さん、終わったみたいですよ。」

長門「……見て。」

キョン「なんだ長門、その服はお前がコーディネートしたのか?」

長門「そう。」

キョン「すごいな。」

古泉「長門さんのセンスもすばらしいですが、それを着こなす朝比奈さんもすばらしいですね。」

キョン「朝比奈さん、かわいいですよ。」

みくる「え、あの、その……、そんなこと言われたらはずかしいです……。」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:42:16.64 ID:n7Ge/XxH0

――部室前廊下


ハルヒ「……。」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:42:31.43 ID:n7Ge/XxH0

――翌日


キョン「朝比奈さん、部室につきましたよ。」

みくる「……。」

古泉「今、専用カップにお茶を用意しますので、少々待っていてください。」

みくる「…………。」

キョン「朝比奈さん? もう喋っても大丈夫ですよ。」

みくる「………………。」

キョン「あの、朝比奈さん?」

古泉「どうしました? 具合が悪いのですか?」

みくる「……………………。」

キョン「朝比奈……さん……?」

みくる「…………………………。」


俺と古泉がいくら話しかけても、朝比奈さんは一言も喋らない。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:43:28.70 ID:n7Ge/XxH0

長門「見せて。」


長門が立ち上がり、朝比奈さんを抱き上げた。

俺も古泉も、昨日のように膝の上に乗せたいのだろうと見ていたが、
長門は朝比奈さんを抱き上げたまま固まってしまった。


キョン「長門?」

長門「……生命反応がない。」

キョン「え?」

長門「朝比奈みくるの生命反応が失われた。」

キョン「嘘だろ?」

長門「本当。……わたしも何度も解析を行った。しかし、結果は全て同じ。」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:44:07.88 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「お待たせ!」

キョン「……ハルヒ……。」


暗い雰囲気をぶち壊すかのような明るさで、その原因が現れた。
俺は危うく自分を失い、ハルヒに手を挙げ、小一時間問いつめそうになったが、


古泉「またちょっとしたことがきっかけで他の団員まで涼宮さんに人形に変えられてしまう可能性もあります。」


といういつだったかの古泉の言葉を思い出し、その衝動を無理矢理押しとどめた。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:44:37.64 ID:n7Ge/XxH0

――帰り道


古泉「あなたが涼宮さんに手を挙げようとするのではないかと心配しましたが、冷静に対応しましたね。偉いです。」

キョン「頭を撫でるな気色悪い。だいたいお前に褒められても嬉しくない。」

長門「……古泉一樹は自重するべき。」

古泉「すいません長門さん。今後の対策を練るのでしたね。」

キョン「そうだそうだ。ふざけている場合じゃないぞ古泉。」


古泉「僕は機関にこの件を報告し、協力を仰いでみます。」

長門「わたしも独自の分析を始める。」

古泉「涼宮さんはあなたに任せるのが一番でしょうね。」

キョン「本当は嫌だが、朝比奈さんのためなら仕方ない。」

古泉「お互い、なにかわかり次第、連絡しあいましょう。これは一刻を争う事態です。」

キョン「ああ。」

長門「わかった。」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:45:22.77 ID:n7Ge/XxH0

――一週間後


キョン「あれからもう一週間だっていうのに、手がかりなしか……。」

古泉「そんなことはありませんよ。これを見てください。」

キョン「今日の新聞か。なんかハルヒの好きそうな記事でもあったのか?」

古泉「ええ。今日の夜に面白そうな映画が放送されるようですよ。」


と、古泉に見せられたテレビ欄には、
子供達が寝静まった後におもちゃが動き出すという内容の映画が放送されると書かれていた。


長門「○○・○○ー○ー……言語化不能。」


映画の名前は怖くて書けない。
長門に言わせると、“禁じられたワードを呟けば最後”ってやつだ。
書いたら大量のネズミに襲われるかもしれない。配給元的に考えて。


古泉「涼宮さんがうまくこの映画の影響を受けてくれたら、朝比奈さんを元の姿とまではいかなくても、意識を取り戻すことくらいはできるかもしれません。」

長門「涼宮ハルヒの思考パターンから、その作戦が成功する確率は高い。」

キョン「うまくいくといいんだがな。」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:46:13.41 ID:n7Ge/XxH0

――翌日


ハルヒ「もしも、おもちゃが動いたら面白いと思わない?」


昨日、しつこいくらいあの映画の話題を振ったせいか、ハルヒは俺たちの作戦にまんまとはまったようだ。
古泉の長ったらしい映画蘊蓄は役に立ったとは思えないが、
長門の“あらすじを言うだけ言って肝心のオチだけを言わない攻撃”も効いたのかもしれない。


ハルヒ「あたしにもあんなおもちゃがあったらいいのに。」


キョン(単純なやつめ……。)


ハルヒ「そうだ、いいことを思いついたわ!」


ハルヒ「有希、この服を着なさい。」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:46:34.10 ID:n7Ge/XxH0

キョン「……今、なんて言った?」

ハルヒ「有希にみくるちゃんとおそろいの服を着せるのよ。」

キョン「なんでそうなるんだ! 俺はてっきり、朝比奈さんが動けばいいなーとかそういう話になるんだと思ってたんだが。」

ハルヒ「バカねー。人形が動くわけないじゃない。」

キョン(まさに正論。言い返せねぇ……。)

ハルヒ「だから、有希にみくるちゃんと同じように服を着せてその疑似体験するのよ。」

キョン「あいかわらずお前の考えていることは突拍子がなさすぎてついていけん。」

ハルヒ「ここにデザインを置いておくから、あんた達はその通りに服を作りなさい。あたしは超新作デザインの作成に取りかかるわ。」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:46:59.00 ID:n7Ge/XxH0

キョン「言いたいことだけ言って出ていきやがった。結局、服を作るのは俺たちかよ……。」

古泉「まあまあ。ここは涼宮さんに従いましょう。」

キョン「従うっていってもなあ……。長門もよかったのか?」

長門「いい。涼宮ハルヒはわたしがメイド服を着ることを望んでいた。」

キョン「いくらハルヒが望んだことだからって、その格好は……。」

長門「……変?」

キョン「い、いや。変じゃない。」

古泉「長門さん、彼は照れているんですよ。」

長門「?」

キョン「古泉、お前は余計なことを言わなくていい。」


キョン(それにしてもハルヒのやつ、朝比奈さんと“同じように”とか言ってたな……。)

キョン(嫌な予感がする……。)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:47:22.20 ID:n7Ge/XxH0

あれから2週間経ったが、長門には何の変化もない。
ハルヒの機嫌も良く、俺たちは朝比奈さんが動かないこと以外は平和に過ごしていた。


長門「お茶、いる?」

キョン「ああ。」

古泉「僕もいただきます。」

長門「あなたは?」

みくる「……。」

長門「そう……。」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:47:53.69 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「5着目完成! キリがいいから、今日はこのへんで解散! 片付けはあんたにお願いするわ。」


キョン「なんで俺が!」

古泉「まあまあ、僕も手伝いますよ。」

長門「……。」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:48:19.67 ID:n7Ge/XxH0

古泉「やっと片付きましたね。そろそろ帰りましょう。」

キョン「ん? 長門はまだ帰らないのか?」

長門「まだ着替えていない。」

キョン「ああ、そうか。」

長門「そう……。」

キョン「……。」

長門「……。」

キョン「……なあ、長門、お前は本当にそれでいいのか?」

長門「?」

キョン「ハルヒの命令だからって、そんな服まで着て……。」

長門「変?」

キョン「違う。そうじゃない。」

長門「……?」

キョン「ハルヒは、お前に朝比奈さんと“同じように”服を着せたいと言っていた。その“同じ”っていうのは、服だけのことなのか? それとも……。」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:49:05.62 ID:n7Ge/XxH0

長門「……。」

キョン「俺はお前が心配なんだ。」

長門「……大丈夫。」

キョン「長門?」

長門「涼宮ハルヒの状態は非常に安定している。これは長期に渡って継続されるものと予測される。」

キョン「しかし、それもいつまで続くか……。」

長門「大丈夫。」


長門が俺の両手を握った。
あたたかい感触が伝わり、俺の中にあった不安を溶かしていった。


長門「わたしは大丈夫。ここにいる。」

キョン「そうか。じゃあ、俺はお前の言うことを信じるよ。」

長門「わたしもあなたを信じている。」


古泉「僕はこれからバイトなので、お先に失礼したいんですけど……。お2人とも聞いてませんね?」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:49:22.08 ID:n7Ge/XxH0

翌日、すっかり元気を取り戻した俺は、いつもより早起きをして学校に向かった。
しかし、早く来すぎたせいか教室には誰もいない。


キョン(暇だ。なにもすることがない。)


キョン(……部室にでも行ってみるか。)


キョン(長門、いるかな。)

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 02:49:50.95 ID:n7Ge/XxH0

――部室


キョン「なんだ、古泉、お前も来てたのか。」

古泉「……。」

キョン「長門は……。」


長門はいつもの場所に座っていた。

人形の姿で。


キョン「長門……。」

古泉「僕が来たときにはすでにこの姿でした。」

キョン「どうしてこんなことに……。」

古泉「……。」


キョン(ん? なんで古泉はこんな朝早くに部室にいるんだ?)

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:14:35.83 ID:n7Ge/XxH0

キョン「古泉、昨日、バイトがあったって言ってたな。何か知ってるんじゃないのか?」

古泉「いえ……。」

キョン「なにかわかり次第、連絡しあうって約束だっただろ。」

古泉「僕にも、機関にもよくわからないのです。」

キョン「かまわない。話してくれ。」

古泉「昨日、僕が機関に呼ばれたのは、単なる業務連絡のためでした。」

キョン「業務連絡?」

古泉「ええ。なんでも機関内で手芸サークルを開講するとかでその勧誘です。もちろん、僕はすでにSOS団に加入している身ですので、断りましたが。」

キョン「……。」

古泉「露骨に呆れた顔をされても困ります。問題なのはここからです。」

キョン「勧誘がしつこかったとか?」

古泉「それもありますが……。しつこい勧誘をようやく振り切った後に、閉鎖空間が発生したんです。嫌な予感がして朝一番に部室の確認をしに来たところ、この状況でした。」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:15:43.16 ID:n7Ge/XxH0

キョン「閉鎖空間? 昨日のハルヒはあんなに機嫌がよかったじゃないか。」

古泉「昨日だけではなく、ここ数週間ほど涼宮さんの状態は非常に安定しており、この状態が今後も維持されるものだと我々は推測していました。」

キョン「長門も同じようなことを言っていたな……。」

古泉「ええ。機関の中には、昨日の片付け後のお二人の行動が原因だと主張する方もいました。」

キョン「俺のせいで長門がこんなことになったっていうのか……。」

古泉「落ち着いてください。それはありえません。あの場には僕もいましたが、涼宮さんの気配は感じませんでした。
   僕が気づいてなかっただけだとしても、長門さんなら気づいていたでしょうし、なによりお二人のあの行動と閉鎖空間発生時間との間にはタイムロスがありすぎます。」

キョン「そうだな……って、なんで機関のやつらに俺の行動がばれてるんだ?」

古泉「禁則事項です☆」

キョン「絶対、お前がちくったんだろ。」

古泉「禁則事項です☆」

キョン「……。」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:17:01.27 ID:n7Ge/XxH0

古泉は閉鎖空間の出現を心配していたようだったが、
その日のハルヒはいつもと変わぬ学校生活を送っていたようだった。
ただし、持ち歩く人形が一体増えた以外は、だが。


キョン「何も起きなければ起きないで怖いな。」

古泉「嵐の前の静けさ、ですかね。」


ハルヒ「ちょっと、そこ! 喋ってる暇があるならさっさと縫う!」


古泉「今はこれを仕上げるのに集中したほうがよさそうですね。」

キョン「そうだな。」


ハルヒ「……。」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:18:01.62 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「ふう、針仕事をすると疲れるわね。」

古泉「だいぶお疲れのようですね。」

ハルヒ「そうね。そろそろ休憩にしましょ。」

古泉「お茶でもいれましょうか?」


キョン(こ、古泉のお茶……!?)

キョン(朝比奈さんと長門がいないからしかたないとはいえ、野郎の、しかも、古泉のいれたお茶なんか飲んでも癒されそうにないな。)

キョン(っていうか、古泉、そんなに並々と注ぐな。歩くたびにこぼれてる。)

キョン(ふらふらしながらこっちに来るな。こぼれてるこぼれてる。)


古泉「あっ。」


ベチャ!


キョン「ぎゃー!」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:19:43.49 ID:n7Ge/XxH0

熱い茶をぶっかけられた俺は、古泉によって保健室に連れてこられた。
幸いにも、俺のやけどはたいしたことがないと保険医は言っていたが、


古泉「すいません。」


古泉、お前のことは許さん。自分が原因の癖にへらへら笑ってるんじゃねえ。


古泉「しかし、あなたとふたりきりになるには、この方法しか思いつかなかったのですよ。」


きめえ。助けてくれ。おかしいだろこの展開は。


古泉「なにか誤解をされているようですが……。僕はただこれを一刻も早くあなたに渡したかっただけです。」


古泉が手紙のようなものを渡してきた。その手紙は俺宛で、差出人は長門だった。よかった、古泉じゃなくて。


古泉「茶筒の中から発見しました。涼宮さんに見つからずに渡すためとはいえ、手荒な真似をしてすいませんでした。」


長門からの手紙には、自分がもうすぐ人形にされるだろうということ、それに気づくのが遅れたこと、
それに対する俺たちへの詫び、自分が人形になった後のことをバックアップに任せたということ、
そして、朝比奈さんと共に元の姿に戻れると信じているとのことが簡単に書かれていた。

俺たちは、バックアップの喜緑さんと接触しようと生徒会室へと向かったのだが……。

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:20:34.81 ID:n7Ge/XxH0

――生徒会室


会長「あうあうwwwwwwねむいのですwwwwwwwwwwwwww」

会長「古泉は人使いが荒すぎなのですwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

会長「えみりちゃんだけが癒しなのですwwwwwwwwwwwww」


キョン「……。」

古泉「……。」

会長「あ、いや、その……この人形は、えみりちゃ……いや、親戚の子の忘れ物で……。」

キョン「……。」

古泉「残念ですが、留守のようです。」

キョン「待て古泉……、あの人gy……。」

古泉「誠に残念なことです。いやあ残念残念。」

キョン「…………そうだな……。」

会長「……。」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:21:38.85 ID:n7Ge/XxH0

古泉「とんだ無駄足でした。」

キョン「……そうだな。」

古泉「困りました。二重の意味で。」

キョン「……お前も大変だな。色々と。」

古泉「アレの件は置いておいてですね、」

キョン「“アレ”扱いかよ。」

古泉「何故、長門さんだけではなく、喜緑さんまd……。」


(閉鎖空間で〜の僕は〜♪)


古泉「失礼。機関からの電話です。」

キョン「自分の歌を着メロにするな。」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:22:26.71 ID:n7Ge/XxH0

キョン(しかし、このタイミングで機関からの電話か。悪い知らせじゃなければいいんだが。)


古泉「もしもし、古泉です。」

古泉「……はい、……ええ。今ですか? 彼女は落ち着いていますが……。」


キョン(またハルヒがなにかやらかしたのか?)


古泉「え? はい、そうですか……。」


キョン(古泉の顔色が悪くなった。やっぱり、悪い知らせなのか?)


古泉「その件でしたら、前にもお断りしました。」

古泉「ですから、この緊急時にサークル活動になど精を出している暇はないのではないかと何度も申し上げているじゃありませんか。」


キョン(なんだまた手芸サークルの話かよ。驚かせやがって。)


古泉「そんなことよりも、今、生徒会室d……あ、ちょっと、勝手に切らないでください!」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:23:05.42 ID:n7Ge/XxH0

キョン「また勧誘か。機関とやらものんきなもんだ。」

古泉「すいません。」

キョン「お前のせいじゃないだろ。お前の周りがちょっと……いや、かなりおかしいだけで。」

古泉「否定できませんね。本当にこれはおかしな事態ですよ……。」


古泉(上層部は涼宮さんのことよりも手芸のことばかり考えていて、まるで話になりません。)

古泉(それに、先ほどの生徒会室のアレ……。)

古泉(僕の知らないうちに機関が変わっていっているような……。)

古泉(変わってるというより、弱体化といった方が正しいかもしれないですね。)

古泉(……弱体化?)

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:24:30.29 ID:n7Ge/XxH0

――部室


ハルヒ「遅かったわね。」

キョン「悪い。」

ハルヒ「やけどはたいしたことなかったみたいね。」

キョン「まあな。」

ハルヒ「古泉くんは? 姿が見えないけど?」

キョン「あいつは緊急のバイトだと。」

ハルヒ「ふーん……。」

キョン「……?」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:26:03.21 ID:n7Ge/XxH0

その翌日から、古泉がバイトで部室に来なかったり、早退したりすることが多くなった。
機関の手芸サークルに強制入部させられてしまったのかもしれない。かわいそうに。

古泉という大きな戦力を欠き、ハルヒデザインのドール服の制作作業は大幅に遅れることとなった。


キョン「……う〜ん、朝比奈さ〜ん……長門……。。」

キョン「……なんだ夢か。」


どうやら俺は作業の途中で寝てしまったらしい。


キョン「まずいな、全然作業を進められなかった。これじゃあ、ハルヒに何を言われるか……。」

ハルヒ「Zzz…」


キョン(なんだハルヒも寝てたのか。)

キョン(よし、いまのうちに作業を進めよう。)

キョン(その前に、ハルヒに何かかけてやった方がいいな。風邪をひかれても困る。)

キョン(起きるなよ……。)


そーっと、俺の上着を掛けてやったつもりだったが、ハルヒは目を覚ましてしまった。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:26:42.28 ID:n7Ge/XxH0

キョン(コレはまずいことになった……)


ハルヒ「あたしが寝てる間にサボってた、なんてことないでしょうね?」

キョン「ま、まさか……。」

ハルヒ「本当かしら?」

キョン「あ、当たり前だろ……。」

ハルヒ「じゃあ、隠してないで見せなさい!」

キョン「あっ! やめ……!」


ハルヒ「……。」

キョン(全部見られた。さよなら俺。)

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:27:32.45 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「……キョン。」

キョン「ハルヒ、すまん。これには事情が……。」

ハルヒ「こんなに作業を進めてくれたなんて、ちょっと見直したわ。」

キョン「え?」


キョン(どういうことだ? 俺はずっと寝てて、作業は全く進んでないはずだが。)


ハルヒ「あんた裁縫の腕あげたんじゃない? あたしの指導のお陰かしらね。」

ハルヒ「これからもバンバン指導していくから覚悟しなさい!」


それから俺は下校ギリギリの時間までハルヒに文字通り手取り足取り裁縫を教わる羽目になった。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:28:47.31 ID:n7Ge/XxH0

――翌日


キョン(また知らない間に作業が進んでいる……。これはもう完成に近いレベルだな。)

キョン(これはハルヒがやったにしては丁寧すぎるし、もちろん俺には無理だ。)

キョン(まさか長門……?)


長門に声をかけたり揺すったりしてみたが、返事はない。ただの人形のようだ。


キョン(朝比奈さん……は、ないな。作業の質的に考えて。)

キョン「あと考えられるのは古泉か……。」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:30:17.08 ID:n7Ge/XxH0

古泉「僕がどうかなさいましたか?」

キョン「うわっ! いきなり顔が近い気色悪い!」

古泉「久しぶりに再会したというのにひどいですね。」

キョン「俺は再会したくなかった。」


古泉「で、僕に何か?」

キョン「いや……おかしなことを聞くが、お前って昨日の部活は休んだよな?」

古泉「はい。」

キョン「部室に行ったりしてないよな? たとえば、俺が居眠りをしている間とかに。」

古泉「行きましたよ。」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:31:54.01 ID:n7Ge/XxH0

どういうことだとか、なんでそんな気持ち悪い真似をしたのかとか聞きたいことは沢山あったが、
古泉が「ここではお話しすることはできません。」などと言いやがったため、俺たちは場所を移して会話をすることになった。


――生徒会室


会長「あうあうwwwwwwwwwww勝手に入ってくるなんてひどいのれすwwwwwwwwwwwwww」

キョン「なにが“ここではお話しすることはできません”だ。どう考えてもこの部屋の方がまともに話ができる場じゃないだろ。」

古泉「すいません。でも、涼宮さんに聞かれてはまずいですし、ここで話を聞いていただいた方がわかりやすいと思ったのです。」

会長「ひどいのれすwwwwwwwwwwwひどいのれすwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

キョン「本題に入る前にこの閉鎖空間の神人を倒していいか?」

古泉「気持ちはわかりますが、それは許可できません。」

キョン「やれやれ。さっさと話を終わらせてここから出るとするか。」

古泉「そうですね。では、本題に入ります。」

会長「あうあうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:33:29.13 ID:n7Ge/XxH0

古泉「お察しの通り、僕は妖精です。」

キョン「……。」


キョン(ついに古泉までおかしくなっちまったのか同じSOS団の一員として、嫌々ながらもそこそこ親しくしていた古泉ともここでお別れのようだ……。)


古泉「あの、無言で帰ろうとしないでください。」

会長「そういう古泉も、僕とえみりちゃんのおうちから出て行くのれすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

キョン「くだらない冗談を言いたいだけなら俺は帰るぞ。」

古泉「冗談ではありません。」

キョン「冗談じゃないならさらにたちが悪い。」

古泉「本当に今の僕、いえ、僕たちは妖精なんです。」

会長「こいつら僕を無視しやがったのれすwwwwwwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

キョン「“今の”?」

古泉「ええ。ある日を境に閉鎖空間が出現しなくなり、我々は超能力者ではなく妖精へとなってしまったのです。」

会長「あうあうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

古泉「あなたはこのようなお話を聞いたことがありますか?」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:34:19.87 ID:n7Ge/XxH0

古泉の話は相変わらず長い&外野があうあうとうるさいので、読書の皆様には俺が適当に要約しよう。

昔々あるとことに、貧しい靴屋がいたらしい。
その靴屋は腕はよかったが、働けども働けども暮らしは楽にならない。
ある朝、靴屋が目を覚ますと、作った覚えのない靴が置いてあった。
試しにその靴を売ってみたところ、これがなかなかの評判で高く売れた。
それからしばらく、朝起きたら勝手に靴が完成しているということが続いた。
不思議に思った靴屋が、ある夜こっそり仕事場を覗いてみると、なんと小さな妖精が靴を作っているではないか。


古泉「グリム童話のひとつだそうです。妖精ではなく小人というパターンもあるそうですが、ここでは妖精にさせていただきました。」

キョン「よけいなトリビアはいらん。この童話とお前の電波発言の関連性を簡潔に説明してくれ。」

古泉「簡単に説明しますと、この妖精が我々元超能力者で、靴職人が涼宮さんです。」

キョン「やっぱりハルヒか。」

古泉「今の我々の仕事は、涼宮さんの睡眠中にドール服を完成させることです。昨日の放課後もあなたと涼宮さんの睡眠中に部室に忍び込み、任務を遂行させていただきました。」

キョン「全然気づかなかった……。」

古泉「任務中は手のひらサイズの妖精の姿をしていますから無理もないでしょう。あ、もちろん羽も生えていますよ。衣装などはピーター○ンのティンカー○ルを想像してみてください。」

キョン「やめろ。想像したくない。」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:34:59.84 ID:n7Ge/XxH0

キョン「お前の昨日の行動と電波発言についてはよくわかった。しかし、なんだってこんな場所をわざわざ選んだ? 周りの騒音がひどすぎる。」

古泉「それは見ての通りです。機関の現状をあなたに知っておいてほしかったんです。」

キョン「見ての通りと言われても非常に困る。」

古泉「アレを見て、思ったことを素直に述べてみてください。答えはおのずと出てくるはずです。」


会長「あうあうwwwwwwwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


キョン「おかしい……と、思う。」

古泉「他に何か感じませんか?」

キョン「他にだと? おかしい以外に何があるってんだ。」


会長「話が終わったなら早くかえるのれすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


キョン(……“れす”?)


キョン「悪化してる……?」

古泉「正解です。すばらしい観察眼ですね。」

キョン「できれば気がつきたくなかった……。」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:36:10.15 ID:n7Ge/XxH0

キョン「つまり、機関=おかしい。さらにそのおかしさが悪化しているというわけか。」

古泉「恥ずかしながらその通りです。弁解のしようもありません。」

キョン「もしかして、例の手芸サークルもそのおかしさの一環か?」

古泉「おそらくは……。機関の上層部は手芸に熱中し、一時は閉鎖空間の出現にも気づかないほどでした。」

キョン「閉鎖空間に気づかないだと?」

古泉「心配なさらないでください。今は我々の役割が手芸に関連するものへと変化したので職務放棄はしていません。」

キョン「職務放棄してたのか……。」

古泉「ですが、機関は本来の機能をほとんど果たしていません。この状況に危機感を覚えているのも僕くらいのものです。」

キョン「なんというか、乙。」

古泉「労いのお言葉ありがとうございます。」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:37:54.67 ID:n7Ge/XxH0

古泉「ここから先のお話はあくまでも僕の想像ですが……。僕個人としては、この状況は悪化というより弱体化と見ています。」

キョン「弱体化?」

古泉「力を失い、最後には消えてゆく……。機関……いえ、超能力者の役割はもうすぐ終わります。おそらく次に人形になるのは僕です。」

キョン「変な冗談はよせ!」

古泉「思えば、団名が“素敵なドールライフを大いに盛り上げるため涼宮ハルヒの団”へと変更されたときに気づくべきでした。いつしか涼宮さんが超常現象に興味を失いかけていたことに……。」

キョン「あのハルヒがおかしな出来事に興味がなくなるなんてことあるか!」

古泉「現に未来人と宇宙人はその役割を終えています。そうなると、次は我々超能力者の番と考えるのが自然でしょう。」

キョン「ハルヒがそんなことを願うはずがない!」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:38:56.67 ID:n7Ge/XxH0

古泉「落ち着いてください。」

キョン「落ち着いてられるか! 人形にされるかもしれないってのに、お前はなんでそんなに冷静なんだ!!」

古泉「あなたを信じているからです。」

キョン「……古泉?」

会長「ガチホモ野郎きもいのれすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

古泉「長門さんも(僕をスルーして)おっしゃっていたではないですか。あなたを信じると。」

会長「えみりちゃんは見ちゃだめなのれすwwwwwwwwwww目が腐るのれすよwwwwwwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwwwwwwwww」

古泉「僕が動けなくなっても、あなたがいる。鍵のあなたがいれば扉は開きます。」

会長「あうあうあうあうあううあwwwwwwwwwwww目が目があああwwwなのれすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

キョン「古泉……。」


キョン(いい感じのことを言ってたようだが、騒音がひどすぎて半分くらいしか聞けなかった……。)

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:40:26.96 ID:n7Ge/XxH0

キョン「古泉、もういっk」

会長「どうでもいいから早く帰るのれすwwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

会長「ここは僕とえみりちゃんのおうちなのれすよwwwwwwwwwwあうあうあうあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

会長「帰れwwwwwww帰れwwwwwwwwwwwwwww」

会長「東京に帰るのれすwwwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwwwwあうwwwwwww」

キョン「……。」

古泉「……ここから脱出しましょうか。」

キョン「そうだな。」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:42:35.49 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「ふたりとも、探したわ。」


閉鎖空間よりも閉鎖的な空間からやっとのことで抜け出した俺と古泉だったが、一息ついている暇もないようだ。
どうしてお前が生徒会室前にいるのかこっちが聞きたい。


キョン「その手に持っているものは何だ。」

ハルヒ「なにって見てわからない? メイド服よ。」

キョン「人形用にしてはやけにでかいな……。」

ハルヒ「人間用なんだからあたりまえでしょ。」

キョン「人間用?」

キョン(朝比奈さんは元々メイド服着用キャラ。長門は人形にされる前にメイド服を着せられていた。もしかして、メイド服=死亡フラグ?)

ハルヒ「さあ! k」

キョン「ちょっと待て! 古泉に着せるとか言うなよ気持ち悪い見苦しい! 視界の暴力反対!」

古泉「フラグ回避をしてくださるのは嬉しいのですが、視界の暴力とはひどいですね。このような事態を想定してすね毛も処理済みです。。」

キョン「その用意周到感がよけいに気持ち悪い。」

古泉「そうですか? ちょっと自信があったのですが残念です。」

ハルヒ「勝手に盛り上がってるとこ悪いんだけど、これを着るのは古泉くんじゃなくてキョンなんだけど。」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:44:03.19 ID:n7Ge/XxH0

キョン「いや、それはない。」

古泉「そうですよ。すね毛処理的に考えても僕が着るのが妥当だと思います。」

ハルヒ「さすが副団長、すばらしいやる気ね! 大丈夫、安心して! あたしのライバル兼心友が古泉くん用のメイド服を用意してくれているわ!」

古泉「え……、いえ、僕はそんなつもりでは……。」

キョン「つーか、ライバル兼心友って誰だ。この場所からして嫌な予感がするのだが……。」

会長「嫌な予感とはひどいのれすwwwwwwwwwwwwあうあうあうwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

キョン「もしかしなくてもあんたか……。」

会長「僕なのれすよwwwwwwwwwwwあうwあうwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ハルヒ「このメイド服、絶対古泉くんに似合うわ。さすが心の強敵(とも)、あたしも負けられないわね。」

古泉「そ、そうですか……。」

ハルヒ「さあふたりとも! さっそく着てみてちょうだい!」

キョン「お断りする。」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:46:19.55 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ「いいから着なさい。あんたたちもあたしのお人形になるの。」


ハルヒがそう言った瞬間、隣にいたはずの古泉が消えた。


ハルヒ「古泉くんならここに居るわ。」


不気味に笑うハルヒの腕の中に、古泉そっくりの人形がいた。しかも、メイド服で。


ハルヒ「次はあんたが着る番よ。」


いつものことだが、俺に拒否権はない。
反論しようと思ったときには既に口が動かなくなっていた。
足も動かない。手も動かない。何も動かない。身体が縮んでいく。

ハルヒ……どうしてこんなことを願っちまったんだ……。


ハルヒ「これでみんなずっと一緒ね。」


                                                       おわり

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:49:11.71 ID:n7Ge/XxH0

キョンと有希とみくるちゃんと古泉くん。
あたしはこの4人をまとめるSOS団の団長。


ハルヒ「ローゼン……メイデン?」


きっかけは些細なことだったわ。
谷口のアホが教室に忘れていった漫画。


ハルヒ(どうせよくある萌え系の漫画にきまってるわ……。)


なんて思いながら読んでみたら、意外と面白いじゃないの。
人形が動くなんて不思議だわ。あたしにもこんな人形があったらいいのに。
そうねえ、顔はみくるちゃんみたいでかわいいのがいいわね。

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:50:15.71 ID:n7Ge/XxH0

キョンと有希と古泉くん。それと、お人形のみくるちゃん。
あたしはこの3人と1体をまとめるSOS団の団長。

みくるちゃんはお人形だけど、大切な存在。
理由はあたしにもわからないけど、ただの人形じゃない気がするのよね……。


ハルヒ「今日はちょっとキョンに言い過ぎたかしら……。」

ハルヒ「でも、キョンが悪いのよ……。」

ハルヒ「……明日、謝った方がいいかしら……。」

みくる(涼宮さん……。)

ハルヒ「みくるちゃん?」

ハルヒ「もしかして、慰めてくれるの?」

ハルヒ「……ありがとう。」


みくるちゃんはあたしだけの大切なお人形。
あの日まで、あたしはそう信じていた。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:51:49.77 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ(みくるちゃん用のカップを探していたらすっかり遅れちゃったわ……。)

ハルヒ(キョンたち、ちゃんとみくるちゃんの面倒を見てるのかしら?)

ハルヒ(なんか心配なのよね……。)

ハルヒ(みくるちゃんもあたしがいなくて不安に思ってるに違いないわ。)


あたしは急いで部室に向かった。
部室からキョンたちの声が聞こえる。みくるちゃんを仲間はずれにしてたら許さないんだから。

でも、部室ではあたしの考えていたことと正反対のことが起きていた。


キョン「なんだ長門、その服はお前がコーディネートしたのか?」

長門「そう。」

キョン「すごいな。」

古泉「長門さんのセンスもすばらしいですが、それを着こなす朝比奈さんもすばらしいですね。」

キョン「朝比奈さん、かわいいですよ。」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:53:08.48 ID:n7Ge/XxH0

みくるちゃんはみんなに囲まれて楽しそうだった。
あたしが持ってきたやつなんかよりずっとかわいいカップ、あたしなんかじゃ買えないようなミニチュアの家具やドールハウス。
あんなの一体、誰が持ってきたっていうの?

キョンはみくるちゃんを運ぶのさえもあんなに嫌がっていたじゃない。
それなのにどうしてみくるちゃんにへらへら笑いかけてるの?

有希はみくるちゃんに無関心だったはずよ。
それなのにどうしてみくるちゃんを抱っこしてるの?

古泉くんは笑顔で誤魔化しながらできる限りみくるちゃんとの接触を避けようとしてた。
それなのにどうして心から
笑っているの?

なんでみんなあんなに楽しそうなの?
いつの間にみくるちゃんと仲良くなったの?


あたしのみくるちゃんを取らないで。

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:54:39.39 ID:n7Ge/XxH0

キョンと有希と古泉くん。それと、お人形のみくるちゃん。
あたしはこの3人と1体をまとめるSOS団の団長。


ハルヒ「お待たせ!」

キョン「……ハルヒ……。」


今日のキョンは様子がおかしいわね。どうしたのかしら?

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:56:19.92 ID:n7Ge/XxH0

キョンはしばらくのあいだ変だったけど、その日は特におかしかった。
あたしが何を言ってもとある映画の話ばかり。有希と古泉くんもその映画が好きみたい。
別にあたしはそんな映画に興味ないんだけど、あんたたちがそこまで言うなら見てあげてもいいわ。


ハルヒ(意外と面白いじゃない……。)

ハルヒ(動くおもちゃねぇ……。)

ハルヒ(みくるちゃんも動いたら面白いのに。)

ハルヒ(って、そんな夢みたいな話あるわけないわよね……。)

ハルヒ(でも……。)

ハルヒ(それならこういうのはどうかしら……。)

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 10:58:58.17 ID:n7Ge/XxH0

キョン「……今、なんて言った?」

ハルヒ「有希にみくるちゃんとおそろいの服を着せるのよ。」

キョン「なんでそうなるんだ! 俺はてっきり、朝比奈さんが動けばいいなーとかそういう話になるんだと思ってたんだが。」

ハルヒ「バカねー。人形が動くわけないじゃない。だから、有希にみくるちゃんと同じように服を着せてその疑似体験するのよ。」

キョン「あいかわらずお前の考えていることは突拍子がなさすぎてついていけん。」


こんなにかわいいメイドさんがいるっていうのに、キョンはなんでこんなに嫌そうなのかしら?
もしかして、これがガチホモってやつ?

でも、そんな考えが間違いだったと気づくのはその数週間後。


ハルヒ「5着目完成! キリがいいから、今日はこのへんで解散! 片付けはあんたにお願いするわ。」

キョン「なんで俺が!」


なんて言ってみたけど、ちょっとひどすぎたかしら?
やっぱり、様子を見に行こう……。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:01:19.58 ID:n7Ge/XxH0

キョン「そうか。俺はお前の言うことを信じる。」

長門「わたしもあなたを信じている。」

古泉「えーと、僕はこれからバイトなので、お先に失礼したいんですけど……。お2人とも聞いてませんね?」


って、あれ?
おかしいわね。なんでキョンと有希はこんなに密着してるのかしら?
キョンはメイド有希に興味がなさそうだったのに……。
古泉くんも笑ってないで止めなさいよ。

有希がかわいいからって手を出すなんて許せない。
有希は誰にも渡さない。有希はあたしだけのかわいいお人形なんだから。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:03:45.51 ID:n7Ge/XxH0

キョンと古泉くん。それと、お人形の有希とみくるちゃん。
あたしはこの2人と2体をまとめるSOS団の団長。

キョンと古泉くんは男子だけどお人形趣味にも理解があって、みくるちゃんと有希のことも大切にしてくれている。
でも、あたしには少し心配なことがある。


ハルヒ「ちょっと、そこ! 喋ってる暇があるならさっさと縫う!」

古泉「今はこれを仕上げるのに集中したほうがよさそうですね。」

キョン「そうした方がよさそうだ。」


人形好きの二人だけど、本当は男子。
本当は女の子みたいなことをするより、男子同士で遊ぶ方が楽しいんじゃかしら?
最近、あたしはなんとなく疎外感みたいなのを感じている。


古泉「あっ。」

キョン「ぎゃー!」


そんなことを考えていたら、古泉くんがキョンを火傷させてしまった。


キョン「古泉、お前なにやってんだ!」

古泉「すいません。彼を保健室に連れて行ってきます。」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:06:20.67 ID:n7Ge/XxH0

ハルヒ(キョン、大丈夫かしら……。)

ハルヒ(いくらなんでも帰ってくるのが遅すぎるわ……。)

ハルヒ(キョンの身に何かあったんじゃ……。)


あたしはたまらなくなって保健室に走った。

でも、保健室にはふたりはいなかった。
保険医の話によると、とっくに治療は終わって出ていったらしい。
全く、どこをほっつき歩いてんだか……。


古泉「……あ、ちょっと、勝手に切らないでください!」


古泉くんの声だ。
ここは生徒会室? なんでこんな所にいるんだろう?

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:07:45.72 ID:n7Ge/XxH0

キョン「また勧誘か。機関とやらものんきなもんだ。」

古泉「すいません。」


勧誘って何かしら?
まさか、古泉くんのハンクラ技術に目をつけた何者かによるヘットハンティング?


古泉「僕はバイトに行かなくてはなりません。」

キョン「わかった。ハルヒには適当に誤魔化しておく。」


誤魔化すってどういうこと?
ふたりともあたしになにか隠してる。あたしを仲間はずれにしないで。


この生徒会室で何があったのか気になったあたしは、翌日ここに突撃する。
そこで生涯のライバル兼心友と出会うのはまた別の話。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:09:15.76 ID:n7Ge/XxH0

それからキョンは何事もなかったかのような顔で部室に帰ってきた。


ハルヒ「遅かったわね。」

キョン「悪い。」

ハルヒ「やけどはたいしたことなかったみたいね。」

キョン「まあな。」

ハルヒ「古泉くんは? 姿が見えないけど?」

キョン「あいつは緊急のバイトだと。」

ハルヒ「ふーん……。」


白々しい。
なんで火傷がたいしたことないって知ってるんだ? とか、つっこんでみなさいよ。

なんで早く帰って来なかったのかとか、なんで生徒会室に居たのかとか、勧誘ってなんなのかとか、
古泉くんと何を話していたのかとか、あたしはあんたにつっこみたいことがいっぱいあるんだから。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:10:33.30 ID:n7Ge/XxH0

ん? そういえば、キョンと古泉くんってこんなに仲が良かったかしら?
昔はこんなにふたりが話をしていることってなかった気がする。


キョン「気持ち悪いことを言わないでくれ。部員が少なくなったせいで必然的にあいつと喋る割合が増えただけだ。」

ハルヒ「少なくなったって?」

キョン「い、いや、部員が少ないんじゃないかと思ってな……。男が多くてむさ苦しいっていうか……。」

ハルヒ「そうかしら? じゃあ、あんたはほしい部員とかいるわけ?」

キョン「そりゃあやっぱ、宇宙人と未来人だな。」

ハルヒ「そんなんじゃわからないわ。もっと具体的に言って。」

キョン「じゃ、無口な文学少女の宇宙人とロリ系巨乳未来人先輩。」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:12:38.12 ID:n7Ge/XxH0

ああ、イライラする。
キョンは自分が言ったことをわかっているのかしら。
確かに、そんな部員が居たら楽しいだろうけど、あたしには理解できないわ。


古泉「涼宮さん、どうかなさったんですか?」

ハルヒ「……古泉くん。」

古泉「なにか嫌なことがあった、という顔をしていますね。」

ハルヒ「……もしも、もしもの話よ? もし、SOS団に新たな部員を入れるとしたら、古泉くんはどんな人がいい?」

古泉「そうですね……宇宙人と未来人、なんていかがですか?」


またなの……。
確認のため具体的に聞いてみる。嫌な予感がする……。


古泉「では、無口な文学少女の宇宙人と、顔は少々幼いですがとても女性的な身体の未来人の先輩なんてどうですか?
    こんな部員の方がいらしたら、きっと毎日が楽しいですよ。」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:13:57.56 ID:n7Ge/XxH0

またかまたかまたか……。

なんでふたりとも同じ答えなの?
あたしの知らないところでつながっているの?
それとも、“勧誘”ってこいつらがやっているの?

キョンと古泉くんが遠い。
キョンはなにもはなしてくれないし、古泉くんはほとんど部活に来なくなった。


ハルヒ(有希……みくるちゃん……。)


有希もみくるちゃんもなにも言わない。
だけど、絶対あたしを裏切らない。


ハルヒ(キョンと古泉くんもこうだったらいいのに……。)

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:15:33.19 ID:n7Ge/XxH0

キョンと有希とみくるちゃんと古泉くん。
あたしはこの4体をまとめるSOS団の団長。

今日もあたしは同じ趣味を持つライバル兼心友に会いに生徒会室に遊びにやってきた。


会長「あうあうあうwwwwwwwwwwwwwえみりちゃんのかわいさはせかいいちなのれすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ハルヒ「なに言ってんのよ! 我らSOS団が世界、いえ、宇宙一よ!」


ハルヒ「そうでしょう、みんな?」


あたしの問いかけに、キョンも有希もみくるちゃんも古泉くんも答えない。
でも、あたしにはわかってる。


ハルヒ「これでみんなずっと一緒ね。」


                                                       おわり

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 11:21:40.53 ID:n7Ge/XxH0

これで本当に終了です。
最後まで見てくれた人ありがとう。


>>130
昔書いたのを発掘してきたものなんで、
今続きを書くのは難しいです。すいません。



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