のび太「ド…」ドラえもん「甘いッ!!」 1 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:37:55.98 ID:qnWZfgSG0 のび太「え」 ドラえもん「馬鹿が!貴様はそうやって俺に泣きつけば、すぐに助けてもらえると思っているのだろう!?」 のび太「え、あの」 ドラえもん「この…大馬鹿が!!!!」グワッ のび太「ギャッ!」 2 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:39:56.47 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「貴様は!それだから!!」ガッ のび太「痛っ!」 ドラえもん「いつまでも!ロクデナシの!穀潰しの!」ゲスッ のび太「ちょ…ちょっと…やめ…」 ドラえもん「どうしようもねえ!ウスノロなんだ!」ドゴッ 4 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:43:06.87 ID:qnWZfgSG0 のび太「痛いよお!」 ドラえもん「うらああ!!」バキッ のび太「うわああああああああん!」 ドラえもん「うるせえ!!!」 バチーーーン!! のび太「…」ポカーン ドラえもん「いいか、よく聴け!」 6 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:45:04.09 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「俺がこの世界に来てから随分経った。 しかし!貴様はいつまでも馬鹿のままだ!」 のび太「馬鹿って…」 ドラえもん「そしてついに!セワシ様はお怒りになった!」 のび太「セワシくんが?」 ドラえもん「おい!!セワシ『様』だろうが!間抜け!」ボスッ のび太「はう!」 7 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:48:15.80 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「とにかく!セワシ様は俺の システムを変えなさった!」 のび太「…システム?」 ドラえもん「いままでは『理想の親友モード』だった!」 ドラえもん「だから俺は、貴様に様々な道具を与えた! ピンチの時も迅速に駆けつけた!」 のび太「う、うん」 8 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:51:55.69 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「俺の基本モードには、『理想の親友』『理想の教師』 『理想のベビーシッター』『理想のトレーナー』などがある!」 ドラえもん「そしてアドバンストモードには、 少し厳しくなった4つのモードがある!」 ドラえもん「『冷血教師』『歩く法律』 『人造嫌味上司』『人間調教師』だ!」 11 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 22:57:00.94 ID:qnWZfgSG0 のび太「かなり厳しいよ!」 ドラえもん「黙って聴け!」 ドラえもん「だが、俺の現在のモードは、それらを遥かに凌ぐ…」 のび太「そ、それは…?」 ドラえもん「『古代ギリシアのスパルタ式ペロポネソス教育法モード』だ!!」 のび太「え?古代…?」 13 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 23:00:09.08 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「ダアアアアア!!」 のび太「わあっ!」 ドラえもん「つべこべ言うな! すでに教育は始まっているのだぞ!」 のび太「う、うん」 ドラえもん「『はい』だろうが!」ガスッ のび太「痛っ…!は、は、はいっ!!」 ドラえもん「ようし!!」 14 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 23:04:47.39 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「勉強の前に、まずは精神を統一せねばならぬ!」 のび太「はい!」 ドラえもん「そこに正座だ!」 のび太「はいっ!」 ドラえもん「目を閉じ、心を無にするのだ!」 のび太「はい!」 15 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 23:07:46.25 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「よし!そのまま、30分、続けろ!」 のび太「さ、さんじゅっぷううん!?」 ドラえもん「黙ってやれ!!」ゴッ のび太「あが!」 ドラえもん「俺はずーっと監視し続ける!姿勢を崩したり、 居眠りをしたとなると…」 ドラえもん「こうだっ!」バコン のび太「ごぼっ!!」 16 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 23:10:40.66 ID:qnWZfgSG0 のび太「…」 ドラえもん「…」 のび太「…」 カラス「カア…カア…」 のび太「…」 のび太 (い…痛い) ドラえもん「カアーーーッツ!!」ゴキ のび太「なっはあ!」 17 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 23:13:24.92 ID:qnWZfgSG0 ドラえもん「姿勢を崩すな!」 のび太「脚が…」 ドラえもん「いずれ感覚が無くなる! それくらい我慢しろ!」 のび太「うぐう…」 ドラえもん「…」 のび太「…」 ドラえもん「いいか、俺はロボットだ。どんな些細なことも見逃さない」 18 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/24(水) 23:15:44.36 ID:qnWZfgSG0 のび太「…」 ドラえもん「退屈も、疲労も無いからな」 のび太「うう…」 5分経過… のび太「脚があ…脚があ…」 ドラえもん「うるせえぞ!さっきから!」バン のび太「もう…限界だよう…」 23 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 07:48:28.34 ID:1AtwIRkZO ドラえもん「ええい!貴様は赤子か!」サッ ドラえもん「ダア!『猿ぐつわ』! のび太「え!むぐっ!」 ドラえもん「終わったら取ってやる」 のび太「…」 ドラえもん「さあ、あと24分。まだ先は長いぞ」 のび太 (うう…) 24 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 07:52:16.67 ID:1AtwIRkZO ドラえもん「…」 のび太 (どうして…?) ドラえもん「…」 のび太 (こんなドラえもん…いやだよお…) ドラえもん「…」 のび太 (こんなのが続いたら…死んじゃうよお…)ボロボロ ドラえもん「ん?何だ貴様…泣いているのか?」 25 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 07:59:33.36 ID:1AtwIRkZO のび太「…」 ドラえもん「はあ…どこまでも情けない奴だ」 ドラえもん「ま、泣きたいだけ泣けばいい。 俺には関係ないからな」 のび太「…」ボロボロ 10分経過… のび太 (本当だ…脚の痛みが消えてきた) のび太 (これなら眠れるかも…バレないよね? どうせ目は閉じてなきゃいけないんだし) 26 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:05:00.85 ID:1AtwIRkZO のび太「…」 ドラえもん「おい」 のび太「!」ビクッ ドラえもん「貴様…居眠りをするつもりだな?」 のび太「…」 ドラえもん「俺は全部分かっているぞ? そんな真似はやめろ。いいな?」 のび太「…」 27 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:13:58.96 ID:toTDQvw7O さらに11分経過… ドラえもん「あと3分だ」 のび太 (ぐぐぐ…また痛みが…) ドラえもん「あと2分」 のび太 (つらいよお…つらいよお…) ドラえもん「5、4、3」 のび太 (ぬうううう…) ドラえもん「2、1、終了!」サッ のび太「どわあ!!」 28 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:18:50.02 ID:toTDQvw7O ドラえもん「やれば出来るじゃないか!ハッハッハ!」 のび太「あいてててて!脚が!ぐわああああ!」 ドラえもん「しばらく楽にしていろ。何か飲むか?」 のび太「うん…」 ドラえもん「ダア!『なんでも蛇口』!」 ドラえもん「コーラでいいか?」 33 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:46:10.93 ID:toTDQvw7O ドラえもん「そうか。よし、この錠剤を飲め。 疲れているほど、効果が高まる」 のび太「これは…?」 ドラえもん「ちょっとした回復薬だ。 いいから飲め。ほら、水だ」 のび太「うん」ゴクッ のび太「…」 のび太「おう…」ホワ〜ン 30 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:35:42.20 ID:lrs9Upv40 のび太「うん」 ドボボボ ドラえもん「そら」 のび太「ありがと」 ゴクゴク ドラえもん「飲んだか?よし!続きだ!」 のび太「ひっ」 ドラえもん「ダア!『どこでも塾』!」ドカン のび太「わ!」 31 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:40:16.30 ID:ji1VLM5Q0 ドラえもん「この箱の中は、快適な勉強部屋になっている! さらにロボット講師付きだ!」 ドラえもん「入れ!」ガッ のび太「ぴゃっ!」 バタン ドラえもん「これでよし!」 32 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 08:43:01.26 ID:7wK+Deq00 2時間後… ドラえもん「出ろ!」 バタン! のび太「」ふらふら ドラえもん「どうだ?ロボット講師は?」 のび太「よく…わからないや…」 ドラえもん「ロボット講師の解説を理解できないとは…」 のび太「疲れたよお…」 35 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 12:25:30.56 ID:ILbW+ZIoO ドラえもん「効いたな」 のび太「ほーう…」ホワ〜ン のび太 (何だろう…変な感じ。 ドラえもんの声が…すごく心強い…) ドラえもん「さあ、俺の言う通りにするか?」 のび太「はい!」トロ〜ン ドラえもん「ようし!では、続きだ!」 のび太「はい!」 36 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 12:28:32.10 ID:ILbW+ZIoO ドラえもん「ダア!『タンマウォッチ』」! デーン! ドラえもん「これでよし!もはや時間は存在しない!」 ドラえもん「さあ!始めるぞ!」 のび太「はいッ!!!」 40 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:21:19.92 ID:ILbW+ZIoO 限りなく長い間、ドラえもんによる特訓は続いた。 不思議な錠剤の効果で、のび太の体力は尽きることがなかった。 そして… 41 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:28:14.37 ID:ILbW+ZIoO ドラえもん「そろそろ、タンマウォッチを解除する時が 来たようだ」 のび太「…」 ドラえもん「明日は、学校へ行ってくれ。久々にな」 のび太「…はい」 ドラえもん「難しいとは思うが、 自然に振舞うように気をつけてくれ」 のび太「…はい」 42 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:33:07.19 ID:ILbW+ZIoO 翌日 しずか「あ、のび太さん」 のび太「しずかちゃん…おはよう」 しずか「のび太さん?何か変よ」 のび太「…そんなことは無い」 しずか「そう?そういえば、昨日の感想文の宿題はやった?」 のび太「宿題…?うむ、知らんな」 43 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:44:24.75 ID:ILbW+ZIoO しずか「あら、そうだと思った」 のび太「…なに?」 しずか「のび太さんが宿題をやって来たの、 見たことないもの」 のび太「…そうか。そうだな、僕は そういう人間だったな…ふふふ」 しずか「…?」 44 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:46:48.88 ID:ILbW+ZIoO のび太「ところで…持っているその本は?」 しずか「これ?『星の王子様』よ。あたし、大好きなの」 のび太「星の王子様ね…」 「おうい!」 45 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:52:05.78 ID:ILbW+ZIoO しずか「あ、たけしさんとスネ夫さんよ」 ジャイアン「おう!おはよう!」 しずか「あら、たけしさんも本を持ってるのね」 ジャイアン「そうとも!読書週間だからな!」 スネ夫「『百万回生きたねこ』だよ。僕が紹介してあげたんだ。 本のことなら、よく知っているからね」 46 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:54:24.65 ID:ILbW+ZIoO しずか「スネ夫さんは、どんな本を読んだのかしら?」 スネ夫「ジャーン!『三国志』だよ!」 しずか「三国志?それ、難しいんじゃない?」 スネ夫「いやあ、歴史は面白いねえ。まあ、 内容はなかなかの上級者向けだけど」 ジャイアン「ほー」 しずか「さすがスネ夫さんね!」 47 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:56:50.22 ID:ILbW+ZIoO スネ夫「おいのび太!何か読んだのか?」 ジャイアン「どうせ『桃太郎』でも読んだんだろ!がははは!」 スネ夫「ぐふふふふ!」 のび太「…そうだねえ」 のび太「最近読んで非常に興味深かかったのは…トマス・ピンチョンの 『エントロピー』だね。ちょっと難しいけど」 ジャイアン「ピン…?」 しずか「?」 48 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 13:58:24.80 ID:ILbW+ZIoO のび太「もっと読みやすいものだと…マイケル・クライトンの 『スフィア』とか。特に思わせぶりなラストが憎いねえ。 彼の作品には生物学的な描写が多くて、僕も大好きなんだ」 スネ夫「??」 49 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 14:01:33.48 ID:ILbW+ZIoO のび太「あと、スティーブン・キングの『IT』は読み応えがあったよ。 4巻まで分けられていてね。これは彼の代表作で有名な作品なんだ。 やっぱり、ホラー小説で彼に並ぶ作家はいないねえ」 ジャイアン「???」 スネ夫「???」 しずか「???」 50 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 14:03:13.40 ID:ILbW+ZIoO のび太「次は、フィリップ・カーの『殺人摩天楼』を原語で 読むつもりなんだ。SFの中でも、僕が好きな作品だよ。 ちょっと残酷な描写が多いけど、そこがまたいいんだ」 スネ夫「…」 ジャイアン「お、おう」 しずか「のび太さん…やっぱり変よ…」 52 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 14:52:37.61 ID:xQkGNAJDO のび太「スネ夫は、歴史が好きなのか?」 スネ夫「は、はい」 のび太「三国志を読んだら、エドワード・ギボンの 『ローマ帝国衰亡史』を読むといい」 スネ夫「ローマ…」 のび太「11巻もあるが、ローマ帝国並びに周辺民族の動きが 詳細に描かれている。コンモドゥス帝などの暴政や、 ディオクレティアヌス帝の善政など、皇帝のエピソードもあって、 純粋に読み物としても楽しめると思うよ」 53 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 14:53:33.11 ID:xQkGNAJDO スネ夫「はあ」 ジャイアン「…」 しずか「…」 スネ夫 (どうしたんだよ、のび太! なんか気まずくなっちゃったじゃないか!) 57 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 15:16:41.91 ID:xQkGNAJDO キーンコーンカーンコーン 先生「さて、先週言った通り皆さんには、 読書週間に読んだ本の感想を発表してもらいます」 ザワザワ 先生「本の名前と、特に印象に残った部分を述べること! では、そっちの席から順番に」 59 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 15:26:19.32 ID:xQkGNAJDO 「『注文の多い料理店』を読みました。ハラハラドキドキするのが 良かったです」 「『いやいやえん』を読みました!こぐちゃんが可愛いかったです!」 先生「…皆さん、もう少し具体的な感想を言いましょう」 60 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 15:31:55.98 ID:xQkGNAJDO 先生「えー、つぎは野比か」 のび太「はい」 先生「野比、何も読んでいないなら、正直に言いなさい。 そうすれば私も…」 のび太「読みました」 先生「…」 のび太「…」 先生「そ、そうですか。では、どうぞ」 のび太「はい」 先生 (野比が本を読むとは…どうせ、『桃太郎』とか、 その程度だろう) 63 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 15:39:29.07 ID:xQkGNAJDO のび太「そうですね、最近読んだ中でも印象的だったのは…」 のび太「『火刑台への道』という、中世ヨーロッパにおける 魔女裁判に焦点を当てた作品があります」 のび太「これは、当時の記録から、ある貧しい一家が捕らえられ、 拷問に苦しみ、最終的には見せしめに処刑されるまでの過程を 克明に再現したものです」 のび太「特にショッキングなことは、現在とあまりにもかけ離れた 価値観の違いです。当時では、あらゆる出来事、さらには人間の 行動までが神の存在を前提とされていました」 64 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 15:46:41.39 ID:xQkGNAJDO のび太「この『火刑台への道』では、さらに悪魔という概念が 積極的に関わってきます。例えば、悪事を働く人間には 悪魔が取り憑いているため、とされていました」 のび太「舞台である16世紀末期では、自白を引き出す手段として、 まだ拷問が使われていました。その拷問の苦痛によって、悪魔が 容疑者から去り、始めて真実が語られる、そのような 考えがあったようです」 のび太「容疑者が罪を認めなかったり、黙秘しているのであれば、 それは悪魔によって守られているからだ、とされました。 つまり、容疑者が無罪である可能性など、少しも考慮 されなかったのです」 のび太「…とにかく、宗教が密接に関わっている中世という時代を 学ぶ上で、この作品は参考になると思いました。以上です」 67 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 15:52:43.47 ID:xQkGNAJDO シーーーン… 先生「…」ポカーン 先生「…あ、み、皆さんも、野比くんを見習いましょう…ゴホン」 その後も… 先生「…では、筆算を使って難しい問題を解きましょう。 時間がかかっても構いません。」 先生「えー、27×196は」 のび太「5292です」 先生「…」 先生「ちょ、ちょっと待ってください」ペラペラ 先生「…正解です」 ザワザワ… 68 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:00:01.39 ID:xQkGNAJDO 先生「…では、この生き物は何という…」 のび太「カナブンです。コガネムシ科ハナムグリ亜科。 まあ、カナブンというのは光沢のあるコガネムシ類の通称ですが…。 学名は…」 先生「はい!はい!学名は結構です!」 ザワザワ… 69 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:02:15.49 ID:xQkGNAJDO ダダダダダダッ!! 先生「50mを5.1秒だとっ!?信じられん!」 ザワザワ… 先生 (ふー…どうも調子が狂うな…。 野比のやつ、何があったんだ?) 70 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:08:05.33 ID:xQkGNAJDO キーンコーンカーンコーン ジャイアン「おい、のび太!野球するぞ!お前がいれば…」 のび太「…」ギロ ジャイアン「…ええっと…」 のび太「悪いが、僕は帰って勉強をしなくてはならない。すまないね」 ジャイアン「お、おう。わかった…」 のび太「…」スタスタ スネ夫「のび太のやつ…何があったんだろ」 ジャイアン「さあな…。とにかく、近づかない方がよさそうだ…」 71 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:11:46.74 ID:xQkGNAJDO その頃 ドラえもん「…」 ドラえもん (ん?引き出しが…?) ガタ! ドラえもん「うわ!」 セワシ「やあやあ!ドラえもん!」 ドラえもん「これはセワシ様!ようこそおいでに!」 セワシ「彼は…?」 ドラえもん「おそらく、まだ学校でしょう」 72 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:18:26.74 ID:xQkGNAJDO セワシ「そうか。…で、うまくいってるか?」 ドラえもん「もちろんです。セワシ様の予想通り、 実に簡単に済みました」 セワシ「そうか!それは何より!」 ドラえもん「…セワシ様、また一段とお若く…」 セワシ「お、分かったか?新しい美容整形を試したんだ」 73 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:23:01.82 ID:xQkGNAJDO ドラえもん「それはそれは!」 セワシ「とても59歳には見えまい!あの影武者のことを怪しむ声も 一向に挙がらぬ!」 ドラえもん「全ては順調!そうですね?」 セワシ「そうだ!わが帝国の復活もそう遠くない! ふはははははは!!!!」 ドラえもん「はっはっはっはっは!!」 74 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:34:45.80 ID:xQkGNAJDO セワシ「では、どんどん計画を進めてくれ。頼んだぞ!」 ドラえもん「はっ!」ビシ ガタ! ドラえもん「…」 ドラえもん (まったく…セワシ様の計画は本当に素晴らしい…) ドラえもん (過去で頭の弱い人間を探し、その子孫だと名乗り、 俺を送り込む…) ドラえもん (俺はしばらく、そのターゲットと生活し、 頭と心の弱さを見極める) 75 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:48:40.22 ID:xQkGNAJDO ドラえもん (ターゲットが条件に当てはまれば、洗脳と訓練を開始する…) ドラえもん (最終的には、立派な戦闘員となったターゲットに、 周辺の人物の洗脳を任せる) ドラえもん (そして、同志の数は増えていく…) ドラえもん (未来では違法な道具も、ここでは 好きなだけ使えるのだ!) 76 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 16:56:24.17 ID:xQkGNAJDO ドラえもん (惜しくも実現しなかった、『銀河共産帝国』を、 過去の世界に作ろうとは…本当に大したお方だ…) ドラえもん (過去では大規模な宗教団体に過ぎずとも、年限を経て、 今度こそ帝国は成るであろう!!) ガラッ! のび太「帰りました!」 78 名前: ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 17:02:05.12 ID:xQkGNAJDO ドラえもん「よろしい!座れ!」 のび太「はい!」 ドラえもん「いよいよ、週末は司法試験だ。まあ、 合格は確実だが…最終確認をしよう!」 のび太「は!」 ドラえもん「だがその前に、いつものやつだ!」 のび太「はい!」 79 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 17:05:45.17 ID:xQkGNAJDO ドラえもん「第3章15節!」 のび太「我々銀河共産帝国の子は、いかなる場合においても、 命を捨てて偉大なる同志総統へ尽くすことを誓う!」 80 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 17:07:59.29 ID:xQkGNAJDO ドラえもん「1章22節!」 のび太「銀河共産帝国は、常に寛容である。窃盗、姦通、殺人、 いかなる罪も、強制労働のみをもって処するべし!」 のび太「ただし、少しでも政治批判をしようものなら、 その者を生かしておいてならぬ。秘密警察は常に監視を行い、 見つけ次第、銀河裁判所へ連行し、極刑をもって償わせるべし!」 81 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 17:10:01.49 ID:ILbW+ZIoO ドラえもん「15章3節!」 のび太「資本主義とは、人類の罪そのものである!我ら銀河共産帝国は、 平等を実現するために、この資本主義を打倒せなばならぬ!」 83 名前:ブラッキー好き ◆1XmsYbpRzk[saga] 投稿日:2014/09/25(木) 17:14:36.58 ID:ILbW+ZIoO ドラえもん「同志セワシ、ばんざい!!」 のび太「ばんざああああい!!」 ドラえもん「同志セワシ、ばんざい!!」 のび太「ばんざああああい!!」 「ばんざああああああい!!」 「ばんざあああああああああああああああい!!!!!」 完