草加拓海「イ401…?」 1 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 02:26:36.07 ID:vkamKQYBO 蒼き鋼のアルペジオとジパングとのクロスSSです。 なおアルペジオはアニメ基準です。 3 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[sage] 投稿日:2014/08/06(水) 02:45:12.28 ID:vkamKQYBO コンゴウとの戦闘後… ミッドウェー沖 静「ソナー、及びレーダーに艦影なし。霧の艦隊はいません」 杏平「コンゴウとの戦闘からはや3日、全然出てこなくなったな…」 僧「そうですがいいじゃないですか。むしろ依頼がスムーズに進みますよ」 ヒュウガ「アメリカにいた艦隊はコンゴウが全滅させたしねぇ…」 群像「だが、敵が現れないことはあり得ない。ソナーは引き続き警戒を」 静「はい」 4 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 02:56:02.11 ID:vkamKQYBO イオナ「……低気圧発生、気圧967ヘストパスカル 風速40。勢いを増している」 群像「なんだと?」 僧「嵐が来るのでしょうか?」 ハルナ「嵐、自然現象・気象のひとつ、強い雨を伴う暴風のことを 指す。分類、記録、把握完了…」 キリシマ「大丈夫か?浸水とかしたらこの体はひと溜まりもないぞ」 杏平「嵐なら大丈夫だろ。好都合だ、潜望鏡深度まで潜航すれば敵にばれずにアメリカまでいけるぞ」 僧「それはいい考えですね」 群像「嵐が来るようなら潜航しよう。イオナ、嵐が出たら言ってくれ」 イオナ「合点」 5 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:21:30.18 ID:vkamKQYBO 群像(しかしかなり海が荒れてるな…嵐でこんなに海が荒れるのか?) 僧「空の様子が変ですね…なんだか嫌な予感がします」 タカオ「台風かしら?」 イオナ「台風にしてはおかしい。この辺は熱帯低気圧は発生しないはず」 タカオ「じゃあ一体?」 イオナ「! 前方から高い波が!」 群像「なんだと!?どのくらいだ?」 イオナ「わからない。けどこの船を越えるほどの波が来る!」 群像「総員衝撃に備えよ!」 イ401クルー「「「「了解!」」」 6 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:32:10.82 ID:vkamKQYBO ドォン! 静「キャア!」 ガタン! 杏平「うぉ!」 群像「く!みんな無事か!?」カチッ いおり『こちら機関室、波の衝撃があったものの異常なし!」 静「! ソナー、レーダーが探知不能!只今修復中!」 群像「修復にかかる時間は?」 静「すぐに修復します!」カタカタカタ 僧「かなり高い波です!このまま水上航行は危険です!ただちに潜航を!」 群像「よしただちに潜k」 ビガァ! 蒔絵「かみなりぃ!ハルハル怖い!」ギュッ ハルナ「蒔絵!?」ギュッ ヒュウガ「落雷!?」 群像「ぐ、艦内の損傷を確認しろ!」 7 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:37:09.95 ID:vkamKQYBO イオナ「電気、油圧、電算機能正常、艦内各部正常に稼働」 群像「一体なにが起きてるんだ…」 静「ソナー、及びレーダー修復完了。現在モニターにレーダーで写ってる艦影、及び物体を写します」 モニター「」ヴォン 僧「こ、これは……」 杏平「な、なんじゃこりゃあ!?」 ヒュウガ「嘘でしょ…」 8 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:46:00.88 ID:vkamKQYBO 群像「なんだこの艦隊は!?」 静「全周に不明艦(アンノン)多数!その数40!大艦隊の真ん中にいます!」 群像「霧の艦隊か!?」 イオナ「違う。これらは霧の艦隊じゃない」 僧「じゃあアメリカ軍が?」 杏平「こんなときにアメリカ軍がこんな艦隊は出せるわけがねぇ!」 僧「じゃあこれは一体…」 僧「目の前に大戦艦級の艦影接近!本艦正面距離500!」 群像「イオナ!外の様子をモニターに写せるか?」 イオナ「やってみる」 モニター「」ヴォン 杏平「なんだあれは…」 群像「これは…」 9 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:46:36.99 ID:vkamKQYBO 群像「戦艦、大和!」 10 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:53:56.99 ID:vkamKQYBO 群像「それも霧の艦隊じゃない。あれは旧日本海軍時代の大和だ!こっちに来る、取り舵90゚!最大戦速!」 イオナ「さいだいせんそくー」 イ401は最大戦速で大和左舷に避ける。その時 カチッカチッカチッカチッ 大和から発光信号がきた。 僧「キカンノショゾクヲジョウコクシ、ソノママテイセンセヨっですか…」 杏平「返答するか?」 群像「いや、返答せずこのまま逃げるぞ、現針路を維持したまま最大戦速!」 イオナ「合点」 12 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 03:58:48.96 ID:vkamKQYBO イ401は最大戦速で抜けようとするが、左舷、右舷から駆逐艦が接近してきた。 静「距離500!どうやら本艦の進路を閉塞する気です!」 群像「バランストタンク注水!下げ舵10゚!急速潜航!」 イオナ「きゅーそくせんこー」 イ401は直ぐ様潜航した。 群像「このまま逃げるぞ!」 イオナ「合点」 13 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 04:06:27.31 ID:vkamKQYBO 静「対空、対艦、対潜異常無し。不明艦隊陣形を保ったまま本艦を離れます」 発令所は静まり返った。 僧「あれは確かに旧日本海軍の大和ですね。その証拠に艦首には菊の紋章がありました」 杏平「一体どういうことだ?あの大和とあの艦隊は?」 ハルナ「先程まで現れなかった艦隊…」 タカオ「なんでいきなり現れたの?」 静「幽霊船でしょうか…」 いおり『どうかしたの?』 機関室にいたいおりから連絡がきた。 群像「一旦発令所に来てくれ」 いおり『りょーかい!』 14 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 04:17:50.58 ID:vkamKQYBO 発令所にきたいおりに今まで起きた出来事を説明した。 いおり「えー?それ本当?」 群像「本当だ。現にみんなそういってるだろ」 静「果たしてあれはなんだったのでしょうか?」 僧「あの陣形…まさかミッドウェー海戦時の陣形じゃあ?」 群像「ミッドウェー海戦?」 僧「はい。陣形がかなり似てるんですよ」 ヒュウガ「副長の話だとどうやらミッドウェー海戦の時の艦隊がここに現れたってこと?」 群像「そうなるな」 静「あの…艦長」 群像「どうした?」 静「それもしかしたら逆じゃないですか?」 群像「逆?もしかして…」 僧「我々の方が現れたと?となるとタイムスリップですよ」 群像「昨日の月は満月でしたよね?」 タカオ「それがどうしたのよ」 静「それがたった一日で変わるんでしょうか?」 静はモニターを指差していった。するとそこには 15 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 04:27:21.31 ID:vkamKQYBO 群像「う、嘘だろ?」 僧「これは…」 杏平「は、半月!?」 モニターに写っていたのは半月の月であった。 静「つまり…現れたのはミッドウェー海戦の日本海軍ではなく、ミッドウェーの海域に私たちが現れたのでは?」 ヒュウガ「た、タイムスリップなんて…」 ハルナ「タイムスリップ…通常の時間の流れから独立して過去や 未来へ移動すること。日本語では「時間旅行」ともいう分類、記録、把握完了」 タカオ「そんな……」 発令所はまた静まり返った。 僧「艦長…」 群像「………」 16 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 04:41:36.09 ID:vkamKQYBO 群像「……果たしてこれからどうするかだ。これじゃ振動弾頭の輸送依頼も意味がなくなるな…」 僧「全くですよ」 杏平「問題は補給だよ!このままじゃ俺達餓死するよ!」 ヒュウガ「そうね…ざっと硫黄島での補給のお陰で3週間か4週間は持つけどそれからは無理ね」 イオナ「この船は燃料が無くても大丈夫。だけど魚雷は…」 タカオ「魚雷なんて使う機会あるかしら?」 群像「ともかくこれからは節約しなければならないな…それに…」 群像「補給先も検討しなければならない。今後はそれが課題だな」 僧「なんとかなればいいですけど…」 17 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 04:42:42.76 ID:vkamKQYBO 今日はここまで。 次回は草加との出会いです。 どうなるだろうな… きゅーそくせんこー 21 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 02:39:52.89 ID:IFQ6U1GaO 静「艦長!90゚洋上距離200キロ!艦艇数20!無線交信しながら円運動を行ってます!」 イ401は現在ミッドウェー海域から抜け出そうと西側に潜航して航行してる。 僧「いくら潜航してるとはいえバレますね…なにせ交戦中ですから対潜警戒もしてるはずです」 群像「戦闘海域を通らずに出れるか?」 静「それがかなりの広範囲で……」 杏平「戦史が正しければ恐らく赤城率いる第一航空艦隊と第二航空艦隊がアメリカの機動部隊とやりあってるとこだろうなぁ」 群像「今何時だ?」 イオナ「今は現地時間で7時21分」 群像「もうすぐ魔の7時23分か…」 22 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 03:09:05.74 ID:IFQ6U1GaO 7時22分 赤城 乗員「じょ、上空から爆撃機が急降下しています!」 青木「か、回避ー!」 航海長「駄目です艦長!間に合いません!」 青木「そ、総員衝撃に備えよ!」 上空から急降下してきた爆撃機が赤城に爆撃する。それにより赤城は被弾。 さらに蒼龍、加賀も被弾。 魔の7時23分である。 青木「各部損傷は!?」 水兵『こちら整備班!格納庫に待機中であった攻撃機の燃料に引火!消火が間に合いません!このままじゃ沈没します!』 青木「なんだと!?」 南雲「な、なんということだ…」 源田「待て慌てるなこれは米軍の罠だ、日本海軍の空母は沈まないのだ…」ブツブツ… 草鹿「南雲長官、どうやら加賀、蒼龍もやられたそうです」 源田「まてまて慌てるな慌てるな慌てるなこれは米軍の罠だ罠だ」ブツブツ… 青木「……司令部の皆さんは長良に移乗してください。これより私は総員退艦の指揮を行います」 南雲「艦長、私はここに残ります」 青木「なにバカなことを言ってるんですか!指揮官である貴方が死んだら誰がこの機動部隊の指揮をするんですか!あなたは生きなければなりません!」 南雲「私は空母を3隻も沈めた男です。そんな男が海軍にいる意味はありません」 青木「草鹿参謀長、長官を連れていってください」 草鹿「わかった。さぁ生きますよ長官」ガシッズルズル… 南雲「いやだ!俺は死んで空母を沈めた罪を償うんだー!」 源田「あ、待ってください長官、参謀長!」ダッ! 青木「やれやれ行きましたか…さぁってと、艦内放送をしろ。総員退艦だ」 乗員「ハッ!」 23 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 03:17:06.34 ID:IFQ6U1GaO 7時43分 飛龍 山口「赤城、加賀、蒼龍がやられただと!?」 加来「残ってるのはこの船だけです。司令どうします?」 山口「決まってる!やったらやり返すんだ!今より決意電を打て!『我コレヨリ航空戦の指揮ヲシキル』と!」 加来「わかりましたが……司令部の指示なしにやってもかまないので?」 山口「なに悠長なことを!今は非常時だ!指示もくそもあるか!直ちに可動できる攻撃機で第一攻撃を行うぞ!」 加来「わ、わかりました!」 24 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 03:32:32.47 ID:IFQ6U1GaO イ401艦内 群像「本当に戦史の記録を寸分たがわぬ被弾状況だ…」 僧「艦長我々は傍観してるだけでいいんですか?」 群像「歴史には干渉はできない。この船は下手をすれば機動部隊はおろか、一国の海軍を相手取ることができる船だ。そんな船が戦闘に加わってみろ」 杏平「ある意味恐ろしいな…この船は…」 静「でも沈んでる船には何百人の人間がいるんですよ?」 群像「それでもだ…やむを得ない…」 イオナ「……」 ヒュウガ「で、どうするの?このままどこに向かうの?」 群像「それだな…ともかく今はこの海域を抜け出さないt」 静「艦長!左舷前方に漂流物が!」 群像「漂流物?特定できるか?」 イオナ「これはたぶん水上機だと思う」 群像「生存者は?」 イオナ「席はふたつ…後部座席に負傷者。生きてる」 僧「艦長、これはどうします…?」 杏平「歴史に干渉できないんじゃあ助けることが出来ないんじゃ?」 群像「………付近に艦影は?」 静「ありません」 群像「浮上するぞ!上げ舵10゚!バランストタンク排水!」 杏平「群像!?お前まさか助ける気か!?」 群像「勿論そうだ」 ヒュウガ「歴史に干渉はしないといったのに?」 群像「歴史にはな」 ヒュウガ「?」 25 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 03:44:14.88 ID:IFQ6U1GaO イ401甲板 ヒュウガ「内火艇を用意したわ。とりあえずライトもつけてるから」 群像「ありがとう」 イオナ「群像、貴方は行くの?」 群像「あぁ。イオナは?」 イオナ「私も行く」 タカオ「そ、それじゃ私も!」 群像「よし、行くぞ」 内火艇は不時着している水上機のとこへ向かう。 水上機の不時着現場に到着した群像は内火艇のライトの明かりを水上機へ向ける。 群像「二種軍服…恐らく士官だな…接舷するぞ」 水上機に接舷した。すると タカオ「! 艦長あれ!」 群像はタカオの指差す方向をみた。するとそこには操縦席のとこにはパイロットの死体があった。 群像「し、しんでる…恐らく操縦席に放たれた弾丸がパイロットに当たったんだろうな…」 イオナ「……」 イオナは悲しげな表情を浮かべている。 群像「ともかく…この士官を助け出さないとな…よっと…」ガシッ 群像は士官を内火艇に運び出した。 群像「まだ生きている…」 すると 水上機「」ドゴゴゴゴ 水上機の水密区画が浸水したせいで水上機は沈んでいく。 タカオ「なんとか間に合ったわね…」 26 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 04:06:46.06 ID:IFQ6U1GaO その後は士官をイ401の艦内にある医務室に運び出しヒュウガによって治療が施された。 イ401艦内 発令所 現在ここにはハルナ、蒔絵、キリシマを覗くイ401全クルーが集まっている。 ヒュウガ「医務室の見張りはハルナ達にまかせたわ。でなんであの将校を助けたの?」 群像「それはあとで話す。ヒュウガ、あの士官の容態を説明してくれ」 ヒュウガ「わかったわ…銃による外傷はなし、ただ着水時の衝撃で胸部肋骨3本の骨折と頸部捻挫、あと頭部の捻挫も認められるわ…血圧が下がっているせいで脈拍が落ちていて、脳圧も高かったわ」 ヒュウガ「現在、骨折箇所を固定していて、輸血と点滴による投薬を行っているわ」 ヒュウガ「まぁ早くて完治は1週間はといったとこかしら…」 群像「そうか。引き続き士官の治療を頼んだぞヒュウガ」 ヒュウガ「了解…で、本題は?」 群像「そうだな…」 杏平「なぁなんであの男を助けたんだ?」 群像「補給の件はこれで解決するだろうと思ってな」 僧「補給…?」 群像「この時代軍人はかなりな権限を持っていたんだ。彼を利用して燃料、及び食料を手に入れることにする」 僧「成る程…しかしそんなことが出来るのでしょうか?」 群像「出来る。あの士官が持っていたカバンを調べてみたら黒表紙の報告書があった。ミッドウェーでの戦闘記録がびっしりと書き込まれていた…士官は恐らく上級通信将校…つまり情報のプロだ。彼は燃料、物資の調達方法を知ってるはずだ」 タカオ「考えたものね」 27 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 04:34:19.31 ID:IFQ6U1GaO いおり「だけど情報のプロでしょう?だったら私たちの情報を海軍に売るかも知れないじゃん」 群像「それに関しては監視班を作ることにする。誰かやりたい奴はいないか」 タカオ「じゃ、じゃあ私がするわ!」 ヒュウガ「あらあんたが?」 群像「助かる」 タカオ「べ、別に艦長がやりたいやつはいるかと聞いてきたから…///」 ヒュウガ「まぁ交代しても構わないわよ」 タカオ「そんなのするわけないじゃない」 群像「よし。ヒュウガ。もし彼が目覚めたら呼んでくれ」 ヒュウガ「了解。それじゃ私は医務室に戻るわね」 ヒュウガは発令所を出た。 群像「まぁこれで大丈夫だろうな…」 僧「だといいですが…」 タカオ「で、艦長…そのあの男の監視はいつするの?///」モジモジ… 群像「あぁ。今はハルナ達がやってるからハルナ達が交代したいって言ったら交代してくれ」 タカオ「わ、わかったわ」 群像「ありがとなタカオ」 タカオ「べ、別に大したことじゃ…///」モジモジ… イオナ「…」 29 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 04:49:20.56 ID:IFQ6U1GaO 蒔絵「ねぇハルハル、次は何して遊ぶ?」 ハルナ「蒔絵、すまないが一旦私は医務室の様子を見てくるからキリシマと遊んどいてくれ」 蒔絵「うん。わかった」 ハルナ「すぐ戻る」 ハルナは医務室に入った。するとそこにはベットに横たわってる男のいる。 ハルナ「まだ寝てるのか…」 すると 草加「……」 ハルナ「! 目が覚めたのか…?」 草加「……」キョロキョロ ハルナ「……なにをしてるのだ?」 草加「ここは…?」 ハルナ「ここはイ401の医務室だ。お前h」 草加「船の中……だな…?」 ハルナ「そうだが…」 草加「私は…」 ハルナ「?」 草加は今にも泣きそうな声で言った。 草加「生きている………」 草加は泣き出した。 そこにヒュウガが入ってきた。 ヒュウガ「あら。どうやら起きたようね」 ハルナ「ヒュウガ、この男は突如泣き出したんだが…」 ヒュウガ「あらそう。大変ねぇ」 ヒュウガは男を見た。 ヒュウガ「ともかく今は安静にしてなさい。ちょっと発令所に戻って艦長を呼ぶわね…」 ヒュウガは発令所に向かうため医務室を出た。 ハルナ「………」 ハルナも続いて医務室を出た。 30 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 05:08:58.65 ID:IFQ6U1GaO 今日はここまで。おまけとして出てきた軍人を紹介します 31 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 05:21:54.69 ID:IFQ6U1GaO 南雲忠一 1887年(明治20年)3月25日 生まれ。海兵36期。 第一航空艦隊こと南雲機動部隊の司令長官として有名な軍人。 この人自身は空母や航空機に関する知識はゼロ。ただ次席で選ばれただけ。 戦前の南雲さんは猛将として知られていて実際軍令部の権限拡大を図った「軍令部令及び省部互渉規定改 正」では、当時軍令部第一班第二課長だった南雲さんは海軍省軍務局第一課長の井上成美と激しく対立していてある日井上さんに刃物を突きつけ「殺すぞ」と脅したレベル。 なのになぜ戦時にはその猛将感が消えたのか… 評価はかなり別れる人物ですが>>1としての評価はただ運がなかった…としか言いようがないくらいのかわいそうな人です。もしこの人が機動部隊ではなく水上艦部隊のとこに配属されればかなり活躍したと思います。 33 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 05:30:27.63 ID:IFQ6U1GaO 源田実 1904年(明治37年)8月16日生まれ。海兵52期。 同じく第一航空艦隊の航空参謀としても有名であり、また航空自衛隊の育て親でも有名な軍人です。 第一航空艦隊はこの人が動かしていたといっても過言じゃありません。実際司令長官の南雲さんは空母や航空機の素人なので作戦はほとんど源田参謀に任せていたので第一航空艦隊は源田艦隊とも呼ばれてました。 またこの方も評価が分かれている軍人でありますがこの人がいなければ恐らくあの有名なブルーインパルスは生まれなかったと思います。 34 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 05:45:49.72 ID:IFQ6U1GaO 山口多聞 明治25年(1892年)8月17日生まれ。海兵40期。 祖先は戦国時代北陸の武将・山口宗永で、父・宗義は大蔵省から日本銀行理事、父の次弟は日本初の工学博士で建築家 の山口半六、父の末弟は京都大学教授、学習院院長、宮中顧問官を歴任した山 口鋭之助。また兄の三菱銀行常務山口堅吉というエリート家系に生まれた軍人。たまげたなぁ…。 元々は潜水艦を専門としてましたが航空に転身しています。 また訓練の厳しさからパイロットにつけられた渾名は「人殺し多聞丸」。 こんなおっかない一面もありますが実は愛妻家だったそうです。 日本海軍の軍人では猛将としてかなり高い評価をさえている軍人で今日ではドリフターズに出てるぐらいです。 35 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 05:53:28.66 ID:IFQ6U1GaO 青木泰二朗 生まれ年不明。海兵41期。 ミッドウェー海戦で沈没した赤城の艦長として有名。 ミッドウェー海戦後は予備役に編入するという明らかな懲罰人事が行われている。 だが召集を受け海南警備府附となりその後は海口海軍航空隊、佐世保海 軍航空隊、元山海軍航空隊の各司令を勤めた。 因みに息子に筑波大学教授がいる。 36 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 06:02:41.39 ID:IFQ6U1GaO 草鹿龍之介 1892年(明治25年)9月25日生まれ。海兵41期。 この人は第一航空艦隊の参謀長を勤めていた。この人は太平洋戦争初戦の真珠湾攻撃に反対して軍人ですが山本五十六長官に「ハワイ奇襲は断行す る。無理もあるが積極的に考えて準備するように。投機的と言わずに君たちに も一理あるが僕のも研究してくれ。」と説得され、大西は「草鹿君、長官が ああまで仰るなら、一つまかせてみようじゃないか」と前言を翻し、唖然とする草鹿を横目に、大西と山本はポーカーを始めたとのこと。流石山本長官。 また剣術の達人であり、禅にも造詣が深かった草鹿は、実戦でも「手練の一撃を加 えれば残心することなく退くべし」という理念を持っていた。 なお草鹿任一中将は、父方の従兄とのこと。 37 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 06:08:53.21 ID:IFQ6U1GaO 加来止男 1893年(明治26年)11月8日生まれ。海兵42期。 ミッドウェー海戦で沈没した飛龍の艦長として有名。 兄は外交官。海軍を志願した理由は有明海に練習艦隊が入港したのを見て感激したのが理由。男は憧れるよね。 ミッドウェー海戦時、飛龍が被弾し撃沈する際山口さんと共に退艦を拒否して飛龍とともに戦死したそうです。 38 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/07(木) 06:10:05.11 ID:IFQ6U1GaO 今後も様々な軍人が出てきますので楽しみにしてください。 ではおやすみなさい。 きゅーそくせんこー 39 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/09(土) 18:09:56.79 ID:MEbJacsqO バランストタンク排水、アップトリム10゚、これより浮上する 40 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/09(土) 18:35:40.52 ID:MEbJacsqO 群像はヒュウガ、イオナ、そしてタカオとともに医務室へ入った。 群像「蒼き艦隊へようこそ。私はイ401の艦長を勤める千早群像です」 海軍式敬礼をして言った。 草加「艦長ですか、初めまして千早中佐。私は海軍少佐の草加拓海」 草加「助けていただいたことに感謝します」 草加は続けていう。 草加「この艦の所属と航行目的を知りたい」 イオナ「……信じてはもらえないと思うけど…」 群像「我々は…90年も後の時代からやって来たものです。所属はありません」 草加「……ならばその時代…日本は存在しているのですか?」 群像「えぇ」 草加「だとすれば日本がその時代まで存在するということは…日本は有利な条件で早期講和に持ち込めたということですね?」 群像「何故そうお思いで?」 草加「私は現実を認識しています…それ以外日本が生き残る道はないはずです」 群像「残念ながらそうでは」 すると突如艦内放送が流れた。 静『艦長!左舷より魚雷接近!雷速43!距離3400を切ってます!』 群像「申し訳ありませんが今はその話はあとで!イオナ!タカオ!戻るぞ!」 草加「艦長、私も同行してもよろしいでしょうか?」 群像「な、ダメです!まだ貴方は安静にしないと…」 ヒュウガ「同行するぐらいなら別に構わないわ。だけど激しい運動は出来ないけど」 群像「そこまで言うなら許可しましょう…」 草加「ありがとうございます」 41 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/09(土) 18:59:32.58 ID:MEbJacsqO 数分前 ガトー級潜水艦ガードフィッシュ 水測長「艦長、右舷前方5km先にソナーの反応あり」 クリス「ジャップの落伍艦か?」 クリスは潜望鏡を覗いた。 クリス「いやにでかい図体の船だな…フランスのシュルクーフに似てるな…ん?」 イ401の艦橋が月明かりに照された。 クリス「艦橋になにか書かれてるな…イ401?どうやらジャップの新鋭艦のようだな!」 クリス「よし、一番二番魚雷用意!」 水雷長「了解!一番二番装填開始!」 水雷員『一番二番装填完了!』 水雷長「発射口開口!」 クリス「悪く思うなよ…こんなとこに浮上しているお前らが悪い!」 クリス「魚雷発射!」 42 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/09(土) 19:15:12.71 ID:MEbJacsqO イ401発令所 群像「魚雷は?」 静「現在距離120!」 群像「よし!まだ間に合う!急速潜航!」 イオナ「きゅーそくせんこー」 イ401は直ぐ様潜航した。そのお陰で魚雷は頭上を通る。なんとか躱せた。 群像「敵の距離は?」 静「敵、現在方位2-6-4!距離4000!」 僧「敵が近づいて来ましたね…」 草加「……」 車椅子に乗せられた草加は発令所の周りを見ている。 ヒュウガ「どうする?撃沈でもしてしまえば?」 群像「駄目だ。それでは歴史に干渉してしまうことになる」 杏平「じゃあ逃げるのか?」 群像「そのつもりだ!下げ舵15゚、このまま潜航し続ける!」 イオナ「了解」 43 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/09(土) 19:23:16.88 ID:MEbJacsqO ガードフィッシュ発令所 クリス「嘘だろ!?あんなに早く潜航ができる船をジャップが!?」 水測長「艦長!敵はいまだに潜航中!その深度190!」 クリス「ふん、バカめ。そのまま潜り続ける気か?」 水測長「しかし圧壊音が聞こえません!」 クリス「なんだと…?そんなバカな!?そんな潜水艦がどこにあるんだ!」 水測長「し、しかし現に…」 クリス「さ、下げ舵10゚!そして三番四番五番六番全門装填!雷撃可能深度を調節後どっちに舵を切っても当たるように放射状に撃て!」 水雷長「了解!」 クリス「ジャップがそんな潜水艦を作れるのか…?」 44 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/09(土) 21:06:18.81 ID:BRNQIsGoO ガードフィッシュは艦首をイ401に向ける。そこから4本の魚雷が放射状に撃たれる。 イ401 発令所 静「魚雷放射状に来ます!回避は出来ません!」 群像「クラインフィールド展開!総員衝撃に備えよ!」 4本の魚雷はイ401に直撃する。 僧「うぉ」グラグラ 杏平「おっと」グラグラ 群像「対した衝撃じゃなかったな…各部被害は?」 静「ソナー異常はありません」 いおり『こちら機関、ちょっと揺れただけで異常はなし』 群像「イオナは大丈夫か?」 イオナ「うん。大丈夫」 45 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 02:24:41.82 ID:wJeHbSRWO ガードフィッシュ 発令所 クリス「なっ…ッ!敵に魚雷が命中しても沈まないだと……ッ!」 水測長「艦長!敵は化け物です!逃げましょう!」 クリス「いいや!これは我々の手で沈めなければならん!こいつがもし実戦で出てきたら大変なことになる!早く魚雷を装填しろ!」 水雷長「装填してますが今一度時間がかかります!」 水測長「敵いまだに下降を続けています!」 クリス「いったいどうなっている!そんなに潜ったら水圧で船体が折れるだろ!」 航海長「我々はこれ以上は潜航出来ません…ここは引きましょう!」 クリス「……仕方があるまい、パールハーバーへ帰投する。大平洋艦隊司令部に報告せねばならん」 クリス「信じてはもらえないだろうが…ジャップが最強の近代兵器を開発したとな…」 46 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 02:34:49.86 ID:wJeHbSRWO イ401 発令所 静「敵、去っていきます」 僧「流石にガトー級もここまでは潜航出来ませんからね」 群像「なにせ深度470だからな…イオナ、体の具合は?」 イオナ「大丈夫。全然平気」 草加「これが…21世紀の戦闘か…」 ヒュウガ「勘違いしてるようだけど…この船は人間が開発したんじゃないわよ」 草加「どういうことだ?」 群像「それを私が説明しましょう」 群像は草加に話した。人類は霧の艦隊という正体不明の敵と出会い海上での制海権を失ったこと、そしてこの船がその霧の艦隊の船であること。 草加「にわかには信じられませんが…信じるしかありませんね」 群像「そしてイオナはこの船のメンタルモデルです」 草加「一見見た目はただの女の子ですが…」 ヒュウガ「まぁそうよね…私もそうだけど…」 草加「……」 47 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 02:45:32.88 ID:wJeHbSRWO 群像「草加少佐…早速ですがお願いがあります。それはこの艦隊の補給をお願いしたいのです」 草加「補給?」 群像「先程も言いましたが…未来からきたので我々は漂流状態にありまして、補給が死活問題となっています」 草加「ようは私の権限を利用してこの艦の補給をしてほしいと?」 群像「……その通りです。草加少佐、出来ますか?」 草加「勿論です。助けてもらった恩返しで」 群像「ありがとうございます」 僧「これで補給問題は解決しましたね」 杏平「でもどうやってやるんだ?」 群像「それについてはもう作戦は考えてある」 48 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 03:06:17.38 ID:wJeHbSRWO 群像はイ401のクルー全員を呼び出し作戦の説明をした。 群像「現在もっとも警備が薄くなっているのはシンガポールだ。ここの主力の近藤中将麾下の第二艦隊はミッドウェー作戦で引き抜かれたからな」 群像「まず本艦をスマトラ島のメルシン…ここに艦を浮上させる。その後本艦は僧の指揮の元、付近にあるこの無人島アナンバス諸島に停泊」 僧「艦長はどうするんです?」 群像「俺はタカオと草加少佐と一緒にシンガポールへ行く」 タカオ「あ、私も!?」ガタッ 群像「そうだ…万が一のとこにな」 タカオ「あ、わ、わかってるわよ!」 僧「わかりました…」 群像「で、シンガポールへ陸路で行き、現地の軍の関係者と接触」 群像「民間船を徴用して、必要な食糧を調達しアナンバスにいる本艦と合流し補給をする。これが補給作戦の概要だ」 杏平「これを行うとなると…軍を欺くことになるぞ。大丈夫か?」 群像「この際はやむ終えない…」 群像「草加少佐はなにか意見は?」 草加「実に素晴らしい作戦です……異論はありません。この艦のためになるなら…」 群像「ならよかった」 49 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 03:12:23.04 ID:wJeHbSRWO その後草加は医務室に戻らずイ401の資料室に行きたいと行ったのでヒュウガに案内させた。 僧「いいのですか?資料室に案内させて?」 群像「我々のために尽くしてくれるんだ…せめてものお礼だ」 タカオ「ね、ねぇ艦長、私と一緒にシンガポールに行くのよね?」 群像「勿論だ。タカオ…しっかり見張っておけよ」 タカオ「と、当然じゃない!」 イオナ「群像…」 群像「なんだイオナ?」 イオナ「気をつけて」 群像はうなずいた。 イオナ「………」 50 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 03:13:34.95 ID:wJeHbSRWO 今日はここまで! おまけもつけときましょう 51 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 03:20:34.20 ID:wJeHbSRWO ガトー級潜水艦 アメリカ海軍の当時の主力潜水艦である。 海上自衛隊が潜水艦に敏感になったのはだいたいこいつのせい。 様々な戦果をあげており1隻で合計10万トン以上の船を沈めたフラッシャーや、23隻も沈めたシルバーサイズ、正規空母1隻、巡洋艦1 隻、駆逐艦2隻を沈めたアルバコア、駆逐艦4隻を沈めたハーダーなどもいる。 現在は台湾海軍が唯一この潜水艦を運用している。すげぇな… 52 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/10(日) 03:21:21.70 ID:wJeHbSRWO さぁ次はいよいよ草加が動き出す時です… 楽しみだ きゅーそくせんこー 57 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 01:49:42.64 ID:B8ou6hb9O スマトラ半島 メルシン イ401甲板 ヒュウガ「内火艇の準備完了。いつでも動かせるわ」 僧「では艦長…気をつけて」 群像「イオナの指揮は任せたぞ。タカオ、行くぞ」 タカオ「わ、わかってるわよ」 群像「イオナ…すぐ戻るからな」 イオナ「わかった。怪我をしないように」 草加「そろそろ出発した方がいい。早くしないと米軍か我軍の艦艇がここに来る可能性がある」 ヒュウガ「了解。じゃあ発進!」 ヒュウガが内火艇のスイッチを押して内火艇は陸へと向かった。 58 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 01:57:38.10 ID:B8ou6hb9O 内火艇 草加「夕べはよく眠れましたか?」 群像「夕べですか?眠れたことは眠れましたが…どうしてそんなことを?」 草加「いや……ひょっとしたらワクワクしているのではないかと。なにせあなた方には馴染みのない世界ですからね…」 群像「………正直いえば怖いですね」 草加「怖い?」 群像「馴染みのない世界……ましては戦時中…もしかしたら自分は生きて変えれないんじゃないのかと思うと怖くて…」 草加「無理もありませんよ。人間はそんなものです」 タカオ「にしても陸の方は暗いわね…」 群像「恐らく灯火管制じゃないか?」 草加「………」 59 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 02:05:11.48 ID:B8ou6hb9O 内火艇は陸に上陸するように浜に乗り上げた。 群像達は内火艇から降り内火艇を送り返した。ヒュウガが送り返せるように開発したのだ。 草加「無人の内火艇を動かすことが出来るとは霧の艦隊の船は凄まじい技術力ですね…」 草加「それにひきかえ…」 草加「その腰にある拳銃は…相変わらず変わらない形ですね」 群像を見て草加は言った。 群像「……もしもの時にですよ…」 群像は腰にしまってある9mm拳銃をチラリと草加に見せた。 草加「そうですか…では町へ出ましょう。今日はそこへ止まりましょう」 草加は先に歩いた。 タカオ「艦長…」 群像「あぁ…」 60 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 02:15:48.51 ID:B8ou6hb9O 上陸前 イ401 発令所 群像「タカオ…上陸前に言っておくがまだ俺は彼を信じてはない」 タカオ「か、艦長!?それって…!」 僧「どういうことですか?」 群像「彼は日本海軍の軍人だ…下手すればこの船の情報を持ち込んで司令部に報告するに違いない」 杏平「た、確かに考えれるな…」 群像「そういう事態に備えるべく…タカオはまだ対処は出来るが…俺はそんなことは出来ない、だから」 群像は9mm拳銃を取り出した。 杏平「じゅ、銃!?」 静「いつの間に…?」 群像「硫黄島の武器庫にあったものだ。あそこは元々軍の基地があったからな。もしもの時に備えて何丁か持ってきたんだ」 ヒュウガ「それを持っていくの?」 群像「勿論だ。彼が何か変なことをすればこれを突きつけて脅すまでだ…」 イオナ「群像…貴方撃つの……?」 群像「あくまで脅し用にだ」 イオナ「ならいいけど…」 僧「艦長…なるべくそれを使わないことを祈りますよ」 群像「わかってる。そのつもりだ」 61 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 02:51:13.52 ID:B8ou6hb9O 次の日 戦艦大和長官室 津田「第四水雷戦隊旗艦長良より、津田通信参謀!報告へ参りました!」 山本「ごくろう…」 津田「南雲長官以下機動部隊司令、軽巡長良より、ミッドウェー作戦の戦闘報告を行うため本大和に乗艦するとのことです。報告書をおもちいたしました」 津田は山本にミッドウェー海戦の戦闘報告を行うため戦闘記録を渡した。 山本はそれを手に取りみた。 山本「…まぁ座りなよ」 津田「は!では失礼します!」ガタッ 山本「……南雲は何か言ってたかね?」 津田「は?」 山本「空母を沈めた責任は私にあるとか…そんなことを言ってたかね?南雲のみならず司令部の人間はどうだい?」 津田「いえ!そのようなことは言ってはおりません!」 山本「ならいいんだ…今の日本にはそんな余裕はないからね…空母の搭乗員を育てるのに4、5年。またその指揮官を育てるのには何十年の時間がかかる…南雲に伝えてくれないか」 山本「責任を取るのは俺だけでいい、早まらないでくれと」 津田「は!」 山本「ところで連絡中に遭難した草加少佐についてだが…」 津田「はい…依然行方不明で…」 山本「そうか……生きててくれればいい…な…熱気的な軍人ではなく、冷静沈着で我々の世代にはいない軍人だからな…」 津田「………そうですね…でも草加さんは生きています!彼は一見すれば冷めた軍人ですが胸の奥底には誰にも負けない強い愛国心をもった人間です!きっと生きて自分の職務を全うします!」 山本は報告書を閉じた。 山本「やはりないな…」 津田「? なにがですか?」 山本「伊401の記述だよ…」 津田「伊401?あの潜特型の潜水艦で現在建造中の潜水艦の事でしょうか?」 山本「突如大和の目の前に表れ、そのまま潜航して逃げたのだよ」 山本「しかも今までの潜水艦よりも早く急速潜航できる潜水艦だったよ。あの青い塗装は我軍にはない色で…」 津田「まさか…」 山本「そのまさかさ。お陰で我々司令部は大騒ぎしたよ。あるものは米英の偽装艦ではないかという意見もあったさ」 山本「草加少佐の捜索と同時にこの潜水艦の情報の収集にもあたってくれ」 津田「は!」 山本「あれは俺の勘だが…もしかしたら日本、いや世界の流れも変えてしまうかもしれんのだ…」 62 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 17:43:01.33 ID:QD+m1ZohO スマトラ半島 メルシン 駅 草加「これよりここから汽車でシンガポールに向かいますが…準備はよろしいでしょうか?」 群像「準備はできてますよ」 草加「では行きましょうか…」 タカオ「それにしても…なんか私たちを見て拝んでる人もいるけどなんでなの?」 草加「日本が植民地支配を解放してくれたと思ってる人でしょうね…」 群像「確かに日本は大東亜共栄圏といい南方へ来たからそう思う人間もいるでしょうね…」 草加「あなた方の時代ではそう言われてるのですか…」 群像「そう言われてるもなにもこの戦争は資源獲得の為に始めた戦争ではないですか?」 草加「確かに日本はアメリカ、イギリス、オランダ、中国の対日石油輸出禁輸が原因で起こしました…ですがそれは本当か…その目で見たらどうです?」 63 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 17:51:07.16 ID:QD+m1ZohO 汽車内 一号車 群像「流石一号車…中々快適ですね…チケットを手に入れるのはあなたにとっては簡単なことでしょうね…」 草加「こんなものは軍政地での軍人の特権ですよ」 タカオ「軍人様は特権階級なのかしら?」 草加「強いて言うならそうでしょうね…」 そんな話をしてると突如汽車が止まった。 タカオ「なんで止まるのよ!」 草加「恐らく憲兵の検問でしょう…暫くはおとなしくした方がいいですよ」 群像「なぜ憲兵が検問を?」 草加「そのうちわかりますよ」 64 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 18:00:11.59 ID:QD+m1ZohO 憲兵は一号車に入り乗客ひとりひとりをしらみ潰しに調べていたが… 憲兵「次はそこだ!身分証明書と…」 草加「どうした?」 憲兵「(こいつ…海軍の軍人…しかも階級はかなり上の人間だ。下手に調べたら海軍からなに言われるかわからんし…まぁ軍人と一緒なら怪しいものたちじゃないだろうな)いえ!お勤めご苦労様です!」 憲兵は草加に敬礼をして去っていった。 群像「憲兵も顔パス…意味がない検問ですね…」 草加「案外そうでもないでしょう」 すると 憲兵「抗日ゲリラのアル!貴様を拘束する!」 (;`ハ´)「ば、バレたでアルよ!」 抗日ゲリラは窓から逃げ出した。 憲兵「逃がすな!追え!追え!」 部下「ハッ!」ダッ 65 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 18:07:06.80 ID:QD+m1ZohO 草加「あのように日本のやり方に反発してゲリラを行うものもいますからね。あなた方の時代もそんな人間がかなりいたようですね…」 群像「テロリストのことですか…」 草加「いつの時代も支配者に抗うものもいるのですよ」 草加はそういうと三号車でバナナの売り子がいるだろうと言って席を離れた。 群像「支配者に抗うものか…」 タカオ「なんのことかしらね?」 群像「もしかしたら俺達のことかもな…」 タカオ「突如として表れた霧の艦隊に抗う人間……そしてかなわず海上の制海権をとられ、それに抗う私たちイ401のクルーである私たち…中々面白い冗談ね」 群像「あるいは…自分のことか?」 67 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 18:19:54.62 ID:QD+m1ZohO そしてシンガポールに到着した群像達はまず日本運航會昭南支部へと立ち寄った。 草加「海軍の緊急の任務で補給が必要なのでどうか民間船を徴用したい…」 担当者「書類をお見せください」 草加「こちらです」スッ 担当者「………この条件を満たす民間船は東洋丸がいます。それでよろしいでしょうか?」 草加「構いません。では5日で物資の詰め込みを完了して貰いたい」 担当者「5日!?そんなに早くには出来ません!東洋丸の乗組員は先週出航から帰ってきたばかりで休養が…」 草加「この作戦は日本の国運を揺るがすほど大事な作戦です。なんとしてでも急がなければなりません。よろしいですね?」 担当者「は、はい!」 草加「それと…この件は極秘にやりたいので内密にお願いできますか?」 担当者「わ、わかりました!」 草加「ありがとうございます…」ペコッ 68 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 18:28:49.11 ID:QD+m1ZohO 支部を出たあと群像は言った。 群像「あのようなごり押しが通るとはまさに軍政地ですね…」 草加「戦時じゃめずらしいものではありませんよ。さぁ次は食糧の買い出しへと行きましょう」 タカオ「それはどのくらいかかるの?」 草加「まぁすぐに終わりますよ。では行きましょうか」 タカオ「……」 群像「タカオどうしたんだ?」 タカオ「艦長…なんか私たち…見られてるような感じがするんだけど…」 群像「そうか?気のせいだろう」 タカオ「だといいけど…」 津田「運航會の支部を出た…そのまま追うぞ」 部下「ハッ!」 69 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 18:39:46.35 ID:QD+m1ZohO 群像達がシンガポールに到着する数時間前…シンガポール海軍基地 基地司令「すぐに潜航が可能の蒼い潜水艦?」 基地司令「こんな戦場都市伝説…誰が見たと言うんですか?」 津田「連合艦隊司令長官の…山本五十六長官ですよ」 基地司令は驚いた顔で津田を見た。 津田「一昨日…比島(フィリピン)で哨戒中の海防艦がおかしなものを見たと言いましてね…それと全く似た潜水艦を…」 津田「恐らくこの潜水艦はここシンガポールを訪れた可能性が高いのですよ」 基地司令「それは本当ですか…?」 津田「あくまで可能性の話です……そして」 津田「私が探してる海軍将校もここを訪れてる可能性もあるのですよ」 基地司令「なにが言いたいので?」 津田「基地にいる陸戦隊と艦艇を……捜索のため私に預けてくれませんか?」 基地司令「は、はい!」 70 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 18:46:56.37 ID:QD+m1ZohO そして現在、昭南のとあるホテルの一室 群像(………これまでなんの問題もなくスムーズに作戦がうまくいってる…あまりにもうまくいきすぎなのでは?) そんなことを考えてると コンコンッ ノックが聞こえたので群像はドアを開けた。するとそこには二種軍服ではなく蝶ネクタイにスーツを着込んでる草加の姿があった。 草加「千早艦長…出掛けませんか?」 群像「どこへです?」 草加「あなたの知らない日本へですよ。タカオさんも連れて」 71 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 19:00:00.28 ID:QD+m1ZohO 草加が案内したのはホテルの近くにあるダンスホールだった。 そこはかなり豪華で天井にはナチスドイツ、ファシストイタリア、そして大日本帝国の旗が吊り下げられ、踊ってる人はみなドレスにスーツ、それに軍服のひともいる。 群像「戦時中とは思えないですね…」 草加「あなた方の時代ではまるで戦時中は貧しかったと語ってますが…実際はこんな一面もあるのですよ」 タカオ「ね、ねぇ艦長…ここの人達みんな踊ってるし…よかったら艦長も踊らない?///」モジモジ 群像「別に構わないが…俺は踊れないぞ?」 タカオ「いいの!みんなの見よう見まねでやれば!///」ガシッ 群像「お、おいタカオ!」ズルズル 群像はタカオに引っ張られながら席を離れた。 草加「………」 草加はそれを笑いながら見ていた…が 草加「!」 草加の視界にある人物が見えた。 津田「…」 草加(どういうことだ?津田はこの時はシンガポールにはいなかったはずだ!なのになぜお前がここにいる!」 津田は草加に近づいて、目の前に出た。 津田「お探ししましたよ…帝国海軍通信参謀草加拓海少佐!」 草加は動揺を顔に出さないように努めた。 草加「……」 津田「こんなことでなにをしてるのですか?」 72 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 19:04:57.86 ID:QD+m1ZohO 「あなたどうしたの?」 するとそこに女性が現れ草加の隣に座った。 「あの……軍人さん、もしかしてうちの主人になにかご用でも?」 草加「……どうやらこのかたが探している軍人と私を間違えたらしい」 津田「……」 草加「申し訳ないが…あなたが探している軍人ではありませんよ。では失礼します」 草加は女性とともに去っていった。 津田「……どういうことだ?」 73 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 19:22:07.90 ID:QD+m1ZohO ダンスホールの外で草加と群像、タカオは合流した。 草加「助かりましたよ…」 群像「すみませんね…彼の家内のふりをしろだなんて無茶なことを言ってしまい…」 「いえいえ…あのよろしかったら昭南楼に遊びにきてくださいね」 群像「クルー全員と行ってもよろしいでしょうか?」 「えぇ。構いませんよ。では…」 女性は去っていった。 タカオ「……あの男はなんだったの?」 草加「津田一馬…海兵58期で私の同期元部下だ」 群像「その部下がなんでここに?」 74 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 19:30:34.20 ID:QD+m1ZohO 草加「恐らく私を探しに来たのでしょう……」 群像「不味いですね…一刻も早く出航させないと我々のことが勘づかれてしまう…出航日を前倒しにして明日にしてもらえないかと頼めますか?」 草加「頼んでみましょう。ではそうなると運航會へ向かいますか」 群像「えぇ」 津田「彼らに動きは? 津田部下「どうやらどこかへ向かうようですが…」 津田「ついていってみるぞ」 津田部下「ハッ!」 75 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 19:33:36.91 ID:QD+m1ZohO 運航會 昭南支部 担当者「出航日を前倒し!?」 草加「なんとしてでもです。出来ませんか?」 担当者「は、わかりました。ですがどんなに急いでも明日の夜の7時になりますよ」 草加「構いません。ではそれで」 担当者「はい」 群像「……」 76 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 19:38:14.04 ID:QD+m1ZohO 津田部下「申し訳ありません…途中で見失いました…」 津田「……明日、日を改めて運航會へ向かう」 津田部下「運航會ですか?」 津田「恐らく草加少佐は蒼い潜水艦となにか関係あるに違いない…陸戦隊は?」 津田部下「現在日本人街を捜索してますが…全然見つからないらしく…」 津田「日本人街だけじゃダメだ!中国人街も探せ!」 津田(草加少佐…あなたはなぜ身分を偽ってまでこのようなことを?) 77 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 20:44:23.25 ID:nPEX7U04O 翌日 運航會 昭南支部 津田「ですから!その民間船のことをお教えください!」ダンッ! 担当者「軍の方に内密にと言われたのでお答えできません」 津田部下「我々も軍だぞ!」ダンッ! 津田「……実は昨日捕らえた抗日ゲリラがこんなことを言ってましてね…」 津田「海軍の輸送船に爆弾を仕掛けたと言っておりまして…」 担当者「ば、爆弾が!?」 津田「その後その抗日ゲリラは自害してしまいまして輸送船の名前だけはわからないせいで海軍の輸送船を全部調べましたがなくて…残るは民間船だけで…」 担当者「と、東洋丸です!今夜7時に出航予定の東洋丸です!」 津田「わかりました…ご協力ありがとうございます」 78 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 20:50:34.43 ID:nPEX7U04O アナンバス諸島 イ401停泊地 ボートに乗った親子がイ401を発見した。 子供「父ちゃん!あれ見て!」 父「ん?どうした?」 子供「大きな船だよ!しかも木や草をつけてる!」 父「日本軍の軍艦か?にしてもこんな軍艦見たことがない……」 子供「すごいや!父ちゃん近くまで近づいて見てみようよ!」 父「いや…容易に近づいちゃダメだ!こんなとこに日本軍の軍艦がいること自体おかしいぞ!帰って憲兵の屯所に行くぞ!」 79 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:12:24.87 ID:nPEX7U04O 東洋丸が停泊してる港 津田「あれが草加少佐が徴用した民間船ですか…」 津田部下「そのようですね…にしてもなんのために?」 その時電話がなった。 陸戦隊A「私が出ます」 陸戦隊Aが出た。 陸戦隊A「もしもし……はい!……わかりました…津田大尉!お電話です!」 津田「私に?わかった」 津田が電話を代わる。 津田「もしもし…」 陸戦隊B『もしもし、津田大尉ですか?実は憲兵の屯所で地元の漁民が津田大尉が探してる潜水艦とおんなじものを見たという情報が入りましてね…なんでもアナンバス諸島で木や草をつけて偽装してるらしいんですよ』 津田「それは本当か!?」 陸戦隊B「はい。どうします?」 津田「………よし!作戦はあとで伝えるから一旦港まで来てくれ!それじゃ!」ガチャン! 津田(繋がった…そういうことでしたか…草加少佐!) 80 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:19:40.11 ID:nPEX7U04O 午後7時 港 群像「どうやら誰にも気づかれないでここまで来たようですね…」 草加「えぇ…物資の積み荷は完了したようですしね…あとは乗り込むだけです」 タカオ「軍の人間にバレずにここまでいけるとはね…」 タカオ(でもうまくいきすぎない……?) 群像「よし、タカオいくぞ」 タカオ「わ、わかってるわよ!」 81 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:26:55.78 ID:nPEX7U04O 群像達は東洋丸に乗り込んだ。 船長「どうも……船長です」 群像「今回は無理をいった出航をやってくれてありがとうございます」 船長「いえいえ…これもお国の為ですよ。我々がこのようなことで役立てるとは嬉しい限りですよ」 草加「船はどれくらいで目的地に?」 船長「対潜警戒を行いながら航行しますので…早くて明日の昼頃にはつきますね…」 草加「そうですか…ありがとうございます」 船長はペコリと群像達にお辞儀をしブリッジへ戻っていった。 83 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:36:24.60 ID:nPEX7U04O 群像「では我々は船員室へ行きますか」カンカンカン… 草加「そうしますか」カンカンカン… タカオ「……」カンカンカン… 群像達は階段で甲板に降り甲板を歩いていると 船員?「」ペコリッ 船員が軽くお辞儀をし、群像達の横を通った。 群像「……さっきの船員なにかおかしくないですか?」 草加「確かにそうですね…歩き方は軍人そのものでした…」 タカオ「じゃ、じゃあこの船には軍が!?」 群像「あり得るな。恐らく軍が勘づいたようだ…何人か船員に軍の工作員を忍び込ませたようだな…」 草加「もしかしたら船長もそうかもしれませんね…私はブリッジにいって船長の正体を探ってきます」 群像「それじゃ私はタカオと一緒にさっきの船員に探りをかけます」 84 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:44:28.74 ID:nPEX7U04O 群像は草加と別れさっきの船員に声をかけた。 群像「やぁ。ちょっと聞きたいことがあるんだが…」 船員?「なんでしょうか?」 群像「この船に積まれてる荷物について…なにか知ってるかい?」 船員?「はぁ…食糧に燃料ですかね?」 群像「……この船には燃料はない。ましては物資の積み荷を運んだ船員ならこんなことは知ってるはずだ。聞きます、あなたは一体何者なのですか」 船員?「………」 85 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:47:58.95 ID:nPEX7U04O ブリッジ 草加「失礼します…」ガチャッ 草加「船長は…」 「やっとお会いできましたか…」 ブリッジの中央から草加の聞きなれた声が聞こえた。 草加「お前は……!」 「生きてたんですね?草加少佐」 草加「ふん…腕をあげたな…」 86 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:48:28.70 ID:nPEX7U04O 草加「津田大尉!」 87 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:51:28.09 ID:nPEX7U04O 津田「山本五十六長官が喜びになるでしょう」 草加「ここまでよく私がここにいると考えたな」 津田「私も成長したんですよ草加少佐」 草加「……お前がこの船にいるということはここにはどれくらいの数の軍人がいるんだ?」 津田「甲板をみればわかりますよ」 草加は窓から甲板を見た。 88 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 21:55:36.47 ID:nPEX7U04O 群像「なんと言うことだ…」 物陰から次々と軍の工作員が出てくる。 タカオ「船員全員に入れ替わってたのね!」 工作員A「この者達を捕らえて津田大尉の元へ連れ出せ!」 工作員が物陰から躍り出て群像とタカオを捕らえた。 群像「し、しまった!?」 タカオ「ちょっと話なさいよ!」 89 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 22:02:48.56 ID:nPEX7U04O 群像とタカオは甲板とブリッジを繋ぐ通路に連れてこられた。そこには津田と草加がいた。 津田「時空を越えてやってきた潜水艦!?」 草加「そうだ。君達が探してる潜水艦は90年も後の時代から来た潜水艦だ」 津田「そんなことは…あり得ない!」 草加「しかしそうではないと考えれないことは山ほどある。あれだけの早さで潜航でき尚且つ魚雷を食らってもなんともない無敵の潜水艦だ…」 津田「……もし草加少佐がいう未来から来たという潜水艦であるというなら!」 津田は群像の方を向いた。 津田「その後の日本はどうなる!また日本は勝つのか!」 津田「答えてみろ!」 群像「いいでしょう!答えます!日本は」 草加「その必要はありません」 草加は制止した。 草加「その歴史を知っても無意味なのだ。なぜなら…」 90 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 22:03:39.03 ID:nPEX7U04O 草加「我々がその歴史を変えるからだ!」 91 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 22:04:21.24 ID:nPEX7U04O よし…今日はここまで。 ではおまけを… 92 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 22:25:52.07 ID:nPEX7U04O 山本五十六 1884年(明治17年)4月4日。海兵32期。 日本で最も有名な提督で>>1が尊敬して止まない軍人です。 彼は海兵卒業後日露戦争で装甲巡洋艦日進に乗り組み日本海海戦に参加し、砲の暴発により左手の人差し指と中指を失ってしまいます。 これを利用し彼はタクシーを降りるとき左手を運転手に見せ「俺はこういうもの(ヤクザ)だ」と言ってタクシーの運ちゃんをビビらせ「お代は結構です!」と言わせただ乗りしてたらしいです…(勿論後で従兵の人間が払いますが)。 趣味はギャンブルでかなり腕前があって実際モナコのカジノ協会から出禁を言われたレベルです。 とまぁ人物面はかなり面白い人間ですが軍人としてはすごい人間で大艦巨砲主義の海軍で航空主兵を主張し海軍航空隊の育成に尽力し、日独伊三国同盟や対米開戦にかなり強く反対してます。実際日独伊三国同盟に関しては米内光政、井上成美とともに反対を押しきり一時お流れになったぐらいです。 そして米内光政の命により連合艦隊司令長官となり太平洋戦争では早期講和、短期決戦を元に作戦を立案しました。 最後はブーケンビルの空で乗っていた一式陸攻が米軍の待ち伏せをくらいそれがもとでなくなりました。惜しい軍人をなくしてしまったものだ… この方も評価は別れますが>>1はすごい軍人だと思います。 93 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 22:35:38.97 ID:nPEX7U04O 海軍陸戦隊 海軍で編成された陸上部隊。元々は戦争が起きたときだけ編制されるものですが1930年に常設されました。 日中戦争では上海事変で日本人の保護や租借地での警備を行い、太平洋戦争では島々での戦闘で活躍し空挺部隊(パラシュート部隊)でセレベス島メナドで日本 最初の落下傘降下作戦を実施し空の神兵と称えられました。 終戦時には本土決戦に備えるため10万人もいました。 これだけ輝かしい戦績を持っていながら当時の海軍士官の人間からすると左遷されられる職場というイメージでかなり人気がなかったとのこと。 94 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/12(火) 22:36:52.60 ID:nPEX7U04O 草加の野望がついに暴かれた… すげぇ!おら書くのワクワクすっぞ! ではまた きゅーそくせんこー 102 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/15(金) 20:16:30.45 ID:On7hrQnkO では書きます さぁイ401はどのように動くのか… 103 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/15(金) 20:26:46.07 ID:On7hrQnkO 草加「この戦争の行く末…我が国の未来は…我々の手の中にある!」 津田と群像は驚いた表情で草加を見た。 草加「我々にその力があると思いませんか?千早艦長」 群像「あなたは一体なんのつもりで言ったんですか?歴史を変えるということは、どれほどの危険があることか…」 草加「勿論それは承知の上です。変えなければなりません」 津田「変えないといけないほどの…未来なのか…?」 津田は群像に質問する。 群像はそれを無視し、草加の前へ行く 群像「未来は変えてはいけない…それはあなたもご存じの筈だ!あなたはどんな未来を想像してるんですか!」 草加「勝ち目のないこの戦争を早期に終わらせ…多くの日本人を救うことです」 群像「………」 草加「それを非とすることを…あなたは言うのですか?」 104 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/15(金) 20:33:08.47 ID:On7hrQnkO 群像「…その発言は、日本軍の者としての発言ですか?それとも我々イ401のクルーとしての発言ですか?」 草加「日本軍の者でも、あなた方イ401としてのクルーとしての発言でもない。私はひとりの日本人として発言した」 草加「歴史を造り出すのは神ではありません…我々人間です」 草加「すでにもう動いてもいます」 草加「我々だけではありません、ここにいる津田大尉と30人の部下と……そしてなにより…」 105 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/15(金) 20:37:17.29 ID:On7hrQnkO 草加「この東洋丸が新たな歴史を創るために動き出しているのだ!」 106 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/15(金) 20:43:55.92 ID:On7hrQnkO 草加「来月の8月7日…ガダルカナル攻防戦が始まります…そこに投入されるのは陸軍の一木支隊の運命をあなたは知っているはずです…」 群像「………」 草加「沈む水偵から私を助けたあなたはこの事を目をつぶって見てるわけはありません…」 草加「なぜならあなたも神ならぬ人間だからです!」 群像「クッ…」 工作員A「少佐から離れろ!」 工作員は十四年式拳銃を群像に構える。 107 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01:20:16.81 ID:GGOSn8wJO その頃イ401 静「副長!不名鑑が20カイリ圏内に来ます!」 僧「艦長の輸送船ですかね…」 杏平「だとしたら暗号文を打ってくるはずだぜ」 イオナ「待って、群像はなにかが原因で暗号が打てないのかもしれない」 ヒュウガ「イオナお姉さま…でもなにが原因で?」 イオナ「わからない」ブンブン イオナは首を横に振った。 僧「どちらにせよ…20カイリ圏内に入らないうちに暗号が来ればいいのです」 杏平「来なかったときは?」 僧「………やるしかありませんね…その時は」 108 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01:28:12.19 ID:GGOSn8wJO 東洋丸 津田は群像から9mm拳銃を取り上げそれを見る。 津田「かなり珍しい形の銃だな…」カチャッ 津田「あなた方にはかなり興味が湧いてきました…」 タカオ「あんたたちこんなことしてただですむととでも思ってるの!?」 津田「立場をわかってない…主導権は我々が握っているのだ」 津田「あなた方の潜水艦を強制拿捕も可能な状態にある」 群像「強制拿捕?」 津田「もしかしてあなた方は我々だけとでも思っているのですか?」 津田「私の指示で空と海から部隊が動く」 109 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01:33:32.20 ID:GGOSn8wJO 津田「サンジャック基地には雷装した一式陸攻隊及び護衛戦闘機、セレター軍港には停泊中の駆逐艦計8隻…」 津田「大型の一級潜水艦を沈めるには十分な戦力がすでに作戦任務に就いている!」 津田は部下に命じる。 津田「この者たちを船倉へ拘置しろ!」 工作員A「ハッ!」 草加「まて津田大尉…彼らは艦長に女性だ。丁重に扱ってくれ」 群像「………」 110 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01:43:57.06 ID:GGOSn8wJO 工作員A「さぁ下りろ!」 群像「果たしてそれでいいのですか?」 津田「なんだと…?」 群像「アナンバスまであともう少しですが…不審な船が我が潜水艦から20カイリ圏内に近づくと私が乗ってる船か確認するため無線を打つのです…」 津田「!?」 部下達は群像とタカオに銃を向ける。 群像「でその私が乗ってる船と知らせるための暗号を打たないといけない…ですがそれはここにいる私とタカオ以外打てるものはいない…」 津田「打たなければどうなる?」 群像「あなた方の索敵機を凌ぐ電探能力とソナー…対艦兵装1000kmで、どんな攻撃も聞かない艦体を持つ我が艦がそちらの攻撃部隊を殲滅する!」 111 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 02:01:31.17 ID:GGOSn8wJO 河本「大尉!これは幼稚な恫喝です!」 河本「補給物資を持った本船を、撃沈するわけがありません!」カチャッ 河本兵曹長は十四年式拳銃を群像に構える。 群像「ですが攻撃中止の暗号は私しか知らない。もし打たなければあなた方は海のそこへと沈む!」 津田「草加少佐!それは本当ですか!?」 草加「私もはじめて聞いた…」 津田「は?」 草加「だが作戦の秘匿性から見て当然のことだろう」 草加「それに群像艦長が言った艦の性能は事実だ」 津田「なっ!?」 草加「信じられないだろうが…対艦兵装1000kmは事実……さらにどんな攻撃も聞かない“クラインフィールド”のことも事実だ。私が体験したことだ」 群像「……」 津田「20カイリ圏内まであとどれくらいだ!?」 部下に訪ねる。 工作員B「あと15分です!」 津田(してやられたか!?この状況で採れる選択肢は3つ…) 津田(ひとつはこの男の話を無視して20カイリ圏内に突入すること…) 津田(ふたつはこの男の話を信じて攻撃中止の暗号を打たせること…) 津田(みっつは我々の攻撃部隊の到着を待って突入すること…) 群像「おわかりだと思いますが…これは取引です。攻撃中止の暗号を打つ代わりの対価を支払ってもらいます」 津田「なに?」 112 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 02:10:47.58 ID:GGOSn8wJO 群像「攻撃中止の暗号を打たせる条件はふたつ、ひとつは我々の補給作業の関与は認めない、我が艦の生存権を絶対確保させるために」 群像「そしてふたつ、あなた方の武装解除を行ってもらいます」 河本「なに……!?」 群像「この条件を飲まないと…この船は沈みます!」 津田「……………あなたは中々優秀な軍人だ…」 津田「電信室へ案内しろ!」 河本「ハッ!」 113 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 02:21:36.83 ID:GGOSn8wJO 電信室 群像「20カイリ圏内まであともう少しです…一回しか来ませんのでよく聞いてください」 電信員「……!来ました!かなりの出力です!」 ト・ウ・カ・イ・イ・キ・ハ・フ・ウ・サ・チ・ュ・ウ・デ・ア・ル ス・ミ・ヤ・カ・ニ・シ・ン・ロ・ヲ・ヘ・ン・コ・ウ・セ・ヨ 津田「……攻撃中止の暗号はなんだ?」 群像「その前に銃を返してもらおう」 河本「なりません!」 津田「……」スッ 津田は素直に群像に9mm拳銃を返した。 群像「それでは打ちましょう…」 群像は机に座り暗号文を打った。 114 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 15:36:16.27 ID:mW+nESo0O イ401 群像が打った暗号文はイ401に届いた 静「接近中の不審船から無線です!」 僧「内容は?」 静「イ・オ・ウ・ジ・マ・ノ・テ・ン・キ・ハ・ハ・レ・ノ・チ・ク・モ・リ……」 杏平「ハレはわかるが…クモリはなにを表してるんだ?」 僧「恐らく…何者かの介入があったと知らせてるのかも知れませんね…」 イオナ「群像…」 115 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 15:45:13.24 ID:mW+nESo0O 東洋丸 河本「20カイリ圏内に突入しました!」 群像「これで攻撃中止です。では約束通り…艦の生存権は確保してもらいますよ?」 津田「わかってる…」 群像とタカオは解放された。 草加「してやられたな…津田大尉…」 津田「……」 116 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 16:03:26.67 ID:mW+nESo0O イ401甲板 ヒュウガ「来たわね…あれが艦長が乗ってる輸送船ね…」 キリシマ「にしてもなんで私達だけ甲板にいるんだ?」 僧「決まってるじゃないですか…我々だけで食糧を運び出すんですよ」 キリシマ「なんだと!?そんなの聞いてないぞ!」 ハルナ「聞いてないのはキリシマだけだ。艦の中にいるのは主要要員であるイオナ達だけだ」 キリシマ「この体で荷物を運べなぞ重労働だぞ!」 119 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 17:09:14.60 ID:GQCVdUOFO 東洋丸ブリッジ 津田「……」 津田はイ401を見つめる。 津田「河本兵曹長、貴官の所見は?」 河本「私は90年も後の未来からきた潜水艦なぞ初めは馬鹿馬鹿しい話だと思いましたが…」 河本「あれを見て信じましたよ。あれはまだ建造中の伊401ですよ」 河本「しかも蒼い塗装…どう考えても我軍の潜水艦ではありません…」 120 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 17:28:28.35 ID:GQCVdUOFO 工作員A「津田大尉!潜水艦からタグボートらしき船が近づきます!」 イ401からきた内火艇は東洋丸の横にきた。 津田「…タラップを出せ!」 工作員A「ハッ!」 工作員Aはタラップを出すためにブリッジを出た。 津田「…私もいこう…」 津田も工作員Aに続いて出た。 121 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 17:40:05.74 ID:GQCVdUOFO 群像とタカオはタラップを下り、内火艇にいるヒュウガと僧と合流した。 僧「艦長…無事でよかったです!」 ヒュウガ「無事なのはいいけど…厄介なお客を連れてきたわね…」チラッ ヒュウガは東洋丸をチラリと見た。 群像「すまない…軍にバレてしまった…」 タカオ「でも作戦目標である食糧が手に入ったんだからよしとしない?」 ヒュウガ「そうね…まずは物資をこの内火艇に運ぶわよ。ハルナキリシマ手伝って」 ハルナ「了解」 キリシマ「この体で仕事をするのは初めてだ!」 123 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 17:56:48.74 ID:GQCVdUOFO 東洋丸にいる工作員はみな奇異な目で見た。 工作員B「おいおい…あの片メガネのねーちゃん卵みたいなのに乗ってそこから伸びてる腕でタイ米全部運んでやがるぞ…」 工作員C「すげぇ!あのクマのぬいぐるみみたいのは生鮮食品の入った箱軽々と持ち上げてるぞ!」 キリシマ「ハッハハー!こんな気分は初めてだ!」 ハルナ「これが缶詰の入った箱か…」ヒョイ 工作員D「おいあんた大丈夫か?」 ハルナ「大丈夫だ。問題ない」 僧「………そうですか…となるともう軍から身を隠す必要もありませんね…」 群像「それとこの世界はかなり歴史が変わりつつある…現在ここにいないはずの軍人がいるのがその証拠だ…」 タカオ「あの津田大尉って奴よ。あいつはミッドウェーの後内地勤務になってるのに今は南方のシンガポールにいるのよ!」 124 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 18:06:59.38 ID:GQCVdUOFO 僧「ともなれば今後の行動ですね…」 群像「日本軍として参戦するか、前みたいに傭兵稼業をやるかだ…」 僧「ですが草加少佐の発言も気になりますね、歴史を変えるですか…」 群像「さらにガダルカナル攻防戦も始まる…この戦闘で多くの犠牲者が出る」 タカオ「どうするのよ…」 群像「……一旦全員で話さないといけないな…補給が完了次第イ401に全クルーを集合しよう」 僧「わかりました」 125 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 18:17:09.26 ID:GQCVdUOFO 津田「少々よろしいでしょうか?」 群像「なんでしょうか?」 津田「あなた方はこの後我々連合艦隊の拠点…トラック諸島に来てもらう」 僧「………それは強制ですか?」 津田「いいえ。気が向いたらで結構です。では…」 津田はそのまま向こうへ言った。 群像「…恐らくあわよくば我々を戦力として使うつもりだな…」 僧「ますます厄介なことになりましたね…」 群像「拒否すれば日本軍のお尋ね者だな」 そんな話をしているとヒュウガがきた。 ヒュウガ「食糧の詰め込みは完了したわ。内火艇に移動しましょ」 群像「わかった」 群像達はヒュウガとともに内火艇に行った。 126 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 18:19:12.87 ID:GQCVdUOFO イ401が東洋丸の補給を受けてる同時刻、ガダルカナル島沖合い ???「こ、ここは一体どこなんだ!?」 127 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 18:20:48.26 ID:GQCVdUOFO 今日はここまで。 ガダルカナル島にある大戦艦が来たぞ… どうなるんでしょうねぇ… ではまた きゅーそくせんこー 139 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/18(月) 18:12:20.40 ID:JwtjLiDBO 東洋丸ブリッジ 草加「信じたかね?90年も未来から来た潜水艦だと」 津田「確かに信じられませんが…目の前にそれがあるんですから事実でしょう…」 草加「………現在山本五十六長官麾下の連合艦隊は今トラック諸島にいると言ったな?」 津田「はい。次期作戦への新編成に向けて行動中です」 草加「彼らは恐らく補給が完了するとただちにガダルカナル海域へ行くだろう…その時山本長官はともかく…大艦巨砲主義の堅物共、潜水艦の素人共は驚くだろう。この潜水艦がどれだけ恐ろしい兵器かを…」 津田「…果たして彼らは味方になるでしょうか?」 草加「…………それはまだわからぬ。彼らは何故なら日本人ではあるが日本人ではないからだ」 津田「それはどういう意味で?」 草加「その意味は後にわかる」 140 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/18(月) 18:21:37.35 ID:JwtjLiDBO イ401 発令所 杏平「どうするんだよ群像…ガダルカナルへ行くとか言うんじゃ…」 群像「だが行けばこの戦争は大きく変わる。この当時のガダルカナルはかなりの価値を持つ土地だからな」 僧「行くべきか行かぬべきか…かなり難しい選択ですね」 いおり「いずれにしてもどう転んでも駄目じゃないの?」 静「沢山の人が……死ぬからですか…」 ヒュウガ「…………ねぇ、津田大尉が言ってたあの誘いに乗るというのはどう?」 群像「なっ!?ヒュウガお前はなにを?」 ヒュウガ「連合艦隊に進言するのよ。ガダルカナルから撤退しろって」 群像「しかしよそ者の俺達の言うことを信じるのか?」 イオナ「………!」 141 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/18(月) 18:36:55.96 ID:JwtjLiDBO 群像「イオナどうした?」 イオナ「いる……この時代に誰かがまた巻き込まれた…」 ヒュウガ「どういうこと?」 イオナ「誰かが私を呼んでる…」 ハルナ「気のせいじゃないか?」 イオナ「……反応が弱まった。なんだったの?」 キリシマ「イ401どうしたんだ?反応とはなんだ?」 イオナ「誰かが私を呼んでた…でも誰かはわからない」 ヒュウガ「私たちには聞こえなかったし…気のせいじゃないのかしら?」 イオナ「だといいけど…」 142 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/18(月) 18:49:28.65 ID:JwtjLiDBO 群像「ともかくヒュウガ、お前の言う通りガダルカナル撤退を進言するとしても…聞く耳を持つのか?」 ヒュウガ「物は試しよ。現にあたしたちには草加というカードがいるじゃない」 ハルナ「となると…東洋丸へ行くのか?」 群像「そうなると…俺の他誰が行く?」 僧「副長の私と…」 群像「他に誰かいく人はいないか?」 イオナ「私はこの船にいなきゃいけない」 ヒュウガ「となると限られてくるわね…私くらいしか行けないじゃない」 群像「よし、僧とヒュウガと俺で草加少佐のいる東洋丸へ言ってくる。残りはこの船で待っていてくれ」 イオナ達「「「了解!(合点」」」 147 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 17:04:29.63 ID:eyXlU0wqO 東洋丸ブリッジ ブリッジには群像、僧、そしてヒュウガが入ってきた。 津田「待ってましたよ」 群像「津田大尉…貴方の提案通り我々は連合艦隊と合流します」 草加「………」 津田「それはよかった…」 群像「ただし条件があります」 津田「条件?」 群像「ひとつ、まず本艦に日本海軍の人間を乗艦させること。ふたつ……」 ヒュウガ「ガダルカナル撤退を連合艦隊司令部に進言すること…それが条件よ」 草加「!?」 148 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 17:12:16.42 ID:eyXlU0wqO 津田「ガダルカナル撤退だと?」 河本「あそこは現在飛行場を建設中の筈だ…あそこから撤退すれば米豪分断が出来なくなる!」 群像「それが出来ないと言うなら合流はお流れになりますね…」 津田「ッ!」 草加「…いいでしょう。その条件はのみます」 津田「く、草加少佐!?」 草加「その役目は私がやりましょう…そして貴艦には私の元部下の津田大尉を乗艦させます…それでよろしいでしょうか?」 僧「それで構いません。では連合艦隊へ送るのは本艦が行いますね…」 津田「草加少佐…」 149 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 17:27:03.95 ID:eyXlU0wqO 群像達は出航の準備を行うと一旦イ401に帰った。 津田「一体どういうつもりですか!あんなむちゃくちゃな条件を……!」 草加「君はガダルカナルがこの先どうなるかは知らないだろうが…私はわかる」 津田「あの潜水艦で見たんですね?」 草加「我々には時間がないのだ…それに大艦巨砲主義の堅物共に見せるいい機会だ」 草加「津田大尉…もしあの潜水艦で連合艦隊の中央に浮上したらどうなると思う?」 津田「かなり計り知れない衝撃でしょうね…世界最大の大和武蔵を守る重巡、軽巡駆逐艦の受けるショックは相当なものかと…」 草加「それらがとられられず、戦艦が潜水艦を打ち負かさないと埋けない事態となれば大艦巨砲主義者はすさまじい恐怖となるだろう」 津田「ですがそんなことが可能なんですか!?」 草加「可能なのだよ…あの潜水艦は……」 草加「津田大尉、山本五十六長官はともかく…大艦巨砲主義の堅物共の頭を砕くのは」 草加「百万の言葉ではなく…目の前の未来なのだよ」 150 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 17:39:31.46 ID:eyXlU0wqO イ401 発令所 群像「ーーーということだ」 群像はクルー全員に事の内容を話した。 杏平「俺達が送るのか?東洋丸で送るんじゃなくて?」 僧「東洋丸は民間船なので送るのは無理です…ので我々が送ることになります」 ヒュウガ「あとは草加少佐に託すしかないわね…」 群像「そうだな…ともかく出航準備を行う。全員でな」 クルー一同「「「「了解!(合点)」」」」 151 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 17:50:25.46 ID:eyXlU0wqO 準備が終わった夜…杏平は東洋丸へ行こうと内火艇へ乗ろうとすると 杏平「ん?ハルナにキリシマ、それに蒔絵じゃねぇか。なにしてんだ?」 ハルナ「あぁ。蒔絵が東洋丸に行きたいと言うのでな…お前は?」 杏平「俺はちょっと補給をしてくれたお礼にアニメ見せてやるんだよ…ちょうどいいし一緒に行こうぜ」 キリシマ「よし、内火艇の出発準備が出来たぞでは!」 キリシマがスイッチを押す。するとその拍子で海に落ちる。 キリシマ「アップアップ!た、助けてくれハルナ!」バシャバシャバシャバシャ!! ハルナ「全くお前は何をやってる」ガシッ ハルナはキリシマの水気を取るため絞る。 ハルナ「」ギューッ! キリシマ「」ドバー! 杏平「い、痛くねーのか?」 キリシマ「いや、全然」ポタポタ… 152 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 18:11:21.87 ID:eyXlU0wqO 東洋丸に乗り込んだ杏平達は東洋丸の工作員と出会った。 工作員A「止まれ!貴様ら何者だ!」カチャ 工作員は銃を構える。 杏平「ちょっと待て!俺達は怪しいものじゃねー!俺達はイ401の者だ!」 工作員A「なんのようだ?」 杏平「いや、俺は補給をしてくれたお礼をしに来たんだ…」 ハルナ「私は蒔絵と一緒にこの船を見に来た」 工作員A「………河本兵曹長に話をしてくるからついてこい」 153 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/08/30(土) 18:26:58.23 ID:eyXlU0wqO 工作員A「A一等水兵入ります!」ガチャ 工作員Aに案内されたのはとある船室である。そこには河本兵曹長を始め数多くの人間がいた。 杏平達も工作員Aに続いて入る。 工作員B「なんだ貴様らぁー!」ガタッ! 杏平「海洋技術総合学院の士官候補生の橿原杏平だ!」 ハルナ「大戦艦のハルナだ。で蒔絵だ」 キリシマ「キリシマだ」クマー 工作員A「士官候補生というと…」 工作員B「え?ちょ、おま俺達より偉いじゃねーか……」 河本兵曹長以外の全員は立ち上がり敬礼をした。 工作員A「それはともかく…大戦艦とは?」 ハルナ「私とキリシマは人間ではなくメンタルモデルと言うものだ」 キリシマ「まぁ簡単にいうとあのイ401も同じようなものだ」 工作員A「わかるようなわからないような…」 河本「………」 156 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/02(火) 04:44:59.65 ID:Af38C62xO 河本「私は河本…兵曹長をしております」 河本は杏平達を見つめながら言う。 河本「なにかご用ですかな?」 杏平「いやぁ…俺達の艦の補給をしてくれた礼をしにやって来ましてね…」 杏平は持っていたバックからパソコンを出した。 工作員A「なんですかこれは?」 杏平「これはパソコンだ。これで物を調べたり出来るが今回はそれが出来ないので…」 杏平はアニメのDVDをパソコンに入れた。 杏平「今回はお礼にあなたたちにアニメ…まぁ漫画を見せに来たんだ」 工作員A「ま、漫画?」 工作員B「なんか面白そうですね…」 河本「ほう…未来の漫画ですか…」 ハルナ「私達はこの船の内部を見学しに来たんだが…」 河本「……近くの船員に言ったらどうだ?河本にそう言われたと言えばやってくれるぞ」 ハルナ「わかった。行こう蒔絵、キリシマ」 キリシマ「私はここに残る。ハルナ達で言ってこい」 蒔絵「えー?キリシマも行こうよー」 ハルナ「キリシマがそういうなら仕方がない。蒔絵私と行こうか」 蒔絵「うん!わかった。行こうハルハル!」 工作員A(熊のぬいぐるみが喋ってる姿なんかシュールだな…) 157 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/02(火) 05:27:46.62 ID:Af38C62xO 数時間後 工作員A「あぁ〜芳佳かわぇぇ〜」 工作員B「エイラヘタレ過ぎwwwwてかサーニャ気づくだろwwww」 工作員C「サーニャは恋愛なんて知らないウブな子だから!」 工作員D「サーニャヲソンナメデミンナー!」 工作員E「エーリカマジ天使。トゥルーデマジお姉ちゃん」 工作員F「ミーナさんじゅうはっさい」 杏平「いやーこれはいつみても面白いなーで、どうだった?」 工作員A「これはありがとうございます!こんな面白い漫画初めてです!芳佳ちゃん可愛いです!」 工作員B「エイラーニャは一番ですな!」 工作員C「そうであります!エイラーニャは一番であります!」 工作員D「あれは一番ですな!」 工作員E「エーリカだろJK」 工作員F「ミーナ中佐のお尻に挟まれたいであります」 杏平「気に入ってもらって何よりだ!」 159 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/02(火) 05:38:28.17 ID:Af38C62xO 河本「中々興味深いものだったな…未来の日本はさぞかし裕福な国なんだろうな」 杏平「あぁ勿論すげぇ裕福な国なんだぜ?実際日本はアニメでかなり有名になってるし、技術だって凄い。世界じゃかなり進んだ国となってる」 杏平「それもあんたたちのお陰だ。戦後の日本人は凄く感謝してるぜ」 河本「ほう…日本がいい国になってるのはわかった」シュッ! 河本はタバコに火をつける。 河本「この三月に東京は空襲にあったんだが…日本本土は無事なんだろうな?」 杏平「河本兵曹長はどこの生まれなんだ?」 河本「広島なんだがね…市内に妻と子供がいる」 杏平(広島だと…?) 160 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/02(火) 05:45:12.29 ID:Af38C62xO 杏平は黙りこんだ。 河本「どうなんだ?」 杏平「あ、あぁ大丈夫だ」 河本「………そうか」 工作員A「だから言ってるだろ!芳佳が一番かわいいって!」 工作員B「いやいやエイラーニャだ!」 工作員E「エーリカが可愛いんじゃ!」 工作員F「ミーナ中佐が一番かわいいって!」 工作員C「じゅうはっさい(笑)」 工作員F「甲板行こうぜ…久々にキレちまったよ…」 河本(俺的にはもっさんなんだけどな…) 161 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/02(火) 05:56:54.88 ID:Af38C62xO 杏平は甲板に上がった。すると河本も上がってきた。 河本「あんたいい人だな」シュッ! タバコに火をつけながら言う。 杏平「は?」 河本「俺はこの戦争が簡単に済むようなものじゃないと知っている…これから日本はますます苦しくなることもな」 河本「あんたのような人間は指揮官なら御免だが友人としてならとてもいい」 河本は杏平に頭を下げる。 河本「時代が変わってもあんたとは同じ軍属ということがわかったよ。橿原士官候補生、部下のご配慮を感謝します!」 杏平「あ…あの……広島は」 河本「なぁに。心配しちゃおらんさ」 杏平「!?」 河本「草加少佐も言ってた…あんたたちが現れたお陰で歴史が変わってくってな…」 杏平「………」 河本「ところであんた…かなりガタイのいい体してるな…一丁腕相撲しないか?俺は海軍じゃ負けなしでね」 杏平「………了解。現代の日本軍だって負けてはねーぞ」 両者は腕相撲する体勢に入った。 162 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/02(火) 05:58:54.07 ID:Af38C62xO なんとか更新おわり…体調を崩したせいで途切れ途切れの更新になってしまいました。申し訳ありません。 では今日の夜に きゅーそくせんこー 172 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/13(土) 19:22:16.82 ID:rs1kwLPGO バランストタンクブロー! これより浮上する! 173 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/13(土) 19:35:07.46 ID:rs1kwLPGO 午前9時54分 イ401発令所 群像「機関始動!」 いおり『了解!』 イ401は動き出した。 東洋丸ではその様子を見ようと甲板に人が押し掛けている。 工作員A「すげぇ…あの潜水艦…」 工作員B「機関始動からもう東洋丸の後ろに回ってる…」 河本「……」 河本はイ401を見続ける。すると艦橋から人影が出てきた。 河本「!」 そこにいたのは杏平であった。 杏平「河本兵曹長!」 杏平は東洋丸の河本へ敬礼をした。 河本「……」 ビシッ! 河本も敬礼をした。 174 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/13(土) 19:55:20.99 ID:rs1kwLPGO 杏平が発令所に帰ってきた。 群像「……よし、全員揃ったな…これより作戦を伝える」 群像「本艦はこれよりトラック泊地にいる連合艦隊と合流する。なお東洋丸が連合艦隊に本艦のことを伝えてある」 ヒュウガ「怪しまれずにこれで合流が出来るってことね…後は草加少佐を連合艦隊司令部に送り津田大尉はここに残ると…」 群像「その通りだヒュウガ」 僧「あとはあなたにかかってますよ…草加少佐…」 草加「わかっております…」 津田「連合艦隊に連絡がついてるならもう迎えがくると思うんですが…」 その時だった 静「艦長!レーダーに感あり!前方から4隻の駆逐艦クラスの艦船が近づいてます!」 群像「モニターに出せるか?」 静はモニターに外の映像を出した。そこには4隻の駆逐艦が単縦陣をとってイ401に近づいてきた。 群像「あれは…?」 草加「あれは電、雷、暁、響……我軍の駆逐艦です」 群像「連合艦隊の迎えか…?」 その時先頭の電から発光信号が起きられてきた。 群像「キ、カ、ン、ワ、レ、ニ、ツ、ヅ、ケ…」 津田「連合艦隊の出迎えのようですね」 イオナ「群像」 群像「わかってる…本艦はあとを追うぞ」 イオナ「合点」 175 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/13(土) 20:03:48.81 ID:rs1kwLPGO イ401は4隻の駆逐艦についていく。もうすぐでトラック泊地というところで草加がある提案をした。 草加「どうせなら…ここで潜航し、大和の前で浮上したらどうです?」 群像「なぜですか?」 草加「この潜水艦を見ただけでは司令部にはなんの影響もありません。交渉をやり易くするにはこの潜水艦の素晴らしさを大和の司令部の人間に見せてやりましょう」 僧「確かに草加少佐のいう通りですね。作戦がやり易いように艦長、ここは潜航して大和の前で浮上しましょう」 群像「それもそうだな…イオナ、急速潜航!」 イオナ「きゅーそくせんこー」 176 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/13(土) 20:11:45.10 ID:rs1kwLPGO 電 艦橋 艦長「な!?例の潜水艦が潜航したぞ!」 副長「なんのつもりだ!?ソーナー!」 水測長「ダメです!物凄い速度で潜航しているので追いかけることは無理です!」 艦長「なんという速度だ…水中でそんな速度が出せるなんて…」 副長「やはり未来からきた潜水艦というのは嘘ではなかったようですね」 艦長「ともかく連合艦隊に連絡だ!例の潜水艦が潜航したと!」 副長「ハッ!」 177 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/09/13(土) 20:20:09.41 ID:rs1kwLPGO 潜航したイ401は大和へ向かっていく。 静「かなりの駆動音が聞こえますね…」 草加「当然です。なぜならここはトラック泊地ですからね…たぶんこの潜水艦が潜航したことで大騒ぎになってるでしょう」 杏平「となると真上には連合艦隊ということか?」 僧「我々は相当凄いことをやってますね…艦隊の真下に潜航なんて…」 群像「大和まであとどれくらいだ?」 静「大和の距離3700、もうすぐ前方につきます」 群像「よし、距離が500となったら浮上だ。イオナ、頼んだぞ」 イオナ「了解」 189 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/06(月) 17:07:29.80 ID:QqIX+h8SO トラック泊地 大和 トラック泊地ではイ401が潜航したことにより対潜陣形を取るなどという対応を行った。 黒島「例の潜水艦が潜航と……駆逐艦はなにをしてるんだ」 参謀A「話によるとソーナーでも捉えないほどの速度だったと…」 山本「やはり…津田大尉の報告は本当のようだったな…」 黒島「しかしそんな速度で潜航できる潜水艦があるはずはありません…現行の我軍の潜水艦でも急速潜航速度が速い潜水艦はそうないと聞いておりますが…」 黒島「ともかく、対潜陣形を保っておきましょう。流石にこの護衛艦郡を通り抜けることは不可能でしょうし」 山本(そうだと信じたいが…) 190 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/06(月) 17:21:25.14 ID:QqIX+h8SO 突如司令室のドアが開いた。 従兵「た、大変です長官!」 山本「どうかしたのかね?」 従兵「例の潜水艦が…大和の目の前で浮上しました!」 黒島「………は?」 宇垣「これらの護衛艦郡をすり抜けてか?あり得ん」 従兵「し、しかし現に…」 従兵は窓を指差す。山本五十六、宇垣纏らの参謀たちは窓から外を見るとそこには大和の舳先の前に浮上してるイ401が見えた。 黒島「な、なんだあの潜水艦は……」 参謀A「あり得ん!護衛している重巡や軽巡、駆逐艦はなにをしてるんだ!」 参謀B「護衛艦郡が居れば大丈夫…そんなこと考えてたこともありました…」 宇垣「ん?山本長官がいないぞ?どこに行った?」 従兵「先程司令室を出たばかりですよ」 191 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/06(月) 17:56:18.24 ID:QqIX+h8SO イ401 目の前にそびえる大和をイ401クルーは全員見上げた。 群像「これが戦艦大和…」 草加「排水量64.000t、全長263m、喫水10m、最大速力27ノット…世界最大の主砲、46cm砲搭載……日本軍が誇る戦艦です」 ヒュウガ「イオナお姉さまの20倍大きいわね…」 僧「大和、零戦、チハ…日本軍を象徴する兵器の一つですね」 クルー全員が大和を見ているなか、イ401に近づく内火艇が見えた。 草加「そろそろ来たようですね…日本海軍一好奇心旺盛な人が…」 192 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/06(月) 18:11:01.09 ID:QqIX+h8SO 内火艇はイ401の隣に接舷した。内火艇に乗っている人物はゆっくりとイ401に飛び乗った。 草加「お久し振りですね…山本長官…」 山本「やはり生きてたか…信じてたよ…」 群像(山本…長官…まさかあの山本五十六か!?) 僧(すごい…我々はすごい人物と出会ってる…) 群像「山本長官、ようこそ蒼き艦隊へ」ビシッ! 山本「君がこの潜水艦の艦長かね?初めまして、私は連合艦隊司令長官の山本五十六だ…」 イオナ「初めまして」ペコッ 山本「この潜水艦には女性も乗せているのか…戦時中なのに大丈夫かね?」 群像「彼女達はメンタルモデルと言うものであるのでご心配なく。そして彼女がこの潜水艦のメンタルモデルのイオナです」 山本「メンタルモデル…?どういう意味かね?」 194 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/06(月) 18:28:36.62 ID:QqIX+h8SO 草加「彼女はこの潜水艦を自分の意思で動かすために生まれたものです。それがメンタルモデルです」 山本「成る程…でもなんで女性?」 ハルナ「人類が艦艇を形容する場合に女性として扱うから我々は女性の姿になってるのだ」 キリシマ「私はメンタルモデルを失ったからためこの姿だけどな」クマッ 山本「ははぁ…これは人間が作り出したものではなく君達が作り出したのか…しかしなんのために?」 ヒュウガ「それがわからないのよ。私たちはなんのために生まれてるのか…それはアドミラリティコードしかわからない」 山本「未来ではなにが起こってるのかね?」 草加「ご説明しましょう」 195 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/06(月) 18:46:57.85 ID:QqIX+h8SO 草加は山本五十六に未来で起きていることを伝えた。 山本「未来ではそんなことが起きているのか…霧の艦隊にメンタルモデル…」 山本(やはり俺の勘は間違ってなかったか…?この強力な潜水艦がこちらに着くのはありがたいが…下手すれば陸軍や軍令部の人間がこれを利用されるかもしれん…いや日本のみならずもしかしたら世界がこれを狙うかもしれんな…) 山本「……草加少佐、一度大和へ戻らないかね?」 草加「わかりました」 草加は群像を見て会釈した。 草加は山本五十六とともに内火艇へ乗り込み内火艇は大和へと戻った。 僧「あとは草加少佐を信じるしかないですね」 群像「そうだな…」 204 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 19:56:40.79 ID:Q01MsGBVO 大和艦橋連合艦隊司令部 参謀A「草加少佐!今までどこに行ってたのだ!」ダンッ! 参謀B「参謀A…落ち着いて…にしても無事で何よりだ…」 小松「それはいいとして説明してもらいますよ?草加少佐、あの潜水艦はなんなのですか?」 草加「司令部も聞いてると思いますが…あれは未来からきた潜水艦です」 板倉「未来からきた潜水艦ですか…」 第六艦隊の随員としてきた板倉光馬は驚かなかったがそれ以外の人間は驚いた顔で草加をみた。 205 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 20:53:25.51 ID:Btvvfao5O 板倉(そうであろうな…そうでなきゃあの潜水艦は説明がつかん。こんな艦隊の中にもぐりこんであろうことか旗艦の真ん前に浮上できる潜水艦なんかあり得んからな…せいぜい伊168の田辺艦長でも無理だろうな…) 小松「板倉大尉…何を黙っているのだ?」 板倉「いえ…ただの考え事です」 宇垣「聞いたことによるとあの潜水艦はかなりの戦闘力を有しておるとか…」 宇垣は津田の出したイ401の報告書をみた。 宇垣「もしこれが我が軍に入れば大和武蔵にあの潜水艦…これはかなりな豪気だな…」 草加は呆れた顔で宇垣を見て言った。 草加「残念ながら彼らが我々に着くのはあり得ない話でしょう」 参謀A「なぜだ?説明してもらおうか」 草加「彼らは日本人であって日本人ではないのです」 黒島「どう言うことかな?」シュッ! 黒島はタバコに火をつけ言った。 206 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 21:07:39.55 ID:Btvvfao5O 草加「今から3年後…日本は無条件降服をして…戦争に負けます」 司令部の全員が驚いた。 草加「彼らは敗戦を親として育てられた…言わばアメリカの影響を大きく受けた日本人なのです」 宇垣「日本が無条件降服だと…?」 小松「あり得ん…」 黒島「……………」 板倉「草加少佐、それはあの潜水艦で見たのですね?」 草加「えぇ…」 板倉「…」 司令部は静まり返った。 山本「……草加少佐、ちょっと話があるので防空指揮所に来てくれないか…」 黒島「長官、お供しましょうか?」 山本「いや結構だ。私は草加少佐と二人で話がしたいからね」 山本は草加とともに司令部を去った。 207 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 21:36:24.62 ID:bF6k+En0O 参謀A「長官はあんな与太話を信用するのか?未来からきた潜水艦だと?3年後に日本が無条件降服するだと?そんなわけはわけない!」 宇垣「だがあの潜水艦は紛れもない事実だ。見ただろう我々の目鼻の先に浮上したのを」 黒島「しかし…あの草加という男なにか様子がおかしかったぞ…」プハー タバコの煙を吐きながらいう。 小松「私もそう思います。まるで我々とは違うな…やはりこの先の未来を知ってるからか?」 板倉「それもありますが…あの少佐なにか企んでますよ…なにか恐ろしいもの…」 小松「そうかね?まぁそれはいいとして…君はあの潜水艦をどう思う?」 板倉「初見ではまだ性能がわかりませんが…艦隊支援ならかなりの威力を発揮しますよ。この艦隊の旗艦まで潜ってバレない静粛性…我々第六艦隊に入れば結構な戦力になるものなのに惜しいものです」 小松「成る程…では中まで入れば性能ははっきりとわかると?」 板倉「えぇ。そうですが…」 小松「そのために君を呼んだんだよ…黒島先任参謀…説明を」 黒島「わかりました…小松第六艦隊司令長官は君にあの潜水艦に乗ってもらうためにここに連れてきたんだよ」 板倉「なんですと…?」 208 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 21:52:38.29 ID:bF6k+En0O 大和防空指揮所 草加「なにか用ですか長官?」 山本「うむ…君はあの潜水艦でなにを考えてるのかと思ってね…君は今なにを考えてるのかね?」 草加「………私はただ未来を知っただけです」 山本「人間の性じゃあるものを変えようとするのが人間だ…何を変えようとしている?」 草加「…長官は鋭いですね…ではお話ししましょう…」 草加はもうすぐガダルカナルに米軍が来て米軍の反抗が始まることとそこで多数の兵士、指揮官、艦船が失われることを伝えた。 山本「そうか…で、私は何をすればいい?」 その後山本にあるお願いをした。勿論群像の撤退も伝えたがもうひとつ伝えたものがあった。 山本「…そうか…わかった。黒島達と話しておくよ」 草加「それと長官、これをお返しします」 草加は腰につけていた軍刀を山本に渡した。 山本「なせこれを私に返すのかね?」 草加「理由が必要ですか?」 山本「いや…まぁこれは私が授けたものではないが…預かっておこう」 草加「長官、ありがとうございます」ペコリッ 草加は深々と山本に頭を下げて礼を言った。そしてその場を離れた。 山本は去っていく彼の背中を見つめてる。 209 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 22:14:43.96 ID:bF6k+En0O 同時刻大平洋、オーストラリア付近 たくさんの護衛艦に囲まれてる輸送艦がいた。これがアメリカの誇る海兵隊だ。 米兵A「なぁ…ジャップってどんな感じなんだ?」 米兵B「俺の聞いた話じゃ死をも恐れないクレイジーな奴ららしいぞ…」 米兵C「死をも恐れないとか嘘乙。ジャップがそんなに強いわけないだろうがJK」 米兵D「でもよぉー俺の聞いた話じゃ擲弾筒と臼砲使って俺達米兵を200人以上倒して拳銃の3連射で3人の米兵を倒したり、米兵から鹵獲した機関銃で3人を一度に倒して、左足と両腕を負傷した状態で、銃剣で1人刺殺し、機関銃を手 にしていたもう1人に投げて顎部に突き刺して殺すなど、鬼神の如く奮戦を続けるようなのがいるらしいぞ」 米兵A「お前それ時代間違えてる。もうちょいあと」 副官「静かにしろー!これよりアレキサンダー・A・ヴァンデグリフト閣下よりありがたいお話がある!」 米兵D「長話がありがたいのか…長話聞いてたら金でももらえんのか?」 米兵C「いいから黙ってろよ…」 アレキサンダーは兵士たちの前に出た。 アレキサンダー「……諸君はこれよりガダルカナルより対日反攻作戦の要として出陣する。兵士の間では日本兵が野蛮人だとかクレイジーな奴らだとか言ってるが…これだけは言っておこう。彼らも我々と同じ軍人であり人間である。天皇の奴隷ではないのだ。彼らは天皇に忠誠を誓い戦ってるのだ。我々も星条旗に忠誠を誓い戦ってるのと同じだ。その事を忘れないように…」 米兵D「天皇家って今後継者で悩んでんだろ?」 米兵B「お前本当にこの時代の人間か?」 211 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 22:22:32.16 ID:bF6k+En0O イ401 甲板では大和から内火艇が来た。草加が帰って来たことともうひとつニュースがあった。 群像「あなたは板倉光馬大尉ですね?」 板倉「はぁそうですが…なぜ私の名を?」 群像「あなたは未来では有名人ですよ」 板倉「そうなのですか…まぁそれはともかく私は本日より日本海軍の代理人として本艦に乗艦する板倉光馬大尉です」 板倉は群像と握手をした。 群像「艦長の千早群像です。こちらはイオナ。本艦のメンタルモデルです」 イオナ「初めまして。私はイオナ」 板倉「はぁ…あなたがメンタルモデルというものですか…(報告書で聞いてたが…ただの人間にしか見えんな…)」 212 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 22:35:33.80 ID:bF6k+En0O ヒュウガ「また一人この艦に乗る人が増えたわね…となると津田大尉と草加少佐は大和に帰るの?」 草加「私は大和に帰りますが津田は貴艦に残ってもらいますので…」 杏平「えーなんだよ草加少佐帰えんのかよー」 草加「えぇ…私にはやることがあるので…失礼します」 内火艇に乗り込み草加は大和に帰っていった。 僧「艦長…これから我々はどうすればよろしいのでしょうか?」 群像「本艦はこれよりガダルカナル撤退の支援を行うので…ガダルカナルへ向かう」 静「それでは艦内に戻りますか」 板倉「私はどこに入ればよろしいでしょうか?」 群像「基本どこにいても構いませんよ」 いおり「そうだ!板倉大尉、機関室にいません?私一人じゃ寂しくて…」 板倉「お誘いは嬉しいのですが…生憎私には妻がいますので男女二人っきりはちょっと…すみませんね…」 いおり「えー…せっかく寂しくなくなると思ったのに…」 213 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 22:49:56.93 ID:bF6k+En0O イ401 発令所 イ401はガダルカナルへ向かってる。中の発令所ではいつもの定位置に座ったクルーと日本海軍の将校がいる。 板倉は発令所の中をキョロキョロみる。 板倉「すごい広いですな…あの大きな板のようなものは?」 静「これはモニターというもので…」ペラペラ… 板倉「フムフム…」 キリシマ「なんかあいついろんなことをキョロキョロ見たり聞いたりしてくるな…初めてここに来た津田と同じ反応だな」 津田「誰だって驚きますよ…」 群像「無理もないだろう。我々とは違う時代の人間なのだから…イオナ、あとどれくらいでつく?」 イオナ「結構かかる。このままじゃ夜になる」 津田「なぜそんなにかかるのですか?この艦ならもっと早く動かせるのでは?」 群像「そうですがあんまり早く動くと敵に見つかるリスクがありますからね…不用意な戦闘にはなるのは困りますから…」 津田「そうですか…」 群像「イオナ、このままの深度で現状維持を保ってくれ」 イオナ「合点」 僧「できるだけ急いだ方がいいのですがね…なにせもうすぐ米軍が来ますから」 群像「それまでになんとしてでも敵に見つからずにいくことだ…」 214 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 22:50:52.15 ID:bF6k+En0O 今日はここまで。 おまけをつけましょう 216 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/25(土) 23:21:50.59 ID:bF6k+En0O 宇垣纏 1890年(明治23年)2月15日 海兵40期 太平洋戦争の陣中日記「戦藻録」を書いた人で有名な人です。日独伊三国同盟の締結か締結しないで揉めてたときは当所は締結反対という立場をとってたものの政治的に締結やむ無しという空気になったときに自主的参戦排除での同盟締結の賛成という立場に変えました。 またこの人は大艦巨砲主義者でもあり大和型の3番艦(信濃)4番艦(111号艦)の建造推進も主張してました。 同盟締結での立場変更、大艦巨砲主義者というので山本五十六からは嫌われてました。連合艦隊参謀長として就任しても自分はあんまり作戦会議の際はハブられてたとのこと。詳しくは黒島先任参謀のとこで話します。 最後では玉音放送後、第五航空艦隊司令長官の宇垣纏は部下を引き連れて特攻を行い「敵空母見ユ」「ワレ必中突入ス」を最後に無電は途絶えて沖縄県伊平屋島海岸付近に米軍が張っていた テントのすぐ近くに墜落しました。 なぜ彼がこのようなことをしたか不明ですがこの特攻はかなりの批判がありました。実際小沢治三郎(最後の連合艦隊司令長官)は「死ぬなら一人で死ね!若もん引き連れて一緒に死ぬやつがあるか!」(ここまでは言ってないがこんな感じなこと言ってる)といったほど。 停戦後に理由もないのに勝手に戦闘行為を禁じてる海軍刑法第三十一条にあたるのでは?という意見もありますが玉音放送が停戦命令か?と問われればそうとも言えるしそうでもないとも言えますので難しいとこです。 なおこのような経緯があったので靖国神社に合祀されていませんでしたが、現在では合祀されており、遊就館の常設展示に宇垣を取り扱ったコーナーも存在します。また彼の故郷である岡山には彼と第五航空艦隊司令長官の時の彼の部下の慰霊碑があります。 まぁこの慰霊碑も揉めに揉めましたが長くなるので割愛します。 217 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/26(日) 00:01:56.54 ID:T3GvweIyO 黒島亀人 1893年10月10日 海兵44期 変人参謀、仙人参謀などでお馴染みの黒島先任参謀。 彼の変人っぷりはあまりに常軌を逸脱していて軍人らしからぬ行動がよく目立ちます。自室ではお香をたいて瞑想したり夏は裸で過ごし冬はドテラで過ごしヘビースモーカーでタバコの灰や吸殻はそこへんに捨てるという有り様…スマートを基本とする海軍軍人ではありませんね… 連合艦隊先任参謀の時は司令長官である山本五十六に寵愛されており立場的に上である宇垣参謀長を無視してそのしたの黒島先任参謀に作戦の立案をお願いするほどでした。宇垣参謀長は「俺は連合艦隊じゃなにもしてないよ。作戦をいつも立案してるのは山本長官と黒島だけだ」と言ったほど。 毎回同じ人が作戦を考えると敵に作戦を読まれる可能性があるから黒島先任参謀を変えてほしいという要望があっても山本長官は「黒島は普通の人間じゃ考えるからいいし、こういう人がいないと困る」という理由で突っぱねている。そのため山本五十六最大の汚点は黒島を寵愛したことと言われてる。 作戦立案の時は自室に籠り風呂も入らずに作戦を考えてたらしいです。その姿はまるで秋山真之だとも言われ作戦立案した真珠湾攻撃では見事に成功してその功績を讃え秋山真之の再来ともいわれてました。(故意に真似てたという話もある)またミッドウェー作戦もこの人が考えました。 こんだけ寵愛されてた彼ですがミッドウェー作戦失敗後は山本長官からの信頼を失ってしまい山本長官は小沢治三郎第三艦隊司令長官に代わりの人材の相談をしてましたが実現せず終わりました。 連合艦隊先任参謀をやめたあとは軍令部第二部部長に就任しました。就任した彼は連合艦隊先任参謀のころからすでに同僚に語ってた爆装したモーターボートによる体当たり攻撃(後の特攻兵器震洋)の実現…すなわち特攻の発案をしました。実際第一部部長だった中澤佑少将によれば特攻のイニシアチブを握ってたのは黒島と大森仙太郎特攻部長だったとのこと。 また黒島はこれにとどまらず軍備考査部会議の席で黒島は突飛意表外の方策、必死必殺の戦を 行なう必要があるとし、その一例として、戦闘機による衝突撃(航空特攻)の 戦法を挙げたり、戦備考査部会議では「第三段作戦に応ず る戦備方針」として必死必殺戦法とあいまつ不敗戦備の確立を主張しました。 ここまで言ったらわかるように彼は自身の発想である特攻を推進しました。よく大西瀧治郎が特攻を発案したと言われますがそれは違い彼は特攻の引き金を引いた人です。本当に発案したのは黒島と言われてます。まぁこれもいろんな説がありますが…… 黒島は終戦時宇垣纏の戦藻録の一部を処分して自分の不利になる箇所を処分したとのこと。 戦後は顕微鏡の会社の専務を勤め退職後は哲学、宗教に没頭してましたが訪ねた友人の話では「今、俺は宇宙、人間、生命の研究をしているのだ。最近つい に『零の研究』をして悟ったよ」と言って煙に巻いてました。 最後は肺癌でなくなりましたが遺書には「南の島に飛行機が行く」という意味不明な内容でした。 220 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/26(日) 00:52:24.92 ID:T3GvweIyO 小松輝久 1888年(明治21年)8月12日 海兵37期 北白川宮能久親王第4王子、つまりこの当時の皇族です。21歳で海軍少尉候補生の時に臣籍降下し小松侯爵家を創設、これによって 明治36年の小松宮彰仁親王が薨じて以来断絶していた小松宮家の祭祀を承継こととなります。なお、諸王の臣籍降下に際して従来は伯爵を賜っていたが、侯爵を賜った 初めての例です。 本来皇族軍人は海兵では首席が当たり前でしたが入校時122番、卒業時は26番で、これは彼が特別待遇を拒否し、皇族が海兵に入る場合入試もせずに入れましたが彼は皇族関係者で唯一入学試験を受け自力で海軍兵学校に合格した凄い人です。 なおこのSSの時系列ではこのとき潜水艦を専門に扱う第六艦隊司令長官でした。 終戦後は皇族で唯一戦犯として実刑判決を受けて服役し出所後は平安神宮宮司を勤めました。 221 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/26(日) 01:34:50.19 ID:T3GvweIyO 板倉光馬 1912年(大正元年)11月18日 海兵61期 どん亀艦長青春期やあぁ伊号潜水艦の著者としても有名だしまた回天隊の指揮官としても有名なこの人。 士官候補生時代は遠洋航海で始末書8枚も書くほどの問題児として海軍内では有名でしたが一方では、誰もが調査を諦めた訓練時のトラブルの原因を、根気よく調べ 続けてついにつきとめるといった功績も残していた人です。 第四艦隊事件に巻き込まれ上陸して帰艦するとき兵士下士官は五分前行動でちゃんと艦の前で待ってましたが士官はそんなことなく30分遅れてきました。このとき板倉光馬は酒に酔っていて「自分達はちゃんと時間を守ってるのに兵士や下士官の手本となる士官が遅れるとは何事だ!」とぶちギレ遅れてきた艦長の鮫島具重をボコボコに殴りました。流石板倉少尉俺達が出来ないことを平然とやってのける!そこにシビれる憧れるぅ!……なわけありません少尉が上官である大佐をボコボコにしてあろうことか鮫島具重は華族です。こりゃ大問題になるのですが鮫島具重は理由をしると板倉光馬を許して士官の時間のルーズなところを治すように指導するため海軍省の次官(大臣の次に偉いひと)に訴えました。 その後板倉光馬は潜水艦の道を進むことを決意し潜水艦乗りになりました。 1943年に伊176艦長に就任し、同年の4月に伊2艦長に就任しました。このとき海軍内で起きた水難事故を期に板倉光馬は「水難事故が起こらないように艦内にある酒を全部処分しよう」と提案し乗員と共に艦内にある酒を全部飲み干しました。しかし当の板倉光馬が泥酔し、甲板から立ち小便の最中に0度近い水温 の海に落下し気絶し見張り勤務の部下に救出され、甲板上で蘇生措置を受けて 九死に一生を得ました。本人は一生一代の大恥としていますが、逆に乗員からは「不死身」の渾名で奉られました。 そして1944年8月に第一特別基地隊参謀兼大津島分遣隊長、回天隊水雷参謀兼指揮官を就任し、発案者である黒木博司中尉、仁科関夫少尉と共に回天隊の立ち上げに当たり、その後終戦まで、回天隊指揮官として、訓練、出撃、整備など現場の管理 統括を行いました。この間、ずっと自らも出撃を希望し続けていたが遂に叶わず、 また、終戦時には自決を企図したが説得されて回天隊の戦後処理に当たりました。 戦後は海上自衛隊幕僚技術部、三菱重工神戸造船所に勤務しました。 1963年には海上自衛隊の俺の嫁こと潜水艦はやしおの深々度公試で操艦を指 揮し、その時の乗員からは中々な操艦だったと言います。 性格は厳しい鬼指揮官、鬼参謀と言われてましたが人情味があったと言う部下の談話も多いです。頭脳明晰で夫人の話によりますと「秋山真之の再来」とも呼ばれてたそうです。(え?他にもいた?知りませんよ(棒))また努力家で研究熱心でもあり、常に独自の創意工夫を重ねて任務の達成に努めていました。 なお、回天隊の指揮官を務めていた時は「一度死を本気で決心した後、生 の喜びを味わい、『生きていることの本当の意味』が解った者に、再び死の覚 悟をさせるのはあまりにも残酷すぎる」と言う理由で「不可避の理由により、 出撃が不成功に終わったものは、以降の特攻を免除する」との指示を出していましたが、回天隊の隊員の強い希望を入れたことで慣例ができ、再度の出撃が暗黙 に強制されてしまいました。彼はこのことを後悔したそうです。 また先程から酒のエピソードがよくでますが実は彼は無類の酒好きで同僚からは酒乱と呼ばれ夫人との縁談の時にも一度は「酒乱だそうですから」と断られ たという逸話があります。任務中には酒を口にすることはなかったのですが、酒に関しては種々の失敗談を残しています… 他にも話したい内容が山ほどありますが詳しくはどん亀艦長青春期ややる夫は人間魚雷の指揮官になるようですを読んでください。(広告ですがすみません…) ちなみにこのSSではトラックにいますが実際は伊169の先任将校としてヌメア方面を始めとするオース トラリア方面通商破壊作戦を行ってますが話の都合で出させていただきました。 222 名前:十四年式拳銃 ◆YtTmGXiANY[saga] 投稿日:2014/10/26(日) 01:36:53.69 ID:T3GvweIyO 今回のおまけはここまで。 アレキサンダー・A・ヴァンデグリフトは次回に持ち越します。 では明日はプリキュアがあるので では きゅーそくせんこー