オーキド「ここに3つの札束があるじゃろ?」 1 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 13:49:35.53 ID:aff13ROx0 オーキド「レッド、これをお前にやる。一束200万、全部で600万円じゃ。」 グリーン「あっ!レッドだけずりーよ!じいさん!」 オーキド「まー、心配するなグリーン。お前にも同じだけやろう。」 オーキドは足下のブリーフケースからさらに600万円を出し、机の上に置いた。 2 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 13:52:06.00 ID:aff13ROx0 オーキド「ただし!当然だが条件がある!」 グリーン「そんなあ!そりゃあないぜ!」 オーキド「お前たちに頼みたいことがある!」 オーキド「レッド!お前にはトキワシティへ行ってもらう!」 オーキド「そこにある『フレンドリィショップ』という雑貨屋に入って、店員に『キズぐすりとスマイル2つ』と言え。」 オーキド「店員がワシへの荷物を渡してくれるはずだ。それを持って帰ってきてくれ。」 3 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 13:54:24.07 ID:aff13ROx0 オーキド「念のためにこいつを持っていけ。」 オーキドはブリーフケースから大きめの巾着袋を取り出し、レッドに渡した。 レッドは袋の中を覗いた。 レッドはコルト1911をもらった! レッドはハンドガンの弾を30発もらった! レッドはサプレッサーをもらった! オーキド「セーフティを外せばすぐにでも撃てるぞ。」 レッドはうなずき、それをジャージの内ポケットに忍ばせた。 4 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 13:56:41.65 ID:aff13ROx0 オーキド「グリーン!お前にはモーターボートを用意した!研究所の南の水辺だ。 オーキド「それでグレン島へ行け!そこにある屋敷に、カツラという男がいる。そいつにオ      ーキドの孫だと名のれ。」 グリーン「それで?」 オーキド「あとはカツラが指示を出す!それに従ってくれ。」 5 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 13:58:32.66 ID:aff13ROx0 オーキド「600万円は終わってからだ!さあ行け!くれぐれもしくじってはならぬ!」 オーキドは二人を交互に見ながら言った。 グリーン「よっしゃー!じいさん!俺様に任せとけ!」 グリーンはそう言うと、颯爽と研究所を去っていった。 オーキド「分かっているとは思うが、町を出ると野生のポケモンに出くわすかもしれん。油断するな。」 レッド「ああ」 レッドも早足で研究所を出た。 6 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:00:48.74 ID:aff13ROx0 いよいよだ。 初の任務にレッドの胸は高まる。 オーキドのもとで訓練を始めたのは、レッドがまだ4歳の時であった。 日々相当な量の筋力トレーニングを行い、身を隠し、気配を消す方法、 敵の目を欺く様々な作戦。さらにはポケモンの倒し方から、皮の剥ぎ方、調理の仕方まで学び、 あらゆる重火器の使い方を教え込まれた。 まだ10歳のレッドだが、身長は173cm、体重は80km。彼の肉体と頭脳は大人のそれよりもはるかに優れていた。 7 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:02:30.20 ID:aff13ROx0 マサラタウンを出て、1番道路を歩く。 こんな所で危険なポケモンが出ることは滅多に無い。彼にはオーキドが銃を用意した理由が分からなかった。 何事も無くトキワに到着。フレンドリィショップを探し出し、荷物を受け取る。 なんだ、簡単じゃないか。 しかしショップを出て歩き出したレッドは、すぐに異常を察知した。 8 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:05:10.32 ID:aff13ROx0 レッド(尾行されている…?) 彼が入る前にショップの前で立ち話をしていた2人組が、ついてきているように思えるのだ。 どんな些細なことでも見逃さないよう、レッドは鍛えられたのだ。 彼は何事も無かったかのように歩き続け、マサラとは反対方向へ向かった。やはり彼らはついてきた。 試しに靴ひもを結ぶふりをすると、彼らも一定の距離で立ち止まった。レッドが歩き出すと、彼らも歩き出す。 9 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:06:44.75 ID:aff13ROx0 下手な尾行だ。レッドは思った。 自分が子供だから、油断しているのだろう。 オーキドに連絡する必要があるが、まず奴らへの対処が先決だ。 レッドはそのまま北へ向かい、トキワの森に差し掛かった。 この森は天然の迷路である。危険なポケモンも多い。 奥へ進めば奴らも自分を見失い、あきらめるだろう。 10 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:08:15.12 ID:aff13ROx0 森へ入り、辺りが暗くなる。 レッドは茂みの多いところをずんずん進んでいく。 すでに人が立ち入ることの無い場所に来たが、彼はためらうことなく、不規則に曲がりながら進んでいく。 そして茂みに身を伏せた。 しばらく待ったが、あの2人組が来る気配は無い。 10分ほど息をひそめたが、どうやらあきらめたようだ。 11 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:09:14.75 ID:aff13ROx0 彼は茂みを出て、スマートフォンで地図を開いた。 とりあえずニビシティへ行こう。彼は再び歩き出す。 5分ほど歩いたところで、彼は立ち止まった。 レッド(これは…血のにおい…?) 素早くコルト1911を取り出し、辺りを見回す。 においの元はすぐに見つかった。 12 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:10:34.42 ID:aff13ROx0 少年が仰向けに倒れていた。隣に虫取り網が落ちている。 彼の腹は大きく引き裂かれており、あばら骨が飛び出し、腸の一部と夥しい量の血液が溢れ出ている。 衣服は全てちぎられたらしく、素っ裸だ。 下半身を見ると、ペニスと睾丸は根こそぎ噛みちぎられたようで、管のような何かが飛び出している。 犯人は明らかだ。 14 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:12:42.88 ID:aff13ROx0 レッド(ピカチュウがいるのか…!) ピカチュウはかなり危険なポケモンである。 奴らは群れで行動し。獲物を見つけると素早く接近し、電撃で麻痺させる。 そして弱ったところを一気に襲い、[ピーーー]。 ピカチュウは栄養の豊富な内蔵のみを食べる。 腹を裂かれた死体のほとんどはピカチュウによるものだ。 そして奴らの大好物は脳だ。しかし今回は頭蓋骨までは割れなかったらしく、 少年の顔は原型をとどめないものの、頭部は残っている。 ピカチュウはトキワの森に生息してはいるが、数は少ないらしく 目撃情報もほぼ無かった。 15 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:15:47.74 ID:aff13ROx0 体重ミスった…許してね 相手がピカチュウとなると、多少の用心が必要となる。 レッドはコルト1911を構えて、慎重に進むことにした。 だいぶニビシティに近づき、レッドは一息ついた。 が、突如茂みから黒い影が二つ、飛び出して来たのだ。 レッドは驚くべき反射神経で後ろに飛び退き、コルト1911が火を噴いた。 ガアン!! しかしそれはキャタピーであった。 顔面の左半分を吹き飛ばされたキャタピーは声を上げることもなく、息絶えた。 16 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:17:44.53 ID:aff13ROx0 レッドはキャタピーごときに反応したことに腹を立て、 もう一匹を思いっきり蹴飛ばした。キャタピーは奇麗な弧を描いて飛び、茂みの中に消えた。 キャタピーはグロテスクではあるが、比較的無害なポケモンである。 発砲音が思いの他響き渡り、レッドは舌打ちをした。 サプレッサーをつけておこう。 しかしニビシティへ着くまでに、再びポケモンに出くわすことはなかった。 17 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:20:24.42 ID:aff13ROx0 到着した頃にはすでに日が暮れ、レッドも空腹であったため、彼はファストフード店に入った。 安物のしけたハンバーガーを食べていると、店内のテレビが臨時ニュースを告げた。 「国際的な麻薬組織のリーダーとして、オーキド・ステファノビッチ氏が逮捕されました。」 「オーキド容疑者は24年もの間、麻薬組織『ブラックウォーター』のボスとして、国際的な事件に 多く関わってきたと見られています。同容疑者は数年前から『オーキド博士』と名乗り、 地方に建てた研究所に潜伏していたということです。」 「彼の逮捕時の様子や、逮捕までの経緯については、後ほどお伝えします。」 18 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:21:25.84 ID:aff13ROx0 レッドは青ざめた。 オーキドが単なるポケモン博士とは思っていなかったが、まさか『ブラックウォーター』のボスだったとは。 おそらく、レッドが渡された荷物も、中身は麻薬だろう。 マサラに帰ることはできない。 先ほどの尾行といい、子分にあたる自分の存在は気づかれているかもしれない。 グリーンのことも気になるが、もし捕まっているとしたら、連絡を試みるのは危険だ。 19 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:22:54.88 ID:aff13ROx0 レッドはそそくさと店を後にすると、すぐにニビを出た。 追われる身となった以上、一つの場所に留まるのはリスクが高い。 彼はお月見山付近で野宿をすることにした。 慣れた手つきで火をおこし、テントを張る。 撃ち落としたポッポを丸焼きにしていると、近くから妙な音が聞こえてきた。 ポケモンの鳴き声のようだが、様子がおかしい。 20 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:25:47.51 ID:aff13ROx0 銃を構えて音の方へ向かうと、茂みに黄色い何かが見えた。 ピカチュウだ! レッドは素早く始末しようと近づいた。 するとピカチュウの横たわった全身が見え、それが血だらけで、重傷を負っているのが分かった。 肩から胸にかけて切り裂かれたらしく、骨が見えている 21 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:27:07.68 ID:aff13ROx0 レッドはさらに接近したが、ピカチュウは息も絶え絶えで起き上がることはできなさそうだ。 レッドは屈んで、傷を調べてみた。傷は肩から斜めに、奇麗に切られている。 付近にこれほど鋭い爪を持ったポケモンはいない。ナイフか何かで切られたものだろう。 血はまだ流れ出ており、ついさっき切られたものだと思われる。 22 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:28:28.76 ID:aff13ROx0 よくある物語だと、ここで情けをかけ、傷の手当をするのだろう。 そして主人公のピンチをピカチュウが救うという筋書きだ。 しかし同情など知らずに育った、しかもサディスティックな面も持つレッドに、 そんな馬鹿げた考えは浮かばぬ。 レッドはピカチュウの尻尾を掴み、焚き火の近くへと引きずっていった。 ピカチュウは群れで行動するため、付近に他の個体がいる可能性があるからだ。 ピカチュウは基本、火を嫌う。 23 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:30:21.91 ID:aff13ROx0 レッドは焚き火の隣にある岩の上にピカチュウを横たえた。 レッド「さあて、暇つぶしだ。」 レッドは手術用の手袋をつけた。なぜそんなものを持っているのか。 彼は手頃な大きさの小枝を拾い、ピカチュウの傷に差し込んだ。 ピカチュウ「ピ…」 レッド「イマイチだな」 するとレッドは、傷の両側を掴み、ふんぬ!と力任せに開いた。 24 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:32:43.85 ID:aff13ROx0 ピカチュウ「ごぶらぴああああああああ!!!」 ばり!という音とともにものすごい量の血が吹き出し、 胸まであった傷は、股間にまで達した。真っ赤に染まったあばら骨と内蔵があらわになる。 すでにピカチュウは虫の息だ。 レッド「なんだ、これからが本番なのに…」 レッドは舌打ちをすると、すごいキズぐすりを取り出し、傷に噴射した。 傷はみるみる治っていき、ピカチュウも息を吹き返した。 ピカチュウ「ぴい…かー」 25 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:33:57.84 ID:aff13ROx0 レッド(そろそろかな) レッドはキズぐすりの噴射をやめた。 ピカチュウは回復したが、まだ動ける程にではない。 レッドはピカチュウがオスであることに気がついた。ピカチュウは2本足で歩けるため、 ペニスは比較的小さい。形はコラッタといった普通のネズミのものとほぼ同じだ。 まだ幼いレッドには性的な興味は無い。彼はピカチュウの睾丸を力任せに殴った。 27 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:35:23.37 ID:aff13ROx0 ピカチュウ「んびがあ!!」 ピカチュウは叫び声をあげ、のたうちまわった。 レッドはピカチュウを押さえつけながらナイフを取り出し、 睾丸を切り取ってみることにした。 根元付近に刃をあて… その時だ 突然レッドの正面に見える茂みの中から人が現れた。しかも4人。 レッドは驚いた。今まで何の気配も無かったからだ。 そのうちの1人が声をあげた。 28 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:37:42.46 ID:aff13ROx0 「動かないで!こっちには銃があるわよ!」 見ると、話しているのはくねくねした妙な男だ。 その手にはMP5がある。 「あたしは秘密警察のタケシ!あなた、オーキドの子分でしょう?」 レッドは黙っていた。 29 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:39:29.31 ID:aff13ROx0 タケシ「あたし達があの店をマークしないと思った? あなたが受け取った荷物のなかに発信器があるの。それが位置情報を教えてくれたのよ。」 そうか、オーキドの逮捕は時間の問題だったようだ。 すでに包囲網は狭まっていたのだ。 タケシ「さあ、おとなしく捕まっちゃってね?」 タケシと部下3人は一歩近づいてきた。 30 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:41:27.68 ID:aff13ROx0 タケシ「ナイフを捨てなさい」 レッドはナイフを横に放り投げた。 タケシ「いいわよお。」 タケシはくねくねした。 「でもあなた、まだ子供じゃないの…18ぐらいかしら?」 レッド「10歳だ」 タケシ「ふえ?」 いまだ! 次の瞬間、レッドは驚くべき怪力でピカチュウを投げつけ、素早く岩の陰に隠れた! 31 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:43:38.57 ID:aff13ROx0 タケシ「きゃあん!」 4人は一斉に発砲し、空中のピカチュウは蜂の巣にされた。 しかしそのショックで、タケシにぶつかりながらピカチュウは体中の電気を放出。 雷が落ちたような音とともに電気の大爆発をおこした。 「いやあああああああん!」 「ほおおおおおおおおお!」 タケシと、その隣にいた部下1人がまともに電撃を浴びて吹っ飛ぶ。 「あねご!」「大丈夫でごわすか!」 後ろにいたもう2人が、感電しながらもあわてて銃を構える。 32 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:45:44.63 ID:aff13ROx0 しかし立ち上がったレッドの手にはすでにコルト1911があった ボスッ! ボスッ! 2人は頭から血を噴き出させながら倒れた。 タケシ「いや…なんてことなの…びりびりするわあ…」 タケシは動けない。 レッドはゆっくりと近づき、倒れていたもう1人の部下を撃ち殺した。 34 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:47:10.52 ID:aff13ROx0 レッド「あっさりやられたな、タケシさんよ。」 タケシ「あなた…一体…」 レッド「オーキドのじいさんはどこにいる?」 タケシ「知らない…」 レッドはコルト1911を構え、タケシの頭に狙いをつけた。 レッド「それじゃあ、仕方ない」 35 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:48:41.60 ID:aff13ROx0 タケシ「ま、ま、待って…!オーキドちゃんは…ヤマブキの…秘密警察本部に…」 レッド「それからどうなる?」 タケシ「国際法廷で…裁かれるわ。死罪は…免れない…でしょうね…」 レッド「そうか、分かった。」 レッドは再び銃を構えた。 36 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:50:52.90 ID:aff13ROx0 タケシ「いや!待って!お願い!…あたしは生かしておいた方がいいわ…!」 レッド「なぜ?」 タケシ「あたし人質に…しない?」 タケシは猫なで声でうったえた。 レッドはしばし考えた。 レッド「なるほど。俺がオーキドを助けに行くなら、お前は役に立つかもしれん。」 レッドは微笑んだ。 タケシの表情が明るくなる。 37 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 14:52:26.85 ID:aff13ROx0 タケシ「じゃあ…殺さないでおいてくれるの…?」 レッドは急に真顔に戻り、言った。 レッド「いや、殺すのだ」 ボスッ! 彼はタケシの頭に一発ぶち込んだ。 タケシはすぐに動かなくなる。 レッド「だって気持ち悪いんだもん。」 41 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 15:44:43.58 ID:WTkcH1kHO レッドはポッポの丸焼きを骨まで食べ尽くすと、お月見山に入った。 奥へ奥へと進むと、少し開けた場所に出た。何やらポケモンがいる。 レッドは岩の陰に隠れながら接近した。 ピッピだ。 42 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 15:49:10.41 ID:WTkcH1kHO レッドは驚いた。ピッピは珍しいポケモンで、実物を捕まえた者はいない。 レッドはジリジリと距離を詰める。 ピッピは気がつく様子は無い。 その時レッドは妙な石が落ちているのに気付いた。深い紫色の石だ。 レッドは石を拾いあげた。 43 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 15:54:34.61 ID:WTkcH1kHO じつはこの石、月の石という非常に貴重な石なのである。その価値、ひとつ数万円で取引されることもあr レッド「こうだああああああ!!」 レッドはすごい勢いで石を投げた。 石は一直線にピッピへ向かい、眉間にクリーンヒット。 ピッピは銃で撃たれたかのように仰け反って倒れ、 石は粉々になった。 46 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 16:12:07.37 ID:WTkcH1kHO レッドは気絶したピッピに駆け寄って、 その場で解体を始めた。 ピッピは肉付きがよく、脂ものっている。 食糧としては申し分なかった。 その後、レッドは石で出来た奇妙なポケモンを 地面に叩きつけてかち割り、 モグラのような黄色いポケモンを三枚おろしにして 難なくお月見山を抜けた。 48 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 16:17:55.65 ID:WTkcH1kHO 30分ほど歩けばハナダだが、レッドは再び野宿をすることにした。 レッドは道から外れ、林の奥深くへ入った。 先ほどはタケシに邪魔をされたが、ここなら大丈夫だろう。 テントを張って中に入る。 落ち着いたところで、彼は昔のことを追憶した。 56 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 16:46:37.72 ID:WTkcH1kHO 途切れ途切れで申し訳ないです。 彼が4歳の時、両親と住んだいたフスベシティは ロケット団という狂気の強盗集団の襲撃を受けた。 両親はその時レッドを隠した後犠牲になった。 幸いレッドは見つかることなく助かったのだ。 彼は施設に預けられたが、そんな彼を救ったのがオーキドであった。 58 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 16:58:05.34 ID:WTkcH1kHO オーキドに連れられてレッドはマサラへ行き、 1人の女性に引き取られた。 彼女は本当の母親のようにレッドを育ててくれた。 マサラは故郷だ。 オーキドは厳しい男だったが、とても頭がよく様々なことを教えてくれた。 レッドは学校へ行かなかったが、とても賢くなった。 グリーンは面白いヤツで、今では唯一無二の親友。 すべてオーキドのおかげだ。 60 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 17:11:07.37 ID:WTkcH1kHO レッドはオーキドを助けたいと思ったが、方法が無い。 彼は感情的にはならなかった。 不思議なのは、これほど鍛え上げた自分を、 なぜ運び屋なんかに使ったのかということだ。 何か真意があるのかもしれない。 そのことはとりあえず後にして、 レッドは荷物を整理することにした。 61 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 17:29:27.51 ID:WTkcH1kHO GPS着きの箱はすでに捨てた。 中には発信器しか入っていなかったからだ。 レッドは、タケシの死体からいただいたバッグを調べた。 レッドはMP5を手に入れた! レッドはSMGの弾を100発手に入れた! レッドは3万円を手に入れた! レッド「誰だ?これ」 レッドはシバの写真を手に入れた! レッド「何かバッジのような物があるな」 レッドはグレーバッジを手に入れた! レッドはグレーバッジを投げ捨てた! レッド「こんなものか」 62 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 17:38:10.66 ID:WTkcH1kHO レッドはタケシバッグを投げ捨てた! レッドがテントでうとうとしていると、 突然スマートフォンが鳴り出した。 レッド(誰だ!?) 着信を見ると、なんとグリーンからであった。 「よーレッド!元気そうじゃないか!」 レッド「グリーン!どうして電話を? 俺が捕まってたらどうするんだ!」 「へへっ、ニュース見てないんだろ。オーキドの子分2人がマサラから逃走中って 言ってるぜ。それでお前が無事だと 分かったんだ。」 レッド「そうか」 さすがはグリーン。声からも余裕がうかがえる。 63 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 17:42:01.29 ID:WTkcH1kHO レッド「そういえばカツラはどうなった?」 「抵抗して射殺されたよ。俺は屋敷の裏口から逃げたんだ。」 その後レッドはグリーンと戦略を練り、 二日後にヤマブキシティの近くで落ち合うことにした。 64 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 18:10:37.10 ID:aff13ROx0 レッドはグリーンからの情報で、自分の写真が公開されていることを知った。 フレンドリィショップを出たとこで隠し撮りされたらしい。 幸い顔ははっきりとは映ってないらしいので、変装すればいいだろう。 ハナダに向かって歩き出すと、林の中に人影を見つけた。 目を凝らすと、その男は18歳ぐらいで、全身を緑色の服で覆っているようだ。 いわゆるキャンプボーイだ。 キャンプボーイは大きな穴を覗いている。アーボの巣だ。 レッドは足音を殺して近づく。 65 名前:Ht[saga][] 投稿日:2014/07/31(木) 18:17:30.42 ID:aff13ROx0 銃を取り出し、キャンプボーイの首筋に突き立てる。 レッド「動くな」 キャンプボーイ「あひ…!」 レッド「俺の格好を見てみろ…誰か分かるな?」 キャンプボーイ「あ…あ…お…オーキドの…」 レッド「そうだ。この拳銃が偽物だと思うか?」 キャンプボーイ「ひっ…!」 レッド「服を脱げ」 キャンプボーイは震えながら服を脱ぎ、パンツ一丁になった。 レッド「一歩下がれ」 彼は言う通りに下がった。 66 名前:Ht[saga][] 投稿日:2014/07/31(木) 18:25:40.78 ID:aff13ROx0 レッド「もう一歩だ。」 キャンプボーイ「え…」 彼は後ろを見た。アーボの巣に迫っているのだ。 レッド「下がれ!」 キャンプボーイ「ひっ!はいっ!」 レッド「もう一歩だ!」 キャンプボーイは巣の淵まで来てしまった。 レッドは静かに言った。 レッド「もう一歩だ」 キャンプボーイ「や、やめて!落ちる!落ちちゃう!」 キャンプボーイはアーボの恐ろしさを知っていた。 巣に近づくだけなら安全だが、その巣に刺激をあたえr レッド「こうだああああああああああ!!」 レッドはキャンプボーイの腹を力任せに蹴った。 キャンプボーイ「ほわあああああああ!!!!!」 彼は大声をあげて落ちた。そしてシャーッ!という危険な音。 キャンプボーイ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 何かが大量にうごめく音がした。 67 名前:Ht[saga][] 投稿日:2014/07/31(木) 18:30:06.06 ID:aff13ROx0 アーボは牙に毒を持つ。 一匹の毒では大したことはないが、このように集団で噛まれると終わりだ。 大量の毒が流れ込むと、まず体中が燃えるように熱くなる。 そして血液が沸騰し始めるのだ。 沸騰して出た蒸気は血管を膨張させ、最後には 全身の血管が破裂する。 レッドは走って巣から離れた。奪った服を着る。 そして何事もなかったかのようにハナダへ向かった。 68 名前:Ht[saga][] 投稿日:2014/07/31(木) 18:39:32.13 ID:aff13ROx0 ハナダシティに到着すると、入り口で秘密警察と思われる数人が 監視していた。しかし人通りは多く、検問はしていない。 レッドは近づきながら、その数人の中に巨大な女がいるのに気がついた。 身長が190ほどあろうか。なぜかビキニ姿で、ものすごい筋肉である。 その目は獣の目だった。 すごい殺気を感じながら、レッドは女の前を通過した。 これほど恐ろしい女は見たことが無い。 女の腹には十字形の大きな傷があり、それが腹筋の盛り上りでギザギザになっている。 ビキニはよく見ると、夥しい量のドクロが刺繍されていた。 そして彼女には左腕が無かった。 レッドは何とか通過することに成功した。 69 名前:Ht[saga][] 投稿日:2014/07/31(木) 18:47:20.13 ID:aff13ROx0 レッドは思い出した。 ここには顔見知りある日系人の男がいるのだ。 オーキドの仕事と関わっていたそうだが、今考えてみると きっと麻薬のバイヤーだろう。 確か名前は フアン・ハビエル・雅喜 とかだった。 レッドはその男を探し始めたが、案外すぐ見つかった。 町の案内図に、「マサキ研究所」という建物が書いてあったのだ。 72 名前:Ht[saga][] 投稿日:2014/07/31(木) 18:55:59.77 ID:aff13ROx0 彼はその建物へ行った。わりと小さめではあるが、壁には ポケモンの研究についての様々な張り紙が張ってある。 「世界初!イーブイの人工授精に成功!」 「『ブラッキーの生殖行動について』の論文が第22回ヤマブキ学会賞を受賞!」 「世界初!ブースターの精液から万能細胞の手がかりを発見!」 危ない男だ。レッドは思った。 研究所の扉には「現在立ち入り禁止」という札がかかっていたが、 レッドは構わず蹴破り、中に入った。 73 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 19:01:53.56 ID:aff13ROx0 そこでレッドは衝撃的な光景を目にした。 マサキはピッピと合体していたのだ。性的な意味で。 マサキ「ななななんやお前!入るなゆーたやろ!!」 マサキは裸のまま大慌てでピッピから飛び退いた。 ピッピはぐったりしている。 74 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 19:11:41.25 ID:aff13ROx0 レッドは表情を変えずに近づき、帽子を取った。 レッド「レッドです。オーキド博士の弟子の。」 マサキは立ち上がり、裸のまましばらくレッドを見つめた。 マサキ「おお!そうや!思い出したわ!久しぶりやなあ!」 彼の顔がパッと明るくなった。 マサキ「ニュース見たでえ!あんさんよう逃げ切ったなあ!」 レッドは不思議に思った。前に会った時は、こんな妙な訛りはなかったはずだ。 マサキ「ま、座りーな。飲み物持って来るで。」 レッド「ありがとうございます」 マサキはピッピを蹴飛ばし、裸のまま奥にある台所へ向かった。 80 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:12:56.41 ID:aff13ROx0 見ている方がいましたら、ありがとうございます。 研究所は随分と片付いていた。檻がいくつか見えたが、 いずれもなかは空っぽだ。 ミックスオレを持ってきたマサキにレッドは訪ねた。 レッド「マサキさん、どうして方言を話すんですか?」 マサキは笑った マサキ「あかん、癖になってしもた。訛ってると信用されやすいんやで。」 そして真剣な顔になって言った。 マサキ「実を言うと研究所を離れようと思っている。 オーキドさんが捕まったとなると、俺も安全とは言えないからな。」 道理で研究所が片付いているワケだ。 マサキ「研究用のポケモンは全部知り合いに譲った。今までの研究は水の泡さ。」 彼はニヒリスティックに笑った。 レッド「あのピッピは?」 レッドは床にのびているそれを指差した。 マサキ「昨日拾ってきたんだ。ムラムラしてね。」 レッド「マサキさんに獣姦の趣味があるとは知りませんでした。」 マサキ「へっへっへ なかなかいいぞ。お前には分からんだろうが。」 82 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:21:55.23 ID:aff13ROx0 レッド「それで、今すぐここを出るつもりですか?」 マサキ「まだ準備が済んでいない。しかし2人で出るのはやめよう。別行動だ。」 レッド「そうですね。」 マサキは裸のまま立ち上がった。 マサキ「オーキドさんには恩がある。 なにか必要なものがあったら言ってくれ。」 レッドは少し考えて、金が不足していると言った。 マサキは戸棚から無造作に札束を出し、レッドに渡した。 マサキ「もう行くのか?」 レッド「ええ。約束があるもので。ありがとうございました。」 マサキ「これからどうするつもりだ?」 レッド「まだ未定です。」 マサキ「そうか…。」 マサキは裸のまま、レッドを見送った。 84 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:30:18.89 ID:aff13ROx0 次の日、レッドはクチバシティにいた。 ヤマブキへの道が封鎖されていたのだ。 なにやら、豪華客船でパーティが開かれるらしく、街は賑わっている。 出口を探してさまよっていると、遠くから女の太い叫び声が聞こえた。 「イ″ヤアアアア!ロケット団よオオオオオオ!!」 ロケット団だと!?レッドは耳を疑った。 この地方でで活動しているとは知らなかったのだ。 すると どけ! と叫びながら、黒ずくめの一団が人ごみをかき分け、 港へ向かって行くのが見えた。 85 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:39:04.98 ID:aff13ROx0 野次馬を避けながら向かうと、奴らはでかい船の前にいた。 男「ぎょはははははは!楽しそうなパーティだぎょはははは!」 男は高笑いした。 男「さぞかしぎょははは!金持ちが集まってぎょははは!いるのだろぎょっは!」 何を言っているのかわからない。 男「皆の衆!宝飾品やら何やらタップリいただくぞぎょはは!!!」 ロケット団一同「RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!」 かけ声とともに、数人がナイフを出して船に入ろうとした。 その時 「ストオオップ!!そうはネバー!させないヨ!」 87 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:44:31.89 ID:aff13ROx0 野次馬を含め、全員が声のした方を見た。 軍人のような格好をした大男が立っていた。 金髪でいかつい顔をしており、なぜかポケモンを抱えている。 レッドはそれをピカチュウだと思ったが、よく見ると非常に珍しいポケモン、 ライチュウであった。 ライチュウ「らい?」 ライチュウはキョロキョロしている。 88 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:51:46.67 ID:aff13ROx0 「マチス少佐だ…!」 「少佐が来てくれた!」 そんな声が聞こえた。 マチス「HAHAHA!Rocket団!Partyをねらってオソウとは…ヒキョウなguysデスネー。」 男「なにい!?なんだお前?」 男はマチスを睨みつけた。 マチス「Meはマチス・アームストロング少佐。15年、戦場にイマシター。」 マチスはロケット団に近づいて行く。 89 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 20:55:36.13 ID:aff13ROx0 マチス「You!すぐにここからget away!さもなくば…」 マチスはライチュウを抱え上げた。 ライチュウ「らい?」 男「お前…ポケモン使いか…?」 男は後ずさりする。 今やロケット団全員がマチスを注視している。 90 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 21:04:04.98 ID:aff13ROx0 マチス「No…それはない。ポケモンなど…!」 マチスはくわっと目を見開いた。 マチス「ダア!!!」 次の瞬間、ライチュウの体が派手に裂けた。 なんとこのマチス、両腕の力だけでライチュウをまっぷたつにしたのだ! 肛門から首の下まで、骨までもが見事にまっぷたつだ。 ライチュウ「」 裂け目からありとあらゆる内蔵が、血とともに バケツをひっくり返したようにあふれ出す。 地面には内蔵の山ができた。 ライチュウは目を見開いたまま絶命した。 92 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 22:05:13.80 ID:aff13ROx0 一瞬、群衆は静まり返った。 ロケット団を含む全員が固まっていた。 マチスはライチュウの死体を放り投げ、鬼の形相で叫んだ。 マチス「貴様らもこうなりてえか!!!!」 次の瞬間、悲鳴の波が起こった。 子供は泣き叫び、 女は卒倒し、 男は反吐を吐いた。 ロケット団は子ガーディのような鳴き声をあげ、船の中に逃げ込んだ。 94 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 22:13:09.71 ID:aff13ROx0 マチス「うるあああああああああ!!」 マチスは叫び声をあげながら船へと押し入った。 中から悲鳴が聞こえ、それによって群衆のパニックも高まる クチバシティは阿鼻叫喚の渦と化したのであった。 しばらくの間レッドはぼんやりと突っ立っていたが、気絶したロケット団員が 取り残されているのに気づいた。 彼が見に行くと。驚きの早さで立ち直った野次馬たちがその周りに集まりだした。 レッドは皆の野次馬根性に舌を巻いた。 のびている団員をどうするかで野次馬が話し合い始めた。 レッドはどうしても気になることがあり、隣に立っていた 初老の男に尋ねた。 レッド「あの…団員が言ってた『ポケモン使い』って何ですか?」 96 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 22:18:25.67 ID:aff13ROx0 初老の男はそれには応えず、静かに前へ出た。 ロケット団員の隣まで歩み出たため、群衆は男に視線を浴びせ、 場は再び静まり返った。 男は仕立ての良いスーツを着ていた。 「あれは…大好きクラブの会長だ!」 「ポケモン大好きクラブ?あのカルト集団のこと?」 そんな声が聞こえた。 会長は黙ったまま、スーツのポケットから球状の何かを取り出した。 97 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 22:24:07.92 ID:aff13ROx0 皆が不思議そうにその球を眺めた。 会長は球を高々と持ち上げると、地面に投げつける。 ポン!と大きな音がしたかと思うと、なんと次の瞬間、 そこにポケモンが現れたではないか。 レッドは含めた野次馬は、驚いて数歩下がった。 ポニータだ!いや、違う!もっとでかい!ギャロップだ! ギャロップがあんなに小さい球に入っていたのは理解できないが、 レッドはその美しさに目を奪われた。 98 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 22:32:14.19 ID:aff13ROx0 車のような大きさに 細くて繊細な脚、力強い腿。 純白に輝く尾、形のよい尻。 流れるようなたてがみに小さな顔。 燃え盛る炎がより美しさを際立たせる。 皆がこのポケモンに見とれていた。 突如会長はレッドに向き直り、言った。 会長「ポケモン使いとは」 会長はくわっと目を見開いた。 会長「わしのことじゃあああああああああ!!!!」 その叫び声と同時にギャロップは両前足を高く上げ、 ロケット団員の顔面めがけて振り下ろした。 105 名前:Ht[] 投稿日:2014/07/31(木) 23:30:07.50 ID:MdUbs9ljO ぐわしゃ 嫌な音がして、団員の頭が破裂した。 内容物が飛び散る。 それを見た野次馬たちは再びパニックに陥った。レッド以外の全員がギャロップから逃げ出す。 会長「いくぞおおおおおおお!!!」 彼は華麗にギャロップの燃え盛る炎に飛び乗り、 手綱をとった。 ギャロップは一声いななくと、見事なジャンプで船の甲板に着地した。 ギャロップは口から火を吹いて甲板は 炎に包まれた。 会長「けはははははははは!!」 大惨事である。 106 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 23:40:30.44 ID:MdUbs9ljO レッドはいい加減にクチバから出ることにした。 ヤマブキへの道はまだ封鎖されていたので、仕方なくシオンタウンへ向かう。 グリーンとの待ち合わせ場所は、ヤマブキシティの東にある。 シオンタウンから行けば、ヤマブキに入らず辿り着くことができるのだ、 107 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 23:48:02.77 ID:MdUbs9ljO ところがその途中、馬鹿でかいポケモンが道を塞いでいた。 レッドはそのポケモンについては知らなかったが、 いびきを立てて仰向けで寝ているため、襲ってくる心配はなさそうだ。 シオンへ行くにはそこを通り抜けねばならない。 レッドはそのポケモンの腹によじ登り、 簡単に乗り越えてしまった。 レッド「ふん。こいつが起きるのを待つなど、馬鹿がすることだ。」 108 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/07/31(木) 23:57:46.28 ID:MdUbs9ljO そこから北へ向かい、レッドはシオンタウンに到着した。 すでに空は暗くなっている。 その町には一際目立つ、大きな塔があった。 ポケモンタワーというらしい。近づいてみると、 入り口付近に老婆が立っていた。 老婆「お兄さんや、ここに入ってはいけないよ。幽霊が出るんだよ。」 レッド「幽霊だと?馬鹿げたことを。」 老婆「どうしても入るなら止めないけどねえ。 今まで何人も行方不明になっているんだ。この中で。」 109 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:04:59.56 ID:UsH8xyEFO そう言われると入りたくなる。 どうせ幽霊など作り話だろう。 レッドは扉を開けて中に入った。 中は薄暗く気味が悪い。 するとどこからか声が聞こえた。 タチサレ…タチサレ… レッドは扉を開けて外に出た。 老婆は消えていた。 そうだ。こんな所で時間を無駄にしてはいけない。早くグリーンに合わねば。 レッドにはただ一つ弱点があった。 彼は心霊現象といっものに滅法弱いのだ。 110 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:11:50.36 ID:UsH8xyEFO レッドはシオンを出てヤマブキへと向かった。 しかし待ち合わせは翌日だ。 彼は野宿をすることにした。 手頃場所を求めて林の中を探し回っていると、遠くに明かりが見えた。 誰かが野宿をしているらしい。 レッドは警戒しながら近づいた。 小さめのテントがあったが、そこには誰もいなかった。 111 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:17:10.02 ID:UsH8xyEFO 「何かお探しかな?」 突如、背後から声がした。 驚いて振り向くと、グリーンが立っていた。 レッド「お前か…驚かせやがって。俺が銃を構えていたら、お前、死んでるぞ。」 グリーンは笑った。 グリーン「いやに早いじゃないか。待ち合わせは明日だぜ?」 レッド「時間が余ってね。それにお前もだろ。」 112 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:24:37.93 ID:UsH8xyEFO 2人は再会を喜び、それまでの経緯を互いに語った。 グリーン「俺の写真は無いみたいでね、変装は必要なかったんだ。」 レッド「随分楽じゃないか。」 グリーン「名前は知られているがね。お前はだいぶ苦労したろ?」 レッド「ああ、大変だったよ。」 レッドはグリーンのものと隣り合うようにテントを立てた。 113 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:30:47.42 ID:UsH8xyEFO グリーンはラジオを取り出し、音楽をかけた。 グリーン「やっぱ音楽はいいねえ、落ち着くぜ。」 気楽な奴だ。 しばらくして音楽は終わり、ニュースへと切り替わった。 「ニュースです。先ほどもお伝えしました通り、 数日前に逮捕されたオーキド・ステファノビッチ容疑者が暗殺されました。」 115 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:38:35.88 ID:UsH8xyEFO レッド「!」 グリーン「な、なんだとお!?」 「オーキド容疑者は今日午後、秘密警察によって護送されていたところ、 何者かに狙撃されたということです。」 「狙撃されたのは護送車が走っている最中で、相当な腕の持った人物による 犯行だと見られています。」 「なお、秘密警察はすぐに付近を捜索しましたが、手がかりはないとの…」 116 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:44:03.02 ID:UsH8xyEFO グリーン「くそおおお!」 グリーンはラジオをきった。 グリーン「何故だ!どうしてだあっ!」 レッドは黙っていた。 グリーンは地面を何度も殴り、しばらくの間地面を睨んでいた。 やがて落ち着いたらしく、顔を上げた。 グリーン「口封じ…ってことか…?」 レッド「…そうかもな。」 グリーン「くっ…俺たちは…どうすれば…」 118 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:54:08.28 ID:UsH8xyEFO 朝になった。 レッドはほとんど眠れなかった。 あまりに突然のニュース。 どうすればいいのか分からない。 グリーン「レッド…俺はあきらめるよ。じいさんを撃った犯人探しても、 あまり意味が無いと思うんだ。」 レッド「じゃあ、どうするんだ?」 グリーン「俺…ポケモンに興味があってさ、珍しいポケモンを見てみたいんだ。」 彼は遠くをみる目つきになった。 グリーン「ここからずっと北へいった所、シンオウってとこには色々な ポケモンがいるらしいんだ。そこに行ってみたい。」 119 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 00:59:30.87 ID:UsH8xyEFO グリーン「お前も来るか?」 レッドにはそんな趣味は無い。遠い所へ行く気力も無かった。 レッド「いや、やめておく。おれは犯人を追うよ。正直、 他にやることが無いんだ。」 グリーン「そうか…。まっ!お互い頑張ろう!じゃあな!」 グリーンは手を振りながら、さっさと林の奥へと消えていった。 どこまでもドライなやつだ。 120 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 01:11:05.36 ID:UsH8xyEFO レッドはジョウト地方へ行くことにした。 ここでは警察の警戒が厳しく、動きづらいのだ。 レッドは一週間かけてトキワへと戻り、カントーを脱出した。 道なりにずんずん進んで行くと、デブが1人立っているのを見つけた。 レッドが近づくと、デブは彼を見て口を開いた。 デブ「君は今!!」 レッド「うるせえ!!」 レッドは一喝した。 デブは口を閉じた。 レッドはすでにジョウトへ差し掛かっていた。 犯人は見つからないかもしれない。 そんな考えを振り払い、レッドは進んだ。 ワカバタウンがどんどん近づいてくる。 そして長い旅が始まった。 つづく… 121 名前:Ht[saga] 投稿日:2014/08/01(金) 01:13:29.27 ID:UsH8xyEFO 終わりが見えないので、この辺りで切ろうと思います。 続きを書くかは…微妙です。 見て下さった方々、ありがとうございました。