漣「おいゴラァ!」 提督「え、なに?」 1 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 13:26:33.02 ID:/u+MFUFh0 初投稿の初心者です。 キャラ崩壊、シリアス?、地の文、さらに駄文と、とても拙いSSみたいなものになりますが、温かい目で見ていただけたら幸いです。 以後、投下して行きます。 2 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 13:30:39.53 ID:/u+MFUFh0 漣「一番最初にこの舞鶴鎮守府に着任した艦娘は漣ですよね!?」 提督「あ、あぁそうだけど」 漣「そこから右も左も分からない私達は、お互いに奮闘してきたわよね!?」 提督「おう・・・」 漣「じゃぁ、なんで私を第一線で活躍させてくれないんですか!?来る日も来る日も遠征ばかり。旗艦のピーキーな夕張さんは、費用を食うし。色々とうんざりです!」 提督「費用を食ったのは戦時中の話だろ。本人を目の前にして、何か言ったりしてないだろうな?」 漣「・・・べつに夕張さんを悪く言っていません。あの人遅いですし、紙装甲だし」 提督「夕張は3300t級の軽巡に、どれだけ武装を詰めるかテストした・・・言わば実験艦だったからな。あと改装する前は、軽巡で一番燃料の消費が少なかったんだぞ」 漣「それ改装する前は、ですよね?夕張さんがあまり皆の役に立ててない事を悩んで、それを知ったご主人様が改装してあげたのを知ってるんですよ?」 提督「なぜそれを・・・」 3 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 13:33:37.47 ID:/u+MFUFh0 漣「どれだけ付き合いが長いと思ってるんですか。それでも夕張さんは軽巡の中で耐久、回避、装甲がてんでダメです」 提督「お前・・・本当にそれ、本人目の前にして言ってないよな?」 漣「漣もそんなに鬼じゃありません。それに夕張さんは自分でも気にしてますから、突っついていじったりでもしたら、すぐ大泣きし始めますよ」 漣「んって!!!そういうことを話に来たんじゃないんです!」 提督「・・・お前のさっきまでの口振りだと、旗艦の夕張をどうにかして欲しい、って話に聞こえるんだが?」 漣「ち・が・い・ま・す!漣が言いたいのは、なぜ私は最初からこの鎮守府にいるのに、最前線で戦わせてもらえないかってことです!」 4 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 13:37:57.67 ID:/u+MFUFh0 提督「あぁ、そういえば最初そんなこと言ってたな」 提督「ってかなんでそんなに最前線で戦いたいんだ?」 漣「さっきから言ってるじゃないですか!始めからこの鎮守府にいるから」 提督「いやだからと言って、お前を入れて他の子を入れないのはおかしいぞ。それは色々と差別してるだろう」 漣「妙にこんな時だけ正論言いやがって・・・漣が前にでちゃいけない理由があるんですか?」 提督「まぁ、理由を言うなら攻撃や耐久の低さかな」 5 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 13:43:05.39 ID:/u+MFUFh0 漣「うぐっ・・・わかってます。わかってましたよそれくらい!気合でカバーですっ!」 提督「いや無理だし!あと特筆して加えるなら、お前は俺の思い入れも強いし、怪我をして欲しくないってのもあるな」 漣「そこは素直に嬉しいです。でも、漣は駆逐艦です。艦と名前がついてる以上、戦場で散るのが道理です」 提督「・・・どうしてそんなに生き急ぐ?」 漣「別にそんなつもりはありません。漣はただ前線で活躍したいのです。今までは補給を兼ねて、遠征することに甘んじてきましたが、そろそろ前線で戦って見たいのです!」 6 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 13:52:20.89 ID:/u+MFUFh0 提督「・・・はぁ。漣、思ったよりも前線の攻略隊は厳しいぞ」 漣「はい!」 漣は部屋を出て行った。 提督「・・・あいつ、旗艦の夕張が羨ましいのかもな・・・」 7 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 13:58:32.09 ID:/u+MFUFh0 こんな風に書いていきます 一体誰が見てるのか、むしろ誰も見てないのか・・・ 余談ですがこのスレの近くに、同じく漣を主体として書いている人がいて親近感がわきました 漣関連のSSがもっと増えるといいなぁ 8 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 14:09:42.06 ID:/u+MFUFh0 提督「あー、今日漣を連れて出撃して欲しいんだが」 北上「えー、駆逐艦。いや」 榛名「榛名は大丈夫ですけど、みなさんは?」 青葉「青葉はOKですぅ!」 最上「僕もOKだよ」 隼鷹「私も全然構わないぜー!」 金剛「漣ちゃんは私たちに任せてヨー!」 提督「よし、じゃぁ北上。留守番よろしくな?」 北上「えっ!?」 9 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 14:12:10.39 ID:/u+MFUFh0 漣「ここがキス島沖・・・」 金剛「着きましター」 最上「羅針盤は?」 青葉「はい!・・・どうやら北東のようです」 金剛「サクッと終わらせてhomeに帰りまショー!」 ーーーーーーーーーーー 10 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 14:13:12.89 ID:/u+MFUFh0 隼鷹「二連戦してるけど、大丈夫かいあんた」 榛名「はい!榛名は」 隼鷹「あんたにゃきいてないよ」 榛名「えっ、あっはい・・・」 漣「漣は大丈夫なのです」 隼鷹「遠征ばかりで体が鈍ってるかもしれないから、気をつけときなよ?」 漣「わかりました」 ーーーーーーーーーーー 11 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 14:13:57.23 ID:/u+MFUFh0 金剛「左舷敵艦確認!撃てェー!」 最上「敵機確認!発艦用意!」 隼鷹「よーし、攻撃隊!発艦しちゃってー!」 榛名「榛名、砲撃開始です!」 漣「これが漣の本気なのです!」 青葉「敵はまだこちらに気づいてないよ?」 隼鷹「は!?」 最上「え!?」 漣「・・・あはは・・・・・・」 そして、時間は帰投後まで進む。 12 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 14:24:08.87 ID:/u+MFUFh0 提督「で、被弾して、しかも大破で帰ってきたと」 漣「ぐぬぬ・・・なんもいえねー」 金剛「て、提督ゥ・・・あんまり怒らないであげてヨ?私達がしっかりサポートできなかったってこともあるんだからサー」 最上「そ、そうですよ!僕も余り手が回らなくて・・・」 提督「・・・・・・はぁ〜」 漣「・・・・・・うぅ」 13 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 14:25:35.21 ID:/u+MFUFh0 提督「お前らもう帰っていいぞ。漣はここに残るように」 金剛「あんまりきつく怒っちゃダメだからネー」 青葉「さて、私はこの状況を取材でも」 隼鷹「はい、はい。あんたも素直に部屋をでる」 青葉「あっ、えっ待って!取材が!記者魂が!事件が私を呼んでいるっ!」 隼鷹「いいから、いくよ。」 青葉「ひっぱらないでくださいー!私はしゅざぃ...もっ..す.....ん....す」 青葉は連れていかれた。 15 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 14:27:37.54 ID:/u+MFUFh0 提督「・・・・・・さて、漣。事後報告だ」 漣「・・・はいっ」 提督「・・・・・・どうだった?」 漣「・・・え?」 提督「第一線での戦闘はどうだったんだってことだ」 漣「あ、あの。えと」 提督「お前、怒られるとでも思ったのか?」 漣「は、はい」 16 名前:じゅんけい[sage] 投稿日:2014/03/06(木) 14:30:42.14 ID:/u+MFUFh0 提督「んなわけねぇだろ。むしろ生きて帰って来られたことにホッとしてるよ」 漣「・・・・・・」 提督「で、どうだったよ。最前線は」 漣「・・・私・・・足手纏いでした・・・・・・」 提督「・・・・・・そうか」 漣「本当に怒らないんですね」 提督「当たり前だろ。俺はただここで艦娘に指示をだして座ってるだけだしな」 漣「そ、そんなことっ」 22 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:36:22.41 ID:/u+MFUFh0 提督「他にも駆逐艦でお前みたいに、前線で働きたいやつもいる。そういうやつの願いを叶えてやって、今後第一艦隊で働くかどうかを決めてもらう」 提督「・・・俺自身はあまり進めないがな。いくら運が高くても、回避が高い駆逐艦でも、装甲は重巡や戦艦には劣る。一発当たったらほぼ大破だ」 提督「だからと言って一度も経験してみずに、夢を絶っちまうのは誰であろうが嫌だろ?」 提督「やっぱりやりたいやつには、やらせてやりたいんだよ」 23 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:37:44.99 ID:/u+MFUFh0 漣「・・・・・・すみませんでした」 漣「・・・私の考えが甘かったです」 提督「・・・そうでもないぞ。漣も実践をこなして行けば、第一艦隊でもやっていけると思っているからな」 漣「でも、私には・・・荷が重いです」 提督「最初はあんなにやる気だったのにな」 漣「・・・皮肉ですか?」 24 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:38:23.38 ID:/u+MFUFh0 提督「いや、あれだけの威勢があったんだ。むしろ皮肉なのは運命だ」 提督「そんな状態で帰ってこなかったら、漣はそんな考えを持たなかっただろ?」 漣「・・・・・・」 提督「すこし意地が悪いが最終確認だ。第一艦隊で働くつもりはないか?」 漣「・・・・・・私には、できません」 25 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:38:56.13 ID:/u+MFUFh0 提督「・・・わかった。ならもう今日はこれ以上、漣を引き止める理由はない。それに疲れたうえ、入渠しなきゃいかんだろ?」 漣「そう、ですね。入渠してきます。失礼しました」 漣は部屋を出て行った。 提督「・・・はぁ・・・提督ってのは難儀なもんだな・・・・・・」 ??????????? 26 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:40:15.94 ID:/u+MFUFh0 金剛「あ、漣ー! Come over here!」 漣「え?あ、はい」 金剛「んー?なんか元気ないネー。・・・やっぱり怒られタ?」 漣「いえ。怒られることはありませんでした。でも・・・」 金剛「But?」 漣「少し・・・無理を言っていたんだなっ・・・て」 金剛「無理?Why?」 27 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:51:28.17 ID:/u+MFUFh0 漣は今朝方から今に至るまで、提督との事のあらましを金剛に話し始めた。 金剛「oh...提督はそこまで考えて、今日漣を出撃させてたんですネ」 漣「漣もそこまで考えていたとは思ってませんでした。」 金剛「あの人は優しいですもんネー。でも少し優しすぎるところが問題ですネ」 漣「自分が辛いなら、私たち駆逐艦を、無理に第一艦隊へ誘わなくてもいいのに・・・」 28 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:53:49.00 ID:/u+MFUFh0 金剛「誘わなくても変わらなかったヨ」 漣「え?」 金剛「私たちは・・・りっぱな兵器デース。戦うために造られましタ。だから、漣の潜在的なその気持ちが、表に現れたんじゃないかナ?」 漣「・・・・・・」 金剛「そんなに深く考え込まないほうがいいヨ。今は今。昔は昔だしネ」 29 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:55:41.98 ID:/u+MFUFh0 提督「おーい!漣!金剛!お前らいつまで入渠してるんだっ!ドックの妖精やおっちゃんが、お前らの艤装がずっと置きっ放しで邪魔だって言ってるぞ!」 風呂場の外から提督の声が聞こえた。 漣「やばっ!」 金剛「・・・これは怒られちゃうネー」 二人は急いで風呂場からでると、着替えを済まし、出入り口にある暖簾をくぐる。そこには提督が待っていた。 30 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:57:21.87 ID:/u+MFUFh0 提督「あまりドックに迷惑かけるなよ?赤城じゃないんだから・・・」 漣・金剛「すみません」 提督「はぁ・・・こっもあんまり怒りたくないんだからな?」 金剛「なら怒らなければいいデース」 私は小さくそうつぶやく。 31 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:58:09.37 ID:/u+MFUFh0 提督「おぉ、金剛。よほど怒られたいと見た」 どうやら聞こえていたらしい。 金剛「あー、えー・・・あはは」 提督「まったく。・・・・・・ほら、ドックに行って艤装をとって、部屋に戻れ」 漣・金剛「はい」 提督「金剛。お前は後で俺の部屋にこい」 金剛「oops!」 漣「あはは・・・」 ーーーーーーーーーーー 32 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 15:59:59.78 ID:/u+MFUFh0 金剛「失礼しマス」 私は提督に言われた通り、提督の部屋に来た。 提督「おう、はいれ」 おそらく怒られるのだろうが、その程度ならなんとでもなる。 提督「まぁ、なんだ。呼ばれた意味は理解してると思うが...」 ほら、始まった。怒られる事には慣れてしまったが、無視を決め込むなんて、失礼なことはしない。 提督「それはおいといてだな・・・漣の様子はどうだった?」 金剛「・・・え?」 33 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:03:47.02 ID:/u+MFUFh0 私は唖然とした。私自身漣の話をするため、今夜提督の部屋に向かうつもりでいた所、こんな形で来ることになるとは思いもしなかった。斯く言う提督も、同じ考えで私を呼んだことについて、やっぱりこの人は優し過ぎるヨ、と呆れる反面、内心漣を羨ましく思う。 提督「ほら、他人の目からみてどう映ったか、とか色々」 金剛「・・・少々危なっかしい所はあったケド・・・全体的には悪くないヨ」 34 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:06:10.04 ID:/u+MFUFh0 提督「そうか・・・あいつな・・・自分が今回の任務の足をひっぱってたって言ってたんだ」 金剛「・・・漣にお風呂で聞いたヨ」 提督「あいつ・・・これからもそのことを悔やんだりするかなぁ」 金剛「漣は強い子だから、大丈夫だヨ」 提督「あぁ。でも漣はいつも元気で、わりとうるさいやつなのに、今回はしょんぼりして悩んでやがる」 35 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:06:48.39 ID:/u+MFUFh0 提督「やっぱり俺個人としては心配なんだよな」 金剛「・・・・・・だからと言ってどうするんデスカ?」 提督「だからこそ、今の俺にはしてやれることがないんだ。時が解決してくれれば万々歳だけどな」 金剛「でも提督は、無責任だと思ってる?」 提督「・・・あぁ。・・・手厳しいな金剛は。しかし全くもってその通りだ」 36 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:08:11.23 ID:/u+MFUFh0 金剛「それは.........違うと思いマス」 金剛「提督の采配は間違ってないデス。それは漣が望んだものだから」 提督「でも望みを叶えたのは俺個人の思いだけじゃなく、利己的な打算もあったからだ」 金剛「・・・」 提督「俺は漣以外の駆逐艦にも同じことをして、第一艦隊で働ける能力があるか選定したことがある。」 37 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:08:51.14 ID:/u+MFUFh0 提督「そうやってお前たちは、遠征隊や攻略隊に分けられてきた。本人の性質や意志など加味せず、能力だけで判断されて、だ」 金剛「じゃぁ今までの事は、全くの偽善だったっていうんデスカ?そんなに卑しい打算だけじゃないはずデス!」 提督「いいや・・・現に第一艦隊には駆逐艦はいないだろう。このことから見て取れるように、俺の思いや本人の気概なんて希薄なものだ」 金剛「それは提督が漣や他の子たちを思ってのことデス!本当に利己主義な人は、数や物量をいいことに、捨て艦戦法や潜水艦での資材集めを行いマス!わざわざ選抜を行ったりしないヨ!」 提督「・・・」 38 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:09:22.34 ID:/u+MFUFh0 金剛「だからそんなに思い詰めないでくだサイ!漣の願いを聞いてあげたあなたに、非はありません!」 提督「たとえ・・・たとえ願いが聞けて、それが行えたとしても、叶わないなら何の意味がある!こんなことになったのは俺のせいだろう!?」 金剛「あなたの采配で全てが決まっても、それを行うのは艦娘である私たちデス!そもそも後押しをしただけで、できなかったのは漣では!?」 提督「・・・・・・」 39 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:10:03.09 ID:/u+MFUFh0 金剛「・・・なぜ、そんなにも、優しくあろうとするんデスカ?私にはまったくわかりません」 提督「・・・・・・」 金剛「・・・すみません。言い過ぎマシタ」 提督「俺も・・・少し熱くなり過ぎた。すまなかった」 金剛「でも提督、これだけは言わせてくだサイ。その優しさはいつか身を滅ぼしマス」 提督「・・・・・・お前がそこまでいうのなら・・・そうなり過ぎないよう善処しよう」 金剛「では、失礼します」 40 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:10:48.76 ID:/u+MFUFh0 提督「おう・・・あ、いやちょっと待ってくれ」 金剛「はい?」 提督「いや、漣の件は置いといてだな・・・今回はお前を怒るために呼んだんだ。それなのに何もなしで帰ってしまうってのはなぁ」 金剛は露骨に嫌な顔をする。 金剛「漣はお咎めなしなのニー?」 提督「今のあいつに、これ以上負担はかけたくないからな」 41 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:11:35.66 ID:/u+MFUFh0 金剛「私だけなんて酷いヨ!そこは一蓮托生が普通でショ。だから私も怒らないで欲しいヨー」 提督「そうは問屋が卸さない。といっても俺も怒る気はないから、一つ貸しってことにしよう」 金剛「貸し・・・。はぁ、どうやって返そうカナー」 提督「まぁどんな形でもいいさ。さて、時間を取らせてすまない。もう下がっていいぞ」 金剛「はい。では失礼しました」 ーーーーーーーーーーー 42 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:24:54.70 ID:/u+MFUFh0 私は今日、ご主人様に無理を言ってしまったことを謝るため、もう一度提督の部屋に向かった。 部屋の前に着くと、内部での会話がドア越しに聞こえてきた。 「わざわざ選抜を行ったりしないヨ!」 ノックをしようとした手を止める。 すこし強めな、金剛さんの声が中から聞こえてきたからだ。 43 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:25:40.64 ID:/u+MFUFh0 怒られているはずの彼女が、どんな会話をしてるのか少し気になり、聞き耳を立ててみる。 金剛「だからそんなに思い詰めないでくだサイ!漣の願いを聞いてあげたあなたに非はありません!」 私はすこし戸惑った。 なぜ金剛さんが、ご主人様と私についての話をしてるのか分からなかった。 提督「たとえ・・・たとえ願いが聞けて、それが行えたとしても、叶わないなら何の意味がある!こんなことになったのは俺のせいだろう!?」 44 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:27:15.36 ID:/u+MFUFh0 漣「え?・・・」 私はご主人様の珍しい大声に驚き、すこし惚ける。 金剛「あなたの采配で全てが決まっても、それを行うのは艦娘である私たちデス!そもそも後押しをしただけで、できなかったのは漣では!?」 停止していた脳が、ようやくここまでの会話を少し理解してきた。 私は居ても立っても居られなくなり、この場を走り去った。 ーーーーーーーーーーー 45 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:28:00.08 ID:/u+MFUFh0 翌日。 金剛「提督ゥ!漣がいません!」 提督「は?」 金剛「朝から誰も見かけてないんデス!部屋ももぬけの殻!消えちゃったんだヨッ!」 俺はそこまで聞くと、咄嗟に部屋を出た。 その時、金剛に後ろから手を掴まれる。 46 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:29:14.20 ID:/u+MFUFh0 金剛「どこにいくんデスカ!」 提督「漣を探しに行くんだ!」 掴まれた手を無理やり解き、俺は走り出した。 金剛「あっ、ちょっと提督ゥ!」 青葉「えぇ〜と・・・なにやら切迫してましたが、事件ですか?」 金剛「漣がいないんデス!」 青葉「いない?」 ーーーーーーーーーーー 47 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:31:13.41 ID:/u+MFUFh0 俺はまず適当な小型船で、海にでる準備をした。 艦娘が逃げるなら、陸路より海路のほうが圧倒的に早く、遠くへ行けると当たりをつけたからだ。 そのとき放送が聞こえた。 青葉「あー、あー、マイクテス、マイクテス、おはようございます。皆さんにごきょ」 金剛「漣が今日の朝からどこにもいないの!だからみんな、探すの手伝っテーーッ!」 青葉「うわわわ!そんなに大声出したらうるさ」 ここで放送が切れた。 48 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:32:01.06 ID:/u+MFUFh0 提督「ははは・・・あいつら」 金剛も漣を探してくれるだろうと思ったが、こんな大々的にやってくれるとは、思わず嬉しさから笑みがこぼれた。 そして準備が整い次第、俺は海に出た。 ーーーーーーーーーーー 49 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:33:48.71 ID:/u+MFUFh0 曙「漣ー!いたら返事しなさい!」 朧「漣ー!どこにいるのー!」 朧・曙「あっ」 朧「曙も探してたんだ」 曙「当たり前じゃない。全く迷惑かけてくれるわね」 朧「ははは、だね」 潮「み、みんなぁ〜!」 曙「ん?」 朧「お?」 50 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:34:49.50 ID:/u+MFUFh0 潮「ハァ・・・ハァ・・・て、提督が」 朧「ほらほら、落ち着いて」 曙「なれてないのに、大声なんてだすからよ」 潮「はぁ、えぇっと、提督が海に行っちゃって、多分漣お姉ちゃんの事だと思ったから、だから」 朧「提督は、海に行ったとおもったのね・・・なら」 曙「ったく、しょうがないわね」 潮「え?え?」 51 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:35:55.63 ID:/u+MFUFh0 曙「なにぼさっとしてんの?あんたも行くんでしょ。漣を迎えに」 朧「早くこないと私一人で行っちゃうよ」 潮「え、えっと・・・そっちは・・・・・・陸です・・・・・・海は・・・ないです」 朧と曙は一瞬停止してUターンし、何事もなかったかのように海に向かい始めた。 ーーーーーーーーーーー 52 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:37:23.63 ID:/u+MFUFh0 曙「なにぼさっとしてんの?あんたも行くんでしょ。漣を迎えに」 朧「早くこないと私一人で行っちゃうよ」 潮「え、えっと・・・そっちは・・・・・・陸です・・・・・・海は・・・ないです」 朧と曙は一瞬停止してUターンし、何事もなかったかのように海に向かい始めた。 ーーーーーーーーーーー 53 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:38:42.58 ID:/u+MFUFh0 海は広い。 この中から人間を一人探し出すのは、とても困難だ。 だが普通の人間のように、水に沈み、海上に頭一つ浮かんでいる人を探すよりかは、幾分も気が楽だ。 されど海上、幾ら水面上に立てる艦娘であっても、人の形をしている。離れていてはただ点のようにしか見えない。 それゆえに俺は目を凝らし、漣を探す。 そうこうして海を走ること数十分。 54 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:39:38.93 ID:/u+MFUFh0 前方の海面下に、黒い影が複数現れた。 駆逐イ級の三隻である。 提督「クッソ!」 急いで航路を変える。 舵を切るのが遅れていたら、今頃正面衝突により、この小型船は大破していたことだろう。 しかし深海棲艦もこちらに気づいていたようで、後ろから追ってくる。 提督「攻撃なんか受けたら、一瞬でおじゃんだ!」 55 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:40:42.98 ID:/u+MFUFh0 駆逐イ級は口の内部から攻撃を繰りだし、その砲弾が船を横切って海面に落ちた。波の余波により船体が大きく揺れる。 提督「うおっ!ここにきて運がついてねぇな」 しかし攻撃はそれだけに留まらない。 提督「しつこいなっ!」 俺はこの状況を何とかできないか、考えてみることにした。 ーーーーーーーーーーー 56 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:41:48.92 ID:/u+MFUFh0 金剛「提督が海に出たッテーー!?」 隼鷹「あ、いや、おちつけって。まだそうと決まったわけじゃないからさ」 金剛「でも鎮守府にあった小型船がないなら、提督しかいないヨ!」 隼鷹「だとしても、あてもなくうちらが、海にでてどうすんだい?」 榛名「そうですよ。お姉様はすこし落ち着いてください。榛名が行ってきます」 隼鷹「お前もおちつけって!」 57 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:43:08.95 ID:/u+MFUFh0 最上「ちょっとみんな。ここは素直に待ってみたらどう?」 金剛「Why!?」 最上「あれ見てよ」 窓の外を指差す。 そこに映るのは真っ青な大海原と。 金剛「あれって・・・」 最上「ね?僕達が行くより、姉妹のほうがいいと思うんだ。それに、ここには何人か残ってなくちゃだしね」 ーーーーーーーーーーー 58 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:43:59.62 ID:/u+MFUFh0 朧・曙・潮の三人は、風を切りながら海を進む。 潮「あのー・・・どこに向かってるんですか?」 朧「とにかく何処か」 曙「は!?朧姉ぇ、当てはないの!?」 朧「い、いや。だって海なんて、隠れるところないし」 潮「でも方角もわからないんじゃぁ、探しようがないですよ」 曙「ここまできたってのに、踏んだり蹴ったりじゃない」 59 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:44:40.95 ID:/u+MFUFh0 朧「だとしても探さなきゃ!」 曙「それは・・・わかってるわよ」 潮「・・・はい」 曙「朧姉ぇ?深海棲艦は近海にもいるから危険性が高いわよ」 朧「うっ」 曙「また一人で行動しようと思ってたでしょ?」 朧「いやー、あはは」 潮「あ、曙お姉ちゃんも、あまり離れて行動したら・・・その」 曙「・・・わかってるわよ。潮の運にあやからせてもらうわ」 朧「まぁとにかく、もうこうなったらホントに運かな」 潮「そう・・・ですよね」 ーーーーーーーーーーー 60 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:45:22.41 ID:/u+MFUFh0 真夜中の海はとても怖い。 ただっぴろい空間。頭上には月と星々。黒い水面は、月の光を浴びてただ揺蕩う。 ここに生は感じられず、ただあるとすれば私一人。 海を覗いてみれば、生き物なんて数えられないほどいるはずなのに、この闇と静けさがそうは感じさせない。 このまま夜闇に溶けてしまえば、もう見つかることはない。 一瞬そう思った自分が一番怖い。 61 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:46:08.13 ID:/u+MFUFh0 恐怖を感じるということは、やっぱりまだ、後悔している自分がいるからだろう。 漣「みんなに謝ろうって、思ってたのになぁ・・・」 一時の感情に身を任せた、自分が悪い。 そんなことは分かっている。 分かっていたはずなのに・・・。 漣「あれ?・・・なんで泣いてんだろ、私・・・あれ?」 私は訳もわからず泣いた。 ーーーーーーーーーーー 62 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:46:44.97 ID:/u+MFUFh0 提督「いくら小型船で、小回りがきくからって・・・いけるもんかね?」 自分に自問する。 幸いにも、他の敵艦には見つかっていない。なので今のうちに、こいつらをどうにかしなければいけない。 考えている間にも攻撃はたえず、俺の向かわされている先は南西諸島沖方面。 俺は一層焦り始める。 このまま進んで行ったら、こいつらよりも厄介なやつに出会ってしまう。 63 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:47:18.36 ID:/u+MFUFh0 そこで俺は有る考えを持って、鎮守府近海付近に帰るため、大きく旋回する。 そこに駆逐イ級の一隻が、先へ回り込んで来た。 後ろには残りの敵駆逐艦が、縦に並んでいる。 挟撃の隊形だ。 提督「やはりな」 俺は後ろの駆逐艦と、一列になるように船を動かす。 そしてスピードをあげた。 後ろの二隻もそれにつられて追いかけてくる。 64 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:47:50.22 ID:/u+MFUFh0 その時、前方に構えた駆逐イ級の、かすかな動きが見てとれた。 提督「今だ!」 俺は直角に曲がるよう舵をきった。 その後、駆逐イ級の口から魚雷が放たれる。 船はすぐには曲がらなかったが、船体は大きくずれた。 その真横を、駆逐イ級の放った魚雷が通り過ぎる。 後方の敵艦は、俺の急な動きを予想していなかったのか、勢いを殺しきれずに前に進む。 曲がろうともしていたが、あいにくもう遅い。 65 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:48:27.88 ID:/u+MFUFh0 敵の放った魚雷は、後方にいた駆逐艦二隻に激突し、みるも無残に沈んで行った。 俺はある程度進んだ後船を止め、残った一隻を遠くから見る。 提督「あとはあいつだけか・・・」 一息つく暇もなく、敵の駆逐イ級に変化が現れる。 全身が赤いオーラに包まれ、目が赤く光だした。 そして咆哮をあげ、こちらに向き直り、直進してくる。 提督「っ!?鬼ごっこはまだ終わってないってか!!」 急いで船をだし、また逃げる。 提督「一対一じゃ分が悪いっての!」 俺は最後の賭けにでる。 ーーーーーーーーーーー 66 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:49:45.09 ID:/u+MFUFh0 朝になり数時間たった頃。 漣「やっぱり・・・帰ろう」 半日頭を冷やして、自分がどれほど馬鹿だったかを思い知った。 この考えに至るまでに、これほどの時間がかかった自分へ、憤りを感じる。 漣「そしてみんなに・・・ちゃんと謝ろう。許してくれないかもだけど」 私は鎮守府を目指し進み始めた。 ーーーーーーーーーーー 67 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:51:07.14 ID:/u+MFUFh0 提督「さっきのやつよりスピードや攻撃の正確さが違う!エリート艦ってのは伊達じゃないなっ!」 ふと船のメーターに目を落とす。 提督「まじか・・・」 ガソリンがそろそろなくなりそうなのである。 俺は焦燥感に駆られ始めた。 提督「もうやるしかねぇな・・・」 勢いよく旋回して、駆逐イ級に向き直る。 68 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:51:46.14 ID:/u+MFUFh0 提督「これが人生最後の大博打・・・」 駆逐イ級に向かい、スピードをあげる。 正面衝突だ。 これは向かっている途中に、攻撃されたら完全に失敗だ。 だがもう背に腹は変えられない。 提督「人間様をなめるなよ!」 駆逐イ級は魚雷を発射した。 それが船体に突き刺さる。 提督「くっ!」 69 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:52:30.04 ID:/u+MFUFh0 しかし何も起こらない。 船も前にちゃんと進んでいる。 提督「不発弾・・・運は俺に味方したみたいだなっ!」 そのまま船は、駆逐イ級に突っ込んだ。 なぜか漣の声が聞こえた気がした。 ーーーーーーーーーーー 70 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:53:25.90 ID:/u+MFUFh0 そろそろ鎮守府近海だ。 なんだかそわそわしてきたので、少し止まってみた。 するとなにか音が聞こえてくる。 漣「敵っ!?」 あたりを見回す。 音の聞こえた方向には、深海棲艦に追われるモーターボートが見える。 漣「助けなきゃ!」 漣は急いで敵艦の方へと向かう。 71 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:54:26.07 ID:/u+MFUFh0 追いかけられている船は、急に旋回し、敵艦に勢いをあげて向かい始めた。 漣「何を考えてるの!?あれじゃぶつかっちゃう!」 船に乗っている人物の行動が気になり、よく見てみると、漣にとっては見慣れた人物だった。 漣「ご、ご主人様!?なんで!」 そして敵艦の魚雷が船へささる。 漣「え?・・・」 だが、不発したようで事なきを得た。 それにもかかわらず、船は敵艦へと進む。 漣「う、嘘!なんで逃げないの!!間に合って!」 しかしご主人様を乗せた船は、そのまま敵艦に衝突してしまう。 漣「嫌っ!・・・嫌ぁぁーーーー!」 ーーーーーーーーーーー 72 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:54:57.53 ID:/u+MFUFh0 朧「ん?何か声が聞こえなかった?」 曙「漣・・・かもしれないわね」 潮「行ってみますか?下手に動くよりかはいいと思うので」 朧「そうだね。たぶんこっちの方から聞こえてきたはず」 ーーーーーーーーーーー 73 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:56:17.52 ID:/u+MFUFh0 派手に駆逐イ級とぶつかった俺は、海に放り投げだされ沈んでいく。 提督「(我ながら、思い切ったなぁ)」 ある程度沈むと浮かんで行き、水面に顔がでた。 だが体はそこら中が痛く、どうも動けそうにない。 漣「ご主人様!ご主人様!どこですかっ!・・・ご主人様ぁっ!」 船の瓦礫をかき分け、俺を呼ぶ漣の声が聞こえる。 漣「もしかして、海に・・・!」 気付いて欲しいが、ここはあえて黙っておこうと思った。 74 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:57:08.27 ID:/u+MFUFh0 一応生きてるし、漣も近くにいるから、最悪助かるだろうと思った反面、今まで迷惑をかけたことへの仕返しだ。 でも流石に見つけてもらえなかったら困るので、何とか体を動かして漣にサインを送る。 だが体も思うように動かない。 漣「ご主人様!?ご主人様!!」 どうやら漣に発見してもらえたらしい。 とりあえずこれで助かった。 75 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:57:48.11 ID:/u+MFUFh0 漣はそこらへんで拾った船の大きな破片に、俺を乗せてくれた。 これで楽に息ができる。 さて、ここから俺は死んだふりをする。 漣の反応を伺うためだ。 漣「起きてっ!起きてください!ご主人様!死んじゃ嫌です!」 お?来たな。 すこし悪い気もするが、今までの報復だ。 しかし揺さぶられると体が痛い。 おそらく、何処かの骨が折れているようなきがする。 76 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:58:25.62 ID:/u+MFUFh0 漣「死んじゃぁ・・・いやぁ・・・ひぅっ、うっ・・・やだぁ・・・まだっ・・・まだ謝ってないのに・・・やあぁぁ・・・起きて!起きてよぉっ!」 ふふふふふ。 楽しくなってきたぞ。 だがそろそろ止めてやらないと、流石にかわいそうだ。 提督「漣・・・」 漣「え!?・・・ご主人様?ご主人様ぁ!」 漣が抱きついてきた。 その勢いで俺と漣は海に沈む。 77 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:58:55.35 ID:/u+MFUFh0 提督「ごぁ!」 抱きつかれた衝撃が体に響く。 水を少し飲み込んでしまった。 そして再び浮かび上がる。 漣「ご主人様・・・ご主人様・・・よかったぁ・・・ホントに・・・うっ・・・えぐっ・・・よがっだぁ」 漣はまた泣き出してしまった。 提督「はは・・・漣も無事でよかったよ」 漣「どーして・・・こんなところに」 提督「漣を探しに来たからに決まってるだろ」 漣「でも、だって」 78 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 16:59:36.50 ID:/u+MFUFh0 提督「お前はうちの鎮守府の艦娘だ。だからかってに何処かにいかれたら困る。それに・・・」 漣「・・・」 提督「お前は俺の大切なパートナーだ。どこへ行ったって探しに行ってやる」 漣「・・・・・・ふぇっ・・・ひぅっ・・・うわぁぁぁぁん!」 提督「え!おい、何で泣く!?」 朧「いたっ!漣!と、提督も!」 曙「まったく、なに泣かせてんのよ!!」 潮「一応、一件落着・・・かな」 79 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:00:19.64 ID:/u+MFUFh0 提督「いや違うっ!俺じゃない!断じて俺じゃないぞ!」 曙「こう言ってるけど。本当なの漣?」 漣は泣きながら首を縦に振る。 提督「ほ、ほら」 曙「・・・ならいいわ。というかこの破片はなんなのよ」 朧「それ、私も気になってた」 提督「話すと長くなるんだが・・・」 潮「か、帰りながらでいいじゃないですか」 80 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:00:49.21 ID:/u+MFUFh0 朧「それもそうね」 曙「問題はどうやってこいつを連れて帰るかね」 そういって俺を見る三人。 提督「欲を言えば、優しく・・・・・・かな?」 曙「引きずって帰りましょ」 提督「もう少しいたわって!!」 ーーーーーーーーーーー 81 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:02:21.91 ID:/u+MFUFh0 その後私は、ご主人様を連れて帰投し、金剛さん達やお姉様と潮にこってり怒られました。 でもみんな私を心配してくれていて、また泣き出してしまいました。 そのあと金剛さんに、ご主人様が私の事について苦悩していた様子を聞きました。 それを聞いて、私はこの鎮守府に来てよかったと思いました。 それと同時になぜか・・・ご主人様の事が気になって仕方なくなりました。 そんなご主人様はというと・・・。 82 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:04:25.96 ID:/u+MFUFh0 漣「失礼します」 提督「おう、おはよう」 足や腕の骨が折れていて、ただいま入院中です。 漣「今日は何をしますか?」 提督「そうだなー。遠征をある程度しておいてくれ。あと攻略隊は今日はお休みで、演習でもさせておいてくれ」 漣「はい」 83 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:05:07.90 ID:/u+MFUFh0 私はご主人様が提督をできない間だけ、提督として活動させてもらえることになりました。 元々秘書艦だったので、仕事については近くで見たり、書類整理やお仕事を一緒にしたことがあるので、ご主人様自身が、私に提督としての仕事を命じてくれました。 そして私はあの時から少し気になる事があります。 漣「あ・・・あの、ご主人様?」 提督「ん?」 漣「前・・・漣はご主人様のパートナーだって・・・その・・・・・・あれはどういう意味ですか?」/// 提督「あぁ、あれ」 漣「はい」/// 84 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:05:54.83 ID:/u+MFUFh0 提督「あれは秘書艦だって事だけど・・・え、そもそも意味って?パートナーの意味?」 漣「・・・・・・」 私は呆れました。 抱きかけていた恋心も消え去るような、この言葉に。 漣「この天然ジゴロ!ご主人様のバカァ!」/// 提督「は?え?」 85 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:06:43.94 ID:/u+MFUFh0 私は勢いよく部屋を出て行きました。 あの時のトキメキを返して欲しいくらいです。 でもこれで確信しました。 この感情は、好きって意味なんだって。 漣「いつか・・・いつか絶対。漣の魅力に気付かせてあげますからね!ご主人様!」 この思いはまだまだ秘密です。 86 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:11:22.76 ID:/u+MFUFh0 誤字脱字など、至らない点が多々あるとは思うのですが、以上をもって話は終了とさせていただきます 89 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:44:04.95 ID:/u+MFUFh0 では、ちょっとだけ蛇足を 病室にて。 夕張「失礼します。提督、おはようございます!」 提督「ん?、あぁ夕張か。おはよう」 夕張「その様子だと、まだ退院は遠そうですね・・・」 提督「たしかに・・・。あいつにも迷惑ばかりかけてられないんだが、なんにせよこれじゃぁな」 夕張「あはは・・・。あ、そういえば、私の部屋のブルーレイレコーダーが壊れてしまって・・・・・・提督の部屋のやつ、使ってもいいですか?」 提督「あぁ、自由に使ってくれいいぞ」 90 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 17:52:14.27 ID:/u+MFUFh0 夕張「本当ですか!?ありがとうございます!提督大好きっ!」 提督「まったく・・・安いやつだな」 夕張「む・・・提督以外の人にこんなこと言いませんからね?」 提督「ホントかねぇ・・・」 夕張「ホントですよっ!」 提督「おうおう、なら時間と場所わきまえろよ?」 夕張「え?」 あたりを見回す。 老婆「若いってのは、いいねぇ」 老婆2「本当にね。私もあの頃はねーーー」 提督「ここ、病室だぞ」 91 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 18:00:18.28 ID:/u+MFUFh0 青葉「青葉、見ちゃいました。夕張さんが病室で、提督に告白しているところを!」 青葉「これは、スクープです!【夕張 男の弱みにつけこんで】 明日の一面はこれで決まりです!」 隼鷹「おいおい、ほどほどにしておかないと、提督に怒られるぞー?」 漣「誰が、どこで、誰に、告白ですって?」# 青葉「あ、え?なんでそんなに怒ってるんですか!?ちょ、コワイ。怖いですっ、漣さん!!」 隼鷹「・・・ほら、言わんこっちゃない」 92 名前:じゅんけい[] 投稿日:2014/03/06(木) 18:05:23.40 ID:/u+MFUFh0 以上で本当に終わりです 読んでくださっていたみなさん (いるかどうかは不明ですが) ありがとうございました ここは100近くなるか、明日になるかのどちらかで、html依頼を出します