電「赤城さんは司令官さんと一番仲良しなのです」 1 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 20:49:08.59 ID:lMkZY6vy0 ・短編 ・男提督 ・支部と重複投稿 2 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 20:56:50.89 ID:lMkZY6vy0 「提督提督ー。お腹がすきましたー」 「オラ」 「……あのー、なんですかこれ」 「銀のスプーン」 「この一航戦・赤城になんてものを出すんですか!!」 「うるせーな猫様と一緒にご飯食べられて感謝する所でしょォ〜〜? 何遍うちのボーキすっからかんにするつもりだよお前」 「痛い! 痛いです! 喋りながら肘つねらないでください! 何ですかこの地に足のついた痛さ!」 「もうお前マジで出撃させねーぞ、仮に出撃させるとしたら轟沈させるようヲ級に懇願するから」 「そんな私怨まみれの指揮官嫌すぎですよ! 3 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:02:37.77 ID:lMkZY6vy0 「提督って威厳が足りませんよね」 「赤城、お前、どうした? 真っ昼間から喧嘩を出血サービスの大安売りか? 買うぞ?」 「こっちが流血しそうなので遠慮させてください……」 「なら黙ってろ食っちゃね妖怪」 「なんですかその胡乱な名前」 「別名妖怪ボーキ置いてけ」 「提督首だ! なあ提督だろ、提督だろうお前」 「お前不敬罪で粛正な」 「それはちょっと」 6 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:13:20.76 ID:lMkZY6vy0 「はふはふ」 「食堂に人がやけにいねえと思ったら案の定だよ。それ誰の分だ」 「加賀さんのですよ!」 「通りであいつ涙目でお腹さすってたワケだ……あいつも地味に腹ぺこキャラだよなァ」 「そんな加賀さんに提督は何をしたんですか? 腹パンですか?」 「お前俺のことなんだと思ってんの? 普通にカロリーメイトくれてやったよ」 「ええ!? この赤城には銀のスプーンだったのに!?」 「行いの差な」 「うううう……どうぞ」 「これは……烈風の片翼?」 「仕方ないので、あげます」 「お前……」 「えへへ」 「まず食ってんじゃねぇぞ赤城ィ!!」 「ぐふぅ! この遠慮ない腹パンッ!」 7 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:17:34.01 ID:lMkZY6vy0 「第1回! チキチキ、提督大改造計画〜!」 「チェンジで」 「ルールは簡単です! 提督のその下野な口調を改めて、もっと品のある振る舞いをさせた者の勝利です!」 「シカト決め込んでんじゃねえよ」 「あの……そのマジな表情でニューナンブを引き抜かないでください……」 「で、何だっけ? デコは50点、目は30点だったか」 「ちょっとォ! その遊びどう転んでも死人が出ますよねェ!」 「ハイハイ……んで、何だってんだ」 「その口調ですよ! 変えましょうよもっとインテリっぽく」 「えェ〜〜〜〜」 「うわ面倒くさがりすぎでしょ……まあまあ試しにどうぞ」 「…………ご苦労だった。お前はもう就寝しろ」 「ぶふっwwwww似合ってないですwwwwww」 「鼻は40点にするか……」 「ひいいいいいいいいい」 8 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:21:54.85 ID:lMkZY6vy0 「司令官さん、点検は終わったのです。消灯時刻なのです」 「電か、お疲れさん。じゃあお子様はお部屋でおねんねだな」 「はいです。司令官さんも遅くならないように気をつけてください」 「ハイハイ。じゃ俺はボーキ倉庫見てから寝るから」 「? ボーキサイト……ああ、赤城さんが忍び込んでないかならチェック済みなのです!」 「あいつお前らからも信用ないのな……ちなみに天井裏とか壁に擬態してないかとか調べた?」 「!? 赤城さんそんなことするのですか!?」 「調べてないんなら減点だな。じゃあ俺が見てくるから、おやすみ」 「あ、はいです。……ふふ、赤城さんは司令官さんと一番仲良しなのです」 9 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:24:09.65 ID:lMkZY6vy0 「今日お前出撃だっけ」 「そう聞いてますけど」 「またボーキが減るのか」 「嫌そうな表情ですねぇ」 「まあ使わなきゃ意味ないか」 「そう考えるのが一番ですよ」 「まあ食ってる間テメェの間抜け面が拝めるしな」 「提督、女の子相手にその言い草はあんまりです」 「お前は女の子にしちゃ何かおかしいだろ」 「本気だしたら可愛い乙女なんですよ、私」 「今も可愛い乙女だろ」 「……奇襲は卑怯です」 「ふん……」 「えへへっ」 「じゃあ」 「はいっ」 10 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:25:22.34 ID:lMkZY6vy0 「一航戦・赤城、出ます!」 11 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:28:00.97 ID:lMkZY6vy0 「……全艦、帰還したのです」 「…………」 「司令官さん、ごめんなさい、です……赤城さんを、失ったのです……」 「…………そうか」 「司令官さん、あの、その、」 「…………戦争だから、な。全員ドッグに入って修理してもらえ、ご苦労だった」 「ぁ……了解しました、です」 「…………」 「…………」 「……赤城……」 12 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:29:04.34 ID:lMkZY6vy0 「……ボーキサイトが余るようになっちまったな」 「…………」 「ぁー……電、俺って威厳ないかな?」 「? そんなことはないのです。確かにここはまだ規模は大きくないのですが……」 「そっか。まあ、これから大きくしていくさ。けど、まあ、威厳はあるに越したことはないな、確かに」 「司令官さん?」 「ん……どうした、何か、用があるのか?」 「い、いえ。失礼しますなのです」 「ん、いや、ああ」 13 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:29:43.47 ID:lMkZY6vy0 「あれ、長門さんに金剛さん、何の話をしてるのですか?」 「電か。いや、うちの提督についてな」 「テイトクはベリークールな日本男児デース!」 「私も冷静な性格だと思う。礼儀正しい言葉遣いだし、武人としても尊敬している」 「電は最古参でしたネ? やっぱり前からクールガイだったのですカー?」 「…………」 「電?」 「……司令官さんは、前からカッコ良かったのです」 「やはりか、私たちはいい提督の下につけたのだな」 「テイトクのような日本男児は素晴らしいデース!」 「……そう、ですね」 14 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:30:59.71 ID:lMkZY6vy0 「司令官さん、点検は終わったのです。消灯時刻なのです」 「ご苦労だった。もう遅い、お前も就寝しろ」 「はいです。司令官さんも遅くならないように気をつけてください」 「ああ。その前にボーキサイトの倉庫を見てからにするがな」 「? ボーキサイトもチェック済みなのです!」 「侵入者が天井裏や壁に擬態してないかどうか調べたか?」 「……司令官さん、そんなことする人は、もうこの鎮守府にはいないのです……」 「別に、どこの誰だとかじゃない。ひょっとしたらボーキサイトが変に減ってるかもしれないだろう」 「……司令官さんは、司令官さんが探してるのは、それは残骸みたいなものなのです。探してるうちにどこかに行ってしまいそうで、電は司令官さんのことが心配なのです」 「別にどこにも行きはしないさ。……じゃあ俺は行ってくる、部屋に戻れ」 「あ……はいです」 15 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga] 投稿日:2014/01/12(日) 21:32:01.85 ID:lMkZY6vy0 「……赤城さんは、今も、司令官さんと一番仲良しなのです」 終わり