佐々木「キョン、僕は・・・」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 19:53:42.82 ID:FS+nnHng0 佐々木「僕は今お腹がすいている」 キョン「出会い頭に何を言っているんだお前は」 佐々木「ふふ、久しぶりの再会を懐かしむ間も与えずすまなかったね」 キョン「珍しいな。お前が一人でこんなとこにいるなんて」 佐々木「おや、僕が街を一人歩きしているのがそんなに珍しいかい?」 キョン「や、なんというか…そういうイメージがなかったものでな」 佐々木「くくっ…そうかい。ところでキョン。僕は今お腹がすいている」 キョン「…それはさっき聞いたが」 佐々木「…わざとやっているのかい?」 キョン「ん…?なにがだ?」 佐々木「ふふ、まぁいい…キョン、ちょうどいいところにカフェがあるね。一緒にお昼にしないかい?」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 19:58:22.69 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕はこのゴルゴンゾーラのパスタにしようと思うのだけれど」 キョン「そうか…じゃあ俺もそれで」 佐々木「食べたいのかい?」 キョン「ん、いや…食いたいものはいっぱいあるが選びきらなくてな。なんでもいいかと思って」 佐々木「ふふ、ダメだよキョン。いま君が一番食べたいと思ったものを素直に選べばいいんだ」 キョン「うーん…でもゴルゴンゾーラのパスタも魅力的だからな…」 佐々木「何を言っているんだい?食べたければ僕が分けてあげるよ」 キョン「そ、そうか。悪いな」 佐々木「いいさ。遠慮する必要はないよ」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:02:31.12 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン。僕はこのパスタにして正解だったようだ」 キョン「そうか。確かに写真からして美味しそうだったしな」 佐々木「ここのパスタは逸品だよ…キョン、君も一口どうだい?」 キョン「くれるのか?じゃあありがたくいただこうかな」 佐々木「どうぞ。…ほら」スッ キョン「…なんだ、そのスプーンは」 佐々木「おや、見てわからないかい?あーんだよ、あーん」 キョン「お、お前なぁ…」 佐々木「くくっ、照れているのかい?」 キョン「べっ、別に…」パクッ 佐々木「…どうだい?」 キョン「あぁ、うまいよ。とてもな」 佐々木「顔、赤いよ」 キョン「赤くない!」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:07:44.28 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕はそろそろデザートにいこうと思うのだけれど」 キョン「お前よく食べるなぁ…」 佐々木「ふふ、デザートは別腹だよ…あ、店員さん…この日替わりパフェをひとつ」 店員「本日レディースデーとなっておりまして、カップルでご来店のお客様にサービスでお二つスプーンを用意しているのですが…」 佐々木「…だってさ、キョン。君もどうだい?日替わりパフェ」 キョン「お、おい、」 佐々木「スプーン二つお願いします」 店員「かしこまりました」 佐々木「カップルだってさ、キョン」 キョン「……」 佐々木「おや、どうしたんだい?」 キョン「佐々木、今日は元気だな…」 佐々木「ふふ、君といると元気にもなるさ。色々な意味でね」 キョン「意味深な発言はやめろ」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:12:13.47 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕は幸せ者だとつくづく思うよ」 キョン「どうした急に…まぁ、俺の目から見てもお前は幸せ者だと思うがな」 佐々木「そうかい?では君の視点から僕がどう幸せなのか聞きたいね」 キョン「そ、そう言われるとな…なんか恥ずかしいだろ」 佐々木「おや、そうかい?まぁ君に薄幸そうだと思われるよりマシかな…どうだい、パフェのお味は」 キョン「甘ったるくてよく分からん」 佐々木「僕と過ごす時間のせいかい?」 キョン「…何を言っているんだお前は」 佐々木「ふふ、からかっているわけではないよ」 キョン「……」 佐々木「顔赤いよ」 キョン「赤くない!」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:17:51.23 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕は…僕が幸せだと思うのは…」 キョン「…ん?なんだ?」 佐々木「いや、なんでもないよ」 キョン「…変なやつだな」 佐々木「今に始まった話じゃないだろう?」 キョン「そういえば俺の周りには変人しかいないんだったな」 佐々木「ふふ、そうさ…僕含め、ね。羨ましいよ」 キョン「代われるなら代わってやるよ…俺が何人いても持たん」 佐々木「遠慮しておくよ…君のその不思議な体験は君でしかできないことだと思うからね」 キョン「…俺は巻き込まれてるだけさ」 佐々木「だからこそ、だよ」 キョン「…お前なら、難なくこなす気がするがな」 佐々木「ふふ、買いかぶりすぎだよ」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:25:03.21 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕は今日用事があるんだった」 キョン「ん、そうなのか。いいのかこんなところでボーッとしてても」 佐々木「いや、ただの買い物だから大丈夫さ。君とゆっくり話せる機会もなかなかないしね」 キョン「連絡してくれればいつでも会いに行くぞ?」 佐々木「ふふ、嬉しいよ…まぁ、気持ちだけ受け取っておくよ。君も色々と忙しくだろうからね」 キョン「SOS団か?…そうだな、まぁ前よりはマシになったがな」 佐々木「そうなのかい?じゃあ君とも約束しやすくなるのかな」 キョン「ハルヒのやつが当日になにも言わなければな。…ん、すまん電話だ…」 佐々木「あぁ、構わないよ」 キョン「って、佐々木?なんでお前電話を…」 佐々木「あぁ、君を予約しようと思ってね。連絡しているんだ」 キョン「俺なら目の前にいるだろ…」 佐々木「おや、そうだったね。失敬。…キョン。今日は君を独り占めしてもいいかい?」 キョン「なっ…お、お前なぁ」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:30:17.18 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕は今日デパートで生活用品を買いに行く予定なんだ」 キョン「生活用品?なんでまた…」 佐々木「来月あたりから下宿することにしてね。その準備さ」 キョン「下宿って…お前の高校ってそんなに遠かったか?」 佐々木「いや、そうでもないよ。…ただ、一人暮らしというものを体験してみたくてね」 キョン「そ、そうか…親御さんもよく許可してくれたな…」 佐々木「まぁね。説得には色々と苦労があったんだが…まぁそれはいい」 キョン「それにしても、下宿なぁ…どうしてまた」 佐々木「言っただろう?一人暮らしを体験したい、ただそれだけさ。他に理由は…、ないよ」 キョン「そうか。で?何が必要なんだ?」 佐々木「とりあえず…」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:34:38.30 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、歯ブラシは二つ必要だね」 キョン「ん?一人暮らしなのに二ついるのか?」 佐々木「ふふ、来客用というものが必要だろう?」 キョン「そうか…誰かを招く予定でもあるのか?」 佐々木「いや。もしもの時のためさ。…引っ越すということも、君にしか話していない」 キョン「そ、そうか」 佐々木「ふふ、君と僕だけの秘密だよ」 キョン「む…よかったのか?そんな大事なこと俺に話して」 佐々木「君にしか話すつもりはなかったよ。…まぁ、橘さんたちにはすぐバレるだろうけどね」 キョン「あいつらか…まだ関わってんのか?」 佐々木「いや。向こうから接触してくることはほとんどないよ。あの一件以来ね」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:37:40.48 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕は一人暮らしに必要なものがどれだけあるのか知らないんだが…」 キョン「ん、どうした?」 佐々木「コレは、必要だと思うかい?」 キョン「ん…なっ!お、お前なぁ」 佐々木「いや、もしもの時のために、さ」 キョン「ゴムってお前な…そういう相手がいるのか?」 佐々木「まさか。いないさ」 キョン「…じゃあ要らないと思うぞ」 佐々木「おや、いまホッとしたかい?」 キョン「バ、バカいうな」 佐々木「くく、君をからかうのは相変わらず面白いね」 キョン「勘弁してくれ…」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:41:42.45 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕はこの公園がお気に入りなんだ」 キョン「ほう…いいところじゃないか。よくこんなところ見つけたな」 佐々木「ここ、借りる予定の宿の近くなんだ。最近見つけてね」 キョン「そうか…夕日が綺麗だな」 佐々木「絶好のスポットだろう?秘密の場所なんだ」 キョン「いいのか?俺なんかに教えて」 佐々木「ふふ…」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:50:37.98 ID:FS+nnHng0 佐々木「綺麗だろう?」 キョン「…いいところだな」 佐々木「思い出に残りそうだ…」 キョン「確かにここは秘密にしたくなる場所だな」 佐々木「……」 キョン「……」 佐々木「キョン。」 キョン「…ん?」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:54:09.46 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕と住まないかい?」 キョン「…え?」 佐々木「……僕は、割と真剣だよ」 キョン「佐々木、お前なにを…」 佐々木「ふふ、急に言われても君も困るだろうからね。まぁ返事は後日でいいよ」 キョン「お、おう…」 佐々木「さて、と…そろそろ帰ろうじゃないか」 キョン「…そうだな」 佐々木「……キョン。僕は…」 キョン「ん?」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 20:57:36.80 ID:FS+nnHng0 佐々木「キョン、僕は君が好きだよ」 キョン「……え?」 佐々木「ふふ…これは冗談じゃないよ」 キョン「お、おい、佐々木…」 佐々木「さて…返事は後日。よろしく頼むよ。じゃあ、キョン。またね」 キョン「さ、佐々木…」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 21:01:47.75 ID:FS+nnHng0 キョン「…佐々木!」 佐々木「……」 キョン「佐々木…その話、前向きに考えさせてくれ。親にも言ってみる」 佐々木「…一緒に住もうという話かい?」 キョン「…あぁ」 佐々木「ふふ、そうか…歯ブラシを二つ買っておいて正解だったね」 キョン「お、お前まさかそのために…」 佐々木「さぁ?どうだろうね。…さて、買い足すものが出来てしまったね」 キョン「え?まだなんか必要なのか?」 佐々木「いや、ちょっとゴムをね…」 キョン「…?! お、お前っ」 佐々木「ふふ…僕はただ"ゴム"と言っただけだが?」 キョン「なっ……」 佐々木「顔、赤いよ」 キョン「あ、赤くない!」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/10/27(日) 21:02:46.52 ID:FS+nnHng0 おわれ