コナン「博士…何で…」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:54:59.75 ID:ivBspBLL0 博士「…」 〜数日前〜 目暮「くそっ!待てっ…!」 白鳥「ダメです、見失いました!」 目暮「逃したか…しかし、殺人は防げた!一刻も早く、被害者を病院へ運ぶんだ!」 部下「はっ!」 白鳥「この数日間で、立て続けに起きてますね。しかし、何故こんな事が…。」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:06.00 ID:ivBspBLL0 ・・・… 蘭「あっつーい!夏が来たって感じだねー!」 平次「毎年こんな調子で気温が上昇したら、たまらんで〜。」 毛利「その暑い中、わざわざお前の東京見物に付き合ってんだろーが!」 平次「そやから、このボウズと二人でえぇ言うたやんけ」 蘭「ホントに仲良しなんだねー、二人とも!」 コナン「ハハ…」 毛利「ん?あそこにパトカーが沢山止まってるな。事件か?」 平次「ちょい行ってみよか。姉ちゃん、悪いけどジュースでも買ってきてくれへんか?」 蘭「うん、ちょうど喉乾いてたし、買って来るね!」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:08.00 ID:ivBspBLL0 「おや、目暮警部ではありませんかー!」 目暮「まーた君か、毛利君!」 毛利「はい!私、毛利小五郎、事件が起きれば真っ先に飛んできますので!」 目暮「ふん、事件が起きて君が来るんじゃない、君が居る所に事件が起きるんだ。」 毛利「またまたー、警部はご冗談がお上手ですなー!」 白鳥「おや、コナンくん、久しぶりだね。家族でお出かけかい?」 コナン「うん、平次兄ちゃんが大阪から遊びに来たから、観光案内してるんだ!」 平次「今まで落ち着いて観光出来ひんかったからな、ちょうど夏休みやし、遊びに来たんや。そやけど、まぁた事件が起きてしもうたみたいやなぁ。」 毛利「それで、警部殿、どんな事件が起きたんですか? 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:10.00 ID:ivBspBLL0 目暮「被害者は四人。第一被害者の名前は、工藤茂樹。高校生だ。三日前、バイトを終え、自宅に向かって帰る姿が最後の目撃情報だ。翌日、バイト先にも来ず連絡もとれない彼を心配した店長が、自宅で血まみれの彼を見つけた。」 平次(おい、工藤やなんて、縁起悪いの〜)ヒソヒソ コナン(バーロォ、工藤なんて名字、何処にでもあんじゃねーか。)ヒソヒソ 平次「凶器は?」 白鳥「毒物だよ。それもかなり強い…ね。毒物を調べようとしたが、何故か反応が起きず、一体どんな形なのかすら分からない。しかし、尋常ではない量の血を吐いていた。」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:11.00 ID:ivBspBLL0 次「…おい、工藤…」 コナン「…」 白鳥「第二の被害者は、工藤健、17歳。サッカー部の主将で、夜にランニングをする習慣があったそうだ。二日前の夜10時頃、親にランニングに行くと伝え、そのまま帰らなかった。心配したご両親が探しに行き、近所の公園で大量の血を吐いて倒れている彼を見つけた。」 平次「ど…同一犯の仕業か!?」 白鳥「分からない。しかし、大量の吐血、工藤という名字、そして、何のそ反応にも引っ掛からない毒物からして、我々は同一犯の線で捜査をしている。」 平次(おい、工藤…お前…) コナン(…バーロォ、ぐ、偶然だよ…) 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:13.00 ID:ivBspBLL0 毛利「して、三人目の被害者は?」 白鳥「…工藤信二、高校生です。」 平次コナン「なっ…!」 白鳥「彼は、二人目の被害者と同様、サッカー部に所属していました。また、彼は大変頭が切れ、優等生だったそうです。彼もまた、友達と遊ぶと伝え、還らぬ人となりました。」 コナン「ふ、ふざけんな…!」 平次「ほんま、ふざけとるな。で、おたくらがここに居はるいうことは、ここでも同一犯による犯行が?」 目暮「あぁ、しかし、殺人だけは防げた。」 平次「!ホ、ホンマか!?何でこの近辺で犯行があるって分かったんや?!」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:14.00 ID:ivBspBLL0 目暮「…工藤新一だよ。」 コナン「!?」 平次「く、工藤と犯行現場がどう関係するんや…」 白鳥「第一被害者の犯行現場から、第二、第三と、工藤新一の家に向かっているんだよ。」 目暮「工藤という名字を聞いた時、工藤くんを思い出してな。身近に工藤くんという子が居れば、犯行現場が彼の家に伸びていることはすぐに気付く。」 平次「なっ…」 白鳥「そして、第四の被害者は…阿笠博士だ。」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:15.00 ID:ivBspBLL0 コナン「お、おい…嘘だろ…」 白鳥「何とか被害を避けることは出来たが…博士は今、病院で治療を受けている。コナンくん。」 コナン「……っ…」 白鳥「博士に伝言を頼まれたよ。君に伝えてくれと。そして、意識を失った。」 平次「なんて言ったんや!?」 白鳥「…その伝言が、どういう意味かは分からない。」 平次「もったいぶんなや!はよ言わんかい!」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:16.00 ID:ivBspBLL0 白鳥「………ウォッカ、蘭くん、哀くん………そして……」 コナン、平次「……!!」 白鳥「光彦くん…と。」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:19.00 ID:ivBspBLL0 コナン「な、何で光彦が…!」 平次「光彦っちゅーんは、お前の同級やったな。何か関係性があるんか…?」 目暮「それだけではない。工藤くんの居場所を突き止めようとしたが、見つからないんだ。」 コナン(まぁ、そうだろうな…) 平次「あいつは今どっかで事件の捜査しとるんちゃうんかな〜。」 目暮「私が言いたいのはそういうことではない!彼の出生記録、写真、戸籍…すべてが無いんだ!」 コナン「!?」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:21.00 ID:ivBspBLL0 目暮「そして、光彦くんだが…彼もまた、行方が分からない。」 平次「おいおい、ヤバいんとちゃうか?ウォッカ、光彦…残るは…」 コナン「蘭…!」ダッ 平次「お、おい!俺も行くで!」 毛利「警部殿!私も蘭を探しに行きます!」 目暮警部「頼む、毛利君。我々は、哀くんを保護しに行く!」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:24.00 ID:ivBspBLL0 コナン(どこだっ…蘭っ…!) 平次「工藤!待てぇーや!何の手掛かりもなしに捜すのは無理があるで! コナン「バーロォ!!それでも捜さなきゃ、蘭が危ねぇんだぞ!黒ずくめの奴等も、油断出来ねぇ!」 平次「そやから、まずは…!?」 コナン「どうした、服部!」 平次「あれ、光彦っちゅーヤツやないか?」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:26.00 ID:ivBspBLL0 コナン「!おい!光彦!」 平次「聞こえんのか…何や、工場に入って行くで?」 コナン「あそこはもう廃屋になってる…後つけるぞ!」 …… 光彦「…」 平次「何や…一人で何する気や?」 コナン「!誰か来るぞ!」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:29.00 ID:ivBspBLL0 光彦「…どういうつもりです?僕をこんなところに呼び出すなんて…」 ?「どういうつもりも何も、分かってきたんでしょ?」 平次「薄暗ぉて、よぉ見えへんな…誰や?」 コナン(あれは…!) 光彦「もちろん分かってますよ。何もかも。あなたは僕を警戒し、一度たりとも隙を見せなかった。」 ?「今起きてる一連の事件…あなたの仕業なんでしょ?…円谷くん。」 光彦「…さすがですね、灰原さん。」ニヤリ 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:30.00 ID:ivBspBLL0 光彦「それとも、シェリー…とでも呼んだ方が良いですか?」 灰原「あら、そのくだらないコードネームは捨てたのよ。お返しするわ。」 光彦「…いつから気付いた?」 灰原「…組織に追われている身としては、転校先の学校くらい、調べるわ」 光彦「ほう…なるほどね…」 平次(…どういう意味や?) 灰原「工藤くんがあの学校へ転校する直前、もう一人転校生が居たわ。季節外れの、ね…。」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:31.00 ID:ivBspBLL0 灰原「何故、あんな時期に転校なんかしたのかしら?」 光彦「…簡単な事さ、工藤新一を始末するためさ。」 ガンッ コナン「ぐぁっ!」 平次「くっ!」 ウォッカ「ネズミ二匹取っ捕まえましたぜ」 光彦「縛れ」 灰原「工藤くん!?」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:32.00 ID:ivBspBLL0 光彦「灰原さん、あなたは何も分かってない。何故、あんなあからさまな方法で事件を起こしたのかを。」 灰原「…えぇ、分からなかったわ。今まであんなにも証拠を残さなかった組織が、今回に限り、証拠を残すなんて…。」 光彦「…もう、終わらせたかったんですよ。」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:38.00 ID:ivBspBLL0 光彦「シェリー…いや、灰原さん。組織にあなたが所属していた時、何故自由な振る舞いが出来た?」 光彦「あなたが作った新薬、あれを飲んで逃げるあなたを、何故誰も追わなかった?」 灰原「それは…」 光彦「気付いていたハズです。組織から逃れるのは不可能だと。 …まぁ、薬を飲んで死んだと思ったあなたの体が縮んだのは、正直驚きましたがね…神に感謝しました。」 灰原「だけど…!あなたたちは私を追って来たじゃない!殺そうとしたでしょ!」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:39.00 ID:ivBspBLL0 光彦「……ウォッカ。」 ウォッカ「はい。」 ドサッ 灰原「…ジン!」 ジン「…シェリー…」 光彦「僕の命令も聞かず、あなたを探し、追い続けた男…いや、ゴミてす。確かにジンはあなたを殺そうとした。しかし、それはジンの、あなたに対する愛情ですよ。」 灰原「…どういう事…」 光彦「このゴミは、私の手の届かない場所へ、あなたを逃がそうとした。私に捕まれば、あなたがどうなるか知っていたから。しかし、常にあなたの側には僕が居た。中々チャンスがなかったようですね…」 ジン「シェリー…すまない、助けられなかった…」 光彦「ウォッカ、殺れ」 ウォッカ「…アニキ、すんません…」 パァンっ 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:40.00 ID:ivBspBLL0 灰原「…い、いやぁぁぁぁ…!!」 コナン「…くっ、み、光彦…てめぇ…」 平次「う…いてて、歪みに歪んだ愛情っちゅーことかい…」 光彦「あぁ、コナンくん、君にもプレゼントがあるんですよ。受け取ってもらえますか?」 コナン「…プレゼント?」 ウォッカ「ほらよ」 ドサッ 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:41.00 ID:ivBspBLL0 蘭「……」 コナン「ら、蘭!」 平次「…おい、ボウズ…この姉ちゃんに何したんや…!何で、こんな姿に…」 光彦「罰ですよ。」 コナン「あ…あ…ら、蘭…」 光彦「一つ目の罰。それは、あなたが生きてたからです、コナンくん。だから、両手の人差し指をちぎった。」 コナン「蘭…蘭…!蘭!」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:42.00 ID:ivBspBLL0 光彦「二つ目の罰。あなたのせいで灰原さんは組織を裏切った。直接でなくとも、きっかけはあなたです。だから、髪の毛を引きちぎった。」 平次「人間のする事やない…」 光彦「三つ目の罰は、灰原さんとあなたが出会った。 だから、足首を切り落とした。」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:43.00 ID:ivBspBLL0 コナン「…やめろ……もう……やめてくれ……」 光彦「四つ目の罰。灰原さんは、徐々にあなたに惹かれていった。だから、両目を抉りとった。」 灰原「…ひ、ひどい…」 光彦「最後の罰。灰原さんは、完全に、あなたに心を奪われた!だから!どうしたと思いますか?フフフ」 コナン「………」 平次「…殺したんか…?」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:45.00 ID:ivBspBLL0 光彦「そんな訳ないでしょ、もったいない。そんな鬼畜に見えますか?」 光彦「犯したんですよ、彼女を。そして、性器をぐちゃぐちゃに切り裂いた。楽しかったですよォー!『新一!新一ー!』って叫んで、来るはずもないアナタを信じて!アハハハハッ!愉快だぁ!」 コナン「てめぇ…殺してやる!」 光彦「まぁまぁ、そう怒らずに…さぁ、イッツ ショー タイム!」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:46.00 ID:ivBspBLL0 灰原「やめて…来ないで…」ガタガタ コナン「灰原!逃げろ!」 平次「無理や!完全に怯えて、動けるはずない!」 光彦「さぁ、灰原さん…一緒に幸せになりましょうよ…フフフフフフフフ」 灰原「た、助けて!工藤くん!」 コナン「灰原!」 光彦「…あなたも…アナたモこナンくん二たすけヲモトメルノカァーっ!!!!」 パァンッ 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:47.00 ID:ivBspBLL0 コナン「ぐぁっ…!」 光彦「消えろ…!苦しみながら…!」 パァンパァン ! コナン「ぅ…ぁ…」 光彦「最後はやはり、頭に…ね…」 パァン 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:51.00 ID:ivBspBLL0 コナン「…!は、服部……!」 服部「……」 光彦「おやおや、コナンくんを庇うなんて、泣けるねー。しかし、もう庇う者が居なくなった。コナンくん、さようなら。」 バンッ! 目暮「光彦くん、逮捕する!」 光彦「…そうか、もう終わりですか…灰原さん、お元気で。」 灰原「工藤くんっ!」 コナン「…大丈夫だ…まだ生きてる…」 〜数日後、病院〜 コナン「なぁ、博士、何で光彦は俺の正体や転校先まで知ってたんだろうな…」 阿笠「あぁ、儂が喋ったからじゃよ。」 コナン「な!?何でだ!?」 阿笠「儂の哀くんを奪う君が憎くてな…」 コナン「博士…何で…」 阿笠「…」 完 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:52.00 ID:ivBspBLL0 くぅ〜疲w 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/09(金) 20:55:54.00 ID:ivBspBLL0 こういうスレでの光彦の立ち位置が不憫でならない…