ジャイアン「待ちやがれ、のび太! 波ァ─────ッ!」ズボアッ 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:30:49.22 ID:bI5h6jkS0 〜 空き地 〜 ジャイアン「のび太、よくもエラーしやがったな!」 ジャイアン「試合に負けたのはお前のせいだ!」 ジャイアン「ぶん殴ってやる!」 のび太「そ、そんなぁ〜!」 ジャイアン「覚悟しやがれ!」 のび太「い、いやだよ〜っ!」ボウッ! バシュッ! スネ夫「あ、のび太のやつ飛んで逃げたよ!」 ジャイアン「追うぞ、スネ夫!」ボウッ! スネ夫「うん!」ボウッ! バシュッ! バシュッ! 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:30:52.00 ID:bI5h6jkS0 ギュゥゥゥ……ン…… ジャイアン「逃がすかよ!」 スネ夫「待てぇっ!」 のび太「うわぁ、二人の方が速い!」 ジャイアン「待ちやがれ、のび太! 波ァ─────ッ!」 ズボアッ!!! のび太「危ないっ!」ピシュンッ ズドォォォォォン……!!! グゴゴゴゴ……! 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:30:55.00 ID:bI5h6jkS0 グゴゴゴゴ……! のび太「穴の底が見えないよ……。なんてエネルギー波だ……!」ゴクッ… ジャイアン「のび太のくせに、よけやがったか。でも、次は当ててやらぁ!」 スネ夫「その調子だよ、ジャイアン!」 のび太「うぅ……!」 先生「コラーッ! 今撃ったのは、剛田かっ!?」 神成「またワシの家を消し去りおって!」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:30:59.00 ID:bI5h6jkS0 ジャイアン「やっべえ、先生とカミナリさんだ!」 スネ夫「逃げよう、ジャイアン!」ボウッ! ジャイアン「おう!」ボウッ! ジャイアン「いいかのび太、次会ったらギッタンギッタンにしてやっからな!」 バシュッ! バシュッ! 先生「コラーッ! 待ちなさいっ!」ボウッ! 神成「待たんか、悪ガキども!」ボウッ! バシュッ! バシュッ! 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:03.00 ID:bI5h6jkS0 〜 のび太の家 〜 のび太「ドラえもぉ〜〜〜〜〜ん!」 ドラえもん「どうしたんだい、のび太君」 のび太「実は──」 ドラえもん「ああ、いわなくていいよ」 のび太「え?」 ドラえもん「どうせジャイアンとスネ夫にいじめられて、どうにか逃げられたけど」 ドラえもん「次会ったらまちがいなく殴られる、ああどうしようってとこでしょ?」 のび太「よく分かったね」 ドラえもん「いつものことだからね」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:07.00 ID:bI5h6jkS0 のび太「お願い、なにか強くなる道具出してぇ〜!」 ドラえもん「ダメ!」 ドラえもん「強くなるには、地道な修業が一番だっていつもいってるでしょ!」 ドラえもん「重いシャツを着て、走ったり飛んだりするのが一番いいの!」 のび太「ふ〜ん……」 のび太「じゃあドラえもんは、ぼくがジャイアンに殴られてもいいんだ?」 のび太「前にぼくのことを一番の仲間だっていってくれたのはウソだったんだ?」 ドラえもん「いや……ウソじゃないけど……」 のび太「一番の仲間が困ってるのに、それを放っておくつもりなんだ?」 ドラえもん「はぁ〜……」 ドラえもん「まったく、しょうがないなぁ……」ゴソゴソ… ドラえもん「サイヤエキス〜!」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:11.00 ID:bI5h6jkS0 のび太「なにそれ?」 ドラえもん「これを飲むと──」 のび太「強くなれるの!?」 ドラえもん「なれない」 のび太「へ?」 ドラえもん「これを飲んで死にかけてから回復すると、そのたびに強くなれるんだ」 ドラえもん「君なら10回くらい死にかければ、ジャイアンに勝てるんじゃないかな」 ドラえもん「ちなみに100回死にかけると、金髪になるから気をつけてね」 のび太「イヤだよ、死にかけるなんて!」 のび太「もっと他の出してよ!」 ドラえもん「んもう、ワガママなんだから……」ゴソゴソ… 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:17.00 ID:bI5h6jkS0 ドラえもん「精神と時の部屋〜!」ドンッ のび太「なに、このドア?」 ドラえもん「このドアをくぐった先にある部屋は、こっちと時間の流れがちがうんだ」 ドラえもん「こっちで一日経つ間に、この部屋の中では一年経つ」 ドラえもん「いくら君でも一年間みっちり修業すれば、ジャイアンに勝てるでしょ」 のび太「ようするに、一日で一年分の特訓ができるってことでしょ!?」 のび太「最高じゃない!」 ドラえもん「でもこの中の環境は──」 のび太「さっそく入ろうっと!」ガチャッ ドラえもん「あ……」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:20.00 ID:bI5h6jkS0 バンッ! のび太「なにこれ!?」 のび太「中は真っ白でなにもないし、寒いし暑いし体は重いしで……」 のび太「こんなところ、入ってるだけで死んじゃうよ!」 ドラえもん「だってそういうところで修業しなきゃ意味ないじゃないか」 のび太「だ、か、ら!」 のび太「もっと楽に強くなれる道具を出してってば!」 ドラえもん「はいはい」ゴソゴソ… 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:23.00 ID:bI5h6jkS0 ドラえもん「超神水〜!」 ドラえもん「これを飲むと──」 のび太「強くなれるんでしょ! 最初からこういうのを出してよ〜」パシッ のび太「…………」ゴクゴク… ドラえもん「あ!」 のび太「よぉ〜し、強くなった! 今ならジャイアンをやっつけられるぞ!」シャキンッ のび太「行ってきまぁ〜す!」ボウッ! バシュッ! ドラえもん「あれ……? あれを飲んだら……なんで平気なんだろう?」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:27.00 ID:bI5h6jkS0 ギュゥゥゥ……ン…… のび太(よぉ〜し、今日という今日はやっつけてやるぞ、ジャイアン!) のび太(ジャイアンはどこかな……?) のび太「あっちに大きい気がある! ジャイアンだな!」 のび太「よしっ!」 バシュッ! 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:30.00 ID:bI5h6jkS0 のび太「ジャイアン!」スタッ ジャイアン「お、のび太! さっきはよくも逃げやがったな!」 ジャイアン「ギタギタにしてやる!」ボウッ! のび太「さっきまでのぼくじゃないぞ!」ボウッ! のび太(射撃の特技を生かした連続エネルギー波で、一気に勝負をつけてやる!) のび太「だだだだだだだだだだ……!」 ズドドドドドドドドドッ……! ドォォォ……ン……! のび太「ハァ……ハァ……や、やったぁ……!」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:36.00 ID:bI5h6jkS0 のび太「!」ピクッ のび太「ジャ、ジャイアンの気が……全然……減ってない……」 モクモク…… ジャイアン「やってくれるじゃねえか、のび太!」ニッ のび太「あ、あわわわ……」 のび太(どうなってるんだ!? 全然強くなってないじゃないか! こんなのないよ!) のび太「ごめんなさいっ!」 バシュッ! ジャイアン「あっ、また逃げんのかよ! 待ちやがれっ!」 バシュッ! 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:38.00 ID:bI5h6jkS0 ジャイアン「逃がすかよっ!」ピシュンッ ドゴッ! ガスッ! ガゴッ! のび太「あ、がが……」 ジャイアン「最高の技でトドメを刺してやらぁ!」カパッ ボエッ!!! のび太「ド、ドラえも──」ボシュッ… ズドォォォォォンッ!!! グゴゴゴゴ……! 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:41.00 ID:bI5h6jkS0 出木杉「!」ピクッ しずか「!」ピクッ 出木杉「あっちの方角で、元々小さな気が……さらにどんどん減っている!」 しずか「こんな小さな気、のび太さんしかいないわ!」 出木杉「急ごう!」ボウッ! しずか「ええ!」ボウッ! バシュシュッ! 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:43.00 ID:bI5h6jkS0 ジャイアン「あ〜スッキリした。これに懲りたら二度と俺様に逆らうなよ!」ボウッ! ギュンッ! のび太「い、いだだぁ……」 ギュウゥゥ……ン…… 出木杉「大丈夫かい!?」スタッ しずか「のび太さん、しっかりして!」スタッ のび太「あ、しずちゃんに出木杉……」ガクッ 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:44.00 ID:bI5h6jkS0 〜 のび太の家 〜 のび太「どういうことだよ、ドラえもん!?」 のび太「チョーシンスイってのを飲んだのに、全然強くなってないじゃないか!」 のび太「しかも、よりによってしずちゃんと出木杉に助けられるなんてさ!」 のび太「情けないったらないよ!」 ドラえもん「ごめんごめん、あれは超聖水っていうただの水だった」 ドラえもん「ちなみにこっちが超神水」スッ のび太「これを飲むと強くなれるの?」 ドラえもん「うん、一晩ほどものすごく苦しむけどね」 のび太「だからイヤなんだってば、そういうのは!」 のび太「もっと手軽に、苦しみとかなく、すぐ強くなれる道具出してよ!」 ドラえもん「はぁ……だったらこれしかないか」ゴソゴソ… 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:46.00 ID:bI5h6jkS0 ドラえもん「最長老様〜!」ドンッ 最長老「こんにちは」 のび太「うわぁ……緑色のおっきなおじいさんだ!」 のび太「だけど、このおじいさんがどうやってぼくを強くしてくれるの?」 ドラえもん「最長老様に頭に手をかざしてもらうと」 ドラえもん「自分の潜在能力を引き出してもらうことができる」 のび太「そりゃすごい!」 のび太「そうだ! こんなすごいおじいさん、みんなにも自慢しよっと!」ヒョイッ 最長老「おやおや……」 バシュッ! ドラえもん「あ〜もう、すぐ調子に乗るんだから……」 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:49.00 ID:bI5h6jkS0 〜 空き地 〜 のび太「ジャジャーン!」 出木杉「このおじいさんが、潜在能力を引き出してくれるの?」 しずか「ホントにそんなことできるのかしら……」 スネ夫「とても信じられないよ」ジロッ のび太「ぼくのことを疑うの!?」 のび太「だったら……そうだ最長老様、みんなのことを強くして下さい!」 最長老「分かりました。ではこっちに来て下さい」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:50.00 ID:bI5h6jkS0 ズオッ! 出木杉「これはすごい! 戦闘力が飛躍的に上昇した!」シュインシュイン… ドウッ! しずか「私の中にこんな力が眠ってたなんて……」シュインシュイン… バウッ! スネ夫「これなら四丈半島へもひとっ飛びだよ!」シュインシュイン… のび太「あ、あの〜……ぼくはあまり変わってないんですけど」 最長老「あなたには、眠っている力があまりなかったようですね」 のび太「そ、そんなぁ〜……」 スネ夫「のび太らしいや!」 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:52.00 ID:bI5h6jkS0 最長老「しかし、私も全ての力を引き出せるわけではありません」 最長老「きちんと強くなった三人にはもちろん」 最長老「あなたの中にも、私ですら引き出せない力を感じます」 最長老「それを引き出すには、やはりあなた自身の努力が必要となるのでしょう……」 のび太「トホホ、結局そうなるのかぁ……」 しずか「そうよ、のび太さん」 出木杉「そうだよ。きっと、君の中には──」 出木杉「ドラえもん君の道具でも引き出せないほどの力が眠ってるんだよ」 のび太「そうだね……ぼく、頑張るよ!」 スネ夫「ボクにはとてもそうは思えないけどね」 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:53.00 ID:bI5h6jkS0 〜 町内 〜 ジャイアン「!」ピクッ ジャイアン(なんだ……これはスネ夫、出木杉、しずちゃんの気!) ジャイアン(なんで三人の気が、俺様の気を上回っていやがるんだ!?) ジャイアン(近くにのび太もいる……) ジャイアン(さてはドラえもんの道具だな……) ジャイアン(くそっ……同じ町内に俺様より強い奴がいてたまっかよ!) ジャイアン(俺が町内一なんだァ─────ッ!!!) バシュウッ! 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:56.00 ID:bI5h6jkS0 〜 空き地 〜 しずか「大きい気が近づいてくるわ!」 スネ夫「この気は──」 出木杉「剛田君だ!」 ジャイアン「…………」スタッ のび太「ジャ、ジャイアン……!」 ジャイアン「のび太……いや、のび太君、さっきはすまなかった」ニタニタ ジャイアン「そっちにいるじいさん──いやおじいさんはドラえもんの道具だろ?」ニタニタ ジャイアン「ぜひ、俺も強くしてくれないか?」ニタニタ ジャイアン「俺も強くなって、これからはガキ大将としてみんなを守りたいんだ!」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:57.00 ID:J6rDsmkv0 しずか(ホントかしら……) スネ夫(うさん臭い……) 出木杉(でも、判断は野比君に委ねよう) のび太「もちろんいいよ!」 ジャイアン「ありがとう、心の友よ〜!」グスッ のび太「最長老様、ジャイアンを強くして下さい!」 最長老「……分かりました」スッ… ズオッ!!! ジャイアン「!」 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:58.00 ID:J6rDsmkv0 グゴゴゴゴゴ……! のび太「ひぃぃぃぃっ!」ビリビリ… しずか「きゃっ……!」ビリビリ… スネ夫「ママァ〜!」ビリビリ… 出木杉「まだ気を入れたわけでもないのに、なんて巨大な気だ!」ビリビリ… ジャイアン「ぐふふふ……」 ジャイアン「まさか俺様の中に、こんなパワーが眠ってたなんてな!」 ジャイアン「せっかくだ、この力で思う存分暴れ回ってやるぜ!」 ジャイアン「お〜れはジャイア〜ン!」ボウッ! ギャウッ! 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:31:59.00 ID:J6rDsmkv0 出木杉「すごいスピードだ……とても追いつけない」 しずか「どうするつもりかしら……武さん」 スネ夫「暴れ回る、とかいってなかった?」 最長老「やれやれ、まさかあの子供にあそこまでの力が眠っていたとは……」 最長老「これはとんでもないことになってしまうかもしれない……」 のび太(いったいどうなっちゃうんだろう!?) 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:00.00 ID:J6rDsmkv0 〜 東京上空 〜 ジャイアン「手始めにここらでいいか」 ジャイアン「ぬぅ〜……」ググッ… ジャイアン「ドガア!」バッ ドッパァァァァァンッ!!! ズズゥ……ンン……! グゴゴゴゴゴ……! ジャイアン「すげえや! 星の形が変わっちゃったぜ!」 ジャイアン「このままあちこちぶっ壊して、俺様の強さを知らしめてやらぁ!」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:02.00 ID:J6rDsmkv0 〜 のび太の家 〜 のび太「ただいま〜!」 テレビ『ここで臨時ニュースです』 玉子「あら、なにかしら」 テレビ『先ほどより東京都内を児童と思われる少年が飛びまわり』 テレビ『あちこちの街を消滅させ、多数の軽傷者が出ています』 玉子「あらやだ、こわいわねぇ〜」 のび太(ジャ、ジャイアンだ!) 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:06.00 ID:J6rDsmkv0 のび太「どうしよう、ドラえもん!」 ドラえもん「う〜ん、こんな巨大な気……ぼくの道具でも……」 最長老「すまぬ……私のせいで……」 のび太「…………」 のび太「よ、よし!」ゴクッ… のび太「ぼくがジャイアンを止めてみせる!」 ドラえもん「ええっ!?」 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:08.00 ID:J6rDsmkv0 ドラえもん「ムチャだよ、のび太君!」 最長老「ええ、無謀です。今のあなたでは相手にならないでしょう」 のび太「分かってる……」 のび太「だけど、ジャイアンを強くしちゃったのはぼくのせいでもあるし……」 のび太「このまま黙ってなんかいられない!」ボウッ! バシュッ! ドラえもん「あ、のび太君!」 最長老「彼はなかなか勇気のある子供のようですね」 ドラえもん「う〜ん、こうなったらぼくも出木杉君たちに相談するとしよう!」 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:10.00 ID:J6rDsmkv0 〜 東京上空 〜 ドォンッ! ズドォォォンッ! ズァオッ! ジャイアン「逆らう者は死刑! ガハハ、いい気持ちだ!」 ジャイアン「!」ピクッ ジャイアン(ん、なんか小さい気が近づいてきた!) のび太「やめるんだ、ジャイアン!」ギュンッ ジャイアン「お、のび太じゃねえか! なんの用だ!?」 のび太「ぼ、ぼくが相手だ!」 ジャイアン「お前が俺の相手だと!? ガハハ、おもしれえ!」ピシュンッ のび太(き、消えた!?) 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:11.00 ID:J6rDsmkv0 ガッ! バキィッ! ドゴォッ! ジャイアン「ふん、まるで相手にならねーな、のび太!」 のび太「ま、まだまだ……勝負はこれからだ!」 ジャイアン「だったら、東京ごとお前を消し飛ばしてやるぜ!」ギュンッ のび太(さらに上に飛んだ!? どうする気だろう……) ジャイアン「はああああ……!」 グゴゴゴゴゴ……! のび太(ジャイアンの気が、どんどん高まっていく!) 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:12.00 ID:J6rDsmkv0 ジャイアン「東京もろとも日本のチリになりやがれ!」 ジャイアン「のび太のくせに生意気波ァ─────ッ!!!」 ズボッ!!! のび太「うわあっ!」 のび太「だったら……」 のび太「ぼくだけの力で君に勝たないと……」 のび太「ドラえもんが安心して帰れないん波ァ─────ッ!!!」 ドウッ!!! 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:16.00 ID:J6rDsmkv0 グググ……! ジャイアン「なにい!? 俺の生意気波とそっくりじゃんか!」 のび太「ぎぎぎ……!」 グググ……! ジャイアン「でも、そっくりなだけだな。とんだヘナチョコだ!」 ジャイアン「どんどん俺様の生意気波が押してるぜ!」 のび太(ダ、ダメだ!) のび太(やっぱり、ぼくだけの力じゃ……!) のび助『諦めるな、のび太』 のび太(パパ!?) 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:21.00 ID:J6rDsmkv0 グググ……! のび太「なんでパパがここにいるの!?」 のび助『今ぼくは会社で仕事中さ』 のび助『仕事をしながら、君に力を貸してるんだよ』 のび太「ありがとう、パパ!」 のび太「でも、あまり押し返せてないんだけど……」 のび助『仕事中な上に、ぼくもそれほど強くないからなぁ』 のび太「ぼくに似て頼りないんだから……いや似てるのは、ぼくか」 グググ……! ジャイアン「俺様の強さに驚いて、とうとうひとりごとを始めてやがる!」 ジャイアン「そろそろ終わらせるぜ、のび太!」グッ 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:24.00 ID:J6rDsmkv0 ドラえもん「やろう、ぶっころしてや波ァ─────ッ!!!」 しずか「キャー、のび太さんのエッ波─────ッ!!!」 スネ夫「悪いなのび太、このエネルギー波は三人用なん波ァ─────ッ!!!」 ドゴンッ! ジャイアン「ぐぬ……っ! アイツら……!」 のび助『今だ、のび太!』 のび太「うわぁぁぁぁぁっ!!!」 ドウッ!!! ジャイアン「!?」 ジャイアン「お、押されっ──うわぁぁぁぁぁっ!」ボシュッ… 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:26.00 ID:J6rDsmkv0 のび太「勝ったよ、ぼく」 のび太「もう安心して未来に帰れるだろ、ドラえもん」 ドラえもん「いや、帰らないけどね」 しずか「やったわね、のび太さん!」 スネ夫「ふん、マグレさ」 のび助『じゃあパパは仕事に戻るよ』フッ… ドラえもん「もしかしたら、ジャイアンとのエネルギー波の押し合いで」 ドラえもん「最長老様でも引き出せなかった君の力が、少し開花したのかもしれないね」 のび太「へへへ、そうかなぁ──」 のび太「!」ピクッ のび太「こ、この気は……まさか……」ガタガタ… 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:28.00 ID:J6rDsmkv0 スネ夫「ジャ、ジャイアン……! 冗談でしょ……!?」 しずか「しかもほとんどダメージを受けてないわ……!」 ドラえもん「むしろ、怒りで気が増えてるよ……!」 のび太「そ、そんな……ぼくはもう気なんて残ってないよ……」 ジャイアン「お前ら……」 ジャイアン「今のはさすがの俺様もやべえと思った……」 ジャイアン「痛かった……痛かったぞぉっ!」 ジャイアン「絶対に許さねえ! じわじわとギタギタにしてくれる!」 出木杉「いや、そこまでだよ剛田君」 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:29.00 ID:J6rDsmkv0 ジャイアン「ふん、出木杉かよ……お前が加わったぐらいで──」 ジャイアン「!?」ギクッ ジャイアン「な、なんだ……このバカでかい気は……」 ジャイアン「今や俺様よりでかい気を持つ奴なんて、いるわけがねえ!」 出木杉「いや、君はこの気を知っているはずだ」 出木杉「だって生まれた時から、彼女と一緒に暮らしていたんだからね」 ジャイアン「あ、あわわ……」ガタガタ… 「タケシィィィィィッ!!!!!」 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:33.00 ID:J6rDsmkv0 ジャイアン「か、母ちゃん!」 ジャイアン母「タケシ! 店番サボって、こんなとこで何してんだい!」ゴゴゴ… のび太(おっそろしい……) ドラえもん(なんて気だ……まるで地球全体が震えてるみたいだ……) ジャイアン母「あんたみたいな子は、お天道様で反省しな!」カパッ ズボアッ!!! ジャイアン「ま、待っ──」 ギュオオオオ……! スネ夫「うわぁっ!?」 しずか「武さんを呑み込んだエネルギー波が、太陽に突っ込んでいくわ!」 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:36.00 ID:J6rDsmkv0 〜 太陽 〜 ボワァァァ……! ジャイアン「うおおおおっ……!」 ジャイアン(母ちゃんのエネルギー波と、太陽に挟まれて──) ジャイアン「あっちい!」 ジャイアン「あっちいよおぉぉぉ!」 ジャイアン「ゆ、ゆるして……があぢゃ──」 ジャイアン「ぐわぁぁぁぁぁっ!!!」 ズドォォォォォン……! 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:41.00 ID:J6rDsmkv0 〜 空き地 〜 ドラえもん「いやぁ〜すごかった」 ドラえもん「あれならジャイアンも、少しは反省するだろうね」 しずか「壊れた街や怪我した人はどうするの、ドラちゃん?」 ドラえもん「大丈夫。ぼくの道具、ドラゴンボールでなんとかなるよ」 のび太「いやあ……結局みんなに助けられちゃったな」 出木杉「いや……ぼくが剛田君のお母さんを呼んでくるまで時間を稼いだのは」 出木杉「まちがいなく君だよ」 出木杉「もし君が彼に立ち向かわなければ、街はもっと破壊されていただろう」 しずか「かっこよかったわよ、のび太さん!」 スネ夫「ふん、このぐらいでいつもかっこわるいのが帳消しになったと思うなよ!」 のび太「ありがとう……みんな」 ドラえもん「さ、帰ろうか、のび太君」 のび太「うん!」 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/07(水) 22:32:44.00 ID:J6rDsmkv0 〜 のび太の家 〜 ドラえもん「これで分かっただろう?」 ドラえもん「いきなり力を手に入れても、ろくなことがないって」 ドラえもん「毎日の積み重ねが大事だって」 のび太「うん、分かったよ、ドラえもん!」 ドラえもん「よしよし」 のび太「でも今日は疲れたから、積み重ねるのは明日からにするね!」ゴロンッ ドラえもん「やれやれ……結局なんにも変わってない」 最長老「しかし……この方が彼らしいともいえますね」                                      おわり