灰原「工藤君……あなたの精液が必要なのよ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:14:26.04 ID:NJHw1GPb0 ◆ある日◆ コナン「おい灰原。あの薬、あと1個でいいからくれねーか」 灰原「……え?」 コナン「ほら、APTX4869の解毒剤だよ。まだあんだろ? な?」 灰原「何言ってんのよ。一昨日あげたばかりでしょ?」 灰原「それにあの解毒剤は試作品。過度な服用は身体に負担が――」 コナン「んなもん大丈夫だって! つーか早くしねーと蘭が……」 灰原「なに? 彼女がどうかしたの?」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:16:46.49 ID:NJHw1GPb0 コナン「……浮気だよ……」 灰原「……えっ……?」 コナン「……蘭のやつ……俺を裏切って、浮気してんだよ……!」 灰原「う、浮気って、そんな……」 コナン「見ちまったんだよ、この目で! 蘭が男と2人で歩いてるところを……!」 コナン「このままじゃ蘭が……くそっ……くそおおおおおおおおおお!!」 灰原「ちょっと。落ち着いて工藤君。きっと何かの間違いよ」 コナン「バーロー! これが落ち着いてられるかってんだ!」 灰原「いいから冷静になって」 コナン「……ッ……」 灰原「……バカね。彼女があなたを裏切るはずないでしょ?」 灰原「それに彼女にだって男友達の1人や2人はいる」 灰原「それとも工藤君。あなたはそんなことも許せない、器の小さい人なの?」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:19:50.97 ID:NJHw1GPb0 コナン「バーロ……俺だって、相手が普通の男なら疑いすらしなかったさ……」 灰原「……どういうこと?」 コナン「……服部だったんだ……蘭と一緒にいた男……」 灰原「……えっ……?」 灰原「服部ってあの……大阪の色黒少年の?」 コナン「……ああ……」 灰原「でも彼って確か、彼女とも知り合いでしょ? だったら別に――」 コナン「違うんだ! アイツは東京に来るとき、普段なら絶対俺に一報入れるんだよ!」 コナン「なのに今回は連絡がなかった! つまりこっそり蘭に会いに来たってことになる!」 灰原「待って。別に彼女と会うのが目的だったとは限らな――」 コナン「ラブホに入ってもか?」 灰原「えっ……?」 コナン「2人でラブホに入って、2時間後に出てきてもか?」 灰原「そ、それ本当なの?」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:23:19.39 ID:NJHw1GPb0 コナン「ああ。だから言ったろ? 浮気はもう確定的なんだ……」 コナン「だが蘭がこうなっちまったのは俺のせいでもある……」 コナン「だから解毒剤を使って、蘭に全てを話してくるつもりなんだよ……」 コナン「元はと言えば、アイツを待たせすぎた俺にも非があるんだからな……」 灰原「……? ちょっと待って。まさかあなた……彼女に正体を明かすつもり?」 コナン「ああ。これ以上、蘭との距離が離れちまったら俺は……」 灰原「ダメよ! そんなことしたら、彼女まで彼らの標的にされるわ!」 コナン「わぁーってるよ! でもそうでもしねーと……!!」 灰原「馬鹿! 彼らの存在が彼女の重荷になることが分からないの?」 コナン「じゃあ俺はどうしたらいいだよ!!」 灰原「工藤君。まだ2人が浮気をしてるかどうか確信が得られたわけじゃない」 灰原「これからどうするか考えるのは、全てを確認してからでも遅くないわ」 コナン「……」 灰原「あなたが彼女やその大阪の友達を裏切りたくないなら、尚更ね……」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:26:26.12 ID:NJHw1GPb0 ◆そして◆ <PRRRRRR♪ PRRRRRR♪> >‎服部「よぉー工藤! 珍しいやんけ。お前から電話してくんの」 コナン「ああ……ちょっと聞きたいことがあってよ……」 >‎服部「なんや真剣な声色して……悩みでもあるんか?」 コナン「……」 >‎服部「黙ってたら分からんやんけ。俺で良かったら何でも聞いたるぞ」 >‎服部「こう見えて、人の悩みを解決するんは得意なんや。言うてみ工藤」 コナン「……」 コナン「実は……昨日見ちまったんだ……」 コナン「蘭とオメーが……ラブホに入っていくところを……」 >‎服部「えっ……」 コナン「答えてくれ服部……昨日蘭と、ラブホで何をしてた?」 >‎服部「……」 コナン「答えろ服部!! 昨日蘭に何をしたんだ!?」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:29:52.54 ID:NJHw1GPb0 >‎服部「ハ、ハハッ……ドッキリ大成功や!」 コナン「あ!?」 >‎服部「じ、実は昨日、お前が近くにおるの知ってたんや」 >‎服部「ほら……お前って恋愛に対して奥手やろ!?」 >‎服部「せやからハートに火ぃつけたろ思て――」 >‎服部「あの姉ちゃんをホテルに連れ込むのを見せつけたっちゅーわけや!」 >‎服部「もちろん、中では何もしてへんで!」 >‎服部「何なら事務所に帰ってあの姉ちゃんに聞いてみ」 >‎服部「全てはお前を行動させるために仕組んだドッキリやって言うから!」 コナン「……本当か?」 >‎服部「あ、当たり前やんけ! 俺が今まで嘘ついたことがあったか?」 コナン「……じゃあ俺の正体が工藤新一だってこと、蘭にばらしたってことか?」 >‎服部「えっ……あ、ああ。そうなるな。すまん。その件については謝るわ」 >‎服部「でもな工藤。俺は思うねん。あの姉ちゃんを騙し続けるんは正直限界やったって」 >‎服部「お前が本気であの姉ちゃんのこと想うなら、これで良かったんとちゃうんか?」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:33:28.56 ID:NJHw1GPb0 ◆毛利探偵事務所◆ <PRRRRRR♪ PRRRRRR♪> 蘭「どうしたの服部君?」 >‎服部「今そこに坊主おるか?」 蘭「えっ……コナン君ならいないよ……」 蘭「確か博士の家にゲームしに行ったとかで……」 >‎服部「さよか。そら良かった」 蘭「……どうしたの?」 >‎服部「工藤に俺らの関係がバレたんや」 蘭「えっ!? 新一に!? どうして!?」 >‎服部「いや、正確にはバレかけてるってとこや」 >‎服部「ええか。今から俺の言うことよう聞けよ」 >‎服部「工藤に何聞かれても、辻褄が合うように誤魔化すんや」 蘭「誤魔化すって……」 >‎服部「心配すな。俺の言うとおりにしときゃ絶対バレへんから」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:37:57.85 ID:NJHw1GPb0 ◆そして◆ 蘭「そんな……コナン君の正体が新一だったなんて……」 >‎服部「思い当たる節は今までにようさんあったやろ」 >‎服部「まぁ薬でちっちゃなったなんて話、俺も最初は信じられんかったけどな……」 蘭「……」 >‎服部「とにかく俺らの関係もこれで終わりや」 >‎服部「俺は和葉、アンタは工藤。本来あるべき姿に戻るで」 蘭「……えっ? 何言ってるの?」 >‎服部「……えっ?」 蘭「いやよ……別れるなんて絶対いや……」 蘭「服部君分かってる? あなた、私の初めてだったのよ?」 >‎服部「な、何言うとるんや。アンタが好きなんは工藤。俺らは遊びやろ?」 蘭「遊び……? 服部君、私と遊びのつもりでHしたの……?」 蘭「もしかして私を……捨てるつもり……?」 >‎服部「!?」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:41:12.90 ID:NJHw1GPb0 >‎服部「な、何寝ぼけたこと言うてんねん」 >‎服部「また工藤んとこに戻ったらええだけの話やないか」 >‎服部「俺かて近いうちに和葉に告るつもりやし……」 蘭「……」 >‎服部「ちょっとした気の迷いから始まった関係なんや。もう終わりに――」 蘭「ふざけないで!! 今更新一のところに戻れるわけないでしょ!」 蘭「私は本気で愛してたのにどうして!? そんなに私の身体が不満だったの!?」グスン 蘭「だったら私、何でもする! これからあなたを満足させるために尽くすから――」 蘭「だから捨てないで!! 私、あなたのことが好き……新一よりも好きッ!!!」グスッ >‎服部(アカン) 蘭「お願い服部君……私、あなたなしじゃ生きて――」グスッ >‎服部「ええ加減にせえよ!!」 蘭「ッ!?」 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:45:01.32 ID:NJHw1GPb0 蘭「服部……君?」 >‎服部「まさかアンタが工藤を裏切るとは思わんかったで……」 >‎服部「あれほど両想いやってんから、遊びとして割り切ってるんかと……」 蘭「じゃ、じゃあ私とやり直してくれるの?」 >‎服部「悪いけどそれは絶対にできへん」 >‎服部「アンタはどうかしらんけど、俺はアンタより和葉が好きなんや」 蘭「そんな……」 >‎服部「じゃあ切るで……話はさっき言ったように――」 蘭「和葉ちゃんに言うよ?」 >‎服部「……ぇ……?」ピクッ 蘭「いや決めた。もう今すぐ言う。そうしたら服部君は和葉ちゃんに振られるから」 蘭「そうなったら服部君は私のことを好きになってくれるから……」 >‎服部「お、おい待て! そんなことしたら許さ――」 <……ブチッ。ツーツー> 蘭「ふふっ。和葉ちゃんに電話電話……」ピポパピ 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:47:29.03 ID:NJHw1GPb0 ◆大阪◆ <PRRRRRRR♪PRRRRRRRR♪> 和葉「はい?」 >‎服部「か、和葉!(よっしゃ、俺の方が早かった)」 和葉「ど、どうしたん平次? 息上がってるけど……」 >‎服部「何もない! それよりこの電話絶対切るんやないぞ!?」 和葉「えっ? 何で?」 >‎服部「何でもや! あと家にも絶対帰んなよ!」 和葉「なんなん平次? 様子おかしいで?」 >‎服部「と、とにかく、今日は誰にも会わんと、俺と電話で話すんや!」 和葉「はぁ?」 >‎服部「ええからええから! それよりどや、そっちの天気は?」 和葉「そっち? そっちって……平次今どこおるん?」 >‎服部「えっ……あ……いや何でもない。それより今夜飯食いにいかんか?」 >‎服部「梅田でゴッツうまいイタリアンの店見つけたんや」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/12(日) 22:50:01.11 ID:NJHw1GPb0 ◆阿笠邸◆ 灰原「ちょっと待って工藤君!」 コナン「いや、俺は行く! 蘭に会って確かめなきゃならねぇ!」 コナン「おい灰原! 解毒剤はどこだ!? もう正体を隠す必要はねーだろ!?」 灰原「だからあの薬は試作品で――」 コナン「じゃあいつになったら完成すんだよッ!!?」 灰原「……ッ!」 コナン「オメー、仮にもあの薬の開発責任者だろ!!」 コナン「だったら早く何とかしろよ!! いつまで待たすつもりなんだよ!!」 灰原「落ち着いて工藤君ッ。気持ちは分かるけどこんなのあなたらしく――」 コナン「うるせぇッ!!」 <パンッッッッッ(平手打ち)> 灰原「……」 灰原「……ぇ……」 コナン「……ぁ……」