しんのすけ「何かがおかしいゾ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:17:12.79 ID:RsoZfktY0 みさえ「しんのすけ〜起きなさ〜い」 しんのすけ「ほーい…」 みさえ「今日は時間ないから急いで食べてね」 しんのすけ「ほい」カチャカチャ みさえ「そうそう今日の夜はすき焼きなのよ」 しんのすけ「わーいなんでなんで?」 みさえ「パパがやっと係長になれたのよ 今日はその昇進祝い」 しんのすけ「やったやった〜」 しんのすけ(…ん?) 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:26:10.08 ID:RsoZfktY0 しんのすけ「ねえ父ちゃんって…」 みさえ「何?」 しんのすけ「ううんなんでもないゾ」 ―その時はすき焼きが久しぶりに食べれるという喜びで  父ちゃんの昇進に対する違和感は徐々に消えていった みさえ「しんちゃんのトイレが長くてまたバス乗り逃したじゃない!誰が送ってくかわかってるの?」 しんちゃん「いつも通りよろしく頼むゾ〜」 みさえ「しょうがないわね…車で行くわよ」 しんちゃん「えっ」 みさえ「え?」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:33:13.51 ID:RsoZfktY0 しんのすけ「母ちゃん車運転できたの?」 みさえ「何言ってるの!前から車で送ってるじゃない!ほら早く乗りなさい」 しんのすけ「ほ、ほい…」 しんのすけ(おかしいぞ…母ちゃんは車を運転できなかったはず) 〜幼稚園〜 風間「しんのすけ!サッカーしようぜ!」 ネネ「ちょっと待ちなさい!」 マサオ・風間・しんちゃん「ひぃっ!」 しんちゃん「まーたリアルおままごと〜?」 風間「…?何言ってるんだしんのすけいつもやってるのはリアル刑事ごっこじゃないか」 しんちゃん「え…?」 しんちゃん「そんなの初めて聞いたぞ!みんなどうしちゃったんだぞ!?」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:38:33.87 ID:RsoZfktY0 風間「お前熱あるんじゃないか?今日は幼稚園休んだほうが…」 しんちゃん「…どうなってるんだぞ」 〜帰りのバス〜 しんちゃん(…よく考えてみると) しんちゃん(父ちゃんは前から係長だった、なんでおらはあの時母ちゃんに言えなかったんだゾ) 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:42:32.67 ID:RsoZfktY0 吉永先生「じゃあさようなら」 みさえ「いつもありがとうございます」 しんちゃん「おつやおつや〜!」 みさえ「こら!ちゃんと先生に挨拶しなさい!」 しんちゃん「ほほ〜い」 みさえ「まったくもう…」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:47:49.55 ID:RsoZfktY0 しんちゃん「アハハハアクション仮面はいつみても面白いぞ」 しんちゃん「お、もうこんな時間だぞシロの散歩にいかなきゃ」 しんちゃん「お〜いシロー!おかしいな返事がないゾ」 しんちゃん「シロー!…?犬小屋がないゾ」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:50:26.71 ID:RsoZfktY0 しんちゃん「かあちゃーん シロの犬小屋移動したの〜?」 みさえ「ん?シロって何?」 しんちゃん「何言ってるんだぞ母ちゃん、犬でわたあめが特技のおらの家族だぞ!」 みさえ「犬なんて飼ってないけど…」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 17:55:16.85 ID:RsoZfktY0 しんちゃん(家族がおかしいゾ…) しんちゃん(いやまだ父ちゃんがどうかわからないゾ) ひろし「ただいまー!」 しんちゃん「父ちゃん!シロッて知ってる?」 ひろし「…………俺たちの家族だろ?」 しんちゃん「父ちゃん…!」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:04:10.09 ID:RsoZfktY0 しんちゃん「何かがおかしいゾ…母ちゃんはシロの事を知らないっていうし       いつも幼稚園でやる遊びも違ったし…世界がおかしくなってる感じがするんだぞ!」 ひろし「しんのすけも気づいてたか…俺も実は昇進が決まったときとても喜んだが     何かデジャヴのようなものを感じた…みさえには言わなかったが」 しんのすけ「おらどうすれば…」 ひろし「とりあえず今日はもう何事もなかったかのように振る舞え、明日になれば元に戻ってるさ」 ひまわり「オギャアオギャア」 ひろし「ほらひまわりも泣いてることだしおれはみさえを手伝ってくるよ」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:10:09.09 ID:RsoZfktY0 しんのすけ「おらはきっと悪い夢を見てるんだぞ…父ちゃんの言うとおりだ」 ―その夜は特に何事も起らなかった  少し不安を抱えつつしんのすけは眠り、翌日 ジリリリリリ カチッ みさえ「しんちゃん起きなさい!」 しんちゃん「う…まだ昨日の事が頭に残ってるぞ」 しんちゃん「あれ…?母ちゃん!ひまわりがいないぞ!」 しんちゃん「父ちゃん!起きて!ひまわりがいないんだぞ!」 ひろし・みさえ「ひまわりって誰?」 しんちゃん「」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:16:58.26 ID:RsoZfktY0 みさえ「どうしたの?」 ひろし「どうしたんだお前夢でも見てたのか?」 しんのすけ「…」 みさえ「ほら早く食べなさい」 ―しんのすけは昨日と違うことに気が付いた、ひまがいないことはもちろん、  今日はなぜかシロが庭にいた、車も自転車になり、いつも通りリアルおままごともした  しかしなぜかひまわりの事は誰も覚えていなかった  21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:19:52.10 ID:RsoZfktY0 カーカー しんのすけ「もう夕方だぞ…」 しんのすけ「ひま…」 しんのすけはひまわりの絵をかいて気を紛らわそうとした しんのすけ「画用紙に…おっとクレヨンがないとかけないぞ」 カパッ しんのすけ「…なんでクレヨンが全部なくなってるんだゾ」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:27:55.05 ID:RsoZfktY0 ―翌日しんのすけはクレヨンを家中探しまわった しかしどこにもみつからない それどころか幼稚園・スーパーにもクレヨンが全く見つからないのだ 疲れてしんのすけは眠ってしまった 翌日も、その翌日も、世界は変わるばかりだった ひまはいたりいなかったりするし、母ちゃんにシロの記憶がちゃんとあることもあった しかし全てがずれていない世界になったことは一度もなかった 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:37:39.54 ID:RsoZfktY0 ―ジリリリリリッ みさえ「しんちゃんごはんよ」 ひろし「今日の朝飯もうまいな!」 ―しんのすけはあることに気が付いた クレヨンが自分たちのいる世界を構成してるのではないか、  つまり自分たちは空想上の人物なのではないかと 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:45:22.47 ID:RsoZfktY0 しんのすけ「でもなんでクレヨンがなくなったんだぞ…?」 ニュース「昨日、漫画家の●●●●さんが登山中に転落しているのがみつかりました      当局はこれを事故としてみており…」 しんのすけ「まさか…いやそんなわけないぞ」 ひろし「今日はやけに天気が悪いな」 みさえ「そうね早く晴れるといいけど」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:50:01.85 ID:RsoZfktY0 みさえがそう言い放った瞬間、急に地面がゆれだした みさえ「きゃあ地震!」 ひろし「しんのすけ!早く逃げるんだ!」 しんのすけ(きっとこの世界はもう終わるんだぞ…) 世界が終るぐらいならその前に死にたいと思ったしんのすけは 何か自殺できる道具を急いでさがした 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 18:54:54.59 ID:RsoZfktY0 しんちゃん「目の前がかすんでよく見えないぞ…」 しんちゃん「あ、あれならよさそうだぞ」 しんのすけがその道具を手に取った瞬間、世界がぴたりと止まった しんちゃん「何が起こったんだぞ…」 みさえ「揺れが収まったみたいね…きゃあしんちゃん地震なのにそんな危ないものもっちゃだめよ!」 しんちゃん「…鉛筆を持った瞬間揺れが収まった気がするぞ」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 19:00:40.34 ID:RsoZfktY0 しんのすけ「なんで鉛筆で…」ドサッ みさえ「しんちゃん!」 しんのすけ「―う、おらどうしたんだぞ…」 ひろし「しんのすけ!目を覚ましたんだな!昨日の地震から今日の朝まで倒れてたんだぞ?」 「ここはおらの家…  あ、ひま!シロもいるぞ!」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 19:06:31.84 ID:RsoZfktY0 ―次の日から野原家、幼稚園はすべて元通りになった なぜ鉛筆が崩壊を止める原因になったかはよくわからない だがしんのすけが幼稚園を卒園して、小学校にあがっても その鉛筆をずっとお守り代わりに持ってることは言うまでもない            〜えんぴつしんちゃん〜                 完