ハルヒ「あれ? 私の言動ってキチガイじみてない……?」 592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 19:18:58.66 ID:dfymDzjS0 みくる「驚いた? 急にこんなこと言われて」 ハルヒ「いや、あの……うん、まあ驚いたけど……」 みくる「ふーん……でも、こっちが想定していたほど驚いてないわね。私の本質に感づいていた?」 ハルヒ「いや、別にそういうわけじゃ……」 みくる「それとも……こういう告白は既に別の誰かからされたことがあって経験済みだったとか?」 ハルヒ「えっ! あっ、そんなわけ……」 みくる「そうね……『女の子が好きな女の子』なんてそういるものじゃないしね」 ハルヒ(言えない、身近過ぎるところにもう一人いるなんて言えるわけない) 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 19:27:13.92 ID:dfymDzjS0 みくる「それで……なんで私がこんなことをあなたに打ち明けたんだと思う?」 ハルヒ「さ、さあ……見当もつかないわね」 みくる「……嘘つきね、本当は分かっているくせに」 ハルヒ「!?」 みくる「でも……いいわ、だったらもっと直接言葉にしてあげる」 ハルヒ(ま、まさか……みくるちゃんまで私のことが好きとか言うんじゃ……) みくる「あなたを私のモノにしたい」 ハルヒ(もっととんでもないこと言われた) 598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 19:39:43.49 ID:dfymDzjS0 ハルヒ「み、みくるちゃ……じゃない、みくるさん!?」 みくる「いいのよ、あなたの好きなように呼んでくれて……」 ハルヒ「えっ……あ、はい……」 ハルヒ(ど、どうしよう……何か嫌な予感がする……) みくる「……こっちに来なさい、ハルヒ」 ハルヒ「は、ハルヒ!?」 みくる「私のほうが年上なの、呼び捨てにしたっていいでしょ?」 ハルヒ「は、はい……仰るとおりです」 みくる「じゃあもう一度言うわ……こっちに来なさい、ハルヒ」 604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 19:51:27.84 ID:dfymDzjS0 みくる「ホント……可愛い」 ハルヒ(ど、どうしよう……みくるちゃんに抱き締められてるこの状況……) ハルヒ(て言うかみくるちゃん……本当に胸大きいわね) みくる「ねえハルヒ……」 ハルヒ「は、はい!」 みくる「あなたからも手を回してくれる?」 ハルヒ「……え?」 みくる「あなたからも私を抱いてって言ってるの」 ハルヒ「…………」 ハルヒ(こ、ここで私から行ったら絶対また面倒なことに……) ハルヒ「あ、あの……あ、あたしはそういうのは……」 みくる「……抱きなさい、ハルヒ」 ハルヒ「……はい」 612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 20:11:28.12 ID:dfymDzjS0 みくる「そう……素直な子って好きよ」 ハルヒ「…………」 ハルヒ(ど、どどどどうしよう……いつものみくるちゃんじゃないから迫力がありすぎて……) みくる「いつまでもこうやって、ずっと抱き合っていたいわね」 ハルヒ「あ、あはは……」 みくる「……ところで、一つ聞いていいかしら?」 ハルヒ「な、何?」 みくる「あなた、あのキョン君とはどういう関係なの?」 ハルヒ「えっ……キョンは、その……あたしのクラスメイトでやれやれ系の性格でSOS団の雑用係りで……」 みくる「SOS団? ……雑用?」 ハルヒ「じゃなかった! えっと、EOE団のリーダーで……あれEOEで合ってたっけ?」 みくる「…………?」 616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 20:21:52.75 ID:dfymDzjS0 みくる「……とにかく、何か特別な関係があるってわけじゃないのね」 ハルヒ「まあ……そういうことになる、のかしら?」 みくる「そう、だったらこっちとしても動きやすいわね……あなたをどうしようと、構わないんでしょう?」 ハルヒ(いや、あたしが構う……とは言えない雰囲気……) みくる「じゃあハルヒ……スカート」 ハルヒ「す、スカートが……どうかした?」 みくる「スカートを渡しなさい」 ハルヒ「い……いや、そんなこと言っても今は履いてるコレしか……」 みくる「それを渡しなさいって言ってるのよ」 ハルヒ「…………」 みくる「履いているのなら、脱げばいいでしょ?」 622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 20:44:21.57 ID:dfymDzjS0 ハルヒ「そ、それはさすがに……」 みくる「…………」 ハルヒ「ご、ごめんみくるちゃん! あたし今日はもう帰る!」 みくる「…………」 みくる「……ま、さすがに1日くらいじゃ無理か」 みくる(でも……涼宮ハルヒ、必ず私のものに……) 623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 20:50:17.51 ID:dfymDzjS0 ・・・ 国木田「たまにはいいね、こうやってキョンと二人で帰るのも」 キョン「あ、ああ……そうだな」 国木田「……で、どういう風の吹き回しってわけ?」 キョン「何がだ?」 国木田「高校に入ってからのキャラチェンジ……いや、高校生デビューってやつなのかい?」 国木田「中学までのキョンはもっと気怠い感じの、それでも何だかんだ付き合いの良い友達って感じだったけど」 キョン「な、何言ってるんだ……俺は昔から宇宙人だとか未来人を探し回ってて洋楽しか聴かないような……」 国木田「……それは僕の知ってるキョンじゃないね」 627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 20:58:21.97 ID:dfymDzjS0 キョン(ちょっと待て……俺は本当に今みたいなことを昔からやってたのか?) キョン(確かに宇宙人や未来人、超能力者がいてほしいとは思っていた…… キョン(だが、そんなもんが実際には存在しないなんて現実も中学の頃から俺は受け止めてたはずだ……) キョン(中学時代の俺は……何をやっていた?) キョン「そもそも……今の俺は一体何をやってるんだ……?」 国木田「……よく分からないけど、気をつけなよキョン。あんまり目立ったことをするのはキョンのキャラじゃない」 キョン「あ、ああ……悪いな、国木田」 国木田「……下手すれば、穴が空くかもしれないよ。体にね」 キョン「…………?」 古泉「…………」 630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 21:04:56.31 ID:dfymDzjS0 自宅 キョン「…………」 キョン(中学時代の俺、か。なんだ……記憶に霞がかかったようになってて思い出せん) キョン(国木田の奴は中学時代の俺を……宇宙人なんぞを追い求めてない、気怠い俺を知っていた) キョン「他に……中学時代の俺を知っていそうな奴か……」 ピピピ…… ・・・ 「これはこれは……くっくっ、珍しい相手からのメールじゃないか」 633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 21:12:05.04 ID:dfymDzjS0 ・・・ キョン「……久しぶりだな」 佐々木「くっくっ……自分から呼び出しておいてぶっきらぼうな挨拶をするね、キョン」 キョン「ああ、まあ……なんというかな」 佐々木「……それで、僕に何の用だい? 僕で君の頭を悩ませる何かを解決出来るのなら喜んで力になるのだが」 キョン「さ、佐々木……お前」 佐々木「君のことだ……ただ話をしたくて呼び出したわけじゃないんだろう?」 佐々木「くっくっ……まあ、話をするためだけに呼び出したのだとしても僕は一向に構わないんだがね」 637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 21:25:39.69 ID:dfymDzjS0 キョン「佐々木……頼みがある」 佐々木「ふむ、聞こうじゃないか」 キョン「俺の……中学時代の話を聞かせてくれ」 佐々木「……僕としたことが少しあっけに取られてしまったよ、キョン……それが君の頼みかい?」 キョン「ああ、頼む」 佐々木「なぜ、そんなことを『頼む』のか気になるね……ただ、昔話に花を咲かせたいわけじゃないのだろう?」 キョン「…………」 佐々木「野暮なことを言ってしまったね。キョンのことだ、その辺りの事情は話したがらないだろう……」 キョン「悪い、俺も色々と現状は口にしにくくてな」 佐々木「構わないよ、たまにはこうして親友と過去を懐古するのもいいものだ」 640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 21:37:53.49 ID:dfymDzjS0 佐々木「さて、中学時代か。どこから話せばいいのやら……君と僕の出会いから語るべきなのかな?」 キョン「ああ、最初から話してくれると嬉しいんだが」 佐々木「くっくっ、君との思い出も深いものがあるからね。語り尽くせば日付が変わりかねないのだが」 キョン「長くなってもいい、聞かせてくれ」 佐々木「分かった……じゃあ、僕と君の出会いから始めようか……」 ・・・ 数時間後 佐々木「……語り尽くしたと言うには到底及ばないが、この辺りで一息つかせてくれたまえ」 佐々木「これだけ一度に言葉を紡ぐのは僕も少しは疲れるからね」 キョン「…………」 佐々木「くっくっ、しかしキョンは聞き上手だね……君と向かい合っていればいつまでも語ることが出来そうだ」 645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 21:46:51.30 ID:dfymDzjS0 キョン「……佐々木」 佐々木「何だい?」 キョン「ありがとうな、お前のおかげだ」 佐々木「……何が僕のおかげなのか今一つ理解に苦しむが、とりあえず感謝の言葉は受け取っておこう」 佐々木「キョン……僕は君の力になれたのかい?」 キョン「ああ、お前が中学時代からの友達で良かったよ」 キョン「全部分かった……今までの俺のことも、これから俺がやらなきゃならんことも」 佐々木「…………」 佐々木「くっくっ……やはり、キョンは面白いね」 649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 21:58:46.62 ID:dfymDzjS0 ・・・ 自宅 キョン(思い出した……中学時代のこと、北高に入学したこと、ハルヒのこと……) キョン(そして、この世界の時間が俺たちが入学した時点にまで巻き戻されちまってることと……) キョン「長門や朝比奈さん、古泉の性格がおかしくなってること……か」 キョン(以前、夏休みが繰り返した時との違いはそこか……あいつらにまで変化が出てること) キョン「なあハルヒ……これもお前が願ったことなのか?」 キョン(お前にとってSOS団の活動は……卓袱台ひっくり返して最初からやり直したいと思うほどつまらんものだったのか?) 650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:07:03.87 ID:dfymDzjS0 ・・・ ハルヒ宅 ハルヒ(昨日に引き続いてとんでもない目にあったわね……何だってこんなことに……) ハルヒ「みくるちゃん……ああいう押せ押せの性格も似合わなくはなかったけど……」 ハルヒ「でもやっぱり……あの子はマスコット的なポジションにいてほしいわよね」 ハルヒ「今の有希だって確かに可愛いとは思うけど、何か違うっていうか……」 ハルヒ「ていうかキョンよキョン! なんなのよアイツは本当に! こっちの背中がむず痒くなるようなことばっかして!」 ハルヒ「明日なにか妙な真似したら『死刑!』って言ってやるんだから!」 ハルヒ「…………」 ハルヒ(言えるわけないか、今のあたしの立ち位置じゃ……) ハルヒ「……今日はもう寝よう」 651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:12:08.61 ID:dfymDzjS0 翌日 キョン「…………」 ハルヒ「…………」 ハルヒ(何よキョンの奴、今日は音楽も聞かないで真面目な顔して……何かこっちから話を……) ハルヒ「キョン……君、あの、今日って部活は……」 キョン「ハルヒ」 ハルヒ「えっ、何?」 キョン「ちょっと……話がある」 653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:19:20.92 ID:dfymDzjS0 部室 ハルヒ「えっと……キョン君、何の話? 今日の部活についてとか?」 キョン「…………」 ハルヒ「それだったらまだ誰も来てないからみんな集まる放課後とかのほうがいいんじゃ……」 キョン「…………」 ハルヒ「もしそうじゃないなら……まさか告白! なんちゃって」 キョン「…………」 ハルヒ「…………」 ハルヒ「……な」 キョン「…………」 ハルヒ「何か喋りなさいよアンタ! 一方通行で言葉ぶつけてるあたしが馬鹿みたいじゃない!」 キョン「やっぱりお前はまともか、ハルヒ」 659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:30:01.92 ID:dfymDzjS0 ハルヒ「えっ……?」 キョン「お前は覚えてるかハルヒ。五人で不思議探索をしたこと、映画を作ったこと、孤島や雪山に行ったことを」 ハルヒ「キョン……アンタまさか……いつものキョンに戻ったの?」 キョン「……しかし、我ながらEOE団なんて不可思議極まりない名前を付けたもんだな」 キョン「いつもならお前に『ふざけんな! 死刑!』とでも言われてるところだろうに」 ハルヒ「キョン……キョン!」 キョン「悪かったな、妙な行動しちまってて」 ハルヒ「良かった……あたしの知ってるキョンになってくれてて……」 663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:42:02.05 ID:dfymDzjS0 ハルヒ「あれ……でも、何かおかしいような……今は入学したばっかりの時期だったはずなのに、なんでキョンは……」 キョン「…………」 キョン(マズいな、無人島がどうとかは言うべきじゃなかったか) キョン(時系列で言えば今の俺は北高に入学したばかりのはずだ……当然、SOS団の存在も何も知ってるはずがない) キョン(元の性格に戻るだけなら良かったが……つい調子に乗ってペラペラと……なら) キョン「やれやれ……どうにも、俺とハルヒは同じ夢を見てるらしいな」 666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:48:58.16 ID:dfymDzjS0 ハルヒ「は、はぁ!? アンタと同じ夢!?」 キョン「それしか考えられんだろう、まさか俺とお前以外の世界がタイムスリップしたわけじゃあるまいし」 ハルヒ「ま、まあそう言われてみればそうだけども……」 キョン「なら、早いとこ起きなきゃな。いつまでも寝てて遅刻でもしたらかなわん」 ハルヒ「起きるって……どうやって?」 キョン「さあ?」 ハルヒ「何よそれ、結局何の解決にもなってないじゃない、この馬鹿キョン」 キョン「何にしてもだ俺はこんな世界はゴメンだな……長門や朝比奈さん、古泉が普通じゃなくなってる世界なんて」 ハルヒ「……そうね、やっぱりみくるちゃんたちは前のままのほうが良かったわよね」 669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 22:53:34.69 ID:dfymDzjS0 放課後 キョン(とりあえず、ハルヒはもうこの世界に未練はないだろう……元の世界に戻りたいと思ってるはずだ) キョン(仮にこの世界がハルヒの願いによって生まれたものであるとするなら……明日の朝には何とかなってる、か) キョン「やれやれ、まったく……」 古泉「まったく、困ったことをしてくれましたね」 キョン「!」 672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:03:32.82 ID:dfymDzjS0 同時刻 ハルヒ「はぁ……よく分からないけど、何か今日はどっと疲れたわね」 ハルヒ(しっかしアレだわ、まさかこんなリアルな夢を見るなんて……しかもキョンもまったく同じ夢見てるし) ハルヒ(何かキョンと二人で変な世界に行っちゃう夢って前にも見たような……) ハルヒ「はぁ、夢の中でも疲れるなんて冗談じゃないわ……今日は早く寝たほうがいいかもしれないわね」 みくる「寝るのなら、私と一緒に寝なさい。涼宮ハルヒ」 ハルヒ「!」 674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:09:03.12 ID:dfymDzjS0 キョン「古泉……何の用だ?」 古泉「これはこれはお厳しい……あなたの作ったEOE団の仲間ではありませんか」 キョン「……あー、すまんがそのEOE団はもう解散だ。面倒な話に巻き込んで悪かったな」 古泉「困るのですよ、それでは……涼宮ハルヒを機関の手中に収めることが出来なくなってしまう」 キョン「……お前、今何て言った?」 古泉「涼宮ハルヒを巡って行われている、未来人や宇宙人との競合に負けてしまうことになると言ったのですよ」 677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:16:34.00 ID:dfymDzjS0 キョン「ハルヒを手に入れるだと……?」 古泉「あなたも知っているのでしょう? 彼女には願望を実現する能力がある」 古泉「一般人たるあなたがどうやってその知識を得たのかは知りませんが……彼女と親しいあなたを利用しない手はない」 古泉「だから僕はあなたに近付いたのですよ」 キョン(お前の近付き方はまったくもって逆効果だったがな) キョン「……俺に近付くより、ハルヒ自身を狙ったほうが早いんじゃなかったのか?」 古泉「彼女を巡る攻防は激しいですからね……未来人や宇宙人と直接やり合うのはいかがなものでしょう?」 古泉「それに……幸運なことに、あなたが『鍵』であることも分かりましたからね」 685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:26:09.76 ID:dfymDzjS0 キョン(俺はどうにも思い違いをしていたらしい……性格の変わっちまってるSOS団の面々) キョン(変わったのは性格だけじゃない……その性質まで変わっちまってたのか) キョン(元の世界じゃ互いを利用しあいながらも時には手を組んだり、みたいなこともあったはずだ……) キョン(だが今の古泉たちは純然たる敵同士で、そして……) キョン「俺やハルヒにとっても……敵ってわけか!」ダッ!! 古泉「おや、逃げられてしまいましたか……まあ予定通りですが」 ピッピッ 古泉「僕です……ええ、では手筈通りにお願いします」 690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:36:55.88 ID:dfymDzjS0 キョン「ハルヒ……どこだ……!」 森「さあ、どこでしょうね?」 キョン「あなた……森さん……!」 森「……やはり、どういうわけかあなたは私たち機関の存在を知っているようですね」 キョン(古泉がああいう状態なら……当然この人も……) 森「『鍵』であるあなたには一緒に来てもらいます……念のために言っておきますが、抵抗はしないほうがいいかと」 キョン「…………!」 692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:41:37.39 ID:dfymDzjS0 「だから気をつけなって言ったじゃないか、キョン。下手をすれば体に穴が空くかもしれないよって」 キョン「お、お前……!」 国木田「僕、参上」 697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/08(金) 23:53:57.92 ID:dfymDzjS0 国木田「なーんて、一度はやってみたかったんだよね」 キョン「いや、お前……なんで……?」 国木田「何でってことはないんじゃない? これでも助けに来たんだから」 キョン「いや助けにって……」 国木田「キョンさぁ、これでも僕はキョンに対してそれなりの友情は持ってるんだよ」 国木田「その友達が困っているんだ、助けるのに理由なんて必要ないだろう?」 キョン(いい台詞なんだが国木田には凄まじく似合ってないな) 国木田「それに、僕一人じゃないからね」 キョン「……?」 佐々木「くっくっ、まさに救いのヒーローと言ったところかな?」 700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:00:52.09 ID:XTeNcZpD0 佐々木「そういうわけさ……キョン、ここは僕たちに任せて早く行きたまえ」 キョン「いくら二人でも……」 国木田「確かにね、カッコつけといてアレだけどちょっと僕は勝てる気がしないな。あのメイドさん、なんか強そうだし」 キョン「だったら……」 佐々木「発想の転換だよ、別に彼女を打ち倒す必要はないんだ……キョンを追わせないように妨害をする」 佐々木「それなら、数で利のある僕たちなら出来ると思わないかい?」 キョン「…………」 佐々木「もう一度だけ言うよキョン、ここは僕たちに任せて早く行きたまえ」 キョン「……悪い、二人とも」 702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:07:32.31 ID:XTeNcZpD0 ・・・ みくる「どうしたのハルヒ、こっちに来なさい」 ハルヒ「いや、あの……あたし今日はこのまま帰りたいから」 みくる「……来なさい、ハルヒ」 ハルヒ「うっ……」 ハルヒ(な、何なのよこのみくるちゃんらしくない迫力……) みくる「じゃあ来なくてもいい、私からそっちに行くわ」 ハルヒ「えっ……」 みくる「一歩でも逃げたりしたら……どうなっても知らないわよ?」 ハルヒ「…………!」 ハルヒ(何よこれ……キョ、キョン……助けて……) 706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:17:52.09 ID:XTeNcZpD0 キョン「ハルヒ!!」 ハルヒ「キョ、キョン!」 みくる「……ホント、嫌なタイミングで来るのね」 キョン「巷ではフラグクラッシャーとも言われてますからね……それより、ハルヒをどうする気ですか」 みくる「どうするって……そんなの、私のモノにするに決まってるでしょ?」 ハルヒ「みくるちゃん、ずっとこんな調子で……なんていうかすっごい怖いのよ」 キョン「……いつもの明るい朝比奈さんを知ってる分、反動があるんだろう」 707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:24:57.12 ID:XTeNcZpD0 みくる「大体……あなたはその子の何なの? 特別な関係にあるわけでもないくせに」 キョン「特別だろうが何だろうが関係あるか、お前らみたいな奴らにハルヒは渡せないってんだ」 みくる「その子の力を上手く使えばあなたにだって利益が出るのよ? 未来がより良いものへ変わっていく」 みくる「人類全体の享受する未来のためになることをどうして邪魔するのかしら?」 キョン「朝比奈さんたちの作ろうとしてる未来ってのが俺やハルヒの望む未来だとは限らない!」 キョン「それに……そう簡単に未来なんてもんを作っちまったら、つまらないでしょう!」 ハルヒ「!」 708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:31:06.59 ID:XTeNcZpD0 キョン「俺たちの未来は俺たちが決める! 誰かに強制されるのはごめんだ」 キョン「宇宙人や未来人、超能力者と仲良く笑いあえる未来だって来るかもしれない!」 キョン「なあハルヒ! ワクワクしないか、そんな未来が来るとしたら!」 ハルヒ「う、うん……それは勿論……ううん、すっごいワクワクするに決まってるじゃない!」 ハルヒ「何よキョン! アンタもいいこと言うようになったじゃない!」 キョン「……そういうことです、だから俺は古泉たちと敵対する今の朝比奈さんにハルヒを渡すわけにはいかない!」 みくる「…………」 キョン「走るぞ、ハルヒ!」 ハルヒ「う、うん!」 710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:36:28.27 ID:XTeNcZpD0 長門「ダメだよぉ、そんな勝手なこと言ってちゃ」 キョン「!」 ハルヒ「ゆ、有希……!」 長門「やっほーハルちゃん、またギューって抱きしめてよ!」 ハルヒ「……ダメよ、あたしの知ってる有希はそんなこと絶対に言わないもの」 長門「えー、この前はやってくれたのにーキスだってしてくれたのにー」 キョン「……ハルヒ、マジか」 ハルヒ「マジなわけないでしょ! 不可抗力よ! なにを想像してんのこのエロキョン!」 713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:43:12.31 ID:XTeNcZpD0 長門「あーあ……やっぱり、あなたは鍵だったかー」 キョン「…………」 長門「ハルちゃんを財宝が詰まった宝箱だとするとぉ、あなたはその中身を取り出すために必要不可欠な存在」 長門「だからあなたには極力攻撃をしないよう心掛けていたんだけど、もういいよねぇ?」 キョン「!」 長門「鍵がなくなってもさ……宝箱を壊しちゃえば中身は取り出せるんだもんね?」 キョン(長門の腕が白く光って……!) 長門「じゃあ……死んで?」 718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:47:54.45 ID:XTeNcZpD0 キョン(ヤバい、刺し貫かれる……見ちゃいられん!) キィン キョン「……キィンって、何だ今の音は?」 「ダメよ長門さん……急進的な行動は慎むべきだわ」 キョン「…………!」 朝倉「やろうとするにしても……一つひとつのプログラムの質を上げて私が簡単に侵入を出来ないようにしなきゃ」 722 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 00:55:55.21 ID:XTeNcZpD0 長門「えぇ、邪魔をするの? 鍵の存在がそんなに重要なのかな?」 朝倉「あのね。重要とかそういうんじゃなく、子供みたいに何でも無理やり手に入れようとしちゃダメって言いたいの」 長門「あなたは所詮私のバックアップ……なのに、その私自身の邪魔をするの?」 朝倉「はぁ……きちんと話してるのに会話にならない。急進派はこれだから嫌になっちゃうな」 キョン「…………」 キョン(誰かこの状況が分かる奴がいるのならここに来い、そして俺に説明しろ!) 725 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:02:05.35 ID:XTeNcZpD0 キョン「こっちだハルヒ! とにかくここから離れるぞ!」 ハルヒ「わ、分かった!」 ・・・ キョン「はぁっ……はぁっ……」 ハルヒ「はぁ……はぁ……な、何がどうなってるのよこれ」 ハルヒ「有希と朝倉が戦ったり、みくるちゃんがおかしかったり……もう意味が分かんないわ」 キョン「……ハルヒ、そろそろ終わっとくべきだろう」 ハルヒ「な、何言ってるのよ! あたしだって終わらせられるなら早くそうしたいんだから!」 キョン「……ハルヒ」 ハルヒ「キョ……キョン……?」 728 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:08:16.26 ID:XTeNcZpD0 キョン「はっきり言っておく。俺はお前にどんな不満や後悔があったかはさっぱり分からん」 キョン「ただ、入学式からやり直したいなんて思ってるんだ……相当思うところはあったんだろう」 キョン「けどな、それでもだ……俺は涼宮ハルヒって人間を気に入ってるんだ」 ハルヒ「キョン……?」 キョン「宇宙人や未来人、超能力者を探してるなんて俺みたいに半端な奴じゃ様にならないことでも堂々と言える……」 キョン「そんなことを言えるだけの気持ちを持った涼宮ハルヒが俺は好きだ!」 731 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:15:48.38 ID:XTeNcZpD0 ハルヒ「ば、ばっかじゃないの! いきなり気に入ってるとか好きだとか……そんなことであたしが喜ぶとでも思ってるのかしら!」 キョン「ハルヒ……俺はだな……」 ハルヒ「だって恥ずかしいじゃない! 気付いちゃったのよ! 自分がとんでもないことを言ってたって!」 ハルヒ「だから少しくらいあたしも女の子らしいことを言って……」 キョン「聞け! 涼宮ハルヒ!」 ハルヒ「…………?」 キョン「お前が自分で思ってるほど、お前が口にした言葉は恥ずかしくなんかない」 キョン「自己紹介の時のお前の言葉、あれはまさに昔の俺が心の中に封じ込めた夢そのものだった」 キョン「お前のおかげで、俺は大切な物を思い出せたんだよ」 737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:23:42.58 ID:XTeNcZpD0 ハルヒ「……ホントでしょうね、今言ったこと」 キョン「ああ、ホントだ」 ハルヒ「アンタも気怠い振りしときながら心の奥底では小学生みたいなこと考えてんのね」 キョン「そんな考えを前面に押し出したお前が言うな」 ハルヒ「フフ……そうかもね」 キョン「…………」 ハルヒ「……何かもう戻らなきゃって感じね」 キョン「ああ、そうだな」 ハルヒ「でも……何かあたし、すっごい眠くなってきちゃった」 キョン「……お互い、目を瞑るするか」 ハルヒ「ん……そうね」 キョン「……現実でお前がやった、この世界で俺がやった自己紹介の挨拶にも」 ハルヒ「……目をつぶって、見なかったことにしましょう」 739 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:28:56.66 ID:XTeNcZpD0 ・・・ 古泉「なるほど、そうして涼宮さんと共に眠りに落ちた後に目覚めたら現実世界に戻っていたと?」 キョン「遅刻ギリギリの時間でな、朝飯も食えなかった」 古泉「しかし……あなたもずいぶんとユニークな体験をなさいますね」 キョン「ほっとけ、お前らと出会ってからは退屈しない体験ばかりだよ」 古泉「おやおや、これは一本取られましたね」 キョン「その肩をすくめる動作も見慣れたもんだな」 古泉「しかし……疑問が一つだけあるのですが」 キョン「何だ?」 古泉「ここが現実世界ではないかもしれない、ということですよ」 741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:34:21.95 ID:XTeNcZpD0 キョン「どういうことだ?」 古泉「考えても見てください、あなたと涼宮さんはまるで夢と言ってもいいような世界へ行っていたわけです」 古泉「その夢の中でまた睡眠を取り、目覚めたら元の世界へ……というわけですね?」 キョン「何が疑問なんだ?」 古泉「こういうことです。あなたがたは夢の中で夢を見ているという可能性……」 キョン「……夢の中で夢を見て、目覚めれば現実じゃないかも、ってことか? んなバカな」 古泉「可能性がないとは言い切れませんよ?」 キョン「……付き合いきれん」 744 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:41:56.95 ID:XTeNcZpD0 バーン!! ハルヒ「やっほーいっ! 遅れたわね二人とも!」 キョン「ドアが可哀想になるくらいの力強い登場だな」 ハルヒ「いいじゃない、こんな美少女三人組に揃って通ってもらえるんだから。ねー、みくるちゃん!」 みくる「ひええぇぇぇ! 服の中に手を入れないでくだひゃい!」 長門「…………」 ハルヒ「あーもう、ホントに大きいわねこの胸! もうちょっと触らせなさい!」 みくる「す、涼宮さん!? あっ、ちょっと……そこは……ひゃああっ!」 長門「…………」 キョン「……古泉」 古泉「何でしょう?」 キョン「さっきお前はここが現実じゃないかも、と言ったが……もしそうなら俺たちはどうすればいいんだ?」 古泉「フフッ、さぁ……そうであったとしたら、ここで心行くまで遊べばいいのではないでしょうか?」 キョン「……やれやれ」 747 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 01:50:42.54 ID:XTeNcZpD0 キョン「おい、ハルヒ」 ハルヒ「何よキョン。あんたには触らせてあげないわよ?」 キョン「早いところいつもの会議とやらを始めたほうがいいんじゃないか?」 ハルヒ「んーそれもそうね、キョンのくせに良いこと言うじゃない!」 キョン(キョンくせに、は余計だ) ハルヒ「というわけで、今からSOS団の定例会議を始めます!」 キョン「……の前にハルヒ」 ハルヒ「今度は何よ?」 キョン「お前、今ワクワクしてるか?」 754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 02:06:50.60 ID:XTeNcZpD0 ハルヒ「んー、それは……有希っ!」 長門「何?」 ハルヒ「みくるちゃん!」 みくる「は、はぁいっ!」 ハルヒ「古泉くん!」 古泉「何でしょう?」 ハルヒ「それとキョン!」 キョン「ついでみたいに呼ぶな」 ハルヒ「未だに宇宙人、未来人、超能力者は見つからないけど、ここにはこの最強のSOS団が揃ってるのよ!」 ハルヒ「こんな非日常的な日常、ワクワクしないわけないじゃない!」 キョン「……そりゃ、良かったな」 755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 02:07:42.56 ID:XTeNcZpD0 ……これからもコイツに振り回される生活は続きそうだ。 だが、最後までついて行ってやろうじゃないか。 ハルヒは自己紹介の挨拶で口にした言葉を忠実に実行しているに過ぎないのであり その言葉は俺の夢でもあったのだから。 ……だが、それでもここはやはりこう言っておくとしよう。 「やれやれ」 終わり 761 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/09(土) 02:11:37.62 ID:XTeNcZpD0 方向性間違ったね、乗っ取りでめちゃくちゃ書いてすまんかった