キョン「たまには、散歩にでも行かないか……っと」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:02:07.03 ID:hUyKp75d0 キョン「送信……」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:15:04.31 ID:hUyKp75d0 ヴーヴー 佐々木(メール……誰からかしら)パカッ 佐々木「!?」 佐々木「キョ、キョン!?」 佐々木(ど、どうしてこんなに急に……。散歩って、なんで私と……」 佐々木(……ううん。キョンのことだもの……そんなこと……) 佐々木(と、とりあえず、急いで返信を……) 佐々木(久しぶりだね。少し驚いたよ。     君のメールは、具体性が無くて戸惑ってしまうよ、キョン。できれば、日時を教えて欲しいんだけど。……っと) 佐々木(おかしくない……よね?) 佐々木(うん……送信)ポチッ 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:21:56.59 ID:hUyKp75d0 キョン(具体性が無くて戸惑ってしまう、か。佐々木らしいっちゃ佐々木らしいが、さすがに今回ばかりは唐突すぎたな) キョン(日時か……そうだな……) キョン(……)ポチポチ ────────────────────── ヴーヴー 佐々木「!?」バッ 佐々木「……なっ!?」 キョン『今から、というのはさすがに唐突すぎるだろうか?』 佐々木(い、今から!? そんな……あーもう! キョン、君という人は本当に……) 佐々木(と、とにかく準備しなくっちゃ!) 佐々木(あっ、その前に返信を……)ポチポチ 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:30:32.71 ID:hUyKp75d0 キョン(構わないが準備する時間は欲しいから今から1時間後に駅前に集合、か) キョン(それまで暇だな……) キョン(……先に出かけて少し時間を潰しておくか) キョン「おーい」 妹「ん〜?」 キョン「少し出かけてくる」 妹「え〜、キョンくんどこいくの?」 キョン「ただ友達と散歩に行くだけだ」 妹「……ふ〜ん、いってらっしゃい」 キョン「ああ」 ─────────────── 佐々木(え、えぇっと……とりあえず服を……) 佐々木(ね、寝癖もついちゃってるじゃない……あ、キョンから返信……) 佐々木(あーもう!)ドタバタ 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:35:32.18 ID:hUyKp75d0 キョン(到着……)キキーッ キョン(日曜なだけあって、中々の人ごみだな) キョン(それに思っていたより肌寒い) キョン(はぁー……しかし) キョン(俺は一体何故無計画にこんなことをしているんだ……?) キョン(……) キョン(佐々木か……随分と久しぶりだな) キョン(……) 国木田「あれっ?」 キョン「ん?」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:42:52.32 ID:hUyKp75d0 国木田「キョンじゃないか。奇遇だね」 キョン「お、国木田か」 国木田「何してるの? また、例の?」 キョン「いや、不思議探索ではない」 国木田「あれっ? そうなの? 駅前に居るから、てっきりそうだと思ったよ。     でも、涼宮さんとは一緒なんでしょ?」 キョン「待て待て。何故そうなる」 国木田「……一緒じゃないの?」 キョン「あのな、別に俺は常にあいつと一緒にいるわけではないし、そもそも今日はSOS団とやらはお休みだ。     お前だって谷口はどうしたんだ」 国木田「なるほど、谷口の所在を聞かれて少しだけキョンの気持ちがわかったよ」 キョン「そりゃよかった」 国木田「ふふっ」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:51:52.71 ID:hUyKp75d0 キョン「ところで、何してるんだ?」 国木田「僕はちょっと、本屋にでも行こうかなってね。すぐ帰るつもりだよ」 キョン「なるほど……」 国木田「そういうキョンは?」 キョン「ああ……っと。そうだな。佐々木と、ちょっと散歩がてら街でもふらつくつもりだ」 国木田「佐々木さんと!?」 キョン「あ、ああ……」ポリポリ 国木田「珍しいね……って言っても、中学時代の君達を思い返せば、別におかしなことではないんだけど……。     ええっと、ごめん、てっきりキョンは涼宮さんとばかり仲が良いと思ってたよ」 キョン「まあ……その、なんだ。自分でもよくわからんのだが、佐々木がふと頭をよぎってな……。     気付いたら誘っていた。自分の無計画さに我ながら少し驚いていたところなんだが……」 国木田「佐々木さんと言えば、この前学校で話題に出たよね。ほら、谷口と話してた時に。だからじゃないかな?」 キョン「ああ、なるほど……そうかもしれん」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 21:56:37.32 ID:hUyKp75d0 国木田「というか、キョン……」 キョン「ん?」 国木田「少し聞きにくいんだけど、一つ尋ねてみてもいいかな?」 キョン「構わんが……なんなんだ?」 国木田「それってつまり、佐々木さんとデートをするってことだよね……?」 キョン「なっ!? ま、待て待て!」 国木田「だって、冷静に考えてみてよ。男女二人、休日に二人きりで遊びに行くなんて……それってもう」 キョン「いっ……いや、しかし……」 国木田「もしかして……何も意識せずに誘ったの?」 キョン「……ああ」 国木田「……はぁ」 キョン「もしかしたら俺は、とんでもないことをしでかしちまったのかもしれん……」 国木田「気づくのが遅すぎるよ」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:03:43.27 ID:hUyKp75d0 キョン「く、国木田……」 国木田「ん?」 キョン「どうしたらいい」 国木田「知らないよ……」 キョン「頼む! 後生だ! この通り! 教えてくれ!」 国木田「キョンの方が女の子と遊び慣れてるでしょ? 涼宮さんとか、長門さんとか……」 キョン「ち、違う。それはだな、ただの不思議探索であって」 国木田「嫌味かな? 僕も忙しいんだけど」 キョン「頼む! お前しかいないんだ国木田!」 国木田「……その言い方は変な意味にとられそうだからやめてくれないかな」 キョン「くっ……」 国木田「はぁ……わかったよ。これから本屋に行くし、なんかそういう雑誌でも読めばいいんじゃないかな?     少なくとも谷口に聞くよりはためになる知識が身につくと思うけど」 キョン「な、なるほど……! そうと決まれば急ぐぞ! 時間もそれほど残されていないからな!」 国木田「……ああ、うん」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:11:29.10 ID:hUyKp75d0 30分後 佐々木(と、とりあえずなんとか遅刻せずに来られたけど……キョンを待たせちゃったかな) 佐々木(ええっと……キョンは……いた) 佐々木「……ふう。すーはー……こほん。キョン。待ったかい?」 キョン「おっ、おう、佐々木! いや、今来たところだ。本当だ」 佐々木「……」 キョン「ああっと……」ポリポリ 佐々木「キョン、君とは長い付き合いだけど、少し見ない間に随分変わったね。君がそんなに嘘が下手な人間だとは知らなかったよ」 キョン「すっ、すまん……」 佐々木「……構わないけど、僕がくる前に何かあったのかい?」 キョン「ああいや、違う。別に何もない。ただこれがデーt……い、いや、気にするな」 佐々木「……」ジトー 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:18:57.00 ID:hUyKp75d0 佐々木「……なんだか拍子抜けしてしまったよ」 キョン「ひょ、拍子抜け?」 佐々木「突然の旧友からの連絡だ。それも、出かけようだなんて、驚かない方がおかしいだろう?     そんなこともあって、少し身構えてしまっていたけど、君の焦り様を見ていると、     なんだか落ち着いてしまった、ということだよ、キョン。     まあ、今の僕にはその方が都合がいいのは確かだけれどね」 キョン「そ、そうか……」 佐々木「ところで、どこに行くんだい?」 キョン「あ、ああ……っと、その前に、あー……」 佐々木「……どうかしたかい?」 キョン(あの雑誌には出会いざまにまず……なんだったか……あーっと……) 佐々木「キョン?」 キョン「あ……そ、そうか。ああ、佐々木」 佐々木「?」 キョン「ふ、服……その。よく似合ってる。……ああ」 佐々木「……へ?」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:30:23.88 ID:hUyKp75d0 佐々木「……なっ!? なにをっ」 キョン「い、いや、その、なんだ! だから」 佐々木「キョ、キョン! 今日の君は、本当に……えぇっと、何を言ってるのか分かってるのかい!?」 キョン「あ、ああ」 佐々木「おかしい、君らしくない。本当に別人なんじゃないかと疑ってるよ。      君は本当に、その……キョンなのかい?」 キョン「ま、間違いなく俺だが、今のはその……佐々木?」 佐々木「な、なんだい?」 キョン「……何故そっぽを向いている」 佐々木「べ、別にっ、関係ないだろう?」 キョン「いや、構わないんだが……その、少し話しづらいというかだな」 佐々木「……か、構わないのなら放っておくべきだ。全く、君はデリカシーというものが……ぼ、僕にも見られたくない時というのがあって」 キョン「……ま、まあ、その。突然俺らしくないことを言って悪かったな。すまん」 佐々木「べ、別に……少し驚いただけだよ。謝る必要は、ない……と思う。うん」 キョン「そ、そうか……」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:39:16.05 ID:hUyKp75d0 佐々木「……なんだか波乱万丈な一日になりそうだよ、キョン」 キョン「あ、ああ……なるべく気をつける」 佐々木「まさかこんなにも君に振り回されるとはね……」 キョン「自分の中では、何も変わっていないつもりだったんだが」 佐々木「君のことがよく分からなくなってしまったよ」 キョン「待て待て、ここから普通だ。安心してくれ」 佐々木「……はぁ、まあ、君のいうことだからね。一応信用させてもらうよ」 キョン「……あんまり信用されてないみたいだな」 佐々木「……くっくっ」 キョン「はは……」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:47:29.98 ID:hUyKp75d0 トコトコ 佐々木「キョン、ところでこの散歩に目的はあるのかい?」 キョン「それについては謝らないといけないことがあってだな……」 佐々木「ああ、その必要はないよ、キョン。今の一言で察しがついてしまった」 キョン「さすが、鋭いな」 佐々木「褒めても何もでないよ」 キョン「おっと。俺もお前に対して"変わったな"と言ってみたいもんなんだがな」 佐々木「変わって欲しいのかい?」 キョン「いや……そのままで十分だ」 佐々木「……くっくっ、そう言って貰えるのはありがたいね」 キョン「佐々木は佐々木だからな」 佐々木「……そうだね。最初は驚かされたけど、結局君も君だ。その証拠に、      今もこうして、昔と変わらずに会話することができている。それこそ、何の違和感も無く、ね」 キョン「そりゃよかった」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 22:54:30.90 ID:hUyKp75d0 キョン「そうだ佐々木。肌寒くないか?」 佐々木「んっ……確かに、今日は思ったより空気が冷えてるね」 キョン「オーケー。コーヒーでも買ってくるか」 佐々木「僕も付き添うよ」 キョン「いや、佐々木はそこの公園で待っててくれ。すぐ戻る」 佐々木「あっ……行っちゃった。……なんか、少し頼もしかったかも……って、僕は一体何を……」ブンブン 佐々木(おとなしく、ベンチに座って待っておくことが今の僕にできる最大の役目なのかもね) 佐々木(では、お言葉に甘えて……)ストン 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 23:01:51.68 ID:hUyKp75d0 キョン(雑誌では、帰って来ると同時に、相手の頬に缶コーヒーをあてると書いてあったな) キョン(しかし、本当にそんなのがデートの定番なのか?) キョン(下手したら火傷とかするんじゃないのか。それに、そんなことしているやつなぞ見たことないんだが) キョン(頬にコーヒーをあてることで相手に温かさを与えるもんだと思うんだが……それなら) キョン(……) キョン「佐々木、すまんな、待たせたか? ほら」 佐々木「ありがとう。……温かいね」 キョン「ああ。それと……肌寒いだろ」ファサァ 佐々木「!?」 キョン「俺のコートでよけりゃ。無いよりは幾分かマシだろうしな」 佐々木「……あっ、そのっ……ありがとう」カァ 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/06(水) 23:03:05.82 ID:hUyKp75d0 寝るわ 多分お前らが思ってる以上に寝るから落としてください