シンジ「アスカ様ファンクラブ?」 1 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [] 投稿日:2012/12/22(土) 21:35:01.86 ID:8QWBDY3XP シンジ「はー、アスカ可愛い」 シンジ「なんであんなに可愛いんだよ」 シンジ「クォーターで?」 シンジ「大学卒業してるのに、中学校に通っていて?」 シンジ「プライド高いくせに、実は繊細で?」 シンジ「口癖が『あんたバカぁ?』」 シンジ「なんだよ、その属性」 シンジ「反則だろ」 シンジ「はん! そく! だっ! ろっ!!」ダンダン シンジ「……はぁ」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:37:19.91 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「おい、碇」 シンジ「ケ、ケンスケ!?」 ケンスケ「聞いたぜ、今の魂の叫び」 シンジ「いや、今のは、その」 ケンスケ「何も言わなくていい。全て分かっている」 シンジ「え?」 ケンスケ「……まさか、お前も同志だったとはな」 シンジ「どういう意味?」 ケンスケ「ついて来い。真理を見せてやる」 シンジ「ちょっ、待ってよケンスケ!」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:39:21.37 ID:8QWBDY3XP 司会「今日の目玉写真はこれだ! 髪を解いたアスカ様!!」 男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』 司会「500円から! それではスタート!!」 男A「700円!!」 男B「1000円!!」 男C「1200円!!」 シンジ「こ、ここは?」 ケンスケ「『式波・アスカ・ラングレー大尉を、遠くからひっそりと見守る男たちの集う会』」 シンジ「……」 ケンスケ「通称、アスカ様ファンクラブだ」 シンジ「アスカ様ファンクラブ……?」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:41:25.09 ID:8QWBDY3XP シンジ「何をするところなの?」 ケンスケ「基本的には、アスカ様について延々語り合う場所だ」 シンジ「アスカのことを?」 ケンスケ「―――バカ野郎!!」 シンジ「!」ビクッ ケンスケ「いくら碇でも、この場所でアスカ様を呼び捨てにしてみろ」 シンジ「ど、どうなるの?」 ケンスケ「……二度と、その口から、アスカ様の名を口に出すことのできない体にしてやる」 シンジ「そうなんだ……ごめん、もう二度と呼び捨てにしないよ」 ケンスケ「分かってくれればいいんだ」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:42:28.07 ID:8QWBDY3XP シンジ「ねぇ、あっちはなにか盛り上がっているみたいだけど」 ケンスケ「ああ、あれはアスカ様オークションだ」 シンジ「アスカ様オークション?」 ケンスケ「アスカ様の写真を、オークション形式で売りさばくんだよ」 シンジ「へぇー」 ケンスケ「ちなみに、過去最高額を叩きだした写真は『スク水アスカ様、お尻のくいこみを直す瞬間』だ」 シンジ「……いくらだったの?」 ケンスケ「12万8000円」 シンジ「じゅうにま……っ!?」 ケンスケ「落札者は、碇ゲンドウ氏だ」 シンジ「父さん!?」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:44:31.57 ID:8QWBDY3XP シンジ「父さんが、そんな……ウソでしょ……?」 ケンスケ「ゲンドウ氏は、このファンクラブのスポンサーでもあるんだぜ」 シンジ「信じられない、信じたくないよ……」 ケンスケ「ファンクラブには結構、意外とも思える人物がいるぜ。ほら、あそこにも」 シンジ「え?」 トウジ「―――おー、碇やないか。お前もとうとう、この地へ来たんか」 シンジ「トウジ!」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:46:35.86 ID:8QWBDY3XP シンジ「どうして、ここに」 トウジ「そんなん、アスカ様を愛しているからに決まっとるやないか」 シンジ「だ、だって、いつもケンカしてるじゃないか」 トウジ「あー、あれはご褒美を貰うためや」 シンジ「ご褒美……?」 トウジ「ほれ」ピッ 『アンタって、ほんとバカね!』 シンジ「……」 トウジ「こうやって、録音してな。何度も繰り返し聞いとるんや」 シンジ「……」 トウジ「オークションでも高値で売れるしな。ほんま、アスカ様の罵倒はたまらんわ」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:48:30.31 ID:8QWBDY3XP シンジ「……委員長は?」 トウジ「ん?」 シンジ「トウジには、委員長がいるじゃないか。なのに、どうして」 トウジ「いいんちょか……まぁ、ここでは隠す必要ないな。ワシはいいんちょが好きや」 シンジ「!」 トウジ「でも、アスカ様に対するそれとは次元が違う。アスカ様はこの世に御降臨なされた天使やからな」 シンジ「て、天使?」 トウジ「せやろ?」 シンジ「うん……まぁ、そうだね」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:50:57.45 ID:8QWBDY3XP トウジ「そもそも、このファンクラブを作ったんは、ワシとケンスケなんやで」 シンジ「えっ」 トウジ「なっ、ケンスケ?」 ケンスケ「ああ、最初は二人きりのファンクラブだった」 シンジ「そうなんだ」 ケンスケ「しかし、一人、また一人と同志に声をかけ、仲間にしていき……」 トウジ「今では、このとおり、体育館一杯を埋め尽くすほどのファンクラブになったんや」 シンジ「すごいね」 ケンスケ「俺は将来、就職活動の面接で『学生時代になにを頑張ったか?』と問われれば、迷わずにこう答えるね」 ケンスケ「『アスカ様ファンクラブの会長として、民衆を導きました!』 って!!」 シンジ「それは、やめといた方がいいと思うけど」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:53:06.42 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「一つ悲報なんだが、碇はファンクラブの会員から嫌われてるよ」 シンジ「どうして!?」 ケンスケ「そりゃあ、アスカ様に一番近しい男だからな。一緒に暮らしてるし」 シンジ「そ、それは……」 トウジ「このままやと、会員に袋叩きにされてもおかしゅうない」 シンジ「そんなぁ……」 ケンスケ「そこで、頼みがあるんだが―――」 シンジ「―――え?」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:55:20.43 ID:8QWBDY3XP ―――ミサトの家 シンジ「ただいま」 アスカ「帰ってくるのがおそい」 シンジ「ごめん」 アスカ「なにやってたのよ」 シンジ「それは……色々だよ」 アスカ「……? まぁいいわ、早くご飯作ってよね」 シンジ「うん、今すぐ作るよ」 アスカ「もう、お腹ぺこぺこ」 シンジ「……」 シンジ「……」パシャッ アスカ「!?」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:57:30.74 ID:8QWBDY3XP アスカ「ちょっと!」 シンジ「な、なに?」 アスカ「なに? じゃないわよ! なんで写真撮ったのよ!」 シンジ「それは……」 アスカ「また言えないの?」 シンジ「……うん」 アスカ「だったらいいわ、カメラ貸しなさい」 シンジ「え?」 アスカ「データ消すから。ほら、早く!」 シンジ「だ、駄目だよ!」 アスカ「しょーぞーけんの侵害よ!」 シンジ「だって、これは……これは! 僕の目の保養にするんだ!!」 アスカ「……へっ?」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 21:59:36.52 ID:8QWBDY3XP アスカ「め、目の保養って、あんたねぇ!」 シンジ「ほら、可愛い女の子の写真が部屋にあると、華やかになるじゃないか!」 アスカ「かわっ……!?」 シンジ「アスカの写真が必要なんだ! どうしても!!」 アスカ「ひ、ひつ……?」 シンジ「だから、お願いだよ。見逃してよ」 アスカ「……」 シンジ「アスカ?」 アスカ「え、あ……その、可愛い女の子の写真っていうのは」 シンジ「うん」 アスカ「私じゃなきゃ、駄目なの?」 シンジ「当たり前だろ」 アスカ「そ、そうなんだ……ふーん……」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:01:58.97 ID:8QWBDY3XP アスカ「じゃ、じゃあ分かったよ。アスカ様は寛大だから、見逃してやるわ」 シンジ「ほんとに!?」 アスカ「ええ」 シンジ「良かったー。これが奪われたら、この世の終わりだよ」 アスカ「そんなに……?」 シンジ「うん!」 アスカ「……なら、しょうがないわね」 シンジ「ありがとう、アスカ!」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:04:27.22 ID:8QWBDY3XP アスカ「でも、いきなり撮るのはやめてよね」 シンジ「いきなりじゃないと、意味がないんだ」 アスカ「どうして?」 シンジ「だって、いつものアスカが一番可愛いはずだって、ケンスケが……」 アスカ「えっ?」 シンジ「あ、いや! いつものアスカが一番可愛いって僕は思うから!」 アスカ「……本気で言ってる?」 シンジ「もちろん!」 アスカ「あっそ……まぁ別にうれしくないけどね、うん……」 シンジ「?」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:07:08.09 ID:8QWBDY3XP シンジ「……じゃあ、ご飯作るから、待ってて」 アスカ「は、早くしなさいよね!」 シンジ(よーし、写真GETだ) シンジ(これで、会員の人に殺さなくて済むよ) シンジ(それはともかく、今日のアスカも可愛かったなぁ……) アスカ「……」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:09:59.31 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「―――さて諸君、新たな会員が生まれたのは知ってるな?」 男たち『……』 ケンスケ「その者は、かつては俺たちの敵だった、かつては忌むべき存在だった……」 男たち『……』 ケンスケ「しっかぁーし! その者は、私たちの仲間に加わった! このような手土産を持参して!!」バシーン 男たち『そ、それは!』 ケンスケ「そう! 『部屋着アスカ様! 気を抜いてゴロゴロ』……という写真だ!!」 男たち『う、うぉおおおおおおおおおお!!』 ケンスケ「しずまれぇーい!! ……まずは、この写真を持ってきた男の自己紹介だ」 ケンスケ「来い、碇」 シンジ「―――あ、どうも、碇シンジです」 男たち『……』 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:13:20.14 ID:8QWBDY3XP シンジ「みなさんが、僕のことを嫌っていたのは知ってます」 シンジ「アスカ様の近くにいるんだから、当り前です」 シンジ「それも、たまたま……運が良かっただけで」 シンジ「席替えで、自分の好きな子の隣になった男子を恨むような……そんな気持ちにさせてしまったと思います」 シンジ「ですが、一つだけ、僕らには通じるものがあります」 シンジ「それは、アスカ様が大好きだってこと」 シンジ「それは、アスカ様のためなら死ねるってこと」 シンジ「……アスカ様を好きな人に、悪い人なんていません」 シンジ「僕たちは一つ。アスカ様が好きというカテゴリーの中の、一つの存在に過ぎないんです」 シンジ「だから、争ったり、憎んだり……そんな馬鹿げたことはやめませんか?」 シンジ「アスカ様を愛するという行為以外に、必要なものなんて、ありますか?」 シンジ「僕は、そう思わないから、だから……」 シンジ「……」 シンジ「話は、以上です」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:15:37.95 ID:8QWBDY3XP シンジ「……」 シンジ「……」 パチ、パチ…… シンジ「!」 パチ、パチパチ、パチ! シンジ「みんな……!!」 パチパチパチパチパチ!! パチパチパチパチパチ!! 男たち『そうだ、アスカ様を好きなやつに悪い奴なんていないんだ!!』 男たち『うぉおおおおおおおおアスカ様ぁあああああ!!』 男たち『世界はアスカ様で一つになるぞおおおおおおお!!』 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:18:29.61 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「さぁーて、感動的なシーンも終わったところで、さっそくオークションといきますか!」 トウジ「今日の目玉はもちろん?」 ケンスケ「碇が持参してきた写真、だな!」 トウジ「せやな!」 冬月「今日の予算は?」 ゲンドウ「……私に限界などない」 冬月「そうだったな」 シゲル「やれやれ、今月も苦しくなりそうだ」 マコト「カップラーメンで日々を過ごす覚悟は出来てますよ!」 加持「頼もしいな、流石はNERV職員だ」 ペンペン「クエッ!」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:21:00.29 ID:8QWBDY3XP ―――ミサトの家 アスカ「ねぇ、暇だからゲームの相手してよ」 シンジ「ごめん。僕はこれから行くとこがあって」 アスカ「……また出かけるの?」 シンジ「うん」 アスカ「最近、いっつも出かけてるけど、どこ行ってんのよ」 シンジ「ちょっと、ね」 アスカ「……帰ってくるのも遅いんでしょ?」 シンジ「そうなっちゃうかも」 アスカ「……」 シンジ「じゃあ、行ってくるね」 アスカ「……」グイッ シンジ「?」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:23:21.53 ID:8QWBDY3XP シンジ「どうしたの?」 アスカ「……」 シンジ「離してくれないと、出かけられないよ」 アスカ「……」 シンジ「アスカ?」 アスカ「私も行く」 シンジ「えっ!?」 アスカ「暇なんだもん」 シンジ「いや、でも、ダメだよ」 アスカ「どうして?」 シンジ「……男だけの場所だし」 アスカ「邪魔しないから!」 シンジ「そういう問題じゃ……」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:26:14.06 ID:8QWBDY3XP アスカ「……そんなに私が邪魔なの?」 シンジ「ち、違うよ! そんなわけないじゃないか!」 アスカ「でも、来るなって」 シンジ「色々あるんだよ」 アスカ「色々って、なによ」 シンジ「と、とにかく! 勘弁してよ、アスカ!」 アスカ「……」 シンジ「今日のご飯は、アスカの好きなものにするから! ね?」 アスカ「……わかった」 シンジ「ほんと? よかった!」 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:28:55.36 ID:8QWBDY3XP シンジ「なにが食べたい?」 アスカ「エビフライ」 シンジ「りょーかい。じゃ、行くね」 アスカ「……ねぇ」 シンジ「ん?」 アスカ「早く、帰ってきなさいよ……?」 シンジ「うん、分かった」 アスカ「……」 シンジ「行ってくるね」 アスカ「行ってらっしゃい」 アスカ「…………」 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:31:53.01 ID:8QWBDY3XP ―――ファンクラブ会場 ケンスケ「今日の写真はこれだ! 『眠気に耐えきれず船を漕ぐアスカ様!』」 男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』 ケンスケ「800円からぁあああ……スタート!」 男A「1100円!」 男B「1300円!」 男C「1500円!」 ゲンドウ「……10000円」 男D「いちまんんんっ!?」 男E「畜生! 相場を守れよ、会員ナンバー12番!!」 冬月「……買ったな」 ゲンドウ「ああ」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:34:52.23 ID:8QWBDY3XP シンジ「……」 加持「やぁ、シンジ君」 シンジ「加持さん!」 加持「隣、いいかい?」 シンジ「あ、はい、どうぞ」 加持「失礼するよ」 シンジ「……盛り上がってますね」 加持「そうだな。やはり、部屋着は可愛い」 シンジ「同感です」 加持「君のおかげだ、シンジ君」 シンジ「そんな、僕なんて、別に……」 59 名前:ごめん、順番ミス>>58の前[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:38:22.17 ID:8QWBDY3XP シンジ「……」 加持「気になることでもあるのか?」 シンジ「……父さんが」 加持「自分の父親が、ああしてなにかに熱狂している姿は、やはり見たくないものか?」 シンジ「それもそうですけど……分からなくて」 加持「分からない?」 シンジ「だってそうじゃないですか。大好きなはずなのに……どうして、アスカ様をエヴァのパイロットとして、危険な目に遭わせるんですか?」 加持「それは、俺も碇司令に尋ねたことがあるよ」 シンジ「父さんは、なんて?」 加持「戦うアスカ様も、可愛い」 シンジ「……なるほど」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:37:23.62 ID:8QWBDY3XP 加持「知ってるか? プラグスーツっていうのは、碇司令が自らデザインしたものなんだ」 シンジ「えっ?」 加持「言っちゃ悪いが……アレだろ?」 シンジ「たしかに……ちょっと卑猥ですよね」 加持「アスカ様に性を連想させるような格好を強要させる司令を、糾弾する声も少なくない」 シンジ「そういった行為はご法度ですもんね」 加持「しかし、こういう理由で決着がついた……『ギリギリを目指すその姿勢、悪くない』」 シンジ「!」 加持「パンチラは駄目だ。だが、アンスコは許す……その理念に則っているとも言えなくないしな」 シンジ「……」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:42:39.14 ID:8QWBDY3XP シンジ「すみません、つまりどういうことですか?」 加持「碇司令も色々悩んでいるってことさ」 シンジ「……?」 加持「本当は戦わせたくない。でも、可愛いから戦わせたい」 加持「エロは駄目だ。でも、エロいのも見たい」 加持「守りたい。でも、守れないから―――」 シンジ「ファンクラブの会員に、守らせる……」 加持「そういうことだ。このファンクラブがある限り、アスカ様は人為的な脅威に晒されることはないだろうしな」 シンジ「……」 加持「このファンクラブ自体が脅威と言えなくもないが」 シンジ「それを言ったら、お終いですよ」 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:45:17.34 ID:8QWBDY3XP シンジ「……アスカ様は、すごいですね」 加持「ん?」 シンジ「父さんもそうだけど、こんな大勢の人に愛されて」 加持「そうだな」 シンジ「みんなの、アスカ様ですね」 加持「ああ、俺たちのアスカ様だ」 シンジ「……」 加持「どうかしたか?」 シンジ「いえ、なんでも」 加持「?」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:47:18.74 ID:8QWBDY3XP ―――ミサトの家 アスカ「おかえり」 シンジ「ただいま」 アスカ「今日は、早かったじゃない」 シンジ「早く帰って来いって、言ったじゃないか」 アスカ「言ったわね」 シンジ「そうだろ?」 アスカ「……ふふっ、そうね、言ったわ」 シンジ「?」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:49:19.51 ID:8QWBDY3XP アスカ「ねぇ、ご飯作るまで、まだ時間あるでしょ?」 シンジ「えーっと……うん」 アスカ「じゃあ、私の部屋でゲームするから、来なさい」 シンジ「それは駄目だよ」 アスカ「えっ?」 シンジ「あ、その、宿題やんないといけないから」 アスカ「……そんなの、後でもいいじゃない」 シンジ「今、やっておきたいし」 アスカ「……」 シンジ「ほ、ほら! 僕ってなにをやるのも遅いから! 出来る時にやっておかないと!」 アスカ「そうかも、しれないけど」 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:51:43.47 ID:8QWBDY3XP シンジ「僕だってアスカと遊びたいけど、でも、ね?」 アスカ「ほんとに?」 シンジ「ほんとほんと」 アスカ「じゃあ、いいけど」 シンジ「ありがと、じゃあね」 アスカ「じゃあね、って……」 ガラッ ピシャ アスカ「…………」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:54:18.60 ID:8QWBDY3XP ―――翌日 アスカ「ふぁーあ」 ミサト「おはよ、アスカ」 アスカ「おはよう……ん、あれ?」 ミサト「どうしたの?」 アスカ「シンジは?」 ミサト「学校行ったけど」 アスカ「もう? なんで?」 ミサト「さぁ。早めに行きたい気分だったんじゃない?」 アスカ「ふーん……」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:56:46.32 ID:8QWBDY3XP ミサト「なぁーに、アスカ? 一緒に学校行けなくて寂しいの?」 アスカ「……んなわけないでしょ」 ミサト「あら、手厳しい」 アスカ「ったく、それより私の分のご飯は?」 ミサト「トースターにセットしてあるから、自分で焼いてください―い」 アスカ「それくらいミサトがやってくれればいいのに。保護者なんだから」 ミサト「それくらい自分でやってよ。中学生なんだから」 アスカ「……もうっ!」 ミサト「ふふっ」 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 22:58:50.37 ID:8QWBDY3XP ―――学校 アスカ「バカシンジ」 シンジ「なに?」 アスカ「これからNERVでしょ? 行くわよ」 シンジ「あ、そうだね……ちょっと待ってて」 アスカ「?」 シンジ「―――綾波!」 綾波「なに?」 シンジ「綾波も、僕たちと一緒に行こうよ」 綾波「ええ」 シンジ「よかった」 アスカ「…………」 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:01:32.23 ID:8QWBDY3XP シンジ「じゃ、行こうか」 アスカ「……」 シンジ「アスカ?」 アスカ「……なによ」 シンジ「どうかした?」 アスカ「どうかするわけないでしょ!」 シンジ「な、なんだよ、急に大声出して」 アスカ「……」 シンジ「変なアスカ」 アスカ「……」 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:03:30.69 ID:8QWBDY3XP ―――ファンクラブ会場 ケンスケ「さて、今日の議題だが」 トウジ「近頃、アスカ様の顔が優れない件についてやな」 ケンスケ「誰か、知ってる人はいないか?」 男たち『……』 ケンスケ「……」 トウジ「センセはどないや」 シンジ「なんで、僕に聞くんだよ」 ケンスケ「一緒に住んでるんだから、当然だろ」 シンジ「うーん……ごめん、分からないや」 ケンスケ「そうか……」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:06:39.45 ID:8QWBDY3XP 加持「ちょっといいかな?」 ケンスケ「なんだ、会員ナンバー238番」 加持「アスカ様は、退屈なんじゃないか?」 ケンスケ「退屈?」 加持「同居人碇シンジは、少し前まではアスカ様が暇な時間、よく一緒にいたらしい」 ケンスケ「そうなのか?」 シンジ「それは……まぁ、うん」 加持「しかし、彼がこのファンクラブの会員となったことで、暇な時間を潰す相手がいなくなった」 ケンスケ「なるほど、徐々にストレスが蓄積していったと」 加持「ああ」 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:09:30.43 ID:8QWBDY3XP 加持「というわけで、同居人碇シンジを即座に家に帰すことを提案します」 シンジ「ちょっと待ってください! それは……」 加持「不服か?」 シンジ「いえ、その」 加持「アスカ様の為を思うならば、君の事情など、無視するべきだと思うが?」 シンジ「……」 加持「会長」 ケンスケ「そうだな。碇、行って来い。これは会長としての命令だ」 シンジ「……」 ケンスケ「碇」 シンジ「わ、分かったよ!」ガタッ 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:11:57.45 ID:8QWBDY3XP ガチャッ バタン ケンスケ「……」 トウジ「……」 加持「……」 男たち『……』 ケンスケ「238番」 加持「なんだい?」 ケンスケ「今の行動で……終わるかもしれないぞ」 加持「いいだろ。それは、アスカ様の幸せの始まりでもある」 ケンスケ「……」 加持「きっとな」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:13:40.57 ID:8QWBDY3XP ―――ミサトの家 シンジ「ただいま」 アスカ「……ずいぶん、早いじゃない」 シンジ「そうかな?」 アスカ「そうでしょ」 シンジ「たまには、こういうこともあるよ」 アスカ「たまには、ね……」 シンジ「ん?」 アスカ「別に」 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:15:26.90 ID:8QWBDY3XP シンジ「ねぇ、アスカ」 アスカ「なによ」 シンジ「ゲームやろうよ」 アスカ「ゲーム……?」 シンジ「だめ?」 アスカ「……なんで、そんなこと言いだしたのよ」 シンジ「特に意味はないけど」 アスカ「ウソ」 シンジ「嘘じゃないってば」 アスカ「……」 シンジ「やらないなら、別にいいけど」 アスカ「……やるわよ! やればいいんでしょ!!」 シンジ「う、うん」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:18:06.26 ID:8QWBDY3XP シンジ「ソフト、これでいい?」 アスカ「ええ」 シンジ「じゃあ、始めよっか」 アスカ「ええ」 シンジ「……」ピコピコ アスカ「……」ピコピコ シンジ「……」 アスカ「……」 シンジ「アスカ、楽しい?」 アスカ「楽しくない」 シンジ「そ、そっか」 アスカ「……」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:20:21.33 ID:8QWBDY3XP アスカ「アンタさぁ」 シンジ「なに?」 アスカ「最近、なんで私のこと、避けてるわけ?」 シンジ「……避けてないけど」 アスカ「避けてたじゃん」 シンジ「避けてないって」 アスカ「―――避けてたでしょ!!」 シンジ「……!」 アスカ「なんで、ウソつくのよ」 シンジ「……」 アスカ「そんなに、私のこと……」 シンジ「いや、その」 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:22:45.29 ID:8QWBDY3XP アスカ「……」 シンジ「……」 アスカ「……」 シンジ「……」 アスカ「……う゛」 シンジ「あ、アス……!」 アスカ「うるさいバカこっち見んな」 シンジ「……」 アスカ「う、う゛ううううううううう」グスッ シンジ「……」  107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:24:52.68 ID:8QWBDY3XP シンジ「ごめん、アスカ。寂しかったよね」 アスカ「ざびじくない……」 シンジ「だよね。ごめん」 アスカ「うる゛ざい……」 シンジ「……これからは、ちゃんと時間とるよ」 アスカ「あだりまえ゛よ」 シンジ「そうだよね。それが、当り前だよ」 アスカ「……」グスッ 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:26:34.71 ID:8QWBDY3XP シンジ「僕が一番大事なのはアスカだから」 シンジ「これからは、二度と放っておいたり、しないから」 シンジ「だから、許してくれる……?」 アスカ「……」グスッ シンジ「……」 アスカ「……次は、絶対に許ざない」 シンジ「うん、許さないでいいよ。もうやらないから」 アスカ「……なら……許ず……」 シンジ「ありがとう、アスカ」 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:28:29.25 ID:8QWBDY3XP ―――ファンクラブ会場 シンジ「ファンクラブをやめさせてください」 ケンスケ「……理由は?」 シンジ「もっと、アスカと一緒にいたいから」 ケンスケ「……」 トウジ「分かってて言ってるんやな?」 シンジ「うん、ここにいる人たち、全員を敵に回す発言だよね」 トウジ「それでも、撤回はしないと?」 シンジ「僕は、自分よりアスカが大事だから」 トウジ「……」 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:30:29.39 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「碇」 シンジ「なに?」 ケンスケ「俺は、お前が妬ましい」 シンジ「……ごめん」 ケンスケ「五臓六腑を細切れにして、海鳥のえさにしてやりたい」 シンジ「そ、そこまで!?」 ケンスケ「でも……」 シンジ「?」 ケンスケ「―――お前といることが、アスカ様の一番の幸せなんだよなぁ」 シンジ「……!」 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:32:42.92 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「アスカ様の幸せこそ、俺たちの幸せ……そうだよな、みんな!」 男たち『応っ!!』 シンジ「みんな……!」 冬月「それにな」 シンジ「えっ?」 ゲンドウ「―――会員の幸せもまた、然り」 冬月「というわけだ」 シンジ「父さん……!!」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:36:09.71 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「その代わり、アスカ様を大切にしろよ?」 シンジ「うん」 トウジ「アスカ様の笑顔を奪おうもんなら、ワシがぶん殴ったるからな」 シンジ「うん!」 ケンスケ「では、以上を持って」 トウジ「会員ナンバー812番。碇シンジの登録を抹消する」 ケンスケ「一同、礼!」 ビシッ!! シンジ「―――ありがとう、ございました!!」 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:39:00.48 ID:8QWBDY3XP ケンスケ「……これで、よかったんだよな?」 加持「ああ」 トウジ「部屋着が見れなくなるだけや」 シゲル「それはけっこう痛いな」 冬月「この際、女性会員の確保に乗り出すか?」 ゲンドウ「……あの家には一人、使えそうな人間がいたな」 マコト「あれ? その前に……」 ペンペン「クエッ?」 男たち『うぉおおおおお! アスカ様ファンクラブは不滅だぁあああああああ!!』 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:41:29.47 ID:8QWBDY3XP エピローグ アスカ「ねぇ」 シンジ「ん?」 アスカ「最近、写真撮らなくなったわね」 シンジ「あー……」 アスカ「どうして?」 シンジ「だって、ほら」 アスカ「?」 シンジ「写真より、実物の方が……ね」 アスカ「うっ」 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:43:30.46 ID:8QWBDY3XP シンジ『本当にやめて良かったの? ファンクラブ』 ケンスケ『ああ、未来への投資っていう意味もあるから』 シンジ『?』 ケンスケ『なぁ碇、女の子の一番可愛い表情って知ってるか?』 シンジ『……笑顔とか?』 ケンスケ『惜しい』 シンジ『正解は?』 ケンスケ『好きな人に見せる笑顔だ』 シンジ『えっ』 ケンスケ『碇なら、アスカ様から引き出せるかもな』 シンジ『そんな、僕は別に……』 ケンスケ『少なくとも、俺よりはずっと確率が高いだろ?』 シンジ『それはまぁ』 ケンスケ『否定しろよ!?』  128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:44:57.97 ID:8QWBDY3XP シンジ「……」 アスカ「なに?」 シンジ「アスカはいつも可愛いから、これ以上があるのかなって」 アスカ「は、はぁ?」 シンジ(でも、いつかは……なんてね) アスカ「?」 終劇 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:46:00.67 ID:8QWBDY3XP シンジとアスカがいちゃつくだけのを書きたい。 でも流石にそれは……と思った果てがこれです。どうもでした。 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:47:42.36 ID:1qafwNpe0 >>130 >‎シンジとアスカがいちゃつくだけのを書きたい。 なんで書きたいもん書かないの?俺たちに迎合するおまえなんて見たくねぇんだよ 書きたいもんをストレートに書けよ 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/22(土) 23:58:21.73 ID:8QWBDY3XP >>135 せやなぁ。じゃあ俺の欲求を消化するためだけにちょっと今から書くわ。 せっかくスレがあるし。 ただ、このSSとはまったく無関係で、ただひたすらイチャつかせるだけな。 途中で風呂も入る。寝オチするまでという時限爆弾付きで。