フラム「もうお着きですか?ゼハート様」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:28:23.82 ID:ww9JNWVB0 フラム「早かったですね、ゼハート様」 ゼハート「……」 フラム「もしかして、ここが目指していたエデンなのですか?」 ゼハート「……」 フラム「でもよかったです。こんなに早く、ゼハート様とお話できると思いませんでしたから」 ゼハート「……」 フラム「私も来たばかりですが、ほら、結構いい場所ですよ、ここ」 ゼハート「……」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:31:24.27 ID:ww9JNWVB0 フラム「ゼハート様、聞こえていますか?」 ゼハート「……聞こえている」 フラム「死んだ後って、こんな世界になってるんですね」 ゼハート「……今まで散っていった同胞たちの顔も見えるな」 フラム「そうですね。そうだ、ここから現世の様子が見えるんですよ」 ゼハート「……」 フラム「ああー……。どうなっちゃうんでしょうね、ヴェイガン」 ゼハート「……」 フラム「あっ!大丈夫です、心配しないでください」 フラム「私はこっちに来たばかりだったので、ゼハート様の最期は見ていないんです」 フラム「でも前からいた人たちは……」 ゼハート「……」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:34:22.49 ID:ww9JNWVB0 ゼハート「……っている」 フラム「?」 ゼハート「知っている。見られていた事は、なんとなく感じていた」 フラム「そうでしたか。追い詰められた人間は、勘が鋭くなるものかもしれませんね」 ゼハート「……兄さんが、凄く嬉しそうな顔で見ていた」 フラム「そういえば……。デシル様、先ほどまでそこでニヤニヤしていましたけど、どこか行っちゃいました」 ゼハート「……」 フラム「ゼハート様、聞いていいですか?どのような最期だったのか」 ゼハート「……」 フラム「相手に質問する前に、自分の方から言わなくてはいけませんでしたね」 フラム「私は、あそこにいる人と相打ちになったあと、砲撃で……」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:37:23.31 ID:ww9JNWVB0 ゼハート「……」 フラム「私は頑張ったんですが、Xラウンダーでもないあのパイロットは恐ろしく強くて」 ゼハート「……」 フラム「そんな感じで、私、死んじゃいました!」 ゼハート「……」 フラム「ゼハート様、聞いてます?」 ゼハート「……聞いている。しかしフラム、なんだか話し方が違うな」 フラム「ええ、死んじゃいましたから。色々解放されたような気がしまして」 ゼハート「……そうか」 フラム「それで、ゼハート様はどんな最期を迎えたんですか?」 ゼハート「……」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:40:05.69 ID:ww9JNWVB0 ゼハート「……ムに」 フラム「?」 ゼハート「ガンダムにやられた」 フラム「……」 フラム「おかしいと思ったんですよ。ガンダムのパイロットと思われる人が、こっちでは全然見当たらないし」 フラム「まさかとは思いますが、ガンダム、一機も落とせなかったんですか?」 ゼハート「……すまん」 フラム「じゃあ私たち、無駄死にだったという事ですか?」 ゼハート「……すまん」 フラム「あっ!ほら見てください!ガンダム三機、健在ですよ!ホントにしぶといですね!」 ゼハート「……すまん」 フラム「そういえば、どのガンダムにやられたんですか?」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:42:57.67 ID:ww9JNWVB0 フラム「ファンネルのついた機体ですか?」 ゼハート「……違う」 フラム「じゃあフリット・アスノの機体ですね!あの人、いつまで戦場に出てくるつもりなのかしら」 ゼハート「……それも違う」 フラム「えっ。じゃあ、まさか黒いガンダムに……?」 ゼハート「……そうだ」 フラム「アスノ家で、唯一Xラウンダーじゃない、黒いガンダムのパイロットに!?」 ゼハート「……そうだ」 フラム「なんで?」 ゼハート「……」 フラム「あ、ごめんなさい。私もXラウンダーじゃない相手にやられちゃったんだっけ」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:45:46.10 ID:ww9JNWVB0 ゼハート「……しかし私は、ガンダムレギルスに乗っていたのだぞ」 フラム「私だって、フォーンファルシアで、カスタム機とはいえ量産型にやられちゃったんですが」 ゼハート「……」 フラム「五分五分 ってところですかね」 ゼハート「……そうだな」 フラム「敵と遭遇してから、一瞬で決着がついたと聞きましたけれど」 ゼハート「……フラム。私の最期は見ていない と言ったのは嘘だったのか?」 フラム「いいえ。いま通りがかったデシル様が教えてくれました」 フラム「ゼハート様、ずっと下を向いているから気づかないんですよ」 ゼハート「……兄さんはどんな顔をしていた」 フラム「最高に歪んだ笑顔をしてました」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:48:40.44 ID:ww9JNWVB0 フラム「色々背負って、落ち込んでいるみたいですけれど死んじゃったんです。今更気にしてもしょうがないですよ」 ゼハート「……」 フラム「ほら!なにか現世では言えなかった事とかないですか?私が相談に乗りますから」 ゼハート「……ない」 フラム「ほら!そんないつまでも下向いてないで!かっこいいお顔が台無しですよ?」 ゼハート「……」 フラム「ほーらー!なんでもいいんですよ?」 ゼハート「……ムはどう思っている」 フラム「え?」 ゼハート「フラムは、どう思っている。わたしのこ」 フラム「ああ!グルドリンについてですか!」 ゼハート(……こいつ最初から聞くつもり無いだろ) 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:51:26.86 ID:ww9JNWVB0 フラム「あれ、どう見てもレモンですよね」 ゼハート「……」 フラム「申し訳程度に腕がついてましたけど、あれ、無い方がかわいいですよきっと」 ゼハート「……」 フラム「そういえば、私のファルシアって、なんであんなに女の子オンナノコしてるんですかね」 ゼハート「……」 フラム「機体もビットも花みたいなフォルムだし、武器だってビームのリボンみたいな」 ゼハート「……ヴェイガンの伝統のようなものらしい」 フラム「魔法使いの女の子みたいなの。きっとみんな、プークスクスって笑ってたんでしょ!?」 ゼハート「……」 フラム「ねえ!笑ってたんでしょ!ゼハート様も!」 セリック「レモンと相打ちの俺って」 ゴドム「なんだか、すまん」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:54:42.50 ID:ww9JNWVB0 フラム「はー。大声出したらスッキリしたー」 ゼハート(……ファルシアのフォルム、気にしてたんだ) フラム「いま、ゼハート様の最期の戦いを見ているんですが、完膚なきまでにやられてますね」 ゼハート「……現世の出来事を再生して見る事もできるのか」 フラム「えっ。いやだなあ、さすがにそんな事まではできませんよ」 フラム「録画した人がいて、それが出回っているんです」 ゼハート(……ふざけんな) フラム「それにしても、黒いガンダムのパイロットは強いですね。本当に一瞬じゃないですか」 ゼハート(……アセムか。強かったな) フラム「ん?何を話してるんだろ?音声がちっちゃいなあ」 ゼハート(……最期の会話。私はアセムと何を話した?) 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:56:41.09 ID:ww9JNWVB0 フラム「……」 ゼハート(……ああそうだ。アセムが羨ましい。そう言ったんだったな) フラム「ゼハート様、海賊になりたかったんですか?」 ゼハート(……違う) フラム「司令官よりも、自由気ままな方が性に合ってたんですかね」 ゼハート(……それはそうなのかもしれん) フラム「あーあ。私も誰か愛する人とふつーに結婚してふつーに子育てして」 ゼハート「今からでも遅くはないぞフラム。こうして私と再び出会えたのだからな!!」 フラム「あー。えーっと、ゼハート様、状況わかってます?」 ゼハート「遅くなったが気づいた。フラム、お前を愛している。私はお前を愛している!」 フラム「あー……。うん、ゼハート様、なんかそれって都合がいいですよね」 フラム「それに、さっきまでふさぎ込んでたのに、いきなりがっついてくるなんて」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 21:59:27.02 ID:ww9JNWVB0 ゼハート「……」 フラム(しかったら、またふさぎ込んじゃった) ゼハート「……」 フラム「そうだ、ゼハート様。ここに来たものは、いつかまた生まれ変わって現世に降りるらしいですよ」 フラム「いつになるかわからないけど、ゼハート様は、来世は何になりたいですか?」 ゼハート「……い」 フラム「何ですか?」 ゼハート「……野菜」 フラム(野菜……) ゼハート「……」 フラム「えーっと、調べてみたら、ゼハート様、次はペットボトルになる運命みたいですよ」 ゼハート(……ふざけんな) 15 名前:>>14オワタ[] 投稿日:2012/09/16(日) 22:02:57.50 ID:ww9JNWVB0 フラム「んーーっ!立場とか気にせずに喋ったの久しぶりだから、なんだか疲れたなあ」 ゼハート「……」 フラム「ほら、ゼハート様も一緒に見ましょうよ、戦いの行く末」 フラム「ゼハート様には、この戦いの結末を見守る責任がありますよ?」 ゼハート「……」 フラム「……しょうがないなあ。私も一緒に見てあげますから」 ゼハート「……」 フラム「戦いの結末も、それからの事もずっと、ゼハート様と一緒に見てあげますから」 ゼハート「……?」 フラム「ゼハート様がペットボトルに転生するまで、私、ずーっと一緒にいてあげますから」 ゼハート「……フラム!」 フラム「来世、白菜という勝ち組に転生する私が、一緒にいてあげますから」 ゼハート「絶望した!無機物と有機物の絶対的な壁に、絶望した!」 もうフラムちゃんはペロペロできないおわり 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 22:03:57.96 ID:6Gi2/Ldh0 ペットボトルと白菜って元ネタあるの? 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/16(日) 22:06:17.25 ID:ww9JNWVB0 >>17 ナッシング つーかあげはキャラ結構いいのにちゃんとした描写が無かったから全然活かされてないよね