まるこ姉「ねえ、どうしてあんた生きてるのよ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:12:41.51 ID:nl62Xai+0 まるこ姉「なんでさっさと家出ないの?働く気がないの?本当一家の恥だわあんた」ムシャムシャ まるこ「…」モグモグ ひろし「ヘッwwwwwカーサンモナンカイッタラドーダwwwwwww」クッチャクッチャ まるこ母「…」 ばーちゃん「おやおや」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:16:59.03 ID:nl62Xai+0 〜夕食後〜 さきこ「ねーおかぁさん!!なんでいつまでもあのクズ家に置いておくのよ!!」 まるこ母「…」 さきこ「あたしは汗水流して働いて、家にお金も入れてるし家事もちゃんとしてるし!あのクズのご飯だって作ったりしてるのに!!なんなのあれは!!」 まるこ母「…さきこ」 さきこ「毎日食っては寝てグータラ遊んでるだけじゃないの!!」 まるこ母 「さきこ!」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:20:16.98 ID:nl62Xai+0 まるこ母「もうアレの話はやめてちょうだい!!!」 さきこ「…でもそれじゃあまるこから逃げてるのと同じよ!!!あのクズさっさとなんとかしないと!!!ああもう!!」 まるこ母「…アレを、普通の目で見るのはやめなさい」 さきこ「…」 まるこ母「そういうものが、そこにあるんだと思いなさい、さきこ」 さきこ「でも」 まるこ母「…」 さきこ「…」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:22:58.49 ID:nl62Xai+0 さきこ「…まるこ」 まるこ「…!?」ハッ さきこ「そこにあるゴミ今日中にどけなさいって言ったじゃない」ゲシッ バラバラバラ まるこ「アッ…さ、サンネンぶんのりぼんタワーガッ」オドオド さきこ「もう、本当イライラする!!」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:24:27.45 ID:nl62Xai+0 まるこ(…どうして、こんなことになっちゃったんだろう…?) まるこ(いつから?) まるこ(最初から?) 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:26:49.41 ID:nl62Xai+0 〜回想〜 中学二年、教室にて たまちゃん「まるちゃーんwwwまるちゃん探してた例の、www黒子のテニスの神カプ同人誌、手に入れたよーwww」 まるこ「エッwwwwオヒョwwwwあんたやるねぇwww」 たまちゃん「じゃあwww三日後にでもwwwww返してwwwウッヒハwww」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:29:32.55 ID:nl62Xai+0 まるこ(グフッwwwこれはぁwww家に帰ってから読むのが楽しみだねぇええwwwッホォwww) はまじ「さぁくらー?何漫画持ってきてんだよー」キョロ まるこ「ヒィエ"??」サッ まるこ「な、ナンデモネッスwwww」 まるこ(ハァー、ハァー、マジアブネーwwww放課後まで机に隠しとくか…wwww) まるこ「…ンフ」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:34:29.38 ID:nl62Xai+0 放課後 まるこ(さぁーてさっさと支度してwwwwさっさと帰ってwwwwオホwww) 教師「あ、さくら、悪いけどこれ教材室まで運んでくれねぇか?今日日直だったよな」 まるこ「ハ、あ、ハイ」 はまじ「やっべー部活で使うバッグ忘れちまった!…ってあれ?」 はまじ(うわ、さくらまた中途半端にカバンの中身出てるし) はまじ(つか俺の机にもはみ出てるじゃねえか!ったくきったねーな) はまじ(ん?この漫画?)パラ はまじ「」 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:38:53.76 ID:nl62Xai+0 翌日 まるこ「たまちゃんたまちゃん!wwwwコーレwwwおもしろかったよぉ」サッ たまちゃん「あ、そだね…まるちゃん…ハハ」 まるこ「?」 たまちゃん「ごめんちょっとトイレ!」タタタッ まるこ「あ、レwwwたまちゃーん?」 大野くん「…信じランネ」ヒソヒソ ブー太郎「筋金入りのど変態だブー」ヒソヒソ まるこ「…?」 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:41:44.66 ID:nl62Xai+0 授業中 体育教師「じゃあそれぞれ二人一組で柔道の練習を行うこと!」 まるこ「たまちゃーん一緒に組も!」 たまちゃん「あ……うん」 ブー太郎「ニヤニヤ」 はまじ「ニヤニヤ」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:44:38.15 ID:nl62Xai+0 はまじ「"アぁっ!跡瀬っちのラケットしゅごいいいいいい!んっん!!アッー"wwwwwwwwwwwwwwww」フンヌッ 山田「"おいらのゴールがとろけちゃう"んだじょーwwwwwwwwwwwwwあははははははーwwwwwwwwww」フンヌッ 男子一同「ブハハハハハハハハ」 まるこ「」 たまちゃん「」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:48:02.00 ID:nl62Xai+0 因みに昨日の自分はクレしんSS書いてました びっくりした まるこ(それで…次第に教室にはいれなくなって…それから…それから…) まるこ「はぁ…」 さきこ「ちょっと。なんであんたなんかがため息ついてんのよ」 まるこ「アッ、いや、あのつい」 さきこ「は?」 まるこ「」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:50:22.90 ID:nl62Xai+0 さきこ「だいたいね、この部屋まるまるあたしの部屋でもいいくらいなのに、未だにあんたみたいな人間の出来損ないにスペース提供してるだけありがたいと思いなさいよ」 まるこ「ハイ…」 さきこ「じゃ、電気消すから。静かにしなさいよね」 まるこ「…」 まるこ(どうして…) 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:52:53.33 ID:nl62Xai+0 翌朝 まるこ「‼」ビクッ まるこ「朝…あさ…」 まるこ(よかった…おねえちゃんはもう仕事だ…) まるこ(しごと…そっか、仕事) まるこ(働かなきゃ) ひろし「オイ、メシダゼ」ガラガラ! 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:55:53.35 ID:nl62Xai+0 すみれ「…」モグモグ ばーちゃん「いいお天気ねぇ、じいさんや」パクパク ひろし「バーサンハナガイキシスギダゼwwwサッサトジイサマノアトオエッテンダwwww」クッチャクッチャ まるこ(じいちゃん…)パクパク 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 01:58:33.61 ID:nl62Xai+0 ピーンポーン まるこ「」ビクッ すみれ「…またあの子かしら」スッ ばーちゃん「おや、いつものお客様かい?」 ひろし「ッタク…アノアホノタメニ、マイニチマイニチアキナイモンダゼwwwww」 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:00:12.94 ID:nl62Xai+0 すみれ「あぁ…たまちゃん、いつもありがとうね」 たまちゃん「いえ…あの、まるちゃんは」 すみれ「ああ、今部屋に戻ったみたいで…あがっていいわよ」 たまちゃん「失礼します」スッ 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:02:24.73 ID:nl62Xai+0 たまちゃん「こんにちは、まるちゃん…あの…」 まるこ「…」 たまちゃん「やっぱり、部屋には入れてくれない…よね」 まるこ「…」 たまちゃん「私ね。今日まるちゃんに謝りにきたの」 まるこ「…?」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:05:06.31 ID:nl62Xai+0 たまちゃん「まるちゃんが学校に来なくなったあの日から、ずーっと悩んでたの。私があの時あの本を貸したりしなければ、まるちゃんは今も…」 まるこ「たまちゃん…ちがうよ」 たまちゃん「まるちゃんは、あの日から中学校卒業まで、とうとう学校にくることはなかった。でもね、私知ってたの」 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:07:22.06 ID:nl62Xai+0 たまちゃん「皆がまるちゃんのことを気にかけてたの最初の数週間だけ。もう、誰もあの本のことを言ったりする人はいなくなったの。私、ちょっと安心したの。でもね」 たまちゃん「皆、きっと最初からまるちゃんなんて大して気にかけてなかったんだと思うの」 まるこ「…‼」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:09:53.44 ID:nl62Xai+0 まるこ「たまちゃ…」 たまちゃん「私も、多分そう」 たまちゃん「こうして毎日来てるのは、自分の罪の意識を紛らわすため、きっとそう。でも、もうその必要もなくなったの」 まるこ「たまちゃ、さ、さっきからなに」 たまちゃん「私ね、彼氏が出来たの」 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:14:21.63 ID:nl62Xai+0 たまちゃん「だから、ここにくる必要ももうなくなったの。だからまるちゃんに会いにくるのも、きっとこれが最後」 まるこ「」 たまちゃん「ごめんねまるちゃん。許してくれないよね…」 まるこ「そんなのって…」 たまちゃん「わたしのこと、一生恨んでもいいからね」 スタスタスタ すみれ「あら、お話、終わったの?」 たまちゃん「はい。あの、これ…よかったらご家族でどうぞ」スッ すみれ「あら、クッキー…まぁ、本当にありがとうね」 たまちゃん「いいんですよ。私、まるちゃんの親友だったんですから」 バタン 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:16:44.68 ID:nl62Xai+0 たまちゃん「あ…丸尾さん!ごめん待ったかな?」 丸尾「いえ。それより、もう心残りはないんですか?」 たまちゃん「うん。もう大丈夫」バタン ブロロロロ… たまちゃん(私、最低だな) 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:18:39.41 ID:nl62Xai+0 まるこ(たまちゃん) まるこ(たまちゃんは何も悪くないよ、悪くないよ) まるこ「…」グスッ 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:20:27.20 ID:nl62Xai+0 ばーちゃん「まるこや?」 まるこ「!」 ばーちゃん「そこで閉じこもってないで、こっち来てお菓子食べないかい?さっきあの子がおいていってくれたよ」 まるこ「…うん、ィ、今、行くよ」ゴシゴシ 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:22:29.05 ID:nl62Xai+0 まるこ「あ、アレ、おかーさんは…」 ばーちゃん「買い物に行ったみたいだねぇ。ヒロシめはそこで昼寝してるし。どうだい?」 ばーちゃん「久しぶりに、二人でお話しないかい?まるこや」 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:24:49.65 ID:nl62Xai+0 まるこ(バームクーヘンだ…) ばーちゃん「じぃさんは、よくまるこの描いた漫画を面白いと言っていたのは、知っているかい?」もぐもぐ まるこ「…ェ」むしゃ… ばーちゃん「まるこや、昔よく絵やまんがわを描いていたじゃないか。覚えてないのかい?」 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:28:12.09 ID:nl62Xai+0 まるこ(そういえば、小学生の頃までは…くだらない4コマとか…いろいろ、描いてたっけ) ばーちゃん「じぃさん、続きはないのかって、残念そうにしててねぇ」 まるこ「もしかして、チラシの裏のまんがとかぜんぶ…」 ばーちゃん「この箱だったかねぇ」 ばーちゃん「じぃさんも、自分の孫の描いた漫画をこっそり集めて読んでるなんて、とてもじゃないけど言えなかったんだろうねぇ」カパ まるこ「これ…ぜんぶ、あたしの絵?」 ばーちゃん「そうだねぇ」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:30:55.22 ID:nl62Xai+0 ばーちゃん「ねえ、まるこや」 まるこ「…?」 ばーちゃん「この箱はおまえの好きにしていいから、どうだい?もう一度、夢を叶えてみようと思わないかい…?」 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:33:15.10 ID:nl62Xai+0 さきこ「…それで、なんなのこの有様は」 まるこ「…」ガリガリガリガリ さきこ「なんで床一面に紙クズ散らかってる訳??」 まるこ「おねえちゃん、私、がんばるよ、私、もう一度がんばるよ」ガリガリ さきこ「…まるこ」 さきこ「バーーーッカじゃないの?」 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:36:35.39 ID:nl62Xai+0 さきこ「何?今までさんざん家の米を潰して怠惰な生活を送り続けて、やっと出た答えがそれ??は?あんた頭湧いてるわ」ビリビリビリグシャグシャ まるこ「…!!」 さきこ「今度は漫画家ごっこ??いい身分ね!!!!!」 まるこ「やめてよ!!!!!」 さきこ「結局あんたには真面目に働こうなんて気全くないのよ!!!!!!」バシン 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:39:31.52 ID:nl62Xai+0 まるこ「……」ジンジンジン さきこ「ちょっと。黙ってないでさっさと床のゴミ片付けなさいよ」 まるこ(ゴミじゃないのに) さきこ「ったく、家に帰ってきても全然心が休まらないわよ」 まるこ(それはじぃちゃんが大切にしてた) さきこ「ちょっとあんた聞いてんの?」 まるこ(大切にしてた、わたしの…) 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:42:32.67 ID:nl62Xai+0 まるこ「ああ悪かったねええ!!!!!どうせあたしゃクズだよ!!!でも!!!」 まるこ「それじゃあどうしろっていうのさああああああああ!!!!」 さきこ「うるさいなあ」 まるこ「あたしは!!!あたしゃどうすれば」 さきこ「諦めれば?人生」 まるこ「あ…たしは」 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:44:21.31 ID:nl62Xai+0 さきこ「あたし今日居間で寝るから。それ今晩の内に捨てるなりしといてよね」 まるこ「おねえちゃん…」グス さきこ「…」 さきこ「…あんたは、もう遅すぎたんだよ」 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:48:46.02 ID:nl62Xai+0 あたしの人生とは、本当に一体なんだったのだろう。 まだ、まだチャンスはある? …ううん、あたしゃほんとは分かってたよ。 おねーちゃんの言うとおり、"もう遅すぎる"ってことも、分かってたよ。 おばーちゃんに、相談してみようかな。 たまちゃん。おかーさん。…おねーちゃん。 さびしいよ 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 02:54:03.66 ID:nl62Xai+0 ーー私のかつての親友は、 今日という日をどのように過ごしているのだろうか。 相変わらず、一日の大半をあの扉の向こうで過ごしているのだろうか。 そう。物書きになった今だからこそ分かる。 私も、あの子と同じような存在だったんだ。 でも、私には私を支えてくれる人がいる。 あの子には、其れにあたる人はいたのだろうか。 私こそが、あの子の 其れ だったのだろうか。 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/07(火) 03:00:13.33 ID:nl62Xai+0 私は今、とある物語を書いている。 私たちが一番輝いていた頃の物語。 もしこの本が失敗したら、私ももうペンを折ってしまおう。 どこか、遠くに逃げてしまおう。 本当に、つくづく私とあの子はよく似ている。 他の事はこの際どうだっていい。 どう償えばいいのか、分からない。 今はあの子が、この本が手に取ってくれる日を夢見て。 END