ロン「僕とハーマイオニーが落っこちそうだとするよ?」ハリー「…うん?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:17:33.65 ID:SPGVMMW10 ハリー「……ロン、ルーナと話しをしたいのなら、すぐにヘドウィグをレイブンクローに飛ばすけど」 ロン「例えばの話さ。こう、僕とハーマイオニーが崖からぶら下がっている」 ハリー「あぁ……彼女に飛行でも教えていたのかい?」 ロン「理由はなんでもいいさ。ともかく僕らは、崖から今にも落ちそうだ」 ハリー「タスケテー、ってね」 ロン「もちのロンさ。で、君は僕らを助けられる位置にいるとするよ?」 ハリー「あぁ、僕はそこでそれまで何をしてたのか、は聞かないであげるよ」 ロン「ありがとう。それでさ……君なら、どっちを助ける?」 ハリー「ハーマイオニー」 ロン「……即答かい?」 ハリー「もちのロンさ」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:22:27.82 ID:SPGVMMW10 ロン「そこはさ……ほら、僕と君はほら、親友、だろ?」 ハリー「正直、その状況で君が自力で這い上がれないとは、僕には思えない」 ロン「僕をかいかぶりすぎだよ!そんな状況とっくに心が折れてるよ!」 ハリー「ほら、君、背が高いから……実は崖の底に足がついてたり、とかね。そうなんだろ?」 ロン「なんのドッキリさ!断崖絶壁だよ!アズカバンもびっくりのね!もう、話が進まないなちくしょう!マーリンの髭っ!!」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:26:56.35 ID:SPGVMMW10 ハリー「今更なんだけど」 ロン「なんだい?あ、僕とハーマイオニーは杖を持ってないからね。そのことも踏まえて考えてくれよ」 ハリー「いや、益々ハーマイオニーを助けたくなってくるよ……それ、どういう意味なの?」 ロン「それって?」 ハリー「マーリンの、なんちゃら〜って」 ロン「あぁ、えぇっと、そうか。君はマグル育ちだから分からないんだね……うーん、魔法界のスラング、というか……意味とかは、特にないんだよ」 ハリー「? あぁ、分かった。くしゃみの後に『ちくしょう!このとんちきめ!』って、言うようなものか」 ロン「うん、分かりやすい。君、教師に向いてるんじゃないかい?」 ハリー「やめてくれよ、ハーマイオニーじゃあるまいし」 ハリー・ロン「「HAHAHAHAHA!」」 ロン「それで、どっちを助けるんだい?」 ハリー「まだ続けるんだ……」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:33:01.34 ID:SPGVMMW10 ハリー「君がどんな回答を望んでいるのかは分からないけど、ハーマイオニーを助けるよ。だって、そうだろ?」 ロン「なにがそうだろ、さ!ちゃんとした理由を教えてくれよ!」 ハリー「うーん、だって……女の子だし?」 ロン「じゃぁもう、僕も女の子ってことでいいから」 ハリー「ロン、ロン、ロナルド、落ち着いて。君何言ってるの、さっきからだけど」 ロン「たとえ話しじゃないか、ハリーは頭が固いなぁ」 ハリー「……君って時々、ブラッジャーぶつけたくなるよね。全力で」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:41:20.80 ID:SPGVMMW10 ハリー「とにかく、僕はハーマイオニーを助けるよ」 ロン「どうやって!?」 ハリー「え?」 ロン「ハーマイオニーは女の子だからね!君が持ち上げようとしても、ほら!もうすがりつく力さえ残っていないかもしれない!」 ハリー「心折れてる人が何か言ってるよ……」 ロン「さぁ!どうやって助けるっていうのさ!」 ハリー「それ以前に、君も女の子って話になったんじゃなかったのかな……えーっと、じゃぁ、浮遊呪文で……」 ロン「どっこい!人間を浮遊させる呪文はまだ発明されていないのさっ!」 ハリー「へぇ?」 ロン「うん、そうなんだ。少しだけ浮かせて操るのは、三年のときにリーマスがスネイプにやってたけどね」 ハリー「ふぅん……あ、分かった。リーマスを呼べばいい。そうしよう」 ロン「ハリー!もっと真剣に答えてくれよ!!僕らは今にも落っこちっちまいそうなんだぞ!?」」 ハリー「存外に心折れないね、君」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:46:38.63 ID:SPGVMMW10 ハリー「……気合で、ハーマイオニーを引き上げる」 ロン「はい落ちたー!君とハーマイオニー、真っ逆さまにおっこちましたー!」 ハリー「……」 ロン「……そして僕も、一人ぼっちに耐え切れなくて後を追うと思う」 ハリー「ロン、重い」 ロン「僕は軽いよ!鍛えてるからね!」 ハリー「そういう意味じゃなくて」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:51:40.01 ID:SPGVMMW10 ロン「じゃぁ、状況をリセットしようか」 ハリー「その前に、うん。僕はこの今の場こそリセットしたい、静かに読書を楽しみたい」 ロン「HAHAHA、そんなハーマイオニーみたいなこと言って、らしくないよ、ハリー」 ハリー「うん、君はいつも通り明るく陽気だね、羨ましいくらいに」 ロン「さぁ、僕ことロナルド……あー、ロニーとハーマイオニーが崖から今にも落っこちそうだ」 ハリー「アンみたいな赤毛でソバカスってわけだね」 ロン「どっちを助ける!?」 ハリー「……」 ロン「……」 ハリー「……分かった、負けたよ。ロニーを助けよう」 ロン「よし!正解さ、ハリー!」 ロン「じゃぁ、すぐに二人でハーマイオニーを助けようか!」 ハリー「……君ねぇ」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 16:56:32.78 ID:SPGVMMW10 ロン「まったく、らしくないよ、ハリー!この正解が出るまでに、どれだけ僕がヒントをあげればよかったんだい?」 ハリー「……あぁ、高度すぎる魔法論理パズルに、きっとハーマイオニーもびっくりさ」 ロン「うーん……きっと、僕とハーマイオニーっていう選択肢がいけなかったのかな?」 ハリー「そうだね、君、あとからあとから自分の設定継ぎ足し放題だったもの」 ロン「そうだったかな?」 ハリー「うん。いっそのこと僕からハーマイオニーをトロール並みの巨漢にしてやろうかと思ったよ」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:01:36.35 ID:SPGVMMW10 ロン「じゃぁ、質問を変えるよ」 ハリー「質問は続くのか……」 ロン「君が女尊男卑な奴だって分かったからね、今回は僕と、相手は男にしておこう」 ハリー「それは助かるよ、どうも」 ロン「じゃぁ、僕とマルフォイなら!?」 ハリー「君だね」 ロン「むしろ、突き落としてやるよな、マルフォイを」 ハリー「またとないチャンスじゃないか」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:06:30.31 ID:SPGVMMW10 ロン「じゃぁ、アーニー!」 ハリー「きっとジャスティンが助けに来てくれる、よって君」 ロン「じゃぁ、ネビル!」 ハリー「高いところから落ちても鞠みたいにはずむ、よって君」 ロン「それじゃ、ハグリッド!」 ハリー「ハグリッドが崖から落ちたくらいでどうとなるとは思えない、だから君だね」 ロン「うん、そうだね。そうか、僕かぁ」 ハリー「何を照れているのか、僕にはいまいち分からないよ」 ロン「えーっと、それじゃそうだね……僕と……」 ロン「シリウs」 ハリー「ロン!!!」 ロン「!?!?」 ハリー「そういう、人と自分を比べるような質問って、僕、どうかと思うよ!!!!!!!」 ロン「……」 ハリー「……」 ロン「……ここかぁ」ハァーーッ 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:15:39.16 ID:SPGVMMW10 ハリー「な、何が、さ」 ロン「僕は、ハグリッド以上、シリウス以下、ってことさ」 ハリー「そんなこと言っていないじゃないか!」 ロン「いいのさ、いいよ。彼は君の親みたいなものだものね、うん」 ハリー「……ロン。聞いてくれ。彼は確かに僕の名付け親で、父親みたいな存在だ」 ロン「……」 ハリー「だけど君だって、僕にとっては同年代で始めての友達で。そうだな、兄、みたいに思ってる。本当さ」 ロン「……」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:20:34.49 ID:SPGVMMW10 ハリー「……だからさ」 ロン「……」 ハリー「僕の父親、代わりのシリウスと僕で、あ、兄みたいな君を、一緒に助ける」 ロン「……」 ハリー「そういうのも、悪くないんじゃないかな?」 ロン「……」 ロン「正解さ!ハリー!」 ハリー「……え」 ロン「兄!うんうん!それだよ、正解!それこそ僕のハリーさ!」 ハリー「……えぇ……」 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:28:37.87 ID:SPGVMMW10 ロン「じゃぁ、僕は行くよ。そういえば、ハーマイオニーに勝利報告をしないと」 ハリー「え、それはさっきの誘導過ぎる尋問のことを言っているのかい?」 ロン「もちのr」 ハリー「もちのロンはもういいよ!もう!なんなのさ今日の君は!マーリンの髭っ!!!」 ロン「ははは、その調子さ!僕の口癖まで真似するようになったよ、ってハーマイオニーに言っておこう!」 ハリー「『シリウスへ ロンが僕をいぢめるんです』っと……」カリカリカリ ロン「よしてくれ……あの人何も考えずに乗り込んできそうだから」 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:34:56.20 ID:SPGVMMW10 ロン「(自分で言うのもなんだけど、僕は人として小さい奴だ)」 ロン「(ハリー・ポッターの親友、一番の友達なんてのをやっていくのは、正直荷が重い)」 ロン「(分かってるんだ、彼と僕がつりあわないってことくらい)」 ロン「(でも、それが何さ。周りがなんと言おうと、ハリーは僕を頼ってくれる)」 ロン「(少し強引だったけど……ははは、兄みたいに思ってくれてる、って言葉も聞けたしね)」 ロン「(ハリー。君にとっては足手まといかもしれないけど。僕は絶対、君の力になるよ)」 ロン「(どんなに崖っぷちでも諦めない、強い心を持った君に。僕の、英雄に)」 ロン「なんでも言ってくれよ!親友!」 ハリー「そう……じゃぁ、今日みたいなとち狂った質問攻めは、これっきりにしてくれよ。いいね?」ハァーッ 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:42:47.84 ID:SPGVMMW10 ハリー「なんだったんだろう、ロンってば」 ハリー「……選べるわけないじゃないか、ロンかシリウスか、なんて」 ハリー「ハーマイオニーは殿堂入りだけど……」 ハーマイオニー「私がどうかしたの、ハリー?」 ハリー「……やぁ、ハーマイオニー。ご機嫌はどうだい?」 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:44:53.92 ID:SPGVMMW10 ハーマイオニー「えぇ、すこぶる快調よ。大事なお・と・も・だ・ち、に、魔法で出した小鳥を襲わせることにならなければ」ピーーチチチチピーーフォイチチチチッ ハリー「誤解なんだ、ハーマイオニー。僕は真っ先に君を」 ハーマイオニー「ねぇ、ハリー?」 ハーマイオニー「例えばの話、私とロンがテストで赤点をとりそうだとするじゃない?」 ハリー「それはもちろん君……あ、いや、そこはロン、かな」 ハーマイオニー「……もちの?」 ハリー「……勘弁、してよ」 完 シリウス「……」 シリウス「……『ハリー、突然ですまないが……もしも私とダンブルドア……いや、リーマスが同時に不治の病にかかったとして……』」 リーマス「やめなよ、シリウス。散歩用の首輪をピンクのフリフリのやつにされたいかい?」 今度こそ、完 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:50:29.12 ID:SPGVMMW10 ハリー愛されすぎやないかな!割りと性格黒いのにな!でもそこがハリーのえぇとこやで! 時間ないけここで終わるけど、次書く時はもうちっと双子とかルーナとかルーナとかルーナとか出すわ! ラドクリフお大事に! じゃあの!  ハリー・ポッターシリーズ  一巻〜最終巻  世界的大ヒット発売中!!