長門「キョンくーーーーーーーん、おっはよーーーー☆」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:02:05.59 ID:LFZrzpJD0 キョン「な、長門……?」 長門「有希だよーん☆、あげぽよぉーん☆」 キョン「ちょっと待て待て待て、何が起きてんだよ。長門、お前は正真正銘の長門なんだよなあ?」 長門「そうだけどーなにか問題でもあるん?☆」 文芸部室内に緊急事態が発令された。 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:05:12.01 ID:LFZrzpJD0 考えて見ろ。長門がこんなしゃべりかたをするわけがない。 しかもだぞ、今日に限って長門は本を持ち合わせていない。 今この部室にいるのは俺と長門の二人だけ。 古泉や朝比奈さん、ましてやハルヒなんかにこんなところを 見られたりでもしたら……。 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:06:59.26 ID:LFZrzpJD0 キョン「情報統合思念体はこのことについて何か言っていないのか」 長門「何もいってないよーん☆」 キョン「長門、何かあったのか。いつものお前と違うような気がするのだが…… (いや確実に違う)」 長門「いつもの私だよ! 早く活動しよーよー☆」 どうやら俺はとんでもない事態に巻き込まれたようだ。 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:08:56.73 ID:LFZrzpJD0 キョン「長門、とりあえず今は放課後だ。奴らが来る。 このことがバレたら変な空気になること間違いなしだから、 そのしゃべり方はよしておこう」 長門「このしゃべり方……?☆」 キョン「そ、そうだ。できるだけ口数を少なくしてくれるとありがたい」 長門「オッケー☆」 おい。 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:11:48.50 ID:LFZrzpJD0 古泉「みなさんこんにちは。おや、二人だけとはめずらしいですね」 キョン「そ、そうなん....」 長門「古泉くんのち○ぽーまっがーれ☆」 古泉「は、はい?」 長門……う、う、嘘だよなあ? 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:14:44.33 ID:LFZrzpJD0 古泉「今の声は……明らかに長門さん……でしたよね?」 キョン「古泉、それはお前の空耳だ。俺には何も聞こえなかったぞ」 やばい、今の確実に長門だ。 古泉「そうでしたか……きっと疲れが溜まっているのでしょう」 キョン「そうだろうよ。たまには俺と一緒に将棋でもどうだ。疲れがとれるぞ」 古泉「いいですね。やりましょう」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:19:20.88 ID:LFZrzpJD0 古泉「さ、さすがですね……駒がとられていくばかりです」 キョン「もうすぐで完全王手だ」 古泉「ところで、長門さんめずらしいですね。読書をしていないなんて」 古泉が入ってくる前に何でもいいから本を渡しておけば良かった。 本を読んでいない長門なんて長門じゃないもんな。しまったなコレは。 長門「本読むのあきちゃったのー☆」 キョン「」 古泉「ほう」 キョン「そういうことだ。さあ続きを開始しよう」 古泉「そうですね……」 おいおいおいおいおい、どうすんだよこの空気……。 というか長門に何が起きているのか誰か教えてくれよマジで。 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:24:25.02 ID:LFZrzpJD0 みくる「遅れてすみませぇーん」 キョン「朝比奈さんっ」 みくる「ちょっと古典の成績が悪くて先生に呼び出しくらってましたぁ……テヘッ」 長門「みくるちゃーん、さっさとお茶よろー☆」 みくる「へ?」 古泉「やっぱり何かおかしいですね。何か……」 どうやら俺の力ではこの長門を制御できないみたいだ……。 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:30:21.02 ID:LFZrzpJD0 キョン「ということなんだ」 古泉「つまり、長門さんがこの部室にやってきたらいつのまにか性格が一変していたと」 キョン「そういうことだ。原因は俺にも分からん」 みくる「この長門さんはいつもの長門さんじゃないんですか」 キョン「詳しいことは俺にもわからん。何が起きているのかもな」 長門「そういうこと☆」 古泉「これは困りましたね……」 キョン「何が何でもハルヒにはこのことを隠しておきたい」 古泉「禿同です」 みくる「で、でもいったいどうすれば……」 長門「そんなの簡単でしょー☆ うひひー☆」 長門、お前がこの問題を惹起した張本人なんだぞ。 ということでハルヒ抜きのSOS団緊急会議が開かれた。 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:36:35.61 ID:LFZrzpJD0 古泉「涼宮さんが来る前に速やかに対策を練りましょう」 キョン「長門自身にも何が起きたのかわからない今、とりあえずこの場をどう取り繕うかが問題だ。 このまま下校してしまうのが一番の解決策だが、そうなりゃハルヒの逆鱗に触れてしまうのは自明だ」 キョン「しかし、長門が俺の言うことを聞いてくれるか……」 というかさっき口数少なくしろと言ったのにあれだったからな。 古泉「長門さんだけを下校させて、その理由を病気だったと言えば……どうでしょうか? さすがに病気で下校してしまうのはやむを得ないですし」 キョン「長門、それでどう....」 ハルヒ「みんなー揃ってるーーーーーーーー!?」 ……完全に終わった。 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:43:41.11 ID:LFZrzpJD0 ハルヒ「今日はみんなでところどころに咲いている色んな桜を見に行くわよっ!」 キョン「今日は外で活動するのか?」 ハルヒ「そうよ。何か文句でもある?」 キョン「いや……」 古泉「いいですね。ちょうど今の時期がピークですし」 みくる「わたしもみたいです!」 秋の映画撮影の時に、季節はずれの桜を見たじゃねーかよ。 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:47:40.73 ID:LFZrzpJD0 ハルヒ「有希はどう? みたいでしょ!?」 おい、ハルヒ! 長門に話を振るな! 長門「……見たい」 な、長門……! ハルヒ「でしょ? 見たいでしょ!?」 長門「見たいに決まってるでしょうがーーーーーーーー!☆」 ああああああああああああああああああああああああああああ。 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:52:49.66 ID:LFZrzpJD0 ハルヒ「有希……?」 長門「……」 ハルヒ「ゆ、有希よね……?」 長門「……今の声は私じゃない。私はいつもの私」 どうなってんだ。今だけいつもの長門かよ。 ハルヒ「そうよね……有希があんなことを言うわけがないし……。 私の聞き間違いよね……」 長門「……」 古泉「きっと涼宮さんはこの頃SOS団の活動のことで頭がいっぱいで疲れているんですよ(汗」 ハルヒ「そうよね……。きっとそうだわ。昨日今日も十分に眠れていないし」 キョン「とりあえず早く見に行こうぜ桜、桜!」 みくる「そうしましょ! 早く見に行きましょう!」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 20:59:18.26 ID:LFZrzpJD0 その後、俺たちは色々な桜を見に行った。 とくにハルヒの母校、東中の桜はとても綺麗に咲いていた。 外にいるときの長門は、さっきの状態を保ったいつもの長門であり、 長門がいつもの長門に戻ったと解釈した。 だからといって一件落着とはいかない。 俺は聞いちまったからな……もう二度と聞かないであろうあの声を。 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 21:01:41.09 ID:LFZrzpJD0 ハルヒ「じゃあみんな明日も部室にちゃんとくるのよ。わかった?」 キョン「おう」 古泉「承知いたしました」 みくる「ふぁーい」 長門「……」 ハルヒ「また明日! 今日は楽しかったわ」 本日のSOS団の活動はこれにて終了した。 問題は明日だ。明日の長門がいつもの長門であればいいのだが……。 というか、いつもの、あの無口の長門がデフォルトだったのにな。 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 21:05:10.69 ID:LFZrzpJD0 次の日の放課後 キョン「めずらしいな、長門がまだ来ていないなんて」 古泉「きっと何かあったのでしょう」 みくる「どうなんでしょう……」 キョン「でも聞いただろ……昨日のあの長門の声を……」 古泉「……」 みくる「……」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 21:07:44.94 ID:LFZrzpJD0 キョン「聞かなかったなんて言わせないぞ。 さすがにあれをなかったことにするのには無理がある」 古泉「僕はあれが幻想だったと認識しています」 みくる「わ、わたしも何もきいていませぇーーん」 キョン「おいおい、何言ってるんだよ……あれは……」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 21:10:57.40 ID:LFZrzpJD0 長門「……」 キョン「おおう、長門来たか」 長門「……」 キョン「お前はいつもの長門だよな」 長門「……なに」 キョン「いや……昨日変なことを言っていなかったか?」 長門「……私は言っていない」 本当にあれは幻想だったのか、空耳だったのか……。でも確かに俺は聞いたぞ……。 いや聞いたんだ……あれは現実だ。しかし……ああ。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 21:15:35.88 ID:LFZrzpJD0 長門「……」 古泉「今日の長門さんは本を持参していますね」 キョン「そうだよな。よりによって長門だぞ? そんな長門があんなことを言うはずがない。 いったい俺は何を考えているんだ」 古泉「やっとお気づきになりましたか。そうですよ。あれはなかったんですよ」 キョン「そ、そうだよな。アハハハ、アハハハハ」 みくる「もう〜キョンくんったら〜」 キョン「もうー朝比奈さんまでやめてくださいよー」 そうさ。あれはきっと何かの間違いだったのさ。 間違いだったのさ……。 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/10(火) 21:16:16.86 ID:LFZrzpJD0 ハルヒ「みんなー今日も揃ってるわねー!?」 キョン「おう、揃ってるよ」 古泉「待っていました」 みくる「今、お茶いれますねー」 長門「ハルヒたーーーんハァハァゴッドノーォォオオオオオオオオズーーーー☆」 あ (終)