谷口「よお、キョン!今日もギリギリだな?」 1 名前: 忍法帖【Lv=38,xxxPT】 [] 投稿日:2012/03/10(土) 15:32:37.22 ID:lV9znRme0 教室・HR前 ガラ キョン「おいーっす」 国木田「お早う。キョン」 谷口「よお、キョン!今日もギリギリだな?」 キョン「ああ。お早う、国木田。谷口、お前も俺とさして変わらんだろうが」 谷口「何言ってやがる。早起きは3文の得ってのを知らねーのかよお前は?」 キョン「逆に聞くが、お前は3文が現在の何円に相当するのか知ってんのか?」 谷口「…フッ」 キョン「知らねーのにかっこつけてんじゃねえよ。60〜80円だ覚えとけ。そんなはした金手にするくらいなら寝てた方がマシだっつーの」 谷口「甘いな、キョン。俺はお前より早く来ることで3文以上の得をしてるんだぜ?…そう!この俺様の行動力のおかげでな!」 国木田「『女の子のランク付け』をするために態々早く来るんだったら睡眠時間をより多く取った方がマシだよ。谷口」 国木田「一体その横に抱えている表が何の役に立つっていうのさ?」 キョン「…お前、まだそんなことしてたのか?」 谷口「なんだよ?!そんな目で見るんじゃねーよ!!」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 15:39:17.04 ID:lV9znRme0 谷口「ふん。お前らにはこの表の価値が分からんみたいだがな…この表を使うことで女の子に目星をつけやすくなって、さらに〜」ペラペラ 国木田「へ〜、それはすごいねー」(棒読み) 国木田「…谷口は話すのに夢中みたいだし、席に着こうか?キョン」 キョン「そうだな…俺はあいつの将来が心配だよ」 国木田「ふふっ…実はキョンが危惧するほど谷口は落ちぶれてないんだけどね?」ボソ キョン「は?なんて?」 国木田「いいや?何でも?」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 15:46:59.30 ID:lV9znRme0 ハルヒ「おはよ、キョン」 キョン「ん?ああ、お早う」 ハルヒ「…何よ、今の『ん?』は?」 キョン「いやあ…な?お前から挨拶してくるのは珍しいと思って…」 キョン「なんかいい事でもあったのか?」 ハルヒ「別に…挨拶位、して当然でしょ。あんた、一体あたしを何だと思ってるのよ?」 キョン(…ハルヒから常識について説教される日が来るとはな…) キョン「悪かったって…そう目くじら立てるなよ」 ハルヒ「…ふん」 谷口(…誰も聞いてねえと思ったら…あいつらはまた…しゃーねーなぁ) 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 15:56:57.86 ID:lV9znRme0 昼休み キョン「さーて、飯だ飯だ…谷口、国木田。一緒に食おうぜ」 谷口「…」チラ 国木田「…」チラ 国木田「ごめんよ、キョン。今日は僕、他のクラスにお呼ばれされてるんだ。だから今日は谷口と食べてくれ」 谷口「なんだよ?他のクラスって…まさかお前…そっちの世界に…畜生、これだから美形は…」 国木田「谷口、なんかあらぬ誤解を抱いているようだけど…まあいいや。そういうことだから」 キョン「そうか、それなら仕方ないな…バカの相手する奴が1人減るのは痛いが…また今度な」 谷口「おいおい、随分と言ってくれるじゃねえか…キョン君よ?」グリグリ キョン「ぐわっ!君付けするな気持ち悪い…って、いってえな!この野郎!!」バタバタ 国木田「埃が飛ぶからじゃれるのも大概にしときなよ?それじゃあね」 ガラ 谷口「このっ!このっ!」 キョン「いい加減にしろ!!」スパァン! 谷口「ぷぎゃ!?」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 16:08:45.85 ID:lV9znRme0 で… キョン「にしても、お前と2人だけで昼食なんて初めてじゃねえか?」 谷口「んあ?そう言えばそうだな。いつも国木田を入れた3人で食ってるからな」モグモグ キョン「まあ、国木田と二人っきりで食べたことは何回でもあるんだけどな」パク 谷口「は?…お前ら、まさか」スッ キョン「どういう思考回路してんだお前は…なんでそっち方向にしかもってけねえんだよ?!ええい、後ずさるな。忌々しい」 キョン「お前と違って、俺と国木田は同じ中学出身だろうが。そん時にだよ」 谷口「ああ?だって、お前には中学の時に仲のいい女が居たって…」 キョン「ああ、佐々木の事か?…あいつと同級生になったのは中3からだ。それまではほとんど交流がなかったよ。」 キョン「ただ、国木田は3年間通して一緒のクラスだからな。そん時は毎日一緒に食ってたんだよ」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 16:26:24.12 ID:lV9znRme0 谷口「まあ、そんなこったろうと思ってたけどよ…」ムグ キョン「そういうお前はどうなんだよ?中学時代は誰と食ってたんだ?…まさか」モグ 谷口「おいおい…確かに今はお前らとしか飯食ってねえが中学時代はちゃんと別の奴と食ってたよ。間違ってもボッチなんて思うんじゃねぞ?」ゴクン キョン「ま、お前の性格からすればそうだろうよ…そう言えば、弁当の話で一つ聞きたいことができた」チュー 谷口「なんだよ?」 キョン「ハルヒの奴、中学校時代はどうしてたんだ?高校では見たところ学食に行っているようだが…中学校でもそうだったのか?」 谷口「東中には学食なんてねえよ。あいつも弁当持ってきてるみたいだったがな…野郎と付き合ってる期間以外は基本的に一人だったと思うぜ?」 キョン「男と付き合ってるときはそいつと食ってたのか…」 谷口「ま、傍目から見ての感想だが、あんまり楽しそうではなかったな…むしろ、嫌々付き合ってやってるみたいだった」 谷口「彼氏の方から一方的に話しかけて、涼宮は相槌うつくらいだったからな」 キョン「…経験者は語るってか?」 谷口「…俺はあいつと付き合ったことなんてねえよ」 キョン「隠すなよ?顔に出てるぜ?」 谷口「…はー。全く、そういうところには目が付くのな、おまえ…」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 16:42:56.97 ID:lV9znRme0 谷口「いいぜ、認めてやる…確かに俺は涼宮と付き合ったことがある…だが、どこで気づいたんだよ?」 キョン「確信を持ったのはついさっきだが…大体の予想が出来たのは1年の時のGW明けだ。ハルヒから聞いたんだよ」 谷口「あいつがそんな事言うような奴だとは思えねえけどな…」 キョン「直接的な言葉は無かったけどな…それを臭わせる部分があったんだよ」 谷口「なんて言ったんだよ?」 キョン「『高校来てまで同じクラスなんて、ストーカーじゃないか?』って言ってた。」 谷口「成程な…それで、俺があいつに好意を向けたことがあるんじゃないかと思ったわけだ?未練がましく」 キョン「お前みたいな一見軽そうな男がそういう風なことするとは思えんかったから、当時は確信が持てんかった」 谷口「サラッとバカにしやがって…」 キョン「で?お前はどれくらい続いたんだよ?もしかしてあれか?最短の5分間で振られたって奴か?飯食う前に告白して、食べ終わる前に振られたと…」 谷口「残念だったな、キョン。お前のその予想は大外れだ。俺の知る限りの話だがな…一番長く付き合ってたのは俺だぜ?」 谷口「とは言っても1週間くらいだったけどな」 キョン「…」 谷口「…なんだよ、その甚だ心外だっていう目は?」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 16:55:39.29 ID:lV9znRme0 キョン「いや、なあ?お前ってなんかそういう雰囲気醸し出してるから…」 谷口「…喧嘩売ってんのか?この野郎」ガタ キョン「まて、俺が悪かった。…取り敢えず落ち着け」 谷口「ちっ」ドス キョン「つまりハルヒは中学時代から昼はあんな風に…学食じゃないにせよ、どっかに行って食ってたのがほとんどだったのか?」 谷口「ま、そうだな。とにかくあいつは行動力がそのまま服着ましたー的な感じだったからな…特に、1年の七夕以降は顕著だったぜ?」 キョン(…丁度俺がジョンスミスとしてあいつに会ったころだな) 谷口「…にしても、なんでお前がそんな事気にすんだよ?」ニター キョン「うっ…その下品な笑みをこっちに向けるのを止めろ!…何となくだ!何となく!」 谷口「…ほー」ニヒー キョン「くそっ…不愉快だ…」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 17:05:57.93 ID:lV9znRme0 谷口「…でも、あいつも変わったぜ?そりゃあ確かにぶっ飛んだ思考パターンは健在だがな」 谷口「少なくとも、クラスの女子とは普通になじんでるだろうが。それに、笑ってる時間も多くなった」 キョン「…俺にはさして変わらんように思うがな?」 谷口「嘘だな。あんだけ近くにいて分からないんなら、お前の眼は節穴かっつーの」 谷口「今日の朝だって、涼宮の方からお前に挨拶してたじゃねーか。中学の頃だったらまず有り得ん。驚天動地の出来事だぜ?」 キョン「…確かにな」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 17:15:39.03 ID:lV9znRme0 谷口「…今度、涼宮と一緒に昼食をとってみたらどうだ?お前なら断られないと思うぜ?」 キョン「はあ?なんだよ、急に?」 谷口「気になってるんじゃねえのか?昼休みの涼宮の行動が」 谷口「分からなくもないぜ?そりゃあんなんでも授業中、放課後…はたまた休日と…ずっと一緒に居れば愛着だって湧くだろうよ」 谷口「…んで、もっとそいつの事を知りたくなる。プライベートを覗きたくなる…ってな」 キョン「…谷口」 谷口「ん?」 キョン「お前、やっぱりハルヒのストーカーだったんだな。やっぱり経験者は」 谷口「なんでそうなんだよ!ふざけんな!!なんだよ?!せっかくいい事言ったのに台無しじゃねえか!!」 キョン「いやいや…」スッ 谷口「だから、距離を取ろうとすんじゃねえよ。バカ」 谷口「…んで、どうすんだよ?やるのか?やらねえのか?今言ってもらえれば国木田には話しつけとくぜ?」 キョン「…そうだな、…偶には、いいかもな…自分から火の中に飛び込んでみるのも、な」 谷口(よし、一丁」上がりっと!…さて、後は涼宮の方だな) 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 17:31:08.86 ID:lV9znRme0 放課後 ハルヒ「キョン。あんた先に部室に行ってなさい」 キョン「ああ、そう言えば、お前掃除当番だったか」 ハルヒ「そ。あたしがいない間もしっかりと活動するのよ?」 キョン「ま、さして何時もと変わらんと思うが…了解だ。団長さん」スタスタ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 5分後 ハルヒ「あ〜もう!イラつくわね〜!谷口!後はやっといて!」ポイ 谷口「おいおい…そりゃねえぜ…」 ハルヒ「何よ。粗方終わってんでしょ?後はゴミ集めて水拭きしてゴミ捨てれば終わりじゃない!」 谷口「全然終わってねーよ!むしろ半分も終わってねえって…」 ハルヒ「どうせあんた暇でしょ?あたしにはSOS団っていう行くべき場所があるのよ!だから後お願い」クル 谷口「おい、待てよ、涼宮!…ハルヒ!」 ハルヒ「…!」ピク 谷口「懐かしいな?こんな風に名前で呼んだのっていつ以来だ?」 ハルヒ「…なによ。急に下の名前で呼んで」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 17:50:58.81 ID:lV9znRme0 谷口「おーおー。そんな剣幕でこっちを睨まないでくれ。もう金輪際下の名前で呼ばねえよ」 ハルヒ「…で?態々付き合ってた頃の呼び方をして…何の用かしら?掃除を手伝え、なんていう意見は受け付けないわよ?」 谷口「こりゃ参ったね…そりゃあ早くキョンのところに行きたいってのは分かるけど?やるべきことはちゃんとやってもらわなきゃな」 ハルヒ「は、はああ?!何言ってんのよあんた!!あたしはただ、あんたと2人で掃除するのが退屈だから、早く部活に行きたいだけよ!!」 谷口「はいはいじゃあそういうことにしておきますかねぇ…確かに、SOS団が出来てからお前も結構笑うようになったからな」 谷口「…言ってることも案外正しいのかもな」 ハルヒ「ふん!…で?まさかそれを言うためだけに引きとめたわけじゃないんでしょう?」 谷口「おう。一つ、涼宮に忠告しておきたいことがあるんだよ」 ハルヒ「なんであんたの忠告なんか受けなきゃいけないのよ?」 谷口「まあ、そうヤイヤイいうなよ…お前は何でもできるように見えて、案外不器用な面もあるからな。忠告は…キョンについての事だよ?」 ハルヒ「!」 谷口「…ま、お前がどーしてもいらないっていうなら、いいぜ?このまま待ち遠しい部活へ向かってもらっても?」 ハルヒ「…仕方ないわね。無視するのも可哀そうだから聞いてあげるわよ」 谷口「そう来なくっちゃな」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 18:10:12.52 ID:lV9znRme0 谷口「じゃあ、まず単刀直入に聞くか。キョンの事をどう思ってる?」 ハルヒ「うぇ?!…そりゃあ、まあ…SOS団団員その1としては…大事な存在だと思ってるわ」 谷口「ほー…じゃあキョンは団員としては大事に思っているが、それ以上の感情は持ち合わせてないと?」 ハルヒ「…」ジロ 谷口「そうかそうか…なら問題ないな…先方にいい返事を出せそうだ」 ハルヒ「はぁ?先方?」 谷口「お前さあ…正直キョンはだらしがなくて、木偶の坊で唐変木で…パッとしないザンネンな奴だと思ってるだろ?」 ハルヒ「わ…分かってるじゃない。そうよ?だって、その通りでしょ?」 谷口「で、当然女性にはモテないタイプであると」 ハルヒ「だってあいつ、浮ついた話題なんて全然ないじゃない」 谷口「ところがどっこい。現実は真逆なんだよなー」 ハルヒ「まさか…実はモテモテー…なんてことは…」 谷口「そのまさかだぜ?実はあいつ、お前んとこの…なんだっけ?古泉、だったか?よりもモテてるぞ?」 ハルヒ「は、はああああああああああああああああああ?!!」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 18:23:15.24 ID:lV9znRme0 ハルヒ「い、一体何の証拠があって…」 谷口「証拠か?…こういうの、あんまり人に見せるもんじゃないんだが…」ガサガサ 谷口「ほい」バサ ハルヒ「…なにこれ?」 谷口「んーと、こっちの10枚が正真正銘のラブレターで…この紙が各クラスごとの調査の結果、キョンに好意を持っている奴のリスト」 谷口「言っとくが、このラブレターは直接渡せなくて俺に、キョンに渡してくれと言われた分に過ぎないぜ?」 谷口「…もしかしたら、キョンのやつ、もう何枚か読んでるかもなー」チラ ハルヒ「…」ボーゼン 24 名前:>>23オチは思いついてんだよ[] 投稿日:2012/03/10(土) 18:39:50.37 ID:lV9znRme0 谷口「さてと、キョンについての認識を改めてもらったところで、もう一度聞くとするか」 谷口「キョンの事をどう思ってる?」 ハルヒ「……」プルプル 谷口「はあ…何がお前をそこまで頑固にしてるか知らねえけどさ?正直になったらどうだ?」 谷口「いつまでもこんな関係が続くと思ったら大間違いだぜ?」 谷口「もし、SOS団の名のもとにキョンを拘束しようとか考えてるんだったら…それもやめた方がいい」 谷口「…何もしないよりもひでぇ結果になるのは目に見えてるからな」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 18:54:22.28 ID:lV9znRme0 ハルヒ「……」 谷口「…はあ。分かったよ。それがお前なりの答えなんだな?…もういい。今からこの手紙と…あと、頼まれたデートの取り付けを頼みに行く」ス テクテク ガラッ ガシッ! 谷口「お?」 ハルヒ「…」グッ 谷口「…涼宮、放せ。」 ハルヒ「…」フルフル 谷口「忠告したよな?キョンはモテるから早くしないと他の誰かに取られちゃうってな。なのに、お前はキョンに対する自分の気持ちを変えなかった」 谷口「お前もそれでいいんだろ?…この手紙だって、すぐに渡すことが出来たんだ。なんで俺がすぐに渡さなかったか、分かるよな?」 ハルヒ「…」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 19:53:58.52 ID:lV9znRme0 谷口「…なあ、涼宮はキョンをいったいなんだと思ってるんだ?自分の人形か?体のいい雑用係か?」 谷口「自分の我儘で、これ以上キョンを拘束するのかよ?」 ハルヒ「…」プルプル 谷口「はあ……もう放せよ」バッ ハルヒ「!!」 谷口「…」テクテク ハルヒ「ッ…待ちなさいよ!!」 谷口「…」ピタ ハルヒ「何よ…何よ!!あんたに何が分かるっていうのよ?!」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 20:11:10.04 ID:lV9znRme0 ハルヒ「そうよ…キョンはあたしにとって一番大切な奴よ。退屈で単調な日常に、色をつけてくれた人」 ハルヒ「それに、あたしにしっかりと向き合ってくれる唯一の人。あたしを影から見守ってくれる人」 ハルヒ「それに、とってもお人よし。他にもいい所を挙げればキリがないわ」 ハルヒ「あいつがどんなに魅力的かなんて、本当は分かってたわよ。SOS団のみんなのキョンへの態度見たことある?」 ハルヒ「キョンは、あたしよりも…みんなに頼りにされてるのよ?」 ハルヒ「…そんなキョンをずっと身近で見てきて、好きにならない方がおかしいわよ」 ハルヒ「でも…確かに付き合いたいとは思うけど……もし、あたしが告白でもしたら…」 ハルヒ「それこそ、あいつを束縛しかねない」 ハルヒ「…あいつはお人よしだから、あたしを気遣って自分に正直になれないかもしれない」 谷口「……」 ハルヒ「だから、あたしからは告白しない…でも」 ハルヒ「…キョンが他の人と付き合うのも…耐えられない…!!」 ハルヒ「どうすればいいのよ!!分かんないわよ!こんなの!!初めてだもん!!こんな気持ちになったの!!」ポロポロ ハルヒ「ううう…うえぇぇええぇ…」 谷口「…」カチ 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 20:26:48.81 ID:lV9znRme0 谷口「うし、上出来だ…言質は取らせてもらったぜ?」つレコーダー ハルヒ「…うぇえ?」 谷口「…お前がなかなか正直にならないからな…ちょっくら刺激させて貰ったんだよ」 ハルヒ「」 谷口「…だが、ラブレターその他諸々の件はノンフィクションだ。…涼宮。お前はキョンの事が好きなんだろ?」 ハルヒ「…」コク 谷口「だったら、告っちまえよ。難しいことなんか考えないでさ?」 ハルヒ「ズズッ…あんたらしい、メチャクチャ軽い意見ね」 谷口「そうか?恋愛なんてそんなもんだろうが。ちょっとくらいなら、我を通しても罰は当たんねえよ?」 ハルヒ「…でも、やっぱり」 谷口「だー!!もううっぜえな!…お前が告白しないんだったら、俺が勝手にこの言質使っちまうぞ?」 ハルヒ「な…?!」 谷口「それにな…お前の想い人は告白ひとつで気まずくなるほど軟な人間なのかよ?」 ハルヒ「ぐぐ…」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 20:38:33.45 ID:lV9znRme0 谷口「…ま、お前の正直な気持ちが聞けたことだし、今日はこれくらいにしとくか」ゴソゴソ 谷口「何も今すぐに告白しろとかは言わねえよ。だけど、もっと素直になってアピール位はして見せろよ」 ハルヒ「…ふん」 谷口「…相談にならいつでものってやる。お前の言う通り、俺は暇人だからな」 ハルヒ「嬉しくもなんともないわよ…」 谷口「冷てえな…おら、残りの掃除は全部俺がやるからお前は部活に行っとけ」 ハルヒ「言われなくても!」ダダッ ダダダダダダダダダ…… 谷口「…はあ、これで少しは進展があればいいんだけどよぉ」 谷口「どれ、残りの掃除を終わらせっか!」 ピロ~ン 谷口「…メール?」パカ From : 涼宮ハルヒ 本文 : ありがと 谷口「…どういたしまして」パタン 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 20:55:05.56 ID:lV9znRme0 翌日・朝 谷口「うい〜っす」ガラ 谷口「んお?」 キョン「〜〜〜〜」ペラペラ ハルヒ「〜〜〜〜」ペラペラ 谷口(…ま、ちょっとは進展したんだな) 国木田「お早う、谷口」 谷口「おう…涼宮とキョン…うまくやってるみたいだな」 国木田「そうなんだよ。今日は珍しくどっちも素直になったみたいでね…谷口が細工したのかな?」 谷口「あれを細工と言うかは微妙だな。…ま、ちょっと後押ししてやっただけだよ」 国木田「谷口のちょっとはあてになんないからなぁ…ホントにちょっとの時もあるけどさ…」 谷口「よせよ…おう。そう言えば今日はキョンは俺たちと一緒に飯は食わないことになってるぜ」 国木田「昨日僕を離席させたと思ったら…また何かキョンに吹き込んだの?」 谷口「吹き込むなんて人聞きが悪いこと言うなって…」 谷口「ちょっと刺激してやっただけだよ」 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 21:07:51.91 ID:lV9znRme0 放課後・清掃時間 谷口「よっ!調子はどうだ?キョンとのランチは楽しめたか?」 ハルヒ「…通りで今日キョンに誘われた訳だわ。似合わない真似するな…とは思ってたのよ。…あんたの差し金だったのね」 谷口「ま、あいつもあいつで頑固もんだからな…結構お前の事気にしてるようだったぜ?」 ハルヒ「そ、そう?…あ、でも…それはいつもあたしが振り回しているからで…」 谷口「それでもあいつの心中に占めるお前の割合が大きいことには変わんねーけどな。あいつもお前の事、前々から意識してたみたいだし」 ハルヒ「…///」テレテレ 谷口「…これなら、もう押し切るしかないんじゃないか?もう次の段階に行っちゃえよ」 ハルヒ「…次?」 谷口「おう、次。ネクストステージ!ってやつだな」 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 21:18:08.44 ID:lV9znRme0 放課後 長門「…」パタン ハルヒ「うん!今日はこれでおしまい!解散!」 みくる「じゃあ、着替えますから…」 キョン「あ、はい…」 古泉「では、外でお待ちしてますよ」 バタン キョン「ふうー」 古泉「今日もお疲れ様です…今日は随分と涼宮さんの機嫌もよろしかった様で…これも偏にあなたのおかげだと」 キョン「いや、今回はちゃんとした協力者があってこそのこの状態だよ」 古泉「ほう…機関も把握しえない協力者、ですか?一体どなたです?」 キョン「お前も知ってるやつなんだけどな…灯台下暗しってやつじゃないのか?…ん?」パカ 古泉「おや、メールですか?誰からです?」ヒョイ キョン「俺にはプライベートと言うものが存在しないらしいな!」ベシ 古泉「フグッ…すみません、これも性分なものですから…」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 21:23:52.09 ID:lV9znRme0 古泉「それで?結局誰からのメールかは教えてもらえないのでしょうか?」 キョン「俺のターン。拒否権を発動」 古泉「これは手厳しいですね。その罠を解除できる魔法カードがあればいいのですが」 キョン「ふん。まあ、期が来れば教えてやる」 古泉「欣快の至りです」 ガチャ みくる「お待たせしました〜」 ハルヒ「じゃあ、今日はみんなで帰りましょ!!」 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 21:32:54.40 ID:lV9znRme0 帰り道 キョン「…」ソワソワ キョン「…」パカ パタン パカ パタン 古泉「…」 キョン「…」キョロキョロ キョン「…」パカ ポチポチ キョン「…」ニヤ 古泉(…気持ち悪いほどの笑みですね……やはり、先ほどのメールが関係しているのでしょうか?) 古泉「貴方がそのような顔をするとは、余程嬉しいことがあったのでしょうね?」ポン キョン「!!」ビク!! 古泉「いや、驚きすぎですよ…本当に、どうしたんですか?」 キョン「ああ、すまんすまん。大丈夫だ」 古泉「…なら、いいのですが……あまりそのように笑みを溢すのはいかがなものかと」 キョン「…すまん。自重する」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/10(土) 21:40:11.28 ID:lV9znRme0 分かれ道 古泉「では、僕たちはここで」 長門「…また明日」 みくる「さよーならー」 キョン「…」フリフリ ハルヒ「また明日!」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ハルヒ「ねえ、キョン。メール見た?」 キョン「おう。見た見た…今度の日曜でいいのか?」 ハルヒ「ええ。飽きのこない1日を期待してるわ」 キョン「…尽力するさ」 ハルヒ「うん!日曜日まで、しっかり予定を練っと来なさいよ?」