夜神月「なんだ、この赤い本?」ガッシュ「魔界の本なのだ!」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 14:33:33.32 ID:PQYYcfc+0 月「お前は…」 ガッシュ「私の名前はガッシュ・ベルだ!よろしく頼むぞ!」 月「ガッシュ…?この本はお前の?」 ガッシュ「うぬ、今日からお主が私のパートナーだ」 月「え?」 ガッシュ「魔界の王になるためには、他の魔物達も倒さねばならんのだ」 ガッシュ「協力してくれぬか?」 月(なに言ってんだコイツ…) 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 14:39:20.98 ID:PQYYcfc+0 ガッシュ「名は確か夜神月と言ったな!」 ガッシュ「月と呼ばせてもらうのだ」 月「待て、ガッシュ」 ガッシュ「む?」 月「どうして、お前は俺の家が分かったんだ?」 ガッシュ「それは…この手紙を読めば分かるはずだ」 スッ 月「これは?」 ガッシュ「月の父上から手紙を受け取ったのだ」 月「と、父さんが…?」 ガッシュに手渡された手紙を月はゆっくりと読み始める 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 14:43:17.51 ID:PQYYcfc+0 月へ… 誕生日おめでとう そこにいる、ガッシュ君は誕生日プレゼントだ 月は学校で1人ぼっちだから、丁度いいだろ? 仕事が落ち着いたらまた家に戻る…偉大なる父より ―回想シーン― 総一郎「…警察署の前に子供が倒れている…」 ガッシュ「…」 総一郎はガッシュの傷を手当し看病をした ガッシュ「助かったのだ!お礼になにかさせてはくれぬか?」 総一郎「…私の息子は、人よりも少し賢いんだ」 総一郎「そのため、私の息子は勉強を怠けてしまい学校にも行かなくなった」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 14:48:10.56 ID:PQYYcfc+0 総一郎「だから、ガッシュくん」 総一郎「月を…月をどうか社会復帰させてくれないか?」 ガッシュ「…お安い御用なのだ!」 総一郎「いい子だね」 月「父さんが…そんなことを…」 ガッシュ「月の父上は本当に貴様の事を心配しておる」 月「…知らないよ、父さんは余計な事をしてくれたな…」 ガッシュ「…お主の事を真剣に心配してくれているのだぞ!?」 月「やかましいっ!!」 月「ふザケルな…!!!!」 バチバチッ!! 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 14:51:53.68 ID:PQYYcfc+0 月「がはっ…」 ガッシュ「…」 月「な、なんだこれ…!?」 月「まさか、さっきこの本に書いてあった…」 「ザケル」 月「第1の術…ザケル……?」 ガッシュ「月、その本に書かれている呪文を発すれば私は技を発動できるのだ」 月「!」 月「いや、しかしまだ読めないページもあるな…」 月「ゲームの必殺技みたいに今後増えていくってことだな」 ガッシュ「その呪文を使い、魔物達と戦わねばならんのだ」 月「ゴクリ…どうやら僕はとんでもない世界に踏み込んでしまったようだ…」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 14:55:54.00 ID:PQYYcfc+0 月「ガッシュ」 ガッシュ「ヌッ?」 月「お前は魔界の世界ではどんな奴だったんだ?」 ガッシュ「いや、私には魔界にいた頃の記憶がないのだ」 月「へぇー」 ガッシュ「うぬ」 コンコン 母「月…今日は学校はどうするの?」 月「パス」 母「…いい加減にしてちょうだい」 母「母さんもう疲れたのよ…貴方に…」 母「学校で浮いてるからってなによ!いじめられて悔しいなら見返しなさいよ!!」 月「…っ!やかましいクソババア!!!!!」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:00:49.79 ID:PQYYcfc+0 ガッシュ「月!!母上に向かってやかましいとはなんだ!!」 月「うるさい…!ふザケルな!!」 バチバチッ 月「っァ!!!」 本日2回目のザケルを食らった月の肉体は限界に達していた 月(まぁいいや、家にいても暇だし…学校に行ってやるか) 月「この本、暇潰しになりそうだしね」 スッ ガチャッ 母「…ら、らいと」 月「いってきます」 ガッシュは月の学生鞄にこっそりと忍び込んだのであった 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:04:06.08 ID:PQYYcfc+0 ―学校― 教師「〜であるからして」 月(余所見中) 教師「……おい、夜神この問題を解いてみろ」 月「…」 「2×8」 月「16」 教師「…チッ、正解だ…」 「なんだよ夜神の奴…久し振りにきてインテリ気取ってんのかよ」 「頭良いなら学校に来なくていいのになー」 月「……」 ガッシュ(…) 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:07:41.88 ID:PQYYcfc+0 キンコンカーンコーン 「昼休みだねーご飯一緒に食べようよ」 「また、夜神の奴1人で食べてるークスクス」 月「…」 ガタッ 月は立ち上がり教室を出ようとする ガッシュ(なぜ、帰ろうとしているのだ…?まだ授業は…!) ガッシュ「月ーーー!待つのだ!!」 月「…なっ!?」 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:11:49.79 ID:PQYYcfc+0 「なに、あの子?」 「夜神の奴、不要な物持って来るとかヤンキーじゃん」 月「…おい!こっちこい!」 グイッ ガッシュ「ヌゥッ!痛いのだ!!」 ―体育館裏― 月「はぁはぁ…」 ガッシュ「すまぬのだ…どうしても我慢出来ず出てしまったのだ…」 月「もういいさ、僕は帰るから」 ガッシュ「それは私が許さん!キチンと最後まで授業を受けていくのだ!」 月「あんな奴等と勉強したって…僕の頭が濁るだけだよ」 ガッシュ「…友達…友達さえいれば…そんな事は思わなくなるはずだぞ」 月「…クッ!!」 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:21:11.97 ID:PQYYcfc+0 ガッシュ「でも、安心するのだ」 月「?」 ガッシュ「今日からは私が月の友達なのだ!これで学校も楽しめるはずだぞ!」 月「……」 ガッシュ「ヌゥッ?私が友達では嫌なのか…?」 月「お前が友達でも、僕の生活は変わらない…」 スタスタ ガッシュ「ま…待つのだ月!まだ話は終わってないぞ!」 月(僕は一生家に引きこもっていればいい) 月(こんなバカな奴等と比べ合う必要もない……) 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:28:28.36 ID:PQYYcfc+0 ミサ「や、夜神くん…」 月「ミサ…」 ミサ「今度の期末テストで分からない所いっぱいあるから」 ミサ「夜神くんに教えてもらいたいな…」 月「ごめん、僕もう帰るから」 ミサ「ま…待ってよ夜神くん…!」 月(……) 月「…ただいま」 月「あ、そうか…母さん仕事か」 ガッシュ「母上殿は今はおらぬぞ」 月「が…ガッシュ…」 ガッシュ「やはり、学校を抜け出してきたのだな?」 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:34:41.68 ID:PQYYcfc+0 ガッシュ「そんな生活、いつまで続けるつもりなのだ」 ガッシュ「せっかくお主は素晴らしい頭脳を持ち生まれて来たのだぞ!」 月「天才な僕は周りから僻まれるのさ」 月「だから、僕は外に出てはいけない人間なんだよ」 ガッシュ「……ええい!そんなことはいいのだ!とにかく学校に…」 ピンポーン ピンポーン 月「ん?」 ガッシュ「誰かきたのだ」 スタスタ 月「誰だ…こんな昼間に家を訪ねてくるなんて…」 ガチャッ 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:37:49.83 ID:PQYYcfc+0 総一郎「…」 リューク「…よぉ」 月「!?」 ガッシュ「…父上なのだ!」 総一郎「月、ただいま」 月「父さん…その化け物誰なんだよ…?」 総一郎「この本を見れば分かるだろ?」 スッ 月「が、ガッシュと同じ本…!?黒いの本なんてあるのか…!」 総一郎「私は彼のパートナーだ」 リューク「リュークだ、よろしくな」 月「クッ…何をするつもりだ父さん……」 総一郎「こうするに決まっているだろ」 総一郎「ギガノリューク…!!」 ズシャァッ!! 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:42:17.85 ID:PQYYcfc+0 月「グァァ!!」 ガッシュ「月!」 月「くっ…こいつ、黒い光線なんて放ちやがって…」 ガッシュ「月…こちらも反撃をするのだ!」 月「ああ、父さんに1発でかいのをぶち込む…!」 リューク「ニヤッ」 月「…いけ!!ザケル!!」 バチバチッ!! リューク「……悪いな、強力な呪文でない限り俺は傷すらつかないぜ」 月「なっ!?」 総一郎「そういうことだ、月」 総一郎「いくぞ…リリューク!!」 ズシャァッ!!! 月「ぐぁあああああああ」 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:45:49.46 ID:PQYYcfc+0 リューク「おいおい、もう終わりか?」 リューク「ちょっとは楽しませてくれよ」 ガッシュ「はぁはぁ……」 月「が、ガッシュッ!!お前…僕を庇ったのか…!?」 ガッシュ「ら…いと……私は大丈夫だ……次の…次の指示を私に…」 月「…!!」 総一郎「月、残念だがリュークには勝てない」 総一郎「私は彼を王にする」 リューク「りんごだらけの世界にしてぇんだよ…」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:47:59.93 ID:PQYYcfc+0 月「りんごだらけ…!?」 リューク「りんごだ、魔界をりんごの世界に変えるんだよ」 ガッシュ「そ…そんなことをしては魔界がおかしくなってしまうのだ!」 ガッシュ「月!絶対にこの者を王にしてはならぬ!」 月「わ、分かってる…!」 月(ガッシュは俺を必要としてくれてる…俺の指示を待ってる…) 月「…うおおおおおおおお!!!」 月「ザケル!!!」 シーン 月「え…?ザケル!!ザケル!!ザケル!!!」 月が何度、呪文を発しようが技が発動されることはない 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:51:22.69 ID:PQYYcfc+0 総一郎「心の力が尽きたようだな」 月「心の…力…?」 総一郎「今のお前には戦いから逃げ出したいという恐怖心しか見えん」 月(そんなバカな…!僕は恐怖心なんて一切ない…!) 月(ガッシュを…ガッシュを王にしたい!) 総一郎「くだらん」 総一郎「リューク、いくぞ」 リューク「あいよ」 総一郎「ギガノリューク!!!!!」 ガッシュ「ぬぁぁあああ!!」 月「ガッシュ…!!」 月(やめろ…やめろ!ガッシュをこれ以上傷つけないでくれ…!) 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 15:59:05.67 ID:PQYYcfc+0 リューク「あんまりいじめとか好きじゃねーんだけどな」 月「父さん、もうやめてくれ…」 総一郎「お前が私に本を差し出せばいいだけだ」 月「この本を?」 総一郎「本を燃やされれば魔物は元の世界にへと帰還するからな」 リューク「要は負けってことだ」 月(じゃあ、本を渡せばガッシュは王になれない…?) ガッシュ「月…はぁはぁ……決して渡してはならぬ…」 総一郎「ならば、とことん傷つけるしかないな」 月「止めろォォォ!!止めてくれ!!」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 16:04:51.88 ID:PQYYcfc+0 ー1時間後ー ガッシュ(ボロボロ) 月「が、ガッシュ……」 総一郎「無様な姿だな」 リューク「オモシロ」 月(ダメだ…!ガッシュが動けないんじゃ僕はなにもできない!) ガッシュ「月……お主は…一人ぼっちではない……」 月「っ!!」 総一郎「はははは!死に際の一言がそれか!」 月「笑うな…笑うなーーーーーっ!!!」 月「本よ…ガッシュ…ガッシュという戦士に力を貸してくれ!!!」 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 16:11:08.93 ID:PQYYcfc+0 キラキラッ 総一郎「月の本が金色の光に包まれた!?」 リューク「おい、次の一撃…受けるのしんどいかもな」 総一郎「なんだと?」 月「ガッシュ…いくぞ!お前には俺がついてる!」 月「ザケル!!!!!」 バチバチッ 総一郎「わ、技を発動出来たのか…!」 月「やったか!?」 リューク「いててっ…さっきのより威力が上がってるぜ」 月(クッ…!これでもまだ奴を倒せないのか…!) 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 16:18:11.04 ID:PQYYcfc+0 総一郎「ここで、消し去るのも惜しい」 リューク「だな」 月「…!」 総一郎「今回は見逃してやるが、次はそうはいかんぞ」 リューク「じゃあな、今度は退屈凌ぎぐらいには成長しろよ」 スタスタ ガッシュ「月…私は…私はとても悔しいのだ…!!」 月「俺もだガッシュ…」 月の目には涙が溢れていた 一緒に強くなろう…ガッシュ… 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 16:38:47.11 ID:PQYYcfc+0 月「ガッシュ…」 ガッシュ「月!今日は早起きなのだな!」 月「僕、学校行くよ」 ガッシュ「ヌゥッ?それはホントなのか!?」 月「もう、引きこもり生活は終わりだ」 ガッシュ「ようやく、分かってくれたのだな…!」 月「行ってくるガッシュ」 ガッシュ(月、お主はあの戦いを経て一回り成長したのだな…) 月、登校……! 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/08(木) 16:47:21.98 ID:PQYYcfc+0 ー公園ー 月「すまん…ガッシュ…」 僕は嘘つきだ 学校の門の前に立った瞬間、足が震えて中に入れなかった 月「なにが…なにが学校に行くだ…!」 月「僕はなにも成長していない!」 月「そろそろ、昼飯の時間だな」 もぐもぐ 月(一人で食べる弁当って…楽しくないな…)